JP2001238355A - 電力系統負荷周波数制御システム - Google Patents
電力系統負荷周波数制御システムInfo
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Abstract
負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地
域要求電力を十分に制御しきれず、また短周期の需要変
動があると、発電機が振動性のハンチングを起こす恐れ
があった。 【解決手段】 本発明の負荷周波数制御システムは、電
力系統の周波数変化量と連系線潮流変化量から地域要求
電力を算出し、前記地域要求電力をフィルタリング・配
分し、配分した前記地域要求電力と、経済負荷配分制御
によって算出した経済負荷配分スケジュール値により目
標指令値を算出し、目標指令値による前記発電機の上げ
/下げ指令を判定する負荷周波数制御システムの基本構
成おいて、各構成要素に改善提案を行ったシステムであ
る。例えば、地域要求電力のフィルタリング手段は、地
域要求電力を発電機種別の応動特性に応じた周期成分に
区分けする。これにより、本システムの応動が速くなり
制御性が向上する。
Description
の安定化を計るための負荷周波数制御システムに係り、
特に負荷変動に対する適切な応動による制御性と発電機
の効率的運用による経済性を向上させるシステムに関す
る。
は、電圧、周波数および無停電供給が上げられている。
この中、周波数については、その安定化は負荷周波数制
御によって行われている。この負荷周波数制御は、発電
機の出力を調整することにより、系統全体の周波数を規
定値に維持する制御方法である。現在、日本において
は、負荷周波数制御として2 つの方法があり、夫々が運
用されている。 第1 の方法は、周波数変化量(ΔF)
を検出して、これを少なくするように発電機出力を調整
し、系統周波数のみを規定値に保とうとする定周波数制
御方式(Flat Frequency Control :以下FFCと呼
ぶ)である。
系線潮流変化量(ΔPT)とを検出し、これらから需給
アンバランス分である地域要求電力(AR)を算出し、
算出した量に応じて発電機出力を調整する周波数バイア
ス連系線潮流制御方式(Tieline Bias Control :以
下TBCと呼ぶ)である。
アス連系線潮流制御方式(TBC)は以下の手順によっ
て行なわれている。
変化量(ΔPT)を用いて地域要求電力(AR)を算出
する際には、(1)式を用いて算出している。(例え
ば、小向他「電力システム工学」;丸善、p163)
体として発電機出力を上げる必要があり、逆に、負の値
であれば、系統全体として発電機出力を下げる必要があ
る。
応じてフィルタリングする(区分けする)際には、過去
の地域要求電力(AR)を用いて指数平滑法等により平
均の地域要求電力(AR)を求めて、地域要求電力(A
R)の数10%を火力発電機、残りを水力発電機によっ
て分担している。
た地域要求電力(AR)を発電機毎に配分する際には、
火力、水力発電機別に負荷周波数制御が行われている全
ての発電機に対して、それぞれの発電機の出力変化速度
比あるいは、出力余裕比を勘案して配分している。
R)と、経済負荷配分制御(ELD)によって時間毎に
算出された経済負荷配分スケジュール値を足し合わせる
ことにより発電機毎の目標指令値を算出している。
は、前回算出した目標指令値に対し、今回算出された目
標指令値がある一定基準値以上または以下の差が生じた
場合には、各発電機に上げ、または、下げ指令を出して
いる。
の負荷周波数制御システムにおいては、地域要求電力
(AR)のフィルタリングおよび配分方法が大まかであ
り、制御精度を向上するべき余地がある。
は、発電機の上げ、または下げ指令は、頻繁に繰り返さ
れて、発電機の応動が振動性のハンチングを起こす恐れ
がある。そのため、系統全体の周波数も同様にハンチン
グを起こす恐れがある。
(AR)を発電機毎に配分する際には、負荷周波数制御
が行なわれている全ての発電機に対して一義的に配分が
行われているため、発電機によっては応動特性が適さな
いものがある。そのため、負荷周波数制御を行う周期時
間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に
制御しきれず、制御性や経済性を阻害する可能性があ
る。
って時間毎に算出した経済負荷配分スケジュール値が、
ある一定期間、算出した目標指令値と大きくかけ離れて
いる場合には、当該発電機の地域要求電力(AR)の配
分量が過大になり、発電機が応じ切れなくなる。その結
果、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内
に地域要求電力(AR)を十分に制御しきれなくなり、
制御性を阻害することになる。
あり、電力系統の制御性、経済性の向上に有効な負荷周
波数制御システムを提供することを目的としている。
めに、本発明の請求項1記載の電力系統負荷周波数制御
システムは、電力系統の周波数変化量を検出する周波数
変化量検出手段と、前記電力系統の連系線潮流変化量を
検出する連系線潮流変化量検出手段と、前記周波数変化
量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域
要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、算出した
地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング
手段と、フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に
配分するフィルタリング電力配分手段と、配分された地
域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された
経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出す
る目標指令値算出手段と、算出した目標指令値により、
前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上
げ/下げ指令判定手段とを有する負荷周波数制御システ
ムの基本構成において、前記地域要求電力算出手段は、
現在から過去一定時間前までの複数の時点における地域
要求電力から、次の制御周期の時点における地域要求電
力を算出することを特徴とする。
精度の高い負荷周波数制御を行うことができ、系統とし
ての制御性が向上する。
ステムは、請求項2の前提条件の負荷周波数制御システ
ムにおいて、算出された地域要求電力を区分けする前記
地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求電力
算出手段で算出された地域要求電力を、発電機種別毎の
応動特性に応じた周期成分に区分けすることを特徴とす
る。
要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期から1ない
し2分程度の周期の短い周期成分は、出力応動の速い水
力発電機、1ないし2分程度の周期から3ないし5分程
度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力応動が
遅い火力発電機によって分担し、発電機種別の特性を生
かした地域要求電力(AR)の区分けをすることで、応
動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、系統と
しての制御性が向上する。
ステムは、請求項3の前提条件の負荷周波数制御システ
ムにおいて、フィルタリングされた地域要求電力を発電
機毎に配分する前記フィルタリング電力配分手段は、地
域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた
地域要求電力を、前記発電機毎の増分燃料費の順に配分
することを特徴とする。
発電機に地域要求電力(AR)を配分する際には、フィ
ルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統
全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、増
分燃料費の安いものから、逆に、フィルタリングした地
域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機
出力を下げる必要がある場合には、増分燃料費の高いも
のから配分することにより、発電機運転の経済性が向上
する。
ステムは、請求項4の前提条件の負荷周波数制御システ
ムにおいて、フィルタリングされた地域要求電力を発電
機毎に配分する前記フィルタリング電力配分手段は、地
域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた
地域要求電力を、発電機毎の余力による調整能力に応じ
た順序で配分をすることを特徴とする。
ルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統
全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、上
げ側に調整容量(発電機の最大出力−発電機の現在出
力)が多いものから、逆に、フィルタリングした地域要
求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力
を下げる必要がある場合には、下げ側に調整容量(発電
機の現在出力−発電機の最小出力)が多いものから、水
力、火力発電機別に配分することで、負荷周波数制御を
行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(A
R)を十分に制御することができ、系統としての制御性
が向上する。
ステムは、請求項5の前提条件の負荷周波数制御システ
ムにおいて、算出された地域要求電力を区分けする前記
地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求電力
算出手段で算出された地域要求電力を、地域要求電力の
大きさに応じて区分けし、夫々を発電機種別に分担させ
ることを特徴とする。
要求電力(AR)の絶対値が規定値よりも小さければ出
力変動の速い水力発電機のみで、規定値よりも大きけれ
ば出力調整可能な全ての発電機( 水力発電機と火力発電
機) のように、前記地域要求電力(AR)の絶対値の大
きさによって発電機種別を区分けすることで、時間的に
効率的な地域要求電力(AR)の配分が可能となり、系
統としての制御性が向上する。
ステムは、請求項6の前提条件の負荷周波数制御システ
ムにおいて、地域要求電力と経済負荷配分によって算出
した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算
出する前記目標指令値算出手段は、目標指令値を規定値
以下の出力変化速度の発電機か否かによりフィルタリン
グし、規定値以下の発電機には目標指令値の平滑処理を
行い、フィルタリングによって配分しきれなくなった地
域要求電力を累計して、再度、他の発電機に配分するこ
とを特徴とする。
期の需要の変動がある場合、発電機の上げ/下げ指令
が、頻繁に繰り返されて、発電機の応動が振動性のハン
チングを起こすことを抑制できる。具体的には、燃料が
石炭などの比較的出力変化速度の遅い、ある規定値以下
の発電機において、上げ/下げ指令が頻発しないよう
に、目標指令値を指数平滑法で平均化することによりフ
ィルタリングし、発電機の上げ/下げ指令の差分を小さ
くして、ハンチングを抑制する。その結果がプラントの
保護に繋がる。
なかった地域要求電力(AR)を累計して、再度、他の
発電機に配分することで制御残が少なくなって、制御精
度が上がり、系統としての制御性が向上する。
ステムは、請求項7の前提条件の負荷周波数制御システ
ムにおいて、地域要求電力と、経済負荷配分によって算
出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を
算出する前記目標指令値算出手段は、地域要求電力を周
期成分によりフィルタリングして、抽出された4,5 分以
上の周期成分を経済負荷配分スケジュール値に上乗せす
ることを特徴とする。経済負荷配分制御(ELD)によ
って算出したELDスケジュール値が、一定期間、算出
した目標指令値と大きくかけ離れている場合、地域要求
電力(AR)は同符号となる頻度が多くなり、周期成分
の大きいオフセットが残る。そこで、地域要求電力を周
期成分によりフィルタリングして抽出された4,5 分以上
の周期成分をELDスケジュール値に加えて補正する。
Dスケジュール値と目標指令値とのかけ離れが解消され
て、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内
に地域要求電力(AR)を制御することができるように
なり、系統としての制御性が向上する。
ステムは、請求項2記載の負荷周波数制御システムにお
いて、フィルタリングされた地域要求電力を発電機毎に
配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要求
電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要
求電力を、発電機毎の増分燃料費に応じた順序で配分す
ることを特徴とする。
ず、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期か
ら1ないし2分程度の周期の短い周期成分は出力応動の
速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から4ないし
5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力
応動が遅い火力発電機にて分担するようにし、、発電機
種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けを
することで、応動性がよくなり、従来より制御残も少な
くなり、系統としての制御性が向上する。
R)を配分する際には、フィルタリングした地域要求電
力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上
げる必要がある場合には、増分燃料費の安いものから配
分し、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)
が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要が
ある場合には、増分燃料費の高いものから配分すること
により、発電機運転の経済性が向上する。両者を併せ
て、制御性と経済性の2 重の効果が出せる。
ステムは、 請求項2記載の負荷周波数制御システムに
おいて、フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に
配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要求
電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要
求電力を、発電機毎の余力による調整能力の順に配分を
することを特徴とする。
ず、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期か
ら1ないし2分程度の周期の短い周期成分は出力応動の
速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から3ないし
5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力
応動が遅い火力発電機で分担し、発電機種別の特性を生
かした地域要求電力(AR)の区分けをすることで、応
動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、系統と
しての制御性が向上する。
(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げ
る必要がある場合には、上げ側に調整容量(発電機の最
大出力−発電機の現在出力)が多いものから、逆に、フ
ィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系
統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、
下げ側に調整容量(発電機の現在出力−発電機の最小出
力)が多いものから、水力、火力発電機別に配分するこ
とで、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)
内に地域要求電力(AR)を十分に制御することがで
き、系統としての制御性が向上する。両者を併せて、精
度と応動性のよい制御ができる。
システムは、 請求項2における負荷周波数制御システ
ムにおいて、地域要求電力と、経済負荷配分によって算
出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を
算出する目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期成
分によりフィルタリングすることによって抽出された3
ないし5分程度以上のより長い周期の周期成分を、経済
負荷配分スケジュール値に上乗せすることを特徴とす
る。
ず、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期
から1ないし2分程度の周期の短い周期成分は出力応動
の速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から3 ない
し5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出
力応動が遅い火力発電機にて分担し、発電機種別の特性
を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすること
で、応動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、
系統としての制御性が向上する。
って算出したELDスケジュール値が、一定期間、算出
した目標指令値と大きくかけ離れている場合、地域要求
電力(AR)は同符号となる頻度が多くなり、周期成分
の大きいオフセットが残る。そこで、地域要求電力を周
期成分によりフィルタリングして抽出された4,5 分以上
の周期成分をELDスケジュール値に加えて補正する。
Dスケジュール値と目標指令値とのかけ離れが解消され
て、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内
に地域要求電力(AR)を制御することができるように
なり、系統としての制御性が向上する。両者を併せて、
応動性がさらによい制御ができる。
項3の特徴を組合せたシステムであり、また、請求項9
は、請求項2の特徴と請求項4の特徴を組合せたシステ
ムであり、また、請求項10は、請求項2の特徴と請求
項7の特徴を組合せたシステムである。さらに、本発明
は、請求項8ないし10に限らず、請求項1から7の各
特徴を任意に組合せて構成することも可能である。
面を用いて説明する。
御システムの実施の形態を示す基本構成図である。
複数の発電機G1、G2、…、Gnを有し、他系統3と
の間で連系線4を介して連系されている。
とは、検出用の信号線11と制御用の信号線12を介し
て、計算機2内の夫々の発電機出力信号入力部201、
202、…、20nと、上げ/下げ判定手段211、2
12、…、21nに接続されている。
2、…、20nは、後述する目標指令値作成部221、
222、…、22nに各発電機出力信号を出力する。
12、…、21nは、夫々の目標指令値作成部221、
222、…、22nから、上げ/下げ指令を入力する。
10で検出された周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変
化量(ΔPT)とを入力してAR値の計算を行う。前記
AR計算部23の出力はARフィルタ計算部24に入
る。
R配分部25を経由して各発電機への目標指令値作成部
221、222、…、22nに入る。
したELDスケジュール値を補正するための補正値は、
ELDスケジュール計算部29に入る。
信号入力部201、202、…、20nからの発電機出
力を取り込んで、発電端総需要を計算し、その結果をオ
ンライン予測需要27に入力する。前記オンライン予測
需要27と、前日運転計画28と、前記ARフィルタ計
算部24にて作成したELDスケジュール値を補正する
ための補正値とが、ELDスケジュール計算部29に入
る。
る経済負荷配分の計算結果のELDスケジュール値は、
前記各目標指令値作成部221、222、…、22nに
入る。 かくして、目標指令値作成部221、222、
…、22nは前記各発電機毎の出力信号と、AR配分値
と、ELDスケジュール値とを取り込んで目標値を作成
する。
rface )である。
ローチャートである。
出された周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(Δ
PT)が計算機2内のAR計算部23に入力され、ここ
で地域要求電力(AR)が計算される。
算部24によって前記地域要求電力(AR)がフィルタ
リングされる。
25によって各発電機に対する前記地域要求電力(A
R)の配分量が計算される。
成部221,222、…、22nへ入力される。
算部24において作成したELDスケジュール値を補正
するための補正値は、ステップS202のELDスケジ
ュール値計算部29に入力される。
のオンライン予測需要27、前日運転計画28が作成さ
れる。
値計算部29による経済負荷配分の計算結果(ELDス
ケジュール値)が作成され、各目標指令値作成部22
1、222、…、22nに入力される。
2、…、22nへの入力は、各発電機出力信号入力部2
01、202、…、20nの出力と、AR配分部25か
らの配分量と、前記ELDスケジュール値計算部29か
らの経済負荷配分の計算結果(ELDスケジュール値)
とがある。また、前記ELDスケジュール計算部29へ
は、発電機端総需要計算部26から求めたオンライン予
測需要27と、前日運転計画28と、ELDスケジュー
ル値を補正するためにARフィルタ計算部24で作成し
た補正値とが入力される。
プS24で、目標指令値作成部221、222、…、2
2nにて配分された地域要求電力(AR)から各発電機
毎の目標指令値を算出して上げ/下げを判定し、ステッ
プS25で、各発電機に上げ/下げ指令を出すことにな
る。
全体の構成とそのプロセスの関係を述べた。以下に個々
の構成要素とそのプロセスについて述べる. <第1の実施の形態>図3 はAR計算部23の実施例を
示すフローチャートである。
で、現在の地域要求電力(AR)を算出し、次に、ステ
ップS32で、現在から過去一定時間前(Nケの時点
前)までの地域要求電力(AR)の(N+1)個の時点
から次の制御周期の時点の地域要求電力(AR)を
(2)式を用いて算出する。
を行うことができ、系統としての制御性が向上する。
計算部24の実施例を示すフローチャートである。
べて出力変化速度が遅い。すなわち、単位時間内に変化
できる出力変化量が、火力発電機では水力発電機に比べ
て小さくなる。このことから、地域要求電力(AR)の
周期成分が30ないし50秒程度から1ないし2分程度の周
期で比較的短いものは水力発電機、周期成分が1ないし
2分程度から3ないし5分程度の周期で比較的長いもの
は火力発電機によって分担するように、発電機種別の特
性を生かした周期成分の抽出を考える。
成分に分けるには、ステップS41において、過去数1
0秒間の幾つかのポイントの地域要求電力(AR)を用
いてProny解析により行う。
タXnを(3)式に示す発散/減衰振動の成分(モード
数M)の和に分散した波形に近似させるアルゴリズムで
あり、Xnに地域要求電力(AR)を適用することによ
り、対象となる周期成分の抽出ができる。
分が短いものに対しては、出力変動の速い水力発電機
(ステップS44)によって、周期成分が長いものに対
しては、出力変動の遅い火力発電機(ステップS45)
によって分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求
電力(AR)の区分けをすることにより、応動性がよく
なり、従来より制御残も少なくなり、より精度の高い制
御ができる。
5の実施例を示すフローチャートである。
において、同じだけの出力を増加させるのであれば、増
分燃料費の安い発電機を選んで増加させる方が経済的と
なる。逆に、同じだけの出力を減少させるのであれば、
増分燃料費の高い発電機を選んで減少させる方が経済的
となる。
要求電力(AR)を配分する際には、フィルタリングし
た地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発
電機出力を上げる必要がある場合には、ステップS52
によって、増分燃料費の安いものから、逆に、フィルタ
リングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体
として発電機出力を下げる必要がある場合には、ステッ
プS53において、増分燃料費の高いものから配分す
る。
め、各発電機が負荷周波数制御を行う制御周期(負荷変
動から決まり、例えば10秒)毎に応動できる出力変化
量を配分し、フィルタリングした地域要求電力(AR)
がゼロになるまで繰り返す。 本実施の形態によれば、
フィルタリングした地域要求電力(AR)を増分燃料費
を考慮し、発電機に優先順位を設けて配分することによ
り、発電機運転の経済性が向上する。
25の実施例を示すフローチャートである。
て、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値
で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合
には、ステップS62において、上げ側に調整容量(発
電機の最大出力−発電機の現在出力)が大きいものか
ら、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が
負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要があ
る場合には、ステップS63において、下げ側に調整容
量(発電機の現在出力−発電機の最小出力)が大きいも
のから、水力、火力発電機別に配分する。
め、各発電機が負荷周波数制御を行う制御周期(負荷変
動から決まり、例えば10秒)毎に応動できる出力変化
量を配分し、フィルタリングした地域要求電力(AR)
がゼロになるまで繰り返す。本実施の形態によれば、フ
ィルタリングした地域要求電力(AR)を増減可能な調
整容量を考慮し、発電機に優先順位を設けて配分するこ
とで、応動性のよい制御ができる。
計算部24の実施例を示すフローチャートである。
て、地域要求電力(AR)をその大きさに応じてフィル
タリングし、ステップS72において、フィルタリング
した地域要求電力(AR)の絶対値がある規定値よりも
小さければ、ステップS73において、出力変動の速い
水力発電機のみで、ある規定値よりも大きければ、ステ
ップS74において、出力調整可能な全ての発電機( 水
力発電機と火力発電機)よって分担する。このように、
地域要求電力(AR)の大きさによって発電機種別を区
分けする。
地域要求電力(AR)の配分が可能となり、応動性のよ
い制御ができる。
成部221、222、…、22nの実施例を示すフロー
チャートである。
増減が繰り返される場合、燃料が石炭などの比較的出力
変化速度の遅い発電機は、頻繁に上げ、下げ指令を繰り
返す目標指令値に追いつくことができなくなり、出力応
動が振動性のハンチングを起こす可能性がある。
おいて、出力変化速度がある規定値以下となるような、
遅い発電機については、目標指令値を指数平滑法で平均
化し、発電機の上げ/下げ指令の差分を小さくして、上
げ/下げ指令の頻度を抑制する。また、ステップS85
において、フィルタリングによって配分しきれなかった
地域要求電力(AR)を累計して、ステップS86にお
いて、再度、他の出力変化速度がより速い発電機に配分
する。
げ指令の頻度を抑制することができ、プラントの保護に
繋がる。また、指数平滑処理によって配分しきれなかっ
た地域要求電力(AR)を累計して、再度、他の発電機
に配分することで、制御残が少なくなり、系統としての
制御性が向上する。
計算部24の実施例のフローチャートを示す。
ないし5分程度以上と最も長い周期成分に、オフセット
が残っているような場合には、ステップS46で、経済
負荷配分の計算結果であるELDスケジュール値に、前
記オフセット分を上乗せして、補正ELDスケジュール
値とする。
期成分に分ける方法としては、第2実施の形態において
説明した方式と同様、過去数10秒間の幾つかのポイン
トの地域要求電力(AR)を用いてProny解析によ
り求めることができる。
R)の周期成分が数分以上と最も長く、オフセットとな
るものについては、経済負荷配分制御の計算結果( EL
Dスケジュール値) に上乗せして補正することで、オフ
セットを小さくする。
数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電
力(AR)を十分に制御することができ、系統としての
制御性が向上する。
2の実施の形態と第3の実施の形態をシリーズに実施す
るものである。
R)の負荷変動による周期成分が短いものに対しては、
出力変動の速い水力発電機で、周期成分が長いものに対
しては、出力変動の遅い火力発電機で分担し、発電機種
別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをす
ることにより、応動特性がよくなり、従来より制御残も
少なくなるので、系統としての制御性が向上する。ま
た、フィルタリングした地域要求電力(AR)を、発電
機の増分燃料費に応じた順序で、発電機に配分すること
により、発電機運用の経済性が向上する。
2の実施の形態と第4の実施の形態をシリーズに実施す
るものである。
R)の負荷変動による周期成分が短いものに対しては、
出力変動の速い水力発電機で、周期成分が長いものに対
しては、出力変動の遅い火力発電機で分担し、発電機種
別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをす
ることにより、応動特性がよくなり、従来より制御残も
少なくなるので、系統としての制御性が向上する。
を増減可能な調整容量を考慮し、発電機に優先順位を設
けて配分することで、発電機運転の経済性が向上する。
第2の実施の形態と第7の実施の形態をシリーズに実施
するものである。
R)の負荷変動による周期成分が短いものに対しては、
出力変動の速い水力発電機で、周期成分が長いものに対
しては、出力変動の遅い火力発電機で分担し、発電機種
別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをす
ることにより、応動特性がよくなり、従来より制御残も
少なくなるので、系統としての制御性が向上する。
数分以上と最も長く、オフセットとなるものについて
は、経済負荷配分制御の計算結果( ELDスケジュール
値) に上乗せして補正することで、オフセットを小さく
する。これにより、負荷周波数制御を行う周期時間(例
えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御す
ることができ、系統としての制御性が向上する。
電力系統の負荷周波数制御において、負荷変動の周期応
動による制御性、発電機の効率的運用による経済性の向
上に有効な負荷周波数制御システムを提供することがで
きる。
度の高い負荷周波数の制御ができ、次に、発電機種別の
応動特性に応じた周期成分、あるいは地域要求電力の大
きさに応じて地域要求電力をフィルタリング(区分け)
することにより、システムの応動特性がよくなり、負荷
周波数の制御性が向上する。さらに、発電機毎の増分燃
料費、あるいは発電機毎の余力による調整能力に応じて
地域要求電力を配分することにより、発電機を経済的に
運用することができる。特に、目標指令値を区分けする
ことにより、平滑処理を加えて発電機のハンチングを防
止することができ、さらにオフセットを縮小化してシス
テムの応動特性を改善することができる。
成図。
ーチャート。
すフローチャート。
グを示すフローチャート(その1)。
すフローチャート(その1)。
すフローチャート(その2)。
グを示すフローチャート(その2)。
すフローチャート。
5…MMI(Man Machine Interface )、10…電
力系統のデータ検出部、11…検出用信号線、12…制
御用信号線、201、202、…、20n…発電機出力
信号入力部、211,212、…、21n…上げ/下げ
判定手段、221、222、…、22n…目標指令値作
成部、23…AR計算部、24…ARフィルタ計算部、
25…AR配分部、26…発電端総需要計算部、27…
オンライン予測需要、28…前日運転計画、29…EL
Dスケジュール値計算部、
Claims (10)
- 【請求項1】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記地域要求電力算出手段は、現在から過去一定時間前
までの複数の時点における地域要求電力から、次の制御
周期の時点における地域要求電力を算出することを特徴
とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項2】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求
電力算出手段で算出された地域要求電力を、発電機種別
毎の応動特性に応じた周期成分に区分けすることを特徴
とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項3】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記フィルタリング電力配分手段は、地域要求電力フィ
ルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力
を、前記発電機毎の増分燃料費の順に配分することを特
徴とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項4】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記フィルタリング電力配分手段は、地域要求電力フィ
ルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力
を、発電機毎の余力による調整能力の順に配分すること
を特徴とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項5】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求
電力算出手段で算出された地域要求電力を、地域要求電
力の大きさに応じて区分けし、夫々を発電機種別に分担
させることを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項6】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記目標指令値算出手段は、目標指令値を規定値以下の
出力変化速度の発電機によりフィルタリングし、規定値
以下の発電機には目標指令値の平滑処理を行い、フィル
タリングによって配分しきれなかった地域要求電力を累
計して、再度、他の発電機に配分することを特徴とする
負荷周波数制御システム。 - 【請求項7】 電力系統の周波数変化量を検出する周波
数変化量検出手段と、 前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流
変化量検出手段と、 前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定
の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手
段と、 算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィル
タリング手段と、 フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分する
フィルタリング電力配分手段と、 配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎
に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指
令値を算出する目標指令値算出手段と、 算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指
令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを
有する負荷周波数制御システムにおいて、 前記目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期成分に
よりフィルタリングして、抽出された4,5 分以上の周期
成分を経済負荷配分スケジュール値に上乗せすることを
特徴とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項8】 請求項2記載の負荷周波数制御システム
において、フィルタリングされた地域要求電力を発電機
毎に配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域
要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地
域要求電力を、発電機毎の増分燃料費に応じた順序で配
分することを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 【請求項9】 請求項2記載の負荷周波数制御システム
において、フィルタリングした地域要求電力を発電機毎
に配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要
求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域
要求電力を、発電機毎の余力による調整能力に応じた順
序で配分をすることを特徴とする負荷周波数制御システ
ム。 - 【請求項10】 請求項2における負荷周波数制御シス
テムにおいて、地域要求電力と、経済負荷配分によって
算出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値
を算出する目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期
成分によりフィルタリングすることによって抽出された
より周期の長い周期成分を、経済負荷配分スケジュール
値に上乗せすることを特徴とする負荷周波数制御システ
ム。
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