JP2001245391A - 電磁音響変換器 - Google Patents

電磁音響変換器

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JP2001245391A
JP2001245391A JP2000054026A JP2000054026A JP2001245391A JP 2001245391 A JP2001245391 A JP 2001245391A JP 2000054026 A JP2000054026 A JP 2000054026A JP 2000054026 A JP2000054026 A JP 2000054026A JP 2001245391 A JP2001245391 A JP 2001245391A
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magnet
magnetic
diaphragm
housing
base
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JP2000054026A
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Kazushige Tajima
和茂 田島
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Star Micronics Co Ltd
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    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/02Casings; Cabinets ; Supports therefor; Mountings therein
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R1/00Details of transducers, loudspeakers or microphones
    • H04R1/20Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics
    • H04R1/22Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics for obtaining desired frequency characteristic only 
    • H04R1/225Arrangements for obtaining desired frequency or directional characteristics for obtaining desired frequency characteristic only  for telephonic receivers
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04RLOUDSPEAKERS, MICROPHONES, GRAMOPHONE PICK-UPS OR LIKE ACOUSTIC ELECTROMECHANICAL TRANSDUCERS; DEAF-AID SETS; PUBLIC ADDRESS SYSTEMS
    • H04R13/00Transducers having an acoustic diaphragm of magnetisable material directly co-acting with electromagnet

Abstract

(57)【要約】 【課題】 実装高さの低減化が図られ、小型で高音圧の
電磁音響変換器を提供する。 【解決手段】 電磁音響変換器1は、磁性材料で形成さ
れたベース24と、磁性材料で形成され、ベース24に
立設する磁心22と、磁性材料で形成され、磁心先端か
ら空隙を隔てて支持される振動板20と、ベース24、
磁心22および振動板20と共に磁気回路を構成し、静
磁界を供給するマグネット25と、磁心22に巻回さ
れ、該磁気回路に振動磁界を供給するためのコイル23
と、ベース24およびマグネット25と一体的に成形さ
れるハウジング30等で構成され、ハウジング30の側
壁に振動板20の背面空間を外界に連通させる連通路5
0が形成される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁音響変換によ
って音響を発生する電磁音響変換器に関する。
【0002】
【従来の技術】電磁音響変換器は、マグネットからの磁
界がベース部材、磁心および振動板を通過して再びマグ
ネットに戻るまでの磁気回路を有し、磁心に巻回された
コイルに電気振動信号を供給すると、コイルが発生する
振動磁界が磁気回路の静磁界に重畳され、振動板の振動
が空気に伝達されることによって音響を発生する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】振動板の背面側で発生
した音響は、前面側音響と逆位相であるため、前面側音
響との干渉をできる限り抑制する必要がある。その対策
として、振動板の背面空間を密閉すると、エアダンパ効
果によって振動板の共振周波数f0が上昇してしまう。変
換器が小型になるほど振動板の背面空間が狭くなるた
め、エアダンパ効果の影響がより大きくなる。上昇した
共振周波数f0を下げるには、振動板の質量を増加させる
必要があるが、逆に音圧レベルが低下してしまう。
【0004】変換器の小型化、高音圧化のために、変換
器の底面部に開口を形成して、振動板の背面空間を底面
開口から外部空間に開放してエアダンパ効果を軽減する
手法が知られている。しかし、変換器を回路基板に実装
する場合、底面開口を塞がないように、変換器底面に脚
部を形成したり、変換器底面と回路基板との間にスペー
サ等を介在させる構造が必要になる。その結果、変換器
の実装高さが増加してしまう。
【0005】本発明の目的は、実装高さの低減化が図ら
れ、小型で高音圧の電磁音響変換器を提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、磁性材料で形
成された板状のベース部材と、磁性材料で形成され、ベ
ース部材に立設する磁心と、磁性材料で形成され、磁心
先端から空隙を隔てて支持される振動板と、ベース部
材、磁心および振動板と共に磁気回路を構成し、静磁界
を供給するためのマグネットと、磁心周囲に配置され、
該磁気回路に振動磁界を供給するためのコイルとを備
え、変換器本体の側面部に、振動板の背面空間を外界に
連通させる連通路が形成され、前記連通路は、ベース部
材とマグネットとの間を通過することを特徴とする電磁
音響変換器である。
【0007】本発明に従えば、変換器本体の側面部に、
振動板の背面空間を外界に連通させる連通路を形成する
ことによって、変換器底面を回路基板に密着実装した状
態でも連通開口が塞がれなくなる。そのため、従来のよ
うに変換器底面に連通開口を形成した場合と比べて、実
装高さを低減化できる。
【0008】また、マグネットをベース部材から所定距
離隔てて配置し、両者間に連通路を設けることによっ
て、断面積が大きく音響インピーダンスの小さい連通路
を確保できる。そのため、振動板の背面空間におけるエ
アダンパ効果を効率的に低減でき、小型で高音圧の電磁
音響変換器を実現できる。
【0009】また本発明は、磁性材料で形成された板状
のベース部材と、磁性材料で形成され、ベース部材に立
設する磁心と、磁性材料で形成され、磁心先端から空隙
を隔てて支持される振動板と、ベース部材、磁心および
振動板と共に磁気回路を構成し、静磁界を供給するため
のマグネットと、磁心周囲に配置され、該磁気回路に振
動磁界を供給するためのコイルと、ベース部材およびマ
グネットと一体的に成形されるハウジング部材とを備
え、ハウジング部材の側面部に、振動板の背面空間を外
界に連通させる連通路が形成されることを特徴とする電
磁音響変換器である。
【0010】本発明に従えば、ハウジング部材の側面部
に、振動板の背面空間を外界に連通させる連通路を形成
することによって、変換器底面を回路基板に密着実装し
た状態でも連通開口が塞がれなくなる。そのため、従来
のように変換器底面に連通開口を形成した場合と比べ
て、実装高さを低減化できる。
【0011】また本発明は、前記連通路は、ベース部材
とマグネットとの間を通過することを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、マグネットをベース部材
から所定距離隔てて配置し、両者間に連通路を設けるこ
とによって、断面積が大きく音響インピーダンスの小さ
い連通路を確保できる。そのため、振動板の背面空間に
おけるエアダンパ効果を効率的に低減でき、小型で高音
圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0013】また本発明は、前記連通路は、マグネット
の切欠部を通過することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、マグネットに切欠部を形
成して、この切欠部を通過するように連通路を設けるこ
とによって、断面積が大きく音響インピーダンスの小さ
い連通路を確保できる。そのため、振動板の背面空間に
おけるエアダンパ効果を効率的に低減でき、小型で高音
圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0015】また本発明は、マグネットの周囲に配置さ
れ、振動板の周縁部を支持するための支持リング部材を
備え、前記連通路は、マグネットの切欠部および支持リ
ング部材の切欠部を通過することを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、マグネットおよび支持リ
ング部材に切欠部を形成して、この切欠部を通過するよ
うに連通路を設けることによって、断面積が大きく音響
インピーダンスの小さい連通路を確保できる。そのた
め、振動板の背面空間におけるエアダンパ効果を効率的
に低減でき、小型で高音圧の電磁音響変換器を実現でき
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態を
示す分解斜視図である。電磁音響変換器1は、扁平角筒
体で箱状のハウジング30の上に放音孔11を持つ天板
10が固定されたもので、たとえば幅7.5mm×奥行き7.5
mm×高さ3mmの寸法を有する。
【0018】ハウジング30の中央には円柱状の磁心2
2が立設し、磁心22の周りにコイル23が巻回され
る。ハウジング30の内壁には環状のマグネット25が
部分的に埋め込まれ、マグネット25は磁心22に対し
て同心円に配置される。マグネット25とコイル23と
の間は環状の内部空間が確保される。
【0019】ハウジング30の内壁上面は環状段差が形
成され、水平な台座32に円板状の振動板20が載置さ
れ、振動板20は環状段差によって位置決めされる。
【0020】ハウジング30の上面角部には凹部31が
それぞれ形成され、天板10の下面角部には4つの突起
12が形成され、凹部31の内隅と突起12との係合に
よって天板10の装着位置が規制される。
【0021】ハウジング30の外壁下部には、半田付け
等で回路基板に電気接続される端子51が4つ設けられ
る。ハウジング30の側壁面には、ハウジング30の内
部空間と外気とを連通するための連通開口50aが形成
される。ハウジング30や天板10は熱可塑性樹脂等の
合成樹脂で形成される。
【0022】図2は、図1のハウジング30を上面から
見た平面図である。図3は、図1のハウジング30を底
面から見た底面図である。図4は、図2のA−A線に沿
った電磁音響変換器1の断面図である。
【0023】まず図2を参照して、ハウジング30の上
面から僅かに低い位置に振動板20を支持する環状の台
座32が形成され、さらに台座32から低い所に環状の
マグネット25の上面が位置する。ハウジング中央の磁
心22の周りにコイル23が配置され、板状のベース2
4は磁心22、コイル23およびマグネット25の下側
に配置され、ベース24の周縁部はハウジング30の内
壁に部分的に埋め込まれている。
【0024】ハウジング30の側壁には、振動板20の
背面空間から連通開口50aに至る連通路50が形成さ
れる。
【0025】次に図3を参照して、ハウジング底面にお
いてベース24が部分的に露出した切欠き孔37が形成
される。
【0026】ハウジング30の底面角部には端子51が
部分的に埋め込まれ、上2つの端子51の埋込み部分は
切欠き孔36を介して部分的に露出している。下2つの
端子51は途中までハウジング30に埋め込まれ、底面
角部付近で再び露出している。コイル23のリード線5
2はハウジング30の貫通孔34を通って外部に引き出
され、下2つの端子51の露出部分に半田53によって
電気接続される。貫通孔34は気密性や防塵性のため合
成樹脂等のモールド材で封止される。下2つの端子51
がコイル23の駆動信号を供給するための端子であり、
上2つの端子51は補強用端子となる。
【0027】さらにハウジング底面において、マグネッ
ト25の円周をほぼ3等分するように3つの切欠き孔3
8が形成され、マグネット25の底面が部分的に露出し
ている。
【0028】ベース24の平面形状は、底面から見て、
端子51、切欠き孔38および貫通孔34を回避しつ
つ、マグネット25の底面との重なり面積ができる限り
多くなるように、マグネット25の幅中心、すなわち内
周半径Raと外周半径Rbとの中間半径Rc(=(Ra+Rb)/2)よ
り外側に延びる部分を有する。こうしたベース形状によ
って、ベース24とマグネット25との磁気結合が増加
して、変換効率および音圧レベルを高く維持できる。
【0029】次に図4を参照して、磁性材料で形成され
たベース24がハウジング30の内底面に埋め込まれ、
磁性材料で形成された磁心22がベース24に立設す
る。なお、磁心22およびベース24は一体化して単一
のポールピース部材として構成しても構わない。
【0030】磁性材料で形成された振動板20は、周縁
部においてハウジング30の内壁上面によって支持さ
れ、振動板20の底面中央と磁心22の先端との間は一
定の空隙が確保される。振動板20の上面中央には円板
状の磁片21が固定され、振動板20の質量を増加させ
て空気の振動効率を向上させている。
【0031】マグネット25は、ベース24の周縁部か
ら一定距離隔てて、ハウジング30の内壁に埋め込まれ
る。マグネット25は厚さ方向に磁化されており、たと
えばマグネット25の底面がN極、上面がS極に着磁し
ている場合、マグネット25の底面から出た磁力線はベ
ース24の周縁部→ベース24の中央部→磁心22→振
動板20の中央部→振動板20の周縁部→マグネット2
5の上面という経路で通過して、全体として閉じた磁気
回路を構成する。マグネット25はこうした磁気回路に
静磁界を供給する機能を有し、この静磁界によって振動
板20は磁心22およびマグネット25側に吸引された
状態で安定に支持される。
【0032】磁心22に巻回されたコイル23は、回路
基板から下2つの端子51およびリード線52を経由し
て電気振動信号が供給されると、磁気回路に振動磁界を
供給する。すると静磁界と振動磁界との重畳によって振
動板20が振動し、振動板20の前面側空気および背面
側空気を振動する。
【0033】振動板20の前面側は天板10とともに共
鳴室を形成しており、振動板20の振動周波数が共鳴室
の共振周波数とほぼ一致することによって高い音圧レベ
ルの音響が発生し、音響は放音孔11から外界に放出さ
れる。
【0034】振動板20の背面側で発生した音響は、前
面側音響と逆位相であるため、前面側音響との干渉をで
きる限り抑制する必要がある。そのため、振動板20の
背面側音響はハウジング30の環状内部空間、連通路5
0および連通開口50aを通じてハウジング30の側壁
面から外界に放出している。こうしてハウジング30の
側壁に連通路50を形成することによって、変換器底面
を回路基板に密着実装した状態でも連通開口aが塞がれ
なくなるため、実装高さを低減化できる。
【0035】またマグネット25をベース24から所定
距離隔てて配置し、両者間に連通路50を設けることに
よって、断面積が大きく音響インピーダンスの小さい連
通路50を確保できる。そのため、振動板20の背面空
間におけるエアダンパ効果を効率的に低減でき、小型で
高音圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0036】図5はハウジング30のインサート成形工
程を示す断面図であり、図5(a)〜(c)は比較例、
図5(d)〜(f)は実施例である。まず図5(a)を
参照して、金型KAの成形面はハウジング30の上面お
よび内壁の形状を型取ったもので、金型KBの成形面は
ハウジング30の外壁形状を型取ったもので、金型K
A,KBの間の空間がハウジング30の形状に相当す
る。
【0037】金型KAの成形面は磁心22およびベース
24を位置決めし、未着磁マグネット25を位置決めで
きる形状に形成されており、未着磁マグネット25とベ
ース24との隙間は0〜0.08mm程度に極めて狭く
設定している。未着磁マグネット25をフェライト等の
焼結材料で形成した場合、厚さ寸法にかなりばらつきが
生ずる傾向がある。そのため、マグネット厚さが不足し
たときはベース24との隙間が大きくなる。また、マグ
ネット厚さが過剰のときはベース24を押し上げてしま
い、成形時にマグネット割れやベース変形が生ずる。
【0038】次に図5(b)を参照して、金型空間に合
成樹脂を注入すると、樹脂の粘性によって未着磁マグネ
ット25とベース24との隙間にはほとんど流入しな
い。また、この隙間の存在によって、樹脂注入圧がベー
ス24をマグネット側に押圧することによって、ベース
24が隙間分だけ変形し、この状態で樹脂が硬化してし
まう。
【0039】樹脂硬化後に金型を外して、マグネット2
5の着磁工程、コイルリード線52の処理工程、振動板
20の装着工程、天板10の取付工程等を経て、電磁音
響変換器1を完成させる。その後、半田リフロー等で電
磁音響変換器1を回路基板に搭載した場合、リフローの
加熱によってベース24の応力解放によって、いわゆる
スプリングバックが発生する。すると、図5(c)に示
すように、ハウジング30の外周部が底面側に反ってし
まい、振動板20を支持する台座32も底面側に変位し
てしまう。その結果、振動板20と磁心22との間の空
隙Gが目標値よりも減少してしまい、電磁音響変換器1
の特性が大きく変化してしまう。このスプリングバック
量は、主としてマグネット厚さばらつきに大きく依存す
る。
【0040】こうしたスプリングバック対策として、図
5(d)に示すように、金型KBに押えピンKCを設け
て、ベース24側から金型KAへ向けて未着磁マグネッ
トを押えている。さらに、樹脂が流入し易いように、未
着磁マグネット25とベース24との隙間は0.4mm
程度に比較的広く設定している。
【0041】次に図5(e)を参照して、この状態で金
型空間に合成樹脂を注入すると、未着磁マグネット25
とベース24との隙間にも充分な量の合成樹脂が流入す
るため、樹脂注入圧がベース24の両面に均等に加わっ
て、ベース24の変形を防止できる。さらに、押えピン
KCが未着磁マグネット25を位置決めしているため、
未着磁マグネット25の浮きや位置ずれを防止できる。
【0042】その後、樹脂硬化後に金型を外して、マグ
ネット25の着磁工程、コイルリード線52の処理工
程、振動板20の装着工程、天板10の取付工程等を経
て、図5(f)に示す電磁音響変換器1が完成する。そ
の結果、半田リフロー等で加熱されても、ベース24の
残留応力がほぼゼロであるため、スプリングバックが発
生せず、振動板20と磁心22との間の空隙Gが目標値
に一致するようになる。こうしてマグネット25やベー
ス24等の部材位置精度を格段に向上でき、製品の特性
安定化を図ることができる。
【0043】このようにマグネット25とベース24と
の間にハウジング30が介在する構造を採用することに
よって、樹脂注入時におけるベース24の変形を防止で
きるため、スプリングバックの影響を解消できる。その
結果、部材間の位置精度、特に振動板20と磁心22と
の間の空隙Gの寸法精度を高く維持でき、高効率で安定
した特性が得られる。また、マグネット厚さが変動して
も未着磁マグネット25とベース24との隙間が広いた
め、大きな影響が出ない。
【0044】また、ベース24の平面形状は、図3で示
したように、マグネット25の外周より内側に留まっ
て、マグネット外周から外側に突出しない形状とするこ
とが好ましい。これによって高い磁気結合を確保しつ
つ、マグネット25とベース24との隙間に樹脂が回り
込み易くなり、樹脂注入圧によるベース24の変形を極
力防止できる。
【0045】また、押えピンKCは成形金型に対して着
脱自在であることが好ましく、製品仕様に応じてマグネ
ットの厚さが変わった場合でも規制位置の異なる押えピ
ンに差替えることによって対処できる。
【0046】押えピンKCの抜き型は、図3、図4に示
したように、切欠き孔38として形成される。また、ハ
ウジング30のインサート成形工程において、ベース2
4および上2つの端子51を位置決めする押えピンも金
型に設けることができ、これらの押えピンの抜き型が切
欠き孔36,37として形成される。
【0047】こうした切欠き孔36〜38は、マグネッ
ト25、ベース24および端子51が部分的に露出して
いるため、電磁音響変換器の組立て工程や検査工程にお
いて各部材の位置決めや位置測定等の品質管理が容易に
なるという利点がある。
【0048】切欠き孔36〜38はそのまま残存してい
ても動作上の支障は無いが、切欠き孔36〜38に合成
樹脂等の充填材(好ましくはハウジング30と同じ材
料)を充填する工程を追加してもよく、これによって製
品の気密性や耐久性等を向上できる。
【0049】なお、以上の説明ではハウジング成形時に
インサートするマグネットとして未着磁マグネットを用
いる例を示したが、アルミニウム等の非磁性材から成る
成形金型を用いた場合は着磁マグネットでも構わない。
【0050】図6は、本発明の第2実施形態を示す断面
図である。全体の構成は、図1〜図4に示した構成と同
様であるが、環状のマグネット25を一部切り欠いてC
字状に形成し、この切欠部25aを通過するようにハウ
ジング30の側壁に連通路50を形成している点が相違
する。
【0051】こうしたマグネット25に切欠部25aを
形成することによって、断面積が大きく音響インピーダ
ンスの小さい連通路50を確保できる。そのため、振動
板20の背面空間におけるエアダンパ効果を効率的に低
減でき、小型で高音圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0052】図7は、本発明の第3実施形態を示す断面
図である。全体の構成は、図1〜図4に示した構成と同
様であるが、マグネット25の周囲に振動板20の周縁
部を支持するための環状の支持リング26を配置し、さ
らに環状のマグネット25および環状の支持リング26
を一部切り欠いてC字状にそれぞれ形成し、これらのの
切欠部25a,26aを通過するようにハウジング30
の側壁に連通路50を形成している点が相違する。
【0053】こうしたマグネット25および支持リング
26に切欠部25a,26aをそれぞれ形成することに
よって、断面積が大きく音響インピーダンスの小さい連
通路50を確保できる。そのため、振動板20の背面空
間におけるエアダンパ効果を効率的に低減でき、小型で
高音圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0054】図8は、本発明の第4実施形態を示す部分
断面図である。全体の構成は、図7に示した構成と同様
であるが、ハウジング30とマグネット25、支持リン
グ26とが一体成形ではなく、接着剤で固定される点が
相違する。
【0055】ベース24がハウジング30の内底面に埋
め込まれ、磁心22がベース24に立設する。ベース2
4の内面と平行な連通路50がベース24とマグネット
25および支持リング26との間を貫通するように、ハ
ウジング30の側壁に形成される。こうした構成におい
ても振動板20の背面空間におけるエアダンパ効果を効
率的に低減でき、小型で高音圧の電磁音響変換器を実現
できる。
【0056】図9は本発明の第5実施形態を示す部分断
面図であり、図9(a)はハウジング30のインサート
成形工程を示し、図9(b)は成形後のハウジング30
の形状を示す。金型KAの成形面はハウジング30の上
面および内壁の形状を型取ったもので、金型KBの成形
面はハウジング30の外壁形状を型取ったもので、金型
KA,KBの間の空間がハウジング30の形状に相当す
る。また、スライドコアKCが金型KAの側面に形成さ
れた貫通孔に摺動自在に挿入され、ハウジング30の側
壁に形成する連通路50の形状を型取っている。
【0057】成形後のハウジング30の形状は、図9
(b)に示すように、連通路50がベース24とマグネ
ット25との間を貫通するように、ハウジング30の側
壁に形成される。こうした構成においても振動板20の
背面空間におけるエアダンパ効果を効率的に低減でき、
小型で高音圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0058】図10は本発明の第7実施形態を示す部分
断面図であり、図10(a)はハウジング30のインサ
ート成形工程を示し、図10(b)は成形後のハウジン
グ30の形状を示す。金型KAの成形面はハウジング3
0の上面および内壁の形状を型取ったもので、金型KB
の成形面はハウジング30の外壁形状を型取ったもの
で、金型KA,KBの間の空間がハウジング30の形状
に相当する。ここでは、スライドコアKCの代わりに、
ベース24の一部を切り欠いて、金型KA,KBが互い
に接触する部分をベース24とマグネット25との間に
確保することによって連通路50の形状を型取ってい
る。
【0059】成形後のハウジング30の形状は、図10
(b)に示すように、連通路50がベース24とマグネ
ット25との間を貫通するように、ハウジング30の段
差側壁に形成される。こうした構成においても振動板2
0の背面空間におけるエアダンパ効果を効率的に低減で
き、小型で高音圧の電磁音響変換器を実現できる。
【0060】図11は本発明の第7実施形態を示す斜視
図である。以上の説明では、天板10に形成した放音孔
11から放射される音響を利用し、ハウジング30の側
面に形成された連通開口50aから振動板20のエアダ
ンパ圧を逃す構成を示したが、ここでは連通開口50b
から放射される背面音響を積極的に利用し、天板10に
形成した放音孔11bから振動板20のエアダンパ圧を
逃している。また、必要に応じて、封止剤等で放音孔1
1bを完全に封止する構成も可能である。
【0061】こうした構成によって、変換器の構造を変
えることなく前面音響あるいは背面音響を選択的に利用
できるため、多種多様な基板実装に対応できる。
【0062】図12は、電磁音響変換器の音圧レベルの
周波数特性の一例を示すグラフである。横軸は音響周波
数(Hz)、縦軸は音圧レベル(dB)である。実線は
側面開口あり(本発明)で、破線は側面開口なし(比較
例)である。実線グラフを見ると、共振周波数f0が約2
670Hzを示している。これに対して破線グラフを見
ると、共振周波数f0が高周波寄りにシフトしてしまい、
約3500Hzを示している。また、側面連通路の形状
を調整することによって、共振周波数f0および周波数特
性を変化させることができ、製品仕様の変更に容易に対
処できる。
【0063】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、変
換器本体またはハウジング部材の側面部に、振動板の背
面空間を外界に連通させる連通路を形成することによっ
て、変換器底面を回路基板に密着実装した状態でも連通
開口が塞がれなくなる。そのため、従来のように変換器
底面に連通開口を形成した場合と比べて、実装高さを低
減化できる。
【0064】また、マグネットをベース部材から所定距
離隔てて配置したり、マグネットや支持リング部材に切
欠部を形成することによって、断面積が大きく音響イン
ピーダンスの小さい連通路を確保できる。そのため、振
動板の背面空間におけるエアダンパ効果を効率的に低減
でき、小型で高音圧の電磁音響変換器を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す分解斜視図であ
る。
【図2】図1のハウジング30を上面から見た平面図で
ある。
【図3】図1のハウジング30を底面から見た底面図で
ある。
【図4】図2のA−A線に沿った電磁音響変換器1の断
面図である。
【図5】ハウジング30のインサート成形工程を示す断
面図であり、図5(a)〜(c)は比較例、図5(d)
〜(f)は実施例である。
【図6】本発明の第2実施形態を示す断面図である。
【図7】本発明の第3実施形態を示す断面図である。
【図8】本発明の第4実施形態を示す部分断面図であ
る。
【図9】本発明の第5実施形態を示す部分断面図であ
り、図9(a)はハウジング30のインサート成形工程
を示し、図9(b)は成形後のハウジング30の形状を
示す。
【図10】本発明の第6実施形態を示す部分断面図であ
り、図10(a)はハウジング30のインサート成形工
程を示し、図10(b)は成形後のハウジング30の形
状を示す。
【図11】本発明の第7実施形態を示す斜視図である。
【図12】電磁音響変換器の音圧レベルの周波数特性の
一例を示すグラフである。
【符号の説明】
1 電磁音響変換器 10 天板 11 放音孔 20 振動板 22 磁心 23 コイル 24 ベース 25 マグネット 26 支持リング 25a,26a 切欠部 30 ハウジング 32 台座 36〜38 切欠き孔 50 連通路 50a 連通開口 51 端子 52 リード線

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料で形成された板状のベース部材
    と、 磁性材料で形成され、ベース部材に立設する磁心と、 磁性材料で形成され、磁心先端から空隙を隔てて支持さ
    れる振動板と、 ベース部材、磁心および振動板と共に磁気回路を構成
    し、静磁界を供給するためのマグネットと、 磁心周囲に配置され、該磁気回路に振動磁界を供給する
    ためのコイルとを備え、 変換器本体の側面部に、振動板の背面空間を外界に連通
    させる連通路が形成され、前記連通路は、ベース部材と
    マグネットとの間を通過することを特徴とする電磁音響
    変換器。
  2. 【請求項2】 磁性材料で形成された板状のベース部材
    と、 磁性材料で形成され、ベース部材に立設する磁心と、 磁性材料で形成され、磁心先端から空隙を隔てて支持さ
    れる振動板と、 ベース部材、磁心および振動板と共に磁気回路を構成
    し、静磁界を供給するためのマグネットと、 磁心周囲に配置され、該磁気回路に振動磁界を供給する
    ためのコイルと、 ベース部材およびマグネットと一体的に成形されるハウ
    ジング部材とを備え、 ハウジング部材の側面部に、振動板の背面空間を外界に
    連通させる連通路が形成されることを特徴とする電磁音
    響変換器。
  3. 【請求項3】 前記連通路は、ベース部材とマグネット
    との間を通過することを特徴とする請求項2記載の電磁
    音響変換器。
  4. 【請求項4】 前記連通路は、マグネットの切欠部を通
    過することを特徴とする請求項1または2記載の電磁音
    響変換器。
  5. 【請求項5】 マグネットの周囲に配置され、振動板の
    周縁部を支持するための支持リング部材を備え、 前記連通路は、マグネットの切欠部および支持リング部
    材の切欠部を通過することを特徴とする請求項1または
    2記載の電磁音響変換器。
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