JP5350942B2 - 電力系統の需給制御装置、需給制御プログラム及びその記録媒体 - Google Patents
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Description
(構成)
図1〜図3を参照して本発明の実施形態1について説明する。図1は本発明の需給制御装置の構成を示す構成図、図2は経済負荷配分部の処理内容を示すフローチャート、図3は経済負荷配分部で算出される充放電閾値と発電機の増分燃料費λの関係を示す図である。
オンライン予測需要および自然エネルギー予測出力部23から出力される予測需要および自然エネルギー予測出力と、前日運転計画部24から出力される前日運転計画は、経済負荷配分部22にそれぞれ入力される。経済負荷配分部22は、入力された予測需要と自然エネルギー予測出力および前日運転計画に基づいて後述する演算処理を行い、各発電機G1、G2、・・・、Gnおよび二次電池BTの出力配分を算出する。経済負荷配分部22は、算出した各発電機G1、G2、・・・、Gnおよび二次電池BTそれぞれの出力配分を、それぞれ対応する目標指令値作成部211、212、・・・、21n、21BTに出力する。
続いて、図2のフローチャートを参照して、本発明の特徴である経済負荷配分部22の処理動作を説明する。
η:二次電池の充放電効率
ここでは、例えば、前日運転計画部24から出力される前日運転計画に含まれる二次電池BTの各時間帯の充電単価を参照し、この各時間帯の充電単価に基づいて、これに対応する各時間帯の二次電池BTの放電単価を、式(1)を用いて算出する。
充電閾値=放電閾値×η …式(2B)
なお、経済負荷配分部22における充放電閾値の決定は、上述した式(2A)、式(2B)を用いる以外に、以下に説明するように、式(2C)乃至式(2H)を用いてもよい。
式(2C)、式(2D)を用いることで、運転実績データ記憶部26に記憶されている前日あるいは至近の運転実績データを参照して充放電閾値を決定することができる。即ち、経済負荷配分部22は、運転実績データ記憶部26に記憶されている前日あるいは至近の運転実績データの放電閾値を参照し、この参照した日の放電閾値とαに基づいて、式(2C)を用いて二次電池BTの放電閾値を算出する。そして、算出した放電閾値と二次電池BTの充放電効率ηに基づいて、式(2D)を用いて充電閾値を算出する。
充電閾値=放電閾値×η …式(2D)
α:前日あるいは至近の運転実績の放電量が予め決められた所定の放電量よりも少ない場合にはα<1.0且つ正の値である所定値、前日あるいは至近の運転実績データの放電量が予め決められた所定の放電量よりも多い場合にはα>1.0且つ正の値である所定値。
式(2E)、式(2F)を用いることで、運転実績データ記憶部26に記憶されている複数日の運転実績データの統計処理に基づき充放電閾値を決定することができる。所定期間は、月毎あるいは季節毎などであり、曜日毎としてもよい。即ち、経済負荷配分部22は、運転実績データ記憶部26に記憶されている所定期間の運転実績データの放電単価を参照し、この参照した所定期間の放電単価の平均放電単価を算出する。そして、式(2E)を用いて、算出した平均放電単価を二次電池BTの放電閾値として決定する。次いで、決定した放電閾値と二次電池BTの充放電効率ηに基づいて、式(2F)を用いて、充電閾値を算出する。
充電閾値=放電閾値×η …式(2F)
(余裕量を考慮した充放電閾値の決定)
式(2G)、式(2H)を用いることで、二次電池の充放電効率が想定より低い場合でも経済効果を確実に得られるように余裕量を考慮して充放電閾値を決定することができる。即ち、式(1)で算出した前日運転計画の各時間帯の二次電池BTの放電単価に基づき、前日運転計画における平均放電単価を算出する。そして、式(2G)を用いて、算出した平均放電単価を放電閾値として決定する。次いで、決定した放電閾値と二次電池BTの充放電効率ηとβに基づいて、式(2H)を用いて充電閾値を算出する。
充電閾値=放電閾値×(η×β) …式(2H)
β:β≦1.0且つ正の値である所定値
ステップS1により二次電池BTの充放電閾値を算出すると、次に、経済負荷配分部22は、発電機分担需要を算出する(ステップS2)。即ち、経済負荷配分部22は、オンライン予測需要および自然エネルギー予測出力部23から出力される予測需要と自然エネルギー予測出力を用いて、式(3)により発電機の分担需要を算出する。自然エネルギー予測出力には、太陽光発電装置PVの予測出力(以下、PV予測出力と言う)および風力発電装置WPの予測出力(以下、WP予測出力と言う)が含まれる。
次に、経済負荷配分部22は、初期配分を決定する(ステップS3)。即ち、経済負荷配分部22は、ステップS2で算出した発電機分担需要に対して、二次電池BTの充放電を行わないものとして発電機の初期配分としての出力配分を決定し、当該時間断面の各発電機の増分燃料費λを算出する。
充電閾値≦増分燃料費λ≦放電閾値 ⇒ 二次電池BTを充電も放電もしない …式(4B)
放電閾値<増分燃料費λ ⇒ 二次電池BTを放電する …式(4C)
図3はステップS1で決定した充放電閾値とステップS3で算出した発電機の増分燃料費λの例である。図3では、例えば、0〜6時は増分燃料費λが充電閾値を下回っているので二次電池BTを充電する。7〜22時の間には増分燃料費λが充電閾値を越えるので、二次電池BTの充電を行わず、さらに増分燃料費λが放電閾値を超える時刻がある場合は、その時刻に二次電池BTを放電する。なお、図3では、充電閾値と放電閾値とを24時間分示してあるが、充電閾値と放電閾値は制御周期に応じて都度算出される値であるので、これらの値は算出される毎に変動する可能性がある。
次に、経済負荷配分部22は、ステップS3で算出した各発電機の初期配分としての出力配分をステップS4で算出した二次電池出力に基づいて再配分する(ステップS5)。即ち、経済負荷配分部22は、ステップS4で算出した二次電池出力(放電の場合はプラス値、充電の場合はマイナス値)を、ステップS2で算出した発電機分担需要から差し引き、これにより求められた値を新たな発電機分担需要とし、この新たな発電機分担需要に基づいて各発電機G1〜Gnの出力配分を再度決定することで再配分する。
以上述べたように、実施形態1では、経済負荷配分制御について二次電池を利用した制御を可能とし、二次電池経済負荷配分制御が対象とする比較的長い周期の変動に対応した二次電池による経済運用が行えるようにしたので、二次電池による経済効果、すなわち二次電池による発電機の燃料費低減効果をより多く得られる電力系統の需給制御を行うことが可能となる。
図4を参照して実施形態2について説明する。実施形態2に係る需給制御装置の構成は、図1に示す実施形態1のものと同様である。
2…計算機
3…他系統
4…連系線
5…MMI(マンマシンインターフェース)
10…データ検出部
11、12、13…信号線
22…経済負荷配分部
23…オンライン予測需要および自然エネルギー予測出力部
24…前日運転計画部
25…周波数制御部
26…運転実績データ記憶部
211、212、…、21n、21BT…目標指令値作成部
G1、G2、…、Gn…発電機
BT…二次電池
PV…太陽光発電
WP…風力発電
Claims (8)
- 発電機と二次電池とが接続された電力系統の需給制御装置において、
前記電力系統の周波数変化量と連系線潮流変化量を検出するデータ検出部と、
前記データ検出部により検出された前記周波数変化量と前記連系線潮流変化量に基づいて前記発電機と前記二次電池のそれぞれの地域要求量を算出する周波数制御部と、
前記発電機および前記二次電池のそれぞれの出力配分を算出する経済負荷配分部と、
前記周波数制御部にて算出された前記地域要求量と前記経済負荷配分部にて算出された前記出力配分とに基づいて前記発電機および前記二次電池のそれぞれの目標指令値を作成し、当該作成したそれぞれの目標指令値を対応する発電機および二次電池に出力する目標指令値作成部とを備え、
前記経済負荷配分部は、前記二次電池の放電単価と充放電効率に基づき放電閾値と充電閾値を算出し、前記発電機の増分燃料費が前記放電閾値よりも高い場合は前記二次電池を放電するものとし、一方、前記発電機の増分燃料費が前記充電閾値よりも低い場合は前記二次電池を充電するものとして、前記発電機および前記二次電池のそれぞれの出力配分を算出すること
を特徴とする電力系統の需給制御装置。 - 前記経済負荷配分部は、前記二次電池の前日運転計画における平均放電単価を算出し、この算出した平均放電単価を放電閾値とすることを特徴とする請求項1記載の電力系統の需給制御装置。
- 運転実績データを記憶する運転実績データ記憶部を更に備え、
前記経済負荷配分部は、前記運転実績データ記憶部に記憶されている前日あるいは至近の運転実績データを参照し放電閾値を決定することを特徴とする請求項1記載の需給制御装置。 - 運転実績データを記憶する運転実績データ記憶部を更に備え、
前記経済負荷配分部は、前記運転実績データ記憶部に記憶されている複数日の運転実績データを参照し、その平均放電単価を算出し、当該算出した平均放電単価を放電閾値として決定することを特徴とする請求項1記載の電力系統の需給制御装置。 - 前記経済負荷配分部は、前記二次電池の放電単価と充放電効率と前記二次電池の充放電効率が想定よりも低い場合を考慮して定められる余裕量とに基づき放電閾値と充電閾値を算出することを特徴とする請求項1記載の電力系統の需給制御装置。
- 前記経済負荷配分部は、前記二次電池の出力配分の算出において、前記二次電池の蓄電量が計画蓄電量を中心とした所定の範囲内に収まるよう制約を設けたことを特徴とする請求項1記載の電力系統の需給制御装置。
- コンピュータを、発電機と二次電池とが接続された電力系統の需給制御装置として動作させる需給制御プログラムにおいて、
前記電力系統から検出された周波数変化量と連系線潮流変化量に基づいて前記発電機と前記二次電池のそれぞれの地域要求量を算出する周波数制御部と、
前記発電機および前記二次電池のそれぞれの出力配分を算出する経済負荷配分部と、
前記周波数制御部にて算出された前記地域要求量と前記経済負荷配分部にて算出された前記出力配分とに基づいて前記発電機および前記二次電池のそれぞれの目標指令値を作成し、当該作成したそれぞれの目標指令値を対応する発電機および二次電池に出力する目標指令値作成部とを備え、
前記経済負荷配分部は、前記二次電池の放電単価と充放電効率に基づき放電閾値と充電閾値を算出し、前記発電機の増分燃料費が前記放電閾値よりも高い場合は前記二次電池を放電するものとし、一方、前記発電機の増分燃料費が前記充電閾値よりも低い場合は前記二次電池を充電するものとして、前記発電機および前記二次電池のそれぞれの出力配分を算出すること
として機能させるようにしたことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な需給制御プログラム。 - 請求項7記載の需給制御プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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