JP2001246239A - 水熱反応方法および装置 - Google Patents
水熱反応方法および装置Info
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Abstract
入直後に均一に分散させることができ、これにより反応
効率を高くでき、小型の装置により高効率で被反応物を
分解することが可能な水熱反応方法および装置を提供す
る。 【解決手段】 実質的に垂直方向に配置され内径Rの3
倍以上の長さHを有する筒状の反応器1に、被反応物と
酸化剤の混合物を反応器1の上部から噴射機構2によ
り、反応器内径Rの1/15〜1/200の内径rを有
する噴射口3を通して、10m/sec以上の噴射速度
で噴射し、これにより反応器1内の上部に完全混合域2
1を形成し、下部にプラグフロー域22を形成して、水
の超臨界または亜臨界状態で水熱反応を行い被反応物を
分解する。
Description
ルギー生成または化学物質製造を行うための水熱反応方
法および装置、特に水の超臨界または亜臨界状態下で水
熱反応を行うのに好適な水熱反応方法および装置に関す
るものである。
で、被反応物を酸化反応や加水分解反応させて廃棄物を
分解したり、エネルギーを生成したり、化学物質を製造
したりする方法である。特に近年、水の超臨界または亜
臨界状態で有機物を含む被反応物と、酸化剤を反応させ
ることにより酸化反応を生じさせ、被反応物中の有機物
を短時間で、ほぼ完全に分解する水熱反応が注目されて
いる。
物を酸化分解する場合、被反応物、酸化剤、水が、374
℃以上の温度で22MPa以上の圧力の超臨界状態、あるい
は374℃以上の温度で2.5MPa以上で22MPa未満の圧力の亜
臨界状態で反応する。この場合、被反応物に予め適性量
の水を含む場合は、水を供給する必要はない。反応の結
果、有機物は酸化分解され、水と二酸化炭素からなる高
温高圧の流体と、乾燥またはスラリー状態の灰分や塩類
等の固体を含む反応生成物が得られる。反応生成物のう
ち固体は固体分離装置によって分離される。固体を分離
した流体はエネルギー回収されるか、冷却、減圧され、
ガス分と液分とに分離される。
の有機廃液等の被処理物および酸化剤を高圧ポンプで加
圧し、混合した状態で噴射機構により反応器に上部から
噴射し、反応器の上部に逆流を伴う混合区画を形成し、
下部に栓流区画を形成して水熱反応を行う方法が提案さ
れている(特開平11−156186号)。上記の方法
では上部に逆流を伴う混合区画を形成し、下部に栓流区
画を形成することにより、効率よく水熱反応を行うこと
ができるが、小型の装置でさらに効率よく水熱反応を行
うことが要望されている。
器に導入する被処理物および酸化剤を導入直後に均一に
分散させることができ、これにより反応効率を高くで
き、小型の装置により高効率で被反応物を分解すること
が可能な水熱反応方法および装置を提供することであ
る。
方法および装置である。 (1) 実質的に垂直方向に配置され内径の6倍以上の
長さを有する筒状の反応器に、被反応物と酸化剤の混合
物を反応器の上部から噴射機構により、反応器内径の1
/15〜1/200の内径を有する噴射口を通して、1
0m/sec以上の噴射速度で噴射し、これにより反応
器内に実質的な完全混合域およびその下にプラグフロー
域を形成して、水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応
を行うことを特徴とする水熱反応方法。 (2) 被反応物は窒素含有物質である上記(1)記載
の方法。 (3) 水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応を行う
実質的に垂直方向に配置された筒状の反応器と、反応器
の上部へ被反応物を供給する被反応物供給路と、反応器
の上部へ酸化剤を供給する酸化剤供給路と、被反応物供
給路から供給される被反応物および酸化剤供給路から供
給される酸化剤を混合状態で反応器の上部から噴射する
噴射機構と、反応器の下部から反応物を取り出す反応物
取出路とを備え、前記反応器は内径の6倍以上の長さを
有し、前記噴射機構は反応器の内径の1/15〜1/2
00の内径を有する噴射口から被反応物と酸化剤の混合
物を10m/sec以上の噴射速度で反応器内に噴射す
ることにより反応器内に実質的な完全混合域およびその
下にプラグフロー域を形成するように構成されているこ
とを特徴とする水熱反応装置。 (4) 反応器の内壁に耐腐食性ライナーを有する上記
(3)記載の装置。 (5) 反応器の内壁から付着物を除去する手段を備え
ている上記(3)または(4)記載の装置。 (6) 反応器の反応物を冷却する手段を備えている上
記(3)ないし(5)のいずれかの装置。
応器の中に実質的な完全混合域を形成し、この部分にお
いて被反応物および酸化剤を反応器導入直後に均一に分
散させ、その完全混合域の下にプラグフロー域を形成し
てさらに反応させて、望ましい水熱反応を生じさせるよ
うに意図されている。完全混合域は導入直後の被反応物
および酸化剤がその領域内に一様に分散する完全混合流
が生じる領域である。このように完全混合域では被反応
物と酸化剤が導入直後に領域内の反応物と均一に混合す
るため、反応効率は高くなり、被反応物の大部分(例え
ば90〜99重量%)を完全混合域で分解することがで
きる。
の被反応物を処理した後の反応物は、反応器の長さを長
くすることにより、完全混合域の下にプラグフロー域を
形成し、この部分において水熱反応を継続することによ
り残余の被反応物を分解した反応物を得ることができ
る。
は亜臨界状態の高温高圧の水の存在下に被反応物を酸化
反応等させることを意味する。ここで超臨界状態とは3
74℃以上、22MPa以上の状態である。また亜臨界
状態とは例えば374℃以上、2.5MPa以上22M
Pa未満あるいは374℃以下、22MPa以上の状
態、あるいは374℃以下、22MPa未満であっても
臨界点に近い高温高圧状態をいう。
酸化反応、加水分解反応等の水熱反応の対象となる物質
を含むものである。具体的な被反応物としては、工場等
から排出される廃液中の有機物、PCB、ダイオキシン
あるいはトリクロロエチレンに代表される有機塩素化合
物や環境ホルモン等の有害物質およびそれらで汚染され
た水、油、土、汚泥などの物質、プラスチック、各種無
機物、粒状物、それらの水溶液あるいは水との混合物、
し尿、下水汚泥、活性汚泥からの余剰汚泥などがあげら
れる。下水汚泥、し尿、活性汚泥からの余剰汚泥、アミ
ンやアミノ酸やタンパク質等の窒素含有有機物等の窒素
を含む被反応物は、本発明の対象として好適である。な
ぜならそれらの窒素含有物を窒素ガスに分解するには、
従来の水熱反応ではより高い反応温度とより長い反応時
間を必要としたからである。このような被反応物は酸化
剤と混合した状態で反応器に導入され、水熱反応を受け
る。酸化剤としては、空気等の酸素含有ガス、過酸化水
素等の過酸化物などがあげられる。
を別々にあるいは混合して反応器に供給して水熱反応が
行われる。このような水熱反応系は被反応物のほかに水
が存在し、さらに必要により触媒や中和剤等が添加され
る場合があるが、これらも被反応物と混合して、あるい
は別々に反応器に供給することができる。
亜臨界状態で水熱反応を行うように、耐熱、耐圧材料に
より、実質的に垂直方向に配置した筒状容器で形成され
る。反応熱により超臨界または亜臨界状態に達しない場
合には、被処理物を反応器に導入する前に予熱したり、
補助燃料を被処理物に添加することができる。容器の形
状は円筒、だ円筒、多角筒とすることができ、下端部は
コーン状とするのが好ましい。このような反応器により
超臨界または亜臨界状態で水熱反応を行うと、被反応物
の有機物は酸化剤により酸化されて最終的に水と二酸化
炭素に分解され、あるいは加水分解により低分子化す
る。反応生成物は冷却、減圧され、ガス分と液分に分離
される。
を行う反応器に被反応物および酸化剤を供給するため
に、被反応物および酸化剤を供給する被反応物供給路お
よび酸化剤供給路をそれぞれ高圧の供給ポンプを介して
反応器の上部に連絡するように設ける。被反応物と酸化
剤が混合されている場合には、共用の供給路を用いるこ
とができる。反応器における水熱反応を定常状態で行う
ためには、それぞれの供給ポンプは被反応物および酸化
剤を一定流量で供給するように構成される。反応器の下
部には反応物を取り出すための反応物取出路が連絡する
ように設けられる。
被反応物と酸化剤供給路から供給される酸化剤を混合し
た状態で反応器の上部から下向に噴射するように設けら
れる。噴射機構は噴射口を有する噴射ノズルにより形成
されるが、噴射口は複数個であってもよい。噴射口は通
常、噴射流が反応器の内壁に直接噴射されないように反
応容器の上蓋中央付近に設置されるが、反応容器の上部
の側壁から配管を導入して容器内部で下側に向けて噴射
する形態でもよい。
的に水熱反応が行われる領域の内径)の6倍以上の長
さ、好ましくは6〜20倍、さらに好ましくは6〜15
倍の長さとなるように形成される。本発明において内径
は、反応器が円筒以外の形状の場合には、水力学的に等
価な円筒の直径に相当する相当直径が用いられる。
200、好ましくは1/20〜1/150、さらに好ま
しくは1/30〜1/100の内径(実質的に水熱反応
が行われる領域の内径)を有する噴射口から、被反応物
と酸化剤の混合物を10m/sec以上、好ましくは1
0〜500m/sec、さらに好ましくは15〜300
m/secの噴射速度で反応器内に下向に噴射するよう
に構成される。噴射口が複数個ある場合には、合計の断
面積を有する円の直径に換算して内径比を求める。
化剤の混合物を下向に噴射すると、反応器に実質的な完
全混合域が形成される。実質的な完全混合域は、通常反
応器の上端から内径の4〜8倍の長さの領域に形成され
る。実質的な完全混合領域では反応器の中心部が下向
流、周辺部が上向流の均一な循環流が生じる。中心部の
下向流の方向に被反応物と酸化剤の混合物を噴射する
と、噴射流は循環流と混合されて循環し、循環流中に均
一に分散する。このため実質的な完全混合域に噴射され
た被反応物と酸化剤の混合物は完全混合域内の流体中に
噴射直後に均一に分散して反応物と混合され、これによ
り反応物中の熱を受けて、直ちに超臨界または亜臨界状
態に達し、効率よく水熱反応が行われる。
応物の大部分(例えば90〜99重量%)が分解され
る。さらに分解率を高くするために、反応器内に実質的
な完全混合域の下にプラグフロー域を設ける。プラグフ
ロー域では、反応物の自重と、反応物取り出し路からの
引抜き力により下向きの実質的な平行流が形成され、超
臨界または亜臨界状態で移動するため水熱反応が進行
し、残留する被反応物が分解される。実質的な完全混合
域の下のプラグフロー域は、少なくとも内径の2倍の長
さが必要と考えられる。それ故に、一つの反応器内に実
質的な完全混合域とプラグフロー域を持つためには、少
なくとも内径の6倍の長さが必要と考えられる。好まし
い混合状態を得るためのこの反応器の長さ/内径の比
は、流体力学解析で支持されている。
噴射口の内径の比、および噴射速度が前記範囲外の場合
には、反応器内に逆流が生じる場合でも均一な実質的な
完全混合域を得ることは非常に困難である。この場合、
被反応物と酸化剤の混合流がこのような混合域に噴射さ
れても、均一な分散を得ることは非常に困難である。こ
のような混合域では、水熱反応は安定に継続できない。
水熱反応が起こったとしても、反応効率は十分には高く
なく、被反応物のほとんどを分解するのは非常に難し
い。
ロー域で水熱反応を行うことにより、水熱反応を効率よ
く行うことができ、これにより小型の反応器により被反
応物を高効率で分解することができる。大部分の被反応
物を実質的な完全混合域で分解した反応物は実質的な完
全混合域の下のプラグフロー域で継続処理を行うことに
より、残余の被反応物を分解して高除去率で被反応物を
分解除去することができる。
熱反応に耐えるものであれば、材質は制限されないが、
ハステロイ、インコネル、ステンレス等が使用できる。
合や、反応によって酸のような腐食性物質を生成する場
合には、反応器は耐腐食性ライナーを設けることができ
る。耐腐食性ライナーは、特に限定されず、チタン、白
金、イリジウム、ジルコニア、チタニア等の耐腐食性材
料で反応器内面をコーティングしたもの、あるいは同様
の材料からなるカバー状部材を反応器内面に直接または
間隔を保って配置したものなどがあげられる。このよう
なライナーを設けることにより、反応器の腐食を防止
し、長期にわたる水熱反応が可能である。
応により生成する無機塩や酸化物のような固体は、重力
の作用で反応器内を下向きに移動して、反応物取出路か
ら排出される。噴射供給された流体が、反応器内壁に直
接接触しないようにすることは、固体の付着を防ぐため
に好適である。固体の粘着性が著しい場合には、反応容
器内壁に付着した固体を除去するための除去手段を設け
ることができる。固体除去手段としては機械的装置とす
ることができ、特に限定されないが、回転フレーム式の
もの、あるいは特開平11−156186号に示された
切欠窓部分を有する実質的に円筒状のスクレーパが好適
である。このような固形物除去手段を設けることによ
り、反応器内面に付着する固形物を除去して長期にわた
って水熱反応を続けることができる。
出する前に冷却するための冷却手段を設けることができ
る。冷却手段は、特に限定されないが、反応器の下部に
水を導入して冷却し、無機塩を水に溶解してその排出を
促進することができる。また、反応器内に酸やアルカリ
を含む水を導入して冷却するとともにアルカリや酸の中
和を行うこともできる。このような冷却手段を設けるこ
とにより反応器内を冷却して液体を生成させ可溶性成分
を溶解し、かつ中和によりpHが中性の状態で取り出す
ことができ、このとき固形物も分散して取り出すことが
でき、これらの排出が容易になる。
混合域を形成して水熱反応を行うようにしたので、被処
理物および酸化剤を反応器導入直後に均一に分散させる
ことができ、反応効率を高くできる。さらに、実質的な
完全混合域の下にプラグフロー域を設けて水熱反応を継
続させるので、小さい反応器で高効率で分解できる。こ
のように被処理物を高効率で小さい反応器で分解でき
る。
基づいて説明する。図1は実施形態の水熱反応装置を示
す垂直断面図である。
熱、耐圧性材料により下部が円錐部1aとなった円筒状
の容器からなり、上部に噴射機構2が設けられている。
噴射機構2は下端部に噴射口3を有する小円筒状の噴射
ノズル4と混合部5からなる。噴射ノズル4は反応器1
の上部から噴射口3が反応器1内に下向に開口するよう
に取付けられている。混合部5の上部と側壁部に設けら
れた被反応物導入部6および酸化剤導入部7に、それぞ
れ被反応物供給路8および酸化剤供給路9が連絡してい
る。
1が形成されている。反応器1のライナー11の内側に
間隔を保って下部が円錐部12aとなった円筒からなる
スクレーパ12が回転可能に設けられており、反応器1
の下端部の小径部1bに挿入された小径部12bに連絡
する駆動機構13により回転させられるようになってい
る。反応器1の小径部1bの中央部を通して下から冷却
水路14が立ち上がっている。反応器1下端部の小径部
1bには反応物取出部15が設けられており、反応物取
出路16が連絡している。
応器1において実質的に水熱反応が行われる有効長さ)
Hは反応器1の内径(反応器1において実質的に水熱反
応が行われる有効径)Rの6倍以上とされている。また
噴射機構2の噴射ノズル4の噴射口3の内径rはRの1
/15〜1/200とされ、噴射口3から噴射される噴
射流aの噴射速度は10m/sec以上とされている。
供給路8から被反応物を供給し、酸化剤供給路9から酸
化剤を供給して噴射機構2の混合部5で混合し、混合物
を噴射ノズル4の噴射口3から反応器1内に下向流で噴
射して、超臨界または亜臨界の状態で水熱反応を行う。
この間駆動装置13によりスクレーパ12を回転させ
て、反応器1の内壁に付着する固形物を剥離し、冷却水
路14から冷却水を反応器1の下部に吹き込んで冷却す
るとともに/または中和し、液化した液体に可溶性成分
を溶解させ流下させる。反応物は流体および固体ととも
に反応物取出路16から取り出される。
的な完全混合域21、その下部にプラグフロー域22、
さらにその下部に冷却域23が形成される。
向流cからなる均一な循環流が形成されており、噴射口
3から噴射される噴射流aは循環する下向流bと混合し
て循環し、噴射直後に被反応物と酸化剤の混合物が実質
的な完全混合域21の循環流中に均一に分散する。この
ため混合物は循環流の熱を受けて直ちに超臨界または亜
臨界状態になるため水熱反応が進行し、実質的な完全混
合域21中を循環する間に被反応物の大部分が分解す
る。
噴射流aに相当する量はプラグフロー域22に移り、重
力により下向流dを形成する。プラグフロー域22にお
ける下向流は実質的に平行流であり、緩速流として流下
し、その間水熱反応は継続し、残余の被反応物は分解さ
れる。
る冷却水eにより冷却されて超臨界温度以下になること
により反応物中の液成分が液化し、塩等の可溶性成分を
溶解し、固形物を分散させた状態で反応物とともに反応
物取出路16から取出される。
が流体の顕熱上昇をもたらす。実質的な完全混合状態が
形成されるため、有機廃液の熱量を適切に選ぶことによ
り、外部加熱なしで反応容器を所定の反応温度に保ち、
安定した反応の継続を実現することが可能となる。な
お、被反応物の供給は、間欠供給してもよい。有害物質
を完全に分解する場合のように、高い反応率を得るため
には、目標の反応率を得るためにプラグフロー域におい
て必要な滞留時間を与えるように、反応器の長さを設定
できる。
ンクに保有され、高圧ポンプで加圧されて被反応物供給
路8より供給される。被処理物が水を含まない場合に
は、予め水と混合して、水溶液あるいは水スラリーとし
て供給できる。また、被反応物供給路8の配管中で水と
混合してもよい。水熱酸化反応の場合には、酸化剤も同
様に高圧ポンプやコンプレッサーで加圧供給される。酸
化剤は、空気、酸素、液体酸素、過酸化水素水、硝酸、
亜硝酸、硝酸塩、亜硝酸塩を用いることができる。酸化
剤は、被反応物あるいは被反応物を含む水と混合して供
給してもよいし、噴射ノズル4を二重管ノズルにして複
層流として供給してもよい。
るだけ断熱状態として、反応によって生成する熱量で所
定の反応温度に達するように、被反応物の熱量を調整す
ることが好ましい。ただし、相対的に熱量の低い反応物
に対して、被反応物および被反応物を含む流体を予備加
熱してから供給すること、灯油、アルコール、廃有機溶
剤等を添加して熱量を調整すること、あるいは反応温度
を外部熱源で調整してもよい。
ぱ、加圧された被反応物と酸化剤は予熱され、噴射機構
2の混合部5を通って反応器1に導入される。予熱は、
電気ヒーター、燃焼を伴う加熱手段、それらの組み合わ
せで達成される。反応混合物は十分に混合されているの
で、水熱反応が起こって反応熱が生成し、流体の温度が
上昇する。いったん反応器1で定常状態が得られれば、
被反応物が十分な熱量があれば予熱をやめてもよい。
通常、冷却、減圧される。冷却、減圧の過程で固体分離
や気液分離の工程を行うことができる。最終的に生成し
た水、気体、固体は、そのまま、エネルギー回収された
り、物質として再利用されたり、そのまま、あるいは追
加処理して廃棄される。
例中、%は重量%である。
反応器1の上蓋中央部の内径1.4mmの噴射口3を有
する噴射ノズル4から、表1に示す組成の有機性廃棄物
を、水、空気とともに噴射し、超臨界状態で水熱酸化反
応を行い、反応物を下端部の反応物取出路16から取り
出して気液分離し、分離液の水質と分解率を測定した。
表2に運転条件と結果を示した。運転に際しては、あら
かじめ、反応器1を反応温度まで外部熱源で予熱した。
表2に示すように、640℃、22.5MPa、滞留時
間22秒で水熱酸化反応でき、有機物を完全分解でき
た。約3時間安定した反応が継続した。反応後に観察し
たが、生成する無機物によるスケール生成や閉塞は認め
られなかった。
気とともに亜臨界状態で水熱酸化反応を行い、表2に運
転条件と結果を示した。表2に示したように、650
℃、14.8MPa、滞留時間19秒で水熱酸化反応で
き、有機物を完全分解できた。約3時間安定した反応が
継続した。また、反応後に観察したが、生成する無機物
によるスケール生成や閉塞は認められなかった。
器を用いて、超臨界状態で水熱反応を実施した。下水汚
泥は、予熱後、空気と水と一緒に噴射注入した。噴射ノ
ズルは、開口部の直径を3.0mmに調整した。表4に
示すように、615℃、22.3MPa、滞留時間19
秒で水熱反応を行い、有機性炭素(TOC)と窒素(T
N)が完全に分解した。反応は、3時間、安定に継続し
た。反応後の観察では、生成する無機物によるスケール
生成や閉塞は認められなかった。
噴射口径を持つノズルに変更した。実施例1と同じ有機
性廃薬物を用いて、水、空気とともに、超臨界状態で水
熱酸化反応を行った。被反応物供給量を0.12kg/
min、水供給量を1.00kg/min、空気供給量
を2.22kg/minと実施例1と同じ条件として水
熱反応を開始したが、反応が継続せず、不完全燃焼で生
成したチャーと思われる黒い物質を含む流体が排出され
た。本比較例では、噴射口の内径は反応器内径の1/1
2、噴射速度は1.7m/secであり、被反応物と酸
化剤を含む被処理流体が十分に混合されないために、反
応熱による温度上昇と反応の進行、供給された被処理物
の反応開始が満足に実現しなかったと判断される。
Claims (6)
- 【請求項1】 実質的に垂直方向に配置され内径の6倍
以上の長さを有する筒状の反応器に、 被反応物と酸化剤の混合物を反応器の上部から噴射機構
により、反応器内径の1/15〜1/200の内径を有
する噴射口を通して、10m/sec以上の噴射速度で
噴射し、 これにより反応器内に実質的な完全混合域およびその下
にプラグフロー域を形成して、水の超臨界または亜臨界
状態で水熱反応を行うことを特徴とする水熱反応方法。 - 【請求項2】 被反応物は窒素含有物質である請求項1
記載の方法。 - 【請求項3】 水の超臨界または亜臨界状態で水熱反応
を行う実質的に垂直方向に配置された筒状の反応器と、 反応器の上部へ被反応物を供給する被反応物供給路と、 反応器の上部へ酸化剤を供給する酸化剤供給路と、 被反応物供給路から供給される被反応物および酸化剤供
給路から供給される酸化剤を混合状態で反応器の上部か
ら噴射する噴射機構と、 反応器の下部から反応物を取り出す反応物取出路とを備
え、 前記反応器は内径の6倍以上の長さを有し、 前記噴射機構は反応器の内径の1/15〜1/200の
内径を有する噴射口から被反応物と酸化剤の混合物を1
0m/sec以上の噴射速度で反応器内に噴射すること
により反応器内に実質的な完全混合域およびその下にプ
ラグフロー域を形成するように構成されていることを特
徴とする水熱反応装置。 - 【請求項4】 反応器の内壁に耐腐食性ライナーを有す
る請求項3記載の装置。 - 【請求項5】 反応器の内壁から付着物を除去する手段
を備えている請求項3または4記載の装置。 - 【請求項6】 反応器の反応物を冷却する手段を備えて
いる請求項3ないし5のいずれかの装置。
Applications Claiming Priority (2)
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