JP2001236866A - 真空バルブ - Google Patents

真空バルブ

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JP2001236866A
JP2001236866A JP2000048531A JP2000048531A JP2001236866A JP 2001236866 A JP2001236866 A JP 2001236866A JP 2000048531 A JP2000048531 A JP 2000048531A JP 2000048531 A JP2000048531 A JP 2000048531A JP 2001236866 A JP2001236866 A JP 2001236866A
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arc
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JP2000048531A
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English (en)
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Isao Okutomi
功 奥富
Takashi Kusano
貴史 草野
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Iwao Oshima
巖 大島
Hiromichi Somei
宏通 染井
Yoshimitsu Niwa
芳充 丹羽
Keisei Seki
経世 関
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Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Shibafu Engineering Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接触子間の磁界分布を制御し遮断性能を向上
させた真空バルブを提供する。 【解決手段】 真空バルブの導電棒1と接触子5との間
に、複数の通電ピン2と円盤部(支持部)4、および通
電ピン2の同一円周方向の側面方向に中心から外周部に
向かって突出する部分を有するように配置した磁性体部
3を設置し、磁性体部3には、Fe中に少なくともCを
固溶したFe固溶体を存在させる。対向する側にも同様
の磁性体部を設置する。これらの磁性体部により接触子
間の磁界分布を制御し、遮断性能を向上させることが出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば真空遮断器
に係り、特に電極構造を改良し遮断性能を向上させた真
空バルブに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に真空バルブは、図10に示す如く
絶縁容器101の両端開口部を蓋体102a、102b
により閉塞した真空容器103内に、一対の接触子10
4,105を対向させて設けると共に、これらを蓋体1
02a、102bを貫通させて真空容器103内に挿入
された導電棒106、107の端部にそれぞれ装着し、
その一方の導電棒107を図示しない操作機構により軸
方向に移動可能として、一方の接触子(以下固定接触子
という)104に対して、他方の接触子(以下可動接触
子という)105を接触または開離出来るようにしてあ
る。
【0003】この場合、蓋体102bと導電捧107と
の間には、真空容器103内を真空気密に保持し、かつ
導電棒107の軸方向への移動を可能とするベローズ1
08が設けられる。なお図中109は、各接触子10
4、105および導電棒106、107を包囲する如く
設けられたシールドである。
【0004】上記真空バルブは、通常両接触子104、
105が接触し通電状態となる。この状態からの動作に
より導電棒107が図中矢印M方向に移動すると、可動
接触子105が固定接触子104から開離し、両接触子
104、105間にはアークが発生する。このアークは
陰極、例えば可動接触子105側からの金属蒸気の発生
により維持され、電流がゼロ点(零点)に達すると金属
蒸気の発生が止まってアークが維持できなくなり、遮断
が完了する。
【0005】ところで、上記両接触子104、105間
に発生するアークは、遮断電流が大きいとアーク自身に
より生じた磁場と外部回路の作る磁場との相互作用によ
り著しく不安定な状態となる。その結果アークは接触子
104、105面上を移動し(接触子が電極に取り付け
られ一体化している時には、アークは電極面上にも移動
している場合もある)、接触子(電極)104、105
の端部或いは周辺部に片寄り、その部分を局部的に過熱
し、多量の金属蒸気を放出させて、真空容器103内の
真空度を低下させる。その結果、真空遮断器の遮断性能
は低下する。
【0006】従来この対策として、例えば下記のような
提案がなされている。 接触子面の面積を大きくし電流密度を低下させるよう
にした電極構造を有するもの。 接触子面や電極面にスパイラル状のスリットを設けて
アークを回転させるようにした電極構造を有するもの。 図11のように、接触子41、51の背面に設けられ
たコイル電極42、52を流れる自己電流の円周方向成
分により、接触子ギャップ間にアークに平行な縦方向磁
界を印加し、これによりアーク期間中のプラズマの拡散
を抑制し、接触子41、51の消耗を小さくすることで
アークを安定化させるようにした電極構造を有するも
の。 通電部に流れる電流に基づいて軸方向磁界を発生させ
るべく、通電部と電極部との間にFe磁性体部を介在さ
せたもの。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような電極構
造とした場合では、やはり前述同様にアーク片寄りが発
生することがあり、接触子(電極)を局部的に溶融し、
蒸気の発生が大きくなり、遮断不能となる恐れがあっ
た。
【0008】上記のような電極構造とした場合にも、
接触子の全面積で電流を均一に分担することは不可能で
ある為、の場合と同様な現象が発生している。
【0009】上記のような電極構造とした場合では、
接触子背面のコイル電極に電流Iが流れると、両接触子
間には接触子面に対して垂直方向に磁界が発生する。こ
の縦磁界により、遮断時において両接触子間に点弧する
アークは拘束される。
【0010】従って、アーク分布は両接触子間の磁力線
と同様になるが、この分布は必ずしも均一でなく、平行
でない上に特に各接触子の端部近傍に於いては、接触子
面に対して垂直に点弧しないばかりか、アークが接触子
空間から外部にはみ出す現象が発生し、予定する遮断性
能が得られない場合もある。
【0011】このように、これまでに接触子やこれを搭
載した電極構造の様々な改善が行われているが、
では、あるものは遮断性能が不十分であったり、他のも
のは構造が複雑となったり、コスト高となるという課題
があった。
【0012】上記のようなFe磁性体部を用いた場合
でも、一層の遮断特性の向上要求に対しては、Fe磁性
体部の内容に起因した遮断特性のバラツキが存在する場
合が多く、一層の改善が期待されている。
【0013】本発明は、このような点に鑑み為されたも
ので、接触子間に発生させる磁束が均一で平行度の高い
ものとなり、しかも接触面に垂直となり、遮断性能の向
上を図る上で有利な真空バルブを提供することを目的と
する。
【0014】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する為に、
本発明では、次の如く構成したことを特徴としている。
すなわち、請求項1に対応する発明は、絶縁容器の両端
部に蓋体が取り付けられ、その内部を真空密にした真空
容器と、この真空容器を貫通し、真空容器内部に端部が
対向し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた一
対の導電棒と、真空容器内部に存在する各導電棒の軸方
向端部に接続された支持部と、この支持部の表面に取り
付けられる複数の通電部と、この通電部と背面側で接続
する接触子部と、通電部に流れる電流に基づいて軸方向
磁界を発生させるため、通電部の間に介在され、通電部
の側面近傍であって通電部を包囲しないように配置され
る突起部を備えた磁性体部とを有する真空バルブに於い
て、磁性体部には、Fe中に少なくともCを固溶したF
e固溶体を存在させたことを特徴とする真空バルブであ
る。
【0015】請求項1に対応する発明に於いて、磁性体
部を、少なくともCを固溶したFe固溶体(Fe(鉄)
中にC(カーボン)が溶解して原子的に混合した状態の
もの)とすることによって、接触面や接触子部間の磁束
分布を均一にし、その結果遮断特性を安定化する。
【0016】前記目的を達成する為の請求項2に対応す
る発明は、磁性体部を、Fe中にCを固溶したFe固溶
体が、少なくとも50面積%を占めるFeとしたことを
特徴とする請求項1に記載の真空バルブである。
【0017】請求項2に対応する発明に於いて、Fe固
溶体の領域の占める面積が50面積%未満では、接触面
や接触子部間の磁束分布の均一性の乱れが大きく、その
結果、遮断特性の低下とバラツキ幅の増加が見られる。
【0018】前記目的を達成する為の請求項3に対応す
る発明は、磁性体部を、Fe中にC、Mnを固溶したF
e固溶体が、少なくとも50面積%を占めるFeとした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空
バルブである。
【0019】請求項3に対応する発明に於いて、C、M
nを含有したFe固溶体領域も上記と同様の理由によっ
て50面積%以上とする必要がある。
【0020】前記目的を達成する為の請求項4に対応す
る発明は、磁性体部を、Fe中にC、Siを固溶したF
e固溶体の領域が、少なくとも50面積%を占めるFe
としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の真空バルブである。
【0021】請求項4に対応する発明に於いて、C、S
iを含有したFe固溶体領域も上記と同様の理由によっ
て50面積%以上とする必要がある。
【0022】前記目的を達成する為の請求項5に対応す
る発明は、磁性体部を、Fe中にC、Crを固溶したF
e固溶体が、少なくとも50面積%を占めるFeとした
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の真空
バルブである。
【0023】請求項5に対応する発明に於いて、C、C
rを含有したFe固溶体領域も上記と同様の理由によっ
て50面積%以上とする必要がある。
【0024】前記目的を達成する為の請求項6に対応す
る発明は、磁性体部が、Fe中にC、Mn、Si、Cr
の少なくとも1つを固溶したFe固溶体と、残部として
の10μm以下の平均粒子直径を有するC、Mn、S
i、Crの少なくとも1つを含むFe化合物とで構成さ
れ、かつ前記Fe固溶体は少なくとも50面積%を占め
ていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
の真空バルブである。
【0025】請求項6に対応する発明に於いて、磁性体
部は、Fe固溶体領域とFe化合物領域とで構成され
る。磁束密度分布の安定性を乱さない限りに於いて、そ
の一部はFe化合物領域を形成していても良い。その為
にはFe化合物の量とその大きさを所定範囲以内に制限
する。Fe化合物の大きさは、10μm以下の平均粒子
直径とする必要がある。10μmを越えると磁束密度分
布の安定性を乱し、その結果、遮断特性の低下とバラツ
キ幅の増加が見られる。
【0026】前記目的を達成する為の請求項7に対応す
る発明は、接触子部が、接触面上の材料組成がAg、C
uの少なくとも1つよりなる導電性成分と、1500℃
以上の溶融温度を有しTi、Zr、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W若しくはこれらの炭化物または硼化物より
成る耐弧性成分とで構成されていることを特徴とする請
求項1乃至請求項6項のいずれかに記載の真空バルブで
ある。
【0027】請求項7に対応する発明に於いて、磁性体
部に上記接触子部を組み合わせることによる両者の相乗
的効果によって再点弧特性の一層の安定化を得る。
【0028】前記目的を達成する為の請求項8に対応す
る発明は、接触子部が、接触面上の材料組成がAg、C
uの少なくとも1つよりなる導電性成分と、1500℃
以上の溶融温度を有しTi、Zr、V、Nb、Ta、C
r、Mo、W若しくはこれらの炭化物または硼化物より
成る耐弧性成分と、1%以下のBi、Sb、Pbの1つ
または5%以下のTe、Seの1つから選ばれた補助成
分とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至請
求項6項のいずれかに記載の真空バルブである。
【0029】請求項8に対応する発明に於いて、これら
の所定量内の補助成分の存在は、磁性体部と補助成分と
の相乗的効果によって、遮断、開閉動作の経過によって
も接点面は平滑性が保たれ再点弧特性の一層の安定化に
貢献する。1%を越えたBi、Sb、Pb補助成分の存
在または5%を越えたTe、Seの補助成分の存在は、
再点弧特性が極めて低下する。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0031】磁界中に磁性体からなる部材を僅かな間隔
をもって配置すると、部材周囲の磁束が磁性体部分に集
中し、磁束は平行でしかも部材に対して垂直なものとな
る。この時、所定値以上の飽和磁束密度を有する磁性体
部を配置することで、遮断性能が向上する。所定部分に
搭載させた磁性体部は、遮断特性の向上と安定化の為に
有益である一方、その材料的な状態が、遮断特性の経時
的特性の安定性に重要な影響を与えている。本発明はこ
れら原理を応用したものである。
【0032】そこで、通電部に流れる電流に基づいて軸
方向磁界を発生させるべく、通電部と接触子部(電極
部)との間にFe磁性体部を介在させて遮断性能を改善
した真空バルブが提案(前記の方法)されている。
【0033】このの方法によって遮断特性は向上する
ものの、遮断動作の繰り返しの経過と共に遮断特性には
バラツキを生ずる現象が見られている。発明者らは遮断
特性にバラツキを生じた場合の真空バルブに搭載されて
いたFe磁性体部を調査したところ、Fe磁性体部の表
面および内部には局部的ではあるが亀裂発生などの材質
的劣化が見られた。特に亀裂発生の近傍には析出物の存
在や偏析など金属組織的な不均一さが観察された。ここ
で重要なのは、この金属組織的な不均一さが所定値以上
のC量の存在や組成的偏析がある場合に発生する傾向に
あることである。
【0034】すなわち投入時、遮断時の機械的電気的衝
撃が与えられた時、Fe磁性体部内部の金属組織的な不
均一部分が亀裂発生の起点となり、遮断特性の経時劣化
(遮断や開閉動作の繰り返しによる遮断特性の低下やバ
ラツキ)となったものと考えられる。Fe磁性体部内部
の金属組織的な不均一部分の存在こそ、接触面(電極
面)や接触子(電極)間の磁束分布の均一性を乱すもの
であり、遮断特性の安定性に対して好ましくないことが
判った。このことは磁性体部の金属組織的は均一な状
態、すなわちFe磁性体部中のCは、Feマトリックス
中に溶解して原子的に混合した状態にあることが好まし
い。
【0035】すなわちFe固溶体領域を主体とすること
が有利であることを示唆している。しかし、実験によれ
ばFe磁性体部の総てを上記Fe固溶体領域とする必要
はなく、磁束密度の均一性を乱さない限りに於いて、そ
の一部はFe化合物を構成していても良い。その為には
Fe化合物の量を50容積%以下とすることと、Fe化
合物の大きさを10μm以下の平均粒子直径とする必要
がある。従って本発明のFe磁性体部は、(Fe固溶体
領域主体)で構成するか、(Fe固溶体領域+Fe化合
物)で構成する。また、本発明ではFeマトリックス中
に存在する他の構成元素Mn、Cr、Siも同様にFe
固溶体領域中に溶解して原子的に混合した状態にあるこ
とが有利であることを示唆している。
【0036】以下、本発明の実施形態を、図面を参照し
て説明する。本発明の実施形態においては、通電ピンに
流れる電流に基づいて軸方向磁界を発生させるため、通
電ピンの間に介在され通電ピンの側面近傍であって通電
ピンを包囲しないように配置される突起部を備えた磁性
体部を設置している。
【0037】すなわち、図1乃至図3は、それぞれ、本
発明の実施形態に係る真空バルブの主要部の構成を示す
もので、導電棒1と接触子(電極)5との間に、複数の
通電ピン2と円盤部(支持部)4および通電ピン2の同
一円周方向の側面方向に中心から外周部に向かって突出
する部分を有するように配置した磁性体部3を設置して
いる。
【0038】各通電ピン2の先端は、磁性体部3の側面
を通って接触子5の裏側(接点面の反対面)に接続さ
れ、導電棒1からの電流を接触子5に導く構成となって
いる。各通電ピン2を流れる電流により発生する磁束の
ため、磁性体部3の先端部と中心部が互いに逆極性の磁
極になる。
【0039】対向する側も同じ形状をしており、この磁
性体部間に軸方向磁界が発生する。これにより遮断性能
の向上に寄与する。
【0040】上記の様な原理と構成に於ける磁性体部3
は、磁性体部中の特にCをFe中に原子的に混合した状
態(固溶状態)にあるFe合金とすることが有益であ
る。
【0041】更に磁性体部3中のMn、Si、Crの1
つ以上が、同様にFe中に原子的に混合した状態(固溶
状態)にあるFe合金とすることが有益である。
【0042】上記の様な原理と構成に於ける磁性体部
は、Fe中にC、Mn、Si、Crが溶解して原子的に
混合した状態の領域が、少なくとも50面積%(好まし
くは90面積%以上)を占めるFe合金とすることが有
益である。
【0043】上記の様な原理と構成に於ける磁性体部
は、Fe中にC、Mn、Si、Crが溶解して原子的に
混合した状態の領域が、少なくとも50面積%(好まし
くは90面積%以上)を占め、残部が10μm以下の平
均粒子直径を有するC、Mn、Si、Crの1つを含む
化合物より成るFe合金とすることが更に有益である。
【0044】上記の様な原理と構成に於けるいずれかの
磁性体部と、接触子の接触面上の材料組成がAg,Cu
の少なくとも1つよりなる導電性成分、1500℃以上
の溶融温度を有しTi、Zr、V、Nb、Ta、Cr、
Mo、W若しくはこれらの炭化物または硼化物より成る
耐弧性成分とで構成された接触子部とを、組み合わせて
成ることを特徴とする真空バルブが更に有益である。
【0045】上記の様な原理と構成に於けるいずれかの
磁性体部と、前記導電性成分、前記耐弧性成分と、必要
によりBi、Te、Pb、Sbから選ばれた1つの補助
成分とで構成された接触子部とを、組み合わせて成るこ
とを特徴とする真空バルブが更に有益である。
【0046】次に、実施例及び比較例の評価方法・条件
を示す。 (1)遮断特性 着脱式の真空遮断装置に所定接点電極を装着し、接点電
極表面のべーキング、電流、電圧エージング、開極速度
条件を一定同一とした後、7.2kV、50Hzに於い
て、6〜12台の遮断器を遮断電流値20kAで100
0回遮断させた時の再点弧発生数(回数)の最大値と最
小値をばらつきの範囲として示した。 (2)アーク拡がりの状況 各接点を着脱式の真空遮断装置に装着し、接点電極表面
のべーキング、電流、電圧エージング、開極速度条件を
一定同一とした後、遮断電流値を7.2kV、50Hz
で12kAを4回遮断させた後の、電極表面の被アーク
部分の面積を測定し、実施例4の拡がりの面積を100
%とし、130%以上の時を評価Aとし、115〜13
0%の範囲の時を評価B、105〜115%の時を評価
C、95〜105%の時を評価D、50〜95%の時を
評価E、50%以下の時を評価Fとした相対的な比較と
した。評価E、Fを不合格の目安とした。 (3)耐電圧性 アーク拡がり量を評価した後、接点を着脱式の真空遮断
装置に再び戻し、静耐圧値を測定した。実施例4の静耐
圧値を1.0とした相対値で示した。 (4)供試磁性体部の内容 真空誘導溶解炉中に配電したアルミナるつぼ中に、所定
量のFeと所定量のC粒とを収納した後、真空度10
-4 Torr.温度1600℃で溶解し、得たC−Fe
合金インゴットを熱間および冷間での鍛造法、圧延法の
組合わせによって、所定厚さのFe磁性体部用素材と
し、所定形状に加工した後、供試磁性体部片とした。M
n、Siを所定量秤量したC−Mn−Fe合金板、C−
Si−Fe合金板、C−Mn−Si−Fe合金板などを
製造した。
【0047】次いで、金属顕微鏡を使用した組織観察、
X線回折装置を使用した格子定数測定によって、磁性体
部のFeの存在形態を確認した。
【0048】実施例及び比較例として、板厚さ3mmの
下記磁性体部(イ)(ロ)(ハ)を準備し、前記した条
件によって遮断特性を評価した。 (イ):CをFe中に固溶状態として存在させたFe固
溶体より成る磁性体部、(ロ):Fe固溶体とFe化合
物との両者より成る磁性体部(Fe固溶体とFe化合物
との比率を適宜変えた磁性体部)、(ハ):Fe化合物
(CとFeとが化合物を形成)より成る磁性体部、の各
々を製造した。磁性体部中のFe固溶体の量、すなわち
[(Fe固溶体)/[(Fe固溶体)+(Fe化合
物)]]×100の値が重要となる。
【0049】なお接触子としてはCu−25%Cr合金
その各種接点を使用した。磁性体部は接点の背部(裏
面)に密着させるように装着に配電した。
【0050】(評価に使用した真空バルブ構成の例)導
電棒(通電軸)と接触子部との間で、これらとほぼ同心
円上に配置され、基端が前記導電棒(通電軸)側に接合
される複数の通電ピンと、この通電ピンの周辺領域に於
いて、全ての前記通電ピンの中心を結ぶ円の内側であっ
て、電極中心と通電ピンの中心とを結ぶ直線により分離
する各々の2つの領域の内のいずれか一方で、かつ前記
直線の各々から見て同一方向側の領域に少なくとも配置
され、前記通電ピンの中心の各々について前記領域と点
対象になる領域には存在しないようにした軸方向磁界を
発生するための磁性体部とを有し、接触子の一方の磁性
体部と接触子の他方の磁性体部を対称配置した真空バル
ブについて、上記内容の磁性体部(イ)(ロ)(ハ)を
準備し遮断特性を評価した。
【0051】ここで、この真空バルブに於いて磁性体が
存在する領域と、存在しない領域について図4を用いて
説明する。図4に於いて導電棒(通電軸)と同心円上に
配置した通電ピン2が総て内接する円の円の半径R1
が、接触子(電極)の半径R2の90%以上となるよう
に配置した。
【0052】すなわち、図4に於いて、接触子(電極)
に配置された複数の前記通電ピン2に対する磁性体の位
置を特定する為に接触子(電極)の中心90、接触子
(電極)の外周91、全ての通電ピン2が内接する円9
2、全ての通電ピン2の中心を通る円93、接触子(電
極)の中心90から通電ピン2に至る線を描き、円93
の内側で線により分割される領域の一方である領域Aに
は磁性体が少なくとも存在し、円93の外側で上述した
線により分割される領域の内の領域Aと通電ピン2の中
心に対して対称となる領域Bには磁性体が存在しないよ
うに配置した。この磁性体は閉ループ形状になっていな
いため、その端部が磁極の働きをする。また対向する電
極も同じ構造としていることから、それぞれの電極にお
ける磁性体が対称配置となり、同様に磁性体の端部に磁
極が発生する。本発明では、主としてFe固溶体より成
る磁性体部とすることで、磁極間の軸方向の磁束を一層
安定化させ一層遮断特性を向上させたものである。
【0053】次に、他の真空バルブについて、図5を用
いて説明する。この真空バルブは図5に各通電ピンと磁
性体との相対的な位置関係を示すように、隣り合う1組
の一方の通電ピン2と他方の通電ピン2との間には、磁
性体3が配置されるが、ある通電ピン2とこれに対応す
る磁性体3との円周方向距離W1は、隣接する通電ピン
との円周方向距離W2よりも小さくなるように配置す
る。
【0054】以下実施例と比較例とを対比させながら本
発明の効果を明らかにする。なお、実施例及び比較例の
試作の条件を図6及び図7に、またこれらの実施例及び
比較例の評価結果を図8及び図9に示す。
【0055】(実施例1〜4、比較例1〜4)磁性体部
としてCを0.02〜0.75%含有したFe−25%
Cr合金に於いて、磁性体部中のCの存在状態(イ)、
(ロ)、(ハ)の差異と遮断特性との関係について確認
した。なお遮断特性を評価する場合の真空バルブには接
点材料としてCu−25%Cr合金を搭載した。
【0056】すなわち(イ)の場合には、CをFe中に
固溶状態として存在させたFe固溶体より成る磁性体部
とした為、金属組織的には均一なFe固溶体が磁性体部
中で100%を占める(実施例1)。
【0057】(ロ)の場合では、Fe固溶体とFe化合
物との両者が所定比率混在させて成る磁性体部であり、
磁性体部中のCはFe固溶体とFe化合物との両者に混
在する(実施例2〜4、比較例1)。
【0058】(ハ)の場合は、Fe化合物が主体若しく
は100%とした磁性体部であり、Fe固溶体は少量若
しくはゼロとした磁性体部(比較例2)である。
【0059】(実施例1):磁性体部中のCの存在状態
が(イ)の場合、すなわち磁性体部中のCの総てがFe
固溶体として存在している[(Fe固溶体)]/[(F
e固溶体)+(Fe化合物)]の比率が100%の場合
(実施例1)では、7.2kV、20kAを1000回
遮断させた時の再点弧発生頻度は極めて少ない0〜1
(回)を示し、最も好ましい遮断特性を発揮している。
【0060】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の電極表面の被アーク部分の面積を測定し、別に測
定した標準とする実施例4の面積と相対比較したとこ
ろ、実施例4の面積に比べ130%以上(アークの拡が
り量評価:A)に達した。磁性体部中のCの総てがFe
固溶体として存在している為、材料組織の不均一性に基
づく磁束の分布の乱れは現れず(磁束の分布を乱すこと
がなく)希望とする磁場分布を得て安定した遮断特性を
発揮した。アークが集中するとその部分の接点が極度に
溶融し、蒸発飛散するのが見られ、このような時の接点
表面は激しい凹凸が観察されるのが一般である。このよ
うに実施例1ではアークの拡がり面積が大きく観察さ
れ、被アーク部分の表面損傷は極めて少なく凹凸も少な
く好ましい表面状態となっている。
【0061】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧値と相対比較すると、実施例1の静耐圧値は
1.0〜1.15倍を示し、標準とする実施例4と同等
以上の特性を発揮した。アーク拡がり量が130%以上
(評価A)に拡がったことにより、接点表面のアーク損
傷の程度が軽く微量であったことによる効果が発揮され
ているものと考えられる。
【0062】(実施例2):磁性体部中のCがFe固溶
体とFe化合物とを形成し、磁性体部中のFe固溶体の
量、すなわち[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が100%〜90%(100≧
〜90%)の場合(実施例2)でも、7.2kV、20
kAを1000回遮断させた時の再点弧発生頻度は1〜
3(回)を示し、極めて少なく最も好ましい遮断特性を
発揮している。
【0063】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の電極表面の被アーク部分の面積を測定し、別に測
定した標準とする実施例4の面積と相対比較したとこ
ろ、実施例4の面積に比べ一部の接点は130%以上
(アークの拡がり量評価:A)、また他の接点では10
5〜115%(アークの拡がり量評価:C)を示した。
磁性体部中のCのほとんどがFe固溶体として存在して
いる為、材料組織の不均一性に基づく磁束の分布の乱れ
は現れず安定した遮断特性を発揮した。アークが集中す
ることなく接点面を十分に有効に活用出来た。前記好ま
しい遮断特性を発揮したのはその効果によるものと考え
られる。このように実施例2でも磁性体部の効果によっ
てアークの拡がりが十分大きく得られ、被アーク部分の
凹凸など表面損傷は極めて少なく好ましい表面状態とな
っている。
【0064】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧値と相対比較すると、実施例2の静耐圧値は
1.0〜1.1倍を示し、標準とする実施例4と同等以
上の特性を発揮した。アーク拡がり量が130%以上〜
105%(評価A〜C)に拡がったことにより、接点表
面のアーク損傷の程度が軽く微量であったことによる効
果が発揮されている。
【0065】(実施例3):磁性体部中のCがFe固溶
体とFe化合物とを形成し、磁性体部中のFe固溶体の
量、すなわち[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が90%〜70%(90≧〜7
0%)の場合(実施例3)でも、7.2kV、20kA
を1000回遮断させた時の再点弧発生頻度は3〜5
(回)を示し、少なく好ましい遮断特性を発揮してい
る。
【0066】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の電極表面の被アーク部分の面積を測定し、別に測
定した標準とする実施例4の面積と相対比較したとこ
ろ、実施例4の面積に比べ一部の接点は105〜115
%(アークの拡がり量評価:C)、また他の接点では9
5〜105%(アークの拡がり量評価:D)を示した。
磁性体部中のCの大部分90%〜70%(90≧〜70
%)がFe固溶体として存在している為、材料組織の不
均一性に基づく磁束の分布の乱れは現れず安定した遮断
特性を発揮した。アークが集中することなく接点面を十
分に有効に活用出来た。前記好ましい遮断特性を発揮し
たのはその効果によるものと考えられる。このように実
施例3でも磁性体部の効果によってアークの拡がりが十
分大きく得られ、被アーク部分の凹凸など表面損傷は極
めて少なく好ましい表面状態となっている。
【0067】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧値と相対比較すると、実施例3の静耐圧値は
0.95〜1.05倍を示し、標準とする実施例4とほ
ぼ同等の特性を発揮した。アーク拡がり量を95〜11
5%(評価C〜D)の範囲に維持したことにより、接点
表面のアーク損傷の程度が軽く微量であったことによる
効果が発揮されている。
【0068】(実施例4):磁性体部中のCがFe固溶
体とFe化合物とを形成し、磁性体部中のFe固溶体の
量、すなわち[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が70%〜50%(70≧〜5
0%)の場合(実施例4)でも、7.2kV、20kA
を1000回遮断させた時の再点弧発生頻度は5〜9
(回)を示し、好ましい遮断特性を発揮している。
【0069】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の電極表面の被アーク部分の面積を測定したとこ
ろ、被アーク部の面積は、95〜105%(アークの拡
がり量評価:D)を示した。磁性体部中のCの大部分7
0%〜50%(70≧〜50%)がFe固溶体として存
在している為、材料組織の不均一性に基づく磁束の分布
の乱れは現れず安定した遮断特性を発揮した。アークの
集中は軽微で接点面を有効に活用出来た。前記好ましい
遮断特性を発揮したのはその効果によるものと考えられ
る。
【0070】このように実施例4でも磁性体部の効果に
よってアークの拡がりが大きく得られ、被アーク部分の
凹凸など表面損傷は少なく好ましい表面状態となってい
る。
【0071】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定すると、ほぼ前記実施例3の静耐
圧値と、ほぼ同等の特性を発揮した。
【0072】(比較例1):これに対して、磁性体部中
のCがFe固溶体とFe化合物とを形成し、磁性体部中
のFe固溶体の量、すなわち[(Fe固溶体)]/
[(Fe固溶体)+(Fe化合物)]の比率が50%〜
20%(50≧〜20%)の場合(比較例1)では、
7.2kV、20kAを1000回遮断させた時の再点
弧発生数は68〜157(回)を示し、大幅に増加し好
ましくない遮断特性の著しい低下を示した。
【0073】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の電極表面の被アーク部分の面積を測定し、別に測
定した標準とする実施例4の面積と相対比較したとこ
ろ、実施例4の面積に比べ一部の接点では50〜95%
以下(アークの拡がり量評価:E)を示し、また他の接
点では50%以下(アークの拡がり量評価:F)を示
し、被アーク部分の面積は十分ではない。磁性体部中の
Fe固溶体の量が少なく50%〜20%(50≧〜20
%)、材料組織の不均一性に基づく磁束の分布の乱れが
現れ、安定した遮断特性を発揮出来なかった。アークの
集中が激しく接点面を有効に活用出来なかったことが、
遮断特性が十分でなかった一因と考えられる。このよう
に比較例1では磁性体部中でのFe固溶体の量が過半数
を割ったことによって十分大きなアークの拡がりは得ら
ず、被アーク部分の凹凸など表面損傷は極めて大となり
好ましくない表面状態となっている。
【0074】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧値と相対比較すると、比較例1の静耐圧値は
0.8〜0.9倍を示し、標準とする実施例4より低下
した。アーク拡がり量が低下(評価E〜F)したことに
より、接点表面の部にアークの集中が起こり、損傷の程
度が大であったことが一因となった静耐圧値の低下と考
えられる。表面の顕微鏡的観察によると、Fe固溶体部
分よりもFe化合物部分を中心にアークの集中が起きて
いることが認められた。従って磁性体部中でのFe化合
物の量やFe化合物の大きさと遮断特性、静耐圧特性な
どとの相関が示唆される。
【0075】(比較例2):磁性体部中のCがFe固溶
体とFe化合物とを形成し、磁性体部中のFe固溶体の
量、すなわち[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が20%以下(20≧〜0%)
の場合(比較例2)では、7.2kV、20kAを10
00回遮断させた時の再点弧発生数は、136〜265
(回)を示し、大幅に増加し好ましくない遮断特性の著
しい低下を示した。また7.2kV、12kAを4回遮
断させた後の電極表面の被アーク部分の面積を測定し、
別に測定した標準とする実施例4の面積と相対比較した
ところ、実施例4の面積に比べ50%以下(アークの拡
がり量評価:F)を示し、被アーク部分の面積は極めて
低く観察された。磁性体部中のFe固溶体の量が少なく
(20≧〜0%)、材料組織の不均一性に基づく磁束の
分布の乱れが現れ、安定した遮断特性を発揮出来なかっ
た。アークの集中が激しく接点面を有効に活用出来なか
ったことが、遮断特性が十分でなかった一因と考えられ
る。
【0076】このように比較例2では磁性体部中でのF
e固溶体の量が極めて少量となったことによって、アー
クの拡がりは全く得られず、被アーク部分の凹凸など表
面損傷は極めて大となり好ましくない表面状態となって
いる。
【0077】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧値と相対比較すると、比較例2の静耐圧値は
0.7〜0.8倍を示し、標準とする実施例4よりも大
幅に低下した。アーク拡がり量が低下(評価F)したこ
とにより、接点表面の一部にアークの集中が起こり、損
傷の程度が大であったことが一因となった静耐圧値の低
下と考えられる。表面の顕微鏡的観察によると、Fe化
合物部分を中心にアークの集中が起きていることが認め
られた。従って磁性体部中でのFe化合物の量やFe化
合物の大きさと遮断特性、静耐圧特性などとの相関が示
唆される。
【0078】以上の知見から、磁性体部中は、Fe固溶
体若しくはFe固溶体とFe化合物とで構成され、Fe
固溶体の量[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が50%以上である時に、再点
弧発生頻度が低く好ましい遮断特性を発揮している。
【0079】(比較例3〜4)上記実施例1〜4では、
磁性体部中のFe化合物の平均粒直径として10μm以
下の場合を示したが、比較例3〜4では、平均粒直径が
10μmを越えるFe化合物を使用した。
【0080】(比較例3):磁性体部中のC量を前記実
施例2と同じ0.2%としても平均粒直径が10μmを
越えるFe化合物を使用した比較例3の場合では、Fe
固溶体の量[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が、前記実施例2と同等の10
0%〜90%(100≧〜90%)であっても、7.2
kV、20kAを1000回遮断させた時の再点弧発生
数は、7〜23(回)を示し、標準とする実施例4と比
較して大幅に増加し好ましくなく、遮断特性の低下を示
した。
【0081】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積を測定し、別に
測定した標準とする実施例4の面積と相対比較したとこ
ろ、実施例4の面積に比べ一部の接点では95〜105
%(アークの拡がり量評価:D)を示し合格の範囲にあ
ったが、他の接点では50%以下(アークの拡がり量評
価:F)を示し被アーク部分の面積は、十分ではなく、
被アーク部分の面積にはばらつきが観察された。Fe化
合物の平均粒直径が大きいことによって、結果的に磁性
体部中のCが十分均一でない状態として表れ、このCの
材料組織的不均一状態が磁束の分布の乱れを誘発した結
果、安定した遮断特性を発揮出来なかったと考えられ
る。接点表面観察によれば、この平均粒直径の大きいC
部分へのアークの集中が起き、接点面を有効に活用出来
なかったことが、遮断特性が十分でなかった一因と考え
られる。
【0082】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧と相対比較すると、比較例3の静耐圧は0.7
〜1.1倍を示し、標準とする実施例4よりも大幅に低
下し、かつ大きなばらつきを示した。接点表面の顕微鏡
的観察によると、平均粒直径の大きいC部分にアークの
集中が起き、損傷の程度が大であることが認められた。
従って磁性体部中でのCの平均粒直径の大きさが10μ
mを越える場合は好ましくないことが示唆される。
【0083】(比較例4):磁性体部中のC量を前記実
施例4と同じ0.75%としても平均粒直径が10μm
を越えるFe化合物を使用した比較例4の場合では、F
e固溶体の量[(Fe固溶体)]/[(Fe固溶体)+
(Fe化合物)]の比率が、前記実施例4と同等の70
%〜50%(70≧〜50%)であっても、7.2k
V、20kAを1000回遮断させた時の再点弧発生数
は、11〜31(回)を示し、標準とする実施例4と比
較して大幅に増加し好ましくなく、遮断特性の低下を示
した。
【0084】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積を測定し、別に
測定した標準とする実施例4の面積と相対比較したとこ
ろ、実施例4の面積に比べ50%以下(アークの拡がり
量評価:F)を示すものがあり、被アーク部分の面積
は、十分には得られず、被アーク部分の面積にはばらつ
きが観察された。Fe化合物の平均粒直径が大きいこと
によって、結果的に磁性体部中のCが十分均一でない状
態として表れ、このCの材料組織的不均一状態が磁束の
分布の乱れを誘発した結果、安定した遮断特性を発揮出
来なかったと考えられる。接点表面観察によれば、この
平均粒直径の大きいC部分へのアークの集中がが一層強
く起き、接点面を有効に活用出来なかったことが、遮断
特性が十分でなかった一因と考えられる。
【0085】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値を測定し、別途測定した実施例4の接点
の静耐圧値と相対比較すると、比較例4の静耐圧値は
0.7〜1.0倍を示し、標準とする実施例4よりも大
幅に低下し、かつ大きなばらつきを示した。接点表面の
顕微鏡的観察によると、平均粒直径の大きいC部分にア
ークの集中が起き、損傷の程度が大であることが認めら
れた。従って磁性体部中でのCの平均粒直径の大きさは
10μmを越える場合は好ましくないことが示唆され
る。
【0086】以上の知見から、磁性体部中のFe化合物
の平均粒子直径は、10μmを越える時には、再点弧発
生頻度が大となり遮断特性は低下する。
【0087】(実施例5〜8)上記実施例1〜4、比較
例1〜4では、磁性体部中に特別な合金元素を添加して
いない、例えばMn、Si量を0.01%以下に調整し
たFe合金を使用した結果を示したが、本発明ではこれ
に限ることなく、例えば0.6%のMn量を含有するF
e合金製の磁性体部(実施例5)であっても、0.4%
のSi量を含有するFe合金製の磁性体部(実施例6)
であっても、0.15%のCr量を含有するFe合金製
の磁性体部(実施例7)であっても、0.4%のMn
量、0.1%のSi量、0.1%のCr量を含有するF
e合金製の磁性体部(実施例8)であっても、7.2k
V、20kAを1000回遮断させた時の再点弧発生数
は、3〜7(回)の範囲にあり、標準とする実施例4と
比較して同等であり、好ましい遮断特性を示した。
【0088】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積も、評価B〜D
の範囲にあり、標準とする実施例4と比較して同等のア
ークの拡がり性を示している。
【0089】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して、静耐圧値も0.9〜1.05(倍)の範囲にあ
り、標準とする実施例4と比較して同等の静耐圧値を発
揮し前記した原理によって同様な効果が得られている。
【0090】いずれも磁性体部中のCの存在状態として
(ロ)すなわち磁性体部中のCがFe固溶体とFe化合
物とを形成し、磁性体部中のFe固溶体の量、[(Fe
固溶体)]/[(Fe固溶体)+(Fe化合物)]の比
率が100%〜90%(100≧〜90%)であり、F
e化合物の平均粒子直径も10μm以下としたことによ
る効果が発揮されている。
【0091】遮断特性評価後のアークによる接触子表面
の損傷形態の観察結果によれば、特に遮断限界に近い大
きな電流を遮断しても、実施例5〜8のC−Fe合金製
の磁性体部を装着した効果によって、アークは接触子表
面の広い範囲に亘り均一に拡がっていることが観察され
た。
【0092】(実施例9〜10、比較例5)上記実施例
1〜8,比較例1〜4では、真空遮断器に搭載する接触
子材料としてCu−25%Cr合金を使用して本発明の
効果を確認したが、本発明技術は、搭載する接触子材料
としてはCu−25%Cr合金に限ることなく、その効
果を発揮する。
【0093】すなわち、Cu−10%Cr合金(実施例
9)であっても、Cu−60%Cr合金(実施例10)
であっても、7.2kV、20kAを1000回遮断さ
せた時の再点弧発生数は、2〜7(回)の範囲にあり、
標準とする実施例4と比較して同等であり、好ましい遮
断特性を示した。
【0094】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積も、評価B〜C
の範囲にあり、標準とする実施例4と比較して同等のア
ークの拡がり性を示している。更にアーク拡がり量を評
価した後の接点に対して静耐圧値も0.9〜1.0
(倍)の範囲にあり、標準とする実施例4と比較して同
等の静耐圧値を発揮し、前記した原理によって同様な効
果が得られている。
【0095】しかし、搭載する接触子材料がCu−85
%Cr合金の場合(比較例5)では、7.2kV、20
kAの遮断テスト中に真空遮断器の接触抵抗値、温度上
昇値が大きく、磁性体部の効果は発揮されず、テストを
中止した。
【0096】(実施例11〜17)上記実施例1〜1
0、比較例1〜5では、真空遮断器に搭載する接触子材
料の耐弧成分としてCrを採用したCu−10〜85%
Cr合金について、本発明の効果を確認したが、本発明
技術は、搭載する接触子材料の耐弧成分はCu−10〜
85%Cr合金に限ることなくその効果を発揮する。
【0097】すなわち、磁性体部が前記好ましい所定条
件にある時には、Crの他の耐弧性補助成分としてT
i、V、Zr、Nb、Mo、Ta、Wを加えたCu−C
r−1%Ti合金(実施例11)であっても、Cu−C
r−1%V合金(実施例12)であっても、Cu−Cr
−2%Zr合金(実施例13)であっても、Cu−Cr
−5%Nb合金(実施例14)であっても、Cu−Cr
−10%Mo合金(実施例15)であっても、Cu−C
r−25%Ta合金(実施例16)であっても、Cu−
Cr−30%W合金(実施例17)であっても、7.2
kV、20kAを1000回遮断させた時の再点弧発生
数は、3〜8(回)の範囲にあり、標準とする実施例4
と比較して同等であり、好ましい遮断特性を示した。
【0098】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積も、評価B〜
C、C〜Dの範囲にあり、標準とする実施例4と比較し
て同等以上の好ましいアークの拡がり性を示している。
【0099】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値も1.0〜1.15(倍)の範囲にあ
り、標準とする実施例4と比較して同等の静耐圧値を発
揮し前記した原理によって同様な効果が得られている。
【0100】(実施例18〜23、比較例6〜7)上記
実施例11〜17では、真空遮断器に搭載する接触子材
料の耐弧性成分としてCrの他にTi、V、Zr、N
b、Mo、Ta、Wを加えたCu−Cr合金について、
本発明効果を確認した。
【0101】磁性体部が前記好ましい所定条件にある時
には、耐溶着性の補助成分としてBi、Pb、Sbから
選ばれた1つを含有したCu−Cr−0.2%Bi合金
(実施例18)であっても、Cu−Cr−1%Bi合金
(実施例19)であっても、Cu−Cr−0.2%Sb
合金(実施例20)であっても、Cu−Cr−0.2%
Pb合金(実施例21)であっても、7.2kV、20
kAを1000回遮断させた時の再点弧発生数は、4〜
9(回)の範囲にあり、標準とする実施例4と比較して
同等であり、好ましい遮断特性を示した。
【0102】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積も、評価B〜
C、C〜Dの範囲にあり、標準とする実施例4と比較し
て同等以上の好ましいアークの拡がり性を示している。
【0103】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値も0.85〜0.95(倍)の範囲にあ
り、標準とする実施例4と比較してほぼ同等の静耐圧値
を発揮し前記した原理によって同様な効果が得られてい
る。
【0104】磁性体部が前記好ましい所定条件にある時
には、耐溶着性の補助成分として、Te、Seから選ば
れた1つを含有したCu−Cr−5%Te合金(実施例
22)であっても、Ag−Cr−2%Se合金(実施例
23)であっても、7.2kV、20kAを1000回
遮断させた時の再点弧発生数は、5〜9(回)の範囲に
あり、標準とする実施例4と比較して同等であり、好ま
しい遮断特性を示した。
【0105】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の、電極表面の被アーク部分の面積も、評価C〜D
の範囲にあり、標準とする実施例4と比較して、同等の
好ましいアークの拡がり性を示している。
【0106】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値も0.85〜0.9(倍)の範囲にあ
り、標準とする実施例4と比較してほぼ同等の静耐圧値
を発揮し前記した原理によって同様な効果が得られてい
る。
【0107】しかし、磁性体部が前記好ましい所定条件
にあっても、耐溶着性の補助成分として、Cu−Cr−
5%Bi合金(比較例6)、Cu−Cr−8%Te合金
(比較例7)では、7.2kV、20kAを1000回
遮断させた時の再点弧発生数は、188〜405
(回)、272〜598(回)の範囲を示し、標準とす
る実施例4と比較して著しく増大し好ましくない。その
為アークの拡がり性、静耐圧値の測定を中止した。
【0108】(実施例24〜27)磁性体部が前記好ま
しい所定条件にある時には、Cu−50%Cr−5%T
i合金(実施例24)であっても、またCu−40%T
iB合金(実施例25)より成る金属ホウ化物であって
も、Cu−30%W合金(実施例26)より成る金属単
体であっても、Ag−40%WC合金(実施例27)よ
り成る金属炭化物であっても、7.2kV、20kAを
1000回遮断させた時の再点弧発生数は、4〜9
(回)の範囲にあり、標準とする実施例4と比較して同
等であり、好ましい遮断特性を示した。
【0109】また7.2kV、12kAを4回遮断させ
た後の電極表面の被アーク部分の面積も、評価C〜D、
Dの範囲にあり、標準とする実施例4と比較して同等以
上の好ましいアークの拡がり性を示している。
【0110】更にアーク拡がり量を評価した後の接点に
対して静耐圧値も0.9〜1.1(倍)の範囲にあり、
標準とする実施例4と比較してほぼ同等の静耐圧値を発
揮し前記した原理によって同様な効果が得られている。
【0111】(変形例)本発明の磁性体部と組み合わせ
る接触子合金は、Cu−Cr合金を選択し本発明の磁性
体との組み合わせ効果が期待できる。また本発明の磁性
体部と組み合わせる接触子合金は、Cu−Cr合金に限
らず本発明の磁性体との組み合わせ効果が期待できる。
すなわち前記接触子の接敏面上の材料組成が、Ag、C
uの少なくとも1つよりなる導電性成分と、1500℃
以上の溶融温度を有する耐弧性成分とで構成されていて
もよい。必要により耐弧性の補助成分、必要により耐溶
着性の第1、第2補助成分とで構成された接触子合金で
あってもよい。前記耐弧性の補助成分は、Ti、Zr、
V、Nb、Ta、Mo、W若しくはこれらの炭化物また
は硼化物である。前記補助成分として第1の耐溶着性成
分は1%以下のBi、Te、Pb、Sbから選ばれた1
つを含有した合金を選択して良く、また第2の耐溶着性
成分は5%以下のTe、Seから選ばれた1つを含有し
た合金を選択して良い。いずれも実施例4とほぼ同等の
遮断特性、アークの拡がり性、耐電圧性を示し、いずれ
も本発明の磁性体部との組み合わせ効果を発揮する。
【0112】
【発明の効果】以上に述べた様に、本発明によれば、接
触子間の磁界分布を制御し遮断性能を改善することが可
能となり、従って工業的価値の大きい真空バルブを実現
することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る真空バルブの主要
部の構成を示す分解斜視図。
【図2】 本発明の他の実施形態に係る真空バルブの主
要部の構成を示す分解斜視図。
【図3】 本発明の更に他の実施形態に係る真空バルブ
の主要部の構成を示す分解斜視図。
【図4】 本発明の実施例の評価に使用する真空バルブ
における通電ピンに対する磁性体の位置関係を説明する
為の図。
【図5】 本発明の実施例の評価に使用する他の真空バ
ルブにおける通電ピンに対する磁性体の位置関係を説明
する為の図。
【図6】 本発明に係る真空バルブの実施例1〜10及
び比較例1〜5の評価条件を示す表図。
【図7】 本発明に係る真空バルブの実施例11〜27
及び比較例6〜7の評価条件を示す表図。
【図8】 本発明に係る真空バルブの実施例1〜10及
び比較例1〜5の評価結果を示す表図。
【図9】 本発明に係る真空バルブの実施例11〜27
及び比較例6〜7の評価結果を示す表図。
【図10】従来の真空バルブの例を示す断面図。
【図11】従来の真空バルブの他の例を示す断面図。
【符号の説明】
1…導電棒 2…通電ピン 3…磁性体部 4…円盤部(支持部) 5…接触子(電極)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01H 11/04 H01H 11/04 B // C22C 5/06 C22C 5/06 C 9/00 9/00 38/00 303 38/00 303S 38/18 38/18 (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 大島 巖 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 染井 宏通 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 丹羽 芳充 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 関 経世 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5G023 AA02 AA04 AA05 AA20 BA11 CA50 5G026 BA01 BB03 BB04 BB07 BB08 BB11 BB12 BB13 BB14 BB15 BB16 BB17 BB18 BB22 BB24 BB25 BB27 BB30 BC04 BC08 DB03 5G050 AA01 AA07 AA12 AA13 AA14 AA24 AA25 AA27 AA33 AA40 AA42 AA43 AA46 AA47 AA48 AA50 AA51 AA54 AA60 BA01 CA01 DA03 EA01 5G051 AA11 AC05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁容器の両端部に蓋体が取り付けられ、
    その内部を真空密にした真空容器と、 この真空容器を貫通し、前記真空容器内部に端部が対向
    し、少なくとも一方が進退自在に取り付けられた一対の
    導電棒と、 前記真空容器内部に存在する各導電棒の軸方向端部に接
    続された支持部と、 この支持部の表面に取り付けられる複数の通電部と、 この通電部と背面側で接続する接触子部と、 前記通電部に流れる電流に基づいて軸方向磁界を発生さ
    せるため、前記通電部の間に介在され、前記通電部の側
    面近傍であって前記通電部を包囲しないように配置され
    る突起部を備えた磁性体部とを有する真空バルブに於い
    て、 前記磁性体部には、Fe中に少なくともCを固溶したF
    e固溶体を存在させたことを特徴とする真空バルブ。
  2. 【請求項2】前記磁性体部は、Fe中にCを固溶したF
    e固溶体が、少なくとも50面積%を占めるFeである
    ことを特徴とする請求項1に記載の真空バルブ。
  3. 【請求項3】前記磁性体部は、Fe中にC、Mnを固溶
    したFe固溶体が、少なくとも50面積%を占めるFe
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の真空バルブ。
  4. 【請求項4】前記磁性体部は、Fe中にC、Siを固溶
    したFe固溶体が、少なくとも50面積%を占めるFe
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の真空バルブ。
  5. 【請求項5】前記磁性体部は、Fe中にC、Crを固溶
    したFe固溶体が、少なくとも50面積%を占めるFe
    であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載
    の真空バルブ。
  6. 【請求項6】前記磁性体部は,Fe中にC、Mn、S
    i、Crの少なくとも1つを固溶したFe固溶体と、残
    部としての10μm以下の平均粒子直径を有するC、M
    n、Si、Crの少なくとも1つを含むFe化合物とで
    構成され、かつ前記Fe固溶体は少なくとも50面積%
    を占めていることを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の真空バルブ。
  7. 【請求項7】前記接触子部は、接触面上の材料組成がA
    g、Cuの少なくとも1つよりなる導電性成分と、15
    00℃以上の溶融温度を有しTi、Zr、V、Nb、T
    a、Cr、Mo、W若しくはこれらの炭化物または硼化
    物より成る耐弧性成分とで構成されていることを特徴と
    する請求項1乃至請求項6項のいずれかに記載の真空バ
    ルブ。
  8. 【請求項8】前記接触子部は、接触面上の材料組成がA
    g、Cuの少なくとも1つよりなる導電性成分と、15
    00℃以上の溶融温度を有しTi、Zr、V、Nb、T
    a、Cr、Mo、W若しくはこれらの炭化物または硼化
    物より成る耐弧性成分と、1%以下のBi、Sb、Pb
    の1つまたは5%以下のTe、Seの1つから選ばれた
    補助成分とで構成されていることを特徴とする請求項1
    乃至請求項6項のいずれかに記載の真空バルブ。
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