JP2001233837A - 化合物およびこれを用いる組成物並びに光学フイルム - Google Patents

化合物およびこれを用いる組成物並びに光学フイルム

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JP2001233837A
JP2001233837A JP2000051089A JP2000051089A JP2001233837A JP 2001233837 A JP2001233837 A JP 2001233837A JP 2000051089 A JP2000051089 A JP 2000051089A JP 2000051089 A JP2000051089 A JP 2000051089A JP 2001233837 A JP2001233837 A JP 2001233837A
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Mitsuyoshi Ichihashi
光芳 市橋
Hiroshi Takeuchi
寛 竹内
Keiichiro Hayashi
圭一郎 林
Takekatsu Sugiyama
武勝 杉山
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 その重合体の高温使用時における光学的性質
等の特性が変化せず、また膜強度や耐スクラッチ性など
の機械的特性に優れる膜を形成しうる重合性の化合物を
提供すること。 【解決手段】 下記一般式(I)で表される化合物。 【化1】 (式中、R1ないしR4は−O(CH2nOCOCH=C
2、−O(CH2nOCOC(CH3)=CH2等を、
B、Cは−COO−、−OCO−等を、Aで示される環
は、置換(ハロゲン、トリフロロメトキシ基、ジフロロ
メトキシ基等)されていてよいフェニレン基、ビフェニ
レン基、ナフタレン基等を示す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光重合架橋性を有す
る液晶化合物、それを含有する組成物およびそれを使用
する光学フィルムに関するものであり、特に、架橋状態
において光学成分、パターニングされた構造体、または
電子成分として使用することが可能な前記液晶化合物、
組成物および光学フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】液晶化合物は液晶表示装置に使用される
以外にも、その光学的、機械強度的、電気的異方性を利
用した、位相差膜や導波路、回析格子、光学フィルタ
ー、強強度繊維、導電異方材料などの構成材料としても
盛んに研究がなされている。後者の用途の場合、液晶の
流動性がその用途にとって害となるため、これを固体化
する試みがなされている。例えば特開平5−61039
のように高分子液晶を用いて、ガラス転移温度以上に加
熱して、液晶相を示す温度領域で配向熟成を行った後、
急冷してガラス状態にして液晶分子の配向を固定化する
方法がある。また、“液晶”、3(1)、34(199
9)に記載されているような、液晶性モノマーまたはジ
アクリレートモノマーを光重合させることによって、配
向を固定化する方法も知られている。
【0003】しかし、これらの方法を用いて固定化され
た膜や構造体は、比較的低いガラス転移温度を示すため
に、高温での使用時に配向が乱れて、光学異方性などの
性質が大きく変化する。また、膜強度が小さいばかりで
なく、傷が付きやすい。さらに、溶媒などの薬品に対す
る耐久性も低いという欠点があった。また、特開平8−
104870号公報には、3官能性の重合性基を有する
重合性液晶化合物が示されている。しかし、この重合性
液晶化合物は2官能性液晶化合物との混和性が低いとい
う問題点がある。さらに、特開平7−278060号公
報には、2官能性の重合性液晶化合物を連結した形の4
官能性の重合性液晶化合物が示されている。しかし、こ
の重合性液晶化合物も屈折率の異方性が小さくなるとい
う欠点を有していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、その重合体
の高温使用時における光学的性質等の特性が変化せず、
また膜強度や耐スクラッチ性などの機械的特性に優れる
膜を形成しうる重合性の化合物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明の以
下の化合物およびこれを用いる組成物ならびに光学フイ
ルムを提供することによって解決される。 (1)下記一般式(I)で表される化合物。
【0006】
【化2】
【0007】また、XはH、F、Cl、Br、CF3
OCF3、OCHF2、CH3またはCOCH3である。 (2)上記一般式(I)で表される化合物を含有する組
成物。 (3)上記一般式(I)で表される化合物を含有する光
学フイルム。
【0008】
【発明の実施の形態】一般式(I)で示される化合物に
おいて、R1ないしR4の置換基は、R1ないしR4が同じ
置換基でもよく、またR1ないしR4がそれぞれ異なる置
換基であってもよい。本発明の上記一般式(I)で表さ
れる化合物は、たとえば以下で示すような合成スキーム
によって合成することができる。
【0009】
【化3】
【0010】
【化4】
【0011】上記合成スキームまたは該合成スキームに
準ずる工程に従い、上記a)における1−クロロ−6−
ヘキサノールを種々のα−クロロ−ω−アルカノールに
代え、また上記e)の段階で2価のフェノール性化合物
を種々代えることにより本発明の前記一般式(I)で示
される化合物を同様に合成することができる。また、R
1ないしR4がエポキシアルキルオキシ基の場合には、末
端に二重結合を有するアルキルハロゲン化物などとフェ
ノール性化合物を反応させ、さらに二重結合部分を酸化
してエポキシアルキルオキシ基とすることにより目的化
合物が得られる。
【0012】本発明の化合物は、重合性特に光重合性を
有し、かつ液晶性を有する化合物である。したがって、
本発明の化合物は、重合性モノマー特に光重合性モノマ
ーとして一般的に用いられる用途に適用可能であり、ま
た、高分子液晶が用いられる用途に適用可能である。本
発明の化合物はクロロホルム、テトラヒドロフラン、N
−メチルピロリドン等の通常の溶媒に良く溶解しまたそ
の際の粘度も高くないので、スピンコート法等の方法に
より容易に基板に被覆することができる。また、本発明
の化合物は光重合性を有するので、紫外線を照射するこ
とにより容易に重合させることができる。また、本発明
の化合物を液晶相を示す温度において重合させる(たと
えば光重合)させると、得られる重合体は光学異方性等
の異方性を示し、そしてこの重合体は、従来の2官能性
の重合性液晶化合物からの重合体に比べ硬度が優れてい
るので、従来のものより耐摩耗性の良好な光学フィルム
が得られる。また、その耐摩耗性のため、光学フィルム
に限らず、耐摩耗性が要求される種々の被覆剤に適用す
ることが可能である。この他に本発明の化合物は、その
重合性(光重合性)を利用して印刷回路板製造用、マイ
クロリソグラフィー用、光ファイバーコーティング用、
磁気記録媒体塗料用、インク用、接着剤用、歯科材用、
医科材用等に応用することができる。その際、適宜他の
重合性モノマーを組み合せて使用することができる。さ
らに、本発明の化合物は従来の重合性液晶化合物との相
溶性も良好であり、両者の混合物は、広い温度範囲にわ
たり液晶の性質を示すので、前記混合物を重合させた場
合、良好な光学異方性(複屈折)が得られる。また、従
来の重合性液晶化合物に本発明の化合物を添加して重合
させた場合、得られる膜等の強度、耐スクラッチ性(硬
度)等の機械的性質も改善される。
【0013】本発明はまた前記一般式(I)で示される
化合物を含む組成物にも関する。該組成物には、前記一
般式(I)で示される化合物の他、他の重合性モノマ
ー、従来の1または2官能性の重合性液晶化合物、高分
子液晶、光学活性あるいはコレステリック液晶化合物、
重合開始剤、色素、増感剤、界面活性剤等を含ませるこ
とができる。そして、該組成物はコレステリックカラー
フィルター、位相差膜、オーバーコート層等の他、前記
の本発明の化合物の用途において述べた用途にも使用す
ることができる。また、本発明の化合物、またはこれを
含む組成物から、カラーフィルター、位相差膜、STN
素子用光学補償膜、拡散フィルム等の光学フィルムを作
製することができる。光学フィルムは、本発明の化合
物、またはこれを含む組成物の粘度を適宜溶剤により調
節し、さらに必要に応じ重合触媒を加えた後、基体上に
塗布し重合させるなどによって作製される。
【0014】
【実施例】以下に実施例を示し本発明をさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。 実施例1 この例では、前記合成スキームに従った、1,4−フェ
ニレンビス[3,5−ビス(6−アクロイルオキシヘキ
シルオキシ)安息香酸](化合物1、上記スキームの
(6a)の化合物)の合成例を示す。なお、以下におい
て、「100ml *3」等の右上の数字は、抽出あるいは
洗浄をその数字で示される回数繰り返したことを意味す
る。a) 3,5−ビス(6−ヒドロキシヘキシルオキシ)
安息香酸メチル(2)の合成 α−レゾルシン酸メチル(1)25.5g、(0.15
mol)、炭酸カリウム168g(1.21mol)お
よびヨウ化カリウム50.0g(0.30mol)を
N,N−ジメチルホルムアミド(200ml)に分散さ
せた。ついで加温し、内温100℃付近で1−クロロ−
6−ヘキサノール170g(1.2mol)を30分か
けて滴下し、そのまま10時間撹拌した。ついで飽和食
塩水を加え、酢酸エチル(100ml*3)で抽出した。
得られた有機層を硫酸マグネシウム上で乾燥したのち溶
媒を減圧留去し、シラップ状の生成物(2)60gを得
た。
【0015】b) 3,5−ビス(6−ヒドロキシヘキ
シルオキシ)安息香酸(3)の合成 シラップ状のエステル(2)120gをエタノール(3
00ml)に溶解させ、室温で水酸化カリウム34g
(0.60mol)を水(100ml)に溶解させたも
のを加え、油浴上で80℃に加温し、3時間撹拌した。
反応液を減圧濃縮し、水を加えクロロホルム(100m
*2)で洗浄した。水層を35%塩酸で酸性化したの
ち、酢酸エチル(100ml*3)で抽出した。得られた
有機層を飽和食塩水(100ml*3)で洗浄し、さらに
硫酸マグネシウム上で乾燥したのち、溶媒を減圧留去し
た。酢酸エチル−n−ヘキサンで結晶化させ、微黄色の
結晶(3)82g(1から通し収率77%)を得た。
【0016】c) 3,5−ビス(6−アクロイルオキ
シヘキシルオキシ)安息香酸(4)の合成 ジオール体(3)10g(28.2mmol)をN,N
−ジメチルアニリン12g(100mmol)およびテ
トラヒドロフラン(以下、「THF」と省略する)(4
0ml)に溶解させ、氷冷下、塩化アクロイル8.4g
(93.1mmol)を滴下した。30分間撹拌したの
ち溶媒を減圧留去し、水を加え、塩酸酸性としたのち酢
酸エチル(50ml*3)で抽出した。さらに得られた有
機層を飽和食塩水(50ml*3)で洗浄し、硫酸マグネ
シウム上で乾燥したのち、溶媒を減圧留去した。n−ヘ
キサン−酢酸エチル(1:1v/v)を展開溶媒とする
シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行
い、無色の結晶(4)12.4g(95%)を得た。
【0017】d) 3,5−ビス(6−アクロイルオキ
シヘキシルオキシ)安息香酸クロライド(5)の合成 安息香酸誘導体(4)1.3g、(2.81mmol)
をTHF(20ml)に溶解させ、数滴のN,N−ジメ
チルホルムアミドを加えたのちTHF(5ml)に溶解
させた塩化オキザリル0.53g(4.22mmol)
を15分かけて滴下した。3時間撹拌したのち溶媒を減
圧留去し、酢酸エチル(20ml)を加えた。
【0018】e) 1,4−フェニレンビス[3,5−
ビス(6−アクロイルオキシヘキシルオキシ)安息香
酸]の合成 上記d)の反応液に、ピリジン1.0g(12.6mm
ol)および酢酸エチル(10ml)に溶解させたハイ
ドロキノン0.12g(1.12mmol)を滴下し、
3時間撹拌した。ついで反応液を5%塩酸(20m
*2)、飽和重曹水(20ml*2)、飽和食塩水(20
ml*3)で洗浄し、得られた有機層を硫酸マグネシウム
上で乾燥したのち、溶媒を減圧留去し、油状物の粗生成
物を得た。n−ヘキサン−酢酸エチル(2:1v/v)
を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマトグラフィー
により精製を行い、無色のシラップ(6a)560mg
(20%)を得た。なお、前記各合成段階における目的
化合物の構造はMassスペクトルおよび 1H−NMR
で確認した。目的化合物の1H−NMRは以下のとおり
である。1 H−NMR(CDCl3):δ(in ppm from tetramet
ylsilane ) 7.30-7.20(8H,aromatic)、6.70(2H,aromatic)、6.44-5.
80(12H,vinyl) 4.18(8H,COOCH2-)、4.00(8H,PhOCH2-)、1.85-1.45(32H,
aliphatic)
【0019】実施例2 この例では、実施例1においてハイドロキノンに代え
て、4,4’−ビフェノール1.93g(10.4mm
ol)を用い、また、n−ヘキサン−酢酸エチル(5:
2v/v)を展開溶媒とするシリカゲルカラムクロマト
グラフィーにより精製を行う他は、実施例1と同様にし
て、4,4−フェニレンビス[3,5−ビス(6−アク
ロイルオキシヘキシルオキシ)安息香酸](化合物2、
上記スキームの(6b)の化合物))を合成した。無色
油状物(6b)6.7g(60%)を得た。目的化合物
1H−NMRは以下のとおりである。1 H−NMR(CDCl3):δ(in ppm from tetramet
ylsilane ) 7.64(4H,aromatic)、7.32(4H,aromatic)、7.26(4H,arom
atic)、6.70(2H,aromatic)、6.42-5.80(12H,vinyl)、4.
18(8H,COOCH2-)、4.00(8H,PhOCH2-)、1.84-1.44(32H,al
iphatic)
【0020】実施例3 この例では、以下の合成スキームに従って、化合物3を
合成した。
【0021】
【化5】
【0022】(A体の合成)酢酸4−クロロブチル50
g(0.33mol)と3,4−ジヒドロキシ安息香酸
18.2g(0.1mol)をN,N−ジメチルアセト
アミド100mlに溶解し、炭酸カリウム45g(0.
31mol)を加えて100℃にて1時間、さらに15
0℃にて1時間加熱撹拌した。反応液を水1Lにあけ、
酢酸エチル1Lで抽出した。有機層を4%希塩酸で洗
い、有機層を減圧下にて濃縮し、油状物を得た。次の反
応にはこの油状物を特に生成せずに用いた。
【0023】(B体の合成)前記方法によって得られた
A体をエタノール200mlに溶解し、その溶液に水酸
化ナトリウム30g(0.75mol)を水200ml
に溶かしたアルカリ水溶液を加え、80℃にて1時間加
熱撹拌した。反応液を冷却後、反応液に濃塩酸75ml
と水400mlを加えた。得られた固体をろ過して、B
体を21.2g(0.071mol)得た。
【0024】(C体の合成)B体21.2g(0.07
1mol)とトリアミンエチル10.7ml(0.07
1mol)をTHF150mlに溶解し、−5℃以下に
冷却した。その溶液にアクリル酸クロリド15.4ml
(0.14mol)をTHF50mlに溶解した溶液を
反応液の温度が5℃以上にならない速度で滴下した。滴
下後室温にて1時間撹拌した。反応液を水1lにあけ、
酢酸エチル100mlで抽出した。有機層を減圧下にて
濃縮し、濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(溶出液はヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、
目的物を24.4g(0.06mol)得た。
【0025】(化合物3の合成)メタンスルホニルクロ
リド1.54ml(0.021mol)をTHF20m
lに溶解し−5℃以下に冷却した。その溶液に前記C体
8.54g(0.021mol)とエチルジイソプロピ
ルアミン3.7ml(0.02mol)をTHF10m
lに溶解した溶液を反応液の温度が5℃以上にならない
速度で滴下した。滴下後室温にて30分撹拌した。反応
液を5℃以下に冷却し、エチルジイソプロピルアミン
3.7ml(0.021mol)と4−N,N−ジメチ
ルアミノピリジン0.3g(2.4mmol)を加え、
続いて1,4−ジヒドロヘキシベンゼン1.1g(0.
01mol)のTHF10ml溶液(硫酸ナトリウムで
脱水した)を滴下した。滴下後、反応液を室温で3時間
撹拌した後、反応液を水200mlにあけ、酢酸エチル
200mlで抽出した。有機層を減圧下にて濃縮し、濃
縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶出液は
ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、目的物を
5.2g(5.8mmol)得た。融点は97℃であっ
た。
【0026】実施例4 この例では、以下に示す構造式を有する化合物4の合成
例を示す。合成は、化合物3の合成と同様に、1,4−
ジヒドロキシベンゼンのかわりに4,4’−ビフェノー
ルを用いる他は、実施例3と同様に合成を行った。この
化合物の融点は144.5℃であった。
【0027】
【化6】
【0028】実施例5 この例では、以下に示す構造式を有する化合物5の合成
例を示す。合成は、化合物3の合成と同様に、1,4−
ジヒドロキシベンゼンのかわりに2−クロロ−1,4−
ジヒドロキシベンゼンを用いる他は、実施例3と同様に
合成を行った。この化合物の融点は100℃であった。
【0029】
【化7】
【0030】実施例6 公知の重合性液晶化合物である下記構造式で示される化
合物Aに、実施例3で合成した本発明の化合物3を種々
の割合で混合し、その配合比における相転移を調べた。
【0031】
【化8】
【0032】相転移は偏光顕微鏡を用いて、テクスチャ
ーの観察によって行った。結果を図1に示す。図1にお
ける配合重量%は、化合物Aと化合物3の混合物に対す
る化合物3の配合割合(重量%)を示す。図1は、本発
明の化合物を従来の重合性液晶化合物に混合した場合で
もネマチック相を保持することを示している。すなわ
ち、たとえば化合物Aと化合物3を8:2の割合で混合
した混合物の場合、混合物の温度を上げていくと、混合
物は82℃程度の温度で結晶から液晶に変わり、温度が
82℃から130℃程度の間ではネマチック液晶相を呈
し、130℃から2、3度の温度範囲においてはネマチ
ック相とアイソトロピック相が混在し、さらにこの温度
を超えると均一なアイソトロピック相になることを表し
ている。図1から、従来の重合性液晶化合物に本発明の
化合物を添加した場合でも広い温度範囲においてネマチ
ック相が達成できることが分かる。またこのことは本発
明の化合物は、従来の重合性液晶化合物との相溶性が良
好であることを示している。
【0033】この結果をもとに、下記の液晶組成物を調
製した。 化合物A 80重量部 化合物3 20重量部 イルガキュア907(チバガイギー社製) 3重量部 クロロホルム 500重量部
【0034】この溶液を、ガラス基板上に日立化成デュ
ポン社製のポリイミド配向膜LX−1400膜を形成し
てラビングを行ったものに滴下し、1000rpmでス
ピンコートをおこなった。次にこれを105℃で5分間
保持したのち、高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射
し、重合を行った。この膜はラビング方向に光学軸を有
する、光学異方性を示した。この膜のレターデーション
は550nmの波長において265nmであった。
【0035】実施例7 実施例3において合成した化合物3および従来の重合性
液晶化合物Aのそれぞれに、重合開始剤のイルガキュア
907を3重量%混合して、固形分が18重量%になる
ようにCHCl3で希釈して、2種類の溶液を調製し、
それぞれガラス基板上に滴下して800rpmでスピン
コートした。次にこれらを170℃に加熱し、その温度
で高圧水銀ランプを用いて紫外線を照射し、重合を行っ
た。(なお、この例では、170℃に加熱した状態で重
合を行っているので、アイソトロピック相を示し、液晶
相は存在しない。) これらの重合膜の固さを(株)アカシ社製 微小表面材
料特性評価システムMZT−3を用いて測定したとこ
ろ、従来型の化合物Aでは固さ値が50であったのに対
し、本発明の化合物3では固さ値が69であり、本発明
の化合物からの重合体の硬度が優れていることが分かっ
た。また、これらの膜の引っかき強度をJIS−K54
01の方式で測定したところ、従来型の化合物Aでは硬
度はHであったのに対し、本発明の化合物3では3Hで
あった。本発明の化合物は引っかき強度においても優れ
ていることが分かった。
【0036】
【発明の効果】本発明の化合物は通常の溶媒に良く溶解
しまたその際の粘度も高くないので、スピンコート法等
の方法により容易に基板に被覆することができる。本発
明の化合物からの重合体フィルムは光学異方性等の異方
性を示し、また前記フィルムは機械的強度や硬度に優れ
ている。さらに、本発明の化合物は従来の重合性液晶化
合物との相溶性も良好であり、両者の混合物は、広い温
度範囲にわたり液晶の性質を示すので、前記混合物を重
合させた場合、良好な光学異方性(複屈折)が得られ
る。また、従来の重合性液晶化合物に本発明の化合物を
添加して重合させた場合、得られる膜の強度や耐スクラ
ッチ性等の機械的性質も改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の重合性液晶化合物に本発明の化合物を
種々の割合で混合した場合の、相転移を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/13363 G02F 1/13363 // C08J 5/18 CEY C08J 5/18 CEY (72)発明者 林 圭一郎 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 (72)発明者 杉山 武勝 静岡県富士宮市大中里200番地 富士写真 フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H091 FA11X 4F071 AA31 AH19 BC01 4H006 AA01 AA03 AB64 AB92 BT12 BT32 BV55 4H027 BD03 BD23 BD24 CF03 4J100 AL67P BA02P BA15P BB01P BC43P BC45P CA01 DA66 JA39

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される化合物。 【化1】 XはH、F、Cl、Br、CF3、OCF3、OCH
    2、CH3またはCOCH 3を示す。
  2. 【請求項2】 上記一般式(I)で表される化合物を含
    有する組成物。
  3. 【請求項3】 上記一般式(I)で表される化合物を含
    有する光学フイルム。
JP2000051089A 2000-02-28 2000-02-28 化合物およびこれを用いる組成物並びに光学フイルム Pending JP2001233837A (ja)

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