JP2001233899A - 抗菌及び抗真菌ペプチド - Google Patents

抗菌及び抗真菌ペプチド

Info

Publication number
JP2001233899A
JP2001233899A JP2000052040A JP2000052040A JP2001233899A JP 2001233899 A JP2001233899 A JP 2001233899A JP 2000052040 A JP2000052040 A JP 2000052040A JP 2000052040 A JP2000052040 A JP 2000052040A JP 2001233899 A JP2001233899 A JP 2001233899A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
peptide
amino acid
antibacterial
acid sequence
seq
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000052040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3661549B2 (ja
Inventor
Shunji Natori
俊二 名取
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by RIKEN Institute of Physical and Chemical Research filed Critical RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Priority to JP2000052040A priority Critical patent/JP3661549B2/ja
Publication of JP2001233899A publication Critical patent/JP2001233899A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3661549B2 publication Critical patent/JP3661549B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A50/00TECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE in human health protection, e.g. against extreme weather
    • Y02A50/30Against vector-borne diseases, e.g. mosquito-borne, fly-borne, tick-borne or waterborne diseases whose impact is exacerbated by climate change

Landscapes

  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた抗菌又は抗真菌活性を有する新規なペ
プチドと、該ペプチドを含有する抗菌剤又は抗真菌剤を
提供する。 【解決手段】 少なくとも下記のアミノ酸配列の何れか
を含むペプチド、上記ペプチドの修飾ペプチドであっ
て、上記ペプチドと同様の抗菌及び抗真菌活性を有する
修飾ペプチド、又はその塩。 (a)配列番号1〜12の何れかに記載のアミノ酸配
列:又は (b)配列番号1〜12の何れかに記載のアミノ酸配列
において1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は
挿入したアミノ酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗
真菌活性を示すアミノ酸配列。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌及び/又は抗
真菌活性を有するペプチド、並びに該ペプチドを含有す
る抗菌剤及び抗真菌剤に関するものである。より詳細に
は、本発明は、センチニクバエ(Sarcophaga peregrin
a)由来で抗菌活性を示す26-kDaプロテアーゼ(26-kDa
protease)の部分ペプチド、並びに該部分ペプチドを含
有する抗菌剤及び抗真菌剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】昆虫の体腔内に細菌や真菌が侵入する
と、該細菌等に対して殺菌作用又は増殖阻害作用を示す
タンパク質あるいはペプチドが体液中に誘導生産される
ことが知られている。従来より、上記のような昆虫類の
独自の生体防御機構に着目し、昆虫由来のタンパク質及
びペプチドの研究開発が盛んに行われてきた。例えば、
セクロピン又はディフェンシンは、カブトムシに由来す
る抗菌ペプチドとして既に報告されている(BioEssays
第13巻pp657〜pp663 1991年,Proceedings of the Nati
onal Academy of Science of U.S.A.第8576 pp262〜266
1989年,Biochimica Biophysica Acta 第1132巻 pp203
〜pp206 1992年)。殊に最近においては、耐性菌や新種
細菌の増加に伴い、新たな抗菌剤並びに抗真菌剤の開発
に対するニーズが医薬品、化粧品及び食品等を含む広範
囲の産業界から高まっており、研究対象も多岐に亘って
いる。
【0003】本発明者らはこれまでに、ニクバエ科のセ
ンチニクバエ(Sarcophaga peregrina)の蛹中期のみに
出現し、中腸内に局在するタンパク質としてグラム陽性
菌に対して強い抗菌活性を示すタンパク質(本明細書中
以下において26-kDaプロテアーゼと称する)を抽出及び
同定した(The Journal of Biological Chemistry, Vo
l.272, No.38, pp.23805-23810, 1997)。またこのタン
パク質のcDNAクローニングの結果、この26-kDaプロ
テアーゼは全部で239アミノ酸残基から構成されるタ
ンパク質であることが分かっている(The Journal of B
iological Chemistry, Vol.272, No.38, pp.23805-2381
0, 1997)。26-kDaプロテアーゼは、トリプシン様のプ
ロテアーゼ活性を有すると同時にグラム陽性細菌に選択
的な抗菌活性を有することから、蛹中期に起きる幼虫中
腸の崩壊と、その際に漏出する幼虫腸内細菌の排除とい
う2つの機能を併有するタンパク質であると考えられて
いる(FEBS Letters, 425 (1998), 131-133)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、26-kDa
プロテアーゼを構成するアミノ酸配列の一部から成る部
分ペプチドの抗菌活性に関する報告はなされておらず、
いかなる部分ペプチドが抗菌活性又は抗真菌活性を示す
か否かについては不明であった。また、26-kDaプロテア
ーゼは、グラム陽性菌に対して選択的な抗菌活性を示し
たが、グラム陰性菌や真菌に対しては効果的な抗菌活性
を示さなかったため、より広い抗菌スペクトルを有する
新規な抗菌・抗真菌ペプチドの研究開発が望まれてい
た。本発明は上記課題を解決するためになされたもので
ある。即ち、本発明が解決しようとする課題は、上記26
-kDaプロテアーゼの部分ペプチドから成り、優れた抗菌
活性及び/又は抗真菌活性を有する新規なペプチドを提
供するとともに、該ペプチドを含有する抗菌剤又は抗真
菌剤を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明者らは26-kDaプロテアーゼのアミノ酸配列を
12個の部分ペプチドに分割し、各ペプチドの抗菌活性
を検討した結果、優れた抗菌スプクトルを示す20アミノ
酸残基からなるペプチド(26-kDaプロテアーゼの部分配
列から成るペプチド)を見出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】即ち、本発明によれば、少なくとも下記の
アミノ酸配列の何れかを含むペプチド、上記ペプチドの
修飾ペプチドであって、上記ペプチドと同様の抗菌及び
抗真菌活性を有する修飾ペプチド、又はその塩が提供さ
れる。 (a)配列番号1〜12の何れかに記載のアミノ酸配
列:又は (b)配列番号1〜12の何れかに記載のアミノ酸配列
において1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は
挿入したアミノ酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗
真菌活性を示すアミノ酸配列。 本発明の好ましい態様では、少なくとも下記のアミノ酸
配列の何れかを含むペプチド、上記ペプチドの修飾ペプ
チドであって、上記ペプチドと同様の抗菌及び抗真菌活
性を有する修飾ペプチド、又はその塩が提供される。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列:又は (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗真菌活性を示す
アミノ酸配列。 本発明の好ましい態様では、少なくとも配列番号1に記
載のアミノ酸配列を含むペプチド、上記ペプチドの修飾
ペプチドであって、上記ペプチドと同様の抗菌及び抗真
菌活性を有する修飾ペプチド、又はその塩が提供され
る。本発明のさらに好ましい態様では、少なくとも配列
番号1に記載のアミノ酸配列を含むペプチド又はその塩
が提供される。
【0007】本発明の別の側面によれば、上記した本発
明のペプチド、修飾ペプチド又はその塩を有効成分とし
て含有する医薬が提供される。本発明のさらに別の側面
によれば、上記した本発明のペプチド、修飾ペプチド又
はその塩を有効成分として含有する抗菌剤、並びに抗真
菌剤が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施態様及び実施
方法について詳細に説明する。ニクバエ科のセンチニク
バエ(Sarcophaga peregrina)の蛹中期における幼虫中
腸内でのみ出現するポリペプチドである26-kDaプロテア
ーゼは、セリンプロテアーゼの1つであるトリプシンに
類似した酵素活性を有するとともに、グラム陽性細菌に
対して選択的な抗菌活性を発揮する全部で239個のア
ミノ酸から構成される直鎖上のポリペプチドである。
【0009】本発明のポリペプチドは26-kDaプロテアー
ゼの部分ペプチド又はその変異体に関するものであり、
具体的には、(a)配列番号1〜12(好ましくは配列
番号1)に記載のアミノ酸配列:又は(b)配列番号1
(好ましくは配列番号1)に記載のアミノ酸配列におい
て1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入し
たアミノ酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗真菌活
性を示すアミノ酸配列;の何れかを少なくとも含むペプ
チド、又は上記ペプチドの修飾ペプチドであって、上記
ペプチドと同様の抗菌及び抗真菌活性を有する修飾ペプ
チドである。本明細書において、「少なくとも含む」と
は、(a)配列番号1〜12(好ましくは配列番号1)
に記載のアミノ酸配列:又は(b)配列番号1〜12
(好ましくは配列番号1)に記載のアミノ酸配列におい
て1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入し
たアミノ酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗真菌活
性を示すアミノ酸配列;の何れかのアミノ酸配列が本発
明のペプチドのアミノ酸配列の一部として含まれていれ
ばよいことを意味し、抗菌活性又は抗真菌活性を発揮す
る限りは、上記(a)又は(b)に記載のアミノ酸配列
のN末端及び/又はC末端に追加のアミノ酸配列が付加
されていてもよいことを意味する。但し、本発明の一実
施態様としては、上記(a)又は(b)に記載のアミノ
酸配列のみから成るペプチドが提供される。
【0010】配列番号1に記載のアミノ酸配列は、26-k
DaプロテアーゼのN末端のアミノ酸であるイソロイシン
(I)を第1番とし、C末端のアミノ酸であるグリシン
(G)を第239番とした場合、第155番のアルギニ
ン(R)から第174番のリジン(K)までの全部で2
0個のアミノ酸から成るアミノ酸配列である。従って、
本発明のペプチドは、例えば、配列番号1に記載のアミ
ノ酸配列のN末端側に26-kDaプロテアーゼの第154番
目以前の1又は複数のアミノ酸の配列を有しているもの
でもよく、及び/又は配列番号1に記載のアミノ酸配列
のC末端側に26-kDaプロテアーゼの第175番目以降の
1又は複数のアミノ酸の配列を有しているものでもよ
い。配列番号1以外の配列番号に記載のアミノ酸配列に
ついても同様に、それぞれのアミノ酸配列の前後のアミ
ノ酸配列を含むものでもよい。
【0011】本発明のペプチドが有するアミノ酸配列の
一実施態様を配列番号1〜12(好ましくは配列番号
1)に示すが、本発明の別の実施態様によれば、配列番
号1〜12(好ましくは配列番号1)に記載のアミノ酸
配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/
又は挿入したアミノ酸配列であって、抗菌活性及び/又
は抗真菌活性を示すアミノ酸配列を少なくとも含むペプ
チドが提供される。上記の「1から数個」の範囲は特に
は限定されないが、例えば、1から10個、好ましくは
1から7個、さらに好ましくは1から5個、特に好まし
くは1から3個程度を意味する。
【0012】上記した本発明のペプチドの修飾ペプチド
であって、上記した本発明のペプチドと同様の抗菌及び
抗真菌活性を有する修飾ペプチドも本発明の範囲内のも
のである。上記の修飾ペプチドにおいて、「修飾」とい
う用語は、化学的修飾及び生物学的修飾を含めて最も広
義に解釈しなければならない。修飾の例としては、例え
ば、アルキル化、エステル化、ハロゲン化、又はアミノ
化などの官能基導入、酸化、還元、付加、又は脱離など
による官能基変換、糖化合物(単糖、二糖、オリゴ糖、
若しくは多糖)又は脂質化合物などの導入、リン酸化、
あるいはビオチン化などを挙げることができるが、これ
らに限定されることはない。
【0013】上記した(b)配列番号1〜12に記載の
アミノ酸配列において1から数個のアミノ酸が欠失、置
換及び/又は挿入したアミノ酸配列を含むペプチド、又
は修飾ペプチドが抗菌活性又は抗真菌活性を有するかど
うかは、本明細書の実施例に詳細かつ具体的に記載した
試験方法によって、又は上記試験方法に適宜の改変や修
飾を加えることにより、当業者が容易に確認可能であ
る。
【0014】さらにまた、上記した本発明のペプチドの
塩も本発明の範囲内のものである。本発明のペプチドの
塩としては、生理学的に許容される酸付加塩または塩基
性塩が好ましい。酸付加塩としては、例えば、塩酸、リ
ン酸、臭化水素酸、硫酸などの無機酸との塩、あるいは
酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コ
ハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香
酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸などの有機
酸との塩が挙げられる。塩基性塩としては、例えば、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウ
ム、水酸化マグネシウムなどの無機塩基との塩、あるい
はカフェイン、ピペリジン、トリメチルアミン、ピリジ
ンなどの有機塩基との塩が挙げられる。塩は、塩酸など
の適切な酸、あるいは水酸化ナトリウムなどの適切な塩
基を用いて調製することができる。例えば、水中、又は
メタノール、エタノール若しくはジオキサンなどの不活
性な水混和性有機溶媒を含む液体中で、標準的なプロト
コルを用いて処理することにより調製することができ
る。なお、処理温度は通常0〜100℃であるが、室温
が好ましい。
【0015】本発明のペプチド又はその塩の化学合成を
行う場合は、ペプチドの合成の常法手段によって合成で
きる。例えば、アジド法、酸クロライド法、酸無水物
法、混合酸無水物法、DCC 法、活性エステル法、カルボ
イミダゾール法、酸化還元法等が挙げられる。また、そ
の合成は、固相合成法及び液相合成法のいずれをも適用
することができる。すなわち、本発明のペプチド又はそ
の塩を構成し得るアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生
成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することによ
り目的とするペプチド又はその塩が合成される。縮合方
法や保護基の脱離としては、公知のいずれの手法を用い
てもよい[例えばBodanszky, M and M.A. Ondetti, Pept
ideSynthesis, Interscience Publishers, New York (1
966)、Schroeder and Luebke, The Peptide, Academic
Press, New York (1965)、泉屋信夫他, ペプチド合成の
基礎と実験, 丸善(1975)等を参照]。
【0016】反応後は、通常の精製法、例えば溶媒抽
出、蒸留、カラムクロマトグラフィー、液体クロマトグ
ラフィー、再結晶などを組み合わせて本発明のペプチド
又はその塩を精製することができる。また、本発明のペ
プチド又はその塩は、C末端が通常カルボキシル(-COO
H)基又はカルボキシレート(-COO-)であるが、C末端が
アミド(-CONH2)又はエステル(-COOR)であってもよい。
ここで、エステルにおけるRとしては、炭素数1〜12の
アルキル基、炭素数3〜10のシクロアルキル基、炭素6
〜12のアリール基、炭素数7〜12のアラルキル基などが
挙げられる。さらに、本発明のペプチド又はその塩に
は、N末端のアミノ基が保護基で保護されているもの、
あるいは糖鎖が結合した糖ペプチドなどの複合ペプチド
等も含まれる。
【0017】本発明のペプチドの別の製造方法として
は、本発明のペプチドのアミノ酸配列をコードする遺伝
子を利用して、遺伝子工学的手法により微生物細胞、植
物細胞、動物細胞などの宿主において組み換えタンパク
質(ペプチド)として生産する方法が挙げられる。得ら
れた粗合成ペプチドは、ゲル濾過、逆相HPLC、イオ
ン交換カラム精製など通常のタンパク質又はペプチド精
製に用いられる手段を用いて精製することが可能であ
る。
【0018】本発明のペプチドは、例えば米飯、パンな
どの腐敗を起こす枯草菌(Bacillussubtilis)、化膿性
炎症や食中毒の原因菌である黄色ブドウ球菌(Staphylo
coccus aureus)等のグラム陽性菌のほか、食中毒の原
因菌として知られる大腸菌(Escherichia coli)、サル
モレラ菌(Salmonella typhi)、赤痢菌(Shigella fle
xneri)、感染の原因菌である緑膿菌(Pseudomonas aer
uginosa)、肺炎桿菌(Klebsiella pneumoniae)等のグ
ラム陰性菌、さらには内因感染の原因となるカンジダ・
シュードトロピカリス(Candida pseudotropicalis)や
カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)などの真
菌に対しても広く抗菌及び抗真菌スペクトルを有する
(実施例の表3参照)。なお、本発明のペプチドの抗菌
活性又は抗真菌活性の測定は方法は特に限定されない。
例えば、検定菌として上記した何れか1種以上の菌を用
いて、平板培地での増殖阻止円の形成を指標としたり、
あるいは液体培地中で適当な期間のインキュベーション
後に培地の濁度を測定することなどにより抗菌活性や抗
真菌活性を測定することができる。
【0019】次に本発明のペプチドの抗菌特性及び該ペ
プチドを含有する抗菌剤又は抗真菌剤について説明す
る。本発明のペプチドは、後述する実施例から明らかな
ように、グラム陽性菌のみならず、グラム陰性菌や真菌
類に対しても抗菌活性を示す。また、本発明のペプチド
が真核細胞に対して発揮する毒性は、原核細胞に比べて
低いことからヒトを含む動植物への投与に適している。
さらに、本発明のペプチドは、塩化ナトリウム濃度が上
昇した場合であっても、抗菌活性は維持されることか
ら、医薬品として使用した場合には嚢胞性線維症(Cyst
ic Fibrosis)の新たな感染症治療薬として期待できる
ものである。
【0020】また本発明のペプチドは、そのままで又は
医薬製造分野で通常使用される各種の固体担体、液体担
体、乳化分散剤等に含有させた形で抗菌剤又は抗真菌剤
として使用することができる。具体的には、本発明のペ
プチドを医薬組成物形態の抗菌剤又は抗真菌剤として使
用する場合には、その製剤形態は、使用目的や使用対象
に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤、丸
剤、散剤、液剤、懸濁剤、乳剤、顆粒剤、カプセル剤、
坐剤、注射剤(液剤、懸濁剤等)等の形態で用いること
ができる。
【0021】また、錠剤形成に際して使用する担体とし
ては、例えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、
尿素、デンプン、炭化カルシウム、カオリン、結晶セル
ロース、ケイ酸等の賦形剤、水又はアルコール類を含ま
せたデンプン、ゼラチン、カルボキシメチルセルロース
ナトリウム(CMC-Na)、メチルセルロース(MC)、ヒド
ロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース(HPMC)、リン酸カルシウム、ポリ
ビニルピロリドン等の結合剤、乾燥デンプン、寒天末、
ラミナラン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、ラウ
リル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、デ
ンプン、乳糖等の崩壊剤、白糖、ステアリン、カカオバ
ター、水素添加油糖の崩壊制御剤、第4級アンモニウム
塩基、ラウリル硫酸ナイト、コロイド状ケイ酸等の吸着
剤、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ酸末、ポリエチ
レングリコール等の滑沢剤等を使用することができる。
さらに錠剤は必要に応じて通常の剤皮を施した錠剤、例
えば糖皮錠、ゼラチン被包錠、腸溶皮膜フィルムコーテ
ィング錠又は二重錠、多層錠とすることができる。
【0022】また本発明のペプチドを注射剤として調製
する場合には、液剤、乳剤及び懸濁剤は殺菌され、かつ
血液と等張であることが好ましく、これらの形態に成形
するに際しては、希釈剤として水、エチルアルコール、
プロピレングリコール、エトキシ化イソステアリルアル
コール、ポリオキシ化イソステアリルアルコール、ポリ
オキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類等を使用す
ることができ、また必要に応じて亜硫酸水素ナトリウ
ム、ピロ亜硫酸ナトリウム等の安定剤、カルボキシメチ
ルセルロース、アルギン酸ナトリウム、モノステアリン
酸アルミニウム等の懸濁化剤、塩化ナトリウム、ブドウ
糖、グリセリン等の等張化剤、パラオキシ安息香酸エス
テル類、ベンジルアルコール、クロロブタノール等の保
存剤のほか、溶液補助剤、緩衝剤、無痛化剤等を配合し
て使用することもできる。
【0023】上記各形態の医薬組成物の中には、さらに
必要に応じて慣用されている着色剤、香料、風味剤、甘
味剤等を配合することができ、また他の医薬品有効成分
を含有させても構わない。本発明のペプチドを抗菌剤又
は抗真菌剤として用いる場合、該ペプチドを一般的には
0.001〜90重量%、好ましくは0.001〜80重量%の割合で
包含させて使用する。
【0024】本発明の抗菌剤及び抗真菌剤はヒトを含む
哺乳動物に投与することができる。投与経路は経口投与
でも非経口投与でもよい。本発明の抗菌剤及び抗真菌剤
の投与量は患者の年齢、性別、体重、症状、及び投与経
路などの条件に応じて適宜増減されるべきであるが、一
般的には、有効成分量として成人一日あたり1μg/kg
から1,000mg/kg程度の範囲であり、好ましくは
10μg/kgから100mg/kg程度の範囲である。
上記投与量は一日一回投与しても一日に数回に分けて投
与してもよい。また投与期間及び投与間隔も特に限定さ
れず、毎日投与してもよいしあるいは数日間隔で投与し
てもよい。
【0025】さらに、本発明のペプチドは、医薬品とし
てのみならず、食品、飼料、化粧品等のように人又は動
物の体内に摂取され、または体表面に適用される製品、
その他一般に細菌又は真菌の増殖を防止又は抑制するこ
とが望まれるあらゆる製品に配合して使用することがで
きる。また、本発明のペプチドを含む抗菌剤又は抗真菌
剤を製品又は原料素材の表面処理に用いることもでき
る。具体的には、食品(例えばチュウインガム、生菓子
等)、医薬品(例えば、目薬、乳房炎治療薬、水虫薬
等)、医薬部外品(例えば口中洗浄剤、制汗剤、養毛剤
等)、各種化粧品(例えば整髪料、ハンドクリーム、乳
液等)、各種歯磨用品(例えば、歯ブラシ等)、各種生
理用品(例えばナプキン、タンポン等)、各種ベビー用
品(例えば紙オムツ等)、各種高齢者用品(例えば入れ
歯固定剤、成人用紙オムツ等)、各種洗剤(例えば石
鹸、シャンプー、リンス、洗濯用洗剤等)、各種除菌用
品(キッチン又はトイレ用除菌クリーナー等)、ペット
飼料(例えば、ドッグフード、キャットフード等)、各
種家畜試料、各種養魚飼料、各種建築材料、各種塗料、
各種農園芸用品、並びにそれらの原料となる素材、その
他一般に細菌、真菌等の微生物の増殖の防止、抑制が望
まれるあらゆる物品に添加、配合、噴霧、付着、被覆、
含浸等を行ってもよく、またその他一般に微生物の増殖
防止、抑制が望まれるあらゆる物品の処理に用いること
もできる。以下の実施例により本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例により特に限定され
るものではない。
【0026】
【実施例】実施例1:26-kDaプロテアーゼ由来の部分ペ
プチドのスクリーニング 以下の12種類の部分ペプチド(ペプチド1からペプチ
ド12)を合成した。なお、アミノ酸番号については、
26-kDaプロテアーゼのN末端のアミノ酸であるイソロイ
シン(I)を第1番とし、C末端のアミノ酸であるグリ
シン(G)を第239番として第1番から第239番まで
をN末端からC末端まで順番に付けた。 ペプチド1(Peptide 1):イソロイシン(I)からリ
ジン(K)(第1番〜第20番)まで(配列番号2); ペプチド2(Peptide 2):グリシン(G)からトレオ
ニン(T)(第21番〜第41番)まで(配列番号3); ペプチド3(Peptide 3):アラニン(A)からアスパ
ラギン酸(D)(第42番〜第61番)まで(配列番号
4); ペプチド4(Peptide 4):アルギニン(R)からメチ
オニン(M)(第62番〜第78番)まで配列番号5); ペプチド5(Peptide 5):ヒスチジン(H)からアス
パラギン酸(D)(第79番〜第97番)まで(配列番号
6); ペプチド6(Peptide 6):トレオニン(T)からプロ
リン(P)(第98番〜第112番)まで(配列番号7); ペプチド7(Peptide 7):アスパラギン(N)からグ
ルタミン酸(E)(第113番〜第133番)まで(配列番号
8); ペプチド8(Peptide 8):グリシン(G)からグルタ
ミン(Q)(第134番〜第153番)までを(配列番号
9); ペプチド9(Peptide 9):アルギニン(R)からリジ
ン(K)(第155番〜第174番)まで(配列番号1)、 ペプチド10(Peptide 10):グルタミン(Q)からグ
リシン(G)(第175番〜第214番)まで(配列番号1
0); ペプチド11(Peptide 11):アルギニン(R)からプ
ロリン(P)(第195番〜第214番)まで(配列番号1
1); ペプチド12(Peptide 12):グリシン(G)からグリ
シン(G)(第215番〜第234番)まで(配列番号12) 合成したペプチド1からペプチド12の配列の一覧表を
以下の表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】上記で合成したペプチド1からペプチド12
の抗菌活性を次の方法により試験した。先ず、黄色ブド
ウ球菌(Staphylococcus aureus(Cowan strain))を培
養液(Triptic soy broth)中で、37℃、5時間〜16時
間培養した後、対数増殖期に集菌して10mMリン酸緩衝
液(pH5.5)中で1×104CFU/mlとなるように懸濁調整
した。次いでこの溶液180〜360μlに各種のペプチド20
〜40μlを加え、37℃で1時間インキュベートした。そ
の後、各溶液をサンプリングして吸光光度計により吸光
度(A650)を測定した。対象は、各種のペプチドを加
える代わりに精製水を用いて行った。抗菌活性は、対象
の菌体増殖と比較して10%有効量(ED10)を与えると
きのペプチド濃度をもって示した。その結果を表2に示
した。
【0029】
【表2】
【0030】表2から明らかなように、前記26-kDaプロ
テアーゼのアミノ酸配列のうち第155番から第174番まで
のアミノ酸を含むペプチド9が、最も高い抗菌活性を示
すことが判明した。
【0031】実施例2:ペプチド9の抗菌スペクトルの
測定 ペプチド9の抗菌スペクトルについては、次の方法によ
り評価した。グラム陽性細菌として黄色ブドウ球菌(St
aphylococcus aureus(Cowan)又はStaphylococcus aureu
s(Smith))、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(Methicil
lin-resistant Staphylococcus aureus:MRSA(MS1652
6))、枯草菌(Bacillus subtilis(PCI219))及びコリ
ネバクテリウム属(Corynebacterium boivis(1810))、
グラム陰性細菌として大腸菌(Escherichia coli(NIH
J))、サルモレラ菌(Salmonella typhi(T-63))、赤痢
菌(Shigella flexneri40(JS1811))、緑膿菌(Pseudom
onas aeruginosa(A3))及び肺炎桿菌(Klebsiella pneu
moniae(PCI102))を0.1%ポリペプトン中に、真菌類と
してCandida pseudotropicalis、Candida albicans 314
7、及びCandida albicans QC strainをSAAMF培養
液中に各々106CFU/mlになるように懸濁し、各濃度のペ
プチド9を10μl加え、4時間〜24時間、最適温度で
インキュベーションした。インキュベーション後に濁度
を測定することにより、菌を増殖させない最小阻止濃度
(MIC)を決定した。その結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】表3から理解されるように、ペプチド9は
グラム陽性菌のみならず、グラム陰性菌や真菌に対して
も抗菌作用を示し、26-kDaプロテアーゼよりも広い抗菌
スペクトルを有することが分かった。
【0034】実施例3:ペプチド9の抗菌活性に関与す
る部分構造の解析 ペプチド9の部分構造体の抗菌活性については、次の方
法により評価した。抗菌活性の発現に必要なアミノ酸配
列を特定する目的で、ペプチド9をさらに2つに分けた
ペプチドを合成した(図1参照)。すなわち、後半部
(C末端側)の疎水性アミノ酸部位を短くしたペプチド
をP3.1(アミノ酸配列第155番〜第167番)と
し、当該後半部の疎水性アミノ酸を含むペプチドをP
3.2(アミノ酸配列第168番〜第174番)とし
て、それぞれペプチド合成し、各抗菌活性を測定した。
また、P3.1の前半部(N末端)にシステイン(C)
を挿入したペプチドをcP3.1として合成し、P3.1
との比較において抗菌活性を測定した。これらの測定結
果を図2に示した。
【0035】図2から明らかなように、P3.1の抗菌
活性は保持されるものの減弱し、P3.2については抗
菌活性は認められなかった。疎水性アミノ酸部位を短く
するとペプチド9の抗菌活性が減弱することから、ペプ
チド9の抗菌活性の発現には後半部の疎水性アミノ酸部
位の長さも必要であり、両親媒性構造であることが重要
であることが示唆された。また、cP3.1について
は、P3.1より約10倍高い抗菌活性が認められたこ
とから、N末端へのシステイン残基の付加は、抗菌活性
の向上に寄与する可能性がある。
【0036】実施例4:走査型電子顕微鏡によるペプチ
ド9の抗菌作用の解析 ペプチド9の一次構造上の特徴は前半に塩基性アミノ酸
が多く、後半に疎水性アミノ酸が多い両親媒性構造であ
ることである。この特徴、並びに26-kDaプロテアーゼが
ブドウ球菌の細胞膜に対して傷害活性をもつことなどか
ら、ペプチド9の作用点は細胞膜であると推測された。
そこで、黄色ブドウ球菌と大腸菌にペプチド9を作用さ
せた場合の膜に対する影響を以下の方法により評価し
た。108CFU/mlの黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aure
us(Cowan))及び大腸菌(Escherichia coli(ML35p))に3
5μg/mlのペプチド9を入れた後、37℃で1時間インキ
ュベートした。次いでこれらの試料をポリ-L-リジン処
理したカバーグラス上で、2.5%グルタルアルデヒド・
2%パラホルムアルデヒド/PBSにより4℃で30分間
固定した後、さらに2%OsO4で後固定し、エタノール
で脱水処理した。次にこれらの試料を酢酸イソアミルで
置換処理し、フレオン13を使用して臨界点乾燥をした
後、銀ペーストで試料台に貼付け、オスミウムプラズマ
コートしてから、走査型電子顕微鏡により各菌の表面を
観察した。ペプチド9作用後の各菌の走査型電子顕微鏡
写真を図3に示す。
【0037】図3から理解されるように、ペプチド9の
作用により黄色ブドウ球菌(図3の(a1)及び(a2))及
び大腸菌(図3の(b1)及び(b2))の膜表面に複数の突起
物が生じていることから(図3の(a1)(b1)参照)、ペプ
チド9は細菌膜に傷害を与えることにより抗菌作用を発
現することが分かった。
【0038】実施例5:ペプチド9による細菌膜の透過
性亢進作用 実施例4の走査型電子顕微鏡による観察の結果から、ペ
プチド9は細菌膜を傷害する活性を有することが示され
たので、ペプチド9の作用により細菌膜の透過性の亢進
が生じることが推測され、ペプチド9の作用による大腸
菌の外膜及び内膜の透過性の変化を検討した。ペプチド
9による細菌膜の透過性の変化については、LEHRERらの
方法(Journal Immunol Methods 第108号 pp153〜pp158
1988,Journal Clin. Invest.第84号pp553〜pp561)に
従って行った。大腸菌(Escherichia coli(ML35p))
は、プラスミドpBR322を保持し、ペリプラズムにβ-ラ
クタマーゼを発現している。サイトプラズムにβ-ガラ
クトシダーゼを発現しているが、ラクトースパーミアー
ゼを欠損しているためβ-ガラクトシダーゼの基質であ
るONPGを取りこめない。外膜と内膜の透過性の亢進
は、それぞれPADAC、ONPGの分解を測定するこ
とにより測定できる。
【0039】先ず、大腸菌(Escherichia coli(ML35
p))を培養液(triptic soy broth)中で37℃、5時間
又は16時間培養した後、集菌して10mMリン酸ナトリ
ウム緩衝液(pH7.4)中に1×108CFU/ml(OD(Optica
l densty)620=0.35)になるように懸濁した。次いで96
穴マイクロタイタープレートを用いて37℃、10mMリン
酸ナトリウム緩衝液(pH7.4)150μl中に2.5mMのON
PG又は50μMのPADAC、1×107CFU/mlの大腸菌
(Escherichia coli(ML35p))、35μg/mlのペプチド9
を含む条件下で懸濁してOD415を測定した。その結果
を図4及び図5に示す。
【0040】図4から分かるように、ペプチド9の添加
量に依存して、β−ラクタマーゼ活性及びβ−ガラクト
シダーゼ活性ともに増大したことから、ペプチド9の作
用により大腸菌の外膜と内膜の透過性が亢進しているこ
とが判明した。また図5から分かるように、ペプチド9
の作用により大腸菌全体の酵素活性は遥かに上昇してい
るものの、菌体の遠心上清ではほとんど酵素活性が検出
されない。図4及び図5に示す結果から、ペプチド9の
作用点は細菌膜であり、細菌膜の透過性を亢進させるこ
とにより細菌内部の低分子物質等の流出等がおこり、細
菌の致死作用が発現するものと考えられる。
【0041】実施例6:ペプチド9によるリポソーム膜
の透過性の亢進作用 ペプチド9の作用点が細胞膜であることを検証する目的
で、さらにグルコースをトラップした大腸菌型のリポソ
ーム膜に対しての亢進作用を検討した。リポソームは中
嶋らの方法に従って調製した(Journal biological Che
misutry 第262号 pp1665〜pp1669)。すなわち、リン脂
質の組成は大腸菌の内膜の組成に類似させたもの(フォ
スファチジルエタノールアミン(PE):ペプチドグリ
カン(PG):カルジオリピン(CL)=7:2:1)を
用い、2μmolのリン脂質を試験管で乾燥させた後、0.3
Mグルコース200μlを加え、ボルテックスミキサーによ
り多層ラメラ構造のリポソームを調製した。次いでこの
リポソームを130mMの塩化ナトリウムを含むリン酸ナト
リウム緩衝液(pH7.0)で3回洗浄し、この緩衝液200
μl中に分散させて、リポソーム溶液とした。リポソー
ム溶液10μl中に各種ペプチド溶液(ペプチド9、cP
3.1、P3.1及びP3.2)10μlを加え、室温で1時
間インキュベートした後、130mMの塩化ナトリウムを含
むリン酸ナトリウム緩衝液(pH7.0)20μlを加えて、8,
000rpmで5分間遠心分離し、その上清(20μl)中のグ
ルコース量をグルコースB-テスト(和光純薬工業)で
測定した。測定結果を図6に示す。
【0042】図6の結果から分かるように、ペプチド9
の場合、添加量に依存してグルコースの放出が検出さ
れ、リポソーム膜の透過性が亢進していた。また、ペプ
チド9とその部分構造体の抗菌活性の強さ(ペプチド9
>cP3.1>P3.1>P3.2)とリポソームの透過性
亢進作用の強さ(ペプチド9>cP3.1>P3.1>P
3.2)に相関関係が認められたことから、ペプチド9
の作用点が細菌膜であることが強く示唆される。
【0043】実施例7:ペプチド9の二次構造の解析 ペプチド9の二次構造から抗菌メカニズムを考察する目
的で、CD及びNMRを用いてペプチド9の二次構造を
解析した。先ず、ペプチド9が特徴的な二次構造を形成
するかどうかを調べる目的で、0.5mg/mlのペプチド9を
水、疎水性環境を想定したMeOH溶液中及び膜環境を
想定したSDSミセル(臨界ミセル濃度8mM×20,×6
0,×100:160,480,800mM)溶液に溶かし、200〜250nmの
波長で円偏光二色性(CD)スペクトルを測定した。次
にペプチド9(3.4mg/400μlMeOH)をサンプルとし
て、DQF-COFY,TOCSY,NOESYを238K
でNMR装置を用いて測定し、プロトンシグナルの部位
特異的帰属を行った。主鎖プロトンの残基間のNOE
(Nuclear Overhauser effect;核オーバーハウザー効
果)パターンから、2次構造を決定した。
【0044】その結果、円偏光二色性(CD)では、M
eOH、SDSミセル溶液中において二層性のスペクト
ルが観察されたことから、ペプチド9がα-ヘリクス構
造を有することが分かった。さらにNMRにおけるNO
Eパターン解析から、ペプチド9は、疎水性環境を想定
したMeOH中で第6番目のリジン(K)から第18番目
のロイシン(L)にかけてα-ヘリクス構造をとること
が確認できた。また、ペプチド9においては疎水性アミ
ノ酸がα-ヘリクス構造の一方側に多く、親水性アミノ
酸がα-ヘリクス構造の反対側に多い両親媒性α-へリッ
クス構造を形成することが分かった。図7にペプチド9
のα−ヘリックス断片(第6番目のリジン(K)から第
18番目のロイシン(L))までのSchiffer-Edmundsonの
車輪図を示す。図7から分かるように射、車輪図の上半
円側に疎水性アミノ酸(I,F,M,L,A,G,V)
が、下半円側に親水性アミノ酸(N,K,D,C)がそ
れぞれ多く集中していることが明らかになった。従っ
て、ペプチド9は両親媒性のα−ヘリックス構造を形成
して細菌膜と相互作用することにより、膜の透過性を亢
進させることが示唆された。
【0045】実施例8:塩濃度のペプチド9の抗菌活性
に与える影響 塩化ナトリウム(NaCl)及び塩化マグネシウム(Mg
Cl2)の濃度がペプチド9の抗菌活性に与える影響を以
下の方法により評価した。大腸菌(Escherichia coli(W
3110))を培養液(LB both)中で、37℃、5時間〜16
時間培養した後、集菌して10mMリン酸緩衝液(pH7.
4)中で1×104CFU/mlとなるように懸濁調整した。次い
でこの懸濁溶液180〜360μlにペプチド9 20〜40μlと
所定濃度となるように塩化ナトリウム溶液又は塩化マグ
ネシウム溶液を加え、37℃で1時間インキュベーション
した。その後、これらの溶液100μlを各々摂取し、吸光
光度計により吸光度(A650)を測定した。塩濃度と抗
菌活性の関係を図8に示した。図8から明らかなよう
に、塩化ナトリウム又は塩化マグネシウム濃度の上昇に
伴い、生存する大腸菌の数が増加しているが、塩化ナト
リウムでは120mM、塩化マグネシウムでは3mMの濃度
中においても50%の抗菌活性を維持できることが分かっ
た。これより本発明のペプチドは、塩素イオンの細胞内
への出入りに関与する輸送機構の欠陥により正常値(80
mM)より塩濃度が120mMまで上昇する嚢胞性線維症(C
ystic fibrosis)の感染症治療薬としての用途の可能性
が新たに見出された。
【0046】実施例9:ペプチド9のヒト乳癌細胞を用
いた細胞毒性の検討 ペプチド9が真核細胞に対して毒性をもつかどうかを、
ヒト乳癌細胞に対する毒性を代謝活性を指標にして調べ
た。5%FCS-RPMI培地で培養したヒト乳癌細胞
(MCF7)からRPMI培地を除去し、5mlのリン酸
緩衝液食塩水で2回洗浄した後、0.2mMのEDTAを含
有する0.05%トリプシン溶液0.2mlを加え、37℃で3分
間インキュベーションした。次いで5%FCS-RPM
I培地1mlを採取して15ml遠心チューブに回収した。1,
000rpmで5分間の遠心分離し、上清を除去した後、5%
FCS-RPMIに懸濁して1ウエル当り10,000個の菌
数となるよう調整した。次いでこれを37℃で1日培養し
た後、ペプチド9(0、1、10μM)又はメリチン(Me
llitin)(0、1、10μM)を100μl加えて、37℃で3
日間培養した。上清を除去して1ウエル当り100μlの10
%アラマブルーを添加し2又は5時間後に吸光度(A57
0−A600)を測定した。その測定結果を図9に示した。
【0047】図9より明らかなように、メリチンはヒト
乳癌細胞に対して強い代謝阻害作用を有するが、ペプチ
ド9はヒト乳癌細胞に対して10μM(24μg/ml)におい
ても代謝阻害を起こさないことが分かった。ペプチド9
の黄色ブドウ球菌と大腸菌に対する最小阻止濃度(MI
C)値は、それぞれ1.56μg/ml、12.5μg/mlであること
を考慮すれば(表3参照)、ペプチド9の真核細胞に対
する毒性は原核細胞に比べてかなり低いことが明らかに
なった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、グラム陽性菌、グラム
陰性菌及び真菌に対して抗菌・抗真菌活性を有する新規
なペプチド及び該ペプチドを含有する抗菌剤及び抗真菌
剤を提供することができる。また、本発明のペプチドは
高塩濃度下においても抗菌活性を維持することができる
ので、嚢胞性線維症(Cystic fibrosis)などの治療剤
として有用である。さらに、本発明のペプチドは真核細
胞に対する毒性が低いので人体に対して副作用の少ない
抗菌剤及び抗真菌剤を提供することができる。
【0049】
【配列表】
SEQUENCE LISTING <110> Rikagaku Kenkyujo <120> An antibacterial and antifungal peptide <130> A01104MA <160> 12
【0050】 <210> 1 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 1 Arg Asn Thr Arg Tyr Lys Asn Lys Ile Phe Asp Val Met Leu Cys Ala 5 10 15 Gly Leu Val Lys 20
【0051】 <210> 2 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 2 Ile Val Gly Gly Thr Gln Val Arg Gln Asn Lys Tyr Pro Trp Thr Ala 5 10 15 Gln Leu Val Lys 20
【0052】 <210> 3 <211> 21 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 3 Gly Arg His Tyr Pro Arg Leu Phe Cys Gly Gly Ser Leu Ile Asn Asp 5 10 15 Arg Tyr Val Leu Thr 20
【0053】 <210> 4 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 4 Ala Ser His Cys Val His Asn Asn Arg Asp Gln Ile Thr Val Arg Leu 5 10 15 Leu Gln Leu Asp 20
【0054】 <210> 5 <211> 17 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 5 Arg Ser Ser Arg Asp Pro Gly Ile Thr Arg Gln Val Ser Lys Val Ile 5 10 15 Met
【0055】 <210> 6 <211> 19 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 6 His Pro Gln Tyr Asp Pro Val His Ile Thr Asn Asp Val Ala Leu Leu 5 10 15 Arg Leu Asp
【0056】 <210> 7 <211> 15 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 7 Thr Pro Val Pro Phe Asn Asp Lys Ile Arg Pro Val Cys Leu Pro 5 10 15
【0057】 <210> 8 <211> 21 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 8 Asn Lys Asn His Asn Phe Asp Asn Lys Asp Ala Ile Val Ala Gly Trp 5 10 15 Gly Leu Ile Lys Glu 20
【0058】 <210> 9 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 9 Gly Gly Val Thr Ser Asn Tyr Leu Gln Glu Val Thr Val Pro Ile Ile 5 10 15 Thr Asn Gln Gln 20
【0059】 <210> 10 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 10 Gln Gly Gly Lys Asp Ala Cys Gln Gly Asp Ser Gly Gly Pro Leu Ile 5 10 15 Val Asn Glu Gly 20
【0060】 <210> 11 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 11 Arg Tyr Lys Leu Ala Gly Val Val Ser Phe Gly Phe Gly Cys Ala Gln 5 10 15 Ala Asn Ala Pro 20
【0061】 <210> 12 <211> 20 <212> PRT <213> Artificial Sequence <220> <223> Synthetic Peptide <400> 12 Gly Val Tyr Ala Arg Val Ser Lys Phe Leu Asp Trp Ile His Asn Asn 5 10 15 Ser Arg Asp Gly 20
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のペプチドとその部分構造体のアミノ酸
配列を示す図である。
【図2】本発明のペプチドとその部分構造体の抗菌活性
を示すグラフである。
【図3】本発明のペプチドを作用させた場合と作用させ
ない場合の黄色ブドウ球菌と大腸菌の細菌膜の状態を示
す写真である。a−1)はペプチド9を作用させた黄色
ブドウ球菌、a−2)はペプチド9を作用させない黄色
ブドウ球菌、b−1)はペプチド9を作用させた大腸
菌、b−2)はペプチドを作用させない黄色ブドウ球菌
を示す。
【図4】本発明のペプチドによる大腸菌の外膜及び内膜
の透過性亢進作用を表すグラフである。
【図5】本発明のペプチドによる大腸菌膜の透過性亢進
作用(遠心上清の活性)を示すグラフである。
【図6】本発明のペプチドとその部分構成体によるリポ
ソーム膜の透過性亢進作用を示すグラフである。
【図7】本発明のペプチドの一部のアミノ酸配列におけ
るSchiffer-Edmundsonの車輪図である。
【図8】本発明のペプチドの抗菌活性に対する塩濃度の
影響を示すグラフである。
【図9】本発明のペプチドのヒト乳癌細胞に対する細胞
毒性を示すグラフである。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも下記のアミノ酸配列の何れか
    を含むペプチド、上記ペプチドの修飾ペプチドであっ
    て、上記ペプチドと同様の抗菌及び抗真菌活性を有する
    修飾ペプチド、又はその塩。 (a)配列番号1〜12の何れかに記載のアミノ酸配
    列:又は (b)配列番号1〜12の何れかに記載のアミノ酸配列
    において1から数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は
    挿入したアミノ酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗
    真菌活性を示すアミノ酸配列。
  2. 【請求項2】 少なくとも下記のアミノ酸配列の何れか
    を含むペプチド、上記ペプチドの修飾ペプチドであっ
    て、上記ペプチドと同様の抗菌及び抗真菌活性を有する
    修飾ペプチド、又はその塩。 (a)配列番号1に記載のアミノ酸配列:又は (b)配列番号1に記載のアミノ酸配列において1から
    数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は挿入したアミノ
    酸配列であって、抗菌活性及び/又は抗真菌活性を示す
    アミノ酸配列。
  3. 【請求項3】 少なくとも配列番号1に記載のアミノ酸
    配列を含むペプチド、上記ペプチドの修飾ペプチドであ
    って、上記ペプチドと同様の抗菌及び抗真菌活性を有す
    る修飾ペプチド、又はその塩。
  4. 【請求項4】 少なくとも配列番号1に記載のアミノ酸
    配列を含むペプチド又はその塩。
  5. 【請求項5】 請求項1から4の何れか1項に記載のペ
    プチド、修飾ペプチド又はその塩を有効成分として含有
    する医薬。
  6. 【請求項6】 請求項1から4の何れか1項に記載のペ
    プチド、修飾ペプチド又はその塩を有効成分として含有
    する抗菌剤。
  7. 【請求項7】 請求項1から4の何れか1項に記載のペ
    プチド、修飾ペプチド又はその塩を有効成分として含有
    する抗真菌剤。
JP2000052040A 2000-02-28 2000-02-28 抗菌及び抗真菌ペプチド Expired - Fee Related JP3661549B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000052040A JP3661549B2 (ja) 2000-02-28 2000-02-28 抗菌及び抗真菌ペプチド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000052040A JP3661549B2 (ja) 2000-02-28 2000-02-28 抗菌及び抗真菌ペプチド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001233899A true JP2001233899A (ja) 2001-08-28
JP3661549B2 JP3661549B2 (ja) 2005-06-15

Family

ID=18573616

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000052040A Expired - Fee Related JP3661549B2 (ja) 2000-02-28 2000-02-28 抗菌及び抗真菌ペプチド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3661549B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019009426A1 (ja) * 2017-07-03 2019-01-10 学校法人獨協学園獨協医科大学 抗菌又は抗真菌ペプチド及び抗菌又は抗真菌薬
CN114920803A (zh) * 2022-05-23 2022-08-19 东北农业大学 一种抗酶解分枝状抗真菌肽Cap-CRKP及其制备方法和应用
CN114989260A (zh) * 2022-05-31 2022-09-02 东北农业大学 一种抗酶解抗真菌肽ir2及其制备方法和应用

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2019009426A1 (ja) * 2017-07-03 2019-01-10 学校法人獨協学園獨協医科大学 抗菌又は抗真菌ペプチド及び抗菌又は抗真菌薬
CN114920803A (zh) * 2022-05-23 2022-08-19 东北农业大学 一种抗酶解分枝状抗真菌肽Cap-CRKP及其制备方法和应用
CN114920803B (zh) * 2022-05-23 2023-08-18 东北农业大学 一种抗酶解分枝状抗真菌肽Cap-CRKP及其制备方法和应用
CN114989260A (zh) * 2022-05-31 2022-09-02 东北农业大学 一种抗酶解抗真菌肽ir2及其制备方法和应用

Also Published As

Publication number Publication date
JP3661549B2 (ja) 2005-06-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5775260B2 (ja) 選択的に標的化された抗菌性ペプチドおよびその使用
KR101899552B1 (ko) 전복에서 유래한 항균 펩타이드 유사체 및 이를 포함하는 항균용 약학 조성물
JP5140579B2 (ja) 病原菌に対する生体防御を増強するヒアルロン酸結合性ペプチド
JPH09507501A (ja) 殺菌性/透過性が向上したタンパク質の機能領域に由来する生物学的に活性なペプチドおよびその使用
KR102224929B1 (ko) 해삼에서 분리한 항균 펩타이드로부터 유래한 신규 항균 펩타이드 및 이의 용도
JP2001520631A (ja) 抗真菌性ペプチド
PT750506E (pt) Compostos antimicrobianos de largo espectro e metodos para a sua utilizacao
EP1614691B1 (en) Antibacterial peptide
KR102415725B1 (ko) 신규한 항균 펩타이드 h123 및 이의 용도
JP2008534686A (ja) 黄色ブドウ球菌感染の処置におけるripの使用
KR20010052340A (ko) 인돌리시딘 유사체 및 그 사용 방법
EP3932936A1 (en) Polypeptide having antibacterial activity, composition for preventing or treating sepsis comprising same, and antibacterial composition
KR102415734B1 (ko) 신규한 항균 펩타이드 및 이의 용도
JPH10508576A (ja) 抗真菌性ペプチド
Lele et al. Comparing naturally occurring glycosylated forms of proline rich antibacterial peptide, Drosocin
US20220153789A1 (en) Novel antimicrobial peptide derived from pseudin-2 peptide and uses thereof
JP3661549B2 (ja) 抗菌及び抗真菌ペプチド
EP4129064A1 (en) Novel antibacterial peptide and use thereof
FR2841902A1 (fr) Peptides lineaires cationiques ayant des proprietes antibacteriennes et/ou antifongiques
US11648289B2 (en) Antibacterial method
US8329865B2 (en) Antimicrobially active peptides
US20220144892A1 (en) Polypeptide having antibacterial activity, composition for preventing or treating sepsis comprising same, and antibacterial composition
KR102250981B1 (ko) 항균 활성, 용혈 안정성 및 혈청 내 안정성이 증진된 항균 펩타이드 유도체
CN114650835A (zh) 高效杀灭耐药病害菌的药物及在抑制耐药病害菌中的应用
KR102608336B1 (ko) Pep27 펩타이드로부터 유래한 신규 펩타이드 및 이의 용도

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20031201

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20040415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041201

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050121

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050216

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050314

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090401

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees