JP2002025397A - 真空遮断器 - Google Patents

真空遮断器

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JP2002025397A JP2000211130A JP2000211130A JP2002025397A JP 2002025397 A JP2002025397 A JP 2002025397A JP 2000211130 A JP2000211130 A JP 2000211130A JP 2000211130 A JP2000211130 A JP 2000211130A JP 2002025397 A JP2002025397 A JP 2002025397A
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芳充 丹羽
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三孝 本間
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接点間に発生させる磁束を均一で平行度の高
いものとし、遮断性能を向上させた真空遮断器を提供す
る。 【解決手段】 真空容器と、ベローズと、通電軸と、対
向する一対の接点とを有する真空遮断器において、10
〜60重量%Crを含有し、Cr領域と、残部としての
Cu領域とで構成されるCu−Cr合金で、接点を構成
し、Cr領域中に存在するFe量と、Cu領域中に存在
するFe量との合計量である総Fe量を、0.002〜
0.5重量%とする。これにより、対向する一対の接点
空間の磁束は、接点面の特定領域に集中することがな
く、しかも平行でかつ接点表面に対してほぼ垂直なもの
となり、遮断性能が向上すると共に安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遮断性能を向上さ
せた接点を有する真空バルブを備えた真空遮断器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に真空遮断器には、遮断性能、耐電
圧性能、耐溶着性能が要求され、接点材料の役割が大き
い。しかし1つの接点材料でこれらの総ての機能を同時
に満たす事が出来ない。そこで一部の機能を犠牲にして
対応している製品が多い。
【0003】一般に真空遮断器は、図7(a)に示す如
く絶縁容器101の両端開口部を蓋体102a、102
bにより閉塞した真空容器103内に、一対の接点10
4、105を対向させて設けると共に、これらを、蓋体
102a、102bを貫通させて真空容器103内に挿
入された通電軸106、107の端部にそれぞれ装着
し、その一方の通電軸107を図示しない操作機構によ
り軸方向に移動可能として、一方の接点(以下固定接
点)104に対して、他方の接点(以下可動接点)10
5を接触または開離出来るようにしてある。この場合、
蓋体102bと通電軸107との間には、真空容器10
3内を真空気密に保持しかつ導電棒107の軸方向への
移動を可能とするベローズ108が設けられる。なお図
中109は、前記各接点104、105および導電棒1
06,107を包囲する如く設けられたアークシールド
である。
【0004】上記真空遮断器は、通常両接点104、1
05が接触し通電状態となる。この状態からの動作によ
り通電軸107が図中矢印M方向に移動すると、可動接
点105が固定接点104から開離し、両接点104、
105間にはアークが発生する。このアークは陰極例え
ば可動接点105側からの金属蒸気の発生により維持さ
れ、電流がゼロ点(零点)に達すると金属蒸気の発生が
止まってアークが維持できなくなり、遮断が完了する。
【0005】ところで、上記両接点104、105間に
発生するアークは、遮断電流が大きいとアーク自身によ
り生じた磁場と外部回路の作る磁場との相互作用により
著しく不安定な状態となる。その結果アークは接点面上
を移動し(接点が電極に取り付けられ一体化している時
には、アークは電極面上にも移動している場合もあ
る)、接点の端部或いは周辺部に片寄り、その部分を局
部的に過熱し、多量の金属蒸気を放出させて、真空容器
103内の真空度を低下させる。その結果、真空遮断器
の遮断性能は低下する。これらは金属組織などで代表さ
れる接点の状態に依存する事が多い。
【0006】図7(b)は、一対の接点41、51を対
向させて設けると共に、接点41の背面にはコイル電極
40、接点51の背面にはコイル電極50をそれぞれ装
着した真空バルブである。なお、図7(b)において、
図7(a)と同一の部分または対応する部分は、同符号
で示してある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように真空遮断
器では、アーク片寄りが発生することがあり、接点(電
極)を局部的に溶融し、蒸気の発生が大きくなり、遮断
不能となる恐れがあった。
【0008】また、接点の全面積で電流を均一に分担す
ることは不可能である為、上記のように遮断不能となる
恐れがあつた。
【0009】更に、遮断性能を向上させる施策の1つと
して、接点の背面にコイル電極を配置しこれに電流Iを
流すと、両接点間には接点面に対して垂直方向に磁界が
発生する。この磁界により遮断時において両接点間に点
弧するアークは拘束される。
【0010】このようにして、アーク分布は両接点間の
磁力線と同様になるが、この分布は必ずしも均一でな
く、平行でない上、特に各接点の端部近傍に於いては、
接点面に対して垂直に点弧しないばかりか、アークが接
触子空間から外部にはみ出す現象が発生し、予定する遮
断性能が得られない恐れがあった。
【0011】この様に、これまでに接点やこれを搭載し
た電極構造の様々な改善が行われているが、或るものは
遮断性能が十分でなかったり、他のものはコスト高であ
ったりした。
【0012】本発明の目的は、接点間に発生させる磁束
を均一で平行度の高いものとし、遮断性能の向上を図る
上で有利な真空遮断器を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決する為の手段】上記目的を達成する為に請
求項1に記載の本発明は、真空容器と、ベローズと、通
電軸と、対向する一対の接点とを有する真空遮断器にお
いて、接点は、10〜60重量%Crを含有し、Cr領
域と、残部としてのCu領域とで構成されるCu−Cr
合金から成り、Cr領域中に存在するFe量と、Cu領
域中に存在するFe量との合計量である総Fe量が、
0.002〜0.5重量%であることを特徴とする真空
遮断器である。
【0014】すなわち、接点として、総Fe量(Fe
(Cu+Cr))が0.002〜0.5重量%からなる10〜
60重量%Cr−Cuの接点を配置すると、対向する一
対の接点空間の磁束は、接点面の特定領域に集中するこ
とがなく、しかも平行でかつ接点表面に対してほぼ垂直
なものとなり、遮断性能が向上すると共に安定化する。
【0015】請求項2に記載の本発明は、Cu領域中に
占めるFe量が、Cu−Cr合金中の総Fe量に対し
て、0.01〜20重量%であることを特徴とする請求
項1に記載の真空遮断器である。
【0016】すなわち、総Fe量(Fe(Cu+Cr))に対
するCu領域中に占めるFe量(Fe(Cu))が0.01
%未満では、接点空間の磁束分布の均一性に欠ける為、
遮断特性の向上への効果が少なく、また20%を越える
とCu−Cr合金全体の導電率が低下しやはり遮断特性
の低下が見られる。
【0017】請求項3に記載の本発明は、Cu領域中に
分散しているFeが、0.01〜5μmの間隙を持って
ほぼ均一に分散したことを特徴とする請求項1に記載の
真空遮断器である。
【0018】すなわち、Cu領域中に分散しているFe
(Fe(Cu))の間隙を0.01μm未満としても、0.
01μm未満に均一にする製造コストの大幅な上昇にも
かかわらず、遮断特性の向上への格別の効果は示さな
い。また5μmを越えると接点空間の磁束分布の均一性
に欠ける為、遮断特性の低下が見られる。
【0019】請求項4に記載の本発明は、Cu領域中の
Feは、5μmよりも大きな粒子直径を持つFeが存在
しない程度にほぼ均一に分散したことを特徴とする請求
項1に記載の真空遮断器である。
【0020】すなわち、Cu領域中のFe(Fe(Cu)
が5μmよりも大きな粒子直径となると、接点空間の磁
束分布の均一性が乱れ、安定した遮断特性が得られな
い。
【0021】請求項5に記載の本発明は、Cr領域中の
Feが、0.01〜15μmの間隙を持ってほぼ均一に
分散したことを特徴とする請求項1に記載の真空遮断器
である。
【0022】すなわち、Cr領域中のFe(Fe(Cr)
の間隙を0.01μm未満としても、0.01μm以上
と比較して、製造コストの増加の割りには遮断特性の向
上効果が少ない。また15μmを越えると接点空間の磁
束分布の均一性に欠ける為遮断特性の低下が見られる。
【0023】請求項6に記載の本発明は、接点が、少な
くとも20%IACSの導電率を持つ合金であることを
特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の真
空遮断器である。
【0024】すなわち、接点の導電率が20%IACS
未満では、接触抵抗、回路抵抗、温度上昇の増加を招き
遮断電流値の低下、定格開閉電流値の低下を来す。
【0025】請求項7に記載の本発明は、対向する一対
の接点の面とその接点間の空間に作用させる磁界を発生
させる手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至請求
項6のいずれかに記載の真空遮断器である。
【0026】すなわち、接点面とその接点間空間に作用
させる磁界を発生させる手段と上記構成の接点とを組み
合わせて配置することによって、遮断特性の向上に対し
て相乗的効果を発揮する。
【0027】請求項8に記載の本発明は、接点が、平板
型接点であることを特徴とする請求項1乃至請求項6の
いずれかに記載の真空遮断器である。
【0028】すなわち、上記構成の接点を平板型接点と
することによって、遮断特性の向上に対して効果を発揮
する。
【0029】請求項9に記載の本発明は、通電軸が、少
なくとも70%IACSの導電率を持つものであること
を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
真空遮断器である。
【0030】すなわち、通電軸の導電率が70%IAC
S未満では、回路抵抗を増加させ温度上昇の増加を招
き、遮断電流値の低下、定格開閉電流値の低下を来す。
【0031】請求項10に記載の本発明は、接点の背面
にコイル電極を備え、このコイル電極が少なくとも70
%IACSの導電率を持つものであることを特徴とする
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の真空遮断器で
ある。
【0032】すなわち、接点の背面に設けたコイル電極
の導電率が70%IACS未満では、回路抵抗、温度上
昇の増加を招き、遮断電流値の低下、定格開閉電流値の
低下を来す。
【0033】請求項11に記載の本発明は、接点中のF
eの一部または総てをCoまたはNiで置換したことを
特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の真
空遮断器である。
【0034】すなわち、Co、Niであっても接点空間
の磁束は、接点面の特定領域に集中することがなく、し
かも平行でかつ接点表面に対してほぼ垂直なものとな
り、Feと同様に遮断性能が向上すると共に安定化す
る。
【0035】請求項12に記載の本発明は、真空容器
と、ベローズと、通電軸と対向する一対の接点と、電極
とを有する真空遮断器において、接点は、10〜60重
量%Crを含有し、Cr領域と、残部としてのCu領域
とで構成されるCu−Cr合金から成り、Cr領域中に
存在するFe量と、Cu領域中に存在するFe量との合
計量である総Fe量が、0.002〜0.5重量%であ
り、Cu領域中に占めるFe量は、Cu−Cr合金中の
総Fe量に対して、0.01〜20重量%を占め、Cu
領域中のFeは、0.01〜5μmの間隙を持って、か
つ5μmよりも大きな粒子直径を持たない程度にほぼ均
一に分散し、Cr領域中のFeは、0.01〜15μm
の間隙を持ってほぼ均一に分散し、電極は、電流開閉時
に接点間に発生するアークと平行な磁界を発生し、通電
軸は、少なくとも70%IACSの導電率を持つことを
特徴とする真空遮断器である。
【0036】すなわち、このような構成とすることによ
り、遮断特性の向上に対して相乗的効果を発揮する。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
詳細に説明する。
【0038】所定のCu−Cr接点を搭載した真空遮断
器について、遮断試験を行っていると、制御し得る条件
を一定としても遮断特性が大幅に変動する(遮断特性が
ばらつく)場合が見られた。遮断試験後の接点表面の損
傷を複数個の真空バルブについて観察すると、遮断後の
接点面はいずれも大幅に異なる損傷形態を示している事
が判った。この現象は特に接点面および接点空間での磁
束分布の不揃いが一因と考えられる。すなわちこの磁束
分布の不揃いが、遮断電流値のバラツキや遮断後の接点
面の損傷状態の差異として影響を与えていると考えられ
る。
【0039】ところでCu−Cr接点では、接点製造技
術に起因したCr粒子の大きさや形状の不揃い(粒度分
布)、Cr粒子の凝集(偏析)、Cu相の大きさや形状
の不揃い(結晶粒度)、Cu相中、結晶粒界あるいはC
r粒子とCu相との境界に存在する空隙の量、空隙の大
きさや空隙の分布状況などが異なると共にその存在が避
けられず、材料的ミクロ欠陥として存在する。従って、
接点の内部およびその表面層には、無数の欠陥が存在す
る為、金属組織的な均一性は得られていない。その結
果、この材料的ミクロ欠陥の存在が接点表面および接点
空間での磁束の均一性に撹乱を与え、遮断特性の安定性
とその向上に対して障害となっている。
【0040】しかし、上記した幾つかの材料的ミクロ欠
陥を排除する事による上記磁束分布の不揃いの抑制は、
経済性を考慮した製造技術では困難である。
【0041】そこで本発明では、Cu−Cr合金のCr
領域中に存在するFe量(Fe(Cr))と、Cu領域中に
存在するFe量(Fe(Cu))とを最適化することによっ
て、接点表面および接点空間での磁束の分布の均一性を
得て、上記磁束分布の不揃いの解決に対して有益である
事を見出だし、その結果アーク集中による局部的な溶
融、過度の金属蒸気の放出を抑制し、遮断特性に対して
好結果を与えた。
【0042】これに対して、Cr領域中に存在するFe
量(Fe(Cr))とCu領域中に存在するFe量(Fe
(Cu))とが最適化されていない時には、アークは遮断す
る電流値が大きくなると、アーク自身によって生じた磁
場と外部回路によって生じる磁場との相互作用によっ
て、著しく不安定な状態となる。この為アークは接点面
を移動し接点の端部あるいは周辺部に片寄りその部分を
過熱し、多量のCu、Cr蒸気を放出させて、真空バル
ブの真空度を低下させたり、多量の熱電子を放出させ
て、遮断の限界電流値を低下させたりする。
【0043】なお、従来遮断の限界電流値を向上させる
手段として、接点面を有効に使用する技術、すなわち遮
断に関与する実質面積を大きくして電流密度を低下させ
る技術がある。電流密度を低下させれば接点表面の損傷
も軽減され、遮断特性、耐電圧特性の向上に有益とな
る。
【0044】しかしこの場合でも、やはり前述同様にア
ークが接点の端部あるいは周辺部に片寄る為、接点を局
部的に融解し蒸気の発生が大となり、遮断不能を示す場
合が見受けられる。
【0045】Cu−Cr合金のCr領域中に存在するF
e量(Fe(Cr))とCu領域中に存在するFe量(Fe
(Cu))とを最適化することによって、接点表面および接
点空間での磁束の分布の均一性を得て、磁束は平行でし
かも部材に対して垂直なものとなり、遮断性能が向上す
る。本発明はこの原理を応用したものである。
【0046】遮断動作の繰り返しの経過と共に、遮断特
性にはバラツキを生ずる現象が見られている。発明者ら
は遮断特性にバラツキを生じた場合の真空バルブに搭載
されていた接点を調査したところ、接点表面および内部
には、局部的ではあるが金属組織上のバラツキが見られ
た。特に遮断特性が劣る真空バルブの接点には、金属組
織的な不均一さが観察されている。ここで重要なのは、
この金属組織的な不均一さが、遮断特性を左右している
事実である。この金属組織的な不均一部分が磁界分布の
均一性を乱し、遮断時のアークはこの部分に停滞する傾
向を示し、遮断特性の経時劣化(遮断や開閉動作の繰り
返しによる遮断特性の低下やバラツキ)となったもので
ある。
【0047】この様に、接点表面および内部の金属組織
的な不均一部分の存在こそ、接点面や接点間の磁束分布
の均一性を乱すものであり、遮断特性の安定性に対して
好ましくない事が判った。従って、接点表面および内部
の金属組織を均一な状態、すなわちCu−Cr合金のC
r領域中に存在するFe量(Fe(Cr))とCu領域中に
存在するFe量(Fe(Cu))とを最適化した状態とする
事が好ましい。
【0048】また、アークと平行な磁界を印加する電極
の存在によって、接点中のFeの僅かな分散状態の差異
による接点面上でのアークのミクロ的な片寄りを平均化
する効果を示す結果、遮断特性の向上に対して相乗的効
果を発揮する。
【0049】すなわち、接点はCr領域と残部としての
Cu領域とで構成される10〜60重量%Crを含有し
たCu−Cr合金であり、接点中の総Fe量(Fe
(Cu+Cr))、すなわち前記Cr領域中に存在するFe量
(Fe(Cr))と前記Cu領域中に前記Cu領域中に存在
するFe量(Fe(Cu))との合計を、0.002〜0.
5重量%とし、前記Cu領域中に占めるFe量(Fe
(Cu))は、前記Cu−Cr合金中の総Fe量(Fe
(Cu+Cr))に対して、0.01〜20重量%とし、0.
01〜5μmの間隙を持ってかつ5μmよりも大きな粒
子直径を持たない程度にほぼ均一に分散し、前記Cr領
域中に分散しているFe(Fe(Cr))は、前記Cu−C
r接点中に0.01〜15μmの間隙を持ってほぼ均一
に分散した事を特徴とする接点部材と、少なくとも70
%IACSの導電率を持つ事を特徴とする通電軸部材
と、接点自身で電極を構成した平板型接点、スパイラル
型電極、縦磁界型電極、自発拡散型電極、コントレート
型電極のいずれかから選択した電極部材とからなる各部
材を備えて真空遮断器とする事によって、安定した遮断
特性を発揮する。
【0050】以下実施例と比較例とを対比させながら本
発明の効果を明らかにする。以下に評価条件を図1〜図
2に、評価結果を図3〜図6に示す。
【0051】(1)遮断特性 着脱式の遮断テスト用真空遮断装置に所定接点を装着
し、接点表面のベーキング、電流、電圧エージング、開
極速度条件を一定同一とした後、6〜12台の遮断器に
ついて50Hz、7.2kV、15kAの回路を10〜
1000回遮断させた時の再点弧の発生状況と遮断電流
値の範囲を評価した。必要とした一部の接点に対して
は、20〜25kAを遮断させた。
【0052】なお評価は,接点のみ装着した着脱式真空
遮断装置、接点と密着する様に電極も装着した着脱式真
空遮断装置を使用した。
【0053】(2)アーク拡がりの状況 各接点を着脱式の真空遮断装置に装着し、接点電極表面
のべーキング、電流、電圧エージング、開極速度条件を
一定同一とした後、7.2kV、50Hzで12kAを
10回遮断させた後の電極表面の被アーク部分の面積を
測定した。
【0054】被アーク部分が接点面のほぼ全面を覆いか
つ接点表面の凹凸も少なくほぼ平滑である時を(評価A
A)、比較例2の被アーク部分の拡がりの面積を100
%とした時、拡がりの面積が150%以上を示した場合
を(評価A)とし、80〜150%の範囲の場合を(評
価B)とした。被アーク部分が接点面の50〜80%以
下の場合を(評価X)、50%以下の場合を(評価
Y)、被アーク部分が接点面の1〜数か所以下に集中し
接点表面は顕著な凹凸を示した場合を(評価Z)、被ア
ーク部分が接点面の1〜2か所以下に集中し接点表面は
顕著な凹凸を示し、かつ10%以上の再点弧の発生を伴
った場合を(評価ZZ)とした。判定は、評価AA、
A、B、Cを合格、評価X、Y、Z、ZZを不合格の目
安とした。
【0055】(3)耐電圧特性 各接点素材で直径30mmの円盤を製作しこれを陽極側
接点とし、先端に50Rの曲率半径を持つNi製の針電
極を陰極側接点とし、両接点を対向させ前記針電極を直
径30mmの前記円盤上を微少移動させ、その都度1〜
10kVずつ昇電圧させスパークを発生した時の静耐圧
値の接点円盤上での分布を測定し、そのバラツキ幅(最
大値〜最小値)を比較した。
【0056】静耐圧値が比較例2よりも大でかつ静耐圧
値の幅(最大値〜最小値)が20%以内の場合を耐電圧
特性評価の(評価A)、20〜50%を(評価B)、5
0%以上を(評価C)とした。
【0057】静耐圧値が比較例2と同程度またはそれ以
下で、かつ静耐圧値の幅(最大値〜最小値)が20%以
内の場合を(評価X)、20〜50%を(評価Y)、5
0%以上を(評価Z)とした。
【0058】(4)その他 供試接点中の前記Cr領域中に存在するFe量(Fe
(Cr))と、前記Cu領域中に存在するFe量(F
(Cu))の評価は、供試接点をCr領域とCu領域とに
分別した後、各々中のFe量を化学分析によって確認し
た。
【0059】また、前記Cr領域中に存在するFe量
(Fe(Cr))と、前記Cu領域中に存在するFe量(F
(Cu))の分布の状況は、X線微少分析装置による面分
析法によって行った。
【0060】(実施例1〜3、比較例1〜2)接点中の
Cr領域中に存在するFe量(Fe(Cr))と、Cu領域
中に存在するFe量(Fe(Cu))との合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))を、0.001重量%以下(比較例1)、お
よび0.002〜2.0重量%(実施例1〜3、比較例
1)含有したCu−25%Cr(重量%)を供試接点と
して、選択した。
【0061】<アークの拡がり性>7.2kV、50H
zで12kAを10回遮断させた後の電極表面の被アー
ク部分の面積を比較する事によって、接点中の合計Fe
量(Fe(Cu+Cr))がアークの拡がり性に及ぼす効果を
調査した。接点面でのアークの拡がり性が良い接点は、
遮断性能の向上に対して有益である。
【0062】接点中の合計Fe量(Fe(Cu+Cr))を
0.002重量%(実施例1)とした接点のアークの拡
がり性評価は(評価A)、0.08重量%(実施例2)
とした接点では(評価AA)、0.5重量%(実施例
3)とした接点では(評価AA)を示した。所定量のF
eが存在する結果、アークは接点面上に偏る事なく広く
分散させるのに有益な作用を示した。
【0063】これに対して、接点中の合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))を0.001重量%以下(比較例1)とした
接点では、合計Fe量(Fe(Cu+Cr))の不足によって
Feによるアークの拡がり状況は十分でなく、(評価
B)〜(評価Y)にバラツキを示し好ましくない。
【0064】更に、接点中の合計Fe量(F
(Cu+Cr))を2.0重量%(比較例2)とした接点で
は、Feの分布に偏析が見られ磁束分布に偏りが現れ、
再点弧が多発し、(評価ZZ)を示し好ましくない。
【0065】<遮断特性>接点中の合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))と遮断特性との関係を調査した。すなわち接
点中の合計Fe量(Fe(Cu+Cr))を0.002〜0.
5重量%(実施例1〜3)とした接点を搭載した真空遮
断器に対して、15kAを遮断した場合、接点面および
接点間の磁界の強さが、合計Fe量(Fe(Cu+Cr))が
0.001重量%以下(比較例1)の接点よりも、5〜
50%程度向上すると共にその分布も偏る事なく均一な
分布となる(接点面の例えば外周部など特定部分の磁束
密度を特に制御する様に設計した電極構造を搭載した真
空遮断器では、この部分を除いた部分に於いて)。
【0066】その結果、50Hz、7.2kV、15k
Aを1000回遮断させた時の再点弧発生状況を判断基
準とした遮断特性では、接点中の合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))を0.002重量%(実施例1)とした接点
では(評価B)、0.08重量%(実施例2)とした接
点では(評価AA)、0.5重量%(実施例3)とした
接点では(評価A〜B)を示した。接点面および接点中
に所定量のFeが存在する効果、および偏析する事なく
分布している事による効果である。
【0067】これに対して、合計Fe量(F
(Cu+Cr))を0.001重量%以下(比較例1)とし
た接点では、合計Fe量(Fe(Cu+Cr))の不足によっ
て接点間の磁束分布を均一化する効果が十分には得られ
ず、再点弧発生状況が(評価X)を示し好ましくない。
【0068】更に、接点中の合計Fe量(F
(Cu+Cr))を2.0重量%(比較例2)とした接点で
は、接点中でのFeの分布に偏りを示す部分が生ずる場
合があり、このFeの分布の偏りに対応して、接点面お
よび接点間の磁束分布は偏りを示し、均一化した磁束分
布を得る妨げとなる。その結果、再点弧発生状況が(評
価B〜X)を示し好ましくない。
【0069】<耐電圧性>接点中の合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))を0.002〜0.5重量%としたCu−2
5%Crで製作した直径30mmの円板状の接点(陽極
側接点)と、Ni製の針状の接点(陰極側接点)とを対
向させた後、昇電圧させスパークを発生した時の静耐圧
値を評価した。
【0070】接点中の合計Fe量(Fe(Cu+Cr))を
0.002重量%(実施例1)とした接点の静耐圧値は
(評価A)、0.08重量%(実施例2)とした接点で
は(評価A)、0.5重量%(実施例3)とした接点で
は(評価A)〜(評価B)を示し良好であった。
【0071】また、接点中の合計Fe量(F
(Cu+Cr))を0.001重量%以下(比較例1)とし
た接点では、(評価A)を示した。
【0072】これに対して、接点中の合計Fe量(Fe
(cu+cr))を2.0重量%(比較例2)とした接
点では、Feの分布に偏析が見られその結果磁束分布に
偏りが現れ、再点弧が多発しく評価Z)を示し好ましく
なかつた。
【0073】(実施例4〜7、比較例3〜4)前記実施
例1〜3、比較例1〜2では合金中の合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))中に占めるCu領域中の(Fe(Cu))を3〜
10重量%と一定にしたときの、遮断特性、耐電圧特性
に及ぼす合金中の合計Fe量(Fe(Cu+Cr))を最適化
した。
【0074】しかし本発明でのCu領域中の(F
(Cu))は、上記3〜10重量%に限ることなくその効
果を発揮する。すなわちCu領域中の(Fe(Cu))が
0.01〜20重量%(実施例4〜7)の場合には、F
eはCu領域中に凝集する事なく分布する結果、安定し
た磁束分布を得て、安定したアークの拡がり性を発揮し
遮断特性の判定が(評価B)〜(評価A)を示し好まし
い値であつた。所定量のFeがCu領域中に存在する結
果、アークを接点面上の局所に偏ることなく広く分散さ
せるのに有益な作用を示した。
【0075】これに対して、接点中のCu領域中のFe
量(Fe(Cu))を0.005重量%以下とする接点の製
造は、高価となり供給性の観点から除外した(比較例
3)。
【0076】更に、接点中のCu領域中のFe量(Fe
(Cu))を45%(比較例4)とした接点では、Feの分
布をCr領域中とCu領域中とで比較すると後者のCu
領域中に偏り、その結果磁束分布にも偏りが現われ、接
点面全面へのアークの拡がり状況は十分でなく(評価
B)〜(評価Y)を示し、静耐圧値は(評価A)であつ
たにもかかわらず再点弧が不安定に発生した。
【0077】以上のようにCu領域中のFe量(Fe
(Cu))を0.01〜20重量%(実施例4〜7)とした時
には、アークの拡がり性が(評価B)〜(評価A)と安
定していた事により、接点表面のアーク損傷の程度が軽
く微量であり遮断特性、耐電圧特性に優れた効果が発揮
したものと考えられる。FeはCr領域中とCu領域中
のいずれにも偏る事なく両者中に所定量が存在する事が
重要であり、その上でCu領域中のFe量(Fe(Cu)
がある一定値必要である事を示唆している。
【0078】(実施例8〜9、比較例5)前記実施例1
〜7、比較例1〜4では,合金中のCu領域中に存在す
るFe(Fe(Cu))の粒子直径を0.1〜0.5μmで
一定とした時の、遮断特性、耐電圧特性に及ぼす効果を
示した。
【0079】しかし本発明でのCu領域中に存在するF
e(Fe(Cu))の粒子直径は、上記0.1〜0.5μm
に限ることなくその効果を発揮する。
【0080】すなわちCu領域中に存在する(F
(Cu))の粒子直径が、0.01〜5μm(実施例8〜
9)の場合には、Cr領域中とCu領域中のいずれにも
集中することのない磁束分布が得られ、アーク拡がり性
が(評価AA)〜(評価A〜B)を発揮し、遮断特性の
判定が(評価A)、(評価B)を示し好ましい値であつ
た。
【0081】これに対して、Cu領域中に存在するFe
(Fe(Cu))の粒子直径を10〜50μm(比較例5)
とした接点では、アークがCr領域中とCu領域との境
界に集中するなどでアークの拡がり状況が十分でなくな
り、アークの拡がり性の評価は(評価B)〜(評価Z
Z)に大きくバラツキを示し好ましくない。その結果、
遮断特性は(評価Y)〜(評価Z)、耐電圧特性も顕著
なバラツキを示し(評価Y)〜(評価Z)であった。
【0082】(実施例10〜13、比較例6〜7)前記
実施例1〜12、比較例1〜5では合金中のCr領域中
に存在するFe(Fe(Cr))の平均間隔を3〜5μmで
一定にした時の、遮断特性、耐電圧特性を示した。
【0083】しかし本発明でのCr領域中に存在するF
e(Fe(Cr))の平均間隔は、上記3〜5μmの場合に
限る事なくその効果を発揮する。
【0084】すなわちCr領域中に存在するFe(Fe
(Cr))の平均間隔が、0.01〜0.1μm(実施例1
0)、0.1〜0.5μm(実施例11)、1〜3μm
(実施例12)、8〜15μm(実施例13)の場合で
も、Cr領域中とCu領域中のいずれにも集中すること
のない磁束分布が得られ、安定したアークの拡がり性を
発揮し、その結果遮断特性の判定が(評価A)〜(評価
B)、耐電圧特性の判定も(評価A)〜(評価B)を示
し安定した値であった。
【0085】これに対して、Cr領域中に存在するFe
(Fe(Cr))の平均間隔を0.01μm以下(比較例
6)とした接点では、アークはCr領域中とCu領域と
の境界に集中する事なくアークの拡がり状況は十分であ
り、アークの拡がり性の評価は(評価A)を示している
が、Cu領域中に占めるFe(Fe(Cu))を総Fe量
(Fe(Cu+Cr))の0.01〜20重量%とした上でC
r領域中に存在するFe(Fe(Cr))の平均間隔を0.
01μm以下とするのは、経済的に供給する観点で不利
の為、本発明では除外した。
【0086】更に、Cr領域中に存在するFe(Fe
(Cr))の平均間隔を30μm以上(比較例7)とした接
点では、Cr領域中とCu領域中でのFe量の分布にバ
ランスを欠き、その結果磁束分布にも偏りが現れ、接点
面全面へのアークの拡がり状況は十分でなく、その結果
アークの拡がり性の評価は(評価Y)〜(評価ZZ)と
大幅に低下すると共に大きくバラツキを示し好ましくな
い。その結果、遮断特性の評価は(評価Z)、耐電圧特
性も顕著なバラツキを示し(評価X)〜(評価Z)であ
った。
【0087】以上の様にCr領域中に存在するFe(F
e(cr))の平均間隔を0.01〜15μm(実施例
10〜13)とした時には、Cr領域中とCu領域中の
いずれにも集中することのない磁束分布が得られ、アー
ク拡がり性が(評価A)〜(評価B)と安定していた事
により、接点表面のアーク損傷の程度が軽く微量であり
遮断特性、耐電圧特性に優れた効果が発揮したものと考
えられる。
【0088】(実施例14〜16、比較例8)前記実施
例1〜13、比較例1〜7では、40%IACS(Cu
が100%IACS)の導電率を持つ供試合金を選出し
一定とした時の、遮断特性、耐電圧特性を示した。
【0089】しかし本発明での接点の導電率は、上記4
0%IACSの場合に限る事なくその効果を発揮する。
【0090】すなわち接点の導電率が、90%IACS
(実施例14)、70%IACS(実施例15)、20
%IACS(実施例16)の場合でも、接点中のCr
領域中に存在するFe量(Fe(Cr))とCu領域中に存
在するFe量(Fe(Cu))との合計Fe量(Fe
(Cu+Cr))、接点中の合計Fe量(Fe(Cu+Cr))中に
占めるCu領域中のFe量(Fe(Cu))、Cu領域中
に存在するFe量(Fe(Cu))の直径、Cr領域中に
存在するFe量(Fe(Cr))の平均間隔を前記所定の条
件内に制御する事によって、遮断特性の判定が(評価
A)〜(評価B)、耐電圧特性の判定も(評価A)〜
(評価B)を示し安定した値であった。
【0091】これに対して、接点の導電率を10%IA
CSとした接点(比較例8)では、遮断テスト中に高い
温度上昇が見られると共に遮断テスト後の接触抵抗値も
大きくかつ大幅にバラツキを示し好ましくない。その結
果、耐電圧特性の判定は(評価A)〜(評価B)を示し
安定した値であったが、遮断特性の判定が(評価Z)を
示し好ましくなかった。
【0092】従って、本発明の技術を適応する接点合金
の導電率は、20%IACS以上が好ましい。
【0093】(実施例17〜18、比較例9)前記実施
例1〜16、比較例8では,90%IACS(Cuが1
00%IACS)の導電率を持つ電極に前記接点を搭載
して、遮断特性、耐電圧特性を示した。
【0094】しかし本発明での電極の導電率は、上記9
0%IACSの場合に限る事なくその効果を発揮する。
【0095】すなわち電極の導電率が、100%IAC
S(実施例17)、70%IACS(実施例18)の場
合でも、接点中のCr領域中に存在するFe量(Fe
(Cr))とCu領域中に存在するFe量(Fe(Cu))との
合計Fe量(Fe(Cu+Cr))、接点中の合計Fe量
(Fe(Cu+Cr))中に占めるCu領域中のFe量(Fe(
Cu))、Cu領域中に存在するFe量(Fe(Cu))の
直径、Cr領域中に存在するFe量(Fe(Cr))の平
均間隔を前記所定の条件内に制御する事によって、遮断
特性の判定が(評価B)、耐電圧特性の判定も(評価
A)〜(評価B)示し安定した値であった。
【0096】これに対して、電極の導電率を50%IA
CSとした場合(比較例9)では、前記接点の場合(比
較例8)と同様に遮断テスト中に高い温度上昇が見られ
ると共に遮断テスト後の接触抵抗値も大きくかつ大幅に
バラツキを示し好ましくない。
【0097】その結果、耐電圧特性の判定は(評価A)
〜(評価B)を示し安定した値であったが、遮断特性の
判定が(評価Y)を示し好ましくなかった。
【0098】従って、本発明の技術を適応する電極、例
えば接点の背面に装着したコイル電極などの導電率は、
70%IACS以上が好ましい。
【0099】(実施例19〜20、比較例10)前記実
施例1〜18、比較例1〜9では、90%IACSの導
電率を持つ通電軸に前記接点を搭載して、遮断特性、耐
電圧特性を示した。
【0100】しかし本発明での通電軸の導電率は、上記
90%IACSの場合に限る事なくその効果を発揮す
る。
【0101】すなわち通電軸の導電率が、100%IA
CS(実施例19)、70%IACS(実施例20)の
場合でも、接点中のCr領域中に存在するFe量(F
(C r))とCu領域中に存在するFe量(Fe(Cu)))
との合計Fe量(Fe(Cu+Cr ))、接点中の合計Fe
量(Fe(Cu+Cr))中に占めるCu領域中のFe量(F
(Cu))、Cu領域中に存在するFe(Fe(Cu))の
直径、Cr領域中に存在するFe(Fe(Cr))の平均
間隔を前記所定の条件内に制御する事によって、遮断特
性の判定が(評価B)、耐電圧特性の判定も(評価A)
〜(評価B)示し安定した値であった。
【0102】これに対して、通電軸の導電率を50%I
ACSとした場合(比較例10)では、前記接点の場合
(比較例8)と同様に遮断テスト中に高い温度上昇が見
られると共に、遮断テスト後の接触抵抗値も大きくかつ
大幅にバラツキを示し好ましくない。その結果、耐電圧
特性の判定は(評価A)〜(評価B)を示し安定した値
であったが、遮断特性の判定が(評価X)を示し好まし
くなかった。
【0103】従って、本発明の技術を適応する通電軸の
導電率は、70%IACS以上が好ましい。
【0104】(実施例21〜22、比較例11〜12)
前記実施例1〜20、比較例1〜10では、CuCr合
金中に占めるCu量が75重量%の接点(75%Cu−
Cr)を搭載して、遮断特性、耐電圧特性を示した。
【0105】しかし本発明での接点は、上記75%Cu
−Crの場合に限る事なくその効果を発揮する。
【0106】すなわち90%Cu−Cr(実施例2
1)、40%Cu−Cr(実施例22)の場合でも、
接点中のCr領域中に存在するFe量(Fe(Cr))とC
u領域中に存在するFe量(Fe(Cu))との合計Fe量
(Fe(Cu+Cr))、接点中の合計Fe量(F
(Cu+Cr))中に占めるCu領域中のFe量(F
(Cu))、Cu領域中に存在するFe量(Fe(Cu)
の直径、Cr領域中に存在するFe(Fe(Cr))の平
均間隔を前記所定の条件内に制御する事によって、遮断
特性の判定が(評価A)、耐電圧特性の判定も(評価B
〜A)、(評価A)を示し安定した値であった。
【0107】これに対して、95%Cu−Crとした場
合(比較例11)では、遮断テスト中に溶着の発生が見
られ、その為に接点消耗、接点表面の荒れを招き再点弧
の発生も見られ、その結果、遮断特性の判定は(評価X
〜Z)であり、耐電圧特性の判定も(評価Z)を示し好
ましくなかった。
【0108】更に、15%Cu−Crとした場合(比較
例12)の接点では、接点中のCr領域中に存在する
Fe量(Fe(Cr))とCu領域中に存在するFe量(F
(C u))との合計Fe量(Fe(Cu+Cr))、接点中の
合計Fe量(Fe(Cu+Cr))中に占めるCu領域中のF
e量(Fe(Cu))Cu領域中に存在するFe(Fe(C
u))の直径、Cr領域中に存在するFe(Fe(Cr)
の平均間隔を前記所定の条件内に制御しているにもかか
わらず、遮断テスト中に高い温度上昇が見られると共
に、遮断テスト後の接触抵抗値も大きくかつ大幅にバラ
ツキを示し好ましくない。その結果、耐電圧特性の判定
は(評価A)を示し安定した値であったが、遮断特性の
判定が(評価X〜Z)を示し好ましくなかった。
【0109】従って、本発明の技術を適応する接点は4
0〜90重量%のCuを含有するCu−Cr合金が好ま
しい。
【0110】(変形例等)接点中のCu領域中に存在す
るFe(Fe(Cu))の一部または総て、接点中のCr領
域中に存在するFe(Fe(Cr))の一部または総てをN
iまたはCoの1つで置換しても同等の磁界分布の均一
効果を得て、遮断特性向上の効果を得る。
【0111】また、上記実施例、比較例では、合金中の
Cr領域中に存在するFe(Fe(C r))は平均間隔を
0.01〜15μmとしほぼ均一に分散している場合に
その効果を発揮することを説明したが、合金中のCu領
域中に分散しているFe(Fe (Cu))は平均間隔を0.
01〜5μmとしほぼ均一に分散していることが好まし
い。
【0112】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の真空遮断
器によれば、接点面、接点間の磁界の強さと分布を適切
に制御し、遮断性能の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例1〜13、及び比較例1〜7
の評価条件を示す表図。
【図2】 本発明の実施例14〜22、及び比較例8〜
12の評価条件を示す表図。
【図3】 本発明の実施例1〜7、及び比較例1〜4の
評価結果を示す表図。
【図4】 本発明の実施例8〜13、及び比較例5〜7
の評価結果を示す表図。
【図5】 本発明の実施例14〜20、及び比較例8〜
10の評価結果を示す表図。
【図6】 本発明の実施例21〜22、及び比較例11
〜12の評価結果を示す表図。
【図7】 代表的な真空バルブの二つの構成例を示す断
面図。
【符号の説明】
101…絶緑容器 102a…固定側蓋体 102b…可動側蓋体 103…真空容器 104…固定側接点 105…可動側接点 106…固定側通電軸 107…可動側通電軸 108…ベローズ 109…アークシールド M…可動側通電軸107の移動方向 40…コイル電極(固定側接点41の背面) 41…固定側接点 50…コイル電極(可動側接点51の背面) 51…可動側接点
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 草野 貴史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 丹羽 芳充 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 本間 三孝 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 (72)発明者 大島 巖 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中事業所内 Fターム(参考) 5G026 BB02 BB14 BC04 5G050 AA12 AA13 AA14 BA01 CA01 DA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器と、ベローズと、通電軸と、対向
    する一対の接点とを有する真空遮断器において、 前記接点は、10〜60重量%Crを含有し、Cr領域
    と、残部としてのCu領域とで構成されるCu−Cr合
    金から成り、 前記Cr領域中に存在するFe量と、前記Cu領域中に
    存在するFe量との合計量である総Fe量が、0.00
    2〜0.5重量%であることを特徴とする真空遮断器。
  2. 【請求項2】前記Cu領域中に占めるFe量は、前記C
    u−Cr合金中の総Fe量に対して、0.01〜20重
    量%であることを特徴とする請求項1に記載の真空遮断
    器。
  3. 【請求項3】前記Cu領域中に分散しているFeは、
    0.01〜5μmの間隙を持ってほぼ均一に分散したこ
    とを特徴とする請求項1に記載の真空遮断器。
  4. 【請求項4】前記Cu領域中のFeは、5μmよりも大
    きな粒子直径を持つFeが存在しない程度にほぼ均一に
    分散したことを特徴とする請求項1に記載の真空遮断
    器。
  5. 【請求項5】前記Cr領域中のFeは、0.01〜15
    μmの間隙を持ってほぼ均一に分散したことを特徴とす
    る請求項1に記載の真空遮断器。
  6. 【請求項6】前記接点は、少なくとも20%IACSの
    導電率を持つ合金であることを特徴とする請求項1乃至
    請求項5のいずれかに記載の真空遮断器。
  7. 【請求項7】前記対向する一対の接点の面とその接点間
    の空間に作用させる磁界を発生させる手段を備えたこと
    を特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の
    真空遮断器。
  8. 【請求項8】前記接点は、平板型接点であることを特徴
    とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の真空遮
    断器。
  9. 【請求項9】前記通電軸は、少なくとも70%IACS
    の導電率を持つものであることを特徴とする請求項1乃
    至請求項6のいずれかに記載の真空遮断器。
  10. 【請求項10】前記接点の背面にコイル電極を備え、こ
    のコイル電極は少なくとも70%IACSの導電率を持
    つものであることを特徴とする請求項1乃至請求項6の
    いずれかに記載の真空遮断器。
  11. 【請求項11】前記接点中のFeの一部または総てをC
    oまたはNiで置換したことを特徴とする請求項1乃至
    請求項6のいずれかに記載の真空遮断器。
  12. 【請求項12】真空容器と、ベローズと、通電軸と対向
    する一対の接点と、電極とを有する真空遮断器におい
    て、 前記接点は、10〜60重量%Crを含有し、Cr領域
    と、残部としてのCu領域とで構成されるCu−Cr合
    金から成り、 前記Cr領域中に存在するFe量と、前記Cu領域中に
    存在するFe量との合計量である総Fe量が、0.00
    2〜0.5重量%であり、前記Cu領域中に占めるFe
    量は、前記Cu−Cr合金中の総Fe量に対して、0.
    01〜20重量%を占め、 前記Cu領域中のFeは、0.01〜5μmの間隙を持
    って、かつ5μmよりも大きな粒子直径を持たない程度
    にほぼ均一に分散し、 前記Cr領域中のFeは、0.01〜15μmの間隙を
    持ってほぼ均一に分散し、 前記電極は、電流開閉時に接点間に発生するアークと平
    行な磁界を発生し、 前記通電軸は、少なくとも70%IACSの導電率を持
    つことを特徴とする真空遮断器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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