JP2001235896A - 現像剤および画像形成方法 - Google Patents

現像剤および画像形成方法

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JP2001235896A JP2000043668A JP2000043668A JP2001235896A JP 2001235896 A JP2001235896 A JP 2001235896A JP 2000043668 A JP2000043668 A JP 2000043668A JP 2000043668 A JP2000043668 A JP 2000043668A JP 2001235896 A JP2001235896 A JP 2001235896A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 現像同時クリーニング方法を用いた現像装置
において、トナーカートリッジ内で現像剤が少なくなる
まで繰り返し使用しても良好な画像が得られる現像剤、
画像形成方法、および画像形成装置を提供する。 【解決手段】 結着樹脂および着色剤を含有するトナー
粒子と、無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも有
する現像剤において、無機微粉末の平均1次粒子径を4
〜80nmとし、導電性微粉末を、その体積平均粒径が
0.5〜10μmであり、この導電性微粉末の現像剤全
体に対する含有量をE質量%とし、粒子径が0.5μm
以下の導電性微粉末の導電性微粉末全体に対する体積比
をF体積%とした場合に、次式 E×F<40 を満足させる構成とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置、静
電記録装置、磁気記録装置などに用いられる現像剤及び
このような現像剤を用いた画像形成方法に関する。
【0002】また、本発明は、予め像担持体上にトナー
画像を形成後、記録媒体上にトナー画像を転写させて画
像形成する複写機、プリンタ、ファクシミリ及びプロッ
タなどの画像形成装置及びこれらの画像形成装置に着脱
可能なプロセスカートリッジに関する。
【0003】
【従来の技術】従来、画像形成法としては、静電記録
法、磁気記録法、トナージェット法など多数の方法が知
られている。例えば、電子写真法は、一般には潜像担持
体としての光導電性物質を利用した感光体上に、種々の
手段により電気的潜像を形成し、次いで該潜像をトナー
により現像してこれを可視像とし、必要に応じて紙など
の記録媒体にトナー像を転写した後、熱・圧力等により
記録媒体上にトナー画像を定着して画像を得るものであ
る。
【0004】一般には、この際、記録媒体に転写されず
に潜像担持体上に残余したトナーが種々の方法でクリー
ニングされ、回収されたトナーは廃トナーとして廃トナ
ー容器に蓄えられるクリーニング工程を経て、上述の工
程が繰り返される画像形成法が用いられてきた。
【0005】このクリーニング工程においては、従来ブ
レードクリーニング、ファーブラシクリーニング、ロー
ラクリーニング等が用いられていた。いずれの方法も転
写残余のトナーを力学的に掻き落とすか、またはせき止
めて廃トナー容器へと捕集されるものであった。よっ
て、このような部材が潜像担持体表面に押し当てられる
ことに起因する問題が生じていた。例えば、部材を強く
押し当てることにより潜像担持体を摩耗させ短命化する
ことが挙げられる。装置面からみると、このようなクリ
ーニング装置を具備するために装置が必然的に大きくな
り、装置のコンパクト化を目指すときの障害になってい
た。更には、省資源、廃棄物削減の観点及びトナーの有
効活用という意味で廃トナーの出ないシステム、且つ、
定着性、耐オフセット性にすぐれたシステムが望まれて
いた。
【0006】そこで、廃トナーの出ないシステムとし
て、現像同時クリーニング又はクリーナレスと呼ばれる
技術も提案されている。しかしながら、従来の現像同時
クリーニング又はクリーナレスに関する技術の開示は、
特開平5−2287にあるように、画像上に転写残余の
トナーの影響によるポジメモリ、ネガメモリなどに焦点
を当てたものが主であった。しかし、電子写真の利用が
進んでいる今日、様々な記録媒体に対してトナー像を転
写する必要性が出てきており、この意味で様々な記録媒
体に対し満足できるものではなかった。
【0007】クリーナレスに関連する技術の開示を行っ
ているものに、特開昭59−133573、特開昭62
−203182、特開昭63−133179、特開昭6
4−20587、特開平2−302772、特開平5−
2289、特開平5−53482、特開平5−6138
3等があるが、望ましい画像形成方法については述べら
れておらず、トナー構成についても言及されていなかっ
た。
【0008】更に、従来は本質的にクリーニング装置を
有さない現像同時クリーニング法では、感光体表面をト
ナー及びトナー担持体により摺擦する構成が必須とされ
てきた。このために長期期間使用によるトナー劣化、ト
ナー担持体表面劣化、感光体表面劣化又は磨耗等を引き
起こし、耐久特性の劣化が問題点として残っていた。こ
のため、従来技術では充分な解決がなされず、定着性と
耐久特性の両立が望まれていた。同時に、画像形成のス
ピードアップが望まれる今日、よりプロセススピードの
速い系の現像同時クリーニングでは、現像時の転写残ト
ナーの回収性を高めるための回収前転写残トナーの帯電
制御、回収されたトナーを再利用するにあたっての現像
の安定性保持等の面でも、従来技術では充分な解決がな
されていない。
【0009】また、トナーにより可視像を形成する工程
についても種々の方法が知られている。例えば、電気的
潜像を可視化する方法としては、カスケード現像法、加
圧現像法、キャリアとトナーからなる2成分系現像剤を
用いる磁気ブラシ現像法等が知られている。トナー担持
体と潜像担持体とが非接触で、トナーをトナー担持体か
ら潜像担持体へ飛翔させる非接触1成分現像法、中心に
磁極を配した回転スリーブを用い、磁性トナーを感光体
上とスリーブ上の間で電界にて飛翔させる磁性1成分現
像方法、更にはトナー担持体を潜像担持体に圧接させ電
界によってトナーを転移させる接触1成分現像法も用い
られている。
【0010】現像同時クリーニング又はクリーナレスに
好ましく適用される現像方法として、従来は本質的にク
リーニング装置を有さない現像同時クリーニングでは、
潜像担持体表面をトナー及びトナー担持体により擦る構
成が必須とされてきたため、トナー或いは現像剤が潜像
担持体に接触する接触現像方法が多く検討されてきた。
これは、現像手段において転写残トナーを回収するため
に、トナー或いは現像剤が潜像担持体に接触し、擦る構
成が有利であると考えられるためである。しかしなが
ら、接触現像方法を適用した現像同時クリーニング又は
クリーナレスプロセスでは、長期間使用によるトナー劣
化、トナー担持体表面劣化、感光体表面劣化又は磨耗等
を引き起こし、耐久特性に対して充分な解決がなされて
いない。そのため、非接触現像方法による現像同時クリ
ーニング方法が望まれていた。
【0011】更に、潜像を現像するための現像剤として
は、キャリアとトナーからなる2成分系現像剤、及びキ
ャリアを必要としない1成分系現像剤(磁性トナー、非
磁性トナー)が知られている。2成分系では主にキャリ
アとトナーの摩擦によって、1成分系では主にトナーと
帯電付与部材との摩擦によって、トナーへの帯電が行わ
れる。また、トナーとしては、2成分系、1成分系の差
異によらず、トナーの流動特性、帯電特性等を改善する
目的でトナー母粒子に外部添加剤として無機微粒子を添
加する方法が提案され、広く用いられている。
【0012】例えば、特開平5−66608号公報、特
開平4−9860号公報等で疎水化処理を施した無機微
粒子若しくは疎水化処理した後さらにシリコーンオイル
等で処理した無機微粒子をトナー母粒子に添加する方
法、あるいは特開昭61−249059号公報、特開平
4−264453号公報、特開平5−346682号公
報で疎水化処理を施した無機微粒子とシリコーンオイル
処理を施した無機微粒子とを併用してトナー母粒子に添
加する方法が知られている。
【0013】また、外部添加微粒子として導電性微粒子
を添加する方法は数多く提案されている。例えば、導電
性微粒子としてのカーボンブラックは、トナーに導電性
を付与するため、或いはトナーの過剰な帯電を抑制しト
リボ分布を均一化させるため等の目的で、トナー表面に
付着或いは固着するための外部添加剤として用いること
が広く知られている。また、特開昭57−151952
号公報、特開昭59−168458号公報、特開昭60
−69660号公報では、高抵抗磁性トナーにそれぞれ
酸化スズ、酸化亜鉛、酸化チタンの導電性微粒子を外部
添加することが開示されている。また、特開昭56−1
42540号公報では、高抵抗磁性トナーに酸化鉄、鉄
粉、フェライトの如き導電性磁性粒子を添加し、導電性
磁性粒子に磁性トナーへの電荷誘導を促進させることで
現像性と転写性を両立する現像剤が提案されている。更
に、特開昭61−275864号公報、特開昭62−2
58472号公報、特開昭61−141452号公報、
特開平2−120865号公報では、トナーにグラファ
イト、マグネタイト、ポリピロール導電性粒子、ポリア
ニリン導電性粒子を添加することが開示されているほ
か、多種多様な導電性微粒子をトナーに添加することが
知られている。
【0014】また、例えば、電子写真装置や静電記録装
置等に用いられる画像形成方法において、電子写真感光
体・静電記録誘電体等の像担持体上に潜像を形成する方
法についても様々な方法が知られている。
【0015】例えば、電子写真法では、潜像担持体とし
ての光導電性物質を利用した感光体上を所要の極性・電
位に一様に帯電処理した後に、画像パターン露光を施す
ことにより電気的潜像を形成する方法が一般的である。
【0016】従来、潜像担持体を所要の極性・電位に一
様に帯電処理(除電処理も含む)する帯電装置としては
コロナ帯電器(コロナ放電器)がよく使用されていた。
【0017】コロナ帯電器は非接触型の帯電装置であ
り、ワイヤ電極等の放電電極と該放電電極を囲むシール
ド電極とを備え、放電開口部を被帯電体である像担持体
に対向させて非接触に配設し、放電電極とシールド電極
に高圧を印加することにより生じる放電電流(コロナシ
ャワー)に像担持体面をさらすことで、像担持体面を所
定に帯電させるものである。
【0018】近年では、潜像担持体等の被帯電体の帯電
装置として、コロナ帯電器に比べて低オゾン・低電力等
の利点があることから接触帯電装置が多く提案され、ま
た実用化されている。
【0019】接触帯電装置は、像担持体等の被帯電体
に、ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブ
ラシ型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部
材・接触帯電器)を接触させ、この接触帯電部材に所定
の帯電バイアスを印加して被帯電体を所定の極性・電位
に帯電させるものである。
【0020】接触帯電の帯電機構(帯電のメカニズム、
帯電原理)には、(1)放電帯電機構と(2)直接注入
帯電機構の2種類の帯電機構が混在しており、どちらが
支配的であるかにより各々の特性が現れる。以下に各帯
電機構の概要を説明する。
【0021】(1)放電帯電機構 接触帯電部材と被帯電体との微小間隔に生じる放電現象
により被帯電体表面が帯電する機構である。
【0022】放電帯電機構は接触帯電部材と被帯電体と
の間に一定の放電しきい値を有するため、帯電電位より
大きな電圧を接触帯電部材に印加する必要がある。ま
た、コロナ帯電器に比べれば発生量は格段に少ないけれ
ども放電生成物を生じることが原理的に避けられないた
め、オゾンなど活性イオンによる弊害は避けられない。
【0023】(2)直接注入帯電機構 接触帯電部材から被帯電体に直接に電荷が注入されるこ
とで被帯電体表面が帯電する系である。直接帯電、ある
いは注入帯電、あるいは電荷注入帯電とも称される。よ
り詳しくは、中抵抗の接触帯電部材が被帯電体表面に接
触して、放電現象を介さずに、つまり基本的に放電を行
わずに被帯電体表面に直接電荷注入を行うものである。
よって、接触帯電部材への印加電圧が放電闘値以下の印
加電圧であっても、被帯電体を印加電圧相当の電位に帯
電することができる。この帯電系はイオンの発生を伴わ
ないため、放電生成物による弊害は生じない。しかし、
直接注入帯電であるため、接触帯電部材の被帯電体への
接触性が帯電性に大きく効いてくる。そこで、より高い
頻度で被帯電体に接触する構成をとるため、接触帯電部
材により密な接触点を持つ、被帯電体との速度差を大き
くする等の構成が必要となる。
【0024】接触帯電装置には、接触帯電部材として導
電ローラ(帯電ローラ)を用いたローラ帯電方式が帯電
の安定性という点で好ましく、広く用いられている。
【0025】なお、従来のローラ帯電における帯電機構
は、上記(1)の放電帯電機構が支配的である。
【0026】帯電ローラは、導電あるいは中抵抗のゴム
材あるいは発泡体を用いて作製される。さらにこれらを
積層して所望の特性を得る。帯電ローラは被帯電体との
一定の接触状態を得るために弾性を持たせているが、そ
のため摩擦抵抗が大きく、多くの場合、被帯電体に従動
あるいは若干の速度差をもって駆動される。従って、直
接注入帯電しようとしても、絶対的帯電能力の低下や接
触性の不足やローラ形状による接触ムラや被帯電体の付
着物による帯電ムラは避けられない。
【0027】図3は電子写真法における接触帯電の帯電
効率例を表したグラフである。横軸は接触帯電部材に印
加したバイアス、縦軸はその時得られた被帯電体(以
下、感光体と記す)帯電電位を表す。ローラ帯電の場合
の帯電特性はAで示される。即ち、おおよそ−500V
の放電闘値を過ぎてから帯電が始まる。従って、−50
0Vに帯電する場合は−1000Vの直流電圧を印加す
るか、あるいは、−500V直流の帯電電圧に加えて放
電闘値以上の電位差を常に持つようにピーク間電圧12
00Vの交流電圧を印加して感光体電位に収束させる方
法が一般的である。
【0028】より具体的に説明すると、厚さ25μmの
OPC感光体に対して帯電ローラを加圧当接させた場合
には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体の表面
電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して傾き1
で線形に感光体表面電位が増加する。この闘値電圧を帯
電開始電圧Vthと定義する。
【0029】つまり、電子写真に必要とされる感光体表
面電位Vdを得るためには帯電ローラーにはVd+Vt
hという、必要とされる大きさ以上のDC電圧が必要と
なる。このようにしてDC電圧のみを接触帯電部材に印
加して帯電を行う方法を「DC帯電方式」と称する。
【0030】しかし、DC帯電においては環境変動等に
よって接触帯電部材の抵抗値が変動したり、また、感光
体が削れることによって膜厚が変化するとVthが変動
するため、感光体の電位を所望の値にすることが難しか
った。
【0031】このため、更なる帯電の均一化を図るため
に特開昭63−149669号公報に開示されるよう
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加する「AC帯電方式」が用いられる。これ
は、ACによる電位のならし効果を目的としたものであ
る。この方法によれば、被帯電体の電位はAC電圧のピ
ークの中央であるVdに収束し、環境等の外乱には影響
されることはない。
【0032】ところが、このような接触帯電装置におい
ても、その本質的な帯電機構は、接触帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように接
触帯電部材に印加する電圧は感光体表面電位以上の値が
必要とされ、微量のオゾンは発生する。
【0033】また、帯電均一化のためのAC帯電を行っ
た場合には、さらなるオゾンの発生、AC電圧の電界に
よる接触帯電部材と感光体の振動騒音(AC帯電音)の
発生、また、放電による感光体表面の劣化等が顕著にな
り、新たな問題点となっていた。
【0034】また、ファーブラシ帯電は、接触帯電部材
として導電性繊維のブラシ部を有する部材(ファーブラ
シ帯電器)を用い、その導電性繊維ブラシ部を被帯電体
としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアスを印加
して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるものであ
る。このファーブラシ帯電もその帯電機構は前記(1)
の放電帯電機構が支配的である。
【0035】ファーブラシ帯電器は固定タイプとロール
タイプが実用化されている。中抵抗の繊維を基布に折り
込みパイル状に形成したものを電極に接着したものが固
定タイプで、ロールタイプはパイルを芯金に巻き付けて
形成する。繊維密度としては100本/mm2程度のも
のが比較的容易に得られるが、直接注入帯電により十分
均一な帯電を行うには接触性が不十分であり、直接注入
帯電により十分均一な帯電を行うには感光体に対し機械
構成としては困難なほどに速度差を持たせる必要があ
り、現実的ではない。
【0036】このファーブラシ帯電の直流電圧印加時の
帯電特性は図3のBに示される。従って、固定タイプ、
ロールタイプのどちらのファーブラシ帯電を行う場合
も、多くは高い帯電バイアスを印加し放電現象を用いて
帯電を行っている。
【0037】これらに対し、磁気ブラシ帯電は、接触帯
電部材として導電性磁性粒子をマグネットロール等で磁
気拘束してブラシ状に形成した磁気ブラシ部を有する部
材(磁気ブラシ帯電器)を用い、その磁気ブラシ部を被
帯電体としての感光体に接触させ、所定の帯電バイアス
を印加して感光体面を所定の極性・電位に帯電させるも
のである。この磁気ブラシ帯電の場合は、その帯電機構
は前記(2)の直接注入帯電機構が支配的である。
【0038】磁気ブラシ帯電では、磁気ブラシ部を構成
させる導電性磁性粒子として粒子5〜50μmのものを
用い、感光体と十分速度差を設けることで、均一な直接
注入帯電が可能となる。すなわち、図3の帯電特性グラ
フのCに示されるように、印加バイアスとほぼ比例した
帯電電位を得ることが可能になる。
【0039】しかしながら、磁気ブラシ帯電では、機器
構成が複雑であること、磁気ブラシ部を構成している導
電性磁性粒子が脱落して感光体に付着する等の弊害もあ
る。
【0040】ここで、これらの接触帯電方法を現像同時
クリーニング方法、クリーナレス画像形成方法に適用し
た場合を考える。
【0041】現像同時クリーニング方法、クリーナレス
画像形成方法では、クリーニング部材を有さないために
感光体上に残余する転写残トナーが、そのまま接触帯電
部材と接触し、付着或いは混入する。また、放電帯電機
構が支配的である帯電方法の場合には、放電エネルギー
によるトナー劣化に起因する帯電部材への付着性の悪化
も生ずる。一般的に用いられている絶縁性トナーが接触
帯電部材に付着或いは混入すると、帯電性の低下が起こ
る。
【0042】この被帯電体の帯電性の低下は、放電帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、接触帯電部材
表面に付着したトナー層が放電電圧を阻害する抵抗とな
るあたりから急激に起こる。これに対し、直接注入帯電
機構が支配的である帯電方法の場合には、付着或いは混
入した転写残トナーが接触帯電部材表面と被帯電体との
接触確率を低下させることにより被帯電体の帯電性が低
下する。
【0043】この被帯電体の一様帯電性の低下は、画像
露光後の静電潜像のコントラスト及び均一性の低下とな
り、画像濃度を低下させたり、カブリを増大させる。
【0044】また、現像同時クリーニング方法、クリー
ナレス画像形成方法では、感光体上の転写残トナーの帯
電極性及び帯電量を制御し、現像工程で安定して転写残
トナーを回収し、回収トナーが現像特性を悪化させない
ようにすることがポイントとなり、転写残トナーの帯電
極性及び帯電量を制御を帯電部材によって行うこととな
る。
【0045】これについて、一般的なレイザープリンタ
を例として具体的に説明する。マイナス極性電圧を印加
する帯電部材、マイナス帯電性の感光体及びマイナス帯
電性のトナーを用いる反転現像の場合、その転写工程に
おいて、プラス極性の転写部材によって可視化された像
を記録媒体に転写することになるが、記録媒体の種類
(厚み、抵抗、誘電率等の違い)と画像面積等の関係に
より、転写残余のトナーの帯電極性がプラスからマイナ
スまで変動する。しかし、マイナス帯電性の感光体を帯
電する際のマイナス極性の帯電部材により、感光体表面
と共に転写残余のトナーまでもが、転写工程においてプ
ラス極性に振れていたとしても、一様にマイナス側へ帯
電極性を揃えることが出来る。これゆえ、現像方法とし
て反転現像を用いた場合、トナーの現像されるべき明部
電位部にはマイナスに帯電された、転写残余のトナーが
残り、トナーの現像されるべきでない暗部電位には、現
像電界の関係上トナー担持体の方に引き寄せられ、暗部
電位をもつ感光体上に転写残トナーは残留することなく
回収される。すなわち、帯電部材によって感光体の帯電
と同時に転写残余のトナーの帯電極性を制御することに
より、現像同時クリーニング、クリーナレス画像形成方
法が成立する。
【0046】しかしながら、接触帯電部材のトナー帯電
極性の制御能力以上の量の転写残トナーが接触帯電部材
に付着或いは混入すると、一様に転写残トナーの帯電極
性を揃えることができず、現像部材によってトナーを回
収することが困難となる。また、トナー担持体に摺擦等
の機械的力によって回収されたとしても、転写残トナー
の帯電が均一に揃えられていないと、トナー担持体上の
トナーの帯電性に悪影響を及ぼし、現像特性を低下させ
る。
【0047】すなわち、現像同時クリーニング、クリー
ナレス画像形成方法においては、転写残トナーの帯電部
材通過時の帯電制御特性及び帯電部材への付着・混入特
性が、耐久特性、画像品質特性に密接につながってい
る。
【0048】帯電ムラを防止し安定した均一帯電を行う
ために、接触帯電部材に被帯電体面との接触面に粉末を
塗布する構成も特公平7−99442号公報に開示され
ている。しかしながら、接触帯電部材(帯電ローラ)が
被帯電体(感光体)に従動回転(速度差駆動なし)であ
り、スコロトロン等のコロナ帯電器と比べるとオゾン生
成物の発生は格段に少なくなっているものの、帯電原理
は前述のローラ帯電の場合と同様に、依然として放電帯
電機構を主としている。特に、より安定した帯電均一性
を得るためにDC電圧にAC電圧を重畳した電圧を印加
するために、放電によるオゾン生成物の発生はより多く
なってしまう。よって、長期に装置を使用した場合に
は、オゾン生成物による画像流れ等の弊害が現れやす
い。更に、クリーナレスの画像形成装置に上記放電帯電
機構を適用した場合には、転写残トナーの混入のため塗
布した粉末が均一に帯電部材に付着していることが困難
となり、均一帯電を行う効果が薄れてしまう。
【0049】また、特開平5−150539号公報に
は、接触帯電を用いた画像形成方法において、長時間画
像形成を繰り返すうちにブレードクリーニングしきれな
かったトナー粒子やシリカ微粒子が帯電手段の表面に付
着・蓄積することによる帯電阻害を防止するために、現
像剤中に、少なくとも顕画粒子と、顕画粒子より小さい
平均粒径を有する導電性粒子を含有することが開示され
ている。しかし、ここで用いられた接触帯電或いは近接
帯電は放電帯電機構によるものであり、直接注入帯電機
構ではなく、放電帯電による前述の問題がある。更に、
クリーナレスの画像形成装置へ適用した場合には、クリ
ーニング機構を有する場合と比較して多量の導電性微粒
子及び転写残トナーが帯電工程を通過することによる帯
電性への影響、これら多量の導電性微粒子及び転写残ト
ナーの現像工程における回収性、回収された導電性微粒
子及び転写残トナーによる現像剤の現像特性への影響に
関して何ら考慮されていない。更に、接触帯電に直接注
入帯電機構を適用した場合には、導電性微粒子が接触帯
電部材に必要量供給されず、転写残トナーの影響による
帯電不良を生じてしまう。
【0050】また、近接帯電では、多量の導電性微粒子
及び転写残トナーにより感光体を均一帯電することが困
難であり、転写残トナーのパターンを均す効果が得られ
ないため転写残トナーのパターン画像露光を遮光するパ
ターンゴーストが生じる。更に、画像形成中の電源の瞬
断或いは紙詰まり時には現像剤による機内汚染が著しく
なる。
【0051】また、現像同時クリーニング画像形成方法
において、転写残トナーの帯電部材通過時の帯電制御特
性を向上させることで現像同時クリーニング性能を向上
させるものとして、特開平11−15206号公報で
は、特定のカーボンブラック及び特定のアゾ系鉄化合物
を含有するトナー粒子と無機微粉末とを有するトナーを
用いた画像形成方法が提案されている。更に、現像同時
クリーニング画像形成方法において、トナーの形状係数
を規定した転写効率に優れたトナーにより、転写残トナ
ー量を減少させることで現像同時クリーニング性能を向
上させることも提案されている。しかしながら、ここで
用いられた接触帯電も放電帯電機構によるもので、直接
注入帯電機構ではなく、放電帯電による前述の問題があ
る。更に、これらの提案は、接触帯電部材の転写残トナ
ーによる帯電性低下を抑制する効果はあっても、帯電性
を積極的に高める効果は期待できない。
【0052】更には、市販の電子写真プリンタの中に
は、転写工程と帯電工程の間に感光体に当接するローラ
部材を用い、現像での転写残トナー回収性を補助或いは
制御する現像同時クリーニング画像形成装置もある。こ
のような画像形成装置は、良好な現像同時クリーニング
性を示し、廃トナー量を大幅に減らすことができるが、
コストが高くなり、小型化の点でも現像同時クリーニン
グの利点を損ねている。
【0053】これらに対し、特開平10−307456
号公報において、トナー粒子及びトナー粒子の1/2以
下の粒径を有する導電性を有する帯電促進粒子を含む現
像剤を直接注入帯電機構を用いた現像同時クリーニング
画像形成方法に適用した画像形成装置が開示されてい
る。この提案によると、放電生成物を生ずることなく、
廃トナー量を大幅に減らすことが可能な、低コストで小
型化に有利な現像同時クリーニング画像形成装置が得ら
れ、帯電不良、画像露光の遮光或いは拡散を生じない良
好な画像が得られる。
【0054】また、特開平10−307421号公報に
おいては、トナー粒径の1/50〜1/2の粒径を有す
る導電性粒子を含む現像剤を直接注入帯電機構を用いた
現像同時クリーニング画像形成方法に適用し、導電性粒
子に転写促進効果を持たせた画像形成装置が開示されて
いる。
【0055】更に、特開平10−307455号公報で
は、導電性微粉末の粒径を構成画素1画素の大きさ以下
とすること、及びより良好な帯電均一性を得るために導
電性微粉末の粒径を10nm〜50μmとすることが記
載されている。
【0056】特開平10−307457号公報では、人
の視覚特性を考慮して帯電不良部の画像への影響を視覚
的に認識されにくい状態とするために、導電性粒子を約
5μm以下、好ましくは20nm〜5μmとすることが
記載されている。
【0057】更に、特開平10−307458号公報に
よれば、導電性微粉末の粒径はトナー粒径以下とするこ
とで、現像時にトナーの現像を阻害する、あるいは現像
バイアスが導電性微粉末を介してリークすることを防止
し画像の欠陥をなくすことができること、及び導電性微
粉末の粒径を0.1μmより大きく設定することによ
り、像担持体に導電性微粉末が埋め込まれ露光光を遮光
する弊害も解決し優れた画像記録を実現する直接注入帯
電機構を用いた現像同時クリーニング画像形成方法が記
載されている。
【0058】特開平10−307456号公報によれ
ば、トナーに導電性微粉末を外部添加し、少なくとも可
穣性の接触帯電部材と像担持体とのニップ部に前記トナ
ー中に含有の導電性微粉末が、現像工程で像担持体に付
着し転写工程の後も像担持体上に残留し持ち運ばれて介
在していることで、帯電不良、画像露光の遮光を生じな
い良好な画像が得られる現像同時クリーニング画像形成
装置が開示されている。
【0059】しかしながら、これらの提案も長期にわた
る繰り返し使用によける安定した性能、トナーカートリ
ッジ内で現像剤量が少なくなるまで使用された際の性能
に更なる改良の余地があった。
【0060】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記観点か
らなされたものであり、上記のような問題点を解決し
て、良好な現像同時クリーニング法による画像形成を可
能とする現像剤及びこのような現像剤を用いた画像形成
方法を提供することを課題とする。
【0061】また、本発明は、放電生成物を生ずること
なく、廃トナー量を大幅に減らすことが可能であり、低
コストで小型化に有利な現像同時クリーニング法による
画像形成を可能とする画像形成装置およびプロセスカー
トリッジを提供することを課題とする。また、本発明
は、長期にわたる繰り返し使用においても、帯電不良を
生じない良好な画像が得られる現像同時クリーニング法
を用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供
することを課題とする。
【0062】本発明は、さらに、トナーカートリッジ内
で現像剤量が少なくなるまで使用された際においても良
好な画像を安定して得られる現像同時クリーニング法を
用いた画像形成装置及びプロセスカートリッジを提供す
ることを課題とする。
【0063】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために、現像剤を以下の構成とした。
【0064】すなわち、本発明の現像剤は、結着樹脂及
び着色剤を含有するトナー粒子と、無機微粉末と、導電
性微粉末とを少なくとも有する現像剤であって、前記無
機微粉末は平均1次粒径が4〜80nmであり、前記導
電性微粉末は体積平均粒子径が0.5〜10μmであ
り、この導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量をE
質量%とし、粒子径が0.5μm以下の導電性微粉末の
導電性微粉末全体に対する体積比をF体積%とした場合
に、下記式を満足することを特徴とする。
【0065】
【数1】E×F<40 上記現像剤において、前記導電性微粉末は、この導電性
微粉末の現像剤全体に対する含有量をE質量%とし、粒
子径が5μm以上の導電性微粉末の導電性微粉末全体に
対する個数比をG個数%とした場合に、下記式を満足す
ることが好ましい。
【0066】
【数2】E×G<20 また、上記現像剤において、前記導電性微粉末は、この
導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量をE質量%と
し、粒子径が5μm以上の導電性微粉末の導電性微粉末
全体に対する個数比をG個数%とした場合に、下記式を
満足することが好ましい。
【0067】
【数3】E×G<10 また、上記現像剤において、前記導電性微粉末は、体積
平均粒子径が0.8〜5μmであることが好ましい。ま
た、前記導電性微粉末は、抵抗が109Ω・cmである
ことが好ましく、106Ω・cm以下であることがより
好ましい。さらに、前記導電性微粉末は、前記静電潜像
を形成する像露光光に対する透過率が30%以上である
ことが好ましい。また、前記導電性微粉末は、非磁性で
あることが好ましい。
【0068】また、上記現像剤において、前記導電性微
粉末は、その現像剤全体に対する含有量(E質量%)が
1〜10質量%であることが好ましい。
【0069】また、上記現像剤において、前記無機微粉
末は、疎水化処理されていることが好ましい。また、前
記無機微粉末は、少なくともシリコーンオイルで処理さ
れていることが好ましい。また、前記無機微粉末は、少
なくとも、シラン化合物で処理されると同時に、若しく
はシラン化合物で処理された後に、シリコーンオイルで
処理されていることが好ましい。
【0070】また、上記現像剤は、79.6kA/m
(1000エルステッド)の磁場における磁化の強さが
10〜40Am2/kg(emu/g)である磁性現像
剤であることが好ましい。
【0071】また、本発明の画像形成方法は、像担持体
を帯電する帯電工程と、前記帯電工程において帯電され
た像担持体表面を露光することによりこの像担持体表面
に静電潜像を形成する潜像形成工程と、前記潜像形成工
程において形成された静電潜像を、現像剤担持体上に担
持させた上記本発明の現像剤により現像することにより
トナー画像を形成する現像工程と、前記現像工程におい
て形成されたトナー画像を転写材に転写する転写工程を
有し、前記各工程が繰り返されることにより画像形成を
行う画像形成方法であって、前記現像工程は、前記トナ
ー画像を形成するとともに、前記トナー画像が前記転写
材に転写された後に前記像担持体表面に残留している現
像剤を回収する工程を兼ねており、前記帯電工程は、前
記像担持体と接触する帯電部材に電圧を印加することに
よりこの像担持体を帯電する工程であり、前記現像工程
において、像担持体表面に付着し前記転写工程を経た後
も像担持体表面に残留している前記現像剤に含まれる導
電性微粉末が、前記像担持体と前記帯電部材との接触部
に介在することを特徴とする。
【0072】本発明の画像形成方法において、前記帯電
部材の表面における移動速度と前記像担持体の表面にお
ける移動速度との間に、相対的速度差を設けることが好
ましい。また、前記帯電部材と前記像担持体は互いに逆
方向に移動することが好ましい。
【0073】また、上記画像形成方法において、前記帯
電工程は、アスカーC硬度が25〜50のローラ部材に
電圧を印加することにより前記像担持体を帯電する工程
であることが好ましい。また、前記帯電工程は、体積固
有抵抗が103〜108Ω・cmのローラ部材に電圧を印
加することにより前記像担持体を帯電する工程であるこ
とが好ましい。さらに、前記帯電工程は、導電性繊維か
らなるブラシに電圧を印加することにより前記像担持体
を帯電する工程であることが好ましい。
【0074】また、上記画像形成方法において、前記像
担持体は、その最表面層における体積抵抗が1×109
〜1×1014Ω・cmであることが好ましい。また、前
記像担持体の最表面層は、金属酸化物からなる酸化物導
電微粒子が少なくとも分散された樹脂層であることが好
ましい。また、前記像担持体の表面の水に対する接触角
が85度以上であることが好ましい。
【0075】また、上記画像形成方法において、前記像
担持体は、その最表面層が、フッ素系樹脂、シリコーン
系樹脂、又はポリオレフィン系樹脂から選ばれる材料か
らなる滑剤微粒子が少なくとも分散された層であること
が好ましい。また、前記像担持体が光導電性物質を有す
る感光体であることが好ましい。
【0076】また、上記画像形成方法において、前記潜
像形成工程は、像担持体表面に静電潜像としての画像情
報を像露光により書き込む工程であることが好ましい。
【0077】また、上記画像形成方法において、前記現
像剤担持体が前記像担持体に対して100〜1000μ
mの離間距離で対向して配置されることが好ましい。ま
た、前記現像工程は、前記現像剤担持体上に現像剤を5
〜30g/m2の密度で担持させることにより現像剤層
を形成し、この現像剤層から現像剤を前記像担持体に転
移させることにより静電潜像を現像する工程であること
が好ましい。また、前記現像工程は、現像剤担持体を前
記像担持体に対して所定の離間距離で対向して配置し、
現像剤からなり前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記
現像剤担持体上に形成し、前記現像剤層から現像剤を電
気的に前記像担持体表面に転移させることにより静電潜
像を現像する工程であることが好ましい。さらに、前記
現像工程は、前記現像剤担持体と前記像担持体との間
に、少なくともピークトゥピークの電界強度が3×10
6〜10×106V/mであり、周波数が100〜500
0Hzである交流電界を現像バイアスとして印加し、前
記像担持体表面の静電潜像を現像剤によって現像する工
程であることが好ましい。
【0078】また、上記画像形成方法において、前記転
写工程は、現像工程によって形成されたトナー画像を中
間転写体に転写した後に、記録媒体に再転写する工程で
あることが好ましい。また、前記転写工程において、前
記転写部材が前記転写材を介して前記像担持体に当接す
ることが好ましい。
【0079】また、本発明の画像形成装置は、静電潜像
を担持するための像担持体と、前記像担持体と接触する
帯電部材を有し、この帯電部材に電圧を印加することに
より前記像担持体を帯電するための帯電手段と、前記帯
電手段によって帯電された像担持体表面を露光すること
により、この像担持体上に静電潜像を形成する潜像形成
手段と、前記潜像形成手段によって形成された静電潜像
を、現像剤担持体上に担持させた上記本発明の現像剤を
用いて現像することによりトナー画像を形成する現像手
段と、前記現像手段において形成されたトナー画像を転
写材に転写する転写手段とを有し、像担持体上に繰り返
して静電潜像が形成される画像形成装置であり、前記現
像手段は前記トナー画像を形成するとともに、前記トナ
ー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持体に残
留している現像剤を回収し、前記帯電手段は、前記現像
手段によって前記像担持体に付着され転写手段による転
写が行われた後もこの像担持体に残留した前記現像剤に
含まれる導電性微粉末を、前記像担持体と前記帯電部材
との接触部に介在させながら、前記像担持体を帯電する
ことを特徴とする。
【0080】また、本発明のプロセスカートリッジは、
像担持体上に形成された静電潜像を現像剤によって可視
化し、この可視化されたトナー画像を転写材に転写する
ことにより画像を形成するための画像形成装置本体に脱
着可能に装着されるプロセスカートリッジであって、静
電潜像を担持するための像担持体と、前記像担持体と接
触する帯電部材を有し、この帯電部材に電圧を印加する
ことにより前記像担持体を帯電するための帯電手段と、
現像剤担持体に担持させた上記本発明の現像剤を用い
て、前記像担持体に担持された静電潜像を現像すること
によりトナー画像を形成するとともに、前記トナー画像
が前記転写材に転写された後に前記像担持体に残留した
現像剤を回収する現像手段とを有し、前記帯電手段は、
前記現像手段によって前記像担持体に付着され前記転写
材への転写が行われた後もこの像担持体に残留している
前記現像剤に含まれる導電性微粉末を、前記像担持体と
前記帯電部材との接触部に介在させながら前記像担持体
を帯電することを特徴とする。
【0081】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。
【0082】〈現像剤〉本発明の現像剤は、像担持体上
に形成された静電潜像を可視化するための現像剤であっ
て、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒
子と、無機微粉末と、導電性微粉末とを有し、前記無機
微粉末は平均1次粒径が4〜80nmであり、前記導電
性微粉末は体積平均粒子径が0.5〜10μmであり、
且つ、抵抗が109Ω・cm以下であり、この導電性微
粉末の現像剤全体に対する含有量をE質量%とし、粒子
径が0.5μm以下の導電性微粉末の導電性微粉末全体
に対する体積比をF体積%とした場合に、下記式(1)
を満足することを特徴とする。
【0083】
【数4】E×F<40 ・・・(1) 本発明の現像剤は、現像同時クリーニングの画像形成方
法に好適に用いることができる。まず、現像同時クリー
ニングの画像形成方法において、現像剤のトナー粒子に
導電性微粉末を添加した場合の、トナー粒子及び導電性
微粉末の挙動を説明する。
【0084】現像剤に含有された導電性微粉末は、像担
持体の静電潜像が現像される際に、トナー粒子(以下、
単に「トナー」と表記する場合もある)とともに適当量
が現像剤担持体から像担持体に移行する。静電潜像が現
像されることにより像担持体上に形成されたトナー画像
は、転写工程において紙などの転写材に転移する。この
とき、像担持体上の導電性微粉末も一部は転写材に付着
するが、残りは像担持体上に付着保持されて残留する。
トナーと逆極性の転写バイアスを印加して転写を行う場
合には、トナーは転写材側に引かれて積極的に転移する
が、像担持体上の導電性微粉末は導電性であるため、転
写材側には転移しにくい。このため、導電性微粉末の一
部は転写材に付着するものの残りは像担持体上に付着保
持されて残留する。
【0085】クリーナを用いない画像形成方法では、転
写後に像担持体表面に残存した転写残トナーおよび上記
残存した導電性微粉末は、像担持体面の移動に伴って、
像担持体と接触帯電部材とが接触して形成された接触部
である帯電部に持ち運ばれ、これにより接触帯電部材に
付着・混入する。従って、像担持体と接触帯電部材との
接触部に導電性微粉末が介在した状態で像担持体の接触
帯電が行われる。
【0086】この導電性微粉末の存在により、転写残ト
ナーの付着・混入のために接触帯電部材が汚染されるに
も関わらず、接触帯電部材の像体持体への緻密な接触性
と接触抵抗を維持できるため、接触帯電部材による像担
持体の帯電を良好に行うことができる。また、接触帯電
部材に付着・混入した転写残トナーは、接触帯電部材か
ら徐々に像担持体上に吐き出され、像担持体面の移動に
伴って現像装置に至り、現像工程において現像同時クリ
ーニング、すなわち転写残トナーの回収が行われる。
【0087】この現像剤に含有された導電性微粉末は、
画像形成が繰り返されることにより、現像装置で像担持
体に移行し、さらに該像担持体表面の移動により転写部
を経て帯電部に持ち運ばれることにより、帯電部に逐次
導電性微粉末が供給され続ける。従って、帯電部におい
て導電性微粉末が脱落するなどして減少したり、劣化し
た場合でも、常に帯電部には導電性微粉末が供給され続
けるため、帯電性の低下を防止し、良好な帯電性が安定
して維持される。
【0088】しかしながら、本発明者の検討によれば、
現像剤に導電性微粉末を含有させ、像担持体と接触帯電
部材との接触部に積極的に導電性微粉末を存在させるこ
とにより、絶縁性の転写残トナーの付着・混入による接
触帯電部材の帯電阻害に打ち勝って像担持体の帯電を良
好に行わせるためには、導電性微粉末の粒径を従来のよ
うに潜像形成時の露光の阻害に注目して設定するだけで
は不十分であるということを解明した。そして、長期に
わたる繰り返し使用における安定した帯電性、トナーカ
ートリッジ内で現像剤量が少なくなるまで使用された際
の接触帯電部材の性能を維持し、良好な画像を安定して
得るためには、導電性微粉末の粒度分布と添加量が重要
であることを解明し、鋭意検討の末、本発明に至った。
【0089】すなわち、本発明の現像剤に含まれる導電
性微粉末は、体積平均粒子径が0.5〜10μmであ
り、この導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量をE
(質量%)とし、粒子径が0.5μm以下の導電性微粉
末の導電性微粉末全体に対する体積比をF(体積%)と
した場合に、上記式(1)を満足することを特徴とす
る。
【0090】以下、本発明をさらに詳細に説明する。本
発明の現像剤は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有
するトナー粒子と、平均1次粒径が4〜80nmの無機
微粉末と、体積平均粒子径が0.5〜10μmである導
電性微粉末とからなる。
【0091】本発明者の検討によれば、導電性微粉末の
うち非常に粒径が細かいものは、現像工程で像担持体に
付着し転写工程の後も像担持体上に残留して持ち運ばれ
た後、帯電部材と像担持体との接触部に介在している間
に、この導電性微粉末と同時に持ち運ばれる転写残トナ
ーを覆い、転写残トナーの表面に強固に付着する傾向が
強いことが判明した。粒径が非常に細かい導電性微粉末
が多数表面に強固に付着した転写残トナーは、現像工程
で回収されるものの帯電能が低く、長期にわたる繰り返
し使用において現像剤担持体上或いは現像剤担持体近傍
に蓄積され、徐々にトナー全体の現像性を損ない、画像
濃度低下やカブリ増大の原因となっていることが判明し
た。この現像性の低下は、トナーカートリッジ内で現像
剤量が少なくなるまで使用された際にはより顕著なもの
になる。
【0092】これに対し、本発明者は鋭意検討の末、導
電性微粉末の現像剤全体に対する含有量をE(質量%)
とし、粒径が0.5μm以下の導電性微粉末の導電性微
粉末全体に対する存在比をF(体積%)とした場合に、
上記式(1)を満足するように、この導電性微粉末を現
像剤に含有させることにより、長期にわたる繰り返し使
用において、トナーカートリッジ内で現像剤量が少なく
なるまで使用された際にも、上述のトナー現像性の低下
が無く、良好な画像を安定して得られる現像同時クリー
ニングの画像形成が可能となることを見い出した。
【0093】すなわち、導電性微粉末の体積平均粒径を
規定するのみでは十分でなく、現像剤に含有される導電
性微粉末のうち、その粒径が0.5μm以下の粒子の絶
対量を規定することが重要である。上記E×Fの値が式
(1)よりも大きすぎると、粒径が非常に細かい導電性
微粉末の絶対量が多くなり、粒径が非常に細かい多数の
導電性微粉末が、その表面に強固に付着して帯電能が低
下したトナーが蓄積される。従って、現像剤全体の現像
性も徐々に低下し、長期にわたる繰り返し使用によって
画像濃度低下やカブリ増大を生じることとなる。
【0094】より長期にわたり画像劣化の無い安定した
現像同時クリーニングの画像形成を実現するためには、
式E×F<20を満たすように、導電性微粉末を添加す
ることがより好ましく良い。さらに、粒子径が0.5μ
m以下の導電性微粉末の粒子の絶対量が少なければ少な
い程良い。すなわち、E×Fの値が小さければ小さい程
好ましく、理想的には0であることが良い。
【0095】また、本発明の現像剤に含有される導電性
微粉末の平均粒子径は0.5〜10μmであることが好
ましい。導電性微粉末の平均粒子径が上記範囲よりも小
さすぎると、導電性微粉末全体中の粒子径が0.5μm
以下の粒子が占める体積比(F体積%)が大きくなる。
このため、上述した現像性の低下を防ぐには、導電性微
粉末の現像剤全体に対する含有量(E質量%)を小さく
設定しなければならない。導電性微粉末の平均粒子径が
上記範囲よりも小さすぎる場合に、E×F<40(式
(1))を満足するように導電性微粉末の添加量(E質
量%)を設定すると、この添加量が少な過ぎるために、
導電性微粉末の有効量を確保できなくなってしまう。よ
って、帯電工程において、絶縁性の転写残トナーの付着
・混入による接触帯電部材の帯電阻害に打ち勝って像担
持体の帯電を良好に行わせるのに十分な量の導電性微粉
末を、帯電部材と像担持体との接触部或いはその近傍の
帯電領域に介在させることができなくなり、帯電不良を
生じ易くなる。この観点から、導電性微粉末の平均粒子
径は0.8〜10μmであることがより好ましく、1.
1〜10μmであることが更に好ましい。
【0096】また、導電性微粉末の平均粒子径が上記範
囲よりも大き過ぎると、帯電部材から脱落した導電性微
粒末が、静電潜像を形成する露光光を遮光し或いは拡散
するため、静電潜像の欠陥を生じ画像品位を低下させる
場合があり好ましくない。更に、導電性微粒末の平均粒
子径が上記範囲よりも大き過ぎると、単位質量当たりの
導電性微粉末の粒子数が減少する。このため、帯電部材
からの導電性微粉末の脱落等による帯電部材における導
電性微粉末の減少、劣化を考慮して、導電性微粉末を帯
電部材と像担持体との接触部或いはその近傍の帯電領域
に逐次供給し続け介在させるためには、また、接触帯電
部材が導電性微粉末を介して像担持体への緻密な接触性
を維持し良好な帯電性を安定して得るためには、導電性
微粉末の現像剤全体に対する含有量(E質量%)を大き
くせざるを得なくなる。しかし、導電性微粉末の含有量
(E質量%)を大きくしすぎると、上記式(1)を満足
することが困難となる場合があり、また、特に高湿環境
下での現像剤全体としての帯電能、現像性を低下させ、
画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。このような観点か
ら、導電性微粉末の平均粒子径は0.8〜5μmである
ことがさらに好ましく、最適には1.1〜5μmであ
る。
【0097】導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量
(E質量%)は、1〜10質量%であることが好まし
い。導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量(E質量
%)が上記範囲よりも少な過ぎると、絶縁性の転写残ト
ナーの付着・混入による接触帯電部材への帯電阻害に打
ち勝って像担持体の帯電を良好に行わせるのに十分な量
の導電性微粉末を、帯電部材と像担持体との接触部或い
はその近傍の帯電領域に介在させることができず、帯電
不良を生じ易くなる。また、この含有量(E質量%)
が、上記範囲よりも大きすぎる場合は、上記式(1)を
満足することが困難となる場合があり、また、特に高湿
環境下での現像剤全体としての帯電能、現像性を低下さ
せ、画像濃度低下やトナー飛散を生ずる。このような観
点から、導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量(E
質量%)は1.5〜5質量%であることがさらに好まし
い。
【0098】粒子径が0.5μm以下の導電性微粉末の
導電性微粉末全体に対する体積比(F体積%)は、上記
式(1)E×F<40を満足するように設定されれば良
いが、40体積%以下であることが好ましく、導電性微
粉末の現像剤全体に対する含有量(E質量%)の許容範
囲を多い側に広げるには、30体積%以下であることが
好ましい。更に、粒子径が0.5μm以下の導電性微粉
末の導電性微粉末全体に対する体積比(F体積%)は、
少なければ少ない程よく、理想的には0体積%であるこ
とが良い。
【0099】また、本発明においては、導電性微粉末の
現像剤全体に対する含有量をE質量%とし、粒子径が5
μm以上の導電性微粉末の導電性微粉末全体に対する個
数比をG個数%とした場合に、下記式(2)を満足する
ことが好ましい。
【0100】
【数5】E×G<20 ・・・(2) 導電性微粉末を、帯電部材と像担持体との接触部或いは
その近傍の帯電領域に介在させる画像形成方法では、長
期の繰り返し使用によって、導電性微粉末がこの接触部
において像担持体表面を傷つけることによると推測され
る傷が像担持体上で発生し、この傷に起因して画像上に
画像欠陥が生じる問題がある。本発明者の検討によれ
ば、この像担持体の傷と現像剤に含有される粒子径が5
μm以上の導電性微粉末の導電性微粉末全体に対する個
数比が関係することが知見された。更に検討を進め、導
電性微粉末の平均粒子径を小さくするに従い、この像担
持体上の傷は軽減されていく傾向が見られるが、平均粒
子径を小さくしても粒径の粗い導電性微粉末が少量混入
することで像担持体上の傷は軽減されなくなることが知
見された。また、現像剤全体に対する導電性微粉末の含
有量(E質量%)と、粒子径が5μm以上の導電性微粉
末の導電性微粉末全体に対する個数比(G個数%)と
が、上記式(2)E×G<20を満足するように、この
導電性微粉末を現像剤に含有させることで、像担持体上
の傷を大幅に減少でき、画像上の画像欠陥を実用上許容
できるレベルに抑制できることが判明した。すなわち、
現像剤中における粒子径が5μm以上の導電性微粉末の
絶対個数が少ないほど好ましいことが判明した。
【0101】また、像担持体上の傷の発生は像担持体の
硬度、滑り性等の特性によっても像担持体上の傷の発生
の頻度が変わるが、導電性微粉末を下記式(3)を満足
するよう含有させることで、より傷の発生し易い像担持
体においても、像担持体上の傷を大幅に減少させ、画像
上の画像欠陥を実用上許容できるレベルに抑制すること
が可能である。
【0102】
【数6】E×G<10 ・・・(3) 像担持体上の傷の発生をさらに減少させるためには、粒
径が5μm以上の導電性微粉末の個数が少なければ少な
い程よく、すなわち、E×Gの値が小さければ小さい程
好ましく良く、理想的には0であることが良い。
【0103】導電性微粉末の粒度分布における5μm以
上の粒子の個数%(G個数%)は、上記式(2)E×G
<20を満足するよう設定されることが好ましいが、2
0個数%以下であることが好ましく、像担持体上の傷を
より減少させるためには、10個数%以下であることが
さらに好ましい。この粒径が5μm以上の導電性微粉末
の個数%(G個数%)は、少なければ少ない程よく、理
想的には0個数%であることが最も好ましい。
【0104】また、本発明において、導電性微粉末の抵
抗は109Ω・cm以下であることが好ましい。導電性
微粉末の抵抗が、上記範囲よりも大きすぎる場合には、
導電性微粉末を帯電部材と像担持体との接触部或いはそ
の近傍の帯電領域に介在させ、接触帯電部材の導電性微
粉末を介しての像担持体への緻密な接触性を維持させて
も、良好な帯電性を得るための帯電促進効果が小さくな
ってしまう。
【0105】導電性微粉末の帯電促進効果を十分に引き
出し、良好な帯電性を安定して得るためには、導電性微
粉末の抵抗が、接触帯電部材の表面部或いは像担持体と
の接触部の抵抗よりも小さいことが好ましく、この接触
帯電部材の抵抗の1/100以下であることがさらに好
ましい。
【0106】更に、導電性微粉末の抵抗は、106 Ω・
cm以下であることが、接触帯電部材への絶縁性の転写
残トナーへの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像
担持体の帯電をより良好に行わせる上で好ましい。この
導電性微粉末の抵抗は、10 0〜104Ω・cmであるこ
とが、さらに好ましい。
【0107】また、導電性微粉末は、透明、白色或いは
淡色の導電性微粉末であることが、転写材上に転写され
る導電性微粉末がカブリとして目立たないため好まし
い。潜像形成工程における露光光の妨げになることを防
ぐ意味でも、導電性微粉末は、透明、白色或いは淡色の
導電性微粉末であることが好ましい。さらに、導電性微
粉末はこの静電潜像を形成する像露光光に対する透過率
が30%以上であることが好ましい。この透過率は35
%以上であることがさらに好ましい。また、導電性微粉
末は非磁性であることが好ましい。
【0108】以下、本発明における導電性微粉末の光透
過性の測定方法の一例を示す。片面に接着層を有する透
明のフィルムの接着層上に、導電性微粉末を一層分固定
した状態で透過率を測定する。光はフィルムの鉛直方向
から照射し、フィルム背面まで透過した光を集光してそ
の光量を測定する。フィルムのみの場合の光量と導電性
微粉末を付着したときの光量の差に基づいて、正味の光
量としての粒子の光透過率を算出した。実際にはX−R
ite社製310T透過型濃度計を用いて測定すること
ができる。
【0109】本発明における導電性微粉末としては、例
えば、カーボンブラック、グラファイトなどの炭素微粉
末;銅、金、銀、アルミニウム、ニッケルなどの金属微
粉末;酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アルミニ
ウム、酸化インジウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、
酸化バリウム、酸化モリブデン、酸化鉄、酸化タングス
テンなどの金属酸化物;硫化モリブデン、硫化カドミウ
ム、チタン酸カリウムなどの金属化合物、あるいはこれ
らの複合酸化物などを、必要に応じて粒度及び粒度分布
を調整することで使用できる。これらの中でも、非磁性
であり、白色または淡色の、酸化亜鉛、酸化すず、酸化
チタンが特に好ましい。
【0110】また、導電性無機酸化物の抵抗値を制御す
る等の目的で、アンチモン、アルミニウムなどの元素を
ドープした金属酸化物、導電性材料を表面に有する微粒
子なども使用できる。例えば、酸化スズ・アンチモンで
表面処理された酸化チタン微粒子、アンチモンがドープ
された酸化第2スズ微粒子、あるいは酸化第2スズ微粒
子などである。
【0111】市販の酸化スズ・アンチモン処理された導
電性酸化チタン微粒子としては、例えばEC−300
(チタン工業株式会社)、ET−300、HJ−1、H
I−2(以上、石原産業株式会社)、W−P(三菱マテ
リアル株式会社)などが挙げられる。
【0112】市販のアンチモンドープの導電性酸化スズ
としては、例えばT−1(三菱マテリアル株式会社)や
SN−100P(石原産業株式会社)などが、また市販
の酸化第2スズとしては、SH−S(日本化学産業株式
会社)などが挙げられる。
【0113】次に、本発明における導電性微粉末の平均
粒径及び粒度分布の測定法を例示する。コールター社
製、LS−230型レーザー回折式粒度分布測定装置に
リキッドモジュールを取り付け、0.04〜2000μ
mを粒子径の測定範囲として測定する。測定法として
は、純水10ccに微量の界面活性剤を添加し、これに
導電性微粉末の試料10mgを加え、超音波分散機(超
音波ホモジナイザー)にて10分間分散した後、測定時
間90秒、測定回数1回で測定する。
【0114】本発明において、導電性微粉末の粒度及び
粒度分布の調整方法としては、導電性微粉末の一次粒子
が製造時において所望の粒度及び粒度分布が得られるよ
うに製造法、製造条件を設定する方法以外にも、一次粒
子の小さな粒子が凝集させる方法、一次粒子の大きな粒
子を粉砕する方法或いは分級による方法等が可能であ
り、更には、所望の粒度及び粒度分布の基材粒子の表面
の一部もしくは全部に導電性微粉末を付着或いは固定化
する方法、所望の粒度及び粒度分布の粒子に導電性成分
が分散された形態を有する導電性微粉末を用いる方法等
も可能であり、これらの方法を組み合わせて導電性微粉
末の粒度及び粒度分布を調整することも可能である。
【0115】導電性微粉末の粒子が凝集体として構成さ
れている場合の粒径は、その凝集体としての平均粒径と
して定義される。導電性微粉末は、一次粒子の状態で存
在するばかりでなく二次粒子の凝集した状態で存在して
も問題はない。どのような凝集状態であれ、凝集体とし
て帯電部材と像担持体との接触部或いはその近傍の帯電
領域に介在し、帯電補助或いは促進の機能が実現できれ
ばその形態は問わない。
【0116】本発明において、導電性微粉末の抵抗測定
は、錠剤法により測定し正規化して求めることができ
る。即ち、底面積2.26cm2の円筒内におおよそ
0.5gの粉体試料を入れて上下電極に15kgの加圧
を行うと同時に100Vの電圧を印加し抵抗値を計測、
その後正規化して比抵抗を算出する。
【0117】本発明において現像剤は、平均一次粒径4
〜80nmの無機微粉末が添加されることも重要であ
る。この無機微粉末は、トナー粒子の表面に付着し、現
像剤の流動性の改良及びトナー粒子の帯電均一化のため
に添加される。また、無機微粉末を疎水化処理などの処
理を行うことによって、現像剤の帯電量の調整、環境安
定性の向上等の機能を付与することも好ましい形態であ
る。
【0118】無機微粉末の平均一次粒径が上記範囲より
も大きすぎる場合、或いは上記範囲の無機微粉末が現像
剤に添加されていない場合には、転写残トナーが帯電部
材へ付着した際に帯電部材に固着し易くなるため、安定
して良好な帯電特性を得ることが困難となる。また、良
好な現像剤の流動性が得られず、トナー粒子への帯電付
与が不均一になり易く、カブリの増大、画像濃度の低
下、トナー飛散等の問題を避けられない。また、無機微
粉末の平均一次粒径が上記範囲よりも小さすぎる場合に
は、無機微粉末の凝集性が強まり、一次粒子ではなく解
砕処理によっても解れ難い強固な凝集性を持つ粒度分布
の広い凝集体として挙動し易く、無機微粉末の凝集体の
現像による画像抜け、像担持体或いは現像担持体等を傷
つけるなどによる画像欠陥を生じ易くなる。トナー粒子
の帯電分布をより均一とするためには無機微粉末の平均
一次粒径は6〜35nmであることがより好ましい。
【0119】本発明において、無機微粉末の平均一次粒
径の測定法は、以下のように行うことができる。すなわ
ち、走査型電子顕微鏡により拡大撮影した現像剤の写真
と、更に走査型電子顕微鏡に付属させたXMA等の元素
分析手段によって無機微粉末に含有される元素でマッピ
ングされた現像剤の写真とを対照して、トナー表面に付
着或いは遊離して存在している無機微粉末の一次粒子を
画像上で特定する。そして、特定された無機微粉末の一
次粒子を100個以上測定して個数平均径を求め、得ら
れた個数平均径を無機微粉末の平均一次粒径とすること
ができる。
【0120】本発明で用いられる無機微粉末としては、
シリカ、アルミナ、チタニアなどが好ましく使用でき
る。
【0121】例えば、ケイ酸微粉体としてはケイ素ハロ
ゲン化物の蒸気相酸化により生成されたいわゆる乾式法
又はヒュームドシリカと称される乾式シリカ、及び水ガ
ラス等から製造されるいわゆる湿式シリカの両者が使用
可能であるが、表面及びシリカ微粉体の内部になるシラ
ノール基が少なく、またNa2O,SO3 -等の製造残滓
の少ない乾式シリカの方が好ましい。また乾式シリカに
おいては、製造工程において、例えば塩化アルミニウ
ム、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物と共に用いる
ことによって、シリカと他の金属酸化物の複合微粉体を
得ることも可能でありそれらも包含する。
【0122】平均一次粒径が4〜80nmの無機微粉末
の添加量は、トナー粒子に対して0.1〜3.0質量%
であることが好ましい。添加量が0.1質量%未満では
その効果が十分ではなく、3.0質量%以上では得られ
るトナー画像の定着性が悪くなる。
【0123】無機微粉末は、疎水化処理されたものであ
ることが高温高湿環境下での特性から好ましい。現像剤
に添加された無機微粉末が吸湿すると、トナー粒子の帯
電量が著しく低下し、トナー飛散が起こり易くなるため
である。
【0124】疎水化処理の処理剤としては、シリコーン
ワニス、各種変性シリコーンワニス、シリコーンオイ
ル、各種変性シリコーンオイル、シラン化合物、シラン
カップリング剤、その他有機硅素化合物、有機チタン化
合物の如き処理剤を、単独で或いは併用して処理しても
良い。
【0125】その中でも、シリコーンオイルにより処理
されたものが好ましく、より好ましくは、無機微粉末を
疎水化処理すると同時に或いは疎水化処理した後に、シ
リコーンオイルにより処理したものが高湿環境下でもト
ナー粒子の帯電量を高く維持し、トナー飛散を防止する
上でよい。
【0126】このような無機微粉末の処理方法として
は、例えば第一段反応としてシリル化反応を行いシラノ
ール基を化学結合により消失させた後、第二段反応とし
てシリコーンオイルにより表面に疎水性の薄膜を形成す
ることができる。
【0127】上記シリコーンオイルは、25℃における
粘度が10〜200,000mm2/sのものが、さら
には3,000〜80,000mm2/sのものが好ま
しい。シリコーンオイルの粘度が上記範囲よりも小さす
ぎる場合には、無機微粉末の処理に安定性が無くなり、
熱及び機械的な応力により画質が劣化する傾向がある。
また、粘度が上記範囲よりも大きすぎる場合には、無機
微粉末の均一な処理が困難になる傾向がある。
【0128】使用されるシリコーンオイルとしては、例
えばジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコ
ーンオイル、α−メチルスチレン変性シリコーンオイ
ル、クロルフェニルシリコーンオイル、フッ素変性シリ
コーンオイル等が特に好ましい。
【0129】シリコーンオイルの処理の方法としては、
例えばシラン化合物で処理された無機微粉末とシリコー
ンオイルとをヘンシェルミキサー等の混合機を用いて直
接混合してもよいし、無機微粉末にシリコーンオイルを
噴霧する方法を用いてもよい。或いは適当な溶剤にシリ
コーンオイルを溶解或いは分散した後、シリカ微粉体を
加えて混合し、溶剤を除去する方法でもよい。無機微粉
末の凝集体の生成が比較的少ない点で噴霧機を用いる方
法がより好ましい。
【0130】シリコーンオイルの処理量は、好ましくは
無機微粉末100質量部に対し1〜23質量部、より好
ましくは5〜20質量部である。シリコーンオイルの量
が上記範囲よりも少なすぎると良好な疎水性が得られ
ず、多すぎるとカブリ発生等の不具合が生ずる。
【0131】本発明で用いられる平均一次粒径が4〜8
0nmの無機微粉末は、BET法で測定した窒素吸着に
より比表面積が20〜250m2/g範囲内のものが好
ましく、40〜200m2/gのものがより好ましい。
比表面積の測定はBET法に従って行い、比表面積測定
装置オートソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて
試料表面に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて
比表面積を算出することができる。
【0132】本発明の現像剤に含有されるトナー粒子
は、結着樹脂及び着色剤を少なくとも含有する粒子であ
る。トナー粒子の抵抗は、1010Ω・cm以上であるこ
とが好ましく、1012Ω・cm以上であることがより好
ましい。トナー粒子が実質的に絶縁性を示さなければ、
現像性と転写性を両立することが困難である。また、ト
ナー粒子への現像電界による電荷の注入を生じ易く、現
像剤の帯電を乱しカブリを生ずる。
【0133】トナー粒子の体積平均粒子径は3〜9μm
であることが好ましい。体積平均粒子径が上記範囲より
も小さすぎる場合には、無機微粉末及び導電性微粉末と
の均一な混合性が得にくく、現像同時クリーニング画像
形成方法における安定した性能を得ることが困難であ
る。また、体積平均粒子径が上記範囲よりも大きすぎる
と現像同時クリーニングの画像形成方法における安定し
た帯電性能を実現するために必要な量の導電性微粉末B
を添加することで、高湿環境下で十分なトナー帯電量が
得られず、画像濃度の低下、カブリの増大などによる画
質低下を生じる。
【0134】本発明において、トナー粒子の体積平均粒
径は、コールターマルチサイザー(コールター社製)を
用い、電解液はISOTON R−II(1%NaCl水
溶液、コールターサイエンティフィックジャパン社製)
を用いて測定する。測定法としては、前記電解水溶液1
00〜150ml中に分散剤として界面活性剤を0.1
〜5ml加え、更に測定試料のトナー粒子を2〜20m
g加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散機で約1
〜3分間分散処理を行い、前記測定装置により、体積、
個数を測定して、体積平均粒径を算出する。
【0135】本発明に使用されるトナー粒子が含有する
結着樹脂の種類としては、例えば、スチレン系樹脂、ス
チレン系共重合樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ塩化ビニ
ル樹脂、フェノール樹脂、天然変性フェノール樹脂、天
然樹脂変性マレイン酸樹脂、アクリル樹脂、メタクリル
樹脂、ポリ酢酸ビニール、シリコーン樹脂、ポリウレタ
ン樹脂、ポリアミド樹脂、フラン樹脂、エポキシ樹脂、
キシレン樹脂、ポリビニルブチラール、テルペン樹脂、
クマロンインデン樹脂、石油系樹脂等が使用できる。
【0136】スチレン系共重合体のスチレンモノマーに
対するコモノマーとしては、例えば、ビニルトルエン等
のスチレン誘導体;例えば、アクリル酸又はアクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリ
ル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸−2−
エチルヘキシル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エ
ステル類;例えば、メタクリル酸又はメタクリル酸メチ
ル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタク
リル酸オクチル等のメタクリル酸エステル類;例えば、
マレイン酸又はマレイン酸ブチル、マレイン酸メチル、
マレイン酸ジメチル等のような二重結合を有するジカル
ボン酸エステル類;例えば、アクリルアミド、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、ブタジエン又は塩化ビ
ニル、酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のようなビニルエ
ステル類;例えば、エチレン、プロピレン、ブチレン等
のようなエチレン系オレフィン類;例えば、ビニルメチ
ルケトン、ビニルヘキシルケトン等のようなビニルケト
ン類;例えば、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエ
ーテル、ビニルイソブチルエーテル等のようなビニルエ
ーテル類;等のビニル系単量体が単独もしくは2つ以上
用いられる。
【0137】ここで架橋剤としては、主として2個以上
の重合可能な二重結合を有する化合物が用いられ、例え
ば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等のような
芳香族ジビニル化合物;例えばエチレングリコールジア
クリレート、エチレングリコールジメタクリレート、
1,3−ブタンジオールジメタクリレート等のような二
重結合を2個有するカルボン酸エステル;ジビニルアニ
リン、ジビニルエーテル、ジビニルスルフィド、ジビニ
ルスルホン等のジビニル化合物;及び3個以上のビニル
基を有する化合物;が単独もしくは混合物として用いら
れる。
【0138】結着樹脂のガラス転移点温度(Tg)は、
50〜70℃であることが好ましい。ガラス転移温度が
上記範囲よりも低すぎる場合には現像剤の保存性が低下
し、高すぎる場合には定着性に劣る。
【0139】本発明で用いられるトナー粒子にワックス
成分を含有させるのは好ましい形態の一つである。本発
明に用いられるトナー粒子に含有されるワックスとして
は、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
ポリオレフィン、ポリオレフィン共重合体、マイクロク
リスタリンワックス、パラフィンワックス、サゾールワ
ックスなどの脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチ
レンワックスなどの脂肪族炭化水素ワックスの酸化物;
または、それらのブロック共重合物;カルナバワック
ス、モンタン酸エステルワックスなどの脂肪酸エステル
を主成分とするワックス類;脱酸カルナバワックスなど
の脂肪酸エステル類を一部または全部を脱酸化したもの
などが挙げられる。さらに、パルミチン酸、ステアリン
酸、モンタン酸、或いは更に長鎖のアルキル基を有する
長鎖アルキルカルボン酸類などの、飽和直鎖脂肪酸類;
ブランジン酸、エレオステアリン酸、バリナリン酸など
の不飽和脂肪酸類;ステアリンアルコール、アラルキル
アルコール、ベヘニルアルコール、カルナウビルアルコ
ール、セリルアルコール、メリシルアルコール、或いは
更に長鎖のアルキル基を有する長鎖アルキルアルコール
類などの飽和アルコール類;ソルビトールなどの多価ア
ルコール類;リノール酸アミド、オレイン酸アミド、ラ
ウリン酸アミドなどの脂肪酸アミド類;メチレンビスス
テアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エ
チレンビスラウリン酸アミド、ヘキサメチレンビスステ
アリン酸アミドなどの飽和脂肪酸ビスアミド類、エチレ
ンビスオレイン酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン
酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、
N,N’−ジオレイルセバシン酸アミドなどの、不飽和
脂肪酸アミド類;m−キシレンビスステアリン酸アミ
ド、N,N’−ジステアリルイソフタル酸アミドなどの
芳香族系ビスアミド類;ステアリン酸カルシウム、ラウ
リン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マ
グネシウムなどの脂肪酸金属塩(一般に金属石けんとい
われているもの);脂肪族炭化水素系ワックスにスチレ
ンやアクリル酸などのビニル系モノマーを用いてグラフ
ト化させたワックス類;ベヘニン酸モノグリセリドなど
の脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性
油脂の水素添加などによって得られるヒドロキシル基を
有するメチルエステル化合物などが挙げられる。
【0140】本発明においては、該ワックスを結着樹脂
100質量部に対して好ましくは0.5〜20質量部、
より好ましくは0.5〜15質量部の範囲で用いられ
る。
【0141】本発明に使用されるトナー粒子が含有する
着色剤としては、カーボンブラック、ランプブラック、
鉄黒、群青、ニグロシン染料、アニリンブルー、フタロ
シアニンブルー、フタロシアニングリーン、ハイザイエ
ローG、ローダミン6G、カルコオイルブルー、クロム
イエロー、キナクリドン、ベンジジンイエロー、ローズ
ベンガル、トリアリールメタン系染料、モノアゾ系、ジ
スアゾ系染顔料等、従来公知の染顔料を単独或いは混合
して使用し得る。
【0142】本発明においては、現像剤は、79.6k
A/m(1000エルステッド)の磁場における磁化の
強さが10〜40Am2/kg(emu/g)である磁
性現像剤であることが好ましい。この磁化の強さは、2
0〜35Am2/kg(emu/g)であることがより
好ましい。
【0143】本発明において磁場79.6kA/mにお
ける磁化の強さを規定する理由は、磁性体の磁気特性を
表す量としては、磁気飽和における磁化の強さ(飽和磁
化)が用いられるが、本発明においては画像形成装置内
で実際に磁性現像剤に作用する磁場における磁性現像剤
の磁化の強さが重要であるためである。画像形成装置に
磁性現像剤が適用される場合、磁性現像剤に作用する磁
場は、画像装置外への磁場の漏洩を大きくしないため或
いは磁場発生源のコストを低く抑えるために、市販され
ている多くの画像形成装置において数十から数百十kA
/mであり、画像形成装置内で実際に磁性現像剤に作用
する磁場の体表的な値として磁場79.6kA/m(1
000エルステッド)を選択し、磁場79.6kA/m
における磁化の強さを規定した。
【0144】このような磁性現像剤を得る手段として
は、トナー粒子に磁性体を含有させる。現像剤の磁場7
9.6kA/mにおける磁化の強さが上記範囲よりもよ
りも小さすぎる場合には、磁気力により現像剤搬送を行
うことが困難となり、現像剤担持体上に均一に現像剤を
担持させることができなくなる。また、磁場79.6k
A/mにおける磁化の強さが上記範囲よりも大きすぎる
場合には、トナー粒子に含有させる磁性体量が多いため
に、定着性が低下する。
【0145】本発明において現像剤を磁性現像剤とする
ためトナー粒子に含有させる磁性体としては、マグネタ
イト、マグヘマイト、フェライト等の磁性酸化鉄、鉄、
コバルト、ニッケル等の金属或いはこれらの金属とアル
ミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜
鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、
カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステ
ン、バナジウム等の金属の合金及びその混合物が挙げら
れる。
【0146】これらの磁性体の磁気特性としては、磁場
795.8kA/m下で飽和磁化が10〜200Am2
/kg、残留磁化が1〜100Am2/kg、抗磁力が
1〜30kA/mであるものが好ましく用いられる。こ
れらの磁性体は結着樹脂100質量部に対し、20〜2
00質量部で好ましく用いられる。
【0147】本発明において磁性現像剤の磁化の強さ
は、振動型磁力計VSM P−1−10(東英工業社
製)を用いて、25℃の室温にて外部磁場79.6kA
/mで測定することができる。また、磁性体の磁気特性
は、25℃の室温にて外部磁場796kA/mで測定す
ることができる。
【0148】本発明において現像剤は、荷電制御剤を含
有することが好ましい。現像剤を正荷電性に制御するも
のとして、例えば下記の物質がある。
【0149】ニグロシン及び脂肪酸金属塩等による変成
物;トリブチルベンジルアンモニウム−1−ヒドロキシ
−4−ナフトスルフォン酸塩、テトラブチルアンモニウ
ムテトラフルオロボレートなどの四級アンモニウム塩、
及びこれらの類似体であるホスホニウム塩等のオニウム
塩及びこれらのレーキ顔料、トリフェニルメタン染料及
びこれらのレーキ顔料、(レーキ化剤としては、リンタ
ングステン酸、リンモリブデン酸、リンタングステンモ
リブデン酸、タンニン酸、ラウリン酸、没食子酸、フェ
リシアン化物、フェロシアン化物など)高級脂肪酸の金
属塩;ジブチルスズオキサイド、ジオクチルスズオキサ
イド、ジシクロヘキシルスズオキサイドなどのジオルガ
ノスズオキサイド;ジブチルスズボレート、ジオクチル
スズボレート、ジシクロヘキシルスズボレートなどのジ
オルガノスズボレート類;グアニジン化合物、イミダゾ
ール化合物。これらを単独で或いは2種類以上組み合わ
せて用いることができる。これらの中でも、トリフェニ
ルメタン化合物、カウンターイオンがハロゲンでない四
級アンモニウム塩が好ましく用いられる。また一般式
(1)で表されるモノマーの単重合体:前述したスチレ
ン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルの如き
重合性モノマーとの共重合体を正荷電性制御剤として用
いることができる。この場合これらの荷電制御剤は、結
着樹脂(の全部または一部)としての作用をも有する。
【0150】
【化1】 特に下記一般式(2)で表される化合物が本発明の構成
においては好ましい。
【0151】
【化2】 [式中、R1,R2,R3,R4,R5,R6は、各々
互いに同一でも異なっていてもよい水素原子、置換もし
くは未置換のアルキル基、または、置換もしくは未置換
のアリール基を表す。R7,R8,R9は各々互いに同
一でも異なっていてもよい水素原子、ハロゲン原子、ア
ルキル基、アルコキシ基を表す。A−は、硫酸イオン、
硝酸イオン、ほう酸イオン、りん酸イオン、水酸イオ
ン、有機硫酸イオン、有機スルホン酸イオン、有機りん
酸イオン、カルボン酸イオン、有機ほう酸イオン、テト
ラフルオロボレートなどの陰イオンを示す。]現像剤を
負荷電性に制御するものとして下記物質がある。
【0152】例えば、有機金属錯体、キレート化合物が
有効であり、モノアゾ金属錯体、アセチルアセトン金属
錯体、芳香族ハイドロキシカルボン酸、芳香族ダイカル
ボン酸系の金属錯体がある。他には、芳香族ハイドロキ
シカルボン酸、芳香族モノ及びポリカルボン酸及びその
金属塩、無水物、エステル類、ビスフェノール等のフェ
ノール誘導体類などがある。
【0153】また次に示した一般式(3)で表されるア
ゾ系金属錯体が好ましい。
【0154】
【化3】 特に中心金属としてはFe,Crが好ましく、置換基と
してはハロゲン、アルキル基、アニリド基が好ましく、
カウンターイオンとしては水素、アンモニウム、脂肪族
アンモニウムが好ましい。
【0155】あるいは次の一般式(4)に示した塩基性
有機酸金属錯体も負帯電性を与えるものであり、本発明
に使用できる。特に中心金属としてはFe,Crが好ま
しく、置換基としてはハロゲン、アルキル基、アニリド
基が好ましく、カウンターイオンとしては水素、アルカ
リ金属、アンモニウム、脂肪族アンモニウムが好まし
い。またカウンターイオンの異なる錯塩の混合物も好ま
しく用いられる。
【0156】
【化4】 電荷制御剤を現像剤に含有させる方法としては、トナー
粒子内部に添加する方法と外添する方法がある。これら
の電荷制御剤の使用量としては、結着樹脂の種類、他の
添加剤の有無、分散方法を含めたトナー製造方法によっ
て決定されるもので、一義的に限定されるものではない
が、好ましくは結着樹脂100質量部に対して0.1〜
10質量部、より好ましくは0.1〜5質量部の範囲で
用いられる。
【0157】本発明に係るトナー粒子を製造するにあた
っては、上述したような構成材料をボールミルその他の
混合機により十分混合した後、熱ロールニーダー、エク
ストルーダー等の熱混練機を用いて良く混練し、冷却固
化後、粉砕、分級によってトナーを得る方法が好まし
く、他には、結着樹脂を構成すべき単量体に所定の材料
を混合して乳化懸濁液とした後に、重合させてトナーを
得る重合法トナー製造法;あるいはコア材、シェル材か
らなるいわゆるマイクロカプセルトナーにおいて、コア
材或いはシェル材、或いはこれらの両方に所定の材料を
含有させる方法;結着樹脂溶液中に構成材料を分散した
後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;等の方
法が応用できる。上記のようにして得られたトナー粒子
に外部添加剤を加え混合機により混合し、さらに必要に
応じ篩を通過させることで、本発明に係る現像剤を製造
することができる。
【0158】粉砕法によってトナー粒子を製造する場合
に用いられる製造装置としては、例えば混合機として
は、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製);スーパーミ
キサー(カワタ社製);リボコーン(大川原製作所社
製);ナウターミキサー、タービュライザー、サイクロ
ミックス(ホソカワミクロン社製);スパイラルピンミ
キサー(太平洋機工社製);レーディゲミキサー(マツ
ボー社製)が挙げられ、混練機としては、KRCニーダ
ー(栗本鉄工所社製);ブス・コ・ニーダー(Buss
社製);TEM型押し出し機(東芝機械社製);TEX
二軸混練機(日本製鋼所社製);PCM混練機(池貝鉄
工所社製);三本ロールミル、ミキシングロールミル、
ニーダー(井上製作所社製);ニーデックス(三井鉱山
社製);MS式加圧ニーダー、ニダールーダー(森山製
作所社製);バンバリーミキサー(神戸製鋼所社製)が
挙げられ、粉砕機としては、カウンタージェットミル、
ミクロンジェット、イノマイザ(ホソカワミクロン社
製);IDS型ミル、PJMジェット粉砕機(日本ニュ
ーマチック工業社製);クロスジェットミル(栗本鉄工
所社製);ウルマックス(日曹エンジニアリング社
製);SKジェット・オー・ミル(セイシン企業社
製);クリプトロン(川崎重工業社製);ターボミル
(ターボ工業社製)が挙げられ、分級機としては、クラ
ッシール、マイクロンクラッシファイアー、スペディッ
ククラシファイアー(セイシン企業社製);ターボクラ
ッシファイアー(日新エンジニアリング社製);ミクロ
ンセパレータ、ターボプレックス(ATP)、TSPセ
パレータ(ホソカワミクロン社製);エルボージェット
(日鉄鉱業社製)、ディスパージョンセパレータ(日本
ニューマチック工業社製);YMマイクロカット(安川
商事社製)が挙げられ、粗粒などとふるい分けるために
用いられる篩い装置としては、ウルトラソニック(晃栄
産業社製);レゾナシーブ、ジャイロシフター(徳寿工
作所製);バイブラソニックシステム(ダルトン社
製);ソニクリーン(新東工業社製);ターボスクリー
ナー(ターボ工業社製);ミクロシフター(槙野産業社
製);円形振動篩い等が挙げられる。
【0159】本発明の現像剤は、さらに各種特性付与を
目的とした現像剤への添加剤を含有しても良い。このよ
うな添加剤としては、例えば、以下のようなものが用い
られる。
【0160】(1)研磨剤:金属酸化物(チタン酸スト
ロンチウム、酸化セリウム、酸化アルミニウム、酸化マ
グネシウム、酸化クロムなど)・窒化物(窒化ケイ素な
ど)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、炭酸カルシウム)など。
【0161】(2)滑剤:フッ素系樹脂粉末(ポリフッ
化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンなど)・シ
リコン系樹脂粉末・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛、
ステアリン酸カルシウムなど)など。
【0162】これら添加剤は、トナー粒子100質量部
に対し、0.05〜10質量部が好ましく用いられ、よ
り好ましくは0.1〜5質量部が用いられる。これら添
加剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。
【0163】〈画像形成方法および画像形成装置〉次
に、本発明の現像剤を好適に用いることができる本発明
の画像形成方法および画像形成装置について説明する。
【0164】本発明の画像形成方法は、(i)像担持体
を帯電する帯電工程、(ii)帯電工程において帯電され
た像担持体表面を露光することによりこの像担持体表面
に静電潜像を形成する潜像形成工程、(iii)潜像形成
工程において形成された静電潜像を、現像剤担持体上に
担持させた上記本発明の現像剤により現像することによ
りトナー画像を形成する現像工程、(iv)現像工程にお
いて形成されたトナー画像を転写材に転写する転写工程
を有し、前記各工程が繰り返されることにより画像形成
を行う画像形成方法である。また本発明の画像形成方法
において、現像工程は、トナー画像を形成するととも
に、トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担
持体表面に残留している現像剤を回収する工程を兼ねて
おり、帯電工程は、像担持体と接触する帯電部材に電圧
を印加することによりこの像担持体を帯電する工程であ
り、現像工程において、像担持体表面に付着し転写工程
を経た後も像担持体表面に残留している前記現像剤に含
まれる導電性微粉末が、像担持体と帯電部材との接触部
に介在することを特徴とする。
【0165】また、上記画像形成方法を実現するための
本発明の画像形成装置は、(I)静電潜像を担持するた
めの像担持体、(II)像担持体と接触する帯電部材を有
し、この帯電部材に電圧を印加することにより像担持体
を帯電するための帯電手段、(III)帯電手段によって
帯電された像担持体表面を露光することにより、この像
担持体上に静電潜像を形成する潜像形成手段、(IV)潜
像形成手段によって形成された静電潜像を、現像剤担持
体上に担持させた上記本発明の現像剤を用いて現像する
ことによりトナー画像を形成する現像手段、(V)現像
手段において形成されたトナー画像を転写材に転写する
転写手段とを有し、像担持体上に繰り返して静電潜像が
形成される画像形成装置である。本発明の画像形成装置
において、現像手段はトナー画像を形成するとともに、
トナー画像が転写材に転写された後に像担持体に残留し
ている現像剤を回収し、帯電手段は、現像手段によって
前記像担持体に付着し転写手段による転写が行われた後
もこの像担持体に残留した前記現像剤に含まれる導電性
微粉末を、前記像担持体と前記帯電部材との接触部に介
在させることを特徴とする。
【0166】以下、本発明の画像形成方法及び画像形成
装置について詳細に説明する。まず、本発明の画像形成
方法における帯電工程は、被帯電体である像担持体に、
ローラ型(帯電ローラ)、ファーブラシ型、磁気ブラシ
型、ブレード型等の導電性の帯電部材(接触帯電部材・
接触帯電器)を接触させ、この帯電部材(以下、「接触
帯電部材」と表記する)に所定の帯電バイアスを印加し
て被帯電体面を所定の極性・電位に帯電させる帯電手段
としての接触帯電装置によって行われる。
【0167】接触帯電部材に対する印加帯電バイアス
は、直流電圧のみでも良好な帯電性を得ることが可能で
あるが、直流電圧に交番電圧(交流電圧)を重畳しても
よい。このような交番電圧の波形としては、正弦波、矩
形波、三角波等が適宜使用可能である。また、交番電圧
は、直流電源を周期的にオン/オフすることによって形
成されたパルス波の電圧であっても良い。このように交
番電圧の波形としては周期的にその電圧値が変化するよ
うなバイアスが使用できる。
【0168】本発明においては、帯電部材は、帯電部材
と像担持体との間に上記現像剤に含まれる導電性微粉末
を介在させるための、帯電部材と像担持体との接触部を
設ける上で弾性を有することが好ましい。また、帯電部
材に電圧を印加することにより像担持体を帯電するた
め、帯電部材は導電性であることが好ましい。従って、
帯電部材は弾性導電ローラ(ローラ部材)、磁性粒子を
磁気拘束させた磁気ブラシ部を有し該磁気ブラシ部を被
帯電体に接触された磁気ブラシ接触帯電部材或いは導電
性繊維からなるブラシであることが好ましく良い。
【0169】ローラ部材としての弾性導電ローラの硬度
は、硬度が低すぎると形状が安定しないために被帯電体
である像担持体との接触性が悪くなり、更に、帯電部材
と像担持体との接触部に介在する導電性微粉末が弾性導
電ローラの表層を削り或いは傷つけてしまうため、安定
した帯電性が得られない。また、硬度が高すぎると被帯
電体との間に帯電接触部を確保できないだけでなく、像
担持体表面へのミクロな接触性が悪くなるので、アスカ
ーC硬度で25〜50度の範囲であることが好ましく、
25〜40度の範囲であることがさらに好ましい。
【0170】導電性弾性ローラは弾性を持たせて像担持
体との十分な接触状態を得ると同時に、移動する像担持
体を充電するに十分低い抵抗を有する電極として機能す
ることが重要である。一方、像担持体にピンホールなど
の欠陥部位が存在した場合に電圧のリークを防止する必
要がある。被帯電体として電子写真用感光体などの像担
持体を用いた場合、十分な帯電性と耐リークを得るに
は、導電性弾性ローラの抵抗は、103〜108Ω・cm
であることが好ましく、104〜107Ω・cmであるこ
とがより好ましい。ローラの抵抗は、ローラの芯金に総
圧1kgの加重がかかるようφ30mmの円筒状アルミ
ドラムにローラを圧着した状態で、芯金とアルミドラム
との間に100Vを印加し、計測することができる。
【0171】例えば、導電性弾性ローラは、芯金上に可
撓性部材としてのゴムあるいは発泡体の中抵抗層を形成
することにより作製される。中抵抗層は樹脂(例えばウ
レタン)、導電性物質(例えばカーボンブラック)、硫
化剤、発泡剤等により処方され、芯金の上にローラ状に
形成する。その後必要に応じて切削、表面研磨すること
により形状を整えることにより、導電性弾性ローラを作
製することができる。
【0172】導電性弾性ローラの材質としては、上記弾
性発泡体に限定するものではなく、弾性体の材料とし
て、エチレン−プロピレン−ジエンポリエチレン(EP
DM)、ウレタン、ブタジエンアクリロニトリルゴム
(NBR)、シリコーンゴムや、イソプレンゴム等に抵
抗調整のためにカーボンブラックや金属酸化物等の導電
性物質を分散したゴム材や、またこれらを発泡させたも
のが挙げられる。また、導電性物質を分散せずに、或い
は導電性物質と併用してイオン導電性の材料を用いるこ
とにより、抵抗調整をすることも可能である。
【0173】導電性弾性ローラは、被帯電体である像担
持体に対して弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配
設され、導電性弾性ローラと像担持体の接触部である帯
電接触部が形成される。この帯電接触部の幅は特に制限
されるものではないが、導電性弾性ローラと像担持体の
安定して密な密着性を得るために好ましくは1mm以
上、より好ましくは2mm以上である。
【0174】また、本発明の帯電工程において用いられ
る帯電部材は導電性繊維からなるブラシに電圧を印加す
ることにより像担持体を帯電するものであっても良い。
このような接触帯電部材としての帯電ブラシは、一般に
用いられている繊維に導電材を分散させて抵抗調整され
たものが用いられる。繊維としては、一般に知られてい
る繊維が使用可能であり、例えばナイロン、アクリル、
レーヨン、ポリカーボネート、ポリエステル等が挙げら
れる。導電材としては、一般に知られている導電材が使
用可能であり、例えば、ニッケル、鉄、アルミニウム、
金、銀等の導電性金属或いは酸化鉄、酸化亜鉛、酸化す
ず、酸化アンチモン、酸化チタン等の導電性の金属酸化
物、更にはカーボンブラック等の導電粉が挙げられる。
なおこれら導電材は必要に応じ疎水化、抵抗調整の目的
で表面処理が施されていてもよい。使用に際しては、繊
維との分散性や生産性を考慮して選択して用いる。
【0175】接触帯電部材として帯電ブラシを用いる場
合には、固定型と回動可能なロール状のものがある。ロ
ール状帯電ブラシとしては、例えば導電性繊維をパイル
地にしたテープを金属製の芯金にスパイラル状に巻き付
けてロールブラシとすることができる。導電性繊維は、
繊維の太さが1〜20デニール(繊維径10〜500μ
m程度)、ブラシの繊維の長さは1〜15mm、ブラシ
密度は1平方インチ当たり1万〜30万本(1平方メー
トル当たり1.5×107〜4.5×108本程度)のも
のが好ましく用いられる。
【0176】帯電ブラシは、極力ブラシ密度の高い物を
使用することが好ましく、1本の繊維を数本〜数百本の
微細な繊維から作ることも好ましく良い。例えば、30
0デニール/50フィラメントのように300デニール
の微細な繊維50本束ねて1本の繊維として植毛するこ
とも可能である。しかしながら、本発明においては、直
接注入帯電の帯電ポイントを決定しているのは、主には
帯電部材と像担持体との帯電接触部及びその近傍の導電
性微粉末の介在密度に依存しているため、帯電部材の選
択の範囲は広められている。
【0177】帯電ブラシの抵抗値は、弾性導電性ローラ
の場合と同様に十分な帯電性と耐リークを得るには10
3〜108Ω・cmの抵抗であることが良く、より好まし
くは104〜107Ω・cmの抵抗であることが良い。
【0178】帯電ブラシの材質としては、ユニチカ
(株)製の導電性レーヨン繊維REC−B、REC−
C、REC−M1、REC−M10、さらに東レ(株)
製のSA−7、日本蚕毛(株)製のサンダーロン、カネ
ボウ製のベルトロン、クラレ(株)製のクラカーボ、レ
ーヨンにカーボンを分散したもの、三菱レーヨン(株)
製のローバル等があるが、環境安定性の点でREC−
B、REC−C、REC−M1、REC−M10が特に
好ましい。
【0179】また、接触帯電部材が可撓性を有している
ことが接触帯電部材と像担持体の接触部において導電性
微粉末が像担持体に接触する機会を増加させ、高い接触
性を得ることができ、直接注入帯電性を向上させる点で
好ましく良い。つまり、接触帯電部材が導電性微粉末を
介して密に像担持体に接触して、接触帯電部材と像担持
体の接触部に存在する導電性微粉末が像担持体表面を隙
間なく摺擦することで、接触帯電部材による像担持体の
帯電は、導電性微粉末の存在により放電現像を用いない
安定かつ安全な直接注入帯電が支配的となる。従って、
従来のローラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が
得られ、接触帯電部材に印加した電圧とほぼ同等の電位
を像担持体に与えることができる。
【0180】更に、接触部を形成する帯電部材の表面に
おける移動速度と像担持体の表面における移動速度との
間には、相対的速度差を設けることで、接触帯電部材と
像担持体の接触部において導電性微粉末が像担持体に接
触する機会を格段に増加させ、より高い接触性を得るこ
とができ、直接注入帯電性を向上させる点で好ましく良
い。
【0181】接触帯電部材と像担持体との接触部に導電
性微粉末を介在させることにより、導電性微粉末の潤滑
効果(摩擦低減効果)が生じ、接触帯電部材と像担持体
との間に大幅なトルクの増大及び接触帯電部材及び像担
持体表面の顕著な削れ等を伴うことなく速度差を設ける
ことが可能となる。
【0182】速度差を設ける構成としては、接触帯電部
材を回転駆動することにより像担持体と該接触帯電部材
との間に相対的速度差を設けることが挙げられる。
【0183】また、帯電部に持ち運ばれる像担持体上の
転写残トナーを接触帯電部材に一時的に回収し均すため
に、接触帯電部材と像担持体は互いに逆方向に移動させ
ることが好ましい。例えば、接触帯電部材を回転駆動
し、さらに、その回転方向は像担持体表面の移動方向と
は逆方向に回転するように構成することが望ましい。即
ち、逆方向回転で像担持体上の転写残トナーを像担持体
から一旦引き離し、帯電を行うことにより優位に直接注
入帯電を行うことが可能である。
【0184】帯電部材を像担持体表面の移動方向と同じ
方向に移動させて速度差をもたせることも可能である。
しかし、直接注入帯電の帯電性は、像担持体の周速と帯
電部材の周速の比に依存する。このため、逆方向と同じ
周速比を順方向の回転で得るには、帯電部材の回転数を
逆方向の場合に比べて大きくする必要があるので、帯電
部材を逆方向に移動させる方が回転数の点で有利であ
る。ここで記述した周速比は次式で表すことができる。
なお、ここで、帯電部材周速は接触部において帯電部材
表面が像担持体表面と同じ方向に移動するときを正の値
としている。
【0185】
【数7】周速比(%)=(帯電部材周速−像担持体周
速)/像担持体周速×100 また、相対速度差を示す指標としては、次式で表される
相対移動速度比がある。
【0186】
【数8】相対移動速度比(%)=|(Vc−Vp)/V
p|×100 (式中、Vcは帯電部材表面の移動速度、Vpは像担持
体表面の移動速度であり、Vcは、当接部において帯電
部材表面が像担持体表面と同じ方向に移動するとき、V
pと同符号の値とする。) 相対移動速度比は、通常には10〜500%である。
【0187】像担持体上の転写残トナーを一時的に回収
するとともに導電性微粉末を担持し直接注入帯電を優位
に実行する上でも、接触帯電部材として可撓性部材であ
る弾性導電性ローラ或いは回動可能な帯電ブラシロール
を用いることが好ましい。
【0188】像担持体と接触帯電部材との接触部におけ
る導電性微粉末の介在量は、少なすぎると、該導電性微
粉末による潤滑効果が十分に得られず、像担持体と接触
帯電部材との摩擦が大きくなって接触帯電部材を像担持
体に速度差を持って回転駆動させることが困難である。
つまり、駆動トルクが過大となるし、無理に回転させる
と接触帯電部材や像担持体の表面が削れてしまう。更に
導電性微粉末による接触機会増加の効果が得られないこ
ともあり十分な帯電性能が得られない。一方、介在量が
多すぎると、導電性微粉末の接触帯電部材からの脱落が
著しく増加し作像上に悪影響が出る。
【0189】実験によると導電性微粉末の介在量は10
3個/mm2以上が好ましく、104個/mm2以上である
ことがより好ましい。この導電性微粉末の介在量が10
3個/mm2以上であることで、駆動トルクが過大となる
ことがなく、導電性微粉末による潤滑効果が十分に得ら
れる。介在量が上記範囲よりも少なすぎると十分な潤滑
効果と接触機会増加の効果が得られず帯電性能の低下が
生じる。転写残トナー粒子の帯電部材への付着および混
入を抑制し、または転写残トナー粒子の帯電部材への付
着或いは混入による帯電特性への悪影響に打ち勝って、
良好な直接注入帯電を行うには、像担持体と接触帯電部
材との接触部における導電性微粉末の介在量が104
/mm2以上であることが好ましい。。介在量が上記範
囲よりも小さすぎると、転写残トナーが多い場合に帯電
性能の低下が生じる。
【0190】導電性微粉末の像担持体上での存在量の適
正範囲は、導電性微粉末をどれぐらいの密度で像担持体
上に塗布することで均一帯電性の効果が得られるかでも
決定される。
【0191】帯電時は少なくとも記録解像度よりは均一
な接触帯電が必要なことは言うまでもない。人間の目の
視覚特性に関して、図4の特性グラフのように、空間周
波数が10cycles/mm以上では、画像上の識別
階調数が限りなく1に近づいていく、すなわち濃度ムラ
を識別できなくなる。この特性を積極的に利用すると、
像担持体上に導電性微粉末を付着させた場合、少なくと
も像担持体上で10cycles/mm以上の密度で導
電性微粉末Bを存在させ、直接注入帯電を行えば良いこ
とになる。たとえ導電性微粉末の存在しないところにミ
クロな帯電不良が発生したとしても、その帯電不良によ
って発生する画像上の濃度ムラは、人間の視覚特性を越
えた空間周波数領域に発生するため、画像上では問題は
無いことになる。
【0192】導電性微粉末の塗布密度が変化したとき
に、画像上に濃度ムラとしての帯電不良が認知されるか
どうかについては、導電性微粉末がわずかにでも塗布さ
れれば(例えば10個/mm2)、帯電ムラ発生の抑制
に効果が認められるが、画像上の濃度ムラが人間にとっ
て許容可能かどうかという点においてはまだ不十分であ
る。
【0193】ところがその塗布量を102個/mm2以上
すると、画像の客観評価において急激に好ましい結果が
得られるようになる。更に、塗布量を103個/mm2
上増加させていくことにより、帯電不良に起因する画像
上の問題点は皆無となる。
【0194】直接注入帯電方式による帯電では、放電帯
電方式とは根本的に異なり、帯電部材が感光体に確実に
接触することで帯電が行われている訳であるが、たとえ
導電性微粉末を像担持体上に過剰に塗布したとしても、
接触できない部分は必ず存在する。ところが本発明の人
間の視覚特性を積極的に利用した導電性微粉末の塗布を
行うことで、実用上この問題点を解決する。
【0195】しかしながら、直接注入帯電方式を現像同
時クリーニングの画像形成における像担持体の一様帯電
として適用する場合には、転写残トナーの帯電部材への
付着或いは混入による帯電特性の低下が生ずる。転写残
トナーの帯電部材への付着及び混入を抑制し、または転
写残トナーの帯電部材への付着或いは混入による帯電特
性への悪影響に打ち勝って、良好な直接注入帯電を行う
には、像担持体と接触帯電部材との接触部における導電
性微粉末の介在量が104個/mm2以上であることが好
ましい。
【0196】また、導電性微粉末の像担持体上での存在
量の上限は、導電性微粉末が像担持体上に1層均一に塗
布されるまでであり、それ以上塗布されても効果が向上
するわけではなく、逆に露光光を遮ったり、散乱させた
りという弊害が生じる。塗布密度上限値は導電性微粉末
の粒径によっても変わってくるために、一概にはいえな
いが、強いて記述するならば、導電性微粉末が像担持体
上に1層均一に塗布される量が上限である。
【0197】導電性微粉末の像担持体上での存在量は、
導電性微粉末の粒径等にもよるが5×105個/mm2
超えると、導電性微粉末の像担持体からの脱落が著しく
増加し、画像形成装置内を汚染すると共に、導電性微粉
末自体の光透過性を問わず、像担持体への露光量不足が
生じる。導電性微粉末の像担持体への塗布量が5×10
5個/mm2以下では脱落する粒子量も低く抑えられ露光
の阻害を改善できる。
【0198】すなわち、像担持体と接触帯電部材との接
触部における導電性微粉末の介在量を103個/mm2
設定し、且つ潜像形成工程での像担持体上の導電性微粉
末の存在量を5×105個/mm2以下に設定すること
が、帯電性が良好で、装置内汚染や露光阻害による画像
欠陥のない画像を形成するためには好ましく、像担持体
と接触帯電部材との接触部における導電性微粉末の介在
量は104個/mm2以上に設定することがより好まし
い。
【0199】像担持体と接触帯電部材との接触部におけ
る導電性微粉末の介在量と、潜像形成工程での像担持体
上の導電性微粉末の存在量との関係は、像担持体と接
触帯電部材との接触部への導電性微粉末の供給量、導
電性微粉末の像担持体および接触帯電部材への付着性、
導電性微粉末の像担持体および接触帯電部材への付着
性、像担持体上の導電性微粉末に対する保持性等の要
因があるため、一概には決定されない。実験的には、像
担持体と接触帯電部材との接触部における導電性微粉末
の介在量が103〜106個/mm2の範囲において、
像担持体上に脱落した粒子の存在量(潜像形成工程での
像担持体上の導電性微粉末の存在量)を測ると102
105個/mm2 であった。
【0200】本発明における、帯電接触部での導電性微
粉末の介在量及び潜像形成工程での像担持体上の導電性
微粉末の存在量の測定方法について述べる。導電性微粉
末の介在量は接触帯電部材と像担持体の接触面部を直接
測ることが望ましい。しかし、接触部を形成する接触帯
電部材の表面と像担持体の表面との間に速度差を設けて
いる場合、接触帯電部材に接触する前に像担持体上に存
在した粒子の多くは逆方向に移動しながら接触する帯電
部材に剥ぎ取られることから、本発明では接触面部に到
達する直前の接触帯電部材表面の粒子量をもって介在量
とした。具体的には、帯電バイアスを印加しない状態で
像担持体及び弾性導電性ローラの回転を停止し、像担持
体及び弾性導電性ローラの表面をビデオマイクロスコー
プ(OLYMPUS製OVM1000N)及びデジタル
スチルレコーダ(DELTIS製SR−3100)で撮
影する。弾性導電性ローラについては、弾性導電性ロー
ラを像担持体に当接するのと同じ条件でスライドガラス
に当接し、スライドガラスの背面からビデオマイクロス
コープにて接触面を1000倍の対物レンズで10箇所
以上撮影する。得られたデジタル画像から個々の粒子を
領域分離するため、ある闘値を持って2値化処理し、粒
子の存在する領域の数を所望の画像処理ソフトを用いて
計測する。また、像担持体上の存在量についても像担持
体上を同様のビデオマイクロスコープにて撮影し同様の
処理を行い計測する。
【0201】本発明において、像担持体の最表面層にお
ける体積抵抗が、1×109〜1×1014Ω・cm、よ
り好ましくは1×1010〜1×1014Ω・cmであるこ
とにより、より良好な帯電性を与えることができ好まし
い。電荷の直接注入による帯電方式においては、被帯電
体側の抵抗を下げることでより効率良く電荷の授受が行
えるようになる。このためには、最表面層の体積抵抗値
としては1×1014Ω・cm以下であることが好ましく
良い。一方、像担持体として静電潜像を一定時間保持す
る必要とするためには、最表面層の体積抵抗値としては
1×109Ω・cm以上であることが好ましく良い。
【0202】更に、像担持体が電子写真感光体であり、
該電子写真感光体の最表面層の体積抵抗が1×109
1×1014Ω・cm以下であることにより、プロセスス
ピードの速い装置においても、十分な帯電性を与えるこ
とができより好ましい。
【0203】また、像担持体はアモルファスセレン、C
dS、ZnO2、アモルファスシリコン又は有機系感光
物質の様な光導電絶縁物質層を持つ感光ドラムもしくは
感光ベルトであることが好ましく、アモルファスシリコ
ン感光層、又は有機感光層を有する感光体が特に好まし
く用いられる。
【0204】有機感光層としては、感光層が電荷発生物
質及び電荷輸送性能を有する物質を同一層に含有する単
一層型でもよく、また、電荷輸送層と電荷発生層を有す
る機能分離型感光層であっても良い。導電性基体上に電
荷発生層、次いで電荷輸送層の順で積層されている構造
の積層型感光層、次いで電荷輸送層の順で積層されてい
る構造の積層型感光層は好ましい例の一つである。
【0205】像担持体の表面抵抗を調整することで、更
に安定して均一に帯電を行うことができる。像担持体の
表面抵抗を調整することで電荷注入をより効率化或いは
促進するために、電子写真感光体の表面に電荷注入層を
設けることも好ましい。電荷注入層は、樹脂中に導電性
微粉末を分散させた形態が好ましく良い。
【0206】電荷注入層を設ける形態としては、例え
ば、(i)セレン、アモルファスシリコンの如き無機感
光体もしくは単一層型有機感光体の上に、電荷注入層を
設ける場合、(ii)機能分離型有機感光体の電荷輸送層
として、電荷輸送剤と樹脂を有する表面層を持つものに
電荷注入層としての機能を兼ねさせる場合(例えば、電
荷輸送層として樹脂中に電荷輸送剤と導電性粒子を分散
させる、或いは電荷輸送剤自体もしくはその存在状態に
よって、電荷輸送層に電荷注入層としての機能を持たせ
る場合)、(iii)さらに機能分離型有機感光体上に最
表面層としての電荷注入層を設ける場合等があるが、最
表面層の体積抵抗が好ましい範囲にあることが重要であ
る。
【0207】電荷注入層としては、例えば、金属蒸着膜
等の無機層、或いは導電性微粒子を結着樹脂中に分散さ
せた導電粉分散樹脂層等によって構成され、蒸着膜は蒸
着により、導電粉分散樹脂層はディッピング塗工法、ス
プレー塗工法、ロールコート塗工法及びビーム塗工法等
の適当な塗工法により、塗工することによって形成され
る。また、絶縁性のバインダーに光透過性の高いイオン
導電性を持つ樹脂を混合もしくは共重合させて構成する
もの、または中抵抗で光導電性のある樹脂単体で構成す
るものでよい。
【0208】この中でも、像担持体の最表面層が、金属
酸化物からなる導電性微粒子(以下、「酸化物導電微粒
子」と表記する)が少なくとも分散された樹脂層である
ことが好ましい。像担持体の最表面層をこのような構成
とすることにより、電子写真感光体の表面の抵抗を下げ
ることによってより効率良く電荷の授受を行うことがで
き、かつ、表面の抵抗を下げたことで像担持体が静電潜
像を保持している間に潜像電荷が拡散することによる潜
像のボケもしくは流れを抑制することができるためであ
る。
【0209】上記酸化物導電微粒子が分散された樹脂層
の場合、分散された粒子による入射光の散乱を防ぐため
に入射光の波長よりも酸化物導電微粒子の粒径の方が小
さいことが必要であり、分散される酸化物導電微粒子の
粒径としては0.5μm以下であることが好ましい。酸
化物導電微粒子の含有量は、最外層の総質量に対して2
〜90質量%が好ましく、5〜70質量%がより好まし
く良い。酸化物導電微粒子の含有量が上記範囲よりも少
なすぎる場合には、所望の体積抵抗値を得にくくなる。
また含有量が上記範囲よりも多すぎる場合には、膜強度
が低下してしまうため電荷注入層が削り取られやすくな
り、感光体の寿命が短くなる傾向があり、また抵抗が低
くなってしまい潜像電位が流れることによる画像不良を
生じやすくなる。電荷注入層の層厚は、0.1〜10μ
mが好ましく、潜像の輪郭のシャープさを得る上では5
μm以下であることがより好ましく、電荷注入層の耐久
性の点からは1μm以上であることがより好ましい。
【0210】また、電荷注入層のバインダーは下層のバ
インダーと同じとすることも可能であるが、この場合に
は電荷注入層の塗工時に下層(例えば電荷輸送層)の塗
工面を乱してしまう可能性があるため、形成方法を特に
選択する選択する必要がある。
【0211】なお、本発明における像担持体の最表面層
の体積抵抗値の測定方法は、表面に金を蒸着させたポリ
エチレンテレフタレート(PET)フィルム上に像担持
体の最表面層と同様の組成からなる層を作成し、これを
体積抵抗測定装置(ヒューレットパッカード社製414
0B pA MATER)にて、温度23℃、湿度65
%の環境で100Vの電圧を印加して測定するというも
のである。
【0212】また、本発明においては、像担持体表面に
離型性を付与することが好ましく、像担持体表面の水に
対する接触角は85度以上であることが好ましい。より
好ましくは像担持体表面の水に対する接触角は90度以
上である。
【0213】像担持体表面が高い接触角を有すること
は、像担持体表面が高い離型性を有することを示す。こ
の効果により、現像時に転写残トナーの現像装置での回
収効率が向上すると共に、転写残トナー量を著しく減少
させることができる。このため、転写残トナーによる帯
電性低下を防止することもできる。
【0214】像担持体表面に離型性を付与する手段とし
ては、例えば、(1)膜を構成する樹脂自体に表面エネ
ルギーの低いものを用いる、(2)撥水、親油性を付与
するような添加剤を加える、(3)高い離型性を有する
材料を粉体状にして分散する、などが挙げられる。上記
(1)としては、樹脂の構造中にフッ素含有基、シリコ
ーン含有基を導入することにより達成する。(2)とし
ては、例えば界面活性剤を添加剤として添加すればよ
い。(3)としては、ポリ4フッ化エチレン、ポリフッ
化ビニリデン及びフッ化カーボンの如きフッ素原子を含
む化合物、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂
等を用いることが挙げられる。これらの手段によって像
担持体表面の水に対する接触角を85度以上とすること
が可能である。
【0215】この中でも像担持体の最表面層が、フッ素
系樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂か
ら選ばれる材料からなる滑剤微粒子が、少なくとも分散
された層であることが好ましく良い。特にポリ4フッ化
エチレンやポリフッ化ビニリデンの如き含フッ素樹脂を
用いることが好適である。本発明においては、(3)の
粉体として含フッ素樹脂を離型性粉体として用いた場合
には、最表面層への分散が好適である。
【0216】これらの粉体を表面に含有させるために
は、バインダー樹脂中に該粉体を分散させた層を感光体
最表面に設けるか、あるいは、元々樹脂を主体として構
成されている有機感光体であれば、新たに表面層を設け
なくても、最表面層に該粉体を分散させれば良い。
【0217】該粉体の表面層への添加量は、表面層総質
量に対して1〜60質量%であることが好ましく、2〜
50質量%であることがさらに好ましい。添加量が上記
範囲よりも少なすぎると転写残余のトナーが十分に減少
せず、転写残トナーの現像装置での回収効率が十分でな
く、60質量%を超えると膜の強度が低下したり、感光
体への入射光量が著しく低下したりするため好ましくな
い。該粉体の粒径については、画質の面から1μm以下
であることが好ましく、0.5μm以下であることがよ
り好ましい。該粉体の粒径が上記範囲よりも大きすぎる
と入射光の散乱によりラインの切れが悪くなり実用に耐
えなくなる場合がある。
【0218】本発明において、像担持体表面の水に対す
る接触角の測定には、純水を用い、装置は、協和界面科
学(株)、接触角計CA−DS型を用いた。
【0219】本発明に用いられる像担持体としての感光
体の好ましい様態の一つを以下に説明する。導電性基体
としては、アルミニウム又はステンレスの如き金属;ア
ルミニウム合金又は酸化インジウム−酸化錫合金による
被膜層を有するプラスチック;導電性粒子を含侵させた
紙又はプラスチック;導電性ポリマーを有するプラスチ
ック;の円筒状シリンダー及びフィルムが用いられる。
【0220】これらの導電性基体上には、感光層の接着
性向上、塗工性改良、基体の保護、基体上に欠陥の被
覆、基体からの電荷注入性改良及び感光層の電気的破壊
に対する保護を目的として、導電層や電荷注入防止層な
どの下引き層を設けても良い。
【0221】下引き層は、ポリビニルアルコール、ポリ
−N−ビニルイミダゾール、ポリエチレンオキシド、エ
チルセルロース、メチルセルロース、ニトロセルロー
ス、エチレン−アクリル酸コポリマー、ポリビニルブチ
ラール、フェノール樹脂、カゼイン、ポリアミド、共重
合ナイロン、ニカワ、ゼラチン、ポリウレタン又は酸化
アルミニウムの材料によって形成される。下引き層の膜
厚は通常0.1〜10μm、好ましくは0.1〜3μm
が良い。
【0222】電荷発生層は、アゾ系顔料、フタロシアニ
ン系顔料、インジゴ系顔料、ペリレン系顔料、多環キノ
ン系顔料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩類、チオ
ピリリウム塩類、トリフェニルメタン系色素又はセレン
や非晶質シリコンの如き無機物質の電荷発生物質を適当
な結着剤に分散し塗工する、或いは蒸着により形成す
る。中でも、フタロシアニン系顔料が感光体感度を本発
明に適合する感度に調整する上で好ましい。
【0223】結着剤としては、広範囲な結着性樹脂から
選択でき、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹
脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、フェノール樹脂、
シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、酢酸ビニル樹脂が挙げ
られる。電荷発生層中に含有される結着剤の量は80質
量%以下、好ましくは0〜40質量%であることが良
い。電荷発生層の膜厚は5μm以下、特には0.05〜
2μmが好ましい。
【0224】電荷輸送層は、電界の存在下で電荷発生層
から電荷キャリアを受け取り、これを輸送する機能を有
している。電荷輸送層は電荷輸送物質を必要に応じて結
着樹脂と共に溶剤中に溶解し、塗工することによって形
成され、その膜厚は一般的には5〜40μmである。電
荷輸送物質としては、主鎖または側鎖にビフェニレン、
アントラセン、ピレン及びフェナントレンなどの多環芳
香族化合物;インドール、カルバゾール、オキサジアゾ
ール及びピラゾリンなどの含窒素環式化合物;ヒドラゾ
ン化合物;スチリル化合物;セレン;セレン−テルル;
非晶質シリコン;硫化カドニウム等が挙げられる。
【0225】これら電荷輸送物質を分散させる結着樹脂
としては、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、
ポリメタクリル酸エステル、ポリスチレン樹脂、アクリ
ル樹脂及びポリアミド樹脂の如き樹脂;ポリ−N−ビニ
ルカルバゾール及びポリビニルアントラセンの如き有機
光導電性ポリマーが挙げられる。
【0226】電荷注入をより効率化或いは促進するため
に、表面層として樹脂中に導電性微粒子を分散させた層
を設けてもよい。表面層の樹脂としては、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、
フェノール樹脂、あるいはこれらの樹脂の硬化剤が単独
或いは2種以上組み合わされて用いられる。導電性微粒
子の例としては、金属又は金属酸化物が挙げられる。好
ましくは、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化スズ、酸化アン
チモン、酸化インジウム、酸化ビスマス、酸化スズ被膜
酸化チタン、スズ被膜酸化インジウム、アンチモン被膜
酸化スズ又は酸化ジルコニウムの超微粒子がある。これ
らは単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
【0227】図5は、表面層として電荷注入層を設けた
像担持体としての感光体の層構成を示す断面図である。
感光体は、導電性基体(アルミニウムドラム基体)11
上に導電層12、正電荷注入防止層13、電荷発生層1
4、電荷輸送層15の順に重ねて塗工された一般的な有
機感光体ドラムに電荷注入層16を塗布することによ
り、帯電性能を向上したものである。
【0228】像担持体の最表層に形成される電荷注入層
16として重要な点は、表層の体積抵抗値が1×109
〜1×1014Ω・cmの範囲にあることである。本構成
のように、電荷注入層16を設けない場合でも、例えば
像担持体の最表面層となる電荷輸送層15が上記抵抗範
囲にある場合は同等の効果が得られる。例えば、表層の
体積抵抗が約1013Ωcmであるアモルファスシリコン
感光体等を用いても同様に良好な帯電性が得られる。
【0229】本発明においては、像担持体の帯電面に静
電潜像を形成する潜像形成工程および潜像形成手段が、
像担持体表面に静電潜像としての画像情報を像露光によ
り書き込むことが好ましい。静電潜像形成のための画像
露光手段としては、デジタル的な潜像を形成するレーザ
ー走査露光手段に限定されるものではなく、通常のアナ
ログ的な画像露光やLEDなどの他の発光素子でも構わ
ないし、蛍光燈等の発光素子と液晶シャッター等の組み
合わせによるものなど、画像情報に対応した静電潜像を
形成できるものであるなら構わない。
【0230】像担持体は静電記録誘電体等であっても良
い。この場合は、該誘電体面を所定の極性・電位に一様
に一次帯電した後、除電針ヘッド、電子銃等の除電手段
で選択的に除電して目的の静電潜像を書き込み形成す
る。
【0231】本発明の現像手段で使用される現像剤担持
体は、アルミニウム、ステンレススチールなどの金属又
は合金で形成された導電性円筒(現像ローラ)が好まし
く使用される。十分な機械的強度及び導電性を有する樹
脂組成物で導電性円筒が形成されていても良く、導電性
のゴムローラを用いても良い。また、上記のような円筒
状に限られず、回転駆動する無端ベルトの形態をしても
良い。
【0232】本発明において、現像剤担持体上に5〜3
0g/m2の現像剤層を形成することが好ましく良い。
現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも少なすぎる
場合には、十分な画像濃度が得られにくく、トナーの帯
電が過剰になることによる現像剤層のムラを生じる。ま
た、現像剤担持体上の現像剤量が上記範囲よりも多すぎ
ると、トナー飛散を生じ易くなる。
【0233】また、本発明に使用される現像剤担持体の
表面粗さはJIS中心線平均粗さ(Ra)で0.2〜
3.5μmの範囲にあることが好ましい。Raが上記範
囲よりも小さすぎると現像剤担持体上の帯電量が高くな
り、現像性が不十分となることがある。また、Raが上
記範囲よりも大きすぎると、現像剤担持体上の現像剤層
にむらが生じ、画像上で濃度むらとなることがある。R
aの範囲は、さらに好ましくは、0.5〜3.0μmで
ある。
【0234】さらに、本発明に使用される現像剤担持体
は、現像剤担持体表面に導電性の微粒子及び/又は滑剤
微粒子が分散されている樹脂組成物で形成されている被
覆層を有していることがトナーの現像に際して、トナー
の総帯電量をコントロールする上で望ましく良い。
【0235】現像剤担持体の被覆層において、樹脂材料
に含まれる導電性の微粒子は、1.2×107Pa(1
20kg/cm2)で加圧した後の抵抗値が0.5Ω・
cm以下であるものが好ましい。
【0236】このような導電性の微粒子としては、カー
ボン微粒子、カーボン微粒子と結晶性グラファイトとの
混合物、または結晶性グラファイトが好ましい。導電性
の微粒子は、0.005〜10μmの粒径を有するもの
が好ましい。
【0237】樹脂材料は、例えば、スチレン系樹脂、ビ
ニル系樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリカーボネ
ート樹脂、ポリフェニレンオキサイド樹脂、ポリアミド
樹脂、フッ素樹脂、繊維素系樹脂、アクリル系樹脂の如
き熱可塑性樹脂;エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ア
ルキッド樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウ
レタン樹脂、尿素樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹
脂などの熱硬化性樹脂或いは光硬化性樹脂を使用するこ
とができる。
【0238】中でもシリコーン樹脂、フッ素樹脂のよう
な離型性のあるもの、或いはポリエーテルスルホン、ポ
リカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミ
ド、フェノール樹脂、ポリエステル、ポリウレタン、ス
チレン系樹脂のような機械的性質に優れたものがより好
ましい。特にフェノール樹脂が好ましい。
【0239】導電性の微粒子は、樹脂成分10質量部当
たり、3〜20質量部使用するのが好ましい。該導電性
の微粒子としてカーボン微粒子とグラファイト粒子とを
組み合わせて使用する場合は、グラファイト10質量部
当たり、カーボン微粒子1〜50質量部を使用するのが
好ましい。
【0240】該導電性の微粉末が分散されている現像剤
担持体の樹脂コート層の体積抵抗率は10-6〜106Ω
・cmが好ましい。
【0241】また本発明においては、現像剤担持体上の
現像剤を規制する部材が現像剤を介して現像剤担持体に
当接されていることによって規制されることが現像剤を
温湿度環境の影響を受けにくく、トナー飛散の起こりに
くい均一な帯電を得る観点から特に好ましい。
【0242】また本発明においては、現像剤を担持する
現像剤担持体表面は、像担持体表面の移動方向と同方向
に移動していてもよいし、逆方向に移動していてもよ
い。その移動方向が同方向である場合、像担持体の移動
速度に対して、比で100%以上であることが望まし
い。100%未満であると、画像品質が悪くなることが
ある。この移動速度比が高まれば高まるほど、現像部位
に供給されるトナーの量は多くなり、潜像に対しトナー
の脱着頻度が多くなり、不要な部分は掻き落とされ必要
な部分には付与されるという繰り返しにより、潜像に忠
実な画像が得られる。具体的には、現像剤担持体表面の
移動速度が像担持体表面の移動速度に対し、1.05〜
3.0倍の速度であることが好ましい。
【0243】現像工程において、像担持体の現像部に現
像剤を担持して現像部に搬送する現像剤担持体が、像担
持体に対して速度差を持つことにより、現像剤担持体側
から像担持体側へのトナー粒子及び導電性微粉末の供給
が十分に行われるため、良好な画像を得ることができ
る。
【0244】本発明において、非接触型現像方法を適用
するために、現像剤担持体の像担持体に対する離間距離
よりも現像剤担持体上の現像剤層を薄く形成することが
好ましく良い。現像工程において、像担持体に対して現
像剤層を非接触とし、像担持体の静電潜像をトナー画像
として可視化する非接触型現像方法を適用することで、
電気抵抗値が低い導電性微粉末を現像剤中に添加して
も、現像バイアスが像担持体へ注入することによる現像
かぶりが発生しない。そのため、良好な画像を得ること
ができる。
【0245】また、現像剤担持体は、像担持体に対して
100〜1000μmの離間距離を有して対向して配置
されることが好ましい。現像剤担持体の像担持体に対す
る離間距離が上記範囲よりも小さすぎると、離間距離の
振れに対する現像剤の現像特性の変化が大きくなるた
め、安定した画像性を満足する画像形成装置を量産する
ことが困難となる場合がある。また、現像剤担持体の像
担持体に対する離間距離が上記範囲よりも大きすぎる
と、現像装置への転写残トナーの回収性が低下し、回収
不良によるカブリを生じ易くなる。また、像担持体上の
潜像に対するトナーの追従性が低下するために、解像性
の低下、画像濃度の低下等の画質低下を招く。
【0246】本発明において、現像剤担持体に対して交
番電界を印加して現像を行う現像工程で現像されること
が好ましく、印加される現像バイアスは直流電圧に交番
電圧(交流電圧)を重畳してもよい。
【0247】交番電圧の波形としては、正弦波、矩形
波、三角波等適宜使用可能である。また、直流電源を周
期的にオン/オフすることによって形成されたパルス波
であっても良い。このように交番電圧の波形としては周
期的にその電圧値が変化するようなバイアスが使用でき
る。
【0248】現像剤を担持する現像剤担持体と像担持体
との間に、少なくともピークトゥーピークの電界強度で
3×106〜10×106V/m、周波数100〜500
0Hzの交流電界(交番電界)を現像バイアスとして印
加することが好ましい。
【0249】現像剤担持体と像担持体との間に印加され
る現像バイアスの電界強度が上記範囲よりも小さすぎる
と、現像装置への転写残トナーの回収性が低下し、回収
不良によるカブリを生じ易くなる。また、現像力が小さ
いために画像濃度の低い画像となり易い。一方、現像バ
イアスの電界強度が上記範囲よりも大きすぎると、現像
力が大きすぎることによる細線の潰れによる解像性の低
下、カブリの増大による画質低下を生じ易く、現像バイ
アスの像担持体へのリークによる画像欠陥を生じ易くな
る。また、現像剤担持体と像担持体との間に印加される
現像バイアスの交流成分の周波数が上記範囲よりも小さ
すぎると、潜像に対するトナーの脱着頻度が少なくな
り、現像装置への転写残トナーの回収性が低下しやす
く、画像品質も低下し易い。現像バイアスの交流成分の
周波数が上記範囲よりも大きすぎると、電界の変化に追
従できるトナーが少なくなるために、転写残トナーの回
収性が低下し、現像性が低下する。
【0250】交番電界を現像バイアスとして印加する等
によって、現像剤担持体と像担持体間に高い電位差があ
る場合でも、現像部による像担持体への電荷注入の発生
が防止される。このため、現像剤担持体側の現像剤中に
添加された導電性微粉末が均等に像担持体側に移行され
やすくなり、導電性微粉末が像担持体に均一に塗布され
る。よって、帯電部において該導電性微粉末と像担持体
とが均一に接触され、良好な帯電性を得ることができ
る。
【0251】本発明において、転写工程は現像工程によ
って形成されたトナー画像を中間転写体に転写した後
に、記録媒体に再転写する工程であっても良い。すなわ
ち、像担持体からトナー画像の転写を受ける転写材は、
転写ドラム等の中間転写体であってもよい。転写材を中
間転写体とする場合、中間転写体から紙などの記録媒体
に再度転写することでトナー画像が得られる。
【0252】本発明において、転写部材が転写時に転写
材を介して像担持体に当接していることが好ましく良
い。
【0253】像担持体が転写材を介して転写手段に当接
しながら、現像画像を転写材に転写する接触転写工程で
は、転写手段の当接圧力としては線圧が2.94N/m
(3g/cm)以上であることが好ましく、19.6N
/m(20g/cm)以上であることがより好ましい。
【0254】また、接触転写工程における転写手段とし
ては、転写ローラあるいは転写ベルトを有する装置が好
ましく使用される。転写ローラは、少なくとも、芯金
と、芯金を被覆する導電性弾性層とを有する。導電性弾
性層はポリウレタンゴム、エチレン−プロピレン−ジエ
ンポリエチレン(EPDM)などの弾性材料に、カーボ
ンブラック、酸化亜鉛、酸化スズ、炭化硅素などの導電
性付与剤を配合分散し、電気抵抗値(体積抵抗率)を1
6 〜1010Ωcmの中抵抗に調整したソリッド或いは
発泡肉質の層等による弾性体であることが好ましく良
い。
【0255】転写ローラでの好ましい転写プロセス条件
としては、転写ローラの当接圧が2.94〜490N/
m(3〜500g/cm)であり、より好ましくは1
9.6〜294N/mである。当接圧力としての線圧が
上記範囲よりも小さすぎる場合には、記録媒体の搬送ず
れや転写不良の発生が起こりやすくなることがあるた
め、好ましくない。また、当接圧力が高すぎる場合に
は、感光体表面の劣化やトナーの付着を招き、結果とし
て感光体表面へのトナー融着を生じるようになる。
【0256】像担持体と転写材を介して転写手段を当接
しながらトナー画像を転写材に静電転写する接触転写工
程では、印加される直流電圧は±0.2〜±10kVで
あることが好ましい。
【0257】また、本発明は、静電潜像担持体として直
径が30mm以下の小径の感光体を有する画像形成装置
に対し特に有効に用いられる。即ち、転写工程後かつ帯
電工程前に独立したクリーニング工程を有さないこと
で、帯電、露光、現像、転写各工程で用いられる装置の
配置の自由度が高まり、直径が30mm以下の小径の感
光体と組み合わせることにより、画像形成装置の小型
化、省スペース化を達成できる。ベルト状感光体を用い
た場合でも同様に、各工程で用いられるの装置の配置の
自由度が高まる。よって、画像形成装置の小型化、省ス
ペース化を達成する上で、接触部での曲率半径が25m
m以下の感光体ベルトを用いた画像形成装置に対しても
有効である。
【0258】また、本発明の画像形成装置は、上記した
ような像担持体、帯電手段、現像手段とを有するプロセ
スカートリッジを画像形成装置本体に着脱可能に装着す
るものであってもよい。
【0259】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説
明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるも
のではない。
【0260】まず、本発明の実施例に用いる像担持体と
しての感光体の製造例について述べる。
【0261】〈感光体製造例1〉本製造例では、負帯電
用の有機光導電性物質を用いた感光体(以下、「OPC
感光体」と表記する)を製造した。感光体の基体には、
φ24mmのアルミニウム製のシリンダーを用いた。こ
のシリンダー上に下記の各層を浸漬塗布することにより
順次積層して、図5に示すような構成の感光体を作製し
た。
【0262】第1層は導電層12であり、基体11の欠
陥等をならすため、またレーザ露光の反射によるモアレ
の発生を防止するために設けられる厚さ約20μmの導
電性粒子分散樹脂層(酸化錫及び酸化チタンの粉末をフ
ェノール樹脂に分散したものを主体とする)である。
【0263】第2層は正電荷注入防止層(下引き層)で
あり、アルミニウム基体から注入された正電荷が感光体
表面に帯電された負電荷を打ち消すのを防止する役割を
果たす。この正電荷注入防止層は、メトキシメチル化ナ
イロンによって106Ω・cm程度に抵抗調整された厚
さ約1μmの中抵抗層である。
【0264】第3層は電荷発生層14であり、ジスアゾ
系の顔料をブチラール樹脂に分散した厚さ約0.3μm
の層であり、レーザ露光を受けることによって正負の電
荷対を発生する。
【0265】第4層は電荷輸送層15であり、ポリカー
ボネート樹脂にヒドラゾン化合物を分散した厚さ約25
μmのp型半導体の層である。従って、感光体表面に帯
電された負電荷はこの層を移動することはできず、電荷
発生層で発生した正電荷のみを感光体表面に輸送するこ
とができる。
【0266】第5層は電荷注入層16であり、光硬化性
のアクリル樹脂に、導電性の酸化スズ超微粒子及び粒径
約0.25μmの四フッ化エチレン樹脂粒子を分散した
ものである。具体的には、アンチモンをドーピングし低
抵抗化した粒径約0.03μmの酸化スズ粒子を樹脂に
対して100質量%、更に、樹脂に対して四フッ化エチ
レン樹脂粒子を20質量%および分散剤を1.2質量%
をそれぞれ分散したものである。このようにして調整し
た塗工液をスプレー塗工法にて厚さ約2.5μmに塗工
して電荷注入層16とした。このようにして感光体を得
た。
【0267】得られた感光体の表面の体積抵抗は5×1
12Ω・cm、感光体表面の水に対する接触角は102
度であった。
【0268】〈感光体製造例2〉感光体製造例1におい
て、第5層(電荷注入層16)に四フッ化エチレン樹脂
粒子および分散剤を分散しなかったこと以外は、感光体
製造例1と同様の方法により感光体を作製した。得られ
た感光体の表面における体積抵抗値は2×1012Ω・c
m、感光体表面の水に対する接触角は78度であった。
【0269】〈感光体製造例3〉感光体製造例1におい
て、第5層(電荷注入層16)を、アンチモンをドーピ
ングし低抵抗化した粒径約0.03μmの酸化スズ粒子
を、光硬化性のアクリル樹脂100質量部に対して30
0質量部分散したものとした以外は、感光体製造例1と
同様の方法により感光体を作製した。得られた感光体の
表面の体積抵抗値は2×107Ω・cm、感光体表面の
水に対する接触角は88度であった。
【0270】〈感光体製造例4〉感光体製造例1におい
て、第5層(電荷注入層16)を形成せずに、電荷輸送
層15を最外層とする4層構成の感光体とすること以外
は、感光体製造例1と同様の方法により感光体を作製し
た。得られた感光体の表面の体積抵抗値は1×1015Ω
・cm、感光体表面の水に対する接触角は73度であっ
た。
【0271】次に、本発明の実施例に用いる帯電部材の
製造例について述べる。
【0272】〈帯電部材の製造例1〉直径6mm、長手
方向の長さが264mmのSUSローラを芯金とし、芯
金上にウレタン樹脂、導電性粒子としてのカーボンラッ
ク、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡ウレタン
層をローラ状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面
性を整えた。このようにして、直径12mm、長手方向
の長さが234mmの可撓性の帯電ローラを作製した。
【0273】得られた帯電ローラは、抵抗が105Ω・
cmであり、硬度はアスカーC硬度で30度であった。
【0274】〈帯電部材の製造例2〉直径6mm、長手
方向の長さが264mmのSUSローラを芯金とし、芯
金上にEPDMゴム、導電性粒子としてのカーボンラッ
ク、硫化剤、発泡剤等を処方した中抵抗の発泡EPDM
層をローラ状に形成し、さらに切削研磨し形状及び表面
性を整えた。このようにして、直径12mm、長手方向
の長さが234mmの帯電ローラを作製した。
【0275】得られた帯電ローラは、抵抗が106Ω・
cmであり、硬度は、アスカーC硬度で45度であっ
た。
【0276】〈帯電部材の製造例3〉帯電部材の製造例
2において、中抵抗の発泡させていないEPDM層をロ
ーラ状に形成した以外は、帯電部材の製造例2と同様に
して帯電ローラを作製した。
【0277】得られた帯電ローラは、抵抗が105Ω・
cmであり、硬度は、アスカーC硬度で60度であっ
た。
【0278】〈帯電部材の製造例4〉直径6mm、長手
方向の長さが264mmのSUSローラを芯金とし、芯
金上に導電性ナイロン繊維をパイル地にしたテープをス
パイラル状に巻き付けてロール状帯電ブラシを作製し
た。導電性ナイロン繊維は、ナイロン繊維にカーボンブ
ラックを分散させて抵抗調整したものであり、繊維の太
さは6デニール(300デニール/50フィラメント)
であった。帯電ブラシの繊維の長さは3mm、ブラシ密
度は1平方インチ当たり10万本で植毛された物を用い
た。得られた帯電ブラシの抵抗値は1×107Ω・cm
であった。
【0279】次に、現像剤を構成するトナー粒子の製造
例、無機微粉末および導電性微粉末の例について述べ、
本発明の実施例に用いる現像剤の製造例について述べ
る。
【0280】〈トナー粒子の製造例1〉結着樹脂として
スチレン−アクリル酸ブチル−マレイン酸ブチルハーフ
エステル共重合体(ピーク分子量3.5万)100質量
部、磁性粉(磁場795.8kA/m下で飽和磁化が8
5Am2/kg、残留磁化が6Am2/kg、抗磁力が5
kA/m)(着色剤)80質量部、モノアゾ染料の鉄錯
体(負帯電性制御剤)2質量部およびポリプロピレン
(離型剤)4質量部をブレンダーにて混合した。混合物
を130℃に加熱したエクストルーダーにより溶融混練
し、得られた混練物を冷却後、粗粉砕し、ジェット気流
を用いた微粉砕機を用いて微粉砕した。さらに、得られ
た微粉砕品をコアンダ効果を利用した多分割分級装置で
分級することにより、質量平均粒径が7.3μmのトナ
ー粒子1を得た。トナー粒子1の抵抗は、1014Ω・c
m以上であった。
【0281】〈トナー粒子の製造例2〉トナー粒子の製
造例1において、着色剤としてのカーボンブラック5質
量部を磁性粉の代わりに用いる以外は、トナー粒子の製
造例1と同様の方法により、質量平均粒径が6.7μm
のトナー粒子2を得た。トナー粒子2の抵抗は、1014
Ω・cm以上であった。
【0282】〈無機微粉末の例1〉ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した後にジメチルシリコーンオイルで処理し
た疎水性乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−1とした。
この無機微粉末A−1の平均一次粒径は12nm、BE
T比表面積は120m2/gであった。
【0283】〈無機微粉末の例2〉疎水化処理を施して
いない乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−2とした。こ
の無機微粉末A−2の平均一次粒径は10nm、BET
比表面積は300m2/gであった。
【0284】〈無機微粉末の例3〉ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した乾式シリカ微粉体を無機微粉末A−3と
した。この無機微粉末A−3の平均一次粒径は16n
m、BET比表面積は170m2/gであった。
【0285】〈無機微粉末の例4〉ヘキサメチルジシラ
ザンで処理した二酸化チタン微粉体を無機微粉末A−4
とした。この無機微粉末A−4の平均一次粒径は30n
m、BET比表面積は60m2/gであった。
【0286】上記各無機微粉末A−1〜A−4の代表的
物性値を表1に示す。
【0287】
【表1】 〈導電性微粉末の例1〉体積平均粒径が3.7μmであ
り、粒度分布測定において得られた、粒子径が0.5μ
m以下の粒子の粒子全体に対する体積比(F体積%)が
6.6体積%、および粒子径が5μm以上の粒子の粒子
全体に対する個数比(個数%)が8個数%の微粒子酸化
亜鉛を導電性微粉末B−1とした。この導電性微粉末B
−1は、抵抗が80Ω・cmであり、一次粒子径が0.
1〜0.3μmの酸化亜鉛一次粒子を圧力により造粒し
て得られたものであり、白色を有していた。
【0288】この導電性微粉末B−1は、走査型電子顕
微鏡にて3000倍及び3万倍で観察したところ、粒子
径が0.1〜0.3μmの酸化亜鉛の一次粒子と粒子径
が1〜10μmの凝集体とからなっていた。
【0289】後述する実施例1の画像形成装置で画像露
光に用いられるレーザビームスキャナの露光光波長74
0nmにあわせて、波長が740nmの光源およびX−
Rite社製の310T透過型濃度計を用いて測定し
た、上記波長域における導電性微粉末B−1の透過率は
およそ35%であった。
【0290】〈導電性微粉末の例2〉体積平均粒径が
2.9μmであり、粒度分布測定において得られた、粒
子径が0.5μm以下の粒子の粒子全体に対する体積比
(F体積%)が9.2体積%、および粒子径が5μm以
上の粒子の粒子全体に対する個数(G個数%)比が3個
数%の微粒子酸化亜鉛を導電性微粉末B−2とした。こ
の導電性微粉末の抵抗は1×105Ω・cm、740n
mの波長域における透過率は25%であった。
【0291】この導電性微粉末B−2は、走査型電子顕
微鏡にて観察したところ、粒子径が0.1〜0.3μm
の酸化亜鉛の一次粒子と、粒子径が1〜5μmの凝集体
とからなっていたが、導電性微粉末B−1と比較する
と、一次粒子は大幅に減少していた。
【0292】〈導電性微粉末の例3〉上記導電性微粉末
B−1を風力分級することにより、体積平均粒径が2.
4μmであり、粒度分布測定において得られた、粒子径
が0.5μm以下の粒子の粒子全体に対する体積比(F
体積%)が4.1体積%、および粒子径が5μm以上の
粒子の粒子全体に対する個数比(G個数%)が1個数%
の微粒子酸化亜鉛を得た。これを導電性微粉末B−3と
した。導電性微粉末B−3の抵抗は440Ω・cm、7
40nmの波長域における透過率は35%であった。
【0293】この導電性微粉末B−3は、走査型電子顕
微鏡にて観察したところ、粒子径が0.1〜0.3μm
の酸化亜鉛の一次粒子と粒子径が1〜5μmの凝集体と
からなっていたが、導電性微粉末B−1と比較すると、
一次粒子は減少していた。
【0294】〈導電性微粉末の例4〉上記導電性微粉末
B−1を風力分級することにより、体積平均粒径が1.
5μmであり、粒度分布測定において得られた、粒子径
が0.5μm以下の粒子全体に対する体積比(F体積
%)が35体積%、および粒子径が5μm以上の粒子の
粒子全体に対する個数比(G個数%)が0個数%の微粒
子酸化亜鉛を得た。これを導電性微粉末B−4とした。
導電性微粉末B−4の抵抗は1500Ω・cm、740
nmの波長域における透過率は35%であった。
【0295】この導電性微粉末B−4は、走査型電子顕
微鏡にて観察したところ、粒子径が0.1〜0.3μm
の酸化亜鉛の一次粒子と粒子径が1〜4μmの凝集体と
からなっていたが、導電性微粉末B−3と比較すると、
一次粒子は増加していた。
【0296】〈導電性微粉末の例5〉体積平均粒径が
0.3μmであり、粒度分布測定において得られた、粒
子径が0.5μm以下の粒子の粒子全体に対する体積比
(F体積%)が80体積%、および粒子径が5μm以上
の粒子の粒子全体に対する個数比(G個数%)が0個数
%の微粒子酸化亜鉛を導電性微粉末B−5とした。この
導電性微粉末B−5の抵抗は100Ω・cm、740n
mの波長域における透過率は25%であった。
【0297】この導電性微粉末B−2は、走査型電子顕
微鏡にて観察したところ、凝集体が少なく、主に粒子径
が0.1〜0.3μmの酸化亜鉛の一次粒子からなって
いた。
【0298】〈導電性微粉末の例6〉酸化スズ・アンチ
モンで表面処理された、体積平均粒径が2.8μmのホ
ウ酸アルミニウムを風力分級によって粗粒子を除いた後
に、水系に分散して濾過を繰り返し行うことで微粒子を
除くことにより、灰白色の導電性微粉末B−6を得た。
この導電性微粉末B−6は、体積平均粒径が3.2μm
であり、粒度分布測定において得られた、粒子径が0.
5μm以下の粒子の粒子全体に対する体積比(F体積
%)が0.4体積%、および粒子径が5μm以上の粒子
の粒子全体に対する個数比(G個数%)が1個数%であ
った。この導電性微粉末B−6の抵抗は40Ω・cmで
あった。
【0299】上記各導電性微粉末B−1〜B−6の代表
的物性値を表2に示す。
【0300】
【表2】 〈実施例1〉 現像剤の製造例1 磁性のトナー粒子1を100質量部に対し、無機微粉末
A−1を1.55質量部、および導電性微粉末B−1を
2.07質量部添加し、ミキサーで均一に混合すること
により現像剤1を得た。表3に示すように得られた現像
剤1は、無機微粉末を1.5質量%及び導電性微粉末を
2.0質量%(E質量%)含有する磁性現像剤である。
導電性微粉末B−1の粒子径が0.5μm以下の粒子の
導電性微粉末全体に対する体積比(F体積%)は、6.
6体積%であるから、E×F=13.2となり、上記式
(1)E×F<40の関係式を満たす。また、導電性微
粉末B−1の粒子径が5μm以上の粒子の導電性微粉末
全体に対する個数比(G個数%)は、8個数%であるか
ら、E×G=16となり、上記式(2)E×G<20の
関係式を満たす。
【0301】得られた磁性現像剤1の磁場79.6kA
/mにおける磁化の強さは、32〜34Am2/kgの
範囲であった。
【0302】
【表3】 〈実施例2〜4〉 現像剤の製造例2〜4 実施例1において、無機微粉末および導電性微粉末の種
類および含有量を表3に示すように変化させた以外は、
上記実施例1と同様にして現像剤2、3、6を得た。得
られた各現像剤の磁場79.6kA/mにおける磁化の
強さは、いずれも32〜34Am2/kgの範囲であっ
た。
【0303】〈現像剤の比較製造例1、2〉実施例1に
おいて、無機微粉末および導電性微粉末の種類および含
有量を表3に示すように変化させた以外は、上記実施例
1と同様にして現像剤4、5を得た。得られた各現像剤
の磁場79.6kA/mにおける磁化の強さは、いずれ
も32〜34Am2/kgの範囲であった。
【0304】〈実施例5〜12〉 現像剤の製造例5〜
12 実施例1において、トナー粒子1の代わりに非磁性のト
ナー粒子2を用い、無機微粉末および導電性微粉末の種
類および含有量を表3に示すように変化させた以外は、
上記実施例1と同様にして現像剤7〜14を得た。
【0305】〈現像剤の比較製造例3〉実施例1におい
て、トナー粒子1の代わりに非磁性のトナー粒子2を用
い、無機微粉末および導電性微粉末の種類および添加量
を表3に示すように変化させた以外は、上記実施例1と
同様にして現像剤15を得た。
【0306】〈実施例13〉 現像剤1、帯電ローラを
用いた画像形成装置および画像形成方法の評価 図1は、本発明の画像形成装置の構成の一例を示す図で
ある。この画像形成装置は、転写式電子写真プロセスを
利用した現像同時クリーニングプロセス(クリーナレス
システム)のレーザプリンタ(記録装置)である。クリ
ーニングブレードなどのクリーニング部材を有するクリ
ーニングユニットを除去したプロセスカードリッジを有
し、現像剤としては磁性1成分系現像剤を使用し、現像
剤担持体上の現像剤層と像担持体とが非接触となるよう
に配置された非接触現像の画像形成装置の一例である。
【0307】(1)画像形成装置の構成 1は像担持体としての、感光体製造例1のOPC感光体
であり、時計方向(矢印の方向)に94mm/secの
周速度(プロセススピード)をもって回転駆動される。
【0308】2は接触帯電部材としての帯電部材製造例
1の帯電ローラである。帯電ローラ2は感光体1に対し
て弾性に抗して所定の押圧力で圧接させて配設してあ
る。nは感光体1と帯電ローラ2との接触部である帯電
接触部である。本実施例では、帯電ローラ2は感光体1
との接触面である帯電接触部nにおいて対向方向(感光
体表面の移動方向の逆方向)に100%の周速で回転駆
動されている。即ち接触帯電部材としての帯電ローラ2
の表面は感光体1の表面に対して相対移動速度比200
%の相対速度差を持たせた。また、帯電ローラ2の表面
には、塗布量がおよそ1×104個/mm2で均一になる
ように、導電性微粉末B−1を塗布した。
【0309】また帯電ローラ2の芯金2aには、帯電バ
イアス印加電源S1から−700Vの直流電圧を帯電バ
イアスとして印加した。本実施例では、感光体1の表面
は帯電ローラ2に対する印加電圧とほぼ等しい電位(−
680V)に直接注入帯電方式によって一様に帯電処理
される。これについては後述する。
【0310】3はレーザダイオード・ポリゴンミラー等
を含むレーザビームスキャナ(露光器)である。このレ
ーザービームスキャナは、目的の画像情報の時系列電気
ディジタル画素信号に対応して強度変調されたレーザ光
を出力し、該レーザ光Lで感光体1の一様帯電面を走査
露光する。この走査露光により回転感光体1に目的の画
像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0311】4は現像装置である。感光体1表面の静電
潜像がこの現像装置によりトナー画像として現像され
る。本実施例の現像装置4は、現像剤として負帯電性1
成分絶縁現像剤である現像剤1を用いた、非接触型の反
転現像装置である。現像剤1にはトナー粒子1(t)お
よび導電性微粉末B−1(m)が含有されている。
【0312】4aは現像剤担持搬送部材としての、マグ
ネットロール4bを内包させた直径16mmの非磁性現
像スリーブである。この現像スリーブ4aは、感光体1
に対して300μmの離間距離をあけて対向配設し、感
光体1との対向部である現像部(現像領域部)aにて感
光体1の回転方向と順方向に感光体1の周速の120%
の周速で回転させる。
【0313】この現像スリーブ4a上に、現像剤1が弾
性ブレード4cによって薄層にコートされる。現像剤1
は、弾性ブレード4cによって現像スリーブ4a上での
層厚が規制されるとともに電荷が負荷される。この時、
現像スリーブ4aにコートされた現像剤量は、15g/
2であった。
【0314】現像スリーブ4aにコートされた現像剤1
は、スリーブ4aが回転することによって、感光体1と
当該スリーブ4aとの対向部である現像部aに搬送され
る。また、スリーブ4aには、現像バイアス印加電源S
2により現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス
電圧は−420VのDC電圧と、周波数1600Hz、
ピーク間電圧1500V(電界強度5×106V/m)
の矩形のAC電圧を重畳したものを用いて、現像スリー
ブ4aと感光体1との間で1成分のジャンピング現像を
行わせた。
【0315】5は接触転写手段としての中抵抗の転写ロ
ーラであり、感光体1に98N/m(100g/cm)
の線圧で圧接させて転写ニップ部bを形成している。こ
の転写ニップ部bに図示せぬ給紙部から所定のタイミン
グで転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ5に軽写バイ
アス印加電源S3から所定の転写バイアス電圧が印加さ
れることで、感光体1側のトナー像が転写ニップ部bに
給紙された転写材Pの面に順次に転写されていく。
【0316】本実施例では、ローラ抵抗値は5×108
Ωcmのものを用い、+3000VのDC電圧を印加し
て転写を行なった。即ち、転写ニップ部bに導入された
転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、その
表面側に感光体1の表面に形成担持されているトナー画
像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0317】6は熱定着方式等の定着装置である。転写
ニップ部bに給紙され感光体1側のトナー像の転写を受
けた転写材Pは、感光体1の表面から分離されてこの定
着装置6に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成
物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0318】本例の画像形成装置はクリーニングユニッ
トを除去しており、転写材Pに対するトナー像転写後の
感光体1の表面に残留の転写残りの現像剤(転写残トナ
ー)はクリーナで除去されることなく、感光体1の回転
に伴い帯電部nを経由して現像部aに至り、現像装置4
において現像同時クリーニング(回収)される。
【0319】本例のプリンターは、感光体1、帯電ロー
ラ2、現像装置4の3つのプロセス機器を一括してプリ
ンター本体に対して着脱自在のプロセスカートリッジと
して構成してもよい。プロセスカートリッジ化するプロ
セス機器の組み合わせ等は上記に限られるものではなく
任意である。
【0320】(2)導電性微粉末の挙動 現像装置4の現像剤1に混入された導電性微粉末mは、
感光体1側の静電潜像の現像装置4による現像時に、ト
ナー粒子tとともに適当量が感光体1側に移行する。
【0321】感光体1上のトナー画像、すなわちトナー
粒子tは、転写部bにおいて転写バイアスの影響で転写
材P側に引かれて積極的に転移する。しかし、感光体1
上の導電性微粉末mは、導電性であるため、転写材P側
には積極的には転移せず、感光体1上に実質的に付着保
持されて残留する。
【0322】本発明においては、画像形成装置はクリー
ニング工程を有さないため、転写後の感光体1の表面に
残存したトナー粒子tおよび導電性微粉末mは、感光体
1の回転に伴って、感光体1と帯電ローラ2の接触部で
ある帯電部nに持ち運ばれて、帯電ローラ2に付着或い
は混入する。従って、感光体1と帯電ローラ2との接触
部nにこの導電性微紛末mが存在した状態で感光体1の
直接注入帯電が行なわれる。
【0323】この導電性微粉末mの存在により、帯電ロ
ーラ2にトナー粒子tが付着・混入した場合でも、帯電
ローラ2の感光体1への緻密な接触性と接触抵抗を維持
できるため、該帯電ローラ2による感光体1の直接注入
帯電を行なわせることができる。
【0324】つまり、帯電ローラ2が導電性微粉末mを
介して密に感光体1に接触し、この導電性微粉末mが感
光体1表面を隙間なく摺擦している。これにより、帯電
ローラ2による感光体1の帯電が、放電現象を用いな
い、安定かつ安全な直線注入帯電が支配的となり、従来
のローラ帯電等では得られなかった高い帯電効率が得ら
れる。従って、帯電ローラ2に印加した電圧とほぼ同等
の電位を感光体1に与えることができる。
【0325】また帯電ローラ2に付着或いは混入した転
写残トナー粒子tは、帯電ローラ2から徐々に感光体1
上に吐き出され、感光体1表面の移動に伴って現像部a
に至り、現像装置4において現像同時クリーニング(回
収)される。
【0326】現像同時クリーニングは、転写後に感光体
1上に残留したトナー粒子を、画像形成工程の次回以降
の現像時(現像後、再度帯電工程、露光工程を介した後
の潜像の現像時)において、現像装置のかぶり取りバイ
アス(現像装置に印加する直流電圧と感光体の表面電位
間の電位差であるかぶり取り電位差Vback)によっ
て回収するものである。本実施例における画像形成装置
のように、反転現像の場合、この現像同時クリーニング
は、現像バイアスによる感光体の暗部電位から現像スリ
ーブにトナー粒子を回収する電界と、現像スリーブから
感光体の明部電位へトナー粒子を付着させ現像する電界
の作用でなされる。
【0327】また、画像形成装置が稼動されることで、
現像装置4の現像剤に含有された導電性微粉末mが、現
像部aで感光体1表面に移行し、感光体1表面の移動に
伴って転写部bを経て帯電部nに持ち運ばれることによ
って、帯電部nに新しい導電性微粉末mが逐次に供給さ
れ続けるため、帯電部nにおいて導電性微粉末mが脱落
等で減少したり、該粒子mが劣化するなどしても、帯電
性の低下が生じることが防止されて良好な帯電性が安定
して維持される。
【0328】かくして、接触帯電方式、転写方式、トナ
ーリサイクルプロセスの画像形成装置において、接触帯
電部材として簡易な帯電ローラ2を用いて均一な帯電性
を低印加電圧で与えることができる。しかも、該帯電ロ
ーラ2が転写残トナーによる汚染されるにも関わらず、
オゾンレスの直接注入帯電を長期に渡り安定に維持させ
ることができ、均一な帯電性を与えることができる。よ
って、オゾン生成物による障害、帯電不良による障害等
のない、簡易な構成、低コストな画像形成装置を得るこ
とができる。
【0329】また、前述のように、導電性微粉末mは帯
電性を損なわないために、抵抗値が1×109Ω・cm
以下である必要がある。そのため、現像部aにおいて、
現像剤が直接感光体1に接触する接触現像装置を用いた
場合には、現像剤中の導電性微粉末mを通じて、現像バ
イアスにより感光体1に電荷注入され、画像かぶりが発
生してしまう場合がある。
【0330】しかし、本例では現像装置は非接触型現像
装置であるので、現像バイアスが感光体1に注入される
ことがなく、良好な画像を得ることができる。また、現
像部aにおいて感光体1への電荷注入が生じないため、
交流のバイアスなど現像スリーブ4aと感光体1との間
に高電位差を持たせることが可能となる。これにより導
電性微粉末mが均等に現像されやすくなるため、均一に
導電性微粉末mを感光体1表面に塗布し、帯電部で均一
な接触を行い、良好な帯電性を得ることが出来き、良好
な面像を得ることが可能となる。
【0331】帯電ローラ2と感光体1との接触面nに介
在された導電性微粉末mの潤滑効果(摩擦低減効果)に
より、帯電ローラ2と感光体1との間に容易に効果的に
速度差を設けることが可能となる。この速度差を設ける
ことにより、帯電ローラ2と感光体1の相互接触面部
(接触部)nにおいて導電性微粉末mが感光体1に接触
する機会を格段に増加させ、高い接触性を得ることがで
きる。よって、良好な直接注入帯電を可能としている。
【0332】本実施例では、帯電ローラ2を回転駆動
し、その回転方向は感光体1表面の移動方向とは逆方向
に回転するように構成することで、帯電部nに持ち運ば
れる感光体1上の転写残トナー粒子を帯電ローラ2に一
時的に回収し、均す効果を得ている。即ち、帯電ローラ
2を逆方向に回転することによって、感光体1上の転写
残トナー粒子を感光体1から一旦引離して帯電を行なう
ことにより、優位に直接注入帯電を行なうことが可態で
ある。
【0333】さらに、本実施例では、像担持体としての
感光体1と接触帯電部材としての帯電ローラ2との帯電
接触部nにおける適当な量の導電性微粉末mの介在によ
って、該粒子による潤滑効果により帯電ローラ2と感光
ドラム1との摩擦を低減し、帯電ローラ2を感光ドラム
1に速度差を持って回転駆動させることが容易である。
つまり、駆動トルクが低減し、帯電ローラ2や感光ドラ
ム1の表面の削れ或いは傷を防止できる。更に該粒子に
よる接触機会増加により十分な帯電性能が得られる。ま
た、導電性微粉末mの帯電ローラ2からの脱落よる作像
上の悪影響もない。
【0334】(3)評価 本実施例では、体積平均粒径3.7μm、粒子径が0.
5μm以下の粒子の粒子全体に対する体積比が6.6体
積%、粒子径が5μm以上の粒子の粒子全体に対する個
数比が8個数%の酸化亜鉛微粒子(抵坑80Ω・cm、
白色、透過率35%)の導電性微粉末B−1を2質量%
含有した現像剤1を用いている。
【0335】従って、導電性微粉末の現像剤全体に対す
る含有量(E質量%)が2質量%であり、導電性微粉末の
粒子径が0.5μm以下の粒子の体積%(F%)が6.
6体積%であるから、E×F=13.2となり、E×F
<40を満たす。また、導電性微粉末Bの粒子径が5μ
m以上の粒子の個数%(G%)が8個数%であるから、E
×G=16となり、E×G<20を満たす。
【0336】ここで、トナーカートリッジ内に120g
の現像剤1を充填して、5%カバレッジの3500枚の
連続プリントにより、トナーカートリッジ内で現像剤の
量が少なくなるまで使用した。軽写材としては75g/
2のA4コピー紙を用いた。
【0337】導電性微粉末の粒子径が0.5μm以下の
粒子の絶対量を表わすE×Fが十分小さい値であること
に対応して、現像性の低下は見られなかった。また、3
500枚の連続プリント後、帯電ローラ2上で感光体1
との接触部nに対応する部分を観察したところ、微量の
転写残トナーが確認されるものの、ほば白色の酸化亜鉛
粒子(導電性微粉末B−1)で覆われており、介在量は
およそ3×105個/mm2であった。帯電部材と像担持
体との接触部に介在している転写残トナーを走査型顕微
鏡で観察したところ、表面を非常に粒径が細かい導電性
微粉末Bで固着しているように覆われたような転写残ト
ナーは観察されなかった。
【0338】また、感光体1と帯電ローラ2との接触部
nに導電性微粉末B−1が存在した状態で、かつ導電性
微粉末B−1の抵抗が80Ω・cmと十分に低いため
に、初期より3500枚の連続プリント後まで帯電不良
に起因する画像欠陥を生じず、良好な直接注入帯電性が
得られた。
【0339】また、像担持体として感光体製造例1の最
表面層の体積抵抗が5×1012Ω・cmの感光体を用い
たことにより、静電潜像を維持することでシャープな輪
郭の文字画像が得られ、3500枚の連続プリント後も
十分な帯電性が得られる直接注入帯電を実現ができる。
3500枚の連続プリント後の直接注入帯電後感光体電
位は・印加帯電バイアス−700Vに対して−670V
であり、初期からの帯電性の低下は10Vと軽微であ
り、帯電性の低下による画像品質の低下は認められなか
った。
【0340】更に、像担持体の表面の水に対する接触角
が102度である感光体製造例1の感光体を用いたこと
とあいまって、転写効率は初期及び3500枚の連続プ
リント後も非常に優れていた。転写後の感光体上に転写
残トナーが少ないことを勘案しても、3500枚の連続
プリント後の帯電ローラ2上での転写残トナーが微量で
あったことと、非画像部のカブリが少ないことより、現
像での転写残トナーの回収性が良好であったことが解
る。
【0341】更に、3500枚の連続プリント後も感光
体上の傷は軽微であり、この傷に対応して画像上に生じ
る画像欠陥は実用上許容できるレベルに抑制されてい
た。
【0342】以下、プリント画像の評価法について述べ
る。
【0343】(a)面像濃度 初期及び3500枚の連続プリントアウトを終了した
後、2日放置して再び電源を入れた1枚目の画像濃度に
より評価した。尚、画像濃度は「マクベス反射濃度計」
(マクべス社製)を用いて、原稿濃度が0.00の白地
部分のプリントアウト画像に対する相対濃度を測定し
た。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号は、
それぞれ以下の評価を意味する。
【0344】 A:非常に良好(1.40以上) B:良好(1.35以上乃至1.40未満) C:普通(1.20以上乃至1.35未満) D:悪い(1.20未満) (b)画像カブリ 「フレクトメータ」(東京電色社製)により測定したプ
リントアウト画像の白地部分の白色度と転写紙の白色度
の差から、カブリ濃度(%)を算出し、画像カブリを評
価した。評価結果を表4に示す。なお、表4中の各記号
は、それぞれ以下の評価を意味する。
【0345】 A:非常に良好(1.5%未満) B:良好(1.5%以上乃至2.5%未満) C:普通(2.5%以上乃至4.0%未満) D:悪い(4%以上) (c)転写性 転写性は、ベタ黒画像形成時の感光体上の転写残トナー
を、マイラーテープによりテーピングしてはぎ取り、は
ぎ取ったマイラーテープを紙上に貼ったもののマクベス
濃度から、マイラーテープのみを紙上に貼ったもののマ
クベス濃度を差し引いた数値で評価した。評価結果を表
4に示す。なお、表4中の各記号は、それぞれ以下の評
価を意味する。
【0346】 A:非常に良好(0.05%未満) B:良好(0.05%以上乃至0.1%未満) C:普通(0.1%以上乃至0.2%未満) D:悪い(0.2%以上) (d)帯電性 初期及びプリントアウト試験終了後、現像器位置にセン
サを配置することにより、一様帯電後の感光体表面電位
を測定し、その差分により帯電性を評価した。評価結果
を表4に示す。差分がマイナスに大きくなるほど帯電性
の低下が大きいことを示す。
【0347】(e)像担持体と接触帯電部材との接触部
における導電性微粉末の介在量 感光体と接触帯電部材との接触部における導電性微粉末
(B−1)の介在量を以下の方法で測定した。
【0348】帯電バイアスを印加しない状態で、感光体
1及び帯電ローラ2の回転を停止し、感光体像1及び帯
電ローラ2の表面をビデオマイクロスコープ(OLYM
PUS製OVM1000N)及びデジタルスチルレコー
ダ(DELTIS製SR−3100)で撮影した。帯電
ローラ2については、帯電ローラを感光体に当接するの
と同じ条件でスライドガラスに当接し、スライドガラス
の背面からビデオマイクロスコープにて接触面を100
0倍の対物レンズで10箇所以上撮影した。得られたデ
ジタル画像から個々の粒子を領域分離するため、ある闘
値を持って2値化処理し、粒子の存在する領域の数を画
像処理ソフトを用いて計測した。また、像担持体上の存
在量についても像担持体上を同様のビデオマイクロスコ
ープにて撮影し、同様の処理を行い計測した。評価結果
を表4に示す。介在量は104〜5×105個/mm2
あることが好ましい。
【0349】(f)感光体傷 プリントアウト試験終了後、感光体表面の傷及び傷への
トナーの固着の発生状況とプリントアウト画像への影響
を目視で評価した。評価結果を表4に示す。なお、表4
中の各記号は、それぞれ以下の評価を意味する。
【0350】 A:非常に良好(未発生) B:良好(わずかに傷の発生が見られるが、画像への影
響はない) C:普通(トナー固着や傷があるが、画像への影響は少
ない) D:悪い(傷に沿ってトナー固着が多く、縦スジ状の画
像欠陥を生じる) (g)画像汚れ 画像汚れの評価は、定着後の画像を目視で観察し、以下
の評価基準に基づいて評価を行なった。評価結果を表4
に示す。
【0351】 A:未発生 B:かすかに発生 C:ある程度発生 D:発生が著しく悪い
【0352】
【表4】 〈実施例14〜16〉 感光体の評価 実施例13で用いた感光体製造例1の感光体の代わり
に、感光体製造例2〜4で得られた感光体を用いる以外
は、実施例13と同様に評価を行った。結果を表4に示
す。
【0353】感光体製造例2で製造された感光体を用い
た実施例14では、実施例13と比較するとやや転写性
に劣るものの良好な画像が得られた。
【0354】感光体製造例3で製造された感光体を用い
た実施例15では、実施例13と比較するとややトナー
画像の輪郭のシャープさが劣るが、それ以外はほぼ良好
な性能を示した。
【0355】感光体製造例4で製造された感光体を用い
た実施例16では、実施例13と比較すると初期から帯
電効率が悪く、印加帯電バイアス電源−700Vに対し
帯電後の感光体表面電位は初期から−660Vとやや劣
った。また、3500枚の連続プリントアウトを終了し
た後の感光体の傷が実施例13よりも広い範囲でかつ深
く入っていた。
【0356】〈実施例17、18〉 帯電部材の評価 実施例13で用いた帯電部材製造例1の帯電部材の代わ
りに、帯電部材製造例2又は3で得られた帯電部材を用
いる以外は、実施例13と同様に評価を行った。結果を
表4に示す。
【0357】帯電部材製造例2で製造された帯電ローラ
を用いた実施例17は、実施例13と比較すると感光体
と接触帯電部材との接触部における導電性微粉末の介在
量がやや少なく、帯電性に劣るものの、良好な画像が得
られた。
【0358】帯電部材製造例3で製造された帯電ローラ
を用いた実施例18は、実施例13と比較すると、感光
体と接触帯電部材との接触部におけ導電性薇粉末Bの介
在量が明らかに少なく、連続プリントアウト後は帯電性
低下に伴ってカブリが増加した。
【0359】〈実施例19〜21〉 現像剤2、3、6
の評価 実施例13で用いた現像剤1の代わりに、表3に示す現
像剤2、3、又は6を用いる以外は、実施例13と同様
に評価を行った。結果を表4に示す。
【0360】現像剤2を用いた実施例19は、実施例1
3と比較すると、用いた導電性微粉末B−2の抵抗がや
や高めであることに起因して、プリントアウトの回数に
伴い帯電性の低下が見られると共に、導電性微粉末の像
露光光に対する透過率が低いためにカブリが増加した。
しかし、得られた画像は実用上許容できるレベルのもの
であった。
【0361】現像剤3及び6を用いた実施例20および
21は、初期より3500枚の連続プリント後まで非常
に良好な画像が得られた。また、感光体傷は大幅に改善
され発生しなかった。
【0362】〈比較例1、2〉実施例13で用いた現像
剤1の代わりに、表3に示す現像剤4又は5を用いる以
外は、実施例13と同様に評価を行った。結果を表4に
示す。
【0363】現像剤4を用いた比較例1は、実施例13
と比較すると初期から画像濃度がやや薄かった。350
0枚の連続プリント後では明らかに画像濃度は薄く、許
容できない画像であった。また、3500枚の連続プリ
ント終了後の帯電部材と像担持体の接触部に介在してい
る転写残トナーを走査型顕微鏡で観察したところ、表面
が非常に粒径が細かい導電性薇粉末で固着しているよう
に覆われた転写残トナーが観察された。
【0364】現像剤5を用いた比較例2は、実施例13
と比較すると初期から画像濃度が明らかに低く、許容で
きない画像であった。また、3500枚の連続プリント
終了後の帯電部材表面には転写残トナーの付着が多く、
帯電部材と像担持体との接触部における導電性薇粉末B
の介在量は明らかに少なく、帯電性は大幅に低下した。
【0365】〈実施例22〉 現像剤7、帯電ブラシを
用いた現像装置および現像方法の評価 図2は、本発明の画像形成装置の別の一例を示す図であ
る。この画像形成装置は、転写式電子写真プロセスおよ
び現像同時クリーニングプロセスを利用したレーザプリ
ンタ(記録装置)である。クリーニングユニットを有さ
ず、小径ドラム状感光体の採用により小型化されたプロ
セスカードリッジを有し、現像剤としては非磁性一成分
系現像剤を使用し、現像剤担持体上の現像剤層と像担持
体が非接触に配置される非接触現像の例である。 (1)画像形成装置の構成 21は像担持体としての、感光体製造例1のφ24mm
の回転ドラム型のOPC感光体であり、矢印の時計方向
に60mm/secの周速度(プロセススピード)をも
って回転駆動される。
【0366】22は接触帯電部材としての導電性ブラシ
ローラ(以下、帯電ブラシと表記する)である。帯電ブ
ラシ22は、帯電部材の製造例4で得られたロール状帯
電ブラシであり、感光体の回転方向と逆方向に感光体の
周速に対して周速120%で回転駆動される。また、帯
電ブラシ22と感光体21の間に導電性微粉末(B−
3)が介在した状態で、帯電ブラシ22の芯金22aに
帯電バイアス印加電源S1から−700Vの直流電圧が
帯電バイアスとして印加され、感光体21の表面を直接
注入帯電方式にて一様に帯電処理する。一様帯電処理後
の感光体21の表面電位は−680Vであった。
【0367】23は潜像形成手段としてのレーザビーム
スキャナである。このレーザビームスキャナは目的の画
像情報の時系列電気ディジタル画素信号に対応して強度
変調されたレーザ光Lにより、上記感光体21の一様帯
電面を走査露光することにより、感光体21表面に目的
の画像情報に対応した静電潜像が形成される。
【0368】24は現像装置である。感光体21の表面
の静電潜像はこの現像装置によりトナー画像として現像
される。現像装置24は、現像剤製造例7で得られた絶
縁性の負帯電性非磁性1成分系の現像剤7を用いた、非
接触型の反転現像装置である。現像剤には導電性微粉末
B−3を外添添加してある。
【0369】24aは現像剤担持部材としての、カーボ
ンブラックを分散して抵抗を調整したシリコーンゴムか
らなる中抵抗ゴムローラ(16φ)からなる現像ローラ
である。この現像剤担持体24aと感光体21との同に
240μmの間隔を設定した。
【0370】現像剤担持体24aは、回転周速が感光体
21との対向部分において同方向であり、該感光体回転
周速に対し150%となるように駆動する。つまり、現
像剤担持体24aの周速は90mm/sであり、感光体
21表面に対する相対速度は30mm/sである。現像
剤担持体24aに現像剤を塗布する手段として、現像部
分に塗布ローラ24bを設け、該現像剤担持体24aに
当接させた。接触部において、現像剤担持体24aの回
転方向に対して、塗布ローラ24bが互いの表面がカウ
ンター方向に移動する方向(回転方向は同方向)に回転
させることにより、現像剤を現像剤担持体24aに供給
及び塗布した。塗布ローラ24bは、例えばバイアスが
印加されている芯金と弾性層を有する構成である。この
塗布ローラ24b表面の電位が制御されることも、現像
剤の供給及びはぎ取りを制御する上で好ましい。
【0371】更に現像剤担持体24a上現像剤のコート
層制御のために、現像剤規制部材24cとしてのSUS
316をL字形に曲げ加工した非磁性ブレードを現像剤
担持体24aに当接させた。
【0372】現像装置24に収納されている現像剤は、
現像剤塗布ローラ24b及び塗布ブレード24cによ
り、現像剤担持体である現像ローラ24a上に塗布され
るとともに電荷を付与される。この時、現像ローラ24
aにコートされた現像剤量は、8g/m2であった。
【0373】現像ローラ24aにコートされた現像剤
は、現像ローラ24aの回転により、感光体21と現像
ローラー24aの対向部である現像部aに搬送される。
また、現像ローラ24aには、現像バイアス印加手段S
2より現像バイアス電圧が印加される。現像バイアス電
圧は、−400VのDC電圧と、周波数2000Hz、
ピーク間電圧1600V(電界強度6.4×106V/
m)の矩形のAC電圧を重畳したものを用い、現像ロー
ラ24aと感光体21の間で非磁性1成分ジャンピング
現像を行なわせた。
【0374】25は接触転写手段としての中抵抗の転写
ローラ(ローラ抵抗値は5×108Ωcm)であり、感
光体21に98N/m(100g/cm)の線庄で圧接
させて転写ニップ部bを形成させている。この転写ニッ
プ部bに転写材Pが給紙され、かつ転写ローラ25に転
写バイアス印加電源S3から+2800VのDC電圧を
転写バイアスとして印加することで、感光体21側のト
ナー像を、転写ニップ部bに給紙された転写剤Pの面に
順次に転写していく。即ち、転写ニップ部bに導入され
た転写材Pはこの転写ニップ部bを挟持搬送されて、そ
の表面に感光体21表面に形成担持されているトナー画
像が順次に静電気力と押圧力にて転写されていく。
【0375】26は熱転写方式等の定着装置である。面
状発熱体26aから耐熱性無端ベルト26bを介して加
熱されると同時に、加圧ローラ26cによる加圧により
加熱加圧定着を行う定着装置の例である。転写ニップ部
bに給紙され、感光体21側のトナー像の転写を受けた
転写材Pは、感光体21の表面から分離されてこの定着
装置26に導入され、トナー像の定着を受けて画像形成
物(プリント、コピー)として装置外へ排出される。
【0376】本実施例のプリンタでは、転写材Pに対す
るトナー像転写後の感光体21の表面に残留の転写残ト
ナー粒子はクリーナで除去されることなく、感光体21
の回転に伴い帯電部nを経由して現像部aに至り、現像
装置24において現像同時クリーニング(回収)され
る。
【0377】27はプリンタ本体に対して着脱自在のプ
ロセスカートリッジである。本例の画像形成装置は、感
光体21、帯電ローラ22、現像装置24の3つのプロ
セス機器を一括してプリンタ本体に対して着脱自在のプ
ロセスカートリッジとして構成してある。プロセスカー
トリッジ化するプロセス機器の組み合わせ等は上記に限
られるものではなく任意である。なお、28はプロセス
カートリッジの着脱自在・保持部材である。
【0378】(2)評価 本実施例では、体積平均粒径が2.4μm、粒子径が
0.5μm以下の粒子の粒子全体に対する体積比が4.
1体積%、粒子径が5μm以上の粒子の粒子全体に対す
る個数比が1個数%の酸化亜鉛微粒子(抵抗440Ω・
cm、白色、透過率25%)を導電性微粉末B−3とし
て、3質量%添加した現像剤7を用いている。
【0379】従って、導電性微粉末B−3の現像剤7全
体に対する含有量(E質量%)が3質量%であり、粒子
径が0.5μm以下の粒子の体積比(F体積%)が4.
1%であるから、E×F=12.3となり、E×F<4
0を満たす。また、導電性微粉末B−3の粒子径が5μ
m以上の粒子の個数比(G個数%)が1個数%あるか
ら、E×G=3となり、E×G<20を満たす。
【0380】ここで、実施例13と同様に、トナーカー
トリッジ内に80gの現像剤を充填して、5%カバレッ
ジの3500枚の連続プリントにより、トナーカートリ
ッジ内で現像剤量が少なくなるまで使用して評価を行っ
た。
【0381】初期からの3500枚の連続プリントを通
じて、更には3500枚の連続プリント後の2日放置し
た後プリントした場合でも、画像濃度の低下は見られな
かった。また、3500枚の連続プリント後、帯電ブラ
シ22上で感光体21との接触部nに対応する部分を観
察したところ、微量の転写残トナーが確認されるもの
の、ほぼ白色の酸化亜鉛粒子(導電性微粉末B−3)で
覆われており、介在量はおよそ1×105個/mm2であ
った。帯電部材22と像担持体21との接触部に介在し
ている転写残トナーを走査型顕微鏡で観察したところ、
非常に粒径が細かい導電性微粉末が表面を固着している
ように覆われたような転写残トナー粒子は観察されなか
った。
【0382】また、感光体21と帯電ブラシ22との接
触部nに導電性微粉末B−3が存在しており、かつ導電
性微粉末B−3の抵抗が440Ω・cmと十分に低いた
め、初期より3500枚の連続プリント後まで帯電不良
に起因する画像欠陥を生じず、良好な直接注入帯電性が
得られた。
【0383】また、転写効率は、感光体製造例1の感光
体を使用したこととあいまって、初期及び3500枚の
連続プリント後も非常に優れていた。転写後の感光体上
に転写残トナー量が少ないことを勘案しても、3500
枚の連続プリント後の帯電ブラシ22上での転写残トナ
ーが微量であったことと、非画像部のカブリが少ないこ
とより、現像装置での転写残トナーの回収性が良好であ
ったことが解る。更に、3500枚の連続プリント後も
導電性微粉末B−3に起因する感光体21上の傷は軽微
であり、この傷に対応して画像上に生じる画像欠陥は認
められなかった。
【0384】〈実施例23〜29〉 現像剤8〜14の
評価 実施例22で用いた現像剤7の代わりに、表3に示す現
像剤8〜14を用いる以外は、実施例22と同様に評価
を行った。結果を表4に示す。
【0385】現像剤8を用いた実施例23は、ほぼ良好
な画像が得られた。
【0386】現像剤9を用いた実施例24は、実施例2
2と比較すると評価項目全般にやや劣るものの、得られ
た画像は実用上許容できるレベルのものであった。
【0387】現像剤10を用いた実施例25は、ほぼ良
好な画像が得られた。
【0388】現像剤11を用いた実施例26は、実施例
22と比較すると、3500枚の連続プリントアウト試
験を終了した後の、感光体と接触帯電部材との接触部に
おける導電性微粉末B−2の介在量が明らかに少なく、
帯電部材上には転写残トナー粒子の比率がやや多かっ
た。帯電性の低下も−40Vとやや大きく、カブリが増
加した。
【0389】現像剤12を用いた実施例27は、実施例
22と比較すると3500枚の連続プリントアウト試験
を終了した後の感光体と接触帯電部材との接触部におけ
る導電性微粉末Bの介在量がやや少ないものの良好な画
像が得られた。
【0390】現像剤13を用いた実施例28は、ほぼ良
好な画像が得られた。
【0391】現像剤14を用いた実施例29は、実施例
22と比較すると3500枚の連続プリントアウト試験
を終了した後での画像濃度低下がみられ、像担持体上の
傷も増加しているが、この傷に対応して画像上に生じる
画像欠陥は軽微で、得られた画像は実用上許容できるレ
ベルのものであった。
【0392】〈比較例3〉実施例22で用いた現像剤7
の代わりに、表3に示す現像剤15を用いる以外は、実
施例25と同様に評価を行った。結果を表4に示す。
【0393】現像剤15を用いた比較例3は、実施例2
2と比較すると初期から画像濃度がやや薄かった。ま
た、3500枚の連続プリント後では明らかに画像濃度
は薄く、許容できない画像であった。また、3500枚
の連続プリントアウトを終了した後の帯電部材と像担持
体との接触部に介在している転写残トナーを走査型顕微
鏡で観察したところ、表面を非常に粒径が細かい導電性
微粉末で固着しているように覆われたような転写残トナ
ー粒子が観察された。更に、感光体に多数の傷があり、
トナーが傷に沿って感光体上に斑点状に固着しており、
これに対応する画像汚れも許容できるものではなかっ
た。
【0394】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
接触帯電方式、転写方式、トナーリサイクルプロセス等
の画像形成装置において、接触帯電部材への転写残トナ
ーの付着・混入による帯電阻害に打ち勝って像担持体の
帯電を良好に行わせることができ、長期にわたって繰り
返し使用された場合、トナーカートリッジ内で現像剤量
が少なくなるまで使用された際においても良好な画像を
安定して得ることできる。
【0395】また、接触帯電部材として簡易な部材を用
いることができ、接触帯電部材の転写残トナーによる汚
染にかかわらず、低印加電圧でオゾンレスの直接注入帯
電を長期に渡り安定に維持させることができ、しかも均
一な帯電性を与えることができる。従って、オゾン生成
物による障害、帯電不良による障害等のない、簡易な構
成、低コストな画像形成装置を得ることができる。
【0396】更に、長期の繰り返し使用にわたり、特定
の導電性微粉末を帯電部材と像担持体との接触部に介在
させることによる像担持体上の傷を大幅に減少でき、画
像上の画像欠陥を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例における画像形成装置の構成
を示す概略図
【図2】 本発明の実施例における画像形成装置の構成
を示す概略図
【図3】 各帯電部材の帯電特性を示すグラフ
【図4】 空間周波数による人の視覚特性を示すグラフ
【図5】 本発明の像担持体としての感光体の層構成を
示す断面図。
【符号の説明】
1、21 感光体(像担持体、被帯電体) 2 帯電ローラ(接触帯電部材) 3、23 レーザビームスキャナ(潜像形成手段、露光
装置) 4、24 現像装置 4a 現像スリーブ(現像剤担持体) 4c 弾性ブレード(現像剤層厚規制部材) 5、25 転写ローラ(転写部材) 6、26 定着装置 7、27 プロセスカートリッジ 22 帯電ブラシ(接触帯電部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/02 102 G03G 15/16 2H077 15/08 501 9/08 101 15/16 15/00 556 Fターム(参考) 2H003 BB11 CC05 CC06 EE11 EE12 2H005 AA08 CA12 CA26 CB07 CB13 DA09 EA02 EA05 EA07 2H032 AA05 BA07 2H068 AA04 AA05 AA08 BB03 BB31 BB33 2H071 BA04 BA13 DA06 DA08 DA15 2H077 AD02 AD06 AD13 AD17 AD23 AD36 EA12 EA16 GA01

Claims (64)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂及び着色剤を含有するトナー粒
    子と、無機微粉末と、導電性微粉末とを少なくとも有す
    る現像剤であって、 前記無機微粉末は平均1次粒径が4〜80nmであり、 前記導電性微粉末は体積平均粒子径が0.5〜10μm
    であり、この導電性微粉末の現像剤全体に対する含有量
    をE質量%とし、粒子径が0.5μm以下の導電性微粉
    末の導電性微粉末全体に対する体積比をF体積%とした
    場合に、下記式 E×F<40 を満足することを特徴とする現像剤。
  2. 【請求項2】 前記導電性微粉末は、この導電性微粉末
    の現像剤全体に対する含有量をE質量%とし、粒子径が
    5μm以上の導電性微粉末の導電性微粉末全体に対する
    個数比をG個数%とした場合に、下記式 E×G<20 を満足することを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
  3. 【請求項3】 前記導電性微粉末は、この導電性微粉末
    の現像剤全体に対する含有量をE質量%とし、粒子径が
    5μm以上の導電性微粉末の導電性微粉末全体に対する
    個数比をG個数%とした場合に、下記式 E×G<10 を満足することを特徴とする請求項1に記載の現像剤。
  4. 【請求項4】 前記導電性微粉末は、体積平均粒子径が
    0.8〜5μmであることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれか一項に記載の現像剤。
  5. 【請求項5】 前記導電性微粉末は、抵抗が109Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれ
    か一項に記載の現像剤。
  6. 【請求項6】 前記導電性微粉末は、抵抗が106Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か一項に記載の現像剤。
  7. 【請求項7】 前記導電性微粉末は、前記静電潜像を形
    成する像露光光に対する透過率が30%以上であること
    を特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の現像
    剤。
  8. 【請求項8】 前記導電性微粉末は、非磁性であること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の現像
    剤。
  9. 【請求項9】 前記導電性微粉末は、その現像剤全体に
    対する含有量(E質量%)が1〜10質量%であること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の現像
    剤。
  10. 【請求項10】 前記無機微粉末は、疎水化処理されて
    いることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記
    載の現像剤。
  11. 【請求項11】 前記無機微粉末は、少なくともシリコ
    ーンオイルで処理されていることを特徴とする請求項1
    〜10のいずれか一項に記載の現像剤。
  12. 【請求項12】 前記無機微粉末は、少なくとも、シラ
    ン化合物で処理されると同時に、若しくはシラン化合物
    で処理された後に、シリコーンオイルで処理されている
    ことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載
    の現像剤。
  13. 【請求項13】 79.6kA/m(1000エルステ
    ッド)の磁場における磁化の強さが10〜40Am2
    kg(emu/g)である磁性現像剤であることを特徴
    とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の現像剤。
  14. 【請求項14】 像担持体を帯電する帯電工程と、 前記帯電工程において帯電された像担持体表面を露光す
    ることによりこの像担持体表面に静電潜像を形成する潜
    像形成工程と、 前記潜像形成工程において形成された静電潜像を、現像
    剤担持体上に担持させた請求項1〜13のいずれか一項
    に記載の現像剤により現像することによりトナー画像を
    形成する現像工程と、 前記現像工程において形成されたトナー画像を転写材に
    転写する転写工程を有し、前記各工程が繰り返されるこ
    とにより画像形成を行う画像形成方法であって、 前記現像工程は、前記トナー画像を形成するとともに、
    前記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担
    持体表面に残留している現像剤を回収する工程を兼ねて
    おり、 前記帯電工程は、前記像担持体と接触する帯電部材に電
    圧を印加することによりこの像担持体を帯電する工程で
    あり、前記現像工程において、像担持体表面に付着し前
    記転写工程を経た後も像担持体表面に残留している前記
    現像剤に含まれる導電性微粉末が、前記像担持体と前記
    帯電部材との接触部に介在することを特徴とする画像形
    成方法。
  15. 【請求項15】 前記帯電部材の表面における移動速度
    と前記像担持体の表面における移動速度との間に、相対
    的速度差を設けることを特徴とする請求項14に記載の
    画像形成方法。
  16. 【請求項16】 前記帯電部材と前記像担持体は互いに
    逆方向に移動することを特徴とする請求項14または1
    5に記載の画像形成方法。
  17. 【請求項17】 前記帯電工程は、アスカーC硬度が2
    5〜50のローラ部材に電圧を印加することにより前記
    像担持体を帯電する工程であることを特徴とする請求項
    14〜16のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  18. 【請求項18】 前記帯電工程は、体積固有抵抗が10
    3〜108Ω・cmのローラ部材に電圧を印加することに
    より前記像担持体を帯電する工程であることを特徴とす
    る請求項14〜17のいずれか一項に記載の画像形成方
    法。
  19. 【請求項19】 前記帯電工程は、導電性繊維からなる
    ブラシに電圧を印加することにより前記像担持体を帯電
    する工程であることを特徴とする請求項14〜18のい
    ずれか一項に記載の画像形成方法。
  20. 【請求項20】 前記像担持体は、その最表面層におけ
    る体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであるこ
    とを特徴とする請求項14〜19のいずれか一項に記載
    の画像形成方法。
  21. 【請求項21】 前記像担持体の最表面層は、金属酸化
    物からなる酸化物導電微粒子が少なくとも分散された樹
    脂層であることを特徴とする請求項14〜20のいずれ
    か一項に記載の画像形成方法。
  22. 【請求項22】 前記像担持体の表面の水に対する接触
    角が85度以上であることを特徴とする請求項14〜2
    1のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  23. 【請求項23】 前記像担持体は、その最表面層が、フ
    ッ素系樹脂、シリコーン系樹脂、又はポリオレフィン系
    樹脂から選ばれる材料からなる滑剤微粒子が少なくとも
    分散された層であることを特徴とする請求項14〜22
    のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  24. 【請求項24】 前記像担持体が光導電性物質を有する
    感光体であることを特徴とする請求項14〜23のいず
    れか一項に記載の画像形成方法。
  25. 【請求項25】 前記潜像形成工程は、像担持体表面に
    静電潜像としての画像情報を像露光により書き込む工程
    であることを特徴とする請求項14〜24のいずれか一
    項に記載の画像形成方法。
  26. 【請求項26】 前記現像剤担持体が前記像担持体に対
    して100〜1000μmの離間距離で対向して配置さ
    れることを特徴とする請求項14〜25のいずれか一項
    に記載の画像形成方法。
  27. 【請求項27】 前記現像工程は、前記現像剤担持体上
    に現像剤を5〜30g/m2の密度で担持させることに
    より現像剤層を形成し、この現像剤層から現像剤を前記
    像担持体に転移させることにより静電潜像を現像する工
    程であることを特徴とする請求項14〜26のいずれか
    一項に記載の画像形成方法。
  28. 【請求項28】 前記現像工程は、現像剤担持体を前記
    像担持体に対して所定の離間距離で対向して配置し、現
    像剤からなり前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現
    像剤担持体上に形成し、前記現像剤層から現像剤を電気
    的に前記像担持体表面に転移させることにより静電潜像
    を現像する工程であることを特徴とする請求項14〜2
    7のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  29. 【請求項29】 前記現像工程は、前記現像剤担持体と
    前記像担持体との間に、少なくともピークトゥピークの
    電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波
    数が100〜5000Hzである交流電界を現像バイア
    スとして印加し、前記像担持体表面の静電潜像を現像剤
    によって現像する工程であることを特徴とする請求項1
    4〜28のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  30. 【請求項30】 前記転写工程は、現像工程によって形
    成されたトナー画像を中間転写体に転写した後に、記録
    媒体に再転写する工程であることを特徴とする請求項1
    4〜29のいずれか一項に記載の画像形成方法。
  31. 【請求項31】 前記転写工程において、前記転写部材
    が前記転写材を介して前記像担持体に当接することを特
    徴とする請求項14〜30のいずれか一項に記載の画像
    形成方法。
  32. 【請求項32】 静電潜像を担持するための像担持体
    と、 前記像担持体と接触する帯電部材を有し、この帯電部材
    に電圧を印加することにより前記像担持体を帯電するた
    めの帯電手段と、 前記帯電手段によって帯電された像担持体表面を露光す
    ることにより、この像担持体上に静電潜像を形成する潜
    像形成手段と、 前記潜像形成手段によって形成された静電潜像を、現像
    剤担持体上に担持させた請求項1〜13のいずれか一項
    に記載の現像剤を用いて現像することによりトナー画像
    を形成する現像手段と、 前記現像手段において形成されたトナー画像を転写材に
    転写する転写手段とを有し、像担持体上に繰り返して静
    電潜像が形成される画像形成装置であり、 前記現像手段は前記トナー画像を形成するとともに、前
    記トナー画像が前記転写材に転写された後に前記像担持
    体に残留した現像剤を回収し、 前記帯電手段は、前記現像手段によって前記像担持体に
    付着し転写手段による転写が行われた後もこの像担持体
    に残留している前記現像剤に含まれる導電性微粉末を、
    前記像担持体と前記帯電部材との接触部に介在させなが
    ら前記像担持体を帯電することを特徴とする画像形成装
    置。
  33. 【請求項33】 前記帯電部材の表面における移動速度
    と前記像担持体の表面における移動速度との間に、相対
    的速度差を設けることを特徴とする請求項32記載の画
    像形成装置。
  34. 【請求項34】 前記帯電部材と前記像担持体は互いに
    逆方向に移動することを特徴とする請求項32または3
    3に記載の画像形成装置。
  35. 【請求項35】 前記帯電部材は、アスカーC硬度が2
    5〜50のローラ部材であることを特徴とする請求項3
    2〜34のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  36. 【請求項36】 前記帯電部材は、体積固有抵抗が10
    3〜108Ω・cmのローラ部材であることを特徴とする
    請求項32〜35のいずれか一項に記載の画像形成装
    置。
  37. 【請求項37】 前記帯電部材は、導電性繊維からなる
    ブラシであることを特徴とする請求項32〜36のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  38. 【請求項38】 前記像担持体は、その最表面層おける
    体積抵抗が1×10 9〜1×1014Ω・cmであること
    を特徴とする請求項32〜37のいずれか一項に記載の
    画像形成装置。
  39. 【請求項39】 前記像担持体の最表面層は、金属酸化
    物からなる酸化物導電微粒子が少なくとも分散された樹
    脂層であることを特徴とする請求項32〜38のいずれ
    か一項に記載の画像形成装置。
  40. 【請求項40】 前記像担持体表面の水に対する接触角
    が85度以上であることを特徴とする請求項32〜39
    のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  41. 【請求項41】 前記像担持体の最表面層は、フッ素系
    樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂から
    選ばれる1種以上の材料からなる滑剤微粒子が、少なく
    とも分散された層であることを特徴とする請求項32〜
    40のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  42. 【請求項42】 前記像担持体は、光導電性物質を有す
    る感光体であることを特徴とする請求項32〜41のい
    ずれか一項に記載の画像形成装置。
  43. 【請求項43】 前記潜像形成手段は、像担持体表面に
    静電潜像としての画像情報を像露光により形成すること
    を特徴とする請求項32〜42のいずれか一項に記載の
    画像形成装置。
  44. 【請求項44】 前記現像手段は、現像剤担持体が像担
    持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向し
    て配置されることを特徴とする請求項32〜43のいず
    れか一項に記載の画像形成装置。
  45. 【請求項45】 前記現像手段は、現像剤担持体上に現
    像剤を5〜30g/m2 の密度で担持させることにより
    現像剤層を形成することを特徴とする請求項32〜44
    のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  46. 【請求項46】 前記現像手段は、現像剤担持体を像担
    持体に対して所定の離間距離で対向して配置し、現像剤
    からなり前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤
    担持体上に形成することを特徴とする請求項32〜45
    のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  47. 【請求項47】 前記現像手段は、前記現像剤担持体と
    前記像担持体との間に、少なくともピークトゥピークの
    電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波
    数が100〜5000Hzである交流電界を、現像バイ
    アスとして印加することを特徴とする請求項32〜46
    のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  48. 【請求項48】 前記転写手段は、現像工程によって形
    成されたトナー画像を中間転写体に転写した後に、前記
    記録媒体に再転写することを特徴とする請求項32〜4
    7のいずれか一項に記載の画像形成装置。
  49. 【請求項49】 前記転写手段において、前記転写部材
    が前記転写材を介して前記像担持体に当接することを特
    徴とする請求項32〜48のいずれか一項に記載の画像
    形成装置。
  50. 【請求項50】 像担持体上に形成された静電潜像を現
    像剤によって可視化し、この可視化されたトナー画像を
    転写材に転写することにより画像を形成するための画像
    形成装置本体に脱着可能に装着されるプロセスカートリ
    ッジであって、 静電潜像を担持するための像担持体と、 前記像担持体と接触する帯電部材を有し、この帯電部材
    に電圧を印加することにより前記像担持体を帯電するた
    めの帯電手段と、 現像剤担持体に担持させた請求項1〜13のいずれか一
    項に記載の現像剤を用いて、前記像担持体に担持された
    静電潜像を現像することによりトナー画像を形成すると
    ともに、前記トナー画像が前記転写材に転写された後に
    前記像担持体に残留した現像剤を回収する現像手段とを
    有し、 前記帯電手段は、前記現像手段によって前記像担持体に
    付着され前記転写材への転写が行われた後もこの像担持
    体に残留している前記現像剤に含まれる導電性微粉末
    を、前記像担持体と前記帯電部材との接触部に介在させ
    ながら、前記像担持体を帯電することを特徴とするプロ
    セスカートリッジ。
  51. 【請求項51】 前記帯電部材の表面における移動速度
    と前記像担持体の表面における移動速度との間に、相対
    的速度差を設けることを特徴とする請求項50記載のプ
    ロセスカートリッジ。
  52. 【請求項52】 前記帯電部材と前記像担持体は互いに
    逆方向に移動することを特徴とする請求項50または5
    1に記載のプロセスカートリッジ。
  53. 【請求項53】 前記帯電部材は、アスカーC硬度が2
    5〜50度のローラ部材であることを特徴とする請求項
    50〜52のいずれか一項に記載のプロセスカートリッ
    ジ。
  54. 【請求項54】 前記帯電部材は、体積固有抵抗が10
    3〜108Ω・cmのローラ部材であることを特徴とする
    請求項50〜53のいずれか一項に記載のプロセスカー
    トリッジ。
  55. 【請求項55】 前記帯電部材は、導電性繊維からなる
    ブラシであることを特徴とする請求項50〜54のいず
    れか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  56. 【請求項56】 前記像担持体は、その最表面層におけ
    る体積抵抗が1×109〜1×1014Ω・cmであるこ
    とを特徴とする請求項50〜55のいずれか一項に記載
    のプロセスカートリッジ。
  57. 【請求項57】 前記像担持体の最表面層は、金属酸化
    物からなる酸化物導電微粒子が少なくとも分散された樹
    脂層であることを特徴とする請求項50〜56のいずれ
    か一項に記載のプロセスカートリッジ。
  58. 【請求項58】 前記像担持体表面の水に対する接触角
    が85度以上であることを特徴とする請求項50〜57
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  59. 【請求項59】 前記像担持体の最表面層は、フッ素系
    樹脂、シリコーン系樹脂又はポリオレフィン系樹脂から
    選ばれる1種以上の材料からなる滑剤微粒子が、少なく
    とも分散された層であることを特徴とする請求項50〜
    58のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  60. 【請求項60】 前記像担持体は、光導電性物質を有す
    る感光体であることを特徴とする請求項50〜59のい
    ずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  61. 【請求項61】 前記現像手段は、現像剤担持体が像担
    持体に対して100〜1000μmの離間距離で対向し
    て配置されることを特徴とする請求項50〜60のいず
    れか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  62. 【請求項62】 前記現像手段は、現像剤担持体上に現
    像剤を5〜30g/m2 の密度で担持させることにより
    現像剤層を形成することを特徴とする請求項50〜61
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  63. 【請求項63】 前記現像手段は、現像剤担持体を像担
    持体に対して所定の離間距離で対向して配置し、現像剤
    からなり前記離間距離よりも薄い現像剤層を前記現像剤
    担持体上に形成することを特徴とする請求項50〜62
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
  64. 【請求項64】 前記現像手段は、前記現像剤担持体と
    前記像担持体との間に、少なくともピークトゥピークの
    電界強度が3×106〜10×106V/mであり、周波
    数が100〜5000HzであるAC電界を、現像バイ
    アスとして印加することを特徴とする請求項50〜63
    のいずれか一項に記載のプロセスカートリッジ。
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