JP2001235950A - 定着ベルト及びその製造方法 - Google Patents

定着ベルト及びその製造方法

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JP2001235950A
JP2001235950A JP2000047039A JP2000047039A JP2001235950A JP 2001235950 A JP2001235950 A JP 2001235950A JP 2000047039 A JP2000047039 A JP 2000047039A JP 2000047039 A JP2000047039 A JP 2000047039A JP 2001235950 A JP2001235950 A JP 2001235950A
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Yoshinari Takayama
嘉也 高山
Junichi Nakazono
淳一 中園
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Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 20ppmを越える高速通紙の条件下におい
ても、十分な耐摩耗性を有する定着ベルト及びその製造
方法を提供する。 【解決手段】 耐熱性エンドレスベルト層と表面に設け
られた離型層とを有する定着ベルトにおいて、前記離型
層が、ビッカース硬度13Hv以上、表面粗さ(Ra)
0.4μm以下であり、厚さ25μm以上のフッ素樹脂
層であることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐熱性エンドレス
ベルト層と表面に設けられたフッ素樹脂の離型層とを有
する定着ベルト及びその製造方法に関し、特に、高速通
紙による定着に有用な技術である。
【0002】
【従来の技術】複写機、ファクシミリ、プリンター等の
画像形成装置において、転写紙に画像を定着する画像定
着法として、熱ロール定着法が知られている。この熱ロ
ール定着法は、熱ローラとプレスローラとを対向配置
し、転写紙を両ローラ間に送り込む方法であり、熱ロー
ラに内蔵されているヒータの発熱により転写紙に仮着さ
れたトナーを溶融定着させると共に、プレスローラによ
り加圧して定着を強固にし、それによって転写紙上にト
ナーによる画像を形成するものである。当該熱ロール定
着法による場合、ロール間の接触面積が小さい為、トナ
ーを転写紙に溶融定着させるためには圧力負荷を高めな
ければならなかった。さらに近年の高速化の要求によ
り、通紙速度が10ppmを越えると、ロール間の圧力
負荷も増大しなければならず、そのためロール表面のト
ナー離形層の摩耗が激しく、短いライフでオフセットが
生じると言う問題があった。
【0003】これら熱ローラ定着法の問題に対し、ベル
ト定着法が提案されている。このベルト定着法は、ロー
ラとべルトを対向配置した構成となっており、転写紙を
これらの間に送り込むことによってトナーを定着させ
る。この場合、加圧、加熱、駆動、離形という基本機能
は熱ローラ定着法と同様に必要であるが、これら機能は
ロール側に持たせても、ベルト側に持たせてもかまわな
い。このように片側を追従性の良いベルトにすること
で、接触面積を増やし、圧力負荷を低減することができ
る。しかし、このベルト定着法においても、通紙速度が
20ppmを越えると圧力負荷も更に高まるため、離形
層の耐摩耗性が重要となる。
【0004】ところで、従来より耐摩耗性の離形層を有
する定着ロール等として、特開平10−142990号
公報には、ロールにゴム層を介してフッ素樹脂層を形成
した定着ロールにおいて、フッ素樹脂層がPFA(平均
粒子径1〜15μm、分子量30万以上)20〜97w
t%とPTFE(平均粒子径1μm以下、分子量100
万以上)3〜80wt%で形成された定着ロールが開示
されている。
【0005】また、特開平10−186923号公報に
は、PFA(平均粒子径5μm以上、分子量65万以
上)もしくはPFA(平均粒子径5μm以上、分子量6
5万以上)20〜80重量%とPFA(平均粒子径1μ
m以下)80〜20重量%のフッ素樹脂層を有する定着
ベルト等が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、耐摩耗
性を向上させるべく、上記のように高い分子量を有する
PFAの離型層や、当該PFAとPTFEを混合した離
型層においても、20ppmを越える通紙に伴うシステ
ムの高圧力負荷の条件下においては、十分な耐摩耗性が
得られないことが判明した。即ち、PFAの粒子径が上
記のように大きく、しかも分子量が高い場合、溶融によ
る粒子の結着や組織の緻密化、平滑化が十分行いにく
く、上記公報に具体的に開示されている製造条件で得ら
れるものでは、硬度が不十分となり、その結果、耐摩耗
性が十分となっていた。
【0007】そこで、本発明の目的は、20ppmを越
える高速通紙の条件下においても、十分な耐摩耗性を有
する定着ベルト及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく、離型層の材料や形成工程等について鋭意
研究したところ、小粒径のフッ素樹脂粒子を用いて、溶
融による粒子の結着や組織の緻密化、平滑化を十分行う
ことにより、20ppmを越える高速通紙の条件下にお
いても、十分な耐摩耗性を有する高い硬度の離型層が形
成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】即ち、本発明の定着ベルトは、耐熱性エン
ドレスベルト層と表面に設けられた離型層とを有する定
着ベルトにおいて、前記離型層が、ビッカース硬度13
Hv以上、表面粗さ(Ra)0.4μm以下であり、厚
さ25μm以上のフッ素樹脂層であることを特徴とす
る。なお、本明細書で規定される各物性値の測定方法
は、実施例に記載の通りである。
【0010】上記において、前記離型層の結着力が鉛筆
硬度で3H以上であることが好ましい。
【0011】一方、本発明の製造方法は、メルトフロー
レートが3g/10min以下であり、平均粒子径が5
μm未満であるPFA粒子又はその分散液を塗布した
後、340℃以上で加熱する離型層の形成工程を有する
定着ベルトの製造方法である。
【0012】[作用効果]本発明の定着ベルトによる
と、実施例の結果が示すように、ビッカース硬度13H
v以上、表面粗さ(Ra)0.4μm以下であり、厚さ
25μm以上のフッ素樹脂層を離型層とするため、20
ppmを越える高速通紙の条件下においても、十分な耐
摩耗性を得ることができる。つまり、溶融によるフッ素
樹脂粒子の結着や組織の緻密化、平滑化が十分なことに
より、高いビッカース硬度と小さな表面粗さを得ること
ができ、厚さが十分なことと相まって、耐摩耗性が向上
すると考えられる。
【0013】前記離型層の結着力が鉛筆硬度で3H以上
である場合、離型層の下地層との結着力が高いため、よ
り確実に耐摩耗性を向上させることができる。
【0014】一方、本発明の製造方法によると、高分子
量で小粒径のPFA粒子を用いて、溶融による粒子の結
着や組織の緻密化、平滑化を十分行うことにより、高硬
度で平滑な離型層の形成することができる。その結果、
20ppmを越える高速通紙の条件下においても、十分
な耐摩耗性を有する定着ベルトの製造することができ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明の定着ベルトは、耐熱性エ
ンドレスベルト層と表面に設けられた離型層とを有する
ものであるが、耐熱性エンドレスベルト層と離型層の間
には、結着力を向上する為のプライマー層や、接触面積
を更に広げる為の弾性層などを設けてもよい。従って、
例えば耐熱性エンドレスベルト層に直接離型層を設けた
もの、プライマー層を介在させたもの、又は、弾性層を
更に介在させたもの等が挙げられる。なお、耐熱性エン
ドレスベルト層の内側にも、摺動性を高めるための摺動
性層などを設けてもよい。
【0016】各層の厚みは任意に設定できるが、耐熱性
エンドレスベルト層の厚さは5〜200μmの範囲に設
定するのが好ましい。5μm未満では、座屈が発生しや
すく、200μmを越えると繰り出される紙との分離角
度が小さくなり、トナーの離形性が低下する傾向があ
る。プライマー層の厚さは0.5〜10μmの範囲が好
ましい。0.5μm未満では結着力が低く、10μmを
越えると脆くなる傾向がある。弾性層の厚さは50〜1
000μmが好ましく、50μm未満ではトナーを均一
に融着しにくい傾向があり、1000μmを超えるとベ
ルト全体の熱伝導性、電気導電性、機械特性が低下する
傾向がある。離型層は25μm以上であり、30〜50
μmに設定するのが好ましい。25μm未満では通紙を
行なった時に、オフセットが発生するまでのライフが短
くなり、50μmを越えるとクラックが発生し易い傾向
がある。
【0017】耐熱性エンドレスベルト層の耐熱性は、定
着部で使用する温度から、熱変形温度(ASTM:D6
48)200℃(1.8MPa)以上で、PFA等を加
熱溶融する温度である340〜430℃で分解しない樹
脂や金属で、更に耐屈曲性に優れている材料が好まし
い。例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエー
テルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリ
ベンズイミダゾール等の耐熱性樹脂や、アルミニウム、
鉄、ニッケル、これらの合金等の金属が挙げられる。
【0018】このなかでも機械特性、耐熱性、屈曲性に
優れたポリイミド樹脂が最適である。ポリイミド樹脂
は、例えば、酸成分であるテトラカルボン酸二無水物
と、アミン成分であるジアミンの略等モルを適当な溶媒
に溶解して反応させポリアミド酸溶液を作製し、溶媒を
乾燥後に更に高温で重合(イミド転化)させることで得
ることができる。
【0019】なお、耐熱樹脂、金属はこれらを積層し
て、多層にしても良いし、また耐熱樹脂には有機、無機
フィラーをいれて熱特性、電気特性等をコントロールし
ても良いし、金属は単一組成の純金属でも、複数の組成
の合金でもよい。
【0020】耐熱樹脂に入れるフィラーについては、滑
り性を上げるためにはフッ素樹脂の添加を、熱導電性を
付与するには熱伝導性粒子の添加を、電気導電性を付与
するには電気導電性粒子の添加を行なえば良い。
【0021】具体的にはフッ素樹脂の材料としては、分
子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定され
るものではない。具体的にはポリテトラフルオロエチレ
ン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン
−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PF
A)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(E
TFE)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン
−フッ化ビニリデン共重合体 (TFE/VdF)、テ
トラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン−パ
ーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EP
A)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTF
E)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体
(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化
ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化
ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)
などが挙げられる。
【0022】熱導伝導性粒子としては、ダイヤモンド、
銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あるが、実用
的にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ
素、酸化ベリリウムが挙げられる。
【0023】電気導電性粒子としては、ポリアセチレ
ン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマ
ー、ケッチンブラック、アセチレンブラック等のカーボ
ンやグラファイト、銀、ニッケル、銅等の金属やこれら
合金及びマイカ、カーボン、ガラス等にメッキした複合
金属、酸化錫、酸化インジウム等の酸化金属、アニオ
ン、カチオン、ノニオン、両性を有する界面活性剤が挙
げられる。
【0024】本発明の定着ベルトは、離型層が、ビッカ
ース硬度13Hv以上、表面粗さ(Ra)0.4μm以
下であり、厚さ25μm以上のフッ素樹脂層であること
を特徴とする。ビッカース硬度13Hv未満では、高速
通紙の条件下において十分な耐摩耗性が得られず、表面
粗さ(Ra)0.4μmを超えると、耐摩耗性の低下と
共に、トナーの定着のバラツキが生じる。かかる観点よ
り、ビッカース硬度15Hv以上、表面粗さ(Ra)
0.3μm以下が好ましい。また、離型層の結着力が鉛
筆硬度で3H以上であることが好ましい。
【0025】使用可能なフッ素樹脂としては、テトラフ
ルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル
共重合体(PFA)、PFA変性PTFE、FEP、P
TFE等が挙げられるが、PFAが特に好ましい。
【0026】上記のような離型層は、本発明の製造方
法、即ち、メルトフローレートが3g/10min以下
であり、平均粒子径が5μm未満であるPFA粒子又は
その分散液を塗布した後、340℃以上で加熱する離型
層の形成工程により、好適に得ることができる。
【0027】フッ素樹脂のメルトフローレートは1〜3
g/10minが好ましく、より好ましくは1.5〜2
g/10minである。1g/10min未満だと塗布
後、340℃以上で加熱しても溶融しにくいため、脆
く、荒い皮膜となり、3g/10minを越えると溶融
は十分で、Ra0.4μm以下の平滑な表面は得られる
が、皮膜硬度が13Hv未満となり耐摩耗性に劣る傾向
がある。
【0028】PFAの平均粒子径は0.1μm以上5μ
m未満が好ましい。平均粒子径0.1μm未満だと凝集
しやすく、粒径分布が不均一となり、これを塗布、加熱
すると異常突起を生じる傾向がある。平均粒子径5μm
以上だとこれを塗布、加熱して形成した皮膜の表面が荒
れる傾向がある。
【0029】PFA粒子の塗布方法は、PFA粒子又は
その分散液を静電法、スプレー法、ディッピング法等で
塗布すればよい。なお、予め当該塗布方法等により形成
したチューブ状のものを被せてから、熱処理により収縮
させてもよい。
【0030】PFAを溶融するための加熱温度は、34
0〜430℃が好ましい。340℃未満では塗布時のP
FA粒子の溶融が不十分なため、平滑で、固い皮膜が得
られない。430℃を越えるとPFAの分解が進む傾向
がある。なお、加熱時間は加熱温度やフッ素樹脂の平均
粒子径にもよるが、10分間以上行うのが好ましい。
【0031】弾性層についても、定着温度に耐えうる材
料が好ましく、フッ素ゴム、シリコーンーゴムが挙げら
れる。これらゴムの柔らかさは架橋、発泡によって制御
できるが、好ましくはショアD硬度で80以下が好まし
い。80を超えると、フルカラートナーの定着の場合等
において、トナーを均一に融着できず、紙上の印刷体の
光沢度が低下したり、OHP上の印刷体の透明性が欠如
し、結果的に像がぼやけてしまう傾向がある。また弾性
層にも熱伝導性粒子、電気導電性粒子を分散させても良
い。
【0032】プライマー層としては、耐熱性エンドレス
ベルト層と、離型層又は弾性層との接着性を高める各種
市販のプライマーが使用でき、ポリイミド樹脂の耐熱性
エンドレスベルト層に対しては、ポリイミド系プライマ
ーが好適に使用される。
【0033】本発明の定着ベルトは、複写機、ファクシ
ミリ、プリンター等の画像形成装置の定着部に使用でき
るが、ベルト定着法を採用する定着部であれば何れの方
式でも使用可能である。例えば、ロール間に定着ベルト
を張設する方式、管状の定着ベルトを適当なステー等で
支持させる方式などに使用可能である。本発明は、特に
20ppmを越える高速通紙による定着に有用である
が、更に高速通紙の場合でも高い耐久性が期待できる。
また、優れた離型性により、画像のフルカラー化に充分
に対応することができる。
【0034】
【実施例】以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実
施例等について説明する。なお、定着ベルトの特性、評
価等は下記のようにして行った。
【0035】(1)ビッカース硬度 ビッカース硬度計(MH−400(NEC製))を用
い、圧子として対稜角80゜の三角圧子を使用し、押込
み深さ1〜2μm、押込み速度21nm/secにて測
定を行った。
【0036】(2)表面粗さ(Ra) 表面粗さ計(サーフコム554A(東京精密社製))を
カットオフ0. 32mm、測定長さ2.5mm、駆動速
度0.12mm/sec、触針荷重:400mgにて測
定を行った。
【0037】(3)鉛筆硬度 JIS K5400に基づく鉛筆硬度計(安田精機製作
所製)を用い、荷重500g、角度60°にて測定を行
った。
【0038】(4)メルトフローレ−ト ASTM(D3307)に基づいて測定した。
【0039】(5)引張弾性率 ASTM(D885)に基づいて測定した。
【0040】(実施例1)酸成分として3,3’,4,
4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物を、アミン
成分としてp−フェニレンジアミンの略等モルをN−メ
チル−2−ピロリドン(NMP)に溶解(モノマー濃度
20重量%)し、20℃で6時間反応させて回転粘度3
3000ポイズ(温度20℃、B型粘度計で測定)、対
数粘度2.6のポリアミド酸溶液を作製した。次いで、
70℃に加温してポリアミド酸溶液の粘度を1500ポ
イズに調整した。このポリアミド酸溶液を内径30.6
1mmの金型に塗布した後、外径29mmのピグを通過
させ、150℃の熱風を10min当て固形状態にし
た。更にこの金型を150℃から1.5℃/minで昇
温し220℃に達するまで加温し、2℃/minで降温
し、常温に戻した。金型からポリイミドベルトを離脱し
たあと、外径29.8mmのアルミパイプにポリイミド
ベルトを差し込み、100℃にアルミパイプとポリイミ
ドベルトを加温しながらポリイミド系プライマー(三井
デュポン製、K001−02)をスプレー塗布した。
【0041】次いで、平均粒子径0.3μm、メルトフ
ローレートが1.7g/10min(ASTM:D33
07)を有するPFA(分子量約85万)を水に分散さ
せた35%ディスパージョン液(三井デュポン、510
CL)をスプレー塗布し、400℃30min加熱し、
ポリイミドのイミド化とPFAの溶融とポリイミドとP
FAの結着を同時に行った。
【0042】ここで得られたベルトは内側から順に引張
弾性率8130N/mm2 、厚さ80μmのポリイミド
と1μm厚のプライマーと30μmのPFAで構成され
ていた。またPFA表面はビッカース硬度18Hv、R
a0.2μmであった。PFAの結着力は鉛筆硬度で4
H(23℃)となった。
【0043】このベルトの内部に滑りシートを有する支
持体を設置し、このべルトと平行となるようにアルミロ
ールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロール(表面温
度180℃、以下同じ)を加圧し、トナーの定着を行っ
た。速度20ppmで、目標ライフである10万枚を通
紙したがオフセットは見られなかった。
【0044】(実施例2)実施例1のN−メチル−2−
ピロリドン(NMP)に予めカーボンブラック13wt
%(キャボット社製、バルカン)を分散させる以外は、
実施例1と同様にして重合し、粘度1500ポイズのポ
リアミド酸溶液を得た。このポリアミド酸溶液を内径3
0.61mmの金型に塗布した後、外径29mmのピグ
を通過させ、150℃の熱風を10min当て固形状態
にした。更にこの金型を150℃から1.5℃/min
で昇温し220℃に達するまで加温し、2℃/minで
降温し、常温に戻した。金型からポリイミドベルトを離
脱したあと、外径29.8mmのアルミパイプにポリイ
ミドベルトを差し込み、100℃にアルミパイプとポリ
イミドベルトを加温しながらポリイミド系プライマー
(三井デュポン製、K001−02)をスプレー塗布し
た。
【0045】次いで、平均粒子径0.3μm、メルトフ
ローレートが1.7g/10min(ASTM:D33
07)を有するPFAを水に分散させた35%ディスパ
ージョン液(三井デュポン製、510CL)をスプレー
塗布し、400℃60min加熱し、ポリイミドのイミ
ド化とPFAの溶融とPFAの結着を同時に行った。
【0046】ここで得られたベルトは内側から順に引張
弾性率8580N/mm2 ,厚さ80μmのカーボン入
りポリイミドと1μm厚のプライマーと30μmのPF
Aで構成されていた。またPFA表面はビッカース硬度
20Hv、Ra0.1μmであった。PFAの結着力は
鉛筆硬度で5H(23℃)となった。
【0047】このベルトの内部に滑りシートを有する支
持体を設置し、このベルトと平行となるようにアルミロ
ールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロールを加圧
し、トナーの定着を行った。速度20ppmで、10万
枚を通紙したがオフセットは見られなかった。
【0048】(比較例1)実施例1において、PFAデ
ィスパージョン液を、平均粒子径0.3μm、メルトフ
ローレートが17g/10min(ASTM:D330
7)のPFA(分子量約15万)35%ディスパージョ
ン液(三井デュポン製、500CL)に変える以外は実
施例1と同様にしてベルトを作成した。
【0049】ここで得られたベルトは内側から順に引張
弾性率8130N/mm2 、厚さ80μmのポリイミド
と1μm厚のプライマーと30μmのPFAで構成され
ていた。またPFA表面はビッカース硬度11Hv、R
a0.16μmであった。PFAの結着力は鉛筆硬度で
4H(23℃)となった。
【0050】ここで得られたベルトの内部に滑りシート
を有する支持体を設置し、このベルトと平行となるよう
にアルミロールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロー
ルを加圧し、トナーの定着を行った。速度20ppm
で、通紙を行なった。オフセットは6万枚で発生し、P
FA皮膜の摩耗も激しく、特に紙のエッジに当るところ
から内側に10mm程度の幅で下地のポリイミドが露出
していた。
【0051】(比較例2)実施例1において、ポリイミ
ドのイミド化とPFAの溶融とポリイミドとPFAの結
着を同時に行う加熱温度を320℃で60min処理す
る以外は実施例1と同様にしてベルトを作成した。
【0052】ここで得られたベルトは内側から順に引張
弾性率8130N/mm2 、厚さ80μmのポリイミド
と1μm厚のプライマーと30μmのPFAで構成され
ていた。またPFA表面はビッカース硬度14Hv、R
a0.5μmであった。PFAの結着力は鉛筆硬度で2
H(23℃)となった。
【0053】ここで得られたベルトの内部に滑りシート
を有する支持体を設置し、このべルトと平行となるよう
にアルミロールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロー
ルを加圧し、トナーの定着を行った。速度20ppm
で、通紙を行った。オフセットは8万枚で発生した。P
FA皮膜はランダムに微少領域で脱落するかたちで剥が
れた。
【0054】(比較例3)実施例1において、PFAデ
ィスパージョン液の塗布量を少なくする以外は実施例1
と同様にしてベルトを作成した。ここで得られたベルト
は内側から順に引張弾性率8130N/mm2 、厚さ8
0μmのポリイミドと1μm厚のプライマーと20μm
のPFAで構成されていた。またPFA表面はビッカー
ス硬度18Hv、Ra0.2μmであった。PFAの結
着力は鉛筆硬度で2H(23℃)となった。
【0055】ここで得られたベルトの内部に滑りシート
を有する支持体を設置し、このべルトと平行となるよう
にアルミロールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロー
ルを加圧し、トナーの定着を行った。速度20ppm
で、通紙を行った。オフセットは8万枚で発生し、PF
A皮膜の摩耗により、特に紙のエッジに当るところから
内側に10mm程度の幅で下地のポリイミドが露出して
いた。
【0056】(比較例4)実施例1において、使用した
PFAディスパージョン液に代えて、平均粒子径7μ
m、メルトフローレートが1〜3g/10minを有す
るPFA(旭硝子社製、TW−6507:分子量約90
万)を、PFAディスパージョン液(三井デュポン、5
10CL)に固形分重量比が1:1になるように添加し
た後、純水で希釈した35%ディスパージョン液を用
い、またポリイミドのイミド化とPFAの溶融とポリイ
ミドとPFAの結着を同時に行う加熱温度を350℃で
20min処理する以外は実施例1と同様にしてベルト
を作成した。
【0057】ここで得られたベルトは内側から順に引張
弾性率8130N/mm2 、厚さ80μmのポリイミド
と1μm厚のプライマーと30μmのPFAで構成され
ていた。またPFA表面はビッカース硬度12Hv、R
a2μmであった。PFAの結着力は鉛筆硬度で2H
(23℃)となった。
【0058】ここで得られたベルトの内部に滑りシート
を有する支持体を設置し、このベルトと平行となるよう
にアルミロールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロー
ルを加圧し、トナーの定着を行った。速度20ppm
で、通紙を行なった。オフセットは4万枚で発生し、P
FA皮膜の摩耗も激しく、特に微少領域において通紙初
期より脱落が生じていた。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 耐熱性エンドレスベルト層と表面に設け
    られた離型層とを有する定着ベルトにおいて、前記離型
    層が、ビッカース硬度13Hv以上、表面粗さ(Ra)
    0.4μm以下であり、厚さ25μm以上のフッ素樹脂
    層であることを特徴とする定着ベルト。
  2. 【請求項2】 前記離型層の結着力が鉛筆硬度で3H以
    上である請求項1記載の定着ベルト。
  3. 【請求項3】 メルトフローレートが3g/10min
    以下であり、平均粒子径が5μm未満であるテトラフル
    オロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共
    重合体(PFA)の粒子又はその分散液を塗布した後、
    340℃以上で加熱する離型層の形成工程を有する定着
    ベルトの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006227060A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Nitto Denko Corp 定着ベルト

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