JP2006227060A - 定着ベルト - Google Patents

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Yoshinari Takayama
嘉也 高山
Hiroshi Ukai
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Abstract

【課題】高速での連続駆動によっても、ベルトの変形を生じさせず、座屈、裂けが生じにくい、耐久性に優れた定着ベルトを提供する。
【解決手段】本発明の定着ベルトは、ポリイミド層を備えた定着ベルトにおいて、ポリイミド層表面のビッカース硬度が90〜120Hvであることを特徴とする。上記定着ベルトにおいて、前記ポリイミド層の外周面に、ゴム弾性層若しくはフッ素樹脂離型層またはその両方をさらに有することが好ましく、ベルト切断面の端面精度は0.5mm以下であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミド層を備える定着ベルトに関し、特に、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の定着ベルトとして有用である。
従来から、ポリイミド樹脂材料は、その高い機械的強度、耐熱性等の理由から宇宙航空分野から電気電子材料まで幅広い分野において実用化されている。その中でもポリイミド樹脂製シームレス状管状体は、複写機、レーザービームプリンタ、ファクシミリ等の電子写真画像形成装置の定着ベルト、転写ベルト、中間転写ベルト、搬送ベルト、感光体ベルト等の機能性ベルト及びこれらの基材として使用されている。定着ベルトは、例えば、図1に示すように、加熱ロール3と分離ロール5の間に定着ベルト4を掛け回し、定着ベルト4を介して加熱ロール3を押圧する加圧ロール1を設けて定着ベルト4と加圧ロール1間でトナーが仮着された転写紙2を加熱ベルト3と加圧ロール1の間に送紙し、トナーを溶融定着させて画像を形成するベルト定着方式に用いられる。この方式においては、未定着トナー像を加圧加熱しながら転写体を搬送するため、ロール間の張設に耐え得る強度、ロールの加熱温度に耐え得る耐熱性、ベルト端部で寄りを制御する際、座屈や裂けを起こさないような剛性や端面の平滑性、過剰トナーを分離させるために必要なフレキブル性(柔軟性)を備えた定着ベルトが強く要求される。
これらを解決する方法として、熱伝導性無機フィラー30〜250重量部をポリアミド酸溶液に混練した後、イミド化促進剤と添加混合した溶液を筒状SUSにキャストし、熱処理することで得られる、熱伝導率と引裂強度に優れたベルトが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、全芳香族ポリイミドの前駆体溶液に導電性カーボンブラックとpKb5以上の塩基性有機化合物とを主成分した成形原液を金属製円筒体内に塗布し、加熱することで得られる、耐屈曲性と反復耐電圧性に優れた半導電性全芳香族ポリイミド系無端環状フィルムが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004‐138655号公報 特開2003‐213014号公報
しかしながら、前記特許文献1記載のベルトは、引裂強度が向上することで成形中及び成形後の割れやつぶれは抑制できるものの、熱伝導性無機フィラーの影響で、ベルト端面が荒れてしまうため、ベルト駆動上裂けに対しては弱いものとなっていた。また、前記特許文献2記載のベルトは、ロール間に張設した状態で駆動させた場合、屈曲疲労に対する効果はあるものの、ベルト端部に応力が加わった場合、座屈、裂けが生じ易かった。
そこで、本発明の目的は、駆動ベルトの端部寄りに対し、ベルトの変形を生じさせず、ベルト端部に応力が加わった場合でも、座屈、裂けが生じにくい、耐久性に優れた定着ベルトを提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究したところ、下記の如き本発明によりこれを達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の定着ベルトは、ポリイミド層を備える定着ベルトにおいて、ポリイミド層表面のビッカース硬度が90〜120Hvであることを特徴とする。本発明の定着ベルトは、剛性と柔軟性をバランスよく装備しており、ベルト切断の際の端面の平滑性にも優れる。このため、ベルト端部で寄りを制御する際、ベルトの座屈や裂けが発生しにくく、高い耐久性を実現することができる。また、適度の柔軟性によりに過剰に付着したトナーを容易に分離することでき、オフセットを防止することができる。
上記定着ベルトにおいて、前記ポリイミド層の外周面に、ゴム弾性層若しくはフッ素樹脂離型層またはその両方を有することが好ましい。前記ポリイミド層は適度の柔軟性を有するため、複合体ベルトとした場合でも、ベルト切断時のベルト端面の荒れが生じにくい。このため、かかる構成の定着ベルトは、ベルト端面の荒れに起因するベルトの裂けや座屈を防止することができる。また、弾性層の弾力性によりロール間の接触面積を大きくすることができ、トナーを転写紙に溶融定着させる際の圧力負荷を抑えることができる。さらに、フッ素樹脂離型層の低摩擦特性により、摺動性、離型性、耐磨耗性に優れた定着ベルトを提供することができる。
また、上記定着ベルトにおいて、ベルト切断面の端面精度は0.5mm以下であることが好ましい。かかる定着ベルトは、ベルト切断面の平滑性が高いため、端面の荒れに起因するベルトの裂け、座屈をより確実に防止することができる。
なお、本発明で規定される各物性値の測定方法は実施例に記載の通りである。
本発明の定着ベルトは、ポリイミド層を備えるものであり、例えば次の方法で製造することができる。まず、ポリアミド酸溶液を円筒状金型の内表面に、円筒状金型が回転しながらディスペンサーの供給部の軸方向に移動することにより塗布し、遠心法でレベリング及び脱泡する。塗布に関しては、ディスペンサー等で、ポリアミド酸溶液を金型の内表面に付着させた後、剛球等で所定の厚さに仕上げても良い。次いで、ポリアミド酸溶液を加熱または溶媒抽出等により固化または硬化し、更に高温で加熱することでイミド転化することにより得られる。
ポリアミド酸溶液は、公知のものを使用することができ、酸二無水物とジアミンを溶媒中で重合反応させて得られるポリアミド酸溶液が使用される。芳香族ポリイミド樹脂であると、得られるベルトの機械的強度や耐熱性が好適なものが得られる。
好適な酸二無水物の例として、ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’‐ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,6,7‐ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,2,5,6‐ナフタレンテトラカルボン酸二無水物、1,4,5,8‐ナフタレンテトラカルボン酸二無水物等が挙げられる。
一方、ジアミンの例としては、4,4’‐ジアミノジフェニルエーテル、4,4’‐ジアミノジフェニルメタン、3,3’‐ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロベンジジン、4,4’‐ジアミノジフェニルスルフィド、3,3’‐ジアミノジフェニルスルフォン、1,5‐ジアミノナフタレン、m‐フェニレンジアミン、p‐フェニレンジアミン、3,3’‐ジメチル−4,4’−ビフェニルジアミン、ベンジジン、3,3’‐ジメチルベンジジン、3,3’‐ジメトキシベンジジン、4,4’‐ジアミノジフェニルスルフォン、4,4’‐ジアミノジフェニルスルフィド、4,4’‐ジアミノジフェニルプロパン等が挙げられる。
これらの酸無水物とジアミンを重合反応させる際の溶媒としては適宜なものを用いうるが、溶解性等の点から極性溶媒が好ましく用いられ、具体的には、N,N‐ジメチルホルムアミド、N,N‐ジメチルアセトアミド、N,N‐ジエチルホルムアミド、N,N‐ジエチルアセトアミド、N,N‐ジメチルメトキシアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホルトリアミド、N‐メチル‐2‐ピロリドン、ピリジン、ジメチルスルホキシド、テトラメチレンスルホン、ジメチルテトラメチレンスルホン等が挙げられる。これらは単独で用いても構わないし、併せて用いても差し支えない。さらに、上記有機極性溶媒にクレゾール、フェノール、キシレノール等のフェノール類、ベンゾニトリル、ジオキサン、ブチロラクトン、キシレン、シクロへキサン、ヘキサン、ベンゼン、トルエン等を単独もしくは併せて混合することもできる。
上記の酸無水物(a)とジアミン(b)とを上記有機極性溶媒中で反応させることによりポリアミド酸溶液が得られる。その際のモノマー濃度(溶媒中における(a)+(b)の濃度)は、種々の条件に応じて設定されるが、5〜30重量%が好ましい。また、反応温度は80℃以下に設定することが好ましく、特に好ましくは5〜50℃であり、反応時間は0.5〜10時間が好ましい。
イミド転化後のポリイミド層表面のビッカース硬度は、90〜120Hvが好ましく、95〜115Hvがさらに好ましい。90Hvより小さいとベルト駆動において座屈が生じやすく、120Hvを越えると被覆されるゴム弾性層もしくはフッ素樹脂離型層との硬度差が大きくなり、ベルト切断の際、端面に荒れが生じ好ましくない。
ポリイミド層の厚さは、50μm〜200μmの範囲となるように設定するのが好ましい。ポリイミド層の厚さが50μm未満では、寄り制御でかかる負荷にベルト端部の剛性が負け、ベルトが座屈しやすくなり好ましくない。200μm を超えると、複合体として切断する場合、端面精度が得られなくなるため好ましくない。
ポリイミド層表面のビッカース硬度が90Hv〜120Hvのポリイミドベルトは、ポリイミドの組成、充填剤の種類と含有量を適正にすることで得られる。例えば、ポリイミドの組成では、酸二無水物を3,3’,4,4’‐ビフェニルテトラカルボン酸二無水物とした場合、ジアミン成分に4,4’−ジアミノジフェニルエーテルを選べば、硬度を小さくでき、p‐フェニレンジアミンを選べば、硬度を大きくすることができる。充填剤の場合、例えば電気特性を得るためにカーボンを選定した場合、その充填量はポリイミド固形分100重量部に対し、カーボンフィラー8〜28重量部が好ましい。8重量部より小さいと表面抵抗率が1×1014Ω/□を超え、導電機能が得られず、好ましくない。28重量部を超えると複合体を切断する際に、端面荒れを生じ、好ましくない。
前記充填剤としては、滑り性を向上させる場合には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(TFE/VdF)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などのフッ素樹脂等が挙げられる。熱伝導性を付与する場合には、ダイヤモンド、銀、銅、アルミニウム、大理石、ガラス等あるが、実用的にはシリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素、酸化ベリリウムが挙げられる。電気導電性を付与する場合には、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリチオフェン等の導電性ポリマー、ケッチンブラック、アセチレンブラック等のカーボンやグラファイト、銀、ニッケル、銅等の金属やこれら合金及びマイカ、カーボン、ガラス等にメッキした複合金属、酸化錫、酸化インジウム等の酸化金属、アニオン、カチオン、ノニオン、両性を有する界面活性剤が挙げられる。
また、本発明において、ベルト切断面の端面精度を向上させるためには、粒状の充填剤を含まないことが好ましく、粒状の充填剤を含む場合であっても一次平均粒径が50nm以下の充填剤を用いるのが好ましい。かかる観点から、例えばカーボンブラックが好ましい。
本発明の定着ベルトにおいて、前記ポリイミド層の外周面に、ゴム弾性層若しくはフッ素樹脂離型層またはその両方を有することが好ましい。また、各層間にプライマー層を設けてもよい。したがって例えば、ポリイミド層に、直接フッ素樹脂離型層を設けたもの、直接弾性層を設けたもの、弾性層およびフッ素樹脂離型層を設けたもの、または各層間にプライマー層を介在させたもの等を挙げることができる。
ゴム弾性層の材料としては、定着温度に耐えうる材料が好ましく、シリコーンゴム、フッ素ゴム等が挙げられる。これらゴムの柔らかさは架橋、発泡によって制御できる。ベルトに弾力性を付与する観点から、その硬度(JIS−A)は、60以下が好ましく、40以下がより好ましい。
また、フッ素樹脂離型層の材料としては、分子内にフッ素原子を含むものであればよく特に限定されるものではない。具体的にはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とその変性物、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体(ETFE)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、テトラフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(TFE/VdF)、テトラフルオロエチレン−へキサフルオロプロピレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(EPA)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体(ECTFE)、クロロトリフルオロエチレン−フッ化ビニリデン共重合体(CTFE/VdF)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリフッ化ビニル(PVF)などが挙げられるが、PFA、ETFEが更に好ましい。
更に、ゴム弾性層にはシリカ、ベンガラ等の充填剤を、またフッ素樹脂離型層には、カーボン等の充填剤を添加し、導電性、熱伝導性等の機能を付与させるとともに硬度を制御し、ポリイミド層との硬度差を減らし、複合体ベルトの切断をスムーズにすることで、端面精度を向上することができる。
この場合、充填剤の量は1〜30wt%が好ましい。1wt%未満だと、充填剤の持つ機能が十分発揮されず、30wt%を超えると切断の際、平滑な端面が出ないだけでなく、クッション性等のゴムに起因する特性や、摺動性、離型性等のフッ素樹脂に起因する効果が十分発揮できない。
また、各層の接着力を向上させるため、各層間にプライマー層を設けてもよい。プライマー層としては、ポリイミド層とフッ素樹脂離型層又は弾性層との接着を高める各種市販のプライマーが使用できるが、ポリイミド系プライマーが好適に使用される。
ゴム弾性層の厚さは、特に限定されないが、100μm〜1500μmが好ましい。厚さが100μm未満では、トナーを均一に融着しにくい傾向があり、1500μm を超えるとベルト全体の熱伝導性、電気導電性、機械特性が低下する傾向がある。フッ素樹脂離型層の厚さは、5μm〜100μmが好ましい。厚さが5μm未満では、ライフサイクルが短く、不利であり、100μmを超えるとクラックが発生し易い傾向がある。プライマー層の厚さは、0.5〜10μmの範囲が好ましい。0.5μm未満では結着力が低く、10μmを越えると脆くなる傾向がある。また、定着ベルト全体の厚さは、ベルトとしての特性が発揮される限り特に限定されないが、一般的には、総厚で50μm〜300μmの範囲に設定するのが好ましい。50μm未満では座屈しやすく、300μmを越えるとトナーの離形性が低下するので好ましくない。
また、本発明の定着ベルトにおいて、ベルト切断面の端面精度は0.5mm以下が好ましく、0.3mm以下が更に好ましい。0.5mmを越えると、ベルト駆動上、裂けが生じやすくなり好ましくない。また、ベルトの端面精度は、ベルトと被覆層(弾性層やフッ素樹脂離型層)との硬度差が大きくても生じやすいが、切断方法や状態によっても影響される。切断方法で重要なファクターとしては刃の厚さ、刃に当接する支持体の構成、丸刃と環状ワークの場合、夫々における回転の有無が挙げられる。刃の厚さは0.5mm以下が好ましい。また、これと当接する支持体側には刃のダメージを避けるために溝を形成する必要があるが、溝の幅は1mm以下が好ましい。丸刃と環状ワークの回転の有無については、固定した丸刃と回転させた環状ワークの組み合わせが好ましい。回転しているワークに回転している刃が入る場合、また固定したワークの周囲を刃が移動する場合、刃の振幅が生じ、これによりワークに2重切れが発生し好ましくない。
ゴム弾性層もしくはフッ素樹脂離型層をポリイミド層に被覆し、二層ベルトを成形する方法としては、ポリイミドベルトを成形した後に、スプレー、ディスペンサー等でゴムを塗布し、乾燥、加硫もしくは、加熱溶融する方法が挙げられる。
一方、ゴム弾性層及びフッ素樹脂離型層をポリイミド層に被覆し、三層ベルトを成形する方法としては、ポリイミドベルトとフッ素樹脂チューブに隙間が空くように固定し、その隙間にゴムを注入した後に加熱し、ゴムの加硫とフッ素の溶融を同時に行う方法が挙げられる。更に、1つの金型内面にフッ素樹脂離型層、ゴム弾性層及びポリイミド層を順次スプレーコート、浸漬、ディスペンサー塗布等で積層する方法が挙げられる。この場合、融点が高いフッ素樹脂離型層を先に溶融した後、内側にゴム弾性層、ポリイミド層を重ねていく工程が、ゴム弾性層の熱劣化を防止でき好ましい。
本発明の定着ベルトは、複写機、ファクシミリ、プリンター等の画像形成装置の定着部に使用できるが、ベルト定着法を採用する定着部であれば何れの方式にも使用可能である。例えば、ロール間に定着ベルトを張設する方式、管状の定着ベルトを適当なステー等で支持させる方式などに使用可能である。本発明は、特に高速通紙の場合でも高い耐久性を実現できる。また、優れた離型性により、画像のフルカラー化に十分対応することができる。
以下、本発明の構成と効果を具体的に示す実施例等について説明する。なお、実施例等における評価項目は下記のようにして測定を行った。
(1)ビッカース硬度
ビッカース硬度計(NEC製、MH−4000)を用い、圧子として三角錐ダイヤモンドを使用し、測定(押し込み)深さ1μm、押し込み速度10.5nm/secにて測定を行った。
(2)端面精度
定着ベルトを端面精度測定器(自社製)の垂直軸にはめ込み、ゴムローラーにて定着ベルトを回転させた。一方、本ベルトの端部にはピックアップ式の測定レバーとレーザー式変位センサー(キーエンス社製、LB−02)を設け、定着ベルトの回転で生じる測定レバーの変動値をセンサーで読み取った。読み取った値の最大値と最小値の差を算出し、端面精度とした。
<実施例1>
酸成分である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1モルと、ジアミン成分であるp−フェニレンジアミンを略当モルでN−メチル−2−ピロリドン(NMP)1610gに溶解(モノマー濃度20重量%)し、窒素雰囲気中において室温で攪拌しながら反応させ、次いで70℃に加温しつつ攪拌して23℃におけるB型粘度計(東京計器社製、BH)による粘度が2000ポイズのポリアミド酸溶液を作製した。次いで、長方形状のダイス型ディスペンサーを固定しつつ、長さ900mm、直径30mmφの円筒状金型を回転させながら上記ポリアミド酸溶液を円筒状金型内面の一方端から他方端まで供給しつつ移動させ円筒状金型内面にスパイラル状に乾燥後80μmとなるように塗布(ラップ量1mm、ギャップ量0.7mm)し、そのまま金型を3000rpmで3分間回転させながら塗膜面のラッピング部分の凹凸をレべリングし、均一な塗膜面を得た。次いで金型を60rpmで回転させながら、220℃まで段階的に加熱し、イミド転化の促進と溶媒の除去を行った。
円筒状金型から離型したベルト基材にポリイミド系プライマー(三井デュポン製、K001‐02)を乾燥後1μmとなるようにスプレー塗布した上に、メルトフローレートが1.7g/10min(ASTM:D3307)を有するPFAを水に分散させた35%ディスパージョン液(三井デュポン製、511CL)を乾燥後厚さ30μmとなるようにスプレー塗布し、アルミパイプに挿し替え、400℃で60分間シンターした。アルミパイプから抜き取った後、ワークを回転させたところに、固定丸刃を挿入させる切断機(自社製)で切断し、330mmの長さにした。ここで得られたベルト基材のビッカース硬度はポリイミド層で100Hv、PFAで12Hvとなった。また、切断面の端面精度は0.05mmとなった。
次に、このベルトの内部に滑りシートを有する支持体を設置し、このベルトと平行となるようにアルミロールの上にシリコーンゴムを施した加熱ロールを加圧した状態で空駆動を行った。実際には紙を通さないが、印刷速度20ppmで、10万枚を通紙した分だけ、駆動したが、裂け、座屈は見られなかった。
<実施例2>
実施例1のポリイミド固形分100重量部に対し、ケッチェンブラック(ライオン社製)12重量部となるように、ケッチェンブラックを含んだNMP分散液を重合時に加えたこと以外は同様とした。結果、ポリイミド層のビッカース硬度は106Hv、表面抵抗率は1×103.8Ω/□となった。また、切断後、PFAとの複合体の端面精度は0.1mmとなり、10万枚分の空駆動においても、裂け、座屈は見られなかった。
<実施例3>
実施例1のポリイミド固形分100重量部に対し、バルカン(キャボット社製)20重量部となるように、バルカンを含んだNMP分散液を重合時に加えたこと以外は同様とした。結果、ポリイミド層のビッカース硬度は111Hv、表面抵抗率は1×10Ω/□となった。また、切断後、PFAとの複合体の端面精度は0.15mmとなり、10万枚分の空駆動においても、裂け、座屈は見られなかった。
<実施例4>
2040gのN−メチル‐2‐ピロリドン(NMP)中に、ポリイミド固形分100重量部に対し23重量部となるようにファーネスブラック(デグサ社製)を含んだNMP分散液に、酸成分である3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物1モルと、ジアミン成分であるp‐フェニレンジアミンと4,4’−ジアミノジフェニルエーテルの混合物(モル比8:2)を略等モルで溶解し、攪拌しながら反応させて、3000ポイズの半導電性ポリアミド酸溶液を得た。次に、上記半導電性ポリアミド酸溶液を内径70mm、長さ850mmの円筒状金型の内面にディスペンサーで塗布後、1000rpmで10分間回転させ均一な塗膜面を得た。40rpmで回転させながら、金型内側の塗膜面に130℃の熱風を20分間あて、固化した膜を形成した。その後、200℃で20分間、360℃で20分間加熱し、イミド転化を行い、直径70mm、ビッカース硬度102Hv、表面抵抗率1×1011Ω/□のポリイミドベルトを得た。
次に、このベルトにメチルシリコーンゴム(東レダウコーニング製、DX35‐2083)をスプレーコートした後、加熱し、厚さ200μm、硬度(JIS−A)8の弾性層を形成した。更に、このシリコーンゴム上にプライマー(三井デュポンフロロケミカル製、PRM‐027‐3)及びFEP分散塗料(三井デュポンフロロケミカル製、ENA‐020−45)をスプレーコートと加熱を行って、夫々厚さ10μm、20μm、ビッカース硬度40Hv、10Hvの離型層を形成した。更に、この複合ベルトを長さ360mmとなるように、実施例1と同様の切断機で切断し、定着ベルトとした。このベルトの切断面の端面精度は0.3mmとなった。
得られた定着ベルトを直径40mmのシリコーンゴムで被覆したアルミニウム製加熱ロールと直径20mmのPFAで被覆したアルミニウム製分離ロールで張設させ、加熱ロールに当接する定着ベルト部に反対側から直径40mmのシリコーンゴムで被覆したアルミニウム製加圧ロールを圧力0.2Mpaかけることにより、ニップ幅を10mmに設定した。加熱ロール温度170℃、定着ベルトの線速120mm/secとし、定着ベルト面にトナーが来るように記録紙を流した。結果、トナー定着後、剥離オフセットを起こさなかった。また10万枚印刷した後も、ベルトの座屈、裂け、ベルトの層間剥離は見られなかった。
<比較例1>
実施例3のバルカンを30重量部とすること以外は同様とした。結果、ポリイミド層のビッカース硬度は122Hv、表面抵抗率は1×10Ω/□となった。また、切断後、PFAとの複合体の端面精度は0.55mmとなり、1万枚分の空駆動において、裂けが生じた。
<比較例2>
実施例4のジアミンのモル比を5:5とすること以外は同様とした。結果、ポリイミド層のビッカース硬度は84Hv、表面抵抗率は1×1014Ω/□となった。また、切断後、複合体の端面精度は0.25mmとなったが、1万枚分の空駆動において、座屈が生じた。
Figure 2006227060
表1の結果が示すように、実施例1〜4では、10万枚印刷によっても、ベルトの座屈、裂けが発生しなかった。一方、カーボンブラックの増量によりビッカース硬度が高すぎる比較例1では、1万枚印刷によって、ベルトの裂けが発生した。ジアミンのモル比を変えることによってビッカース硬度が低すぎる比較例2では、1万枚印刷によって、ベルトの座屈が発生した。
写真画像形成装置における定着ベルトの使用状態を説明するための概略図
符号の説明
1 加圧ロール
2 紙およびトナー
3 加熱ロール
4 定着ベルト
5 分離ロール

Claims (3)

  1. ポリイミド層を備える定着ベルトにおいて、ポリイミド層表面のビッカース硬度が90〜120Hvであることを特徴とする定着ベルト。
  2. 前記ポリイミド層の外周面に、ゴム弾性層若しくはフッ素樹脂離型層またはその両方を有することを特徴とする請求項1記載の定着ベルト。
  3. ベルト切断面の端面精度が0.5mm以下であることを特徴とする請求項2記載の定着ベルト。
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