JP2001240690A - 多孔性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

多孔性フィルム及びその製造方法

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JP2001240690A JP2000378238A JP2000378238A JP2001240690A JP 2001240690 A JP2001240690 A JP 2001240690A JP 2000378238 A JP2000378238 A JP 2000378238A JP 2000378238 A JP2000378238 A JP 2000378238A JP 2001240690 A JP2001240690 A JP 2001240690A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた透湿度、柔軟性、耐シミ出し性を有す
る多孔性フィルム、及び、該特性を有する多孔性フィル
ムを高速度で製膜し得る製造方法を提供する。 【解決手段】 ポリオレフィン系樹脂25〜55重量
%、及び無機充填材75〜45重量%を含む組成物から
成形した多孔性フィルムであって、ポリオレフィン系樹
脂が、線形低密度ポリエチレン98〜70重量%及び分
岐状低密度ポリエチレン2〜30重量%を含み、且つ、
前記組成物100重量部に対し、液状のエチレン−α−
オレフィンオリゴマー0.5〜5重量部を含むことを特
徴とする多孔性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性フィルム及
びその製造方法に関する。詳しくは、優れた透湿度、柔
軟性、耐シミ出し性を有する多孔性フィルムに関する。
また、前記特性を有する多孔性フィルムを高速度で製膜
・延伸し得る製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ポリオレフィン樹脂に無機充填材
及び各種油、ワックス等を添加したフィルムを少なくと
も一軸方向に延伸し、無機充填材とポリオレフィンとの
間で界面剥離が起こることによりボイドを発生させ多孔
性フィルムを製造する方法が多数提案されている。これ
らの方法により得られる多孔性フィルムは、内部に多数
の微小なボイドを有しているため、高い透湿度を有しな
がらも液体を透過させることはない。この性質を生かし
て、使い捨て紙オムツ等の衛生材料、防水シート等の建
築材料、反射フィルム、電池セパレーター等多岐にわた
り用いられている。
【0003】しかし、このような無機充填材を多く含む
フィルムを製膜・延伸する際の問題点は、高速による製
膜・延伸が困難であることである。すなわち、無機充填
材を含むためにドローダウン性が悪くなり、高速製膜・
延伸時に、フィルムの破断、破れ、ピンホールなどが発
生し、生産性の向上を妨げていた。この傾向は、フィル
ムを薄肉化した場合に著しく、高速で製膜・延伸して均
一なフィルムを生産することは困難であった。また、多
孔性フィルムを使い捨てオムツの資材として用いた場
合、人尿等は漏らさず、湿気のみを通す性能が求められ
ている。使い捨てオムツに用いられる吸水ポリマーによ
っては、吸い込んだ人尿に微量の界面活性剤が溶け出す
ものもある。そうした場合、多孔性フィルムから人尿が
しみだし易くなる。
【0004】上記問題の内、厚み均一性、高速延伸成形
性を改良する手段として、例えば、特公平5−3573
4号公報には、ポリオレフィン樹脂及び無機充填剤を含
む樹脂組成物に、第三成分としてひまし油を添加する方
法が提案されている。しかしながら、この方法は、厚み
均一性、及び高速延伸成形性がある程度改善されるもの
の、フィルムのシミ出し性に問題がある。また、特公平
6−99581号公報には、第三成分として炭化水素重
合体とポリエステルとの混合物を含む多孔性フィルムが
提案されている。しかしながら、この多孔性フィルム
は、厚み均一性、及び柔軟性は良好であるが、フィルム
の耐シミ出し性に問題がある。更に、特公昭62−15
090公報には、第三成分として液状またはワックス状
の炭化水素重合体を含む多孔性フィルムが提案されてい
る。しかしながら、この多孔性フィルムは、耐シミ出し
性が改善されているが、厚み均一性、柔軟性に問題があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題に鑑み、優れた透湿度、柔軟性、耐シミ出し性を有
する多孔性フィルムを提供し、且つ、前記特性を有する
多孔性フィルムを高速度で製膜・延伸し得る製造方法を
提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
した結果、ポリオレフィン系樹脂25〜55重量%と無
機充填材75〜45重量%を含む組成物から成形したフ
ィルムを少なくとも機械方向に延伸して多孔性フィルム
を製造するに際し、ポリオレフィン系樹脂として、線形
低密度ポリエチレン98〜70重量%と分岐状低密度ポ
リエチレン2〜30重量%を含む樹脂を用い、且つ、前
記組成物100重量部に対し、液状のエチレン−α−オ
レフィンオリゴマー0.5〜5重量部を添加することに
より、上記課題が解決できることを見出し、本発明に到
達した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリオレフィン系樹
脂25〜55重量%、及び無機充填材75〜45重量%
を含む組成物から成形した多孔性フィルムであって、ポ
リオレフィン系樹脂が線形低密度ポリエチレン98〜7
0重量%及び分岐状低密度ポリエチレン2〜30重量%
を含み、且つ、前記組成物100重量部に対し、液状の
エチレン−α−オレフィンオリゴマー0.5〜5重量部
を含むことを特徴とする多孔性フィルムである。
【0008】本発明において、エチレン−α−オレフィ
ンオリゴマーの40℃における動粘度が50〜1000
00mm2/secであることが好ましい。また、本発
明に係わる多孔性フィルムの好ましい特性として、
(1)多孔性フィルムの透湿度が1500〜4000g
/m2・24hrであること、(2)多孔性フィルムの
厚み均一性が0.15以下であること、(3)多孔性フ
ィルムの厚み(TH:μm)に対する剛性(ST:mm)
の比(ST/TH)が1.3〜2.2であること、(4)
多孔性フィルムの厚み(TH:μm)に対するシミ出し
開始時間(TS:分)の比(TS/TH)が少なくとも
0.2、厚み(TH:μm)に対するシミ出し終了時間
(TE:分)の比(TE/TH)が少なくとも0.4であ
ること、及び、(5)多孔性フィルムの厚みが10〜3
00μmであること、がそれぞれ挙げられる。
【0009】本発明の他の発明は、前記発明に係わる多
孔性フィルムの製造方法であって、ポリオレフィン系樹
脂25〜55重量%、及び無機充填材75〜45重量%
を含む組成物からフィルムを成形し、得られたフィルム
を少なくとも機械方向に延伸する多孔性フィルムの製造
方法において、ポリオレフィン系樹脂として、線形低密
度ポリエチレン98〜70重量%及び分岐状低密度ポリ
エチレン2〜30重量%を含む樹脂を用い、前記組成物
100重量部に対し、液状のエチレン−α−オレフィン
オリゴマー0.5〜5重量部を添加し、且つ、機械方向
の延伸に際し、少なくとも100m/minのライン速
度で延伸しながら巻き取ることを特徴とする多孔性フィ
ルムの製造方法である。該製造方法において、少なくと
も機械方向の延伸倍率が少なくとも1.2倍であること
が好ましい。
【0010】本発明の多孔性フィルムは、優れた透湿
度、柔軟性、耐シミ出し性を有する。また、本発明の多
孔性フィルムの製造方法によれば、前記特性を有する多
孔性フィルムを少なくとも100m/minの高速度で
巻き取り、生産性良く製造することができる。そのた
め、本発明の多孔性フィルムは、使い捨て紙オムツ等の
衛生材料、防水シート等の建築材料、反射フィルム、電
池セパレーター等の資材として極めて有用である。
【0011】尚、本発明における多孔性フィルムのシミ
出し開始時間、及び、シミ出し終了時間は、後述する実
施例に記載した方法により測定した値を意味する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の多孔性フィルムは、ポリオレフィン系樹
脂に特定量の無機充填材及び液状のエチレン−α−オレ
フィンオリゴマーを添加して樹脂組成物となし、該樹脂
組成物をフィルム成形し、得られたフィルムを少なくと
も機械方向に延伸することにより製造される。
【0013】本発明に用いるポリオレフィン系樹脂は、
線形低密度ポリエチレン98〜70重量%、及び分岐状
低密度ポリエチレン2〜30重量%を含む樹脂である。
線形低密度ポリエチレンとしては、密度が0.910〜
0.940g/cm3、メルトインデックスが0.1〜
20.0g/cm3であるものが用いられる。分岐状低
密度ポリエチレンとしては、密度が0.910〜0.9
40g/cm3、メルトインデックスが0.1〜20.
0g/cm3であるものが用いられる。分岐状低密度ポ
リエチレンが、2重量%未満になるとフィルムの厚み均
一性が悪化する。また、分岐状低密度ポリエチレンが3
0重量%を超えると、安定した高速製膜が難しくなる。
【0014】本発明に用いるポリオレフィン系樹脂に
は、本発明の目的を損なわない範囲において、上記線形
低密度ポリエチレン及び分岐状低密度ポリエチレンに対
し、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、密度及びメルトインデックスが上記範囲を外
れる線形低密度ポリエチレン及び分岐状低密度ポリエチ
レン等の他のポリオレフィン系樹脂を混合してもよい。
他のポリオレフィン系樹脂の混合割合は、上記線形低密
度ポリエチレン及び分岐状低密度ポリエチレンの全量に
対し、50重量%以内であることが好ましい。本発明に
用いるポリオレフィン系樹脂は、ツィーグラー触媒の如
きマルチサイト触媒を用いて製造された樹脂であって
も、また、メタロセン触媒の如きシングルサイト触媒を
用いて製造された樹脂であってもよい。
【0015】本発明に用いる上記線形低密度ポリエチレ
ンの市販品としては、三井化学(株)製、商品名:ウル
トゼックスUZ2021L、ウルトゼックスUZ252
0F、エボリューSP1540、エボリューSP204
0等が挙げられる。また、上記分岐状低密度ポリエチレ
ンの市販品としては、三井化学(株)製、商品名:ミラ
ソンF967、ミラソン102、日本ポリオレフィン
(株)製、商品名:ジェイレクスLD−L211等が挙
げられる。
【0016】本発明に用いる無機充填材としては、例え
ば、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、
炭酸バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、シリ
カ、タルク等が挙げられる。これらのうち、炭酸カルシ
ウム及び硫酸バリウムが好ましい。無機充填材の平均粒
径は20μm以下のものが好ましい。更に好ましくは1
0μm以下であり、0.5〜5μmのものが最も好まし
い。また、無機充填材は、ポリオレフィン系樹脂との分
散性を向上させるために表面処理が施されているものが
好ましい。表面処理剤としては、無機充填材の表面を被
覆することにより、その表面を疎水化できるものが好ま
しい。例えば、ステアリン酸、ラウリン酸等の高級脂肪
酸、またはそれらの金属塩を挙げることができる。
【0017】前記ポリオレフィン系樹脂と無機充填材と
の組成比は、前記ポリオレフィン系樹脂が25〜55重
量%、無機充填材が75〜45重量%である。好ましく
はポリオレフィン系樹脂が30〜50重量%、無機充填
材が70〜50重量%の範囲である。無機充填材の含有
量が45重量%未満になると、ポリオレフィン系樹脂と
無機充填材の界面が剥離してできる隣接したボイド同士
が連通しにくくなる。また、75重量%を超えると、フ
ィルムの延伸時の伸びがなくなり、延伸が困難になる。
【0018】本発明の多孔性フィルムは、ポリオレフィ
ン系樹脂25〜55重量%と無機充填材75〜45重量
%を含む組成物から成形したフィルムを少なくとも機械
方向に延伸して製造する。この際、前記組成物100重
量部に対し、液状のエチレン−α−オレフィンオリゴマ
ー0.5〜5重量部を添加することに特徴がある。
【0019】ここで、液状のエチレン−α−オレフィン
オリゴマーとは、エチレンとα−オレフィンとを共重合
させたものである。液状のエチレン−α−オレフィンオ
リゴマーとしては、40℃での動粘度(JIS K−2
283)が50〜100000mm2/sec.である
ものが好ましい。また、マレイン酸基等の極性基を導入
し、酸で変性したエチレン−α−オレフィン共重合体も
用いられる。これらの市販品の例として、三井化学
(株)製、商品名:ルーカントHC150、同HC60
0、同A5515等が挙げられる。
【0020】液状のエチレン−α−オレフィンオリゴマ
ーの添加量は、ポリオレフィン樹脂と無機充填剤との分
散性、フィルムの成形性、延伸性、柔軟性に影響を及ぼ
す。エチレン−α−オレフィンオリゴマーの添加量が少
な過ぎると、ポリオレフィン樹脂と無機充填剤との良好
な分散性が得られず、得られるフィルムは柔軟性が乏し
くなり、高速で均一に延伸されたフィルムが得がたくな
る。逆に、添加量が多過ぎると通気性が悪化する。かか
る点を考慮すると、液状のエチレン−α−オレフィンオ
リゴマーの添加量は上記範囲が好ましい。
【0021】本発明では、その他、通常の樹脂組成物に
用いられている添加物を配合してもよい。このような添
加物としては、例えば、酸化防止剤、熱安定剤、光安定
剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロ
ッキング剤、帯電防止剤、スリップ剤、着色剤等が挙げ
られる。
【0022】本発明の多孔性フィルムは、次ぎの方法で
製造される。ポリオレフィン系樹脂に対し、無機充填材
及び液状のエチレン−α−オレフィンオリゴマー、必要
に応じて他の添加剤を混合した後、ヘンシェルミキサ
ー、スーパーミキサー、タンブラー型等の混合機を用い
て混合し、通常の一軸あるいは二軸スクリュー押出機も
しくはタンデム型混練押出機によって混練してペレット
化する。次いで、そのペレットをポリオレフィン樹脂の
融点以上、好ましくは融点+20℃以上、分解温度未満
の温度において、Tダイ等が装着された押出成形機、円
形ダイが装着されたインフレーション成形機等の公知の
成形機を用いて溶融、製膜する。場合によっては、ペレ
ット化せず、直接成形機で製膜することもできる。
【0023】製膜されたフィルムは、ロール延伸法等の
公知の延伸法により、室温以上、樹脂の軟化点(JIS
K−6760に規定される方法により測定した値)未
満の温度範囲において、少なくとも機械方向に少なくと
も1.2倍の延伸を行う。延伸は1段で行ってもよい
し、多段階に分けて行ってもよい。延伸倍率が1.2倍
未満であると多孔性フィルムの透湿度が低下し、透湿性
が悪くなる。機械方向(縦方向)、及びそれと直角をな
す方向(横方向)に2軸延伸してもよい。延伸時のフィ
ルム破れ等を考慮すると、延伸倍率の上限は10倍程度
である。
【0024】上記のようにして製造される本発明の多孔
性フィルムの主な特性は下記の通りである。 透湿度:1500〜4000g/m2・24hr。厚
み:10〜300μm。 厚み均一性:0.15以下。厚み(TH:μm)に対す
る剛性(ST:mm)の比(ST/TH):1.3〜2.
2。厚み(TH:μm)に対するシミ出し開始時間
(TS:分)の比(TS/TH):少なくとも0.2。厚
み(TH:μm)に対するシミ出し終了時間(TE:分)
の比(TE/TH):少なくとも0.4。
【0025】
【実施例】以下、本発明について更に具体的に説明する
ため、以下に実施例を示す。尚、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。実施例に示した透湿度、
界面活性剤水溶液のシミ出し開始時間及び終了時間、剛
性、並びに、フィルム厚みの均一性は下記方法により測
定した値である。
【0026】(1)透湿度(g/m2・24hr) 厚み40μmの多孔性フイルムから試料(10cm×1
0cm)を10枚採取し、ASTM E−96に規定さ
れる方法に準じ、温度40℃、相対湿度60%、純水法
の条件で測定し、その平均値を算出する。測定時間は2
4時間とする。測定初期の試料と水面の距離は8mmと
する。
【0027】(2)界面活性剤水溶液のシミ出し開始時
間(分)、及び終了時間(分) 厚み25μmの多孔性フィルムの試料を準備する。シミ
出し促進溶液として界面活性剤溶液[理研ビタミン
(株)製、商品名;リケマールB−207の0.005
重量%水溶液]を用いる。ガラス板の上に試料フィルム
を置く。その上に直径5cm、高さ3cmのリングを置
く。上記溶液を、スポイトを用いてリング中の試料に1
0ml滴下し、ガラス板へシミ出す様子をガラス板の下
部より観察する。直径5cmの円内に直径約0.5mm
のピンポイントの不透明部が現れた時点をシミ出し開始
時間とし、直径5cmの円の全面に不透明部が広がった
時点をシミ出し終了時間とする。シミ出し開始時間及び
シミ出し終了時間共に長いもの程、シミだし性が改善さ
れた試料である。試験は25℃の室温で行う。
【0028】(3)剛性(mm) JIS−L1096に規定される方法(カンチレバー
法)に準拠して測定する。<試料の調製>幅200m
m、長さ300mm、厚み40μmのフィルムを幅25
mmの金尺に巻きつけた後、金尺を抜き取る。得られた
偏平状の巻物(幅25mm、長さ300mm)を重量1
kgのローラーにより、1往復押圧して試料とする。
【0029】(4)フィルム厚みの均一性 厚み40μmの多孔性フィルムから試料[機械方向:1
01cm、機械方向と直角方向:5cm]を3枚採取
し、縦方向に1cm間隔で合計300箇所の測定点につ
いて、厚み測定機(PEACOCK社製、UPRIGH
T DIAL GAUGE NO.25)を用いて厚み
を測定し、平均厚み(X)、最高厚み(MAX)及び最
低厚み(MIN)を求め、[(MAX)−(MIN)]
/(X)を算出して、これをフィルム厚みの均一性とす
る。
【0030】実施例1 線形低密度ポリエチレン(三井化学(株)製、商品名:
ウルトゼックスUZ2021L)38重量部(ポリオレ
フィン系樹脂中95重量%)、分岐状低密度ポリエチレ
ン(三井化学(株)製、商品名:ミラソンF967)2
重量部(ポリオレフィン系樹脂中5重量%)、炭酸カル
シウム(同和カルファイン(株)製、商品名;SST−
40)60重量部、エチレン−α−オレフィンオリゴマ
ーとしてルーカントHC600(三井化学(株)製、動
粘度;9850mm2/sec)2重量部をタンブラー
ミキサーにて混合した後、タンデム型混練押出機を用い
て、230℃において均一に混練し、ペレット状に加工
した。このペレットをTダイが装着された押出成形機を
用いて、240℃において溶融製膜した後、70℃に加
熱した予熱ロールと延伸ロールとの間で、2.0倍の延
伸倍率で、ライン速度200m/minで機械方向に一
軸延伸し、厚さ25μm及び40μmの多孔性フィルム
を得た。得られた多孔性フィルムの各特性を上記方法に
より測定した。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結
果を〔表2〕に示す。
【0031】実施例2 実施例1で用いたルーカントHC600をルーカントH
C150(三井化学(株)製、動粘度;2200mm2
/sec)に替えた以外は、実施例1と同じ方法で多孔
性フィルムを得た。原料の配合割合を〔表1〕、得られ
た結果を〔表2〕に示す。
【0032】実施例3 実施例1のポリオレフィン系樹脂を、線形低密度ポリエ
チレン(三井化学(株)製、商品名:エボリューSP1
540)38重量部(ポリオレフィン系樹脂中95重量
%)、分岐状低密度ポリエチレン(三井化学(株)製、
商品名:ミラソンF967)2重量部(ポリオレフィン
系樹脂中5重量%)に替えた以外は、実施例1と同じ方
法で多孔性フィルムを得た。原料の配合割合を〔表
1〕、得られた結果を〔表2〕に示す。
【0033】実施例4 実施例1で用いたルーカントHC600をルーカントA
5515(三井化学(株)製、動粘度;14600mm
2/sec)に替えた以外は、実施例1と同じ方法で多
孔性フィルムを得た。原料の配合割合を〔表1〕、得ら
れた結果を〔表2〕に示す。
【0034】実施例5 実施例1のルーカントHC600の添加量を1重量部と
した以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルムを得
た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を〔表
2〕に示す。
【0035】実施例6 実施例1のルーカントHC600の添加量を4重量部と
した以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルムを得
た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を〔表
2〕に示す。
【0036】実施例7 実施例1のポリオレフィン系樹脂を、線形低密度ポリエ
チレン(三井化学(株)製、商品名:ウルトゼックスU
Z2021L)32重量部(ポリオレフィン系樹脂中8
0重量%)、分岐状低密度ポリエチレン(日本ポリオレ
フィン(株)製、商品名:ジェイレクスLD−L21
1)8重量部(ポリオレフィン系樹脂中20重量%)に
替えた以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルムを
得た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を〔表
2〕に示す。
【0037】比較例1 実施例1で用いたルーカントHC600をひまし油(伊
藤製油(株)製、商品名:精製ひまし油)に替えた以外
は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルムを得た。原料
の配合割合を〔表1〕、得られた結果を〔表3〕に示
す。
【0038】比較例2 実施例1のルーカントHC600の添加量を0.2重量
部とした以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルム
を得た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を
〔表3〕に示す。
【0039】比較例3 実施例1のルーカントHC600の添加量を8重量部と
した以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルムを得
た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を〔表
3〕に示す。
【0040】比較例4 ルーカントHC600を添加しなかった以外は、実施例
1と同じ方法で多孔性フィルムを得た。原料の配合割合
を〔表1〕、得られた結果を〔表3〕に示す。
【0041】比較例5 実施例1で用いたルーカントHC600をPEワックス
(三井化学(株)製、商品名:ハイワックス210P)
に替えた以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルム
を得た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を
〔表3〕に示す。
【0042】比較例6 実施例1で用いたルーカントHC600を流動パラフィ
ン(片山化学(株)製)に替えた以外は、実施例1と同
じ方法で多孔性フィルムを得た。原料の配合割合を〔表
1〕、得られた結果を〔表3〕に示す。
【0043】比較例7 実施例1のポリオレフィン系樹脂を、線形低密度ポリエ
チレン(三井化学(株)製、商品名:ウルトゼックスU
Z2021L)24重量部(ポリオレフィン系樹脂中6
0重量%)、分岐状低密度ポリエチレン(日本ポリオレ
フィン(株)製、商品名:ジェイレクスLD−L21
1)16重量部(ポリオレフィン系樹脂中40重量%)
に替えた以外は、実施例1と同じ方法で多孔性フィルム
を得た。原料の配合割合を〔表1〕、得られた結果を
〔表3〕に示す。
【0044】比較例8 実施例1のポリオレフィン系樹脂を、線形低密度ポリエ
チレン(三井化学(株)製、商品名:ウルトゼックスU
Z2021L)40重量部(ポリオレフィン系樹脂中1
00重量%)に替えた以外は、実施例1と同じ方法で多
孔性フィルムを得た。原料の配合割合を〔表1〕、得ら
れた結果を〔表3〕に示す。
【0045】比較例9 実施例1の組成物にひまし油を3重量部加えた以外は、
実施例1と同じ方法で多孔性フィルムを得た。原料の配
合割合を〔表1〕、得られた結果を〔表3〕に示す。
【0046】
【表1】
【0047】<表1の記号の説明>LL:線形低密度ポ
リエチレン、分岐LD:分岐状低密度ポリエチレン、オ
リゴマー:エチレン−α−オレフィンオリゴマー、A:
三井化学(株)製、商品名ウルトゼックスUZ2021
L、B:三井化学(株)製、商品名エボリューSP15
40、C:三井化学(株)製、商品名ミラソンF96
7、D:日本ポリオレフィン(株)製、商品名ジェイレ
クスLD−L211、E:三井化学(株)製、商品名ル
ーカントHC600、F:三井化学(株)製、商品名ル
ーカントHC150、G:三井化学(株)製、商品名ル
ーカントA5515、H:伊藤製油(株)製、商品名精
製ひまし油、I:三井化学(株)製、商品名ハイワック
ス210P、J:片山化学(株)製、流動パラフィン。
【0048】
【表2】
【0049】
【表3】
【0050】<表2及び表3の記号の説明>TS:シミ
出し開始時間、TE:シミ出し終了時間、TH:フィルム
厚み、ST:剛性。
【0051】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルムは、優れた透湿
度、柔軟性、耐シミ出し性を有する。また、本発明の多
孔性フィルムの製造方法によれば、前記特性を有する多
孔性フィルムを少なくとも100m/minの高速度で
巻き取り、生産性良く製造することができる。そのた
め、本発明の多孔性フィルムは、使い捨て紙オムツ等の
衛生材料、防水シート等の建築材料、反射フィルム、電
池セパレーター等の資材として極めて有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 23:08) C08L 23:08) B29K 23:00 B29K 23:00 105:04 105:04 B29L 7:00 B29L 7:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリオレフィン系樹脂25〜55重量
    %、及び無機充填材75〜45重量%を含む組成物から
    成形した多孔性フィルムであって、ポリオレフィン系樹
    脂が線形低密度ポリエチレン98〜70重量%及び分岐
    状低密度ポリエチレン2〜30重量%を含み、且つ、前
    記組成物100重量部に対し、液状のエチレン−α−オ
    レフィンオリゴマー0.5〜5重量部を含むことを特徴
    とする多孔性フィルム。
  2. 【請求項2】 エチレン−α−オレフィンオリゴマーの
    40℃における動粘度が50〜100000mm2/s
    ecである請求項1記載の多孔性フィルム。
  3. 【請求項3】 多孔性フィルムの透湿度が1500〜4
    000g/m2・24hrである請求項1記載の多孔性
    フィルム。
  4. 【請求項4】 多孔性フィルムの厚み均一性が0.15
    以下である請求項1記載の多孔性フィルム。
  5. 【請求項5】 多孔性フィルムの厚み(TH:μm)に
    対する剛性(ST:mm)の比(ST/TH)が1.3〜
    2.2である請求項1記載の多孔性フィルム。
  6. 【請求項6】 多孔性フィルムの厚み(TH:μm)に
    対するシミ出し開始時間(TS:分)の比(TS/TH
    が少なくとも0.2、厚み(TH:μm)に対するシミ
    出し終了時間(TE:分)の比(TE/TH)が少なくと
    も0.4である請求項1記載の多孔性フィルム。
  7. 【請求項7】 多孔性フィルムの厚みが10〜300μ
    mである請求項1記載の多孔性フィルム。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多
    孔性フィルムの製造方法であって、ポリオレフィン系樹
    脂25〜55重量%、及び無機充填材75〜45重量%
    を含む組成物からフィルムを成形し、得られたフィルム
    を少なくとも機械方向に延伸する多孔性フィルムの製造
    方法であって、ポリオレフィン系樹脂として、線形低密
    度ポリエチレン98〜70重量%及び分岐状低密度ポリ
    エチレン2〜30重量%を含む樹脂を用い、前記組成物
    100重量部に対し、液状のエチレン−α−オレフィン
    オリゴマー0.5〜5重量部を添加し、且つ、機械方向
    の延伸に際し、少なくとも100m/minのライン速
    度で延伸しながら巻き取ることを特徴とする多孔性フィ
    ルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくとも機械方向の延伸倍率が少なく
    とも1.2倍である請求項8記載の多孔性フィルムの製
    造方法。
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