JP2001244643A - 電子機器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 筐体内よりプリント基板を引き抜く際、前面
パネルを手前へ強く引くと、プリント基板の前面パネル
取付け部が変形したり、破損して、プリント基板が再使
用できなくなる。 【解決手段】 筐体１内にプリント基板２を挿脱自在に
実装すると共に、プリント基板２の一端側に取付けられ
た前面パネル５を、取付けねじ６により筐体１の開口縁
に固定するようにした電子機器において、プリント基板
２の前面パネル５取付け部近傍に、プリント基板２の弾
性変形を許容する破損防止手段１０を形成したもので、
筐体１内よりプリント基板２を引き抜き際、プリント基
板２の前面パネル５取付け部に大きな曲げ応力が作用し
ても、プリント基板２が弾性変形して、取付け部に力が
集中するのを防止するため、プリント基板２が塑性変形
したり、破損するのを未然に防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は据置型や、ラック
型の筐体内にプリント基板を実装する際、プリント基板
が破損されるのを防止する破損防止手段をプリント基板
に設けた電子機器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来電子機器には、据置型の筐体や、ラ
ック型の筐体内に複数のプリント基板を実装して使用す
るようにしたものがある。

【０００３】このような電子機器の筐体には、筐体の内
部にマザーボードが設置されていて、筐体の内側上下面
には、筐体の開口部より挿入されたプリント基板を、マ
ザーボードの所定位置へガイドするガイドレールが付設
されている。

【０００４】またプリント基板の端部には、筐体内へ実
装したプリント基板を取付けねじにより筐体の開口縁に
固定する前面パネルが設けられており、プリント基板と
前面パネルは、ほぼＬ字形の取付け金具をねじなどの固
着具でプリント基板に固着することにより、プリント基
板に対して前面パネルを取付けている。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の電子機器で
は、筐体内に実装されたプリント基板を抜き出す場合、
まず前面パネルを筐体の開口縁に取付けている取付けね
じを外し、次に前面パネルを手前へ強く引いて、マザー
ボードよりプリント基板を引き抜くが、Ｌ型の取付け金
具により前面パネルがプリント基板に取付けられている
ため、前面パネルを手前へ強く引いた際、取付け金具と
プリント基板の接合部に引っ張り力が集中し、プリント
基板の接合部が変形したり、破損して、プリント基板が
再使用できなくなる場合があった。

【０００６】また筐体内へプリント基板を実装した際、
筐体の開口縁に開口されたねじ孔と、前面パネルに開口
された取付け孔の位置がずれることがよくあるため、取
付けねじをねじ孔に螺入するのに手間がかかったり、ね
じ孔に取付けねじが螺挿できず、筐体の開口縁に前面パ
ネルが固定できない場合もあった。

【０００７】この発明はかかる従来の電子機器を改善す
るためになされたもので、プリント基板に設けた破損防
止手段によりプリント基板の変形や破損が防止できる電
子機器を簡単な構成で、安価に提供することを目的とす
るものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】この発明の電子機器は、
筐体内にプリント基板を挿脱自在に実装すると共に、前
記プリント基板の一端側に取付けられた前面パネルを、
取付けねじにより前記筐体の開口縁に固定するようにし
た電子機器において、前記プリント基板の前面パネル取
付け部近傍に、前記プリント基板の弾性変形を許容する
破損防止手段を形成したものである。

【０００９】前記構成により、筐体内へプリント基板を
実装した際、筐体の開口縁に形成されたねじ孔と、前面
パネルに開口された取付け孔の位置がずれている場合
は、前面パネルを左右へ移動させてプリント基板を弾性
変形させることにより、ねじ孔と取付け孔の位置合わせ
が容易に行えるため、取付けねじによる前面パネルの固
定が容易かつ確実に行える。

【００１０】また筐体内よりプリント基板を抜き出す
際、前面パネルを手前へ強く引いても、前面パネルの取
付け部近傍に設けた破損防止手段によりプリント基板が
弾性変形して、取付け部に力が集中するのを防止するた
め、プリント基板が塑性変形したり、破損するのを未然
に防止することができる。

【００１１】この発明の電子機器は、前記破損防止手段
を、前記プリント基板の端部に達する少なくとも１個の
スリットにより形成したものである。

【００１２】前記構成により、プリント基板にスリット
を形成するだけで破損防止手段を設けることができるた
め、容易かつ安価に実施することができる。

【００１３】この発明の電子機器は、前記前面パネル
を、ほぼＬ字形に形成された取付け部材により前記プリ
ント基板に取付けると共に、前記破損防止手段が、前記
取付け部材と前記プリント基板の接合部近傍に形成した
スリットより構成したものである。

【００１４】前記構成により、取付け部材によりプリン
ト基板に前面パネルが取付けられた電子機器であって
も、既存のプリント基板にスリットを形成するだけで、
プリント基板の塑性変形や破損を防止することができる
ため、新たにプリント基板や前面パネル、取付け部材な
どを製作する必要がなく、大変経済的である。

【００１５】

【発明の実施の形態】この発明の実施の形態を図面を参
照した詳述する。

【００１６】図１は電子機器の筐体内へプリント基板を
実装する際の斜視図、図２は筐体内へ実装されたプリン
ト基板の平面図、図３は筐体内に実装されたプリント基
板の前面パネルを筐体に固定する際の作用説明図であ
る。

【００１７】電子機器の筐体１は、前面にプリント基板
２を挿脱するための開口部１ａが開口されており、筐体
１の奥内部には複数のプリント基板２を装着できるマザ
ーボード３が設置されている。

【００１８】筐体１の上面と下面の内側には、開口部１
ａより挿入されたプリント基板２をマザーボード３の所
定の位置にガイドする複数のガイドレール４ａが前後方
向に付設された棚板４が取付けられていると共に、各棚
板４の開口部１ａ側端部には、プリント基板２に取付け
られた前面パネル５を取付けるためのパネル取付け部４
ｂが折り曲げ形成されている。

【００１９】そしてこれらパネル取付け部４ｂには、前
面パネル５を固定する取付けねじ６を螺挿するねじ孔４
ｃがガイドレール４ａと同じ間隔で穿設されている。

【００２０】プリント基板２はガラスエポキシ樹脂等の
樹脂材料により形成されていて、電子機器の機能を実現
するための電子部品（図示せず）などが実装されてお
り、プリント基板２の一端側には、マザーボード３に設
けられたコネクタ７に嵌合することにより、プリント基
板２とマザーボード３を電気的に接続するコネクタ８が
設けられていると共に、プリント基板２の他端側に前面
パネル５が取付けられている。

【００２１】前面パネル５は縦方向に細長い金属板によ
り形成されていて、両側部にプリント基板２側に屈曲さ
れた縁部５ａがほぼ全長に亘って形成されており、上下
端には、プリント基板２を筐体１内に実装した際、パネ
ル取付け部４ｂに穿設されたねじ孔４ｃと合致する位置
に、取付けねじ６を挿入する取付け孔５ｂが開口されて
いる。

【００２２】また前面パネル５のプリント基板２取付け
面には、ほぼＬ字形に形成された一対の取付け部材９が
溶接などの手段で上下に離間して固着されており、取付
け部材９にビスなどの固着具１２によりプリント基板２
の他端が固着されていると共に、プリント基板２の取付
け部材９近傍には、例えば上側の取付け部材９の下方
と、下側の取付け部材９の上方に、それぞれスリット１
０ａよりなる破損防止手段１０が水平方向に形成されて
いる。

【００２３】これら破損防止手段１０のスリット１０ａ
の端部は、プリント基板２の他端面に達していて、取付
け部材９の接合部に大きな曲げ方向の力が作用した場
合、プリント基板２の端部を弾性変形させるようになっ
ており、これによって大きな曲げ応力によりプリント基
板２が塑性変形したり、破損するのを未然に防止できる
ようになっている。

【００２４】次に前記のように構成された電子機器の作
用を説明する。

【００２５】電子機器の筐体１内にプリント基板２を実
装するに当たっては、プリント基板２のコネクタ７側端
部を筐体１の開口部１ａよりガイドレール４ａに沿って
挿入し、プリント基板２のコネクタ７がマザーボード３
のコネクタ８に達したら、前面パネル５を強く押して、
プリント基板２側のコネクタ７をマザーボード３側のコ
ネクタ８に圧入する。

【００２６】筐体１内へプリント基板２を実装したら、
前面パネル５の上下端に開口された取付け孔５ｂに取付
けねじ６を挿入して、取付けねじ６のねじ部６ａを筐体
１側のパネル取付け部４ｂに穿設されたねじ孔４ｃに螺
挿するが、このときねじ孔４ｃと取付け孔５ｂの位置が
ずれていて、取付けねじ６がねじ孔４ｃに螺挿できない
場合は、図３の矢印で示すように前面パネル５を左右方
向に移動させて、ねじ孔４ｃと取付け孔５ｂを一致させ
る。

【００２７】プリント基板２の取付け部材９近傍には、
スリット１０ａよりなる破損防止手段１０が設けられて
いるため、プリント基板２が弾性変形して前面パネル５
の左右方向の移動が容易に行え、これによってねじ孔４
ｃと取付け孔５ｂの位置合わせが容易に行える。

【００２８】ねじ孔４ｃと取付け孔５ｂが一致したら、
取付け孔５ｂより挿入した取付けねじ６をねじ孔４ｃに
螺挿して、パネル取付け部４ｂに前面パネル５を固定す
るもので、前面パネル５の固定が確実に行えるため、電
子機器の使用中に、プリント基板２が抜け出すことがな
く、これによってプリント基板２とマザーボード３の間
で接触不良などが発生する心配もない。

【００２９】一方筐体１内に実装されたプリント基板２
を筐体１内より抜き出す場合は、まず前面パネル５を固
定している取付けねじ６を取り外したら、前面パネル５
を手前へ強く引いて、プリント基板２のコネクタ７をマ
ザーボード３のコネクタ８より引き抜く。

【００３０】このとき前面パネル５の一側縁を手前へ強
く引くと、プリント基板２と前面パネル５を接合してい
る取付け部材９とプリント基板２の接合部に大きな曲げ
応力が作用するが、プリント基板２の取付け部材９接合
部の近傍には、スリット１０ａよりなる破損防止手段１
０が設けられていて、これらスリット１０ａによりプリ
ント基板２が弾性変形し、大きな曲げ応力を吸収するた
め、プリント基板２を筐体１内より抜き出す際、プリン
ト基板２が塑性変形したり、破損して再使用できなくな
るのを未然に防止することができる。

【００３１】なお前記実施の形態では、破損防止手段１
０をスリット１０ａとしたが、プリント基板２の弾性変
形を許容できるものであれば、切欠きなどであってもよ
い。

【００３２】またプリント基板２を実装する筐体１は、
据え置き型でも、ラック型でもよい。

【００３３】

【発明の効果】この発明は以上詳述したように、筐体内
へプリント基板を実装した際、筐体の開口縁に形成され
たねじ孔と、前面パネルに開口された取付け孔の位置が
ずれている場合は、前面パネルを左右へ移動させてプリ
ント基板を弾性変形させることにより、ねじ孔と取付け
孔の位置合わせが容易に行えるため、取付けねじによる
前面パネルの固定が容易かつ確実に行えると共に、筐体
内よりプリント基板を抜き出す際、前面パネルを手前へ
強く引いても、前面パネルの取付け部近傍に設けた破損
防止手段によりプリント基板が弾性変形して、取付け部
に力が集中するのを防止するため、プリント基板が塑性
変形したり、破損するのを未然に防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の実施の形態になる電子機器の筐体内
へプリント基板を実装する際の斜視図

【図２】この発明の実施の形態になる電子機器の筐体内
へ実装されたプリント基板の平面図

【図３】この発明の実施の形態になる電子機器の筐体内
へ実装されたプリント基板を固定する際の作用説明図

【符号の説明】

１ 筐体 １ａ 開口部 ２ プリント基板 ３ マザーボード ４ 棚板 ４ａ ガイドレール ４ｂ パネル取付け部 ４ｃ ねじ孔 ５ 前面パネル ５ａ 縁部 ５ｂ 取付け孔 ６ 取付けねじ ６ａ ねじ部 ７，８ コネクタ ９ 取付け部材 １０ 破損防止手段 １０ａ スリット １２ 固着具

フロントページの続き Ｆターム(参考） 4E360 AB03 AB12 AB23 AB54 BA03 BA08 BA12 BC05 BD03 BD05 CA02 CA03 CA08 EA13 EA18 EA24 EB02 EC12 ED02 ED23 ED27 FA05 GA04 GA08 GA12 GA53 GB92 5E348 EE34 EH05 FF03

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筐体内にプリント基板を挿脱自在に実装
   すると共に、前記プリント基板の一端側に取付けられた
   前面パネルを、取付けねじにより前記筐体の開口縁に固
   定するようにした電子機器において、前記プリント基板
   の前面パネル取付け部近傍に、前記プリント基板の弾性
   変形を許容する破損防止手段を形成したことを特徴とす
   る電子機器。
2. 【請求項２】 前記破損防止手段を、前記プリント基板
   の端部に達する少なくとも１個のスリットにより形成し
   てなる請求項１記載の電子機器。
3. 【請求項３】 前記前面パネルを、ほぼＬ字形に形成さ
   れた取付け部材により前記プリント基板に取付けると共
   に、前記破損防止手段が、前記取付け部材と前記プリン
   ト基板の接合部近傍に形成したスリットより構成してな
   る請求項１または２記載の電子機器。