JP2001242600A - ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料の処理方法

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JP2001242600A
JP2001242600A JP2000055634A JP2000055634A JP2001242600A JP 2001242600 A JP2001242600 A JP 2001242600A JP 2000055634 A JP2000055634 A JP 2000055634A JP 2000055634 A JP2000055634 A JP 2000055634A JP 2001242600 A JP2001242600 A JP 2001242600A
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halide photographic
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和也 塚田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ホウ素化合物フリーの現像液や定着液で処理
した際にも、アルニニウムの析出が防止され、乾燥性、
乾燥ムラ、残色性及び定着性が総合的に優れたハロゲン
化銀写真感光材料の処理方法を提供する。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を自動現像
機で、現像液、定着液及び水洗水で処理する処理方法に
おいて、該現像液及び/又は該定着液が実質的にホウ
素化合物を含有せず、かつ該自動現像機の定着処理槽の
定着液面高さ(A)と現像処理槽の現像液面高さ(B)
が、A≧B+10mmの関係にある処理方法、該定着
液又は該感光材料の非感光性親水性コロイド層が一般式
(1)又は(2)で表される化合物を含有する処理方
法。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料の処理方法に関し、詳しくは、環境汚染上有害
なホウ素化合物を実質的に含有しない処理液による処理
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀黒白写真感光材料用処理剤
にはホウ素を含む化合物としてホウ酸が古くから使用さ
れてきている。ホウ素化合物はその有害性からこれまで
水質汚濁法の生活水準の項目として規制されてきたが、
1999年2月、健康項目として格上げされ、環境基準
が設定されている。
【0003】自動現像機の現像廃液、定着廃液は完全回
収であり、海洋投棄が禁止されているため、直接、水質
への影響は少ないが、ホウ酸を含む廃液を処理する際は
産業廃棄物から特別産業廃棄物の扱いとなるため、廃棄
事業者の負担は大きくなる。また、自動現像機の水洗水
はホウ酸を含む定着液からの持ちこみによりホウ酸を含
むことになるため、そのまま排水を河川、湖沼、海、下
水等へ流した場合は環境汚染が懸念される。よって、近
い将来、他の水質汚濁防止法に掲げる物質と同様にホウ
素の排水基準濃度が設定されることになる。
【0004】このように、水濁法の規制対象となるホウ
酸を除去することは環境保全上必要であり、これまで種
々のホウ酸フリー化の技術検討が行われてきている。定
着剤については、ホウ酸が主にアルミニウムのキレート
剤として析出防止効果を持つ素材として用いられてきた
ことから、ホウ酸フリー化に伴ってアルミニウムに対し
て同様のキレート効果を持つ代替素材を使用する技術
が、1液濃縮液や固形剤との組み合わせや、感光材料の
平板状ハロゲン化銀粒子や増感色素との組み合わせで開
示されている。現像剤については、従来からホウ酸が主
にpHのバッファー剤として用いられてきているが、特
にホウ酸フリー化に伴う新たな技術は開示されていな
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明は
上記従来の技術の問題を解決しようとするもので、本発
明の目的は、ホウ素化合物を含有しない現像液や定着液
で処理した際にも、アルミニウムの析出が防止され、乾
燥性、乾燥ムラ、残色性及び定着性が総合的に優れたハ
ロゲン化銀写真感光材料の処理方法を提供することを目
的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的を達成
する本発明の構成は下記である。
【0007】(1)支持体上に少なくとも1層のハロゲ
ン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を自動
現像機で、少なくとも現像液、定着液及び水洗水で処理
する処理方法において、該現像液及び該定着液の少なく
とも1つが実質的にホウ素化合物を含有せず、かつ該自
動現像機の定着液で処理する定着処理槽の定着液面高さ
(A)と該現像液で処理する現像処理槽の現像液面高さ
(B)が、下記関係式(1)で示される関係にあること
を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0008】関係式(1) A≧B+10mm (2)支持体上に少なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層
を有するハロゲン化銀写真感光材料を、ホウ素化合物を
実質的に含有しない現像液及び/又はホウ素化合物を実
質的に含有しない定着液を用いて処理する処理方法にお
いて、該定着液が上記一般式(1)又は(2)で表され
る化合物から選ばれる少なくとも1種を含有することを
特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。
【0009】(3)支持体上に少なくとも1層のハロゲ
ン化銀写真乳剤層と少なくとも1層の非感光性親水性コ
ロイド層を有するハロゲン化銀写真感光材料を、ホウ素
化合物を実質的に含有しない現像液及び/又はホウ素化
合物を実質的に含有しない定着液を用いて自動現像機で
処理し、水洗処理する処理方法において、該ハロゲン化
銀写真感光材料が上記(2)に記載の一般式(1)又は
(2)で表される化合物を該非感光性親水性コロイド層
に含有することを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
の処理方法。
【0010】(4)現像液中にレダクトン類を含有する
ことを特徴とする上記(1)、(2)又は(3)に記載
の処理方法。
【0011】(5)現像液中にジヒドロキシベンゼン化
合物を実質に含有しないことを特徴とする上記(1)〜
(4)のいずれか1項に記載の処理方法。
【0012】(6)現像液及び定着液の少なくとも1つ
が固形剤から溶解し、希釈された液であることを特徴と
する上記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の処理方
法。
【0013】本発明は、ホウ素化合物を含有しない処理
剤と処理システムの検討を行い、定着液でのアルミニウ
ムを主体とする析出問題には、現像槽から持ちこまれた
アルカリ成分、バッファー成分及び保恒剤成分の種類や
濃度と、感光材料から溶出するゼラチン、シリカ、カル
シウム、ポリマー成分等が大きく析出物の形成速度、析
出物の容積及び数に影響することを発見し、また、ホウ
素化合物フリー化で定着液の硬膜機能が大きく変動し、
乾燥性、乾燥ムラ又は残色性、定着性が劣化してしまう
ことを見いだし、この課題の解決に向けて検討し、本発
明の構成を採ることにより、析出防止と乾燥性、乾燥ム
ラ、残色性及び定着性の性能を総合的に改善できるにい
たったものである。
【0014】更に、個々の請求項に係る発明によって特
別な効果が見出され、請求項1に係る発明においては特
に片面感光材料(CRT用、レーザー用)の現像ムラの
改善が顕著であり、請求項2に係る発明においては定着
主薬の酸化及び酸に対する耐性が向上することにより定
着性が向上し、定着液の補充量の低減に特に有効である
ことを見いだし、請求項3に係る発明においては処理済
み感光材料の保存性の向上に特に有効であることを見出
したものである。
【0015】以下、本発明について詳述する。本発明に
おいて、現像液又は定着液がホウ素化合物を実質的に含
まないとは、現像液又は定着液のそれぞれ使用液中にお
いてホウ素化合物の含有量が0.04mol/L未満で
あることを意味する。
【0016】本発明において、自動現像機の現像処理槽
中の現像液面高さ(B)と定着処理槽中の定着液面高さ
(A)は、A≧B+10mm、即ちA−B≧10mmで
あるが、より好ましくはA≧B+20mmであり、本発
明の効果がより高く得られる。一方、B+50mm≧A
であることが現像ムラ防止の点から好ましい。
【0017】定着処理槽の定着液面高さ(A)及び現像
処理槽の現像液面高さ(B)は、両者とも補充液が流入
されてもオーバーフローによって液面の高さが維持され
る高さを意味する。
【0018】通常、自動現像機は、現像槽、定着槽、水
洗槽及び乾燥室を有しており、該現像槽、定着槽及び水
洗槽は、それぞれの槽内の現像ラック、定着ラック及び
水洗ラック、及び現像槽と定着槽、定着槽と水洗槽の渡
りラック、水洗槽と乾燥室との渡りと感光材料の水分を
スクイズするラックにより感光材料を搬送し、現像、定
着及び水洗の各処理を行うようになっている。また、各
処理槽には、処理量情報検出手段により処理液供給信号
により所定量の補給処理液を供給する処理液補給手段
と、各処理槽内の処理液面の高さを一定にするためのオ
ーバーフローが設けられている。このような自動現像機
において、{定着液面高さ(A)−現像液面高さ
(B)}は、現像液面と定着液面との該液面に垂直方向
の距離である。
【0019】従来は、上記のような構造の自動現像機に
おいて、現像液と定着液の液面高さは同じであり、特に
両者の液面高さを本発明のように規定すること、及びそ
れによる現像液の定着液への持ち込みに起因する問題を
改善することは知られていない。通常、自動現像機は現
像槽と定着槽との間に渡りラックを有し、該渡りラック
は現像液を絞り定着液への現像液の持ち込み量を減らす
機能を果たすが、液面高さを現像槽側を定着槽側より下
げることにより、感光材料に付着した現像液が重力で現
像槽内へ下がっていくことによって、渡りでの絞りの効
果が増し、現像液の定着槽への持ち込みが減ることによ
って、定着負荷の軽減をなし得てそれによるアルミニウ
ムの析出、乾燥性、乾燥ムラ、残色性及び定着性の改善
と、現像ムラの防止をなし得た発明である。
【0020】次に、一般式(1)又は(2)で表される
化合物について説明する。
【0021】
【化4】
【0022】一般式(1)において、R1は水素原子、
塩素原子、臭素原子、ニトロ基、ヒドロキシル基、アミ
ノ基、カルボキシル基、−SO2b又はそれぞれ置換基
を有してもよいメチル基、エチル基、プロピル基、メト
キシ基若しくはエトキシ基を表す。Ma及びMbは各々水
素原子、カリウム原子、ナトリウム原子又はアンモニウ
ム基を表す。
【0023】一般式(1)において、R1が表すメチル
基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基の
置換基としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ニトロ
基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、カル
バモイル基、スルホ基のような基が挙げられる。
【0024】一般式(1)で表される化合物の具体例と
して下記を挙げることができる。
【0025】
【化5】
【0026】
【化6】
【0027】一般式(2)において、Aはヒドロキシル
基又はアミノ基を表し、R2及びR3は、結合する炭素原
子と共に5〜6員環を形成するか、又は一方が水素原子
であり、他方が水素原子、炭素数1〜10のアルキル
基、アリール基、ヒドロキシル基又は下記一般式(R)
で表される基を表す。
【0028】
【化7】
【0029】上記一般式(R)において、nは0〜8の
整数を表し、Maは水素原子、カリウム原子、ナトリウ
ム原子又はアンモニウム基を表す。
【0030】一般式(2)において、R2及びR3が結合
する炭素原子と共に形成する5〜6員環としては、例え
ば、シクロプロパン環、シクロヘキサン環等が挙げられ
る。一般式(2)で表される化合物の具体例として以下
のものを挙げることができる。
【0031】
【化8】
【0032】一般式(1)又は(2)で表される化合物
の添加量は、定着液1L当り0.005〜0.2mol
が好ましく、より好ましくは0.01〜0.15mol
である。一般式(1)又は(2)で表される化合物は、
現像液又は定着液に添加せずに、ハロゲン化銀写真感光
材料の非感光性親水性コロイド層に添加しても本発明の
目的が達成される。この場合の添加量は9×10-4
0.03mol/Lが好ましい。
【0033】請求項1又は2に係る発明の処理方法が適
用されるハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上に少な
くとも1層のハロゲン化銀乳剤層を有するハロゲン化銀
写真感光材料であり、請求項3に係る発明の処理方法が
適用されるハロゲン化銀写真感光材料は、支持体上に少
なくとも1層のハロゲン化銀乳剤層と、少なくとも1層
の非感光性親水性コロイド層を有するハロゲン化銀写真
感光材料である。
【0034】本発明の処理方法が適用されるハロゲン化
銀写真感光材料は黒白感光材料であって、現像により銀
画像を形成することにより黒白写真画像を形成するハロ
ゲン化銀写真感光材料である。該感光材料は黒白感光材
料である他に特に制限はないが、以下に好ましく用いら
れるものを記す。
【0035】ハロゲン化銀乳剤としては、内部高沃度型
単分散粒子を有する乳剤が挙げられる。ハロゲン化銀粒
子の晶癖は立方体、14面体、8面体及びその中間の
(111)面と(100)面が任意に混在していてもよ
い。ハロゲン化銀粒子の結晶構造は、内部と外部が異な
ったハロゲン化銀組成からなっていてもよい。好ましい
ハロゲン化銀乳剤は、高沃度のコア部分に低沃度のシェ
ル層からなる2層構造を有するコア/シェル型単分散乳
剤である。高沃度部の沃化銀含量は好ましくは20〜4
0モル%で、特に好ましくは20〜30モル%である。
好ましいもう1つのハロゲン化銀乳剤は、平均アスペク
ト比が1より大きい平板状粒子である。かかる平板状粒
子の利点は、分光増感効率の向上、画像の粒状性及び鮮
鋭性の改良などが得られることである。もう1つの好ま
しいハロゲン化銀乳剤は塩化銀の含有率が50%以上の
塩臭化銀乳剤または塩化銀乳剤である。
【0036】上述したハロゲン化銀乳剤は、粒子表面に
潜像を形成する表面潜像型あるいは粒子内部に潜像を形
成する内部潜像型、表面と内部に潜像を形成する型のい
ずれのハロゲン化銀乳剤であってもよい。これらのハロ
ゲン化銀乳剤は、物理熟成あるいは粒子調製の段階でカ
ドミウム塩、鉛塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩
又はその錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩又はそ
の錯塩などを用いてもよい。乳剤は可溶性塩類を除去す
るためにヌードル水洗法、フロキュレーション沈降法な
どの水洗方法がなされてもよい。これらのハロゲン化銀
乳剤の化学熟成の方法は金増感、硫黄増感、還元増感、
カルコゲン化合物による増感やそれらの組み合わせが好
ましく用いられる。乳剤は、物理熟成または化学熟成前
後の工程において各種の写真用添加剤を用いることがで
きる。ヒドラジン化合物を添加することもできる。ま
た、テトラゾリウム塩を添加することもできる。その
他、公知の添加剤としては、例えばリサーチ・ディスク
ロージャーNo.17643(1978年12月)、同
No.18716(1979年11月)及び同No.3
08119(1989年12月)に記載された化合物が
挙げられる。これら3つのリサーチ・ディスクロージャ
ーに示されている化合物種類と記載箇所を以下に掲げ
る。
【0037】 添加剤 RD−17643 RD−18716 RD−308119 頁 分類 頁 分類 頁 分類 化学増感剤 23 III 648 右上 996 III 増感色素 23 IV 648〜649 996〜8 減感色素 23 IV 998 B 染料 25〜26 VIII 649〜650 1003 VIII 現像促進剤 29 XXI 648 右上 カブリ抑制剤・安定剤 24 IV 649 右上 1006〜7 VI 増白剤 24 V 998 V 硬膜剤 26 X 651 左 1004〜5 X 界面活性剤 26〜7 XI 650 右 1005〜6 XI 帯電防止剤 27 XII 650 右 1006〜7 XIII 可塑剤 27 XII 650 右 1006 XII スベリ剤 27 XII マット剤 28 XVI 650 右 1008〜9 XVI バインダー 26 XXII 1003〜4 IX 支持体 28 XVII 1009 XVII 本発明に係るハロゲン化銀写真感光材料に用いることの
できる支持体としては、例えば前述のRD−17643
の28頁及びRD−308119の1009頁に記載さ
れているものが挙げられる。
【0038】適当な支持体としてはプラスチックフィル
ムなどで、これら支持体の表面は塗布層の接着をよくす
るために、下塗層を設けたり、コロナ放電、紫外線照射
などを施してもよい。また、クロスオーバーカット層や
帯電防止層を設けてもよい。支持体の両側に乳剤層が存
在してもよく、一方の側がのみでもよい。両側の場合、
両面とも同じ性能を有してもよく、性能を異にしてもよ
い。
【0039】請求項3に係る発明における非感光性親水
性コロイド層は、例えば保護層、クロスオーバーカット
層、帯電防止層、バッキング層等であり、非感光性親水
性コロイド層の少なくとも1層に一般式(1)又は
(2)で表される化合物を含有させればよい。
【0040】次に、本発明の処理方法に用いられるレダ
クトン類について説明する。用いられるレダクトン類は
下記一般式(3)で表されるものが好ましい。
【0041】
【化9】
【0042】一般式(3)において、R6及びR7は、各
々ヒドロキシル基、アミノ基(エチル基、ブチル基、ヒ
ドロキシエチル基、炭素数1〜10のアルキル基等で置
換されたものを含む)、アシルアミノ基(アセチルアミ
ノ、ベンゾイルアミノ等)、アルキルスルホニルアミノ
基(メタンスルホニルアミノ等)、アリールスルホニル
アミノ基(ベンゼンスルホニルアミノ、p−トルエンス
ルホニルアミノ等)、アルコキシカルボニルアミノ基
(メトキシカルボニルアミノ等)、メルカプト基又はア
ルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ等)を表す。
【0043】R6及びR7として好ましい例は、ヒドロキ
シル基、アミノ基、アルキルスルホニルアミノ基及びア
リールスルホニルアミノ基を挙げることができる。
【0044】Xは5〜6員環を形成するに必要な原子群
であり、好ましくは炭素原子、酸素原子又は窒素原子か
ら構成され、R6、R7が置換している2つのビニル炭素
原子とカルボニル炭素原子と共同で5〜6員環を構成す
る。
【0045】Xの具体例としては、−O−、−C
(R8)(R9)−、−C(R10)=、−C(=O)−、
−N(R11)−、−N=の組合せが挙げられる。ここ
で、R8、R9、R10及びR11は各々、水素原子、炭素数
1〜10の置換してもよいアルキル基(置換基としてヒ
ドロキシル基、カルボキシル基、スルホ基等が挙げられ
る)、ヒドロキシル基又はカルボキシル基を表す。更
に、該5〜6員環は飽和又は不飽和の縮合環を形成して
もよい。
【0046】この5〜6員環の例として、ジヒドロフラ
ノン、ジヒドロピロン、ピラノン、シクロペンテノン、
ピロリノン、ピラゾリノン、ピリドン、アザシクロヘキ
セノン、ウラシル等の各環が挙げられる。好ましい5〜
6員環は、ジヒドロフラノン、シクロペンテノン、シク
ロヘキサノン、ピラゾリノン、アザシクロヘキセノン、
ウラシルの各環である。
【0047】一般式(3)で表される化合物は、リチウ
ム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム等の塩を形成
してもよい。
【0048】以下に一般式(3)で表されるレダクトン
類の具体例を示すが、これらに限定されるものではな
い。
【0049】
【化10】
【0050】
【化11】
【0051】
【化12】
【0052】上記具体例の中で好ましいのは、アスコル
ビン酸又はエリソルビン酸(立体異性)(I−1)であ
る。上記レダクトン類の使用量は現像液1リットル当た
り1〜100gの範囲でよく、好ましくは5〜50gで
ある。
【0053】本発明において、現像液がジヒドロキシベ
ンゼン化合物を実質的に含有しないことが毒性学の観点
から好ましい。ジヒドロキシベンゼン化合物を実質的に
含まないとは、その含有量が0.001mol/L未満
であることをいう。
【0054】本発明の処理方法の好ましい形態として、
現像液及び定着液の少なくとも1つが固形剤を溶解し、
希釈して調製された液である形態がある。固形剤とは固
体の処理剤のことであり、その形態は、錠剤、丸薬、顆
粒、粉末などの形態が挙げられる。ここで、粉末は微粒
結晶の集合体のことであり、顆粒は粉末を造粒したもの
であり、一般的には粒径50μm以上1000μmの粒
状物であり、錠剤は粉末又は顆粒などを一定の形状に圧
縮成型したものである。
【0055】一回に供給される固形剤の量は、1g以上
が定量性の観点から好ましく、20g以下が現像液濃度
の安定性の観点から好ましい。特に、この範囲内では、
固形剤を現像液に直接補充し、ゆっくり溶解させながら
処理した場合でも写真状態には悪影響を与えない。何故
なら、固形剤は急激には溶解せずゆっくり溶解するため
に一回に添加する量が多くても処理しながら消費される
量と見合った組成にバランスするからである。
【0056】固形剤は予め一定量に分割秤量されている
ことが好ましい。「予め分割秤量された」とは、自現機
に固形剤をセットする以前に既に所定の一定量に分割秤
量されていることであり、例えば、所定の大きさの錠剤
や丸薬に成形されている態様、顆粒や粉末が所定量ずつ
小分けされ包装されている態様などが挙げられる。固形
剤が予め一定量に分割秤量されていると、補充精度が高
く極めて安定な連続処理性能が発揮される。
【0057】錠剤の製造法としては、粉末状の固形剤を
造粒した後打錠する方法が、溶解性や保存性や写真性能
の安定の観点から、好ましい。錠剤形成のための造粒方
法は転動造粒、押し出し造粒、圧縮造粒、解砕造粒、攪
拌造粒、流動層造粒、噴霧乾燥造粒等公知の方法を用い
ることが出来る。次に得られた造粒物を打錠する際には
公知の打錠機、例えば油圧プレス機、単発式打錠機、ロ
ータリー式打錠機、プリケッテングマシンを用いること
が出来る。
【0058】錠剤や丸薬は水溶性の防湿ポリマーで被覆
したり、あるいは防湿性のある材料を使用することによ
り防湿することができ、粉末や顆粒では個々の包装材料
に防湿性のある材料を選択することで防湿される。
【0059】固形剤から調製された処理液を用いて処理
する場合、ハロゲン化銀白黒写真感光材料の現像処理量
に応じて水を現像液に補充することが望ましい。この場
合、ハロゲン化銀白黒写真感光材料の現像処理量を検知
する処理量検出手段を自動現像機に設け、この処理量検
出手段により検出されたハロゲン化銀白黒写真感光材料
の現像処理量に応じて、固形剤の現像液への供給と水の
現像液への補充を制御することが望ましい。この場合、
水の現像液の補充は以下の3つの目的のために行われ
る。第1にハロゲン化銀白黒写真感光材料が処理される
際の反応によって溶出する蓄積有害抑制成分を希釈し濃
度を一定とすること、第2に処理したハロゲン化銀白黒
写真感光材料によって持ち出される水分あるいは前液か
ら持ち込まれた不要薬品を希釈し薄めること、第3にタ
ンク表面から蒸発した水分を補給することである。水は
補水タンクより供給すればよい。
【0060】固形剤を供給する場所は処理液中であれば
よいが、好ましいのは、感光材料を処理する処理部と連
通し、該処理部との間を処理液が流通している場所であ
り、更に処理部との間に一定の処理液循環量があり溶解
した成分が処理部に移動する場所が好ましい。固形剤は
温調されている処理液中に投入されることが好ましい。
一般に自動現像機は温調のため、電気ヒーターにより処
理液を温調しており、処理部としての処理タンクと連結
した補助タンクに熱交換部を設け、ヒーターを設置しこ
の補助タンクには処理タンクから液を一定循環量で送り
込み、温度を一定ならしめるようポンプが配置されてい
る。この補助タンクの如き、処理部と連通した場所であ
って、温調が施された場所に固形剤が供給されるのが最
も好ましい方法である。
【0061】そして、この補助タンクに、処理液中に混
入した異物を取り除く目的でフィルターが配置されてい
ることが好ましい。何故なら供給された処理剤のうちの
不溶成分はフィルター部によって処理部とは遮断され、
不溶成分が処理部に流れ込み感光材料などに付着するこ
とは防止できるからである。
【0062】循環される現像液の循環回数は、0.5回
/分以上(特に0.8回/分以上、さらに1.0回/分
以上)が好ましく、また、2.0回/分以下が好まし
い。これにより、固形剤の溶解が促進され、また、現像
液の高濃度液部分の発生を防止でき、処理された感光材
料の濃度ムラの発生を防止でき、また、処理不充分な感
光材料の発生を防止できる。
【0063】
【実施例】次に、本発明を実施例により説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。
【0064】〈感光材料試料No.1の作製〉 (種乳剤−1の調製)下記のようにして種乳剤−1を調
製した。
【0065】 A1 オセインゼラチン 24.2g 水 9657ml 化合物(下記SU−1、10%エタノール水溶液) 6.78ml 臭化カリウム 10.8g 10%硝酸 114ml B1 2.5mol/L硝酸銀水溶液 2825ml C1 臭化カリウム 841g 水で 2825ml D1 1.75mol/L臭化カリウム水溶液 下記銀電位制御量 化合物SU−1: HO(CH2CH2O)n[CH(CH3)CH2O]17(CH2CH2O)mH (n+m=5〜7) 特公昭58−58288号に示される混合攪拌機を用い
て、42℃で、溶液A1に溶液B1及び溶液C1の各々
464.3mlを同時混合法により1.5分を要して添
加し、核形成を行った。
【0066】溶液B1及び溶液C1の添加を停止した
後、60分の時間を要して溶液A1の温度を60℃に上
昇させ、3%KOHによってpHを5.0に調整した
後、再び溶液B1と溶液C1を同時混合法により、各々
55.4ml/minの流量で42分間添加した。この
42℃から60℃への昇温及び溶液B1、C1による再
同時混合の間の銀電位(飽和銀−塩化銀電極を比較電極
として銀イオン選択電極で測定)を溶液D1を用いてそ
れぞれ+8mV及び+16mVになるように制御した。
【0067】添加終了後、3%水酸化カリウム水溶液に
よってpHを6に調整し直ちに脱塩、水洗を行った。こ
の種乳剤−1はハロゲン化銀粒子の全投影面積の90%
以上が最大隣接辺比が1.0〜2.0の六角平板粒子よ
りなり、六角平板粒子の平均厚さ0.064μm、平均
直径(円直径換算)は0.595μmであることを電子
顕微鏡で確認した。また、厚さの変動係数は40%、双
晶面間距離の変動係数は42%であった。
【0068】(乳剤Em−1の調製)上記の種乳剤−1
と以下に示す4種の溶液を用い、平板状ハロゲン化銀乳
剤Em−1を調製した。
【0069】 A2 オセインゼラチン 34.03g 化合物(SU−1)(10%エタノール水溶液) 2.25ml 種乳剤−1 1.218モル相当 水で 3150mlに仕上げる B2 臭化カリウム 1734g 水で 3644mlに仕上げる C2 硝酸銀 2478g 水で 4165mlに仕上げる D2 3質量%のゼラチンと、沃化銀粒子(平均粒径0.05μm)から成る微粒子 乳剤 0.080モル相当 上記D2の微粒子乳剤は、0.06モルの沃化カリウム
を含む5.0質量%ゼラチン水溶液6.64リットルに
7.06モルの硝酸銀と、7.06モルの沃化カリウム
を含む水溶液それぞれ2リットルを、10分間かけて添
加した。微粒子形成中のpHは硝酸を用いて2.0に、
温度は40℃に制御した。粒子形成後に、炭酸ナトリウ
ム水溶液を用いてpHを6.0に調整した乳剤である。
【0070】反応容器内で溶液A2を60℃に保ちなが
ら激しく攪拌し、そこに溶液B2の一部と溶液C2の一
部及び溶液D2の半分量を5分かけて同時混合法にて添
加し、その後引き続き溶液B2と溶液C2の残量の半分
量を37分かけて添加し、また引き続き溶液B2の一部
と溶液C2の一部及び溶液D2の残り全量を15分かけ
て添加し、最後に溶液B2と溶液C2の残り全量を33
分かけて添加した。この間、pHは5.8に、pAgは
8.8に終始保った。ここで、溶液B2と溶液C2の添
加速度は臨界成長速度に見合ったように時間に対して関
数様に変化させた。更に、上記溶液D2を全銀量に対し
て0.15モル%相当添加してハロゲン置換を行った。
【0071】添加終了後この乳剤を40℃に冷却し、凝
集高分子剤としてフェニルカルバモイル基で変性された
(置換率90%)変性ゼラチン13.8%(質量)水溶
液1800mlを添加し、3分間攪拌した。その後、酢
酸56%(質量)水溶液を添加して、乳剤のpHを4.
6に調整し、3分間攪拌した後、20分間静置させ、デ
カンテーションにより上澄み液を排水した。その後、4
0℃の蒸留水9.0リットルを加え、攪拌静置後上澄み
液を排水し、更に蒸留水11.25リットルを加え、攪
拌静置後、上澄み液を排水した。続いて、ゼラチン水溶
液と炭酸ナトリウム10%(質量)水溶液を加えて、p
Hが5.80になるように調整し、50℃で30分間攪
拌し、再分散した。再分散後40℃でpHを5.80、
pAgを8.06に調整した。
【0072】得られたハロゲン化銀乳剤を電子顕微鏡観
察したところ、平均粒径1.11μm、平均厚さ0.2
5μm、平均アスペクト比約4.5、粒径分布の広さ1
8.1%の平板状ハロゲン化銀粒子であった。また双晶
面間距離の平均は0.020μmであり、双晶面間距離
と厚さの比が5以上の粒子が全平板状ハロゲン化銀粒子
の97%(個数)、10以上の粒子が49%、15以上
の粒子が17%を占めていた。
【0073】次に、上記乳剤(Em−1)を60℃にし
た後に、下記分光増感色素(SD−1、SD−2)の所
定量を、固体微粒子状分散物として下記(a)を添加し
た10分後に、アデニン、チオシアン酸アンモニウム、
塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの混合水溶液及びセレ
ン増感剤(Se−1)の分散液として下記(b)を加
え、更に30分後に沃化銀微粒子乳剤を加え、総計2時
間の熟成を施した。熟成終了後に安定剤(ST−1)の
所定量を添加した。
【0074】なお、上記の添加剤とその添加量(AgX
1モル当り)を下記に示す。 分光増感色素(SD−1):5,5′−ジクロロ−9−エチル −3,3′−ジ−(3−スルホプロピル)−オキサカルボシアニン ナトリウム塩無水物 400mg 分光増感色素(SD−2):5,5′−ジ−(ブトキシカルボニル) −3,3′−ジ(4−スルホブチル)−ベンゾイミダゾロカルボ シアニンナトリウム塩無水物 4.0mg セレン増感剤(Se−1)トリフェニルホスフィンセレナイド 0.2mg ST−1:4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7 −テトラザインデン 500mg アデニン 15mg チオシアン酸カリウム 95mg 塩化金酸 2.5mg チオ硫酸ナトリウム 2.0mg 沃化銀微粒子 280mg (a)分光増感色素の固体微粒子状分散物:分光増感色
素の所定量を予め27℃に調温した水に加え高速攪拌機
(ディゾルバー)で3,500rpmで30〜120分
間にわたって攪拌することによって得た。
【0075】(b)セレン増感剤(Se−1)の分散
液:トリフェニルフォスフィンセレナイド120gを5
0℃の酢酸エチル30kg中に添加、攪拌し、完全に溶
解した。他方で写真用ゼラチン3.8kgを純水に溶解
し、これにドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム2
5質量%水溶液93gを添加した。次いでこの2液を混
合して直径10cmのディゾルバーを有する高速攪拌型
分散機により50℃下において分散翼周速40m/秒で
30分間分散を行った。その後速やかに減圧下で、酢酸
エチルの残留濃度が0.3質量%以下になるまで攪拌を
行ないつつ、酢酸エチルを除去した。その後、分散液を
純水で希釈して80kgに仕上げた。このようにして得
られた分散液の一部を分取して上記実験に使用した。
【0076】(乳剤塗布液の調製)上記で得た各々の乳
剤に下記の各種添加剤を加えた。
【0077】 1,1−ジメチロール−1−ブロム−1−ニトロメタン 0.1mg/m2 t−ブチル−カテコール 1.75mg/m2 ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 13.5mg/m2 ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 40mg/m2 トリメチロールプロパン 110mg/m2 ラテックス(L) 1.27mg/m2 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 28mg/m2 n−C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 260mg/m2 コロイダルシリカ(ルドックスAM、デュポン社製、粒径0.013μm) 2.55g/m2 硝酸タリウム 0.5mg/m2 デキストラン(平均分子量40,000) 320mg/m2 但し、ゼラチン塗布量としては1.5g/m2になるよ
うに調整した。
【0078】 (保護層塗布液の調製) ゼラチン 0.8g/m2 ポリメチルメタクリレートからなるマット剤(面積平均粒径6.0μm) 27mg/m2 化合物(P) 50mg/m2 化合物(SU−2) 4.4mg/m2 化合物(SU−3) 185mg/m2 化合物(SU−4) 48mg/m2 トップサイド300((株)パーケムアジア製) 0.6mg/m2 本発明の一般式(1)の化合物 表1〜表3記載量 本発明の一般式(2)の化合物 表1〜表3記載量 なお、塗布銀量は片面分として1.6g/m2になるよ
うに調整した。
【0079】(クロスオーバーカット層塗布液の調製)
グリシジルメタクリレート・メチルアクリレート・ブチ
ルメタクリレート共重合体(50:10:40質量%)
分散液(濃度10質量%になるよう希釈)を下引液とし
て塗布した厚さ175μmの青色着色ポリエチレンテレ
フタレート(PET)支持体の両面に、片面1m2当た
りの塗布量が下記組成になるようにクロスオーバーカッ
ト層を塗布した支持体を作製した。
【0080】 固体微粒子分散体染料(SF) 12.8mg ゼラチン 0.2g トップサイド300((株)パーケムアジア製) 0.4mg ラテックス(L) 312mg ポリスチレンスルホン酸ナトリウム 44mg
【0081】
【化13】
【0082】化合物(SU−2):スルホ琥珀酸ジヘキ
シル・ナトリウム 化合物(SU−3):C715CH2(CH2CH2O)13
OH 化合物(SU−4):C1123CON((CH2CH
2O)mH)(CH2CH2O)nH、Mw(重量平均分子
量)=640 (感光材料の作製)これらの塗布液を用いて、塗布量が
片面当たり銀量が1.6g/m2、ゼラチン付量は2.
5g/m2となるように、2台のスライドホッパー型コ
ーターを用い、毎分120mのスピードで上記支持体上
に、以下の層構成で両面同時塗布を行い、2分20秒で
乾燥して感光材料試料No.1を作製した。
【0083】 (層構成) 層の位置 層の種類 片面当たりのゼラチン量(g/m2) 上層 保護層 0.8 中間層 乳剤層 1.5 下層 クロスオーバーカット層 0.2 〈感光材料試料No.2の作製〉 (種乳剤−2〔単分散立方晶〕の調製)下記のようして
種乳剤−2を調製した。
【0084】 溶液A3 オセインゼラチン 30g 臭化カリウム 1.25g 0.1mol/L硝酸 150ml 蒸留水で 7700ml 溶液B3 臭化カリウム 6g 沃化カリウム 0.16g 蒸留水で 740ml 溶液C3 臭化カリウム 680g 沃化カリウム 20g 蒸留水で 2480ml 溶液D3 硝酸銀 8.4g 0.1mol/L硝酸 32ml 蒸留水で 740ml 溶液E3 硝酸銀 991.6g 0.1mol/L硝酸 80ml 蒸留水で 2480ml 60℃で激しく攪拌した溶液A3に、溶液B3と溶液D
3をダブルジェット法により10分間かけて添加した。
そして、溶液C3と溶液E3をダブルジェット法により
140分間かけて添加した。このとき、初期添加流量
は、最終添加流量の1/8で、時間と共に直線的に増感
させた。これら液を添加している間は、pH=2、pA
g=8に一定に調節した。添加終了後に炭酸ナトリウム
でpHを6まで上げ、臭化カリウム150gを加えた後
に、直ちに脱塩、水洗を行って平均粒径0.3μmの沃
化銀2モル%を含む沃臭化銀の単分散立方晶種乳剤−2
を得た。電子顕微鏡によれば、双晶の発生率は個数で1
%以下であった。
【0085】(正常晶コア/シェル乳剤Em−2の調
製)上記の種乳剤−2と以下に示す5種類の溶液を用い
て沃化銀2.0モル%を含有する正常晶沃臭化銀乳剤E
m−2を調製した。
【0086】 溶液A4 オセインゼラチン 75.5g 化合物(SU−4)10%メタノール水溶液 15ml 種乳剤−2 0.40モル相当 蒸留水で 4000ml 溶液B4 硝酸銀 46.2g 等モル量のアンモニア溶液と蒸留水を加えて 259ml 溶液C4 硝酸銀 647.6g 等モル量のアンモニア溶液と蒸留水を加えて 1088ml 溶液D4 臭化カリウム 22.6g 沃化カリウム 13.5g 蒸留水で 259ml 溶液E4 臭化カリウム 453.3g 蒸留水で 1088ml 反応釜内に溶液A4を40℃に保ち、アンモニア水と酢
酸を加えpHを9.5に調整した。アンモニア性銀イオ
ン溶液にてpAgを7.3に調整後、pHとpAgを一
定に保ちつつ溶液B4と溶液D4をダブルジェット法で
添加し、沃化銀30モル%を含む沃臭化銀層を形成し
た。酢酸と臭化カリウムを用いてpHを9.0、pAg
を9.0に調整した後、溶液C4と溶液E4を同時に添
加して成長後、粒径の90%に当たるまで成長させた。
このときのpHは9.0から8.2まで徐々に下げた。
臭化カリウム液を加え、pAgを11にした後に更に溶
液C4と溶液E4を加えてpHを徐々に8にまで下げな
がら成長せしめ、沃化銀2モル%の沃臭化銀乳剤を得
た。添加終了後、過剰な塩類を除去するため、下記の方
法で沈殿脱塩を行った。
【0087】(1)混合終了した反応液を40℃とし、
凝集ゼラチン剤を20g/AgX1モル加え、56質量
%酢酸を加えてpHを下げ、静置しデカンテーションを
行う。
【0088】(2)40℃の純水1.8リットル/Ag
X1モルを加え、10分間攪拌した後、静置しデカンテ
ーションを行う。
【0089】(3)上記(2)の工程をもう1回繰り返
す。 (4)オセインゼラチン92.2gを含むゼラチン水溶
液を加え2500mlとして攪拌再分散しEm−2とし
た。
【0090】Em−2の粒子約1000個を電子顕微鏡
により観察・測定し形状を分析したところ、平均粒子直
径0.51μm、分布の広さが12%の単分散球状粒子
であった。
【0091】次に、乳剤Em−2に以下の方法で分光増
感及び化学増感を施した。乳剤を50℃にした後、前記
分光増感色素(SD−1)が銀1モル当たり40mgに
なるように前記Em−1と同様に固体微粒子分散物とし
て加えた後、下記セレン増感剤(Se−2)を7.0×
10-6モル添加し、チオシアン酸アンモニウム塩を銀1
モル当たり4.0×10-4モル及び塩化金酸3.2×1
-6モルとチオ硫酸ナトリウム3.4×10-5モルを添
加し、その40分後に前記沃臭化銀微粒子乳剤を1.7
×10-3モル/Aglモル添加後、ST−1の1.2×
10 -2モルで安定化した。 セレン増感剤(Se−2):ジフェニル・ペンタフルオ
ロホスフィンセレナイド (感光材料の作製)得られた乳剤に、下記の各種添加剤
を加えて乳剤塗布液とした。添加量はハロゲン化銀1モ
ル当たりの量で示す。
【0092】 t−ブチル−カテコール 400mg ポリビニルピロリドン(分子量10,000) 1.0g スチレン−無水マレイン酸共重合体 2.5g トリメチロールプロパン 10g ジエチレングリコール 5g ニトロフェニル−トリフェニル−ホスホニウムクロリド 50mg レゾルシン−4−スルホン酸アンモニウム 4g 2−メルカプトベンツイミダゾール−5−スルホン酸ナトリウム 1.5mg C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 1g 化合物(G) 150mg 化合物(H) 70mg また、保護層に用いた添加剤は次の通りである。添加量
はゼラチン1g当たりの量で示す。
【0093】 本発明の一般式(1)の化合物 表1、3または5記載量 本発明の一般式(2)の化合物 表1、3または5記載量 マット剤(面積平均粒径7μmのポリメチルメタクリレート) 7mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 30mg 化合物(I) 12mg 2,4−ジノニルフェノール・エチレンオキシド12モル付加物 15mg C919O(CH2CH2O)10CH2CH2OH 3mg 化合物(SU−3) 5mg (CH2=CHSO2CH22O 36mg 以上の塗布液を、厚さ175μmの下引き処理済のブル
ーに着色したポリエチレンテレフタレートフィルムベー
ス上に、乳剤層と保護層を両面に均一に塗布・乾燥し
て、感光材料試料No.2を作製した。なお、ハロゲン
化銀乳剤層の銀付量は片面当たり2.20g/m2、ゼ
ラチン量は片面当たり3.2/m2とした。
【0094】〈感光材料試料No.3の作製〉下記に記載
のようにして、片面感光材料試料No.3を作製した。
【0095】(乳剤E−3の調製)60℃、pAg=
8、pH=2.0にコントロールしつつ、ダブルジェッ
ト法で平均粒径0.13μmの沃化銀2モル%を含む沃
臭化銀の単分散立方晶種乳剤を得た。この乳剤は電子顕
微鏡写真から双晶の発生率は個数で1%以下であった。
この種乳剤を以下のように成長させた。
【0096】即ち40℃に保たれた保護ゼラチン及び必
要に応じてアンモニアを含む溶液8.5リットル、この
種晶を分散させ、更に酢酸によりpHを調整した。この
液を母液としてpHを8.0、pAgを8.5に保ち、
3.2規定のアンモニア性硝酸銀水溶液及びヘキサクロ
ロイリジウム(IV)塩カリウムを1×10-6モル/銀1
モルの比率で含む臭化カリウム水溶液をダブルジェット
法で添加し成長させた。
【0097】その後、臭化カリウム溶液をノズルで8分
かけて添加しpAgを9.7に上げ、その臭化カリウム
溶液の添加終了10分後に混合を終了させた。
【0098】得られた乳剤は、平均粒径が0.24μm
の頂点が丸みを有する14面体の単分散乳剤で粒子全体
の平均沃化銀含有率は0.2モル%であった。
【0099】次に、過剰な可溶性塩類を除去するために
脱塩を行なった。即ち乳剤を40℃に保ち、ナフタレン
スルホン酸ナトリウムのホルムアルデヒド縮合物と硫酸
マグネシウムを加え、撹拌静置し、デカンテーションに
より過剰の塩類を除去した。
【0100】次に、ゼラチン中に分散した脱塩後の乳剤
を55℃にしてから、下記に示す増感色素を添加した。
なお添加量はハロゲン化銀1モル当たり140mgとし
た。
【0101】
【化14】
【0102】次いで、セレン化合物としてトリフェニル
ホスフィンセレナイドを適量添加した後、チオシアン酸
アンモニウムと塩化金酸及びチオ硫酸ナトリウムの適量
を加えて化学増感を行った。最高感度に達した時点で4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデンをハロゲン化銀1モル当たり適量添加して安
定化した。
【0103】以上のようにして得られた乳剤E−3を用
いて、下記に示す塗布液を調製して感光材料試料No.
3を作製した。
【0104】(赤感性ハロゲン化銀乳剤層塗布液の調
製)得られた乳剤E−3に、ハロゲン化銀1モル当たり
下記を添加して赤感性ハロゲン化銀乳剤層塗布液を調製
した。
【0105】 ニトロフェニル−トリフェニルホスホニウムクロリド 0.7mg 1,3−ジヒドロキシベンゼン−4−スルホン酸アンモニウム 0.025g C49OCH2CH(OH)CH2N(CH2COOH)2 0.015g 1,1−ジメチロール−1−ブロム−ニトロメタン 0.13mg ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量15万) 0.033g デキストラン 0.3g
【0106】
【化15】
【0107】(乳剤層側の保護層塗布液)下記の添加量
は感光材料1m2当たりである。
【0108】 石灰処理イナートゼラチン 0.8g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム塩 27mg ポリメチルメタクリレート(面積平均粒径3μmのマット剤) 28mg 二酸化ケイ素粒子(面積平均粒径1.2μm) 10mg ルドックスAM(コロイドシリカ、デュポン社製) 50mg 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウム塩 ≒(2%水溶液) 5mg ホルマリン(35%) 10mg グリオキザール(40%) 40mg トップサイド300(Permchem Asia Ltd製) 1mg SAM−1 20mg C817SO3K 2mg 本発明の一般式(1)の化合物 表1、3または5記載量 本発明の一般式(2)の化合物 表1、3または5記載量
【0109】
【化16】
【0110】両面に2軸延伸熱セット後、コロナ放電処
理を施したポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ
175μm)上に特開昭59−18945号実施例1記
載の下引き用ラテックス(合成例1の化合物)を塗布し
た。次いでその両面に下記の帯電防止層を塗布した。
【0111】 (帯電防止層) 水溶性導電性ポリマー(P−1) 0.6g/m2 疎水性ポリマー(P−2) 0.5g/m2 硬化剤(H−1) 2×10-3g/dm2
【0112】
【化17】
【0113】得られた支持体上に前記の赤感性ハロゲン
化銀乳剤層を銀量が2.5g/m2、ゼラチン量が乳剤
層が1.5g/m2、保護層が0.8g/m2になるよう
塗布し、反対側には下記のバッキング下層と上層を塗布
した。バッキング下層と上層のゼラチン量はそれぞれ
1.5g/m2と0.9g/m2になるようスライドホッ
パーにて同時塗布した。
【0114】 (バッキング層の下層塗布液) ゼラチン 400g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム塩 0.4g ハレーション防止染料 10g ポリスチレンスルホン酸カリウム(平均分子量15万) 50g ジエチレングリコール 5g グリオキザール 2g 染料乳化分散液(下記内容のもの) 33g
【0115】
【化18】
【0116】水で7リットルに仕上げる。 染料乳化分散液の調製法 下記染料10kgをトリクレジルホスフェート28リッ
トルと酢酸エチル85リットルからなる溶媒に55℃で
溶解した。これをオイル系溶液とする。一方、下記のア
ニオン性界面活性剤(AS)1.35kgを含む9.3
%ゼラチン溶液270リットルを調製した。これを水系
溶液とした。次にオイル系溶液と水系溶液を分散釜に入
れ、液温を40℃に保ちながら分散した。得られた分散
液にフェノールと1,1′−ジメチロール−1−ブロム
−1−ニトロメタンの適量を加え水で240kgに仕上
げた。
【0117】
【化19】
【0118】 (バッキング層の上層塗布液) ゼラチン 400g i−アミル−n−デシルスルホサクシネートナトリウム塩 10g ハレーション防止染料 10g ポリメチルメタクリレート(平均粒径6μm) 12g SAM−1 3g C817SO3K 0.3g グリオキザール 13.6g 染料乳化分散液(前記内容のもの) 33g 水で7リットルに仕上げる。
【0119】次に、本発明のハロゲン化銀写真感光材料
の処理に用いた、固形現像剤及び現像液剤を示す。
【0120】(ハイドロキノンを現像主薬とする固形現
像剤αの調製)下記にようにして固形現像剤α(現像液
として使用するときの100リットル量分)を調製し
た。
【0121】造粒物(A) ハイドロキノン3000g、フェニドン400g、硼酸
1000g、N−アセチル−D,L−ペニシラミン10
g及びグルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム800g
を、夫々、市販のバンタムミル中で、平均10μmにな
るまで粉砕する。
【0122】この微粉に亜硫酸ナトリウム700g、結
合剤D−ソルビット200gを加え、ミル中で30分混
合して市販の攪拌造粒機中で室温にて約5分間、30m
lの水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動
層乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分を略
完全に除去し、造粒物(A)とする。
【0123】造粒物(B) 炭酸カリウム5300g、重炭酸カリウム50g、臭化
カリウム200gを、夫々市販のバンタムミル中で平均
10μmになるまで粉砕する。各々の微粉に水酸化リチ
ウム・水和物200g、DTPA・5Hを250g、1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾール5g、亜硫酸
ナトリウム4000g、結合剤マンニトール1000g
を加え、ミル中で30分混合して市販の攪拌造粒機中で
室温にて約15分間、30mlの水を添加することによ
り造粒した後、造粒物を流動乾燥機で40℃にて2時間
乾燥して造粒物の水分を略完全に除去する。これを造粒
物(B)とする。
【0124】(固形現像剤αの作製)上記造粒物(A)
と(B)各々を、25℃、40%RH以下に調湿された
部屋で混合機を用いて10分間均一に混合した後、得ら
れた混合物をタフプレスコレクト1527HU(菊水製
作所製)を改造した打錠機により、1錠当たりの充填量
を(A)は10.09g、(B)は9.5gに調整し
て、圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の現像錠剤
を作製した。各錠剤(A)、(B)を防湿のためアルミ
を含有させたピロー袋一つに3.5リットル量分(現像
液)ずつ封入包装した。これらを固形現像剤αとする。
【0125】(アスコルビン酸類を現像主薬とする固形
現像剤βの作製)下記のようにして固形現像剤β(現像
液として使用するときの100リットル量分)を作製し
た。
【0126】造粒物(C) フェニドン300g、N−アセチル−D,L−ペニシラ
ミン10g、グルタルアルデヒド重亜硫酸ナトリウム8
00gを、夫々市販のバンタムミル中で平均10μmに
なるまで粉砕する。この微粉にメタ重亜硫酸ナトリウム
1500g、エリソルビン酸ソーダ4000g、結合剤
D−ソルビット600gを加え、ミル中で30分混合し
て市販の攪拌造粒機中で室温にて約10分間、30ml
の水を添加することにより造粒した後、造粒物を流動層
乾燥機で40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ
完全に除去する。これを造粒物(C)とする。
【0127】造粒物(D) 炭酸カリウム10300g、重炭酸カリウム100gを
夫々市販のバンタムミル中で平均10μmのなるまで粉
砕する。各々の微粉に、DTPA・5Hを250g下記
化合物(AF−1)40g、下記化合物(AF−2)1
0g、沃化カリウム7g、メチル−β−シクロデキスト
リン200g、結合剤マンニトール2000g、D−ソ
ルビット700gを加え、ミル中で30分混合して市販
の攪拌造粒機中で室温にて約15分間、30mlの水を
添加することにより造粒した後、造粒物を流動乾燥機で
40℃にて2時間乾燥して造粒物の水分をほぼ完全に除
去する。これを造粒物(D)とする。
【0128】化合物(AF−1):1−(3−スルホフ
ェニル)−5−メルカプトテトラゾール・ナトリウム 化合物(AF−2):5−メルカプト−(1H)−テト
ラゾリル酢酸ナトリウム 〈固形現像剤βの作製〉上記造粒物(C)と(D)各々
を、40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用いて
10分間均一に混合した後、固形現像剤αと同様に、充
填量として(C)は10.0g、(D)は10.0gに
して、圧縮打錠を行い、直径30mmの円筒形の現像錠
剤を作製した。各錠剤(C)、(D)を防湿のためアル
ミを含有させたピロー袋一つに現像液3.5リットル量
分ずつ封入包装した。これらを固形現像剤βとする。
【0129】(固形定着錠剤の作製)以下の操作で定着
液として100リットル量になる固形定着錠剤を作製し
た。
【0130】造粒物(E) チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム(90/1
0質量比)15000gを市販のバンタムミル中で平均
10μmになるまで粉砕する。この微粉に亜硫酸ナトリ
ウム500g、ピロ硫酸ナトリウム750g、結合剤パ
インフロー1300gを加え、水の添加量を50mlに
して攪拌造粒を行い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で
乾燥して水分を略完全に除去する。これを造粒物(E)
とする。
【0131】造粒物(F) 硫酸アルミニウム・8水塩1500g、琥珀酸1200
g、酒石酸300gを市販のバンタムミル中で平均10
μmになるまで粉砕する。この微粉にD−マンニット2
50g、一般式(1)の化合物を表1、3または5に記
載量、一般式(2)の化合物を表1・3または5に記載
量、D−ソルビット120g、PEG#4000を16
0g加え、水の添加量を30mlにして攪拌造粒を行
い、造粒物を流動層乾燥機で40℃で乾燥して水分をほ
ぼ完全に除去する。これを造粒物(F)とする。
【0132】このようにして得られた造粒物(E)に、
β−アラニン3000g、酢酸ナトリウム4330g、
更に1−オクタンスルホン酸ナトリウムを総質量の1.
5%になるように添加し、更に造粒物(F)にはメタ重
亜硫酸ナトリウム750gと1−オクタンスルホン酸ナ
トリウムを総質量の1.0%となるように添加し、夫々
25℃・40%RH以下に調湿された部屋で混合機を用
いて10分間均一に混合した後、得られた混合物を菊水
製作所社製タフプレスコレクト1527HUを改造した
打錠機により1錠当たりの充填量を(E)は10.2
g、(F)は11.2gにして圧縮打錠を行い、直径3
0mmの円筒形の固形定着錠剤を作製した。
【0133】各固形剤を防湿のため、アルミを含有させ
たピロー袋一つに3.5リットル量分ずつ封入包装し
た。これらを固形定着錠剤(E+F)とする。
【0134】〈処理及び評価〉上記で得られた感光材料
試料No.1〜No.3を用いて、露光後、下記表1、
3または5に示す現像液及び定着液を用いて処理し、現
像ランニング安定性、定着液の析出性及び画像保存性を
評価した。
【0135】自動現像機としてTCX−201(コニカ
(株)製)を改造した自動現像機を使用した。現像温度
36℃、定着温度35℃、乾燥温度55℃で処理時間D
ryto Dryで60秒の処理を行った。現像液及び
定着液の補充量は後記表1、3または5記載量とした。
【0136】現像処理槽の容量及び現像ラックのパス長
を変え、更に定着処理槽の容量及び定着ラックのパス長
を変える改造を行い、現像液の液面高さ(B)と定着液
の液面高さ(A)を表1、3または5記載の通りに変更
できるようにした。
【0137】スタート時の現像タンク内の現像液は、ハ
イドロキノン主薬固形現像剤α、アスコルビン酸類を主
薬とする固形現像剤β共に後記の錠剤溶解専用のケミカ
ルミキサーで希釈水で希釈溶解して調製する。
【0138】この現像液7.8リットルをTCX−20
1に入れ、後記のスターターを加えてスタート液として
現像槽を満たして処理を開始した。スターター添加量は
35ml/リットルであった。
【0139】定着剤は、固形定着剤(E+F)を後記載
の改造ケミカルミキサーで希釈水で希釈して調製した。
なお、錠剤は完全に溶解し、析出物は見られなかった。
この調製定着液7.5リットルをTCX−201の定着
処理タンクに入れてスタート液とした。
【0140】 (スターター処方) 臭化カリウム 5.5g HOCH2CH2SCH2CH2SCH2CH2OH 0.05g N−アセチル−D,L−ペニシラミン 0.10g メタ重亜硫酸ナトリウム 開始液pHになる量 水で 35ml なお、TCX−201を現像、定着共に各固体錠剤が投
入できるように改造ケミカルミキサー投入口を設けて溶
解用に内蔵ケミカルミキサーを改造した。
【0141】現像、定着共に、各固体錠剤の投入口に夫
々の包装袋を手で開封したものをセットし、内蔵ケミカ
ルミキサーに固体錠剤を落とすと同時に温水(25〜3
0℃)を注水し、攪拌溶解しながら溶解時間20分で
3.5リットルに調液した。これを現像・定着補充液と
して用いた。この調製された補充液を現像槽、定着槽に
供給して前記の量を満たした。定着補充液は酢酸を加え
ることでpH4.60に調整した。現像剤を溶解したと
きのpHは、ハイドロキノン系現像液が10.55、ア
スコルビン酸類主薬系の場合10.15になるように酢
酸、水酸化カリウムで微調整した。
【0142】内蔵ケミカルミキサーは調液槽と予備タン
ク槽に分かれており、調液槽容量は3.5リットル、予
備タンク容量は7.0リットルであり、フィルムをラン
ニング処理中に調液槽で作製された補充液がなくなって
も、また、攪拌溶解時間(約25分)中に無補充状態に
ならないように補充液が供給されるよう予備タンクを設
けた。スターターを添加したときの現像液のpHは、固
形現像剤αから調製した液が10.45、固形現像剤β
から調製した液が9.90になるよう調整した。
【0143】このようにして、表1、3または5に記載
の現像液と定着液を、同表記載量補充しながら、1日当
たり四つ切りサイズ(10×12インチ)50枚をラン
ニング処理し、これを1ヶ月続けた。なお、1ヶ月後の
ランニング液はランニング平衡液である。
【0144】次いで、以下に示すように評価を行った。 〈定着液の析出性の評価〉表1、3または5記載の補充
量でランニングを開始し、1日当り50枚を1ヶ月、3
ヶ月経過した時点での液の析出抑制力を下記のランクで
表した。
【0145】5:ランニング液では全く発生せずに水酸
化カリウム液を添加し、除除にアルカリ側にしていく過
程でpH10.0で白色析出物は発生し始める 4:ランニング液では発生せず水酸化カリウム液を添加
し、除除にアルカリ側にしていく過程でpH7.0で白
色析出物が発生し始める 3:ランニング液では微量発生があり、アルカリ側にp
H5.2を越えた時点で多量に析出する 2:ランニング液で発生があり槽が攪拌状態ではわから
ないが静置すると明らかな白色析出物が認められる 1:攪拌状態でも白色析出物が認められ、多量発生有り 〈画像保存性〉前記で得られた感光材料試料を大角サイ
ズに裁断し、処理済み濃度を1.0に成る様に均一露光
を施した。TCX−201で処理後、処理済みフィルム
を50℃80%の条件で3日間保存し。保存後の色調を
目視で評価し下記のランクで示した。
【0146】 4:色調の変化が認められない 3:わずかに透過観察で黄色への変化有り 2:透過観察で黄色への色調変化が若干認められ、反射
濃度も低下が認められる 1:透過観察で全体的に明らかに黄色への色調変化が認
められ、反射濃度が大きく低下する 〈現像ムラの評価〉前記で得られたEM−3を用いた片
面感材を大四つサイズに裁断し処理済み濃度を1.0に
成る様に均一露光を施し、表1記載の補充条件でランニ
ング処理した処理液で10枚処理した。これを目視で評
価し、下記のランクで示した。
【0147】 4:濃度ムラは認められない。 3:僅かに薄い筋状のムラが認められる。実技上ぎりぎ
りのレベル 2:部分的にムラが認められる。実用不可 1:全体でムラが激しく認められる 〈定着性の評価〉前記感光材料試料を未露光のまま現像
処理して残留銀評価用の試料とした。これに硫化ナトリ
ウム2.6×10-3mol/L水溶液を残留銀評価液と
して1滴滴下し、3分放置後、液を拭きとって常温常湿
下で15時間放置した。
【0148】その後、PDA−65型濃度計(コニカ
(株)製)を用いて残留銀評価液を滴下した部分と滴下
しない部分のブルー光の透過濃度を測定し、その差を求
め残留銀の目安とした。値が0.03以下であれば問題
無くそれ以上であると銀画像が経時で変色したり濃低下
を引き起こす。
【0149】〈残色性の評価〉フィルム試料を未露光の
まま現像処理した残色性評価用の試料とした。これを目
視評価し、下記ランクで示した。
【0150】 4:全く残色は無い 3:一部薄い色残りが認められる 2:フイルムの1/2未満の範囲で色残りが認められる 1:フィルム全体で赤っぽく色残りが認められる 〈乾燥ムラの評価〉前記感光材料試料を大角サイズに断
裁し、濃度1.1になる様に一様に露光を与える。これ
を前記の自動現像機にて70枚連続処理する。このとき
上記で調製したランニング平衡液を現像液、定着液とも
に用いた。処理済試料の内、60枚〜70枚にかけての
10枚について乾燥ムラの平均レベルを下記基準で評価
した。
【0151】 ◎:ムラが全くなく非常に良好 ○:ムラが縁に認められるが実用上許容できる △:ムラが反射ムラが発生し改善が必要 ×:ムラがひどく実用上許容できない。透過観察でもム
ラが確認できる 実施例1(請求項1、4、5又は6に係る発明の実施
例) 上記実験条件を下記表1に記載の通りとした実験1−1
〜1−13を行った。その結果を表2に示す。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】実施例2(請求項2、4、5又は6に係る
発明の実施例) 実験条件を下記表3に記載の通りに変えた外は実施例1
と同様とした実験2−1〜2−13を行った。その結果
を下記表4に示す。
【0155】
【表3】
【0156】
【表4】
【0157】実施例3(請求項3、4、5又は6に係る
発明の実施例) 実験条件を下記表5に記載の通りに変えた外は実施例1
と同様とした実験3−1〜3−13を行った。その結果
を下記表6に示す。
【0158】
【表5】
【0159】
【表6】
【0160】表1〜表6の結果から明らかなように、ホ
ウ素フリーの処理剤においても本発明は定着の析出の抑
制に優れ、定着性、乾燥ムラ、残色性を含めたトータル
での処理性にも優れていることがわかる。更に表1〜表
2に示すように請求項1の構成をとることに現像ムラに
非常に有効であり、表3〜表4に示すように請求項2の
構成をとることにより低補充化においても定着性に優
れ、また表5〜表6に示すように請求項3の構成をとる
ことにより画像保存性に優れていることがわかる。
【0161】
【発明の効果】本発明によれば、ホウ素化合物フリーの
現像液や定着液で処理した際にも、アルニニウムの析出
が防止され、乾燥性、乾燥ムラ、残色性及び定着性が総
合的に優れたハロゲン化銀写真感光材料の処理方法が提
供される。
【0162】なお、請求項1に係る発明によれば、特に
片面感光材料の現像ムラの改善効果が高く、請求項2に
係る発明によれば、定着主薬の酸化耐性の向上により定
着性が向上し、それにより定着液の補充量の低減に特に
効果が高く、請求項3に係る発明によれば、処理済み感
光材料の保存性の向上に特に効果が高い。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を自動現像
    機で、少なくとも現像液、定着液及び水洗水で処理する
    処理方法において、該現像液及び該定着液の少なくとも
    1つが実質的にホウ素化合物を含有せず、かつ該自動現
    像機の定着液で処理する定着処理槽の定着液面高さ
    (A)と該現像液で処理する現像処理槽の現像液面高さ
    (B)が、下記関係式(1)で示される関係にあること
    を特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方法。 関係式(1) A≧B+10mm
  2. 【請求項2】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀乳剤層を有するハロゲン化銀写真感光材料を、ホウ素
    化合物を実質的に含有しない現像液及び/又はホウ素化
    合物を実質的に含有しない定着液を用いて処理する処理
    方法において、該定着液が下記一般式(1)又は(2)
    で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。 【化1】 〔式中、R1は水素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ
    基、ヒドロキシル基、アミノ基、カルボキシル基、−S
    2b又はそれぞれ置換基を有してもよいメチル基、エ
    チル基、プロピル基、メトキシ基若しくはエトキシ基を
    表す。Ma及びMbは各々水素原子、カリウム原子、ナト
    リウム原子又はアンモニウム基を表す。〕 【化2】 〔式中、Aはヒドロキシル基又はアミノ基を表し、R2
    及びR3は、結合する炭素原子と共に5〜6員環を形成
    するか、又は一方が水素原子であり、他方が水素原子、
    炭素数1〜10のアルキル基、アリール基、ヒドロキシ
    ル基又は下記一般式(R)で表される基を表す。 【化3】 〔上記一般式(R)において、nは0〜8の整数を表
    し、Maは水素原子、カリウム原子、ナトリウム原子又
    はアンモニウム基を表す。〕
  3. 【請求項3】 支持体上に少なくとも1層のハロゲン化
    銀写真乳剤層と少なくとも1層の非感光性親水性コロイ
    ド層を有するハロゲン化銀写真感光材料を、ホウ素化合
    物を実質的に含有しない現像液及び/又はホウ素化合物
    を実質的に含有しない定着液を用いて自動現像機で処理
    し、水洗処理する処理方法において、該ハロゲン化銀写
    真感光材料が請求項2記載の一般式(1)又は(2)で
    表される化合物を該非感光性親水性コロイド層に含有す
    ることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
  4. 【請求項4】 現像液中にレダクトン類を含有すること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載のハロゲン化銀写
    真感光材料の処理方法。
  5. 【請求項5】 現像液中にジヒドロキシベンゼン化合物
    を実質に含有しないことを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれか1項に記載のハロゲン化銀写真感光材料の処理方
    法。
  6. 【請求項6】 現像液及び定着液の少なくとも1つが固
    形剤から溶解し、希釈された液であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のハロゲン化銀写真
    感光材料の処理方法。
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