JP3930218B2 - 電力系統負荷周波数制御システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電力系統の周波数の安定化を計るための負荷周波数制御システムに係り、特に負荷変動に対する適切な応動による制御性と発電機の効率的運用による経済性を向上させるシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、電力系統の信頼性の要素としては、電圧、周波数および無停電供給が上げられている。この中、周波数については、その安定化は負荷周波数制御によって行われている。この負荷周波数制御は、発電機の出力を調整することにより、系統全体の周波数を規定値に維持する制御方法である。現在、日本においては、負荷周波数制御として2 つの方法があり、夫々が運用されている。 第1 の方法は、周波数変化量(ΔF)を検出して、これを少なくするように発電機出力を調整し、系統周波数のみを規定値に保とうとする定周波数制御方式(Flat Frequency Control :以下FFCと呼ぶ)である。
【0003】
第2 の方法は、周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)とを検出し、これらから需給アンバランス分である地域要求電力(AR)を算出し、算出した量に応じて発電機出力を調整する周波数バイアス連系線潮流制御方式(Tie line Bias Control :以下TBCと呼ぶ)である。
【0004】
負荷周波数制御における後者の周波数バイアス連系線潮流制御方式(TBC)は以下の手順によって行なわれている。
【0005】
先ず、周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)を用いて地域要求電力(AR)を算出する際には、(1)式を用いて算出している。(例えば、小向他「電力システム工学」;丸善、p163)
【0006】
【式1】
なお、地域要求電力(AR)の値が正であれば、系統全体として発電機出力を上げる必要があり、逆に、負の値であれば、系統全体として発電機出力を下げる必要がある。
【0007】
地域要求電力(AR)を負荷変動の周期に応じてフィルタリングする(区分けする)際には、過去の地域要求電力(AR)を用いて指数平滑法等により平均の地域要求電力(AR)を求めて、地域要求電力(AR)の数10%を火力発電機、残りを水力発電機によって分担している。
【0008】
負荷変動の周期に応じてフィルタリングした地域要求電力(AR)を発電機毎に配分する際には、火力、水力発電機別に負荷周波数制御が行われている全ての発電機に対して、それぞれの発電機の出力変化速度比あるいは、出力余裕比を勘案して配分している。
【0009】
発電機毎に配分された地域要求電力(AR)と、経済負荷配分制御(ELD)によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値を足し合わせることにより発電機毎の目標指令値を算出している。
【0010】
発電機毎に算出された目標指令値については、前回算出した目標指令値に対し、今回算出された目標指令値がある一定基準値以上または以下の差が生じた場合には、各発電機に上げ、または、下げ指令を出している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来の負荷周波数制御システムにおいては、地域要求電力 (AR)のフィルタリングおよび配分方法が大まかであり、制御精度を向上するべき余地がある。
【0012】
まず、短周期の需要の変動がある場合には、発電機の上げ、または下げ指令は、頻繁に繰り返されて、発電機の応動が振動性のハンチングを起こす恐れがある。そのため、系統全体の周波数も同様にハンチングを起こす恐れがある。
【0013】
また、フィルタリングされた地域要求電力(AR)を発電機毎に配分する際には、負荷周波数制御が行なわれている全ての発電機に対して一義的に配分が行われているため、発電機によっては応動特性が適さないものがある。そのため、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御しきれず、制御性や経済性を阻害する可能性がある。
【0014】
さらに、経済負荷配分制御(ELD)によって時間毎に算出した経済負荷配分スケジュール値が、ある一定期間、算出した目標指令値と大きくかけ離れている場合には、当該発電機の地域要求電力(AR)の配分量が過大になり、発電機が応じ切れなくなる。その結果、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御しきれなくなり、制御性を阻害することになる。
【0015】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、電力系統の制御性、経済性の向上に有効な負荷周波数制御システムを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の請求項1記載の電力系統負荷周波数制御システムは、電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段とを有する負荷周波数制御システムの基本構成において、
前記地域要求電力算出手段は、現在から過去一定時間前までの複数の時点における地域要求電力から、次の制御周期の時点における地域要求電力を算出することを特徴とする。
【0017】
このような手段を講じることにより、予測精度の高い負荷周波数制御を行うことができ、系統としての制御性が向上する。
【0018】
請求項2記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項2の前提条件の負荷周波数制御システムにおいて、算出された地域要求電力を区分けする前記地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求電力算出手段で算出された地域要求電力を、発電機種別毎の応動特性に応じた周期成分に区分けすることを特徴とする。
【0019】
このような手段を講じることにより、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期から1ないし2分程度の周期の短い周期成分は、出力応動の速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から3ないし5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力応動が遅い火力発電機によって分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることで、応動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、系統としての制御性が向上する。
【0020】
請求項3記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項3の前提条件の負荷周波数制御システムにおいて、フィルタリングされた地域要求電力を発電機毎に配分する前記フィルタリング電力配分手段は、地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、前記発電機毎の増分燃料費の順に配分することを特徴とする。
【0021】
このような手段を講じることにより、火力発電機に地域要求電力(AR)を配分する際には、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、増分燃料費の安いものから、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、増分燃料費の高いものから配分することにより、発電機運転の経済性が向上する。
【0022】
請求項4記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項4の前提条件の負荷周波数制御システムにおいて、フィルタリングされた地域要求電力を発電機毎に配分する前記フィルタリング電力配分手段は、地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、発電機毎の余力による調整能力に応じた順序で配分をすることを特徴とする。
【0023】
このような手段を講じることにより、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、上げ側に調整容量(発電機の最大出力−発電機の現在出力)が多いものから、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、下げ側に調整容量(発電機の現在出力−発電機の最小出力)が多いものから、水力、火力発電機別に配分することで、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御することができ、系統としての制御性が向上する。
【0024】
請求項5記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項5の前提条件の負荷周波数制御システムにおいて、算出された地域要求電力を区分けする前記地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求電力算出手段で算出された地域要求電力を、地域要求電力の大きさに応じて区分けし、夫々を発電機種別に分担させることを特徴とする。
【0025】
このような手段を講じることにより、地域要求電力(AR)の絶対値が規定値よりも小さければ出力変動の速い水力発電機のみで、規定値よりも大きければ出力調整可能な全ての発電機( 水力発電機と火力発電機) のように、前記地域要求電力(AR)の絶対値の大きさによって発電機種別を区分けすることで、時間的に効率的な地域要求電力(AR)の配分が可能となり、系統としての制御性が向上する。
【0026】
請求項6記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項6の前提条件の負荷周波数制御システムにおいて、地域要求電力と経済負荷配分によって算出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する前記目標指令値算出手段は、目標指令値を規定値以下の出力変化速度の発電機か否かによりフィルタリングし、規定値以下の発電機には目標指令値の平滑処理を行い、フィルタリングによって配分しきれなくなった地域要求電力を累計して、再度、他の発電機に配分することを特徴とする。
【0027】
このような手段を講じることにより、短周期の需要の変動がある場合、発電機の上げ/下げ指令が、頻繁に繰り返されて、発電機の応動が振動性のハンチングを起こすことを抑制できる。具体的には、燃料が石炭などの比較的出力変化速度の遅い、ある規定値以下の発電機において、上げ/下げ指令が頻発しないように、目標指令値を指数平滑法で平均化することによりフィルタリングし、発電機の上げ/下げ指令の差分を小さくして、ハンチングを抑制する。その結果がプラントの保護に繋がる。
【0028】
また、フィルタリングによって配分しきれなかった地域要求電力(AR)を累計して、再度、他の発電機に配分することで制御残が少なくなって、制御精度が上がり、系統としての制御性が向上する。
【0029】
請求項7記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項7の前提条件の負荷周波数制御システムにおいて、地域要求電力と、経済負荷配分によって算出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する前記目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期成分によりフィルタリングして、抽出された4,5 分以上の周期成分を経済負荷配分スケジュール値に上乗せすることを特徴とする。経済負荷配分制御(ELD)によって算出したELDスケジュール値が、一定期間、算出した目標指令値と大きくかけ離れている場合、地域要求電力(AR)は同符号となる頻度が多くなり、周期成分の大きいオフセットが残る。そこで、地域要求電力を周期成分によりフィルタリングして抽出された4,5 分以上の周期成分をELDスケジュール値に加えて補正する。
【0030】
このような手段を講じることにより、ELDスケジュール値と目標指令値とのかけ離れが解消されて、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を制御することができるようになり、系統としての制御性が向上する。
【0031】
請求項8記載の電力系統負荷周波数制御システムは、請求項2記載の負荷周波数制御システムにおいて、フィルタリングされた地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、発電機毎の増分燃料費に応じた順序で配分することを特徴とする。
【0032】
このような手段を講じることにより、まず、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期から1ないし2分程度の周期の短い周期成分は出力応動の速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から4ないし5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力応動が遅い火力発電機にて分担するようにし、、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることで、応動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、系統としての制御性が向上する。
【0033】
さらに、火力発電機に地域要求電力(AR)を配分する際には、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、増分燃料費の安いものから配分し、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、増分燃料費の高いものから配分することにより、発電機運転の経済性が向上する。両者を併せて、制御性と経済性の2 重の効果が出せる。
【0034】
請求項9に係る電力系統負荷周波数制御システムは、 請求項2記載の負荷周波数制御システムにおいて、フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、発電機毎の余力による調整能力の順に配分をすることを特徴とする。
【0035】
このような手段を講じたことにより、まず、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期から1ないし2分程度の周期の短い周期成分は出力応動の速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から3ないし5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力応動が遅い火力発電機で分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることで、応動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、系統としての制御性が向上する。
【0036】
さらに、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、上げ側に調整容量(発電機の最大出力−発電機の現在出力)が多いものから、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、下げ側に調整容量(発電機の現在出力−発電機の最小出力)が多いものから、水力、火力発電機別に配分することで、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御することができ、系統としての制御性が向上する。両者を併せて、精度と応動性のよい制御ができる。
【0037】
請求項10記載の電力系統負荷周波数制御システムは、 請求項2における負荷周波数制御システムにおいて、地域要求電力と、経済負荷配分によって算出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期成分によりフィルタリングすることによって抽出された3ないし5分程度以上のより長い周期の周期成分を、経済負荷配分スケジュール値に上乗せすることを特徴とする。
【0038】
このような手段を講じることにより、まず、地域要求電力(AR)が30ないし50秒程度の周期から1ないし2分程度の周期の短い周期成分は出力応動の速い水力発電機、1ないし2分程度の周期から3 ないし5分程度の周期の長い周期成分は水力発電機よりも出力応動が遅い火力発電機にて分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることで、応動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、系統としての制御性が向上する。
【0039】
さらに、経済負荷配分制御(ELD)によって算出したELDスケジュール値が、一定期間、算出した目標指令値と大きくかけ離れている場合、地域要求電力(AR)は同符号となる頻度が多くなり、周期成分の大きいオフセットが残る。そこで、地域要求電力を周期成分によりフィルタリングして抽出された4,5 分以上の周期成分をELDスケジュール値に加えて補正する。
【0040】
このような手段を講じることにより、ELDスケジュール値と目標指令値とのかけ離れが解消されて、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を制御することができるようになり、系統としての制御性が向上する。両者を併せて、応動性がさらによい制御ができる。
【0041】
なお、請求項8は、請求項2の特徴と請求項3の特徴を組合せたシステムであり、また、請求項9は、請求項2の特徴と請求項4の特徴を組合せたシステムであり、また、請求項10は、請求項2の特徴と請求項7の特徴を組合せたシステムである。さらに、本発明は、請求項8ないし10に限らず、請求項1から7の各特徴を任意に組合せて構成することも可能である。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0043】
図1は本発明による電力系統負荷周波数制御システムの実施の形態を示す基本構成図である。
【0044】
図1において、電力系統1は、その内部に複数の発電機G1、G2、…、Gnを有し、他系統3との間で連系線4を介して連系されている。
【0045】
各発電機G1、G2、…、Gnと計算機2とは、検出用の信号線11と制御用の信号線12を介して、計算機2内の夫々の発電機出力信号入力部201、202、…、20nと、上げ/下げ判定手段211、212、…、21nに接続されている。
【0046】
前記発電機出力信号入力部201、202、…、20nは、後述する目標指令値作成部221、222、…、22nに各発電機出力信号を出力する。
【0047】
また、上げ/下げ指令判定手段211、212、…、21nは、夫々の目標指令値作成部221、222、…、22nから、上げ/下げ指令を入力する。
【0048】
AR計算部23は電力系統のデータ検出部10で検出された周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)とを入力してAR値の計算を行う。前記AR計算部23の出力はARフィルタ計算部24に入る。
【0049】
前記ARフィルタ計算部24の出力は、AR配分部25を経由して各発電機への目標指令値作成部221、222、…、22nに入る。
【0050】
前記ARフィルタ計算部24において作成したELDスケジュール値を補正するための補正値は、ELDスケジュール計算部29に入る。
【0051】
発電端総需要計算部26は、各発電機出力信号入力部201、202、…、20nからの発電機出力を取り込んで、発電端総需要を計算し、その結果をオンライン予測需要27に入力する。前記オンライン予測需要27と、前日運転計画28と、前記ARフィルタ計算部24にて作成したELDスケジュール値を補正するための補正値とが、ELDスケジュール計算部29に入る。
【0052】
また、ELDスケジュール計算部29による経済負荷配分の計算結果のELDスケジュール値は、前記各目標指令値作成部221、222、…、22nに入る。 かくして、目標指令値作成部221、222、…、22nは前記各発電機毎の出力信号と、AR配分値と、ELDスケジュール値とを取り込んで目標値を作成する。
【0053】
なお、5はMMI(Man Machine Interface )である。
【0054】
図2は負荷周波数制御の処理内容を示すフローチャートである。
【0055】
先ず、ステップS20で、電力系統から検出された周波数変化量(ΔF)と連系線潮流変化量(ΔPT)が計算機2内のAR計算部23に入力され、ここで地域要求電力(AR)が計算される。
【0056】
次いで、ステップS21のARフィルタ計算部24によって前記地域要求電力(AR)がフィルタリングされる。
【0057】
そして、ステップS22のAR配分計算部25によって各発電機に対する前記地域要求電力(AR)の配分量が計算される。
【0058】
さらに、ステップS23で、目標指令値作成部221,222、…、22nへ入力される。
【0059】
一方、ステップS21で、ARフィルタ計算部24において作成したELDスケジュール値を補正するための補正値は、ステップS202のELDスケジュール値計算部29に入力される。
【0060】
さらに、ステップS201で、運用データのオンライン予測需要27、前日運転計画28が作成される。
【0061】
ステップS202で、ELDスケジュール値計算部29による経済負荷配分の計算結果(ELDスケジュール値)が作成され、各目標指令値作成部221、222、…、22nに入力される。
【0062】
ここで、目標指令値作成部221、222、…、22nへの入力は、各発電機出力信号入力部201、202、…、20nの出力と、AR配分部25からの配分量と、前記ELDスケジュール値計算部29からの経済負荷配分の計算結果 (ELDスケジュール値)とがある。また、前記ELDスケジュール計算部29へは、発電機端総需要計算部26から求めたオンライン予測需要27と、前日運転計画28と、ELDスケジュール値を補正するためにARフィルタ計算部24で作成した補正値とが入力される。
【0063】
従って、負荷周波数制御としては、ステップS24で、目標指令値作成部221、222、…、22nにて配分された地域要求電力(AR)から各発電機毎の目標指令値を算出して上げ/下げを判定し、ステップS25で、各発電機に上げ/下げ指令を出すことになる。
【0064】
以上、本発明の負荷周波数制御システムの全体の構成とそのプロセスの関係を述べた。以下に個々の構成要素とそのプロセスについて述べる.
<第1の実施の形態>
図3 はAR計算部23の実施例を示すフローチャートである。
【0065】
図3に示すように、先ず、ステップS31で、現在の地域要求電力(AR)を算出し、次に、ステップS32で、現在から過去一定時間前(Nケの時点前)までの地域要求電力(AR)の(N+1)個の時点から次の制御周期の時点の地域要求電力(AR)を(2)式を用いて算出する。
【0066】
【式2】
本実施の形態によれば、予測精度の高い負荷周波数制御を行うことができ、系統としての制御性が向上する。
【0067】
<第2の実施の形態>
図4はARフィルタ計算部24の実施例を示すフローチャートである。
【0068】
一般的に、火力発電機は、水力発電機に比べて出力変化速度が遅い。すなわち、単位時間内に変化できる出力変化量が、火力発電機では水力発電機に比べて小さくなる。このことから、地域要求電力(AR)の周期成分が30ないし50秒程度から1ないし2分程度の周期で比較的短いものは水力発電機、周期成分が1ないし2分程度から3ないし5分程度の周期で比較的長いものは火力発電機によって分担するように、発電機種別の特性を生かした周期成分の抽出を考える。
【0069】
具体的に前記地域要求電力(AR)を周期成分に分けるには、ステップS41において、過去数10秒間の幾つかのポイントの地域要求電力(AR)を用いてProny解析により行う。
【0070】
前記Prony解析は、離散時系列のデータXnを(3)式に示す発散/減衰振動の成分(モード数M)の和に分散した波形に近似させるアルゴリズムであり、Xnに地域要求電力(AR)を適用することにより、対象となる周期成分の抽出ができる。
【0071】
【式3】
本実施の形態によれば、地域要求電力(AR)の周期成分が短いものに対しては、出力変動の速い水力発電機(ステップS44)によって、周期成分が長いものに対しては、出力変動の遅い火力発電機(ステップS45)によって分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることにより、応動性がよくなり、従来より制御残も少なくなり、より精度の高い制御ができる。
【0072】
<第3の実施の形態>
図5はAR配分部25の実施例を示すフローチャートである。
【0073】
一般的に、増分燃料費の違う2台の発電機において、同じだけの出力を増加させるのであれば、増分燃料費の安い発電機を選んで増加させる方が経済的となる。逆に、同じだけの出力を減少させるのであれば、増分燃料費の高い発電機を選んで減少させる方が経済的となる。
【0074】
この考え方を基にして、火力発電機に地域要求電力(AR)を配分する際には、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、ステップS52によって、増分燃料費の安いものから、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、ステップS53において、増分燃料費の高いものから配分する。
【0075】
具体的には、配分を行う発電機の順序を決め、各発電機が負荷周波数制御を行う制御周期(負荷変動から決まり、例えば10秒)毎に応動できる出力変化量を配分し、フィルタリングした地域要求電力(AR)がゼロになるまで繰り返す。 本実施の形態によれば、フィルタリングした地域要求電力(AR)を増分燃料費を考慮し、発電機に優先順位を設けて配分することにより、発電機運転の経済性が向上する。
【0076】
<第4の実施の形態>
図6は、AR配分部25の実施例を示すフローチャートである。
【0077】
図6に示すように、ステップS61において、フィルタリングした地域要求電力(AR)が正の値で、系統全体として発電機出力を上げる必要がある場合には、ステップS62において、上げ側に調整容量(発電機の最大出力−発電機の現在出力)が大きいものから、逆に、フィルタリングした地域要求電力(AR)が負の値で、系統全体として発電機出力を下げる必要がある場合には、ステップS63において、下げ側に調整容量(発電機の現在出力−発電機の最小出力)が大きいものから、水力、火力発電機別に配分する。
【0078】
具体的には、配分を行う発電機の順序を決め、各発電機が負荷周波数制御を行う制御周期(負荷変動から決まり、例えば10秒)毎に応動できる出力変化量を配分し、フィルタリングした地域要求電力(AR)がゼロになるまで繰り返す。本実施の形態によれば、フィルタリングした地域要求電力(AR)を増減可能な調整容量を考慮し、発電機に優先順位を設けて配分することで、応動性のよい制御ができる。
【0079】
<第5の実施の形態>
図7はARフィルタ計算部24の実施例を示すフローチャートである。
【0080】
図7に示すように、ステップS71おいて、地域要求電力(AR)をその大きさに応じてフィルタリングし、ステップS72において、フィルタリングした地域要求電力(AR)の絶対値がある規定値よりも小さければ、ステップS73において、出力変動の速い水力発電機のみで、ある規定値よりも大きければ、ステップS74において、出力調整可能な全ての発電機( 水力発電機と火力発電機) よって分担する。このように、地域要求電力(AR)の大きさによって発電機種別を区分けする。
【0081】
本実施の形態によれば、時間的に効率的な地域要求電力(AR)の配分が可能となり、応動性のよい制御ができる。
【0082】
<第6の実施の形態>
図8は目標指令値作成部221、222、…、22nの実施例を示すフローチャートである。
【0083】
発電機の目標指令において、急激な需要の増減が繰り返される場合、燃料が石炭などの比較的出力変化速度の遅い発電機は、頻繁に上げ、下げ指令を繰り返す目標指令値に追いつくことができなくなり、出力応動が振動性のハンチングを起こす可能性がある。
【0084】
これを抑制するために、ステップS83において、出力変化速度がある規定値以下となるような、遅い発電機については、目標指令値を指数平滑法で平均化し、発電機の上げ/下げ指令の差分を小さくして、上げ/下げ指令の頻度を抑制する。また、ステップS85において、フィルタリングによって配分しきれなかった地域要求電力(AR)を累計して、ステップS86において、再度、他の出力変化速度がより速い発電機に配分する。
【0085】
本実施の形態によれば、発電機の上げ/下げ指令の頻度を抑制することができ、プラントの保護に繋がる。また、指数平滑処理によって配分しきれなかった地域要求電力(AR)を累計して、再度、他の発電機に配分することで、制御残が少なくなり、系統としての制御性が向上する。
【0086】
<第7の実施の形態>
図4はARフィルタ計算部24の実施例のフローチャートを示す。
【0087】
地域要求電力(AR)の周期成分の内、3ないし5分程度以上と最も長い周期成分に、オフセットが残っているような場合には、ステップS46で、経済負荷配分の計算結果であるELDスケジュール値に、前記オフセット分を上乗せして、補正ELDスケジュール値とする。
【0088】
具体的に地域要求電力(AR)を前記の周期成分に分ける方法としては、第2 実施の形態において説明した方式と同様、過去数10秒間の幾つかのポイントの地域要求電力(AR)を用いてProny解析により求めることができる。
【0089】
本実施の形態によれば、地域要求電力(AR)の周期成分が数分以上と最も長く、オフセットとなるものについては、経済負荷配分制御の計算結果( ELDスケジュール値) に上乗せして補正することで、オフセットを小さくする。
【0090】
本実施の形態を取ることにより、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御することができ、系統としての制御性が向上する。
【0091】
<第8の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態と第3の実施の形態をシリーズに実施するものである。
【0092】
本実施の形態によれば、地域要求電力(AR)の負荷変動による周期成分が短いものに対しては、出力変動の速い水力発電機で、周期成分が長いものに対しては、出力変動の遅い火力発電機で分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることにより、応動特性がよくなり、従来より制御残も少なくなるので、系統としての制御性が向上する。また、フィルタリングした地域要求電力(AR)を、発電機の増分燃料費に応じた順序で、発電機に配分することにより、発電機運用の経済性が向上する。
【0093】
<第9の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態と第4の実施の形態をシリーズに実施するものである。
【0094】
本実施の形態によれば、地域要求電力(AR)の負荷変動による周期成分が短いものに対しては、出力変動の速い水力発電機で、周期成分が長いものに対しては、出力変動の遅い火力発電機で分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることにより、応動特性がよくなり、従来より制御残も少なくなるので、系統としての制御性が向上する。
【0095】
フィルタリングした地域要求電力(AR)を増減可能な調整容量を考慮し、発電機に優先順位を設けて配分することで、発電機運転の経済性が向上する。
【0096】
<第10の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態と第7の実施の形態をシリーズに実施するものである。
【0097】
本実施の形態によれば、地域要求電力(AR)の負荷変動による周期成分が短いものに対しては、出力変動の速い水力発電機で、周期成分が長いものに対しては、出力変動の遅い火力発電機で分担し、発電機種別の特性を生かした地域要求電力(AR)の区分けをすることにより、応動特性がよくなり、従来より制御残も少なくなるので、系統としての制御性が向上する。
【0098】
また、地域要求電力(AR)の周期成分が数分以上と最も長く、オフセットとなるものについては、経済負荷配分制御の計算結果( ELDスケジュール値) に上乗せして補正することで、オフセットを小さくする。これにより、負荷周波数制御を行う周期時間(例えば10秒)内に地域要求電力(AR)を十分に制御することができ、系統としての制御性が向上する。
【0099】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、電力系統の負荷周波数制御において、負荷変動の周期応動による制御性、発電機の効率的運用による経済性の向上に有効な負荷周波数制御システムを提供することができる。
【0100】
すなわち、まず、予測計算法により予測精度の高い負荷周波数の制御ができ、次に、発電機種別の応動特性に応じた周期成分、あるいは地域要求電力の大きさに応じて地域要求電力をフィルタリング(区分け)することにより、システムの応動特性がよくなり、負荷周波数の制御性が向上する。さらに、発電機毎の増分燃料費、あるいは発電機毎の余力による調整能力に応じて地域要求電力を配分することにより、発電機を経済的に運用することができる。特に、目標指令値を区分けすることにより、平滑処理を加えて発電機のハンチングを防止することができ、さらにオフセットを縮小化してシステムの応動特性を改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電力系統負荷周波数制御システムの構成図。
【図2】本発明の負荷周波数制御の処理内容を示すフローチャート。
【図3】本発明の地域要求電力(AR)の算出処理を示すフローチャート。
【図4】本発明の地域要求電力(AR)のフィルタリングを示すフローチャート(その1)。
【図5】本発明の地域要求電力(AR)の配分条件を示すフローチャート(その1)。
【図6】本発明の地域要求電力(AR)の配分条件を示すフローチャート(その2)。
【図7】本発明の地域要求電力(AR)のフィルタリングを示すフローチャート(その2)。
【図8】本発明の目標指令値のフィルタリング条件を示すフローチャート。
【符号の説明】
1…電力系統、2…計算機、3…他系統、4…連系線、5…MMI(Man Machine Interface )、10…電力系統のデータ検出部、11…検出用信号線、12…制御用信号線、201、202、…、20n…発電機出力信号入力部、211,212、…、21n…上げ/下げ判定手段、221、222、…、22n…目標指令値作成部、23…AR計算部、24…ARフィルタ計算部、25…AR配分部、26…発電端総需要計算部、27…オンライン予測需要、28…前日運転計画、29…ELDスケジュール値計算部、
Claims (10)
- 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記地域要求電力算出手段は、現在から過去一定時間前までの複数の時点における地域要求電力から、次の制御周期の時点における地域要求電力を算出することを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求電力算出手段で算出された地域要求電力を、発電機種別毎の応動特性に応じた周期成分に区分けすることを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記フィルタリング電力配分手段は、地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、前記発電機毎の増分燃料費の順に配分することを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記フィルタリング電力配分手段は、地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、発電機毎の余力による調整能力の順に配分することを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記地域要求電力フィルタリング手段は、前記地域要求電力算出手段で算出された地域要求電力を、地域要求電力の大きさに応じて区分けし、夫々を発電機種別に分担させることを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記目標指令値算出手段は、目標指令値を規定値以下の出力変化速度の発電機によりフィルタリングし、規定値以下の発電機には目標指令値の平滑処理を行い、フィルタリングによって配分しきれなかった地域要求電力を累計して、再度、他の発電機に配分することを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 電力系統の周波数変化量を検出する周波数変化量検出手段と、
前記電力系統の連系線潮流変化量を検出する連系線潮流変化量検出手段と、
前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量を用いて所定の時点毎の地域要求電力を算出する地域要求電力算出手段と、
算出した地域要求電力を区分けする地域要求電力フィルタリング手段と、
フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段と、
配分された地域要求電力と経済負荷配分によって時間毎に算出された経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段と、
算出した目標指令値により、前記発電機に上げ/下げ指令を出すか否かを判定する上げ/下げ指令判定手段と
を有する負荷周波数制御システムにおいて、
前記目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期成分によりフィルタリングして、抽出された4,5 分以上の周期成分を経済負荷配分スケジュール値に上乗せすることを特徴とする負荷周波数制御システム。 - 請求項2記載の負荷周波数制御システムにおいて、フィルタリングされた地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、発電機毎の増分燃料費に応じた順序で配分することを特徴とする負荷周波数制御システム。
- 請求項2記載の負荷周波数制御システムにおいて、フィルタリングした地域要求電力を発電機毎に配分するフィルタリング電力配分手段は、前記地域要求電力フィルタリング手段でフィルタリングされた地域要求電力を、発電機毎の余力による調整能力に応じた順序で配分をすることを特徴とする負荷周波数制御システム。
- 請求項2における負荷周波数制御システムにおいて、地域要求電力と、経済負荷配分によって算出した経済負荷配分スケジュール値とから目標指令値を算出する目標指令値算出手段は、地域要求電力を周期成分によりフィルタリングすることによって抽出されたより周期の長い周期成分を、経済負荷配分スケジュール値に上乗せすることを特徴とする負荷周波数制御システム。
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