JP2001239491A - トルクリミッター付き電動ハンド - Google Patents
トルクリミッター付き電動ハンドInfo
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Abstract
停止する際にモーター駆動軸に加わる慣性力を吸収でき
るようにし、衝撃でギアなどのモーター部品が損傷する
のを防止する。 【解決手段】 電動モーター3の駆動軸3aに取り付け
たカム部材12に一対のカム溝15,15を設けると共
に、ワーク把持用の一対のジョー部材2,2にそれぞれ
上記カム溝15,15に嵌合する駆動ピン13を設け、
駆動軸3aの回転揺動運動をこれらのカム部材12と駆
動ピン13とでジョー部材2,2の開閉運動に変換する
電動ハンドにおいて、上記電動モーター3の駆動軸3a
とカム部材12との間に、それらを摩擦力で連結する摩
擦板19を備えたトルクリミッター6を設け、カム部材
12に伝達される駆動軸3aのトルクをこのトルクリミ
ッター6で制限する。
Description
対のジョー部材を電動モーターで開閉するようにした電
動ハンドに関するものであり、更に詳しくは、上記ジョ
ー部材が開閉端やワークの把持位置等に停止する際にモ
ーター駆動軸に衝撃が加わらないようにしたトルクリミ
ッター付きの電動ハンドに関するものである。
を把持するハンドは、一般に、上記ジョー部材をエアシ
リンダで開閉するように構成されている。しかしなが
ら、かかる構造の従来のハンドは、エアシリンダーに対
するエア配管や、該配管への圧縮空気の給排を制御する
方向切換弁等の付随的な機器を必要とし、ハンド自体を
構成する部品の点数も多くなる。このため、ハンドの小
型化が困難であり、また、それを動作させるための付随
的な機器をも含めて装置全体のコンパクト化も困難であ
る。
らは、ワーク把持用の一対のジョー部材を電動モーター
で開閉するようにした電動ハンドを提案した(特願平1
1−66528号)。この電動ハンドは、電動モーター
の駆動軸とジョー部材との間にカムを用いた変換機構を
設け、この変換機構で駆動軸の回転揺動運動をジョー部
材の開閉運動に変換するように構成したものである。
ョー部材によるワーク把持力を大きくする場合、電動モ
ーターとして複数のギアを備えた減速機付きのモーター
が使用されるが、このようなギア付きのモーターを使用
した場合に、上記ジョー部材が開閉端やワークの把持位
置等に停止する際にモーター回転子による慣性力が作用
し、衝撃で減速機のギアが損傷を受ける場合があるた
め、モーターをできるだけ低速で回転させなければなら
ない。
は、ワーク把持用のジョー部材をモーターで開閉するよ
うにした電動ハンドにおいて、上記ジョー部材が開閉端
やワークの把持位置等に停止する際にモーター駆動軸に
加わる慣性力を吸収できるようにし、衝撃でギアなどの
モーター部品が損傷するのを防止することにある。
本発明の電動ハンドは、ワークを把持するための開閉自
在の一対のジョー部材;回転する駆動軸を備えた電動モ
ーター;上記駆動軸とジョー部材との間に設けられて該
駆動軸の回転揺動運動を一対のジョー部材の開閉運動に
変換する変換機構であって、上記駆動軸により回転揺動
させられるカム部材と、該カム部材に形成された一対の
カム溝と、各ジョー部材に取り付けられてそれぞれ上記
一対のカム溝の一つに嵌合し、カム部材の回転揺動によ
って該カム溝内をジョー部材の開閉方向に変移させられ
る駆動ピンとを備えた上記変換機構;上記電動モーター
の駆動軸とカム部材との間に設けられ、該カム部材に伝
達される駆動軸のトルクを制限するトルクリミッター;
を有することを特徴とするものである。
電動モーターの駆動軸からカム部材に伝達されるトルク
がそれらの間に設けたトルクリミッターにより制限され
るようになっているため、ジョー部材が開閉端やワーク
の把持位置等に停止する際にモーター回転子の慣性力に
よる衝撃は吸収緩和され、減速機のギアなどのモーター
部品が損傷するのが確実に防止される。
トルクリミッターが、駆動軸とカム部材とを摩擦力で連
結する摩擦手段を含んでいる。この摩擦手段は、上記駆
動軸に固定された円板形のハブと、該ハブとカム部材の
うち一方には固定されて他方には摩擦状態で摺動可能な
るように当接する摩擦板と、該摩擦板を当接方向へ弾発
するばね手段とによって構成される。更に具体的には、
上記カム部材が円形カップ形をしていて、該カム部材の
内部に上記ハブが同軸状に嵌合し、また上記摩擦板は円
環状をしていて、該摩擦板の外周部が上記カム部材のハ
ブを取り囲む環状の取付面に固定されると共に、摩擦板
の内周部が上記ハブに当接し、かつ上記ばね手段が皿ば
ねからなっていて、該皿ばねが、駆動軸に取り付けられ
たばね座と上記摩擦板との間に介設されている。
表的な1実施形態を示すもので、この電動ハンドは、図
1及び図2に示すように、ワークを把持する一対の開閉
自在のジョー部材2,2と、減速機4付きの電動モータ
ー3と、該電動モーター3の駆動軸3aの回転揺動運動
をジョー部材2,2の開閉動作に変換する変換機構5
と、これらの駆動軸3aと変換機構5との間に設けられ
て該変換機構5に伝えられる駆動軸3aのトルクを制限
するトルクリミッター6と、上記ジョー部材2,2の動
作位置を検出する位置検出機構7と、これらの各部材及
び機構を組み付けたハウジング1とを備えている。
形状を有していて、ハウジング1に設けたガイド溝10
内に摺動自在に嵌合し、このガイド溝10に沿って直線
的に開閉するもので、各ジョー部材2,2に取り付けた
アタッチメント2a,2aによってワークを把持するよ
うになっている。
る減速機構を備えた上記減速機4を有していて、この減
速機4により回転子の回転を減速して駆動軸3aに伝え
るもので、該駆動軸3aがハウジング1に形成された凹
部11内に突出し、この駆動軸3aの先端に、上記変換
機構5の構成部品であるカム部材12が、上記トルクリ
ミッター6を介して連結されている。
せたような形をしていて、図3から分かるようにその上
面には、半円状をした一対のカム溝15,15が互いに
中心対称をなすように設けられている。これらのカム溝
15,15は、それぞれ、溝の両端15a,15bがカ
ム部材12の回転中心Oを通る直線L上に該回転中心O
を跨いで位置すると共に、その一端15aが回転中心O
に近接した位置を占めかつ他端15bが回転中心Oから
離れた位置を占めるように配設されている。
は、上記変換機構5の構成部品である駆動ピン13が内
側端寄りの位置にそれぞれ固定され、この駆動ピン13
が上記一対のカム溝15,15の1つに嵌入している。
15,15の内端15a,15a側に移動している図3
の状態から、カム部材12が上記モーター3で左回りに
180度回転させられると、各駆動ピン13,13が変
移するカム溝15,15に沿って上記直線L上をカム部
材12の外側に移動し、一対のジョー部材2,2が開放
する。また、その開放状態からカム部材12が右回りに
回転させられると、各駆動ピン13,13がカム溝1
5,15内を内側に引き寄せられてカム部材12の回転
中心側に移動するため、上記ジョー部材2,2が閉じる
ことになる。
部材12を回転揺動させることにより一対のジョー部材
2,2を開閉し、各ジョー部材2,2に取り付けたアタ
ッチメント2a,2aの間にワークを把持したり、把持
したワークを解放したりするものである。このとき、上
記ジョー部材2,2が開閉端やワークの把持位置等に停
止する際に、上記駆動軸3aにモーター3の回転子によ
る慣性力が作用する。そこで、この慣性力を吸収緩和す
るため上記トルクリミッター6が設けられている。
カム部材12との間に摩擦手段17を介設し、該摩擦手
段17の摩擦力でこれらの駆動軸3aとカム部材12と
を連結したもので、その摩擦力を越えるトルクが駆動軸
3aに作用すると該駆動軸3aが空転するように構成さ
れている。更に具体的に説明すると、図4からも分かる
ように、上記摩擦手段17は、上記駆動軸3aに固定さ
れてカム部材12の内部に同軸状に嵌合する円板形のハ
ブ18と、該ハブ18に嵌合する円環状の摩擦板19と
を有し、この摩擦板19の外周部が上記カム部材12の
ハブ18を取り囲む環状の取付面12aに螺子20で固
定されると共に、摩擦板19の内周部が上記ハブ18の
下面に摩擦状態で摺動可能なるように当接し、上記駆動
軸3aに一定大きさ以上のトルクが作用したとき、これ
らの摩擦板19とハブ18とが相互に摺動するようにな
っている。また、上記駆動軸3aにはばね座21が取り
付けられ、該ばね座21と上記摩擦板19との間に皿ば
ね22が介設され、この皿ばね22の弾発力により摩擦
板19が上記ハブ18に押し付けられている。
に上述したようなトルクリミッター6を設けることによ
り、上記ジョー部材2,2が開閉端やワークの把持位置
等に停止する際に、カム部材12が上記ジョー部材2,
2と一緒に停止したあと、駆動軸3aに作用するモータ
ー3の回転子による慣性力は、ハブ18と摩擦板19と
が摩擦状態で摺動することにより吸収緩和され、停止時
の衝撃で減速機4のギアなどのモーター部品が損傷する
のが防止される。この結果、ハンドとしての耐久性が飛
躍的に向上するだけでなく、ジョー部材2,2の開閉速
度を速めることができて作業効率も向上する。
には、上記ハブ18と摩擦板19とが摩擦力により連結
されるため、該駆動軸3aの回転がカム部材12に確実
に伝達される。
ム部材12側に固定し、ハブ18側に摩擦状態に当接さ
せているが、その逆に、ハブ18側に固定し、カム部材
12側に当接させても良い。
図5から分かるように、何れか一方のジョー部材2の駆
動ピン13に組み付けられた状態で該ジョー部材2とカ
ム部材12との間に配設された移動部材23を備えてい
る。この移動部材23は、上記駆動ピン13に取り付け
られた基部23aと、該基部23aからカム部材12上
の突起12bを挟んで平行に伸びる一対の移動ガイド部
23b,23bと、一方の移動ガイド部23bから側方
に延出して先端に被検出体24を備えた取付部23cと
からなっている。この取付部23cは、ハウジング1の
凹部11の内面に沿うように略L字状に屈折した形に形
成され、その先端に前記被検出体24が取り付けられて
いて、この被検出体24がハウジング1の外周面に形成
された位置センサ−25用の取付溝26に対向してい
る。
成されていて、断面円形状をした上記取付溝26内の所
定の位置に挿入し、ねじによって固定できるようにした
ものであり、この位置センサ−25と上記移動部材23
に取り付けた被検出体24とによって前記位置検出機構
7を構成している。
では永久磁石を用い、位置センサ−25としては、上記
被検出体24である磁石の接近を感知する磁気近接スイ
ッチを用いる場合を示しているが、これらに限らず、被
検出体24を金属とし、位置センサ−25を高周波発振
型の近接センサ−とするなど、各種のものを用いること
ができる。
ンドによれば、ジョー部材が開閉端やワークの把持位置
等に停止する際にモーター駆動軸に加わる慣性力をトル
クリミッターで吸収することにより、衝撃でギアなどの
モーター部品が損傷するのを確実に防止することができ
る。
面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】ワークを把持するための開閉自在の一対の
ジョー部材;回転する駆動軸を備えた電動モーター;上
記駆動軸とジョー部材との間に設けられて該駆動軸の回
転揺動運動を一対のジョー部材の開閉運動に変換する変
換機構であって、上記駆動軸により回転揺動させられる
カム部材と、該カム部材に形成された一対のカム溝と、
各ジョー部材に取り付けられてそれぞれ上記一対のカム
溝の一つに嵌合し、カム部材の回転揺動によって該カム
溝内をジョー部材の開閉方向に変移させられる駆動ピン
と、を備えた上記変換機構;上記電動モーターの駆動軸
とカム部材との間に設けられ、該カム部材に伝達される
駆動軸のトルクを制限するトルクリミッター;を有する
ことを特徴とするトルクリミッター付き電動ハンド。 - 【請求項2】請求項1に記載の電動ハンドにおいて、上
記トルクリミッターが、駆動軸とカム部材とを摩擦力で
連結する摩擦手段を含むことを特徴とするもの。 - 【請求項3】請求項2に記載の電動ハンドにおいて、上
記摩擦手段が、上記駆動軸に固定された円板形のハブ
と、該ハブとカム部材のうち一方には固定されて他方に
は摩擦状態で摺動可能なるように当接する摩擦板と、該
摩擦板を当接方向へ弾発するばね手段とを含むことを特
徴とするもの。 - 【請求項4】請求項3に記載の電動ハンドにおいて、上
記カム部材が円形カップ形をしていて、該カム部材の内
部に上記ハブが同軸状に嵌合し、また上記摩擦板は円環
状をしていて、該摩擦板の外周部が上記カム部材のハブ
を取り囲む環状の取付面に固定されると共に、摩擦板の
内周部が上記ハブに当接し、かつ上記ばね手段が皿ばね
からなっていて、該皿ばねが、駆動軸に取り付けられた
ばね座と上記摩擦板との間に介設されていることを特徴
とするもの。
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