JP2001235835A - 熱現像画像記録材料 - Google Patents

熱現像画像記録材料

Info

Publication number
JP2001235835A
JP2001235835A JP2000047082A JP2000047082A JP2001235835A JP 2001235835 A JP2001235835 A JP 2001235835A JP 2000047082 A JP2000047082 A JP 2000047082A JP 2000047082 A JP2000047082 A JP 2000047082A JP 2001235835 A JP2001235835 A JP 2001235835A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat
layer
recording material
image recording
silver
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000047082A
Other languages
English (en)
Inventor
Toshiaki Kubo
利昭 久保
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Photo Film Co Ltd filed Critical Fuji Photo Film Co Ltd
Priority to JP2000047082A priority Critical patent/JP2001235835A/ja
Publication of JP2001235835A publication Critical patent/JP2001235835A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Non-Silver Salt Photosensitive Materials And Non-Silver Salt Photography (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 低湿下で搬送した場合であっても、静電気由
来の黒ポツが発生せず、十分な品質を維持することがで
きる熱現像画像記録材料を提供すること。 【解決手段】 支持体上に少なくとも1層の画像形成層
を有する熱現像画像記録材料において、支持体に対して
画像形成層側に内部導電層を持つことを特徴とする熱現
像画像記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、静電気による黒ポ
ツが少なく、寸度安定性に優れた熱現像画像記録材料に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年印刷分野において環境保全、省スペ
ースの観点から処理廃液の減量が強く望まれている。そ
こで、従来のような現像、定着、水洗といった工程を経
ることの無い記録材料が求められている。
【0003】熱現像処理法を用いて写真画像を形成する
熱現像写真感光材料は、例えば米国特許第315290
4号明細書、3457075号明細書及びD.クロスタ
ボーア(Klosterboer)による「熱によって処理される
銀システム(Thermally Processed Silver Systems)」
(イメージング・プロセッシーズ・アンド・マテリアル
ズ(Imaging Processes and Materials)Neblette 第
8版、J.スタージ(Sturge)、V.ウォールワース
(Walworth)、A.シェップ(Shepp)編集、第9章、
第279項、1989年に開示されている。
【0004】このような方式に基づく熱現像画像記録材
料は、モノシートでかつ、熱処理のみで画像が形成され
ると言う利点があるため各分野で応用が期待されてい
る。
【0005】しかしながら、水を使用しない熱現像画像
記録材料は、低湿下で搬送することが多く、十分に帯電
防止を施さないと静電気由来の黒ポツ(未露光部に発生
する微小な黒化部)が発生することが知られいる。この
ため、従来の熱現像画像記録材料では、支持体のバック
層側に導電層を形成して帯電防止を図っている。しか
し、従来の導電層では、冬など外気が乾燥している条件
下で、静電気由来の黒ポツが発生することがあり、改善
が求められていた。
【0006】また、熱現像方式を用いた画像記録材料を
印刷用途に使用した場合、80〜150℃で熱現像する
ことが多く、従来の写真感光材料の様にバインダーにゼ
ラチンを使用すると、ゼラチンの収縮により寸度が大き
く変化するという問題が生じている。また、支持体内の
水分は、加熱を伴う熱現像直後にはほとんどなくなる
が、室内に放置すると時間と共に吸湿するため、寸度が
変化してしまうという問題も生じている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これらの従来技術の問
題点を考慮して、本発明は、低湿下で搬送した場合であ
っても、静電気由来の黒ポツが発生せず、十分な品質を
維持することができる熱現像画像記録材料を提供するこ
とを課題とした。また本発明は、熱現像後の吸湿による
寸法変化を抑制した熱現像画像記録材料を提供すること
も課題とした。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者はこれらの課題
を解決するために鋭意検討を重ねた結果、内部導電層を
支持体の画像形成層側に形成することが有効であること
を見出し、本発明を提供するに至った。すなわち本発明
は、支持体上に少なくとも1層の画像形成層を有する熱
現像画像記録材料において、支持体に対して画像形成層
側に内部導電層を持つことを特徴とする熱現像画像記録
材料を提供する。
【0009】本発明の熱現像画像記録材料の内部導電層
は、アンチモンがドープされたSnO2粒子を含有する
ことが好ましい。また、本発明の熱現像画像記録材料
は、支持体上の両面に防水層を有することが好ましく、
支持体に対して画像形成層と反対側の層が2層で構成さ
れることが好ましい。さらに、本発明の熱現像画像記録
材料の少なくとも一方の最外層は、最外層に含まれる全
バインダーの50質量%以上がポリマーラテックスであ
り、含フッ素界面活性剤を含み、滑り剤を含むことが好
ましい。さらに、画像形成層は有機銀塩と還元剤を含む
ことが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】以下において、本発明の熱現像画
像記録材料について詳細に説明する。本発明の熱現像画
像記録材料は、支持体上に少なくとも1層の画像形成層
を有するものである。その特徴は、支持体に対して画像
形成層側に内部導電層を有する点にある。
【0011】本発明の熱現像画像記録材料に形成される
内部導電層は、熱現像画像記録材料の帯電防止を図るた
めに導電性材料で構成される。導電性材料の種類は特に
制限されるものではなく、従来から記録材料に用いられ
てきた導電性材料を適宜選択して使用することができ
る。具体的には、導電性ポリマー、もしくは、導電性金
属酸化物粒子を含むことが好ましい。
【0012】本発明で用いられる導電性ポリマーとは、
炭素原子と炭素原子もしくはヘテロ原子とを結合する二
重結合又は三重結合が単結合と交互に長く連なった共役
系を分子骨格とした共役系ポリマーである。具体的に
は、特開平8−201979号公報、同8−21155
5号公報、同8−277338号公報に記載の化合物が
挙げられる。
【0013】また、本発明で用いられる導電性金属酸化
物粒子としては、ZnO、TiO2、SnO2、Al
23、In22、MgO、BaO、V210およびMo
2ならびにこれらの複合酸化物、そしてこれらの金属
酸化物にさらに異種原子を含む金属酸化物の粒子を挙げ
ることができる。金属酸化物としては、SnO2、Zn
O、Al23、TiO2、In22、およびMgOが好
ましく、さらに、SnO2、ZnO、In22およびT
iO2が好ましく、SnO2が特に好ましい。異種原子を
少量含む例としては、ZnOに対してAlあるいはI
n、TiO2に対してNbあるいはTa、In22に対
してSn、およびSnO2に対してSb、Nbあるいは
ハロゲン元素などの異種元素を0.01〜30モル%
(好ましくは0.1〜10モル%)ドープしたものを挙
げることができる。なお、本明細書において、「〜」は
その前後に記載される数値を含む範囲である。
【0014】異種元素の添加量が、0.01モル%未満
の場合は酸化物または複合酸化物に充分な導電性を付与
することができにくくなり、30モル%を超えると粒子
の黒化度が増し、帯電防止層が黒ずむため記録材料用と
しては適さなくなる傾向がある。従って、本発明で用い
る導電性金属酸化物粒子の材料としては、金属酸化物ま
たは複合金属酸化物に対し異種元素を少量含むものが好
ましい。また、結晶構造中に酸素欠陥を含むものも好ま
しい。上記異種原子を少量含む導電性金属酸化物微粒子
としては、アンチモンがドープされたSnO2粒子が好
ましく、特にアンチモンが0.2〜2.0モル%ドープ
されたSnO2粒子が好ましい。
【0015】本発明に用いる導電性金属酸化物の形状に
ついては特に制限はなく、粒状、針状等が挙げられる。
また、その大きさは、球換算径で表した平均粒径が0.
5〜25μmである。透明性の点で、導電性金属酸化物
の形状は針状の方が好ましい。具体的には、米国特許第
5,575,957号明細書、特願平10−04130
2号明細書の段落番号[0012]〜[0020]に記
載のアンチモンがドープした針状導電性酸化スズ、特開
平4−29134号公報に記載のアンチモンがドープし
た繊維状酸化スズが挙げられる。
【0016】また、内部導電層には、導電性を得るため
に、例えば、可溶性塩(例えば塩化物、硝酸塩など)、
蒸着金属層、米国特許第2861056号明細書および
同第3206312号明細書に記載のようなイオン性ポ
リマーまたは米国特許第3428451号明細書に記載
のような不溶性無機塩を使用することもできる。
【0017】このような導電性金属酸化物粒子を含有す
る内部導電層は、少なくとも支持体に対して画像形成層
側に形成する。すなわち、支持体と画像形成層の間、ま
たは画像形成層と最外層の間のいずれかに少なくとも1
層の内部導電層を形成する。好ましいのは、支持体と画
像形成層の間に内部導電層を形成する場合である。具体
的には、画像形成層の下塗り層として形成することがで
きる。従来の熱現像画像記録材料は、支持体に対して画
像形成層とは反対側(バック面)の層として導電層が形
成されており、画像形成層側に内部導電層を形成した例
はなかった。このため、従来の熱現像画像記録材料は外
気が乾燥している条件下において黒ポツが発生するなど
の障害を十分に回避することができなかったが、本発明
にしたがって画像形成層側に内部導電層を形成すること
によりこのような障害を防ぐことができるようになっ
た。
【0018】本発明では、従来のように導電層をバック
面に設けることを妨げるものではない。したがって、画
像形成層側に内部導電層を設けるとともに、例えばバッ
ク面の下塗り層として導電層を形成してもよい。添加量
は両面合計で0.01〜1.0g/m2であることが好
ましい。また、熱現像画像記録材料の内部抵抗率は、2
5℃、相対湿度25%の雰囲気下で1.0×107
1.0〜1012Ωであることが好ましい。
【0019】本発明の熱現像画像記録材料は、支持体上
の両面に防水層を有することが好ましい。防水層は、熱
現像後の吸湿による寸法変化を有効に抑制することを意
図して形成されるものである。したがって、このような
目的にかなう性質を有する防水性材料を、防水層に適用
することができる。具体的には、防水層は、特開昭64
−20544号公報、特開平1−180537号公報、
特開平1−209443号公報、特開平1−28593
9号公報、特開平1−296243号公報、特開平2−
24649号公報、特開平2−24648号公報、特開
平2−184844号公報、特開平3−109545号
公報、特開平3−137637号公報、特開平3−14
1346号公報、特開平3−141347号公報、特開
平4−96055号公報、米国特許第4,645,73
1号明細書、特開平4−68344号公報、特許第2,
557,641号明細書のP2右欄20行目〜P3右欄
30行目、特願平10−221039号明細書の段落番
号[0020]〜[0037]、特願平11−1068
81号明細書の段落番号[0063]〜[0080]に
記載の塩化ビニリデン単量体の繰り返し単位を70質量
%以上含有する塩化ビニリデン共重合体で形成されてい
ることが好ましい。
【0020】塩化ビニリデン単量体が70質量%未満の
場合は、十分な防湿性が得られず、熱現像後の時間経過
における寸法変化が大きくなってしまう傾向がある。ま
た、塩化ビニリデン共重合体は、塩化ビニリデン単量体
のほかの構成繰り返し単位としてカルボキシル基含有ビ
ニル単量体の繰り返し単位を含むことが好ましい。この
ような構成繰り返し単位を含ませるのは、塩化ビニル単
量体のみでは、重合体(ポリマー)が結晶化してしま
い、防湿層を塗設する際に均一な膜を作り難くなり、ま
た重合体(ポリマー)の安定化のためにはカルボキシル
基含有ビニル単量体が不可欠であるからである。
【0021】本発明で用いる塩化ビニリデン共重合体の
分子量は、質量平均分子量で45000以下、さらには
10000〜45000が好ましい。塩化ビニリデン共
重合体の含有量は、塩化ビニリデン共重合体を含有する
防水層の片面当たりの合計膜厚として0.3μm以上で
あり、好ましくは0.3μm〜4μmの範囲である。
【0022】なお、防水層は、通常は片面ごとに1層ず
つ設けられるが、場合によっては2層以上設けてもよ
い。2層以上の多層構成とするときは、塩化ビニリデン
共重合体量が合計で上記の範囲となるようにすればよ
い。このような層には塩化ビニリデン共重合体のほか、
架橋剤やマット剤、界面活性剤などを含有させてもよ
い。特に、含フッ素界面活性剤は、塗布性を良化させる
上で有効である。
【0023】本発明の熱現像画像記録材料の最外層は、
ポリマーラテックス、含フッ素界面活性剤、滑り剤を含
有することが好ましい。最外層に用いるバインダーは、
よく知られている天然または合成樹脂(例えば、ゼラチ
ン、ポリビニルアセタール、ポリビニルクロリド、ポリ
ビニルアセテート、セルロースアセテート、ポリオレフ
ィン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリアクリロニト
リル、ポリカーボネートなど)、ポリマーラテックスか
ら任意のものを選択することができる。好ましいバイン
ダーは、ポリビニルブチラール、酢酸酪酸セルロース、
メタクリレートコポリマー、無水マレイン酸エステルコ
ポリマー、ポリスチレン、ブタジエン−スチレンコポリ
マー及びポリマーラテックスである。必要に応じて、こ
れらのバインダーを2種またはそれ以上組合せて使用す
ることができる。
【0024】また、最外層に用いるバインダーは、ポリ
マーラテックスを全バインダーの50質量%以上含有す
ることが好ましく、70%以上含有することがより好ま
しい。ただしここで言う「ポリマーラテックス」とは水
不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性の分散
媒中に分散したものである。分散状態としてはポリマー
が分散媒中に乳化されているもの、乳化重合されたも
の、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分子中に
部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状分散し
たものなどいずれでもよい。なおポリマーラテックスに
ついては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲垣寛編
集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成ラテッ
クスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠原啓司
編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合成ラテ
ックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(197
0))」などに記載されている。分散粒子の平均粒径は
1〜50000nm、より好ましくは5〜1000nm
程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に関しては
特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも単分散の
粒径分布を持つものでもよい。
【0025】ポリマーラテックスは通常の均一構造のポ
リマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型のラテ
ックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス転移温
度を変えると好ましい場合がある。ポリマーラテックス
の最低造膜温度(MFT)は−30℃〜120℃、より
好ましくは0℃〜90℃程度が好ましい。最低造膜温度
をコントロールするために造膜助剤を添加してもよい。
造膜助剤は可塑剤ともよばれ、ポリマーラテックスの最
低造膜温度を低下させる有機化合物(通常有機溶剤)
で、例えば前述の「合成ラテックスの化学(室井宗一
著、高分子刊行会発行(1970))」に記載されてい
る。
【0026】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、または
これらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖の
ポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋され
たポリマーでも良い。またポリマーとしては単一のモノ
マーが重合したいわゆるホモポリマーでも良いし、2種
以上のモノマーが重合したコポリマーでも良い。コポリ
マーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマ
ーでも良い。ポリマーの分子量は数平均分子量で500
0〜1000000、好ましくは10000〜1000
00程度か好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形
成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは製膜
性が悪く好ましくない。
【0027】本発明に用いられるポリマーラテックスの
ポリマーは25℃、相対湿度60%での平衡含水率が2
質量%以下、より好ましくは1質量%以下のものである
ことが好ましい。平衡含水率の定義と測定法について
は、例えば「高分子工学講座14、高分子材料試験法
(高分子学会編、地人書館)」などを参考にすることが
できる。
【0028】本発明にバインダーとして用いられるポリ
マーラテックスの具体例としては、メチルメタクリレー
ト/エチルアクリレート/メタクリル酸コポリマーのラ
テックス、メチルメタクリレート/2エチルヘキシルア
クリレート/スチレン/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コポリマーの
ラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニルベンゼン
/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメタク
リレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマーのラテッ
クス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート/アクリロ
ニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテックスなどを
挙げることができる。また、このようなポリマーは市販
もされていて、以下のようなポリマーが利用できる。例
えばアクリル樹脂の例として、セビアンA−4635,
46583、4601(以上ダイセル化学工業(株)
製)、Nipol Lx811、814、821、82
0、857(以上日本ゼオン(株)製)、ジュリマーE
T−410(以上日本純薬(株)製)など、ポリエステ
ル樹脂としては、FINETEX ES650、61
1、675、850(以上大日本インキ化学(株)
製)、WD−size、WMS(以上イーストマンケミ
カル製)、バイロン200、103、300、500、
600(東洋紡(株)製)など、ポリウレタン樹脂とし
てはHYDRAN AP10、20、30、40(以上
大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂としては
LACSTAR 7310K、3307B、4700
H、7132C(以上大日本インキ化学(株)製)、
Nipol Lx416、410、438C、250
7、(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂
としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)
製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L5
13(以上旭化成工業(株)製)など、オレフィン樹脂
としてはケミパールS120、SA100(以上三井石
油化学(株)製)などを挙げることができる。これらの
ポリマーは単独で用いてもよいし、必要に応じて2種以
上ブレンドして用いても良い。
【0029】本発明の熱現像画像記録材料の最外層には
必要に応じて全バインダーの30質量%以下の範囲でゼ
ラチン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロ
ース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどの親水
性ポリマーを添加しても良い。これらの親水性ポリマー
の添加量は最外層の全バインダーの15質量%以下が好
ましい。
【0030】最外層は、界面活性剤として含フッ素界面
活性剤を使用することが好ましい。これにより塗布面状
が向上する。
【0031】含フッ素界面活性剤としては、炭素数4以
上(通常15以下)のフルオロアルキル基、フルオロア
ルケニル基、またはフルオロアリール基を有し、イオン
性基としてアニオン基(スルホン酸(塩)、硫酸
(塩)、カルボン酸(塩)、リン酸(塩))、カチオン
基(アミン塩、アンモニウム塩、芳香族アミン塩、スル
ホニウム塩、ホスホニウム塩)、ベタイン基(カルボキ
シアミン塩、カルボキシアンモニウム塩、スルホアミン
塩、スルホアンモニウム塩、ホスホアンモニウム塩、)
またはノニオン基(置換、無置換のポリオキシアルキレ
ン基、ポリグリセリル基またはソルビタン残基)を有す
る界面活性剤が挙げられる。
【0032】これらの含フッ素界面活性剤は特開昭49
−10722号公報、英国特許第1,330,356号
明細書、米国特許第4,335,201号明細書、同
4,347,308号明細書、英国特許第1,417,
915号明細書、特開昭55−149938号公報、同
58−196544号公報、英国特許第1,439,4
02号明細書などに記載されている。
【0033】含フッ素界面活性剤は、画像形成層側の最
外層あるいは反対側の最外層に添加することが好ましい
が、それ以外の層に添加することもできる。含フッ素界
面活性剤は1種のみ用いても2種以上併用してもよく、
その添加量は両面合計で0.001〜0.1g/m2
あることが好ましい。
【0034】本発明の熱現像画像記録材料の最外層は、
滑り剤を含むことが好ましい。本発明で用いられる滑り
剤は、物体表面に存在させた時に、存在させない場合に
比べて物体表面の摩擦係数を減少させる化合物であれば
いずれでもよい。
【0035】本発明に用いられる滑り剤としては、特開
平11−84573号公報の段落番号[0061]〜
[0064]、特願平11−106881号明細書の段
落番号[0049]〜[0062]に記載の化合物を例
示することができる。好ましい滑り剤の具体例として
は、セロゾール524(主成分カルナバワックス)、ポ
リロンA,393,H−481(主成分ポリエチレンワ
ックス)、ハイミクロンG−110(主成分エチレンビ
スステアリン酸アマイド)、ハイミクロンG−270
(主成分ステアリン酸アマイド)(以上、中京油脂
(株)製)、 W−1 C1633−O−SO3Na W−2 C1837−O−SO3Na などがある。滑り剤の使用量は添加層のバインダー量の
0.1〜50質量%であり、好ましくは0.5〜30質
量%である。
【0036】本発明の熱現像画像記録材料は有機銀塩と
還元剤を含むことが好ましい。本発明に用いることので
きる有機銀塩は、光に対して比較的安定であるが、露光
された光触媒(感光性ハロゲン化銀の潜像など)及び還
元剤の存在下で、80℃或いはそれ以上に加熱された場
合に銀画像を形成する銀塩である。有機銀塩は銀イオン
を還元できる源を含む任意の有機物質であってよい。有
機酸の銀塩、特に(炭素数が10〜30、好ましくは1
5〜28の)長鎖脂肪カルボン酸の銀塩が好ましい。配
位子が4.0〜10.0の範囲の錯体安定度定数を有す
る有機または無機銀塩の錯体も好ましい。銀供給物質
は、好ましくは画像形成層の約5〜70質量%を構成す
ることができる。好ましい有機銀塩はカルボキシル基を
有する有機化合物の銀塩を含む。これらの例は、脂肪族
カルボン酸の銀塩および芳香族カルボン酸の銀塩を含む
がこれらに限定されることはない。脂肪族カルボン酸の
銀塩の好ましい例としては、ベヘン酸銀、アラキジン酸
銀、ステアリン酸銀、オレイン酸銀、ラウリン酸銀、カ
プロン酸銀、ミリスチン酸銀、パルミチン酸銀、マレイ
ン酸銀、フマル酸銀、酒石酸銀、リノール酸銀、酪酸銀
及び樟脳酸銀、これらの混合物などを含む。
【0037】本発明においては、上記に挙げられる有機
酸銀ないしは有機酸銀の混合物の中でも、ベヘン酸銀含
有率75モル%以上の有機酸銀を用いることが好まし
く、85モル%以上がさらに好ましい。ここでベヘン酸
銀含有率とは、使用する有機酸銀に対するベヘン酸銀の
モル分率を示す。本発明に用いる有機酸銀中に含まれる
ベヘン酸銀以外の有機酸銀としては上記に挙げた物を好
ましく用いることができる。
【0038】本発明に好ましく用いられる有機酸銀は、
上記に示した有機酸のアルカリ金属塩(Na塩、K塩、
Li塩等が挙げられる)溶液または懸濁液と硝酸銀を反
応させることにより調製される。これらの調製方法につ
いては、特願平11−104187号明細書の段落番号
[0019]〜[0021]に記載の方法を用いること
ができる。
【0039】本発明においては、密閉した液体を混合す
る手段の中に硝酸銀水溶液及び有機酸アルカリ金属塩溶
液を添加することにより有機酸銀を調製する方法を好ま
しく用いることができる。これらの調製方法について
は、特願平11−203413号明細書に記載の方法を
用いることができる。
【0040】本発明においては有機酸銀の調製時、用い
る硝酸銀水溶液及び有機酸アルカリ金属塩溶液、あるい
は反応液には水可溶な分散剤を添加することができる。
用いられる分散剤の種類および使用量の具体的な例は、
特願平11−115457号明細書の段落番号[005
2]に記載されている。
【0041】本発明に用いる有機酸銀は第3アルコール
の存在下で調製されることが好ましい。第3アルコール
としては好ましくは総炭素数15以下の物が好ましく、
10以下が特に好ましい。好ましい第3アルコールの例
としては、tert−ブタノール等が挙げられるが、本
発明はこれに限定されない。
【0042】本発明に用いられる第3アルコールの添加
時期は有機酸銀調製時のいずれのタイミングでも良い
が、有機酸アルカリ金属塩の調製時に添加して、有機酸
アルカリ金属塩を溶解して用いることが好ましい。ま
た、第3アルコールの使用量は有機酸銀調製時の溶媒と
しての水に対して質量比で0.01〜10の範囲で任意
に使用することができるが、0.03〜1の範囲が好ま
しい。
【0043】本発明に用いることができる有機銀塩の形
状やサイズは特に制限はないが、特願平11−1041
87号明細書の段落番号[0024]に記載のものを用
いることができる。有機銀塩の形状の測定方法としては
有機銀塩分散物の透過型電子顕微鏡像より求めることが
できる。単分散性を測定する別の方法として、有機銀塩
の体積加重平均直径の標準偏差を求める方法があり、体
積加重平均直径で割った値の百分率(変動係数)が好ま
しくは80%以下、より好ましくは50%以下、更に好
ましくは30%以下である。測定方法としては例えば液
中に分散した有機銀塩にレーザー光を照射し、その散乱
光のゆらぎの時間変化に対する自己相関関数を求めるこ
とにより得られた粒子サイズ(体積加重平均直径)から
求めることができる。この測定法での平均粒子サイズと
しては0.05μm〜10.0μmの固体微粒子分散物
が好ましい。より好ましくは平均粒子サイズ0.1μm
〜5.0μm、更に好ましくは平均粒子サイズ0.1μ
m〜2.0μmである。
【0044】本発明に用いることのできる有機銀塩は、
好ましくは脱塩をすることができる。脱塩を行う方法と
しては特に制限はなく公知の方法を用いることができる
が、遠心濾過、吸引濾過、限外濾過、凝集法によるフロ
ック形成水洗等の公知の濾過方法を好ましく用いること
ができる。限外濾過の方法については、特願平11−1
15457号明細書に記載の方法を用いることができ
る。
【0045】本発明では、高S/Nで、粒子サイズが小
さく、凝集のない有機銀塩固体分散物を得る目的で、画
像形成媒体である有機銀塩を含み、かつ感光性銀塩を実
質的に含まない水分散液を高速流に変換した後、圧力降
下させる分散法を用いることが好ましい。これらの分散
方法については特願平11−104187号明細書の段
落番号[0027]〜[0038]に記載の方法を用い
ることができる。
【0046】有機銀塩固体微粒子分散物の粒子サイズ
(体積荷重平均直径)は、例えば液中に分散した固体微
粒子分散物にレーザー光を照射し、その散乱光のゆらぎ
の時間変化に対する自己相関関数を求めることにより得
られた粒子サイズ(体積荷重平均直径)や透過型電子顕
微鏡像から求めることができる。平均粒子サイズ0.0
5μm〜10.0μmの固体微粒子分散物が好ましい。
より好ましくは平均粒子サイズ0.1μm〜5.0μ
m、更に好ましくは平均粒子サイズ0.1μm〜2.0
μmである。
【0047】有機銀塩固体微粒子分散物の粒子サイズ分
布は単分散であることが好ましい。具体的には、体積荷
重平均直径の標準偏差を体積荷重平均直径で割った値の
百分率(変動係数)が80%以下、より好ましくは50
%以下、更に好ましくは30%以下である。
【0048】本発明に用いる有機銀塩固体微粒子分散物
は、少なくとも有機銀塩と水から成るものである。有機
銀塩と水との割合は特に限定されるものではないが、有
機銀塩の全体に占める割合は5〜50質量%であること
が好ましく、特に10〜30質量%の範囲が好ましい。
前述の分散助剤を用いることは好ましいが、粒子サイズ
を最小にするのに適した範囲で最少量使用するのが好ま
しく、有機銀塩に対して0.5〜30質量%、特に1〜
15質量%の範囲が好ましい。
【0049】有機銀塩は所望の量で使用できるが、銀量
として0.1〜5g/m2が好ましく、さらに好ましく
は1〜3g/m2である。
【0050】本発明にはCa、Mg、Zn及びAgから
選ばれる金属イオンを非感光性有機銀塩へ添加すること
が好ましい。Ca、Mg、Zn及びAgから選ばれる金
属イオンの有機銀塩への添加については、ハロゲン化物
でない、水溶性の金属塩の形で添加することが好まし
く、具体的には硝酸塩や硫酸塩などの形で添加すること
が好ましい。ハロゲン化物での添加は処理後の感光材料
の光(室内光や太陽光など)による画像保存性、いわゆ
るプリントアウト性を悪化させるので好ましくない。こ
のため、本発明ではハロゲン化物でない、水溶性の金属
塩の形で添加することが好ましい。
【0051】本発明に好ましく用いるCa、Mg、Zn
及びAgから選ばれる金属イオンの添加時期としては、
該有機銀塩の粒子形成後の、粒子形成直後、分散前、分
散後及び塗布液調製前後など塗布直前までであればいず
れの時期でもよく、好ましくは分散後、塗布液調製前後
である。本発明におけるCa、Mg、Zn及びAgから
選ばれる金属イオンの添加量としては、有機銀塩1モル
あたり10-3〜10-1モルが好ましく、特に5×10-3
〜5×10-2モルが好ましい。
【0052】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀
は、ハロゲン組成として特に制限はなく、塩化銀、塩臭
化銀、臭化銀、ヨウ臭化銀、ヨウ塩臭化銀を用いること
ができる。感光性ハロゲン化銀乳剤の粒子形成について
は、特開平11−119374号公報の段落番号[02
17]〜[0224]に記載されている方法で粒子形成
することができるが、特にこの方法に限定されるもので
はない。ハロゲン化銀粒子の形状としては立方体、八面
体、十四面体、平板状、球状、棒状、ジャガイモ状等を
挙げることができるが、本発明においては特に立方体状
粒子あるいは平板状粒子が好ましい。粒子のアスペクト
比、面指数など粒子形状の特徴については、特開平11
−119374号公報の段落番号[0225]に記載さ
れているものと同じである。また、ハロゲン組成の分布
はハロゲン化銀粒子の内部と表面において均一であって
もよく、ハロゲン組成がステップ状に変化したものでも
よく、或いは連続的に変化したものでもよい。また、コ
ア/シェル構造を有するハロゲン化銀粒子を好ましく用
いることができる。構造としては好ましくは2〜5重構
造、より好ましくは2〜4重構造のコア/シェル粒子を
用いることができる。また塩化銀または塩臭化銀粒子の
表面に臭化銀を局在させる技術も好ましく用いることが
できる。
【0053】本発明で用いるハロゲン化銀粒子の粒径分
布は、単分散度の値が30%以下であり、好ましくは1
〜20%以下であり、さらに5〜15%である。ここで
単分散度は、粒径の標準偏差を平均粒径で割った値の百
分率(%)(変動係数)として定義されるものである。
なおハロゲン化銀粒子の粒径は、便宜上、立方体粒子の
場合は稜長で表し、その他の粒子(八面体、十四面体、
平板状など)は投影面積円相当直径で算出する。
【0054】感光性ハロゲン化銀粒子は、周期律表の第
VII族あるいは第VIII族の金属または金属錯体を含有す
る。周期律表の第VII族あるいは第VIII族の金属または
金属錯体の中心金属として好ましくはロジウム、レニウ
ム、ルテニウム、オスニウム、イリジウムである。特に
好ましい金属錯体は、(NH43Rh(H2O)Cl5
2Ru(NO)Cl5、K3IrCl6、K4Fe(C
N)6である。これら金属錯体は1種類でもよいし、同
種金属及び異種金属の錯体を2種以上併用してもよい。
好ましい含有率は銀1モルに対し1×10-9モル〜1×
10-3モルの範囲が好ましく、1×10-8モル〜1×1
-4モルの範囲がより好ましい。具体的な金属錯体の構
造としては特開平7−225449号公報等に記載され
た構造の金属錯体を用いることができる。これら重金属
の種類、添加方法に関しては、特開平11−11937
4号公報の段落番号[0227]〜[0240]に記載
されている。
【0055】感光性ハロゲン化銀粒子はヌードル法、フ
ロキュレーション法等、当業界で知られている方法の水
洗により脱塩することができるが本発明においては脱塩
してもしなくてもよい。感光性ハロゲン化銀乳剤は化学
増感することが好ましい。化学増感については、特開平
11−119374号公報の段落番号[0242]〜
[0250]に記載されている方法を用いる。ハロゲン
化銀乳剤は、欧州特許第293,917号明細書に示さ
れる方法により、チオスルホン酸化合物を添加してもよ
い。
【0056】本発明に用いられる感光性ハロゲン化銀に
含有するゼラチンは、感光性ハロゲン化銀乳剤の有機銀
塩含有塗布液中での分散状態を良好に維持するために、
低分子量ゼラチンを使用することが好ましい。低分子量
ゼラチンの分子量は、500〜6万であり、好ましくは
分子量1000〜4万である。これらの低分子量ゼラチ
ンは粒子形成時あるいは脱塩処理後の分散時に使用され
てもよいが、脱塩処理後の分散時に使用されることが好
ましい。また、粒子形成時は通常のゼラチン(分子量1
0万程度)を使用し、脱塩処理後の分散時に低分子量ゼ
ラチンを使用してもよい。
【0057】分散媒の濃度は0.05〜20質量%を用
いることができるが、取り扱い上5〜15質量%の濃度
域が好ましい。ゼラチンの種類としては、通常アルカリ
処理ゼラチンが用いられるが、その他酸処理ゼラチン、
フタル化ゼラチンの如き修飾ゼラチンも用いることがで
きる。
【0058】本発明に用いられる感光材料中のハロゲン
化銀乳剤は、一種だけでもよいし、二種以上(例えば、
平均粒子サイズの異なるもの、ハロゲン組成の異なるも
の、晶癖の異なるもの、化学増感の条件の異なるもの)
併用してもよい。
【0059】感光性ハロゲン化銀の使用量としては有機
銀塩1モルに対して感光性ハロゲン化銀0.01モル〜
0.5モルが好ましく、0.02モル〜0.3モルがよ
り好ましく、0.03モル〜0.25モルが特に好まし
い。別々に調製した感光性ハロゲン化銀と有機銀塩の混
合方法及び混合条件については、それぞれ調製終了した
ハロゲン化銀粒子と有機銀塩を高速撹拌機やボールミ
ル、サンドミル、コロイドミル、振動ミル、ホモジナイ
ザー等で混合する方法や、あるいは有機銀塩の調製中の
いずれかのタイミングで調製終了した感光性ハロゲン化
銀を混合して有機銀塩を調製する方法等があるが、本発
明の効果が十分に現れる限りにおいては特に制限はな
い。また、混合する際に2種以上の有機銀塩水分散液と
2種以上の感光性銀塩水分散液を混合することは、写真
特性の調節のために好ましく用いられる方法である。
【0060】本発明に適用できる増感色素としてはハロ
ゲン化銀粒子に吸着した際、所望の波長領域でハロゲン
化銀粒子を分光増感できるもので、露光光源の分光特性
に適した分光感度を有する増感色素を有利に選択するこ
とができる。例えば、550nm〜750nmの波長領
域を分光増感する色素としては、特開平10−1865
72号公報の一般式(II)で表される色素が挙げられ、
具体的にはII−6、II−7、II−14、II−15、II−
18、II−23、II−25の色素である。また、750
〜1400nmの波長領域を分光増感する色素として
は、特開平11−119374号公報の一般式(I)で
表される色素が挙げられ、具体的には(25)、(2
6)、(30)、(32)、(36)、(37)、(4
1)、(49)、(54)の色素である。さらに、J−
bAndを形成する色素として、米国特許5,510,
236号明細書、同第3,871,887号明細書の実
施例5に記載の色素、特開平2−96131号公報、特
開昭59−48753号公報に開示されている色素が挙
げられる。これらの増感色素は単独に用いてもよく、2
種以上組合せて用いてもよい。
【0061】これら増感色素の添加については、特開平
11−119374号公報の段落番号[0106]に記
載されている方法で添加することができるが、特に、こ
の方法に限定されるものではない。本発明における増感
色素の添加量としては、感度やカブリの性能に合わせて
所望の量でよいが、感光性層のハロゲン化銀1モル当た
り10-6〜1モルが好ましく、さらに好ましくは10-4
〜10-1モルである。
【0062】本発明は分光増感効率を向上させるため、
強色増感剤を用いることができる。本発明に用いられる
強色増感剤は、欧州特許第587,338号明細書、米
国特許第3,877,943号明細書、同第4,87
3,184号明細書に開示されている化合物、複素芳香
族あるいは脂肪族メルカプト化合物、複素芳香族ジスル
フィド化合物、スチルベン、ヒドラジン、トリアジンか
ら選択される化合物などが挙げられる。特に好ましい強
色増感剤は、特開平5−341432号公報に開示され
ている複素芳香族メルカプト化合物、複素芳香族ジスル
フィド化合物、特開平4−182639号公報の一般式
(I)あるいは(II)で表される化合物、特開平10−
111543号公報の一般式(I)で表されるスチルベ
ン化合物、特開平11−109547号公報の一般式
(I)で表わされる化合物である。具体的には特開平5
−341432号公報のM−1〜M−24の化合物、特
開平4−182639号公報のd−1)〜d−14)の
化合物、特開平10−111543号公報のSS−01
〜SS−07の化合物、特開平11−109547号公
報の31、32、37、38、41〜45、51〜53
の化合物である。
【0063】これらの強色増感剤の添加量としては乳剤
層中にハロゲン化銀1モル当たり10-4〜1モルの範囲
が好ましく、さらに好ましくは、ハロゲン化銀1モル当
たり0.001〜0.3モルの量である。
【0064】本発明に用いられる造核剤について説明す
る。本発明で用いる造核剤の種類は特に限定されない
が、好ましい造核剤として、特願平11−87297号
明細書に記載の式(H)で表されるヒドラジン誘導体
で、具体的には同明細書の表1〜表4に記載のヒドラジ
ン誘導体;特開平10−10672号公報、特開平10
−161270号公報、特開平10−62898号公
報、特開平9−304870号公報、特開平9−304
872号公報、特開平9−304871号公報、特開平
10−31282号公報、米国特許第5,496,69
5号明細書、欧州特許第741,320A号明細書に記
載のすべてのヒドラジン誘導体;特願平11−8729
7号明細書に記載の式(1)〜(3)で表される置換ア
ルケン誘導体、置換イソオキサゾール誘導体および特定
のアセタール化合物、さらに好ましくは同明細書に記載
の式(A)または式(B)で表される環状化合物、具体
的には同明細書の化8〜化12に記載の化合物1〜72
を挙げることができる。これらの造核剤は複数を併用し
てもよい。
【0065】上記造核剤は、水または適当な有機溶媒、
例えばアルコ−ル類(メタノ−ル、エタノ−ル、プロパ
ノ−ル、フッ素化アルコ−ル)、ケトン類(アセトン、
メチルエチルケトン)、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルスルホキシド、メチルセルソルブなどに溶解して用い
ることができる。また、既によく知られている乳化分散
法によって、ジブチルフタレ−ト、トリクレジルフォス
フェ−ト、グリセリルトリアセテ−トあるいはジエチル
フタレ−トなどのオイル、酢酸エチルやシクロヘキサノ
ンなどの補助溶媒を用いて溶解し、機械的に乳化分散物
を作製して用いることができる。あるいは固体分散法と
して知られている方法によって、造核剤の粉末を水等の
適当な溶媒中にボ−ルミル、コロイドミル、あるいは超
音波によって分散し用いることができる。造核剤は、支
持体に対して画像形成層側の該画像形成層あるいは他の
どの層に添加してもよいが、該画像形成層あるいはそれ
に隣接する層に添加することが好ましい。造核剤の添加
量は銀1モルに対し1×10-6〜1モルが好ましく、1
×10-5〜5×10-1モルがより好ましく、2×10-5
〜2×10-1モルが最も好ましい。
【0066】また上記の化合物の他に、米国特許第5,
545,515号明細書、同第5,635,339号明
細書、同第5,654,130号明細書、国際公開WO
97/34196号公報、米国特許第5,686,22
8号明細書に記載の化合物、或いはまた特開平11−1
19372号公報、特開平11−133546号公報、
特開平11−119373号公報、特開平11−109
546号公報、特開平11−95365号公報、特開平
11−95366号公報、特開平11−149136号
公報に記載された化合物を用いても良い。
【0067】本発明では超硬調画像形成のために、前記
の造核剤とともに硬調化促進剤を併用することができ
る。例えば、米国特許第5,545,505号明細書に
記載のアミン化合物、具体的にはAM−1〜AM−5、
米国特許第5,545,507号明細書に記載のヒドロ
キサム酸類、具体的にはHA−1〜HA−11、米国特
許第5,545,507号明細書に記載のアクリロニト
リル類、具体的にはCN−1〜CN−13、米国特許第
5,558,983号明細書に記載のヒドラジン化合
物、具体的にはCA−1〜CA−6、特開平9−297
368号公報に記載のオニュ−ム塩類、具体的にはA−
1〜A−42、B−1〜B−27、C−1〜C−14な
どを用いることができる。
【0068】非感光性銀塩、感光性ハロゲン化銀および
バインダーを有する熱現像画像記録材料(熱現像感光材
料)において、蟻酸あるいは蟻酸塩は強いかぶらせ物質
となる。本発明では、熱現像画像記録材料の感光性ハロ
ゲン化銀を含有する画像形成層を有する側の蟻酸あるい
は蟻酸塩の含有量が銀1モル当たり5ミリモル以下、さ
らには1ミリモル以下であることが好ましい。
【0069】本発明の熱現像画像記録材料には五酸化二
リンが水和してできる酸またはその塩を造核剤と併用し
て用いることが好ましい。五酸化二リンが水和してでき
る酸またはその塩としては、メタリン酸(塩)、ピロリ
ン酸(塩)、オルトリン酸(塩)、三リン酸(塩)、四
リン酸(塩)、ヘキサメタリン酸(塩)などである。特
に好ましく用いられる五酸化二リンが水和してできる酸
またはその塩としてはオルトリン酸(塩)、ヘキサメタ
リン酸(塩)であり、具体的な塩としてはオルトリン酸
ナトリウム、オルトリン酸二水素ナトリウム、ヘキサメ
タリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸アンモニウムな
どがある。本発明において好ましく用いることができる
五酸化二リンが水和してできる酸またはその塩は、少量
で所望の効果を発現するという点から画像形成層あるい
はそれに隣接するバインダー層に添加する。五酸化二リ
ンが水和してできる酸またはその塩の使用量(感光材料
1m2あたりの塗布量)としては感度やカブリなどの性
能に合わせて所望の量でよいが、0.1〜500mg/
2が好ましく、0.5〜100mg/m2がより好まし
い。
【0070】本発明の熱現像画像記録材料には好ましく
は、有機銀塩のための還元剤を含む。有機銀塩のための
還元剤は、銀イオンを金属銀に還元する任意の物質、好
ましくは有機物質である。フェニドン、ハイドロキノン
およびカテコールなどの従来の写真現像剤は有用である
が、ヒンダードフェノール還元剤が好ましい。還元剤
は、画像形成層を有する面の銀1モルに対して5〜50
モル%含まれることが好ましく、10〜40モル%で含
まれることがさらに好ましい。還元剤の添加層は画像形
成層を有する面のいかなる層でも良い。画像形成層以外
の層に添加する場合は銀1モルに対して10〜50モル
%と多めに使用することが好ましい。また、還元剤は現
像時のみ有効に機能を持つように誘導化されたいわゆる
プレカーサーであってもよい。
【0071】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいては広範囲の還元剤が特開昭46−6074号公
報、同47−1238号公報、同47−33621号公
報、同49−46427号公報、同49−115540
号公報、同50−14334号公報、同50−3611
0号公報、同50−147711号公報、同51−32
632号公報、同51−1023721号公報、同51
−32324号公報、同51−51933号公報、同5
2−84727号公報、同55−108654号公報、
同56−146133号公報、同57−82828号公
報、同57−82829号公報、特開平6−3793号
公報、米国特許第3,679,426号明細書、同第
3,751,252号明細書、同第3,751,255
号明細書、同第3,761,270号明細書、同第3,
782,949号明細書、同第3,839,048号明
細書、同第3,928,686号明細書、同第5,46
4,738明細書号、独国特許第2,321,328号
明細書、欧州特許第692,732号明細書などに開示
されている。例えば、フェニルアミドオキシム、2−チ
エニルアミドオキシムおよびp−フェノキシフェニルア
ミドオキシムなどのアミドオキシム;例えば4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒドアジンなど
のアジン;2,2’−ビス(ヒドロキシメチル)プロピ
オニル−β−フェニルヒドラジンとアスコルビン酸との
組合せのような脂肪族カルボン酸アリールヒドラジドと
アスコルビン酸との組合せ;ポリヒドロキシベンゼン
と、ヒドロキシルアミン、レダクトンおよび/またはヒ
ドラジンの組合せ(例えばハイドロキノンと、ビス(エ
トキシエチル)ヒドロキシルアミン、ピペリジノヘキソ
ースレダクトンまたはホルミル−4−メチルフェニルヒ
ドラジンの組合せなど);フェニルヒドロキサム酸、p
−ヒドロキシフェニルヒドロキサム酸およびβ−アリニ
ンヒドロキサム酸などのヒドロキサム酸;アジンとスル
ホンアミドフェノールとの組合せ(例えば、フェノチア
ジンと2,6−ジクロロ−4−ベンゼンスルホンアミド
フェノールなど);エチル−α−シアノ−2−メチルフ
ェニルアセテート、エチル−α−シアノフェニルアセテ
ートなどのα−シアノフェニル酢酸誘導体;2,2’−
ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジブ
ロモ−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル
およびビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メタンに
例示されるようなビス−β−ナフトール;ビス−β−ナ
フトールと1,3−ジヒドロキシベンゼン誘導体(例え
ば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンまたは2’,
4’−ジヒドロキシアセトフェノンなど)の組合せ;3
−メチル−1−フェニル−5−ピラゾロンなどの、5−
ピラゾロン;ジメチルアミノヘキソースレダクトン、ア
ンヒドロジヒドロアミノヘキソースレダクトンおよびア
ンヒドロジヒドロピペリドンヘキソースレダクトンに例
示されるようなレダクトン;2,6−ジクロロ−4−ベ
ンゼンスルホンアミドフェノールおよびp−ベンゼンス
ルホンアミドフェノールなどのスルホンアミドフェノー
ル還元剤;2−フェニルインダン−1,3−ジオンな
ど;2,2−ジメチル−7−t−ブチル−6−ヒドロキ
シクロマンなどのクロマン;2,6−ジメトキシ−3,
5−ジカルボエトキシ−1,4−ジヒドロピリジンなど
の1,4−ジヒドロピリジン;ビスフェノール(例え
ば、ビス(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチ
ルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−
3−メチルフェニル)プロパン、4,4−エチリデン−
ビス(2−t−ブチル−6−メチルフェノール)、1,
1,−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)−3,5,5−トリメチルヘキサンおよび2,2−
ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンなど);アスコルビン酸誘導体(例えば、パルミ
チン酸1−アスコルビル、ステアリン酸アスコルビルな
ど);ならびにベンジルおよびビアセチルなどのアルデ
ヒドおよびケトン;3−ピラゾリドンおよびある種のイ
ンダン−1,3−ジオン;クロマノール(トコフェロー
ルなど)などがある。特に好ましい還元剤としては、ビ
スフェノール、クロマノールである。
【0072】本発明で還元剤を用いる場合、それは、水
溶液、有機溶媒溶液、粉末、固体微粒子分散物、乳化分
散物などいかなる方法で添加してもよい。固体微粒子分
散は公知の微細化手段(例えば、ボールミル、振動ボー
ルミル、サンドミル、コロイドミル、ジェットミル、ロ
ーラーミルなど)で行われる。また、固体微粒子分散す
る際に分散助剤を用いてもよい。
【0073】本発明では、現像促進剤として特願平11
−73951号明細書に記載の式(A)で表されるフェ
ノール誘導体が好ましく用いられる。式(A)で表され
るフェノール誘導体は、上記還元剤と併用することによ
り強い現像促進効果を示す。具体的には、同明細書に記
載のA−1〜A−54好ましく用いられる。式(A)で
表されるフェノール誘導体は還元剤に対して0.01モ
ル%〜100モル%の範囲で使用されることが好まし
く、さらには0.1モル%〜20モル%の範囲で使用さ
れることが好ましい。
【0074】式(A)で表されるフェノール誘導体は支
持体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるい
はこの層側の他のどの層に添加してもよいが、還元剤を
含有する層に添加することが好ましい。式(A)で表さ
れるフェノール誘導体は、水溶液、有機溶媒溶液、粉
末、固体微粒子分散物、乳化分散物などいかなる方法で
添加してもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段
(例えば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、
コロイドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行
われる。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用い
てもよい。
【0075】画像を向上させる「色調剤」として知られ
る添加剤を含むと光学濃度が高くなることがある。ま
た、色調剤は黒色銀画像を形成させるうえでも有利にな
ることがある。色調剤は画像形成層を有する側に銀1モ
ルあたりの0.1〜50%モルの量含まれることが好ま
しく、0.5〜20%モル含まれることがさらに好まし
い。また、色調剤は現像時のみ有効に機能を持つように
誘導化されたいわゆるプレカーサーであってもよい。
【0076】有機銀塩を利用した熱現像画像記録材料に
おいては広範囲の色調剤が特開昭46−6077号公
報、同47−10282号公報、同49−5019号公
報、同49−5020号公報、同49−91215号公
報、同49−91215号公報、同50−2524号公
報、同50−32927号公報、同50−67132号
公報、同50−67641号公報、同50−11421
7号公報、同51−3223号公報、同51−2792
3号公報、同52−14788号公報、同52−998
13号公報、同53−1020号公報、同53−760
20号公報、同54−156524号公報、特公昭49
−10727号公報、同54−20333号公報、米国
特許第3,080,254号明細書、同第3,446,
648号明細書、同第3,782,941号明細書、同
第4,123,282号明細書、同第4,510,23
6号明細書、英国特許第1,380,795号明細書、
ベルギー特許第841,910号明細書などに開示され
ている。色調剤の例は、フタルイミドおよびN−ヒドロ
キシフタルイミド;スクシンイミド、ピラゾリン−5−
オン、ならびにキナゾリノン、3−フェニル−2−ピラ
ゾリン−5−オン、1−フェニルウラゾール、キナゾリ
ンおよび2,4−チアゾリジンジオンのような環状イミ
ド;ナフタルイミド(例えば、N−ヒドロキシ−1,8
−ナフタルイミド);コバルト錯体(例えば、コバルト
ヘキサミントリフルオロアセテート);3−メルカプト
−1,2,4−トリアゾール、2,4−ジメルカプトピ
リミジン、3−メルカプト−4,5−ジフェニル−1,
2,4−トリアゾールおよび2,5−ジメルカプト−
1,3,4−チアジアゾールに例示されるメルカプタ
ン;N−(アミノメチル)アリールジカルボキシイミ
ド、(例えば、(N,N−ジメチルアミノメチル)フタ
ルイミドおよびN,N−(ジメチルアミノメチル)−ナ
フタレン−2,3−ジカルボキシイミド);ならびにブ
ロック化ピラゾール、イソチウロニウム誘導体およびあ
る種の光退色剤(例えば、N,N’−ヘキサメチレンビ
ス(1−カルバモイル−3,5−ジメチルピラゾー
ル)、1,8−(3,6−ジアザオクタン)ビス(イソ
チウロニウムトリフルオロアセテート)および2−トリ
ブロモメチルスルホニル)−(ベンゾチアゾール));
ならびに3−エチル−5−[(3−エチル−2−ベンゾ
チアゾリニリデン)−1−メチルエチリデン]−2−チ
オ−2,4−オキサゾリジンジオン;フタラジノン、フ
タラジノン誘導体もしくは金属塩、または4−(1−ナ
フチル)フタラジノン、6−クロロフタラジノン、5,
7−ジメトキシフタラジノンおよび2,3−ジヒドロ−
1,4−フタラジンジオンなどの誘導体;フタラジノン
とフタル酸誘導体(例えば、フタル酸、4−メチルフタ
ル酸、4−ニトロフタル酸およびテトラクロロ無水フタ
ル酸など)との組合せ;フタラジン、フタラジン誘導体
(たとえば、4−(1−ナフチル)フタラジン、6−ク
ロロフタラジン、5,7−ジメトキシフタラジン、6−
イソブチルフタラジン、6−tert−ブチルフタラジ
ン、5,7−ジメチルフタラジン、および2,3−ジヒ
ドロフタラジンなどの誘導体)もしくは金属塩;フタラ
ジンおよびその誘導体とフタル酸誘導体(例えば、フタ
ル酸、4−メチルフタル酸、4−ニトロフタル酸および
テトラクロロ無水フタル酸など)との組合せ;キナゾリ
ンジオン、ベンズオキサジンまたはナフトオキサジン誘
導体;色調調節剤としてだけでなくその場でハロゲン化
銀生成のためのハライドイオンの源としても機能するロ
ジウム錯体、例えばヘキサクロロロジウム(III)酸ア
ンモニウム、臭化ロジウム、硝酸ロジウムおよびヘキサ
クロロロジウム(III)酸カリウムなど;無機過酸化物
および過硫酸塩、例えば、過酸化二硫化アンモニウムお
よび過酸化水素;1,3−ベンズオキサジン−2,4−
ジオン、8−メチル−1,3−ベンズオキサジン−2,
4−ジオンおよび6−ニトロ−1,3−ベンズオキサジ
ン−2,4−ジオンなどのベンズオキサジン−2,4−
ジオン;ピリミジンおよび不斉−トリアジン(例えば、
2,4−ジヒドロキシピリミジン、2−ヒドロキシ−4
−アミノピリミジンなど)、アザウラシル、およびテト
ラアザペンタレン誘導体(例えば、3,6−ジメルカプ
ト−1,4−ジフェニル−1H,4H−2,3A,5,
6A−テトラアザペンタレン、および1,4−ジ(o−
クロロフェニル)−3,6−ジメルカプト−1H,4H
−2,3A,5,6A−テトラアザペンタレン)などが
ある。
【0077】本発明では色調剤として、特願平10−2
13487号明細書に記載の一般式(F)で表されるフ
タラジン誘導体が好ましく用いられる。具体的には同明
細書に記載の、A−1〜A−10が好ましく用いられる
【0078】本発明で色調剤を用いる場合、それは、溶
液、粉末、固体微粒子分散物などいかなる方法で添加し
てもよい。固体微粒子分散は公知の微細化手段(例え
ば、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、コロイ
ドミル、ジェットミル、ローラーミルなど)で行われ
る。また、固体微粒子分散する際に分散助剤を用いても
よい。
【0079】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理
前の膜面pHは6.0以下であることが好ましく、さら
に好ましくは5.5以下である。その下限には特に制限
はないが、3程度である。膜面pHの調節はフタル酸誘
導体などの有機酸や硫酸などの不揮発性の酸、アンモニ
アなどの揮発性の塩基を用いることが、膜面pHを低減
させるという観点から好ましい。特にアンモニアは揮発
しやすく、塗布する工程や熱現像される前に除去できる
ことから低膜面pHを達成する上で好ましい。なお、膜
面pHの測定方法は、特願平11−87297号明細書
の段落番号[0123]に記載されている。
【0080】本発明の熱現像画像記録材料において、ハ
ロゲン化銀乳剤または/および有機銀塩は、かぶり防止
剤、安定剤および安定剤前駆体によって、付加的なかぶ
りの生成に対して更に保護され、在庫貯蔵中における感
度の低下に対して安定化することができる。単独または
組合せて使用することができる適当なかぶり防止剤、安
定剤および安定剤前駆体は、米国特許第2,131,0
38号明細書および同第2,694,716号明細書に
記載のチアゾニウム塩、米国特許第2,886,437
号明細書および同第2,444,605号明細書に記載
のアザインデン、米国特許第2,728,663号明細
書に記載の水銀塩、米国特許第3,287,135号明
細書に記載のウラゾール、米国特許第3,235,65
2号明細書に記載のスルホカテコール、英国特許第62
3,448号明細書に記載のオキシム、ニトロン、ニト
ロインダゾール、米国特許第2,839,405号明細
書に記載の多価金属塩、米国特許第3,220,839
号明細書に記載のチウロニウム塩、ならびに米国特許第
2,566,263号明細書および同第2,597,9
15号明細書に記載のパラジウム、白金および金塩、米
国特許第4,108,665号明細書および同第4,4
42,202号明細書に記載のハロゲン置換有機化合
物、米国特許第4,128,557号明細書および同第
4,137,079号明細書、第4,138,365号
明細書および同第4,459,350号明細書に記載の
トリアジンならびに米国特許第4,411,985号明
細書に記載のリン化合物などがある。
【0081】本発明の熱現像画像記録材料は、高感度化
やかぶり防止を目的として安息香酸類を含有しても良
い。本発明で用いる安息香酸類はいかなる安息香酸誘導
体でもよいが、好ましい構造の例としては、米国特許第
4,784,939号明細書、同第4,152,160
号明細書、特開平9−329863号公報、同9−32
9864号公報、同9−281637号公報などに記載
の化合物が挙げられる。安息香酸類は感光材料のいかな
る層に添加しても良いが、画像形成層を有する側の層に
添加することが好ましく、有機銀塩含有層に添加するこ
とがさらに好ましい。安息香酸類の添加時期としては塗
布液調製のいかなる工程で行ってもよく、有機銀塩含有
層に添加する場合は有機銀塩調製時から塗布液調製時の
いかなる工程でもよいが有機銀塩調製後から塗布直前が
好ましい。安息香酸類の添加法としては粉末、溶液、微
粒子分散物などいかなる方法で行っても良い。また、増
感色素、還元剤、色調剤など他の添加物と混合した溶液
として添加しても良い。安息香酸類の添加量としてはい
かなる量でも良いが、銀1モル当たり1×10-6モル〜
2モルが好ましく、1×10-3モル〜0.5モルがさら
に好ましい。
【0082】本発明を実施するために必須ではないが、
画像形成層にかぶり防止剤として水銀(II)塩を加える
ことが有利なことがある。この目的に好ましい水銀(I
I)塩は、酢酸水銀および臭化水銀である。本発明に使
用する水銀の添加量としては、塗布された銀1モル当た
り好ましくは1×10-9モル〜1×10-3モル、さらに
好ましくは1×10-8モル〜1×10-4モルの範囲であ
る。
【0083】本発明で特に好ましく用いられるかぶり防
止剤は有機ハロゲン化物であり、例えば、特開昭50−
119624号公報、同50−120328号公報、同
51−121332号公報、同54−58022号公
報、同56−70543号公報、同56−99335号
公報、同59−90842号公報、同61−12964
2号公報、同62−129845号公報、特開平6−2
08191号公報、同7−5621号公報、同7−27
81号公報、同8−15809号公報、米国特許第5,
340,712号明細書、同第5,369,000号明
細書、同第5,464,737号明細書に開示されてい
るような化合物が挙げられる。
【0084】特願平11−87297号明細書に記載の
式(P)で表される親水性有機ハロゲン化物がかぶり防
止剤として好ましく用いられる。具体的には、同明細書
に記載の(P−1)〜(P−118)が好ましく用いら
れる。有機ハロゲン化物の添加量は、Ag1molに対
するmol量(mol/molAg)で示して、好まし
くは1×10-5〜2mol/molAg、より好ましく
は5×10-5〜1mol/molAg、さらに好ましく
は1×10-4〜5×10-1mol/molAgである。
これらは1種のみを用いても2種以上を併用しても良
い。
【0085】また、特願平11−87297号明細書に
記載の式(Z)で表されるサリチル酸誘導体がかぶり防
止剤として好ましく用いられる。具体的には、同明細書
に記載の(A−1)〜(A−60)が好ましく用いられ
る。式(Z)で表されるサリチル酸誘導体の添加量は、
Ag1molに対するmol量(mol/molAg)
で示して、好ましくは1×10-5〜5×10-1mol/
molAg、より好ましくは5×10-5〜1×10-1
ol/molAg、さらに好ましくは1×10 -4〜5×
10-2mol/molAgである。これらは1種のみを
用いても2種以上を併用しても良い。
【0086】本発明に好ましく用いられるかぶり防止剤
として、ホルマリンスカベンジャーが有効であり、例え
ば、特願平11−23995号明細書に記載の式(S)
で表される化合物およびその例示化合物(S−1)〜
(S−24)が挙げられる。
【0087】本発明に用いられるかぶり防止剤は、水あ
るいは適当な有機溶媒、例えばアルコール類(メタノー
ル、エタノール、プロパノール、フッ素化アルコー
ル)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン)、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、メチルセ
ルソルブなどに溶解して用いることができる。また、既
によく知られている乳化分散法によって、ジブチルフタ
レート、トリクレジルフォスフェート、グリセリルトリ
アセテートあるいはジエチルフタレートなどのオイル、
酢酸エチルやシクロヘキサノンなどの補助溶媒を用いて
溶解し、機械的に乳化分散物を作製して用いることがで
きる。あるいは固体分散法として知られている方法によ
って、粉末を水の中にボールミル、コロイドミル、サン
ドグラインダーミル、マントンゴーリン、マイクロフル
イダイザーあるいは超音波によって分散し用いることが
できる。
【0088】本発明に用いられるかぶり防止剤は、支持
体に対して画像形成層側の層、即ち画像形成層あるいは
この層側の他のどの層に添加してもよいが、画像形成層
あるいはそれに隣接する層に添加することが好ましい。
画像形成層は還元可能な銀塩(有機銀塩)を含有する層
であり、好ましくはさらに感光性ハロゲン化銀を含有す
る画像形成層であることが好ましい。
【0089】本発明の熱現像画像記録材料には現像を抑
制あるいは促進させ現像を制御するため、現像前後の保
存性を向上させるためなどにメルカプト化合物、ジスル
フィド化合物、チオン化合物を含有させることができ
る。本発明にメルカプト化合物を使用する場合、いかな
る構造のものでも良いが、Ar−SM、Ar−S−S−
Arで表されるものが好ましい。式中、Mは水素原子ま
たはアルカリ金属原子であり、Arは1個以上の窒素、
イオウ、酸素、セレニウムまたはテルリウム原子を有す
る芳香環または縮合芳香環である。好ましくは、複素芳
香環はベンズイミダゾール、ナフスイミダゾール、ベン
ゾチアゾール、ナフトチアゾール、ベンズオキサゾー
ル、ナフスオキサゾール、ベンゾセレナゾール、ベンゾ
テルラゾール、イミダゾール、オキサゾール、ピラゾー
ル、トリアゾール、チアジアゾール、テトラゾール、ト
リアジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、ピリジ
ン、プリン、キノリンまたはキナゾリノンである。この
複素芳香環は、例えば、ハロゲン(例えば、Brおよび
Cl)、ヒドロキシ、アミノ、カルボキシ、アルキル
(例えば、1個以上の炭素原子、好ましくは1〜4個の
炭素原子を有するもの)、アルコキシ(例えば、1個以
上の炭素原子、好ましくは1〜4個の炭素原子を有する
もの)およびアリール(置換基を有していてもよい)か
らなる置換基群から選択されるものを有してもよい。メ
ルカプト置換複素芳香族化合物をとしては、2−メルカ
プトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサ
ゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール、2−メルカ
プト−5−メチルベンズイミダゾール、6−エトキシ−
2−メルカプトベンゾチアゾール、2,2’−ジチオビ
ス−(ベンゾチアゾール)、3−メルカプト−1,2,
4−トリアゾール、4,5−ジフェニル−2−イミダゾ
ールチオール、2−メルカプトイミダゾール、1−エチ
ル−2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプ
トキノリン、8−メルカプトプリン、2−メルカプト−
4(3H)−キナゾリノン、7−トリフルオロメチル−
4−キノリンチオール、2,3,5,6−テトラクロロ
−4−ピリジンチオール、4−アミノ−6−ヒドロキシ
−2−メルカプトピリミジンモノヒドレート、2−アミ
ノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール、3
−アミノ−5−メルカプト−1,2,4−トリアゾー
ル、4−ヒドキロシ−2−メルカプトピリミジン、2−
メルカプトピリミジン、4,6−ジアミノ−2−メルカ
プトピリミジン、2−メルカプト−4−メチルピリミジ
ンヒドロクロリド、3−メルカプト−5−フェニル−
1,2,4−トリアゾール、1−フェニル−5−メルカ
プトテトラゾール、3−(5−メルカプトテトラゾー
ル)−ベンゼンスルフォン酸ナトリウム、N−メチル−
N’−{3−(5−メルカプトテトラゾリル)フェニ
ル}ウレア、2−メルカプト−4−フェニルオキサゾー
ルなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されな
い。これらのメルカプト化合物の添加量としては画像形
成層中に銀1モル当たり0.0001〜1.0モルの範
囲が好ましく、さらに好ましくは、銀の1モル当たり
0.001〜0.3モルの量である。
【0090】本発明の熱現像画像記録材料は、支持体上
に、有機銀塩、還元剤および感光性ハロゲン化銀を含む
画像形成層を有し、画像形成層上には少なくとも1層の
保護層が設けられていることが好ましい。また、本発明
の熱現像画像記録材料は支持体に対して画像形成層と反
対側(バック面)に少なくとも1層のバック層を有する
ことが好ましく、画像形成層、保護層、そしてバック層
のバインダーとしてポリマーラテックスが用いられる。
これらの層にポリマーラテックスを用いることによっ
て、水を主成分とする溶媒(分散媒)を用いた水系塗布
が可能になり、環境面、コスト面で有利になるととも
に、熱現像時にシワの発生がない熱現像画像記録材料が
得られる。また、所定の熱処理をした支持体を使用する
ことにより、熱現像の前後で寸法変化の少ない熱現像画
像記録材料が得られる。
【0091】最外層以外のバインダーとしては以下に述
べるポリマーラテックスを用いることが好ましい。本発
明の熱現像画像記録材料の感光性ハロゲン化銀を含有す
る画像形成層のうち少なくとも1層は、以下に述べるポ
リマーラテックスを全バインダーの50質量%以上とし
て用いた画像形成層であることが好ましい。また、ポリ
マーラテックスは画像形成層だけではなく、保護層やバ
ック層に用いてもよく、特に寸法変化が問題となる印刷
用途に本発明の熱現像画像記録材料を用いる場合には、
保護層やバック層にもポリマーラテックスを用いること
が好ましい。ただしここで言う「ポリマーラテックス」
とは水不溶な疎水性ポリマーが微細な粒子として水溶性
の分散媒中に分散されたものである。分散状態としては
ポリマーが分散媒中に乳化されているもの、乳化重合さ
れたもの、ミセル分散されたもの、あるいはポリマー分
子中に部分的に親水的な構造を持ち分子鎖自身が分子状
分散されたものなどいずれでもよい。なおポリマーラテ
ックスについては「合成樹脂エマルジョン(奥田平、稲
垣寛編集、高分子刊行会発行(1978))」、「合成
ラテックスの応用(杉村孝明、片岡靖男、鈴木聡一、笠
原啓司編集、高分子刊行会発行(1993))」、「合
成ラテックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行
(1970))」などに記載されている。分散粒子の平
均粒径は1〜50000nm、より好ましくは5〜10
00nm程度の範囲が好ましい。分散粒子の粒径分布に
関しては特に制限は無く、広い粒径分布を持つものでも
単分散の粒径分布を持つものでもよい。
【0092】ポリマーラテックスとしては通常の均一構
造のポリマーラテックス以外、いわゆるコア/シェル型
のラテックスでもよい。この場合コアとシェルはガラス
転移温度を変えると好ましい場合がある。
【0093】バインダーに好ましく用いるポリマーラテ
ックスのガラス転移温度(Tg)は保護層、バック層と
画像形成層とでは好ましい範囲が異なる。画像形成層に
あっては熱現像時に写真有用素材の拡散を促すため、−
30〜40℃であることが好ましい。保護層やバック層
に用いる場合には種々の機器と接触するために25〜7
0℃のガラス転移温度が好ましい。
【0094】ポリマーラテックスの最低造膜温度(MF
T)は−30℃〜90℃、より好ましくは0℃〜70℃
程度が好ましい。最低造膜温度をコントロールするため
に造膜助剤を添加してもよい。造膜助剤は可塑剤ともよ
ばれポリマーラテックスの最低造膜温度を低下させる有
機化合物(通常有機溶剤)で、例えば前述の「合成ラテ
ックスの化学(室井宗一著、高分子刊行会発行(197
0))」に記載されている。
【0095】ポリマーラテックスに用いられるポリマー
種としてはアクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリウレタン樹脂、ゴム系樹脂、塩化ビニル樹
脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリオレフィン樹脂、または
これらの共重合体などがある。ポリマーとしては直鎖の
ポリマーでも枝分かれしたポリマーでも、また架橋され
たポリマーでも良い。またポリマーとしては単一のモノ
マーが重合したいわゆるホモポリマーでも良いし、2種
以上のモノマーが重合したコポリマーでも良い。コポリ
マーの場合はランダムコポリマーでもブロックコポリマ
ーでも良い。ポリマーの分子量は数平均分子量で500
0〜1000000、好ましくは10000〜1000
00程度が好ましい。分子量が小さすぎるものは画像形
成層の力学強度が不十分であり、大きすぎるものは成膜
性が悪くなる傾向がある。
【0096】本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層
のバインダーとして用いられるポリマーラテックスの具
体例としては、メチルメタクリレート/エチルアクリレ
ート/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メチルメ
タクリレート/ブタジエン/イタコン酸コポリマーのラ
テックス、エチルアクリレート/メタクリル酸のコポリ
マーのラテックス、メチルメタクリレート/2−エチル
ヘキシルアクリレート/スチレン/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、スチレン/ブタジエン/アクリル酸コ
ポリマーのラテックス、スチレン/ブタジエン/ジビニ
ルベンゼン/メタクリル酸コポリマーのラテックス、メ
チルメタクリレート/塩化ビニル/アクリル酸コポリマ
ーのラテックス、塩化ビニリデン/エチルアクリレート
/アクリロニトリル/メタクリル酸コポリマーのラテッ
クスなど。さらに具体的には、メチルメタクリレート/
エチルアクリレート/メタクリル酸=33.5/50/
16.5(質量%)のコポリマーラテックス、メチルメ
タクリレート/ブタジエン/イタコン酸=47.5/4
7.5/5(質量%)のコポリマーラテックス、エチル
アクリレート/メタクリル酸=95/5(質量%)のコ
ポリマーラテックスなどが挙げられる。また、このよう
なポリマーは市販もされていて、例えばアクリル樹脂の
例として、セビアンA−4635,46583、460
1(以上ダイセル化学工業(株)製)、Nipol L
X811、814、821、820、857(以上日本
ゼオン(株)製)、VONCORT−R3340、R3
360、R3370、4280(以上大日本インキ化学
(株)製)など、ポリエステル樹脂としては、FINE
TEX ES650、611、675、850(以上大
日本インキ化学(株)製)、WD−size、WMS
(以上イーストマンケミカル製)など、ポリウレタン樹
脂としてはHYDRAN AP10、20、30、40
(以上大日本インキ化学(株)製)など、ゴム系樹脂と
してはLACSTAR 7310K、3307B、47
00H、7132C(以上大日本インキ化学(株)
製)、Nipol LX410、430,435、43
8C(以上日本ゼオン(株)製)など、塩化ビニル樹脂
としてはG351、G576(以上日本ゼオン(株)
製)など、塩化ビニリデン樹脂としてはL502、L5
13(以上旭化成工業(株)製)、アロンD7020、
D504、D5071(以上三井東圧(株)製)など、
オレフィン樹脂としてはケミパールS120、SA10
0(以上三井石油化学(株)製)などを挙げることがで
きる。これらのポリマーは単独で用いてもよいし、必要
に応じて2種以上ブレンドして用いても良い。
【0097】画像形成層は全バインダーの50質量%以
上として上記ポリマーラテックスが好ましく用いられる
が、70質量%以上として上記ポリマーラテックスが用
いられることがさらに好ましい。
【0098】画像形成層には必要に応じて全バインダー
の50質量%以下の範囲でゼラチン、ポリビニルアルコ
ール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
メチルセルロースなどの親水性ポリマーを添加しても良
い。これらの親水性ポリマーの添加量は画像形成層の全
バインダーの30質量%以下、さらには15質量%以下
が好ましい。
【0099】画像形成層は水系の塗布液を塗布後乾燥し
て調製することが好ましい。ただし、ここで言う「水
系」とは塗布液の溶媒(分散媒)の60質量%以上が水
であることをいう。塗布液の水以外の成分はメチルアル
コール、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ジメチルホルム
アミド、酢酸エチルなどの水混和性の有機溶媒を用いる
ことができる。具体的な溶媒組成の例としては以下のよ
うなものがある。水/メタノール=90/10、水/メ
タノール=70/30、水/エタノール=90/10、
水/イソプロパノール=90/10、水/ジメチルホル
ムアミド=95/5、水/メタノール/ジメチルホルム
アミド=80/15/5、水/メタノール/ジメチルホ
ルムアミド=90/5/5。(ただし数字は質量%を表
す。)
【0100】画像形成層の全バインダー量は0.2〜3
0g/m2、より好ましくは1〜15g/m2の範囲が好
ましい。画像形成層には架橋のための架橋剤、塗布性改
良のための界面活性剤などを添加してもよい。さらに、
保護層用のバインダーとして、特願平11−6872号
明細書の段落番号[0025]〜[0029]に記載の
有機概念図に基づく無機性値を有機性値で割ったI/O
値の異なるポリマーラテックスの組み合わせを好ましく
用いることができる。
【0101】本発明においては必要に応じて、特願平1
1−143058号明細書の段落番号[0021]〜
[0025]に記載の可塑剤(例、ベンジルアルコー
ル、2,2,4−トリメチルペンタンジオール−1,3
−モノイソブチレートなど)を添加して、造膜温度をコ
ントロールすることができる。また、特願平11−68
72号明細書の段落番号[0027]〜[0028]に
記載の如くポリマーバインダー中に親水性ポリマーを、
塗布液中に水混和性の有機溶媒を添加してもよい。
【0102】それぞれの層には、特開2000−196
78号公報の段落番号[0023]〜[0041]に記
載の官能基を導入した第一のポリマーラテックスとこの
第一のポリマーラテックスと反応しうる官能基を有する
架橋剤及び/または第二のポリマーラテックスを用いて
形成させることもできる。
【0103】官能基の具体例としては、カルボキシル
基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、エポキシ基、
N−メチロール基、オキサゾリニル基など、架橋剤とし
ては、エポキシ化合物、イソシアネート化合物、ブロッ
クイソシアネート化合物、メチロ−ル化合物、ヒドロキ
シ化合物、カルボキシル化合物、アミノ化合物、エチレ
ンイミン化合物、アルデヒド化合物、ハロゲン化合物な
どから選ばれる。架橋剤の具体例として、イソシアネー
ト化合物:ヘキサメチレンイソシアネート、デュラネー
トWB40−80D、WX−1741(旭化成工業
(株)製)、バイヒジュール3100(住友バイエルウ
レタン(株)製)、タケネートWD725(武田薬品工
業(株)製)、アクアネート100、200(日本ポリ
ウレタン(株)製)、特開平9−160172号公報に
記載の水分散型ポリイソシアネート、アミノ化合物:ス
ミテックスレジンM−3(住友化学工業(株)製)、エ
ポキシ化合物:デナコールEX−614B(ナガセ化成
工業(株)製)、ハロゲン化合物:2,4ジクロロ−6
−ヒドロキシ−1,3,5−トリアジンナトリウムなど
を挙げることができる。画像形成層用の全バインダー量
は0.2〜30g/m2が好ましく、1.0〜15g/
2の範囲がより好ましい。
【0104】保護層用の全バインダー量は0.2〜1
0.0g/m2が好ましく、0.5〜6.0g/m2の範
囲がより好ましい。バック層用の全バインダー量は0.
01〜10.0g/m2が好ましく、0.05〜5.0
g/m2の範囲がより好ましい。
【0105】これらの各層は、2層以上設けられる場合
がある。画像形成層が2層以上である場合は、すべての
層のバインダーとしてポリマーラテックスを用いること
が好ましい。また、保護層は画像形成層上に設けられる
層であり2層以上存在する場合もあるが、少なくとも1
層、特に最外層の保護層にポリマーラテックスが用いら
れることが好ましい。また、バック層は支持体バック面
の下塗り層の上部に設けられる層であり2層以上存在す
る場合もあるが、少なくとも1層、特に最外層のバック
層にポリマーラテックスを用いることが好ましい。
【0106】本発明において、特願平10−34656
1号明細書、特願平11−106881号明細書に記載
のように予備加熱部を対向ローラーで搬送し、熱現像処
理部は画像形成層を有する側をローラーの駆動により、
その反対側のバック面を平滑面に滑らせて搬送する熱現
像処理装置を用いる場合、現像処理温度における熱現像
画像記録材料の画像形成層を有する側の最表面層とバッ
ク面の最表面層との摩擦係数の比は、1.5以上であ
り、その上限に特に制限はないが、30程度である。ま
た、μbは1.0以下、好ましくは0.8〜0.05で
ある。この値は、下記の式によって求められる。 摩擦係数の比=熱現像機のローラー部材と画像形成層を
有する面との動摩擦係数(μe)/熱現像機の平滑面部
材とバック面との動摩擦係数(μb) 本発明において熱現像処理温度での熱現像処理機部材と
画像形成層を有する面および/またはその反対面の最表
面層の滑り性は、最表面層に滑り剤を含有させ、その添
加量を変えて調整することができる。
【0107】本発明の熱現像画像記録材料には、種々の
支持体を用いることができる。典型的な支持体は、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
などのポリエステル、硝酸セルロース、セルロースエス
テル、ポリビニルアセタール、シンジオタクチックポリ
スチレン、ポリカーボネート、両面がポリエチレンで被
覆された紙支持体などを含む。このうち二軸延伸したポ
リエステル、特にポリエチレンテレフタレート(PE
T)は強度、寸法安定性、耐薬品性などの点から好まし
い。支持体の厚みは下塗り層を除いたベース厚みで90
〜180μmであることが好ましい。
【0108】本発明の熱現像画像記録材料に用いる支持
体は、特開平10−48772号公報、特開平10−1
0676号公報、特開平10−10677号公報、特開
平11−65025号公報、特願平9−308898号
明細書に記載の二軸延伸時にフィルム中に残存する内部
歪みを緩和させ、熱現像処理中に発生する熱収縮歪みを
なくすために、130〜185℃の温度範囲で熱処理を
施したポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート
が好ましく用いられる。このような熱処理後における支
持体の120℃30秒加熱による寸法変化率は縦方向
(MD)が−0.03%〜+0.01%、横方向(T
D)が0〜0.04%であることが好ましい。
【0109】本発明の熱現像画像記録材料の画像形成層
を有する面およびその反対面の最外層表面の少なくとも
一方、好ましくは両方のベック平滑度は、2000秒以
下であり、より好ましくは10秒〜2000秒である。
本発明におけるベック平滑度は、日本工業規格(JI
S)P8119「紙および板紙のベック試験器による平
滑度試験方法」およびTAPPI標準法T479により
容易に求めることができる。熱現像画像記録材料の画像
形成層を有する面の最外層およびその反対面の最外層の
ベック平滑度は、特開平11−84573号公報の段落
番号[0052]〜[0059]に記載の如く、前記両
面の層に含有させるマット剤の粒径&添加量を適宜変化
させることによってコントロールすることができる。
【0110】本発明では水溶性ポリマーが塗布性付与の
ための増粘剤として好ましく利用され、天然物でも合成
ポリマーのいずれでもよく限定されない。それらは、天
然物としてはデンプン類(コーンスターチ、デンプンな
ど)、海藻(寒天、アルギン酸ナトリウムなど)、植物
性粘着物(アラビアゴムなど)、動物性タンパク(にか
わ、カゼイン、ゼラチン、卵白など)、発酵粘着物(プ
ルラン、デキストリンなど)などであり、半合成ポリマ
ーであるデンプン質(可溶性デンプン、カルボキシルデ
ンプン、デキストランなど)、セルロース類(ビスコー
ス、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチル
セルロースなど)も挙げられ、更に合成ポリマー(ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピ
ロリドン、ポリエチレングリコール、ポリプロピレング
リコール、ポリビニルエーテル、ポリエチレンイミン、
ポリスチレンスルフォン酸又はその共重合体、ポリビニ
ルスルファン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又は
その共重合体、アクリル酸又はその共重合体等、マレイ
ン酸共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アク
リロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体、
など)などである。
【0111】これらの中でも好ましく用いられる水溶性
ポリマーは、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、デキス
トラン、デキストリン、メチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒド
ロキシプロピルセルロース、ポリビニルアルコール、ポ
リアクリルアミド、ポリビニルピロリドン、ポリエチレ
ングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリスチレ
ンスルフォン酸又はその共重合体、ポリアクリル酸又は
その共重合体、マレイン酸モノエステル共重合体、アク
リロイルメチルプロパンスルホン酸又はその共重合体な
どであり、特に増粘剤として好ましく利用される。
【0112】これらでも特に好ましい増粘剤としては、
ゼラチン、デキストラン、メチルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポ
リビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニル
ピロリドン、ポリスチレンスルフォン酸又はその共重合
体、ポリアクリル酸又はその共重合体、マレイン酸モノ
エステル共重合体などである。これらの化合物は、「新
・水溶性ポリマーの応用と市場(株式会社シーエムシー
発行、長友新治編集、1988年11月4日発行)」に
詳細に記載されている。
【0113】増粘剤としての水溶性ポリマーの使用量
は、塗布液に添加した時に粘度が上昇すれば特に限定さ
れない。一般には液中の濃度が0.01〜30質量%で
ある、より好ましくは0.05〜20質量%であり、特
に好ましくは0.1〜10質量%である。これらによっ
て得られる粘度は、初期の粘度からの上昇分として1〜
200cpが好ましく、より好ましくは5〜100cp
である。なお、測定に当たってはB型回転粘度計で25
℃で測定した値を示す。塗布液などへの添加に当たって
は、一般に増粘剤はできるだけ希薄溶液で添加すること
が望ましい。また添加時は十分な攪拌を行なうことが好
ましい。
【0114】本発明で用いられる界面活性剤について以
下に述べる。界面活性剤はその使用目的によって、分散
剤、塗布剤、濡れ剤、帯電防止剤、写真性コントロール
剤などに分類されるが、以下に述べる界面活性剤を適宜
使用することでそれらの目的は達成できる。本発明で使
用される界面活性剤は、ノニオン性、イオン性(アニオ
ン、カチオン、ベタイン)いずれも使用できる。さらに
フッ素系界面活性剤も好ましく用いられる。
【0115】好ましいノニオン系界面活性剤としては、
ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキ
シブチレン、ポリグリシジルやソルビタンをノニオン性
親水性基とする界面活性剤であり、具体的には、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニールエーテル、ポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部
分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸
部分エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポ
リグリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸ジエタノールアミ
ド、トリエタノールアミン脂肪酸部分エステルを挙げる
ことができる。
【0116】アニオン系界面活性剤としてはカルボン酸
塩、硫酸塩、スルフォン酸塩、リン酸エステル塩であ
り、代表的なものとしては脂肪酸塩、アルキルベンゼン
スルフォン酸塩、アルキルナフタレンスルフォン酸塩、
アルキルスルフォン酸塩、α―オレフィンスルフォン酸
塩、ジアルキルスルフォコハク酸塩、α―スルフォン化
脂肪酸塩、N−メチルーNオレイルタウリン、石油スル
フォン酸塩、アルキル硫酸塩、硫酸化油脂、ポリオキシ
エチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレン
アルキルフェニールエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレ
ンスチレン化フェニールエーテル硫酸塩、アルキルリン
酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸塩、
ナフタレンスルフォン酸塩ホルムアルデヒド縮合物など
である。
【0117】カチオン系界面活性剤としてはアミン塩、
4級アンモニウム塩、ピリジウム塩などを挙げることが
でき、第1〜第3脂肪アミン塩、第4級アンモニウム塩
(テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルベンジ
ルアンモニウム塩、アルキルピリジウム塩、アルキルイ
ミダゾリウム塩など)を挙げることができる。
【0118】ベタイン系界面活性剤としてはカルボキシ
ベタイン、スルフォベタインなどであり、N−トリアル
キル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン、N
−トリアルキル−N−スルフォアルキレンアンモニウム
ベタインなどである。
【0119】これらの界面活性剤は、「界面活性剤の応
用(幸書房、刈米孝夫著、昭和55年9月1日発行)」
に記載されている。本発明においては、好ましい界面活
性剤はその使用量において特に限定されず、目的とする
界面活性特性が得られる量であればよい。なお、フッ素
含有界面活性剤の塗布量は、1m2当り0.01mg〜
250mg以上が好ましい。
【0120】以下に界面活性剤の具体例を記すが、これ
に限定されるものではない(ここで、‐C64‐はフェ
ニレン基を表わす)。 WA−1 : C16H33(OCH2CH2)10OH WA−2 : C9H19‐C6H4‐(OCH2CH2)12OH WA−3 :ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム WA−4 :トリ(イソプロピル)ナフタレンスルフォ
ン酸ナトリウム WA−5 :トリ(イソブチル)ナフタレンスルフォン
酸ナトリウム WA−6 :ドデシル硫酸ナトリウム WA−7 :α−スルファコハク酸ジ(2−エチルヘキ
シル)エステル ナトリウム塩 WA−8 : C8H17‐C6H4‐(CH2CH2O)3(CH2)2SO3K
【0121】WA−10 :セチルトリメチルアンモニ
ウム クロライド WA−11 : C11H23CONHCH2CH2N(+)(CH3)2‐CH2COO
(-) WA−12 : C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)16H WA−13 : C8F17SO2N(C3H7)CH2COOK WA−14 : C8F17SO3K WA−15 : C8F17SO2N(C3H7)(CH2CH2O)4(CH2)4SO3N
a WA−16 : C8F17SO2N(C3H7)(CH2)3OCH2CH2N(+)(CH
3)3‐CH3‐C6H4‐SO3 (-) WA−17 : C8F17SO2N(C3H7)CH2CH2CH2N(+)(CH3)2
‐CH2COO(-)
【0122】本発明の好ましい態様においては、画像形
成層及び保護層に加えて、必要に応じて中間層を設けて
も良いが、生産性の向上などを目的として、これらの複
数の層を水系において同時重層塗布する。塗布方式はエ
クストルージョン塗布、スライドビード塗布、カーテン
塗布などがあるが、特願平10−292849号明細書
中の図1で開示されているスライドビード塗布方式が特
に好ましい。
【0123】ゼラチンを主バインダーとして用いるハロ
ゲン化銀写真感光材料の場合では、コーティングダイの
下流に設けられている第一乾燥ゾーンで急冷され、その
結果、ゼラチンのゲル化が起こり、塗布膜は冷却固化さ
れる。冷却固化されて流動の止まった塗布膜は続く第二
乾燥ゾーンに導かれ、これ以降の乾燥ゾーンで塗布液中
の溶媒が揮発され、成膜される。第二乾燥ゾーン以降の
乾燥方式としては、U字型のダクトからローラー支持さ
れた支持体に噴流を吹き付けるエアーループ方式や円筒
状のダクトに支持体をつるまき状に巻き付けて搬送乾燥
する、つるまき方式(エアーフローティング方式)など
が挙げられる。
【0124】バインダーの主成分がポリマーラテックス
である塗布液では、急冷では塗布液の流動を停止させる
ことができないため、第一乾燥ゾーンのみでは予備乾燥
が不十分である場合もある。この場合は、ハロゲン化銀
写真感光材料の様な乾燥方式では流れムラや乾燥ムラが
生じ、塗布面状に重大な欠陥を生じやすい。
【0125】本発明における好ましい乾燥方式は、特願
平10−292849号明細書に記載されているような
第一乾燥ゾーン、第二乾燥ゾーンを問わず、少なくとも
恒率乾燥が終了するまでの間は水平乾燥ゾーンで乾燥さ
せる方式である。塗布直後から水平乾燥ゾーンに導かれ
るまでの支持体の搬送は、水平搬送であってもなくても
どちらでもよく、塗布機の水平方向に対する立ち上がり
角度としては0〜70°の間にあればよい。また、本発
明のおける水平乾燥ゾーンとは、支持体が塗布機の水平
方向に対して上下に±15°以内に搬送されればよく、
水平搬送を意味するものではない。
【0126】本発明における恒率乾燥とは、液膜温度が
一定で流入する熱量全てが溶媒の蒸発に使用される乾燥
過程を意味する。減率乾燥とは、乾燥末期になると種々
の要因(水分移動の材料内部拡散が律速になる、蒸発表
面の後退など)により乾燥速度が低下し、与えられた熱
は液膜温度上昇にも使用される乾燥過程を意味する。恒
率過程から減率過程に移行する限界含水率は200〜3
00%である。恒率乾燥が終了する時には、流動が停止
するまで十分乾燥が進むため、ハロゲン化銀写真感光材
料の様な乾燥方式も採用することができるが、本発明に
おいては恒率乾燥後も最終的な乾燥点まで水平乾燥ゾー
ンで乾燥させることが好ましい。
【0127】本発明における好ましい乾燥条件は、画像
形成層および/または保護層を形成する時の乾燥条件
が、恒率乾燥時の液膜表面温度が用いられるポリマーラ
テックスの最低造膜温度(MTF;通常ポリマーのガラ
ス転移温度Tgより3〜5℃高い)以上で、通常は製造
設備の制限より25℃〜40℃である場合が多い。ま
た、減率乾燥時の乾球温度は用いる支持体のTg未満の
温度(PETの場合通常80℃以下)が好ましい。本発
明における液膜表面温度とは、支持体に塗布された塗布
液膜の溶媒液膜表面温度を言い、乾球温度とは乾燥ゾー
ンの乾燥風の温度を意味する。
【0128】恒率乾燥時の液膜表面温度が低くなる条件
で乾燥した場合、乾燥が不十分となりやすい。このため
特に保護層の造膜性が著しく低下し、膜表面に亀裂が生
じやすくなる。また、膜強度も弱くなり、露光機や熱現
像機での搬送中に傷がつきやすくなるなどの重大な問題
が生じやすくなる。一方、高い液膜表面温度となる条件
で乾燥した場合、主としてポリマーラテックスから構成
される保護層が速やかに皮膜を形成し、一方画像形成層
などの下層は流動性が停止していないので、表面の凹凸
が発生しやすくなる。また、支持体(ベース)にTgよ
りも高い過剰の熱がかかると、感光材料の寸度安定性、
耐巻き癖性も悪くなる傾向にある。
【0129】下層を塗布乾燥してから上層を塗布する逐
次塗布においても同様であるが、特に、下層の乾燥前に
上層を塗布して、両層を同時に乾燥する同時重層塗布を
行うための塗布液物性としては、画像形成層の塗布液と
保護層の塗布液のpH差が2.5以下であることが好ま
しく、このpH差は小さい程好ましい。塗布液のpH差
が大きくなると塗布液界面でミクロな凝集が生じやすく
なり、長尺連続塗布時に塗布筋などの重大な面状故障が
発生しやすくなる。
【0130】画像形成層の塗布液粘度は25℃で15〜
100cpが好ましく、さらに好ましくは30〜70c
pである。一方、保護層の塗布液粘度は25℃で5〜7
5cpが好ましく、さらに好ましくは20〜50cpで
ある。これらの粘度はB型粘度計によって測定される。
【0131】乾燥後の巻取りは温度20〜30℃、相対
湿度45±20%の条件下で行うことが好ましく、巻き
姿はその後の加工形態に合わせ画像形成層側の面を外側
にしてもよいし、内側にしてもよい。また、加工形態が
ロール品の場合は巻き姿で発生したカールを除去するた
めに加工時に巻き姿とは反対側に巻いたロール形態にす
ることも好ましく用いられる。なお、感光材料の包袋は
相対湿度20〜55%(25℃測定)の範囲で制御され
ることが好ましい。
【0132】従来から用いられているハロゲン化銀を含
みゼラチンを基体とする粘性液である写真乳剤塗布液
は、通常加圧送液するだけで気泡が液中に溶解、消滅し
てしまい、塗布時大気圧下に戻されても気泡が析出する
ようなことはほとんどない。ところが、本発明で好まし
く用いられる有機銀塩分散物とポリマーラテックスなど
を含む画像形成層塗布液の場合は、加圧送液だけでは脱
泡が不十分になりやすいため、気液界面が生じないよう
にして送液しながら超音波振動を与え脱泡することが好
ましい。
【0133】本発明において塗布液の脱泡は、塗布液を
塗布される前に減圧脱気し、更に1.5kg/cm2
上の加圧状態に保ち、かつ気液界面が生じないようにし
て連続的に送液しながら超音波振動を与える方式が好ま
しい。具体的には、特公昭55−6405号公報(4頁
20行〜7頁11行)に記載されている方式が好まし
い。このような脱泡を行う装置として、特願平10−2
90003号明細書の実施例図3に示される構成のもの
を好ましく用いることができる。
【0134】加圧条件として1.5kg/cm2以上、
好ましくは1.8kg/cm2以上である。その上限に
特に制限はないが、通常5kg/cm2程度である。与
えられる超音波の音圧は0.2V以上、好ましくは0.
5V〜3.0Vであり、一般的に音圧は高い方が好まし
いが、音圧が高すぎるとキャピテーションにより部分的
に高温状態になりカブリの発生原因となる。周波数は特
に制約はないが、通常10kHz以上、好ましくは20
kHz〜200kHzである。なお、減圧脱気は、タン
ク内(通常、調液タンクもしくは貯蔵タンク)を密閉減
圧し、塗布液中の気泡径を増大させ、浮力をかせぎ脱気
させることを指し、減圧脱気の際の減圧条件は−200
mmHgないしそれより低い圧力条件、好ましくは−2
50mmHgないしそれより低い圧力条件とし、その最
も低い圧力条件は特に制限はないが通常−800mmH
g程度である。減圧時間は30分以上、好ましくは45
分以上、その上限は特に制限はない。
【0135】本発明において、画像形成層、画像形成層
の保護層、下塗層及びバック層には特開平11−845
73号公報の段落番号[0204]〜[0208]、特
願平11−106881号明細書の段落番号[024
0]〜[0241]に記載の如くハレーション防止など
の目的で、染料を含有することができる。
【0136】画像形成層には色調改良、イラジエーショ
ン防止の観点から各種染料や顔料を用いることができ
る。画像形成層に用いる染料および顔料はいかなるもの
でもよいが、例えば特開平11−119374号公報の
段落番号[0297]に記載されている化合物を用いる
ことができる。これらの染料の添加法としては、溶液、
乳化物、固体微粒子分散物、高分子媒染剤に媒染された
状態などいかなる方法でも良い。これらの化合物の使用
量は目的の吸収量によって決められるが、一般的に1m
2当たり1×10-6g〜1gの範囲で用いることが好ま
しい。
【0137】本発明でハレーション防止染料を使用する
場合、該染料は所望の範囲で目的の吸収を有し、処理後
に可視領域での吸収が充分少なく、上記バック層の好ま
しい吸光度スペクトルの形状が得られればいかなる化合
物でも良い。例えば特開平11−119374号公報の
段落番号[0300]に記載されている化合物を用いる
ことができる。また、ベルギー特許第733,706号
明細書に記載されたように染料による濃度を加熱による
消色で低下させる方法、特開昭54−17833号公報
に記載の光照射による消色で濃度を低下させる方法等を
用いることができる。
【0138】本発明の熱現像画像記録材料が熱現像後に
おいて、PS版により刷版を作製する際にマスクとして
用いられる場合、熱現像後の熱現像画像記録材料は、製
版機においてPS版に対する露光条件を設定するための
情報や、マスク原稿およびPS版の搬送条件等の製版条
件を設定するための情報を画像情報として担持してい
る。従って、前記のイラジエーション染料、ハレーショ
ン染料、フィルター染料の濃度(使用量)は、これらを
読み取るために制限される。これら情報はLEDあるい
はレーザーによって読み取られるため、センサーの波長
域のDmin(最低濃度)が低い必要があり吸光度が
0.3以下である必要がある。例えば、富士写真フイル
ム(株)社製 製版機S−FNRIIIはトンボ検出のた
めの検出器及びバーコードリーダーとして670nmの
波長の光源を使用している。また、清水製作社製 製版
機APMLシリーズのバーコードリーダーとして670
nmの光源を使用している。すなわち670nm付近の
Dmin(最低濃度)が高い場合にはフイルム上の情報
が正確に検出できず搬送不良、露光不良など製版機で作
業エラーが発生する。従って、670nmの光源で情報
を読み取るためには670nm付近のDminが低い必
要があり、熱現像後の660〜680nmの吸光度が
0.3以下である必要がある。より好ましくは0.25
以下である。その下限に特に制限はないが、通常、0.
10程度である。
【0139】本発明において、像様露光に用いられる露
光装置は露光時間が10-7秒未満の露光が可能な装置で
あればいずれでもよいが、一般的にはLaser Diode(L
D)、Light Emitting Diode(LED)を光源に使用し
た露光装置が好ましく用いられる。特に、LDは高出
力、高解像度の点でより好ましい。これらの光源は目的
波長範囲の電磁波スペクトルの光を発生することができ
るものであればいずれでもよい。例えばLDであれば、
色素レーザー、ガスレーザー、固体レーザー、半導体レ
ーザーなどを用いることができる。
【0140】本発明の露光は光源の光ビームをオーバー
ラップさせて露光し、オーバーラップとは副走査ピッチ
幅がビーム径より小さいことをいう。オーバーラップと
は例えば、ビーム径をビーム強度の半値幅(FWHM)
で表わしたときFWHM/副走査ピッチ幅(オーバーラ
ップ係数)で定量的に表現することができる。本発明で
はこのオーバラップ係数が0.2以上であることが好ま
しい。
【0141】本発明に使用する露光装置の光源の走査方
式は特に限定はなく、円筒外面走査方式、円筒内面走査
方式、平面走査方式などを用いることができる。また、
光源のチャンネルは単チャンネルでもマルチチャンネル
でもよいが、円筒外面方式の場合にはマルチチャンネル
が好ましく用いられる。
【0142】本発明の熱現像画像記録材料は露光時のヘ
イズが低く、干渉縞が発生しやすい傾向にある。この干
渉縞発生防止技術としては、特開平5−113548号
公報などに開示されているレーザー光を感光材料に対し
て斜めに入光させる技術や、国際公開WO95/317
54号公報などに開示されているマルチモードレーザー
を利用する方法が知られており、これらの技術を用いる
ことが好ましい。
【0143】本発明に用いられる画像形成方法の加熱現
像工程はいかなる方法であっても良いが、通常イメージ
ワイズに露光した熱現像画像記録材料を昇温して現像さ
れる。用いられる熱現像機の好ましい態様としては、熱
現像画像記録材料をヒートローラーやヒートドラムなど
の熱源に接触させるタイプとして特公平5−56499
号公報、特開平9−292695号公報、特開平9−2
97385号公報および国際公開WO95/30934
号公報に記載の熱現像機、非接触型のタイプとして特開
平7−13294号公報、国際公開WO97/2848
9号公報、同97/28488号公報および同97/2
8487号公報に記載の熱現像機がある。特に好ましい
態様としては非接触型の熱現像機である。好ましい現像
温度としては80〜250℃であり、さらに好ましくは
100〜140℃である。現像時間としては1〜180
秒が好ましく、10〜90秒がさらに好ましい。
【0144】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像時の
寸法変化による処理ムラを防止する方法として、80℃
以上115℃未満の温度で画像が出ないようにして5秒
以上加熱した後、110℃〜140℃で熱現像して画像
形成させる方法(いわゆる多段階加熱方法)が有効であ
る。
【0145】本発明の熱現像画像記録材料を熱現像処理
するとき、110℃以上の高温にさらされるため、該材
料中に含まれている成分の一部、あるいは熱現像による
分解成分の一部が揮発してくる。これらの揮発成分は現
像ムラの原因になったり、熱現像機の構成部材を腐食さ
せたり、温度の低い場所で析出し異物として画面の変形
を引起こしたり、画面に付着して汚れとなる種々の悪い
影響があることが知られている。これらの影響を除くた
めに、熱現像機にフィルターを設置し、また熱現像機内
の空気の流れを最適に調整することが知られている。こ
れらを有効に組合わせて利用することができる。
【0146】国際公開WO95/30933号公報、同
97/21150号公報、特表平10―500496号
公報には、結合吸収粒子を有し揮発分を導入する第一の
開口部と排出する第二の開口部とを有するフィルターカ
ートリッジを、フィルムと接触して加熱する加熱装置に
用いることが、国際公開WO96/12213号公報、
特表平10―507403号公報には、熱伝導性の凝縮
捕集器とガス吸収性微粒子フィルターを組合わせたフィ
ルターを用いることが記載されている。本発明ではこれ
らを好ましく用いることができる。
【0147】また、米国特許第4,518,845号明
細書、特公平3―54331号公報には、フィルムから
の蒸気を除去する装置とフィルムを伝熱部材へ押圧する
加圧装置と伝熱部材を加熱する装置とを有する構成が記
載されており、国際公開WO98/27458号公報に
は、フィルムから揮発するかぶりを増加させる成分をフ
ィルム表面から取り除くことが記載されている。これら
についても本発明では好ましく用いることができる。
【0148】本発明の熱現像画像記録材料の熱現像処理
に用いられる熱現像機の一構成例を図1に示す。図1は
熱現像機の側面図を示したものである。図1の熱現像機
は熱現像画像記録材料10を平面状に矯正および予備加
熱しながら加熱部に搬入する搬入ローラー対11(上部
ローラーはシリコンゴムローラーで、下部ローラーがア
ルミ製のヒートローラー)と熱現像後の熱現像後の熱現
像画像記録材料10を平面状に矯正しながら加熱部から
搬出する搬出ローラー対12を有する。熱現像画像記録
材料10は搬入ローラー対11から搬出ローラー対12
へと搬送される間に熱現像される。この熱現像中の熱現
像画像記録材料10を搬送する搬送手段は画像形成層を
有する面が接触する側に複数のローラー13が設置さ
れ、その反対側のバック面が接触する側には不織布(例
えば芳香族ポリアミドやテフロンから成る)等が貼り合
わされた平滑面14が設置される。熱現像画像記録材料
10は画像形成層を有する面に接触する複数のローラー
13の駆動により、バック面は平滑面14の上を滑って
搬送される。加熱手段はローラー13の上部及び平滑面
14の下部に熱現像画像記録材料10の両面から加熱さ
れるように加熱ヒーター15が設置される。この場合の
加熱手段としては板状ヒーター等が挙げられる。ローラ
ー13と平滑面14とのクリアランスは平滑面の部材に
より異なるが、熱現像画像記録材料10が搬送できるク
リアランスに適宜調整される。好ましくは0〜1mmで
ある。
【0149】ローラー13の表面の材質及び平滑面14
の部材は、高温耐久性があり、熱現像画像記録材料10
の搬送に支障がなければ何でも良いが、ローラー表面の
材質はシリコンゴム、平滑面14の部材は芳香族ポリア
ミドまたはテフロン(PTFE)製の不織布が好まし
い。加熱手段としては複数のヒーターを用い、それぞれ
加熱温度を自由に設定することが好ましい。
【0150】なお、加熱部は、搬入ローラー対11を有
する予備加熱部Aと、加熱ヒーター15を備えた熱現像
加熱部Bとで構成されるが、熱現像処理部Bの上流の予
備加熱部Aは、熱現像温度よりも低く(例えば10〜3
0℃程度低く)、熱現像画像記録材料10中の水分量を
蒸発させるのに十分な温度および時間に設定することが
望ましく、熱現像画像記録材料10の支持体のガラス転
移温度(Tg)よりも高い温度で、現像ムラが出ないよ
うに設定することが好ましい。予備加熱部と熱現像処理
部の温度分布としては±1℃以下が好ましく、さらには
±0.5℃以下が好ましい。
【0151】また、熱現像処理部Bの下流にはガイド板
16が設置され、搬出ローラー対12とガイド板16と
を有する徐冷部Cが設置される。ガイド板16は熱伝導
率の低い素材が好ましく、熱現像画像記録材料10に変
形が起こらないようにするために冷却は徐々に行うのが
好ましく、冷却速度としては、0.5〜10℃/秒が好
ましい。
【0152】以上、図示例に従って説明したが、これに
限らず、例えば特開平7−13294号公報に記載のも
のなど、本発明に用いられる熱現像機は種々の構成のも
のであってもよい。また、本発明において好ましく用い
られる多段加熱方法の場合は、上述のような装置におい
て、加熱温度の異なる熱源を2個以上設置し、連続的に
異なる温度で加熱するようにすればよい。
【0153】
【実施例】以下に実施例および試験例を挙げて本発明を
さらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使
用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を
逸脱しない限り適宜変更することができる。したがっ
て、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるもの
ではない。
【0154】《バック/下塗り層のついたポリエチレン
テレフタレ−ト(PET)支持体の作製》 (1)PET支持体の作製 テレフタル酸とエチレングリコ−ルを用い、常法に従
い、固有粘度IV=0.66(フェノ−ル/テトラクロ
ルエタン=6/4(質量比)中25℃で測定)のポリエ
チレンテレフタレ−トを得た。これをペレット化した
後、130℃で4時間乾燥した後、300℃で溶融後T
型ダイから押し出した後急冷し、熱固定後の膜厚が12
0μmになるような厚みの未延伸フイルムを作製した。
これを周速の異なるロ−ルを用い、3.3倍に縦延伸、
ついでテンタ−で4.5倍に横延伸を実施した。このと
きの温度はそれぞれ、110℃、130℃であった。こ
の後、240℃で20秒間熱固定後、これと同じ温度で
横方向に4%緩和した。この後、テンタ−のチャック部
をスリットした後、両端にナ−ル加工を行い、4.8k
g/cm2で巻きとった。このようにして、幅2.4
m、長さ3500m、厚み120μmのロ−ル状のPE
T支持体を得た。
【0155】(2)下塗り層及びバック層の作成 塗布液S−A〜Eの液を作成し、表1に記載の層構成に
なるように下層から一層ずつ表1に記載の量を塗布して
乾燥した。乾燥は、125℃で30秒、150℃で30
秒、185℃で30秒行った。PET支持体の表面に
は、両面とも0.375kV・A・分/m2のコロナ放
電処理を施した。 (2−1)塗布液S−A ラテックス−A 280g KOH 0.5g ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm、平均粒径の変動係数7%) 0.03g 2,4−ジクロロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジン 1.8g 蒸留水 総質量が1000gとなる量
【0156】 (2−2)塗布液S−B 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm、ゼリ−強度230g) 10g 酢酸(20%水溶液) 10g 化合物−Bc−A 0.04g メチルセルロ−ス(2%水溶液) 25g ポリエチレンオキシ化合物 0.3g 蒸留水 総質量が1000gとなる量
【0157】 (2−3)塗布液S−C ジュリマ−ET410(30%水分散物、日本純薬(株)製) 23g アルカリ処理ゼラチン(分子量約10000、Ca2+含量30ppm) 4.44g 脱イオン処理ゼラチン(Ca2+含量0.6ppm) 0.84g 化合物−Bc−A 0.02g 染料−Bc−A (783nmの光学濃度として1.3〜1.4になるように調整) 目安として 0.88g ポリオキシエチレンフェニルエ−テル 1.7g スミテックスレジンM−3(8%水溶液) 15g (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製) 導電性物質:表1に記載の種類を固形分として表1に記載の量 ポリスチレン微粒子 (平均粒径:2μm,平均粒径の変動係数7%) 0.03g 蒸留水 総質量が1000gとなる量
【0158】 (2−4)塗布液S−D ジュリマ−ET410(30%水分散物、日本純薬(株)製) 57.5g ポリオキシエチレンフェニルエ−テル 1.7g スミテックスレジンM−3(8%水溶液) 15g (水溶性メラミン化合物、住友化学工業(株)製) セロゾ−ル524(30%水溶液、中京油脂(株)製) 6.6g 蒸留水 総質量が1000gとなる量
【0159】 (2−5)塗布液S−E ラテックス:表1に記載の種類を固形分として表1に記載の量 化合物−Bc−B 2.7g 化合物−Bc−C 0.6g 化合物−Bc−D 0.5g 硬膜剤:表1に記載の種類を表1に記載の量 ポリメチルメタクリレ−ト (10%水分散物、平均粒子径5μm、平均粒子の変動係数7%) 7.7g 蒸留水 総質量が1000gとなる量
【0160】 (2−6)塗布液S−F スチレン/ブタジエン共重合体ラテックス 152g (スチレン:ブタジエン=67:30.固形分40質量%) ポリスチレン微粒子(平均粒径:2μm) 0.1g 蒸留水 総質量が1000gとなる量
【0161】
【化1】
【0162】ラテックス−A コア部90質量%、シェル部10質量%のコアシェルタ
イプのラテックス コア部 塩化ビニリデン/メチルアクリレ−ト/メチル
メタクリレ−ト/アクリロニトリル/アクリル酸=93
/3/3/0.9/0.1(質量%) シェル部 塩化ビニリデン/メチルアクリレ−ト/メチ
ルメタクリレ−ト/アクリロニトリル/アクリル酸=8
8/3/3/3/3(質量%) 質量平均分子量38000
【0163】(3)搬送熱処理 (3−1)熱処理 このようにして作製したバック/下塗り層のついたPE
T支持体を160℃設定した全長200m熱処理ゾ−ン
に入れ、張力2kg/cm2、搬送速度20m/分で搬
送した。 (3−2)後熱処理 上記熱処理に引き続き、40℃のゾ−ンに15秒間通し
て後熱処理を行い、巻き取った。この時の巻き取り張力
は10kg/cm2であった。 《ハロゲン化銀乳剤Aの調製》水700mlにアルカリ
処理ゼラチン(カルシウム含有量として2700ppm
以下)11gおよび臭化カリウム30mg、4−メチル
ベンゼンスルホン酸ナトリウム1.3gを溶解して温度
40℃にてpHを6.5に合わせた後、硝酸銀18.6
gを含む水溶液159mlと臭化カリウムを1モル/リ
ットル(NH42RhCl5(H2O)を5×10-6モル
/リットル及びK3IrCl6を2×10-5モル/リット
ルで含む水溶液をpAg7.7に保ちながらコントロ−
ルダブルジェット法で6分30秒間かけて添加した。つ
いで、硝酸銀55.5gを含む水溶液476mlと臭化
カリウムを1モル/リットル及びK3IrCl6を2×1
-5モル/リットルで含むハロゲン塩水溶液をpAg
7.7に保ちながらコントロ−ルダブルジェット法で2
8分30秒間かけて添加した。その後pHを下げて凝集
沈降させて脱塩処理をし、平均分子量1万5千の低分子
量ゼラチン(カルシウム含有量として20ppm以下)
51.1g加え、pH5.9、pAg8.0に調製し
た。得られた粒子は平均粒子サイズ0.08μm、投影
面積変動係数9%、(100)面比率90%の立方体粒
子であった。こうして得たハロゲン化銀粒子を60℃に
昇温して銀1モル当たりベンゼンチオスルホン酸ナトリ
ウム76μモルを添加し、3分後にトリエチルチオ尿素
71μモルを添加した後、100分間熟成し、4−ヒド
ロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザイン
デンを5×10-4モル、化合物Aを0.17g加えた
後、40℃に降温させた。その後、40℃に温度を保
ち、ハロゲン化銀1モルに対して4.7×10-2モルの
臭化カリウム(水溶液として添加)、12.8×10-4
モルの下記増感色素A(エタノ−ル溶液として添加)、
6.4×10-3モルの化合物B(メタノ−ル溶液として
添加)を攪拌しながら添加し、20分後に30℃に急冷
してハロゲン化銀乳剤Aの調製を終了した。
【0164】
【化2】
【0165】《ベヘン酸銀分散物Aの調製》ヘンケル社
製ベヘン酸(製品名EdenorC22−85R)8
7.6g、蒸留水423ml、5N−NaOH水溶液4
9.2ml、tert−ブチルアルコ−ル120mlを
混合し、75℃にて1時間攪拌し反応させ、ベヘン酸ナ
トリウム溶液を得た。別に、硝酸銀40.4gの水溶液
206.2mlを用意し、10℃にて保温した。635
mlの蒸留水と30mlのtert−ブチルアルコ−ル
を入れた反応容器を30℃に保温し、攪拌しながら先の
ベヘン酸ナトリウム溶液の全量と硝酸銀水溶液の全量を
流量一定でそれぞれ62分10秒と60分かけて添加し
た。この時、硝酸銀水溶液添加開始後7分20秒間は硝
酸銀水溶液のみが添加されるようにし、そのあとベヘン
酸ナトリウム溶液を添加開始し、硝酸銀水溶液添加終了
後9分30秒間はベヘン酸ナトリウム溶液のみが添加さ
れるようにした。このとき、反応容器内の温度は30℃
とし、液温度が上がらないようにコントロ−ルした。ま
た、ベヘン酸ナトリウム溶液の添加系の配管は、スチ−
ムトレ−スにより保温し、添加ノズル先端の出口の液温
度が75℃になるようにスチ−ム量をコントロ−ルし
た。また、硝酸銀水溶液の添加系の配管は、2重管の外
側に冷水を循環させることにより保温した。ベヘン酸ナ
トリウム溶液の添加位置と硝酸銀水溶液の添加位置は攪
拌軸を中心として対称的な配置とし、また反応液に接触
しないような高さに調節した。
【0166】ベヘン酸ナトリウム溶液を添加終了後、そ
のままの温度で20分間攪拌放置し、25℃に降温し
た。その後、吸引濾過で固形分を濾別し、固形分を濾水
の伝導度が30μS/cmになるまで水洗した。こうし
て得られた固形分は、乾燥させないでウエットケ−キと
して保管した。得られたベヘン酸銀の粒子の形態を電子
顕微鏡撮影により評価したところ、平均投影面積径0.
52μm、平均粒子厚み0.14μm、平均球相当径の
変動係数15%の鱗片状の結晶であった。
【0167】つぎに、以下の方法でベヘン酸銀の分散物
を作製した。乾燥固形分100g相当のウエットケ−キ
に対し、ポリビニルアルコ−ル(商品名:PVA−21
7,平均重合度:約1700)7.4gおよび水を添加
し、全体量を385gとしてからホモミキサ−にて予備
分散した。次に予備分散済みの原液を分散機(商品名:
マイクロフルイダイザ−M−110S−EH、マイクロ
フルイデックス・インタ−ナショナル・コ−ポレ−ショ
ン製、G10Zインタラクションチャンバ−使用)の圧
力を1750kg/cm2に調節して、三回処理し、ベ
ヘン酸銀分散物Aを得た。冷却操作は蛇管式熱交換器を
インタラクションチャンバ−の前後に各々装着し、冷媒
の温度を調節することで所望の分散温度に設定した。
【0168】こうして得たベヘン酸銀分散物Aに含まれ
るベヘン酸銀粒子は体積加重平均直径0.52μm、変
動係数15%の粒子であった。粒子サイズの測定は、Ma
lvern Instruments Ltd.製MasterSizerXにて行った。
また電子顕微鏡撮影により評価すると、長辺と短辺の比
が1.5、粒子厚み0.14μm、平均アスペクト比
(粒子の投影面積の円相当径と粒子厚みの比)が5.1
であった。
【0169】《還元剤の固体微粒子分散物の調製》1,
1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)−3,5,5−トリメチルヘキサン(還元剤)10
kgと変性ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製、ポ
バ−ルMP203)の20質量%水溶液10kgに、水
16kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。こ
のスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径
0.5mmのジルコニアビ−ズを充填した横型サンドミ
ル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて3時間3
0分分散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム
塩4gと水を加えて還元剤の濃度が25質量%になるよ
うに調製し、還元剤の固体微粒子分散物を得た。こうし
て得た分散物に含まれる還元剤粒子はメジアン径0.4
4μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変動
係数19%であった。得られた分散物は孔径3.0μm
のポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等
の異物を除去して収納した。
【0170】《有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子
分散物の調製》トリブロモメチル(4−(2,4,6−
トリメチルフェニルスルホニル)フェニル)スルホン
(有機ポリハロゲン化合物A)10kgと、変性ポリビ
ニルアルコ−ル(クラレ(株)製ポバ−ルMP203)
の20質量%水溶液10kgと、トリイソプロピルナフ
タレンスルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液639
gと、サ−フィノ−ル104E(日信化学(株)製)4
00gと、メタノ−ル640gと水16kgを添加し
て、良く混合してスラリ−とした。このスラリ−をダイ
アフラムポンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコ
ニアビ−ズを充填した横型サンドミル(UVM−2:ア
イメックス(株)製)にて5時間分散したのち水を加え
て有機ポリハロゲン化合物Aの濃度が25質量%になる
ように調製し、有機ポリハロゲン化合物Aの固体微粒子
分散物を得た。こうして得た分散物に含まれる有機ポリ
ハロゲン化合物粒子はメジアン径0.36μm、最大粒
子径2.0μm以下、平均粒子径の変動係数18%であ
った。得られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピ
レン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去
して収納した。
【0171】《有機ポリハロゲン化合物Bの固体微粒子
分散物の調製》トリブロモメチルナフチルスルホン5k
gと変性ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製ポバ−
ルMP203)(有機ポリハロゲン化合物B)の20質
量%水溶液2.5kgと、トリイソプロピルナフタレン
スルホン酸ナトリウムの20質量%水溶液213gと、
水10kgを添加して、良く混合してスラリ−とした。
このスラリ−をダイアフラムポンプで送液し、平均直径
0.5mmのジルコニアビ−ズを充填した横型サンドミ
ル(UVM−2:アイメックス(株)製)にて5時間分
散したのち、ベンゾイソチアゾリノンナトリウム塩2.
5gと水を加えての有機ポリハロゲン化合物Bの濃度が
20質量%になるように調製し、有機ポリハロゲン化合
物Bの固体微粒子分散物を得た。こうして得た分散物に
含まれる有機ポリハロゲン化合物粒子はメジアン径0.
38μm、最大粒子径2.0μm以下、平均粒子径の変
動係数20%であった。得られた分散物は孔径3.0μ
mのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を行い、ゴミ
等の異物を除去して収納した。
【0172】《化合物Zの固体微粒子分散物の調製》下
記の化合物Zを85質量%含有する三光(株)製R−0
54を3.5kgに対してクラレ(株)製MPポリマ−
のMP−203を1kgと水15kgを添加して良く混
合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポ
ンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ−ズ
を充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス
(株)製)にて7時間分散したのち水を加えて化合物Z
の濃度が10質量%になるように調製し、化合物Zの固
体微粒子分散物を得た。こうして得た分散物に含まれる
化合物Zの粒子はメジアン径0.45μm、最大粒子径
4.0μm以下、粒子径の変動係数17%であった。得
られた分散物は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フ
ィルタ−にてろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納
した。
【0173】《5−イソプロピルフタラジン化合物の分
散液の調製》室温で水87.9gを攪拌しながら、変性
ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製、ポバ−ルMP
203)2.0gが塊状にならない様に添加し10分間
攪拌混合した。その後加熱し、内温が50℃になるまで
昇温した後、1時間攪拌し均一に溶解した。内温を40
℃以下に降温して、トリプロピルナフタレンスルホン酸
ナトリウムの20%水溶液3.0gおよび5−イソプロ
ピルフタラジン(70%水溶液)7.14gを添加し、
30分攪拌し透明分散液を得た。得られた分散物は、孔
径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にてろ過を
行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0174】《造核剤の固体微粒子分散物の調製》下記
の造核剤Aを4kgに対してクラレ(株)製ポバ−ルP
VA−217を1kgと水36kgとを添加して良く混
合してスラリ−とした。このスラリ−をダイアフラムポ
ンプで送液し、平均直径0.5mmのジルコニアビ−ズ
を充填した横型サンドミル(UVM−2:アイメックス
(株)製)にて12時間分散したのち、ベンゾイソチア
ゾリノンナトリウム塩4gと水を加えて造核剤濃度が1
0質量%になるように調製し、造核剤の固体微粒子分散
物を得た。こうして得た分散物に含まれる造核剤の粒子
はメジアン径0.34μm、最大粒子径3.0μm以
下、粒子径の変動係数19%であった。得られた分散物
は、孔径3.0μmのポリプロピレン製フィルタ−にて
ろ過を行い、ゴミ等の異物を除去して収納した。
【0175】《画像形成層塗布液の調製》上記で作製し
たベヘン酸銀分散物Aの銀1モルに対して、以下のバイ
ンダ−、素材、およびハロゲン化銀乳剤Aを添加して、
水を加えて、画像形成層塗布液とした。完成後、減圧脱
気を−350mmHgで60分間行った。塗布液のpH
は7.7、粘度は25℃で45cpであった。 バインダ−;ラックスタ−3307B 固形分として 397g (大日本インキ化学工業(株)製;SBRラテックスでガラス転移温度17℃) 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,5−ト リメチルヘキサン 固形分として 149g 有機ポリハロゲン化合物A 固形分として 43.5g 有機ポリハロゲン化合物B 固形分として 13.5g エチルチオスルホン酸ナトリウム 0.30g ベンゾトリアゾ−ル 1.04g ポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製PVA−235) 10.8g 6−イソプロピルフタラジン 固形分として 12.8g オルトりん酸二水素ナトリウム・2水和物 0.37g 化合物Z 固形分として 9.7g 造核剤A 量は固形分として 0.03モル 染料A(平均分子量1万5千の低分子量ゼラチンとの混合液として添加) 783nmの光学濃度が0.3になる塗布量(目安として0.37g) ハロゲン化銀乳剤A Ag量として0.06モル 化合物C 2.0g 防腐剤として化合物A 塗布液中に40ppm(塗布量として2.5mg/m2) メタノ−ルの塗布液中総溶媒量として 2質量% エタノ−ルの塗布液中総溶媒量として 1質量% (なお、塗布膜のガラス転移温度は17℃であった。)
【0176】
【化3】
【0177】《下層保護層塗布液の調製》メチルメタク
リレ−ト/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレ−ト
/2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト/アクリル酸=
58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)の
ポリマ−ラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度4
6℃(計算値)、固形分濃度として21.5%、化合物
Aを100ppm含有させ、さらに造膜助剤として化合
物Dをラテックスの固形分に対して15質量%含有させ
塗布液のガラス転移温度を24℃とした)943gに水
を加え、化合物E1.62g、マット剤(ポリスチレン
粒子、平均粒径7μm、平均粒径の変動係数8%)1.
98gおよびポリビニルアルコ−ル(クラレ(株)製,
PVA−235)29.4gを加え、さらに水を加えて
塗布液(メタノ−ル溶媒を2質量%含有)を調製した。
完成後、減圧脱気を−400mmHgで60分間行っ
た。塗布液のpHは5.5、粘度は25℃で40cpで
あった。
【0178】《上層保護層塗布液の調製》メチルメタク
リレ−ト/スチレン/2−エチルヘキシルアクリレ−ト
/2−ヒドロキシエチルメタクリレ−ト/アクリル酸=
58.9/8.6/25.4/5.1/2(質量%)の
ポリマ−ラテックス溶液(共重合体でガラス転移温度4
6℃(計算値)、固形分濃度として21.5%、化合物
Aを100ppm含有させ、さらに造膜助剤として化合
物Dをラテックスの固形分に対して15質量%含有さ
せ、塗布液のガラス転移温度を24℃とした)649g
に水を加え、カルナヴァワックス(中京油脂(株)製、
セロゾ−ル524:シリコ−ン含有量として5ppm未
満)30質量%溶液6.30g、化合物C0.23g、
化合物F7.95g、化合物G0.93g、化合物H
1.8g、マット剤(ポリスチレン粒子、平均粒径7μ
m、平均粒径の変動係数8%)1.18gおよびポリビ
ニルアルコ−ル(クラレ(株)製,PVA−235)1
2.1gを加え、さらに水を加えて塗布液(メタノ−ル
溶媒を1.5質量%含有)を調製した。完成後、減圧脱
気を−400mmHgで60分間行った。
【0179】《熱現像画像記録材料の作製》前記下塗り
層を塗布したPET支持体の下塗り層の上に、特願平1
0−292849号明細書中の図1で開示されているス
ライドビ−ト塗布方式を用いて、上記の画像形成層塗布
液を塗布銀量1.5g/m2になるように塗布した。さ
らにその上に、上記の下層保護層塗布液をポリマ−ラテ
ックスの固形分塗布量が1.31g/m2になるように
画像形成層塗布液と共に同時重層塗布した。その後でそ
の上に上記の上層保護層塗布液をポリマ−ラテックスの
固形分塗布量が3.02g/m2になるように塗布し、
熱現像画像記録材料Sa.−1からSa.−13を作製
した。塗布時の乾燥は、恒率過程、減率過程とも乾球温
度70〜75℃、露点8〜25℃、液膜表面温度35〜
40℃の範囲で、水平乾燥ゾ−ン(塗布機の水平方向に
対し支持体が1.5°〜3°の角度)で行った。乾燥後
の巻取りは温度25±5℃、相対湿度45±10%の条
件下で行われ、巻き姿はその後の加工形態(画像形成層
面側外巻:直径3インチの紙巻芯に幅59cm、長さ6
1mを巻きつけ)に合わせ、画像形成層面側を外にし
た。なお、感光材料の包袋は相対湿度20〜40%(2
5℃測定)で、得られた熱現像画像記録材料の画像形成
側の膜面pHは5.0、ベック平滑度は850秒であっ
た。加工形態で25℃14日保存後、長さ方向を45c
mに裁断し、平面において立ち上がりカールを測定した
ところ、外周部で2mm、巻芯部で15mmであった。
【0180】
【化4】
【0181】《評価》 (1)帯電防止効果の評価 上記方法により作成した熱現像画像記録材料を25℃、
相対湿度10%の雰囲気下に24時間放置して調湿した
後、相対湿度10%の雰囲気下で20mに裁断し、簡易
巻き替え機でラインスピード20m/分で巻き替えを1
0回行い、そのまま、露光を与えずに熱現像機にて12
0℃で45秒間熱現像処理を行った。帯電防止効果の小
さいサンプルは、静電気由来の黒ポツの発生が見られ
た。黒ポツの発生レベルを目視にて5段階に分類した。
点数は高いほど帯電防止効果が優れており、3以下のレ
ベルが、製造工程、処理工程で通常の使用形態で黒ポツ
が問題となるレベルである。
【0182】(2)寸度安定性の評価 上記方法により作成した熱現像画像記録材料を25℃、
相対湿度75%の雰囲気下に24時間放置して調湿した
後、全面を曝光し、処理前の試料(サイズ5cm×25
cm:長軸が処理方向)に200mmの間隔を置いて、
直径8mmの穴を2個開け、1/1000mm精度のピ
ンゲージを用いて、2個の穴の間隔を正確に測定した。
このときの寸法をX(単位mm)とする。ついで、25
℃、相対湿度75%の雰囲気下で図1に示した熱現像機
を用いて、120℃30秒の現像条件で熱現像処理した
後、25℃、相対湿度75%の雰囲気下に放置し、24
0分後の寸法をピンゲージにて測定した。このときの寸
法をY(単位mm)とした。以下の式にしたがって、寸
法変化率を求めた。実用上、寸度変化率は0.02%以
下が好ましい。寸法変化率(%)=[(Y−X)/20
0]×100の値で評価した。結果を表1に示す。
【0183】
【表1】
【0184】内部導電層を形成することにより静電気由
来の黒ポツは減少するが、バック層側に内部導電層を形
成しただけでは黒ポツを十分なレベルにまで抑制するい
ことはできなかった。これに対して、画像形成層側に内
部導電層を形成する本発明によれば黒ポツを十分なレベ
ルに抑制することができ、本発明の目的を達成すること
ができる。また、防水層を形成することで、熱現像後の
寸度変化を効果的に抑えることができた。
【0185】
【発明の効果】本発明の熱現像画像記録材料は、低湿下
で搬送した場合であっても、静電気由来の黒ポツが発生
せず、十分な品質を維持することができる。また、防水
層を有する本発明の好ましい熱現像画像記録材料は、熱
現像後の吸湿による寸法変化を十分に抑制することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 熱現像機の一構成例を示す側面図である。
【符号の説明】 10 熱現像画像記録材料 11 搬入ローラー対 12 搬出ローラー対 13 ローラー 14 平滑面 15 加熱ヒーター 16 ガイド板 A 予備加熱部 B 熱現像処理部 C 徐冷部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に少なくとも1層の画像形成層
    を有する熱現像画像記録材料において、支持体に対して
    画像形成層側に内部導電層を持つことを特徴とする熱現
    像画像記録材料。
  2. 【請求項2】 内部導電層がアンチモンがドープされた
    SnO2粒子を含有することを特徴とする請求項1の熱
    現像画像記録材料。
  3. 【請求項3】 支持体上の両面に防水層を持つことを特
    徴とする請求項1または2の熱現像画像記録材料。
  4. 【請求項4】 支持体に対して画像形成層と反対側の層
    が、2層で構成されることを特徴とする請求項1〜3の
    いずれかの熱現像画像記録材料。
  5. 【請求項5】 少なくとも一方の最外層に含まれる全バ
    インダーの50質量%以上がポリマーラテックスである
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかの熱現像画像
    記録材料。
  6. 【請求項6】 少なくとも一方の最外層が含フッ素界面
    活性剤を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか
    の熱現像画像記録材料。
  7. 【請求項7】 少なくとも一方の最外層が滑り剤を含む
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれかの熱現像画像
    記録材料。
  8. 【請求項8】 画像形成層が有機銀塩と還元剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1〜7のいずれかの熱現像画像記
    録材料。
JP2000047082A 2000-02-24 2000-02-24 熱現像画像記録材料 Pending JP2001235835A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047082A JP2001235835A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 熱現像画像記録材料

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000047082A JP2001235835A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 熱現像画像記録材料

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001235835A true JP2001235835A (ja) 2001-08-31

Family

ID=18569390

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000047082A Pending JP2001235835A (ja) 2000-02-24 2000-02-24 熱現像画像記録材料

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001235835A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2001264929A (ja) 熱現像感光材料
JP2001056522A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2001249425A (ja) 熱現像感光材料および画像形成方法
JP2002365757A (ja) 熱現像感光材料
JP2002296729A (ja) 熱現像感光材料
JP4012757B2 (ja) 熱現像感光材料
JP3974308B2 (ja) 高速熱現像感光材料およびその画像形成方法
JP2001235835A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2001154309A (ja) 熱現像感光材料の画像形成方法
JP2001075228A (ja) 熱現像感光材料
JP2002296724A (ja) 熱現像感光材料
JP2001305696A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2004302145A (ja) 熱現像画像記録材料の切断方法
JP2001281795A (ja) 高速熱現像感光材料およびその画像形成方法
JP2001235836A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2001209144A (ja) 熱現像感光材料
JP2002296727A (ja) 熱現像感光材料
JP2001235837A (ja) 熱現像画像記録材料
JP2002278020A (ja) 熱現像感光材料
JP2001337414A (ja) 熱現像感光材料
JP2002049126A (ja) 熱現像感光材料
JP2001249427A (ja) 熱現像感光材料および熱現像画像形成方法
JP2001272742A (ja) 熱現像感光材料
JP2002258432A (ja) 熱現像感光材料
JP2002258440A (ja) 熱現像感光材料の製造方法