JP2001233244A - 消音装置付きエンジンルーム - Google Patents

消音装置付きエンジンルーム

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JP2001233244A
JP2001233244A JP2000050036A JP2000050036A JP2001233244A JP 2001233244 A JP2001233244 A JP 2001233244A JP 2000050036 A JP2000050036 A JP 2000050036A JP 2000050036 A JP2000050036 A JP 2000050036A JP 2001233244 A JP2001233244 A JP 2001233244A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】比較的容積が大きい共鳴型吸音器の代わりに、
比較的小さな容積の片側開口の共鳴管をエンジンルーム
内に配置して、エンジンルーム内の共鳴音を効率よく吸
音して車室内騒音及び車外騒音を低減でき、しかも、配
置した共鳴管が邪魔にならない消音装置付きエンジンル
ームを提供する。 【解決手段】エンジンルーム1Aの左右方向の定在波に
よる空洞共鳴による騒音を低減するために、片側に開口
部31a〜33aを有する前記定在波に共鳴する共鳴管31〜
33を、エンジンフード3の下面に配設すると共に、該共
鳴管31〜33の開口部31a〜33aを前記定在波のモードの
腹が発生する部位の近傍に配置して、消音装置付きエン
ジンルーム1Aを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車のエンジン
から放射される騒音を効率よく吸音できる消音装置付き
エンジンルームに関するものである。
【0002】
【従来の技術】乗用車やトラック、バス等の自動車の騒
音は、大きく分けると運転者や乗員が感じる車内騒音
と、車外の人が感じる車外騒音とがあるが、いずれも、
主な原因は、エンジルーム内で発生するエンジン騒音で
ある。このエンジン騒音はエンジンルーム経由で車室内
に伝達され、また、車外に放射されるので、この騒音の
伝搬に関して、伝搬経路に当たるエンジンルームの音響
特性が大きく影響を及ぼす。
【0003】そのため、車室内における静粛性を確保
し、車外騒音を減少するために、自動車の主要音源であ
るエンジン騒音を低減することが重要である。
【0004】図5に模式的に示すように、一般の自動車
のエンジンルーム1の構造は、上部をエンジンフード3
で、側部をフードリッジ4、フェンダー5で、また後部
を車体構造部材7に両端が接続されているカウル2及び
車室との仕切りであるダッシュパネル6等の車体部品
で、エンジン10の周囲を包囲している。
【0005】また、このエンジンルーム1の中央部には
音源であるエンジン10が存在し、騒音を発生している上
に、ダッシュパネル6とエンジン10の隙間やエンジンフ
ード3とエンジン10の隙間等大きな騒音を生じ易い部位
が集中している。
【0006】そして、エンジンの側部や下部に対して、
吸音特性や遮音特性を持たせた遮蔽カバーを配設して、
エンジンから放射されるエンジンルーム内の騒音を吸音
及び遮音して、車室内への伝搬を防止したり、車外騒音
を低減している。
【0007】しかしながら、一般に、車室内騒音では5
00Hz以下の比較的低い周波数成分の音響が問題とな
り、特に、エンジンの騒音として感じられる主成分は、
200Hzから500Hzの帯域となる。
【0008】一方、特に静粛性が重視される乗用車クラ
スの自動車においては、図6に示すエンジンルームの左
右方向の幅Bは、車両全幅の関係からほぼ1.2mから
1.4mm程度であるため、車室内騒音で問題となる周
波数域の騒音がエンジンルームの左右方向に共鳴を生じ
て定在波(定常波)となる。
【0009】この左右方向の定在波が問題となる理由
は、空洞共鳴が発生する条件として、境界面での音波の
反射が問題であり、前後方向や上下方向に関しては、ラ
ジエータや、下方の隙間の隙間があって、共鳴を生じる
過程で音圧が外部に漏れて問題となるような空洞共鳴即
ち定在波が生じ難く、一方、左右方向では吸音処理を殆
ど施していない側面のフードリッジ部分で音波が反射さ
れるので定在波が生じ易いためである。
【0010】また、左右方向の定在波に関して前後方向
の強弱を考えると、エンジンルームの前方では、音波が
逃げ易いラジエータがあるため騒音レベルが低く、一
方、後方のダッシュパネルの近傍では、騒音レベルが高
くなっている。
【0011】そして、特に問題となる定在波は、図6に
示すような、エンジンルーム1の左右方向に対する二節
モードの定在波であり、この定在波は、エンジンルーム
1の中央部M、及びエンジンルーム1の右端部R、左端
部Lにあたるフードリッジ4部分に、音圧の振幅が極大
となる音響モードの腹が来る。
【0012】そして、この腹の位置が、車室内への伝搬
や車外への騒音の放射などに関係する部分であるため、
この定在波として増幅された周波数の騒音が車室内や車
外に伝搬するので、室内騒音や車外騒音が大きくなる。
そのため、一節モードよりも二節モードの騒音が問題と
なる。
【0013】このような二節モードの騒音に対処するた
めのエンジンルーム内の消音装置の例として、特願平1
0−358055号公報では、エンジンルームにヘルム
ホルツ型の共鳴型吸音器を設定し、騒音の低減を図って
いる。
【0014】図7〜図10に示すように、この消音装置
付きエンジンルーム11、21においては、共鳴型吸音器18
C、18R、18Lをカウル12内の空間部分に設置したり、
共鳴型吸音器28C、28R、28Lをエンジンフード23の上
面即ちエンジンルーム21の外側に設置している。
【0015】そして、このエンジンルーム11、21の左右
方向の定在波の周波数に合わせて、共鳴周波数を一致さ
せた(チューニングした)共鳴型吸音器(レゾネータ)
18C、18R、18L、28C、28R、28Lを、この定在波の
腹にあたる部位のエンジンルーム11、21の左右方向の中
央部M又は中央部Mと両端部R、Lに、その共鳴型吸音
器18C〜28Lの首部82の開口部を臨ませて配設してい
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このヘ
ルムホルツ型の共鳴型吸音器は、首部82と共鳴室81とか
らなり、この共鳴室81は、共鳴周波数fに対応する容積
Vが必要であり、比較的大きくなり、構造も複雑にな
る。
【0017】また、このヘルムホルツ型の共鳴型吸音器
の共鳴周波数fは、共鳴周波数が幾つかの要素が絡む複
雑な計算となり、cを音速、dを導入孔の直径、kを導
入孔の数、Vを容積、tcを導入孔部の板厚とした場合
に、f=(c/2π)×SQRT(C0/V)となる。
但し、C0=kπ(2d)2 /(tc+β×d/2)、
β=π/2である。
【0018】一方、これらの共鳴型吸音器を配置するカ
ウル内には、通常、ワイパーシステムが設置されるため
に、消音に適した十分な容積を確保した共鳴型吸音器を
設置する事が困難であり、また、エンジンフードの上面
側に設置した場合には、共鳴型吸音器が運転者の視界を
妨げてしまうという問題がある。
【0019】つまり、この共鳴型吸音器を配設する場合
には、この共鳴型吸音器が、首部と共鳴室を有し、使用
スペースも比較的大きくなるので、自動車のエンジンル
ーム内において、この共鳴型吸音器を配置するのに適し
た場所が殆ど無いという問題がある。
【0020】本発明は、上述の問題を解決するためにな
されたもので、その目的は、比較的容積が大きい共鳴型
吸音器の代わりに、比較的小さな容積の片側開口の共鳴
管をエンジンルーム内に配置して、エンジンルーム内の
共鳴音を効率よく吸音して車室内騒音及び車外騒音を低
減でき、しかも、配置した共鳴管が邪魔にならない消音
装置付きエンジンルームを提供することにある。
【0021】
【課題を解決するための手段】以上のような目的を達成
するための消音装置付きエンジンルームは、次のように
構成される。
【0022】1)エンジンルームの左右方向の定在波に
よる空洞共鳴による騒音を低減するために、片側に開口
部を有する前記定在波に共鳴する共鳴管を、エンジンフ
ードの下面に配設すると共に、該共鳴管の開口部を前記
定在波のモードの腹が発生する部位の近傍に配置して構
成される。
【0023】2)上記の構成の消音装置付きエンジンル
ームにおいて、複数本の前記共鳴管をエンジンフードの
下面に配設するに際して、前記共鳴管の各開口部をエン
ジンルームの左右方向に関してほぼ中央に、かつ、エン
ジンルームの前後方向に関して、ダッシュパネルの近傍
に配置すると共に、前記共鳴管を多方向に向けて配設し
て構成される。
【0024】3)あるいは、エンジンルームの左右方向
の定在波による空洞共鳴による騒音を低減するために、
片側に開口部を有する前記定在波に共鳴する共鳴管を、
ダッシュパネルの前面に配設すると共に、該共鳴管の開
口部を前記定在波のモードの腹が発生する部位の近傍に
配置して構成される。
【0025】4)上記の構成の消音装置付きエンジンル
ームにおいて、前記共鳴管の開口部を、エンジンルーム
の左右方向に関してほぼ中央に配設して構成される。
【0026】5)上記の構成の消音装置付きエンジンル
ームにおいて、前記共鳴管の開口部を、エンジンルーム
の左右方向に関して、フードリッジの近傍に配設して構
成される。
【0027】6)前記低減対象の定在波のモードをエン
ジンルームの左右方向に関する二節モードとする。
【0028】7)上記の構成の消音装置付きエンジンル
ームにおいて、前記共鳴管に剛性を持たせて形成し、該
共鳴管が配設されるエンジン部材の補強部材を兼ねて構
成される。
【0029】これらの構成によれば、エンジンルームの
左右方向の定在波に共鳴する片側に開口部を有する共鳴
管を配置し、しかも、音圧の振幅が極大となる音響モー
ドの腹に、共鳴管の開口部が配設されるので、効率よく
定在波が吸音される。
【0030】また、エンジンルームの左右方向に関して
は、エンジンルームの中央部に、二節モード等の偶数モ
ードの定在波の腹が形成され、また、フードリッジの近
傍には、一節モードや二節モード等の各モードの定在波
モードの腹が形成され、エンジンルームの前後方向に関
しては、ダッシュパネルの近傍で騒音レベルが高くなっ
ており、これらの部分の近傍に共鳴管の開口部を配設し
ているので、対象としている定在波が効率よく吸音され
る。
【0031】そして、消音の対象とする定在波を二節モ
ードの定在波とする場合に、エンジンルームの左右方向
の中央部とエンジンルームの左右端に音響モードの腹が
発生するので、この部分に、片側に開口部を有する前記
二節モードの定在波に共鳴する共鳴管の開口部が臨むよ
うに、エンジンフードの下面に配設したり、あるいは、
ダッシュパネルの前面に配設するのが、効果的である。
【0032】この二節モードの定在波は、エンジン騒音
の主因となる定在波であり、中央部と左右端に腹を有す
るので、上記のように消音装置付きエンジンルームを構
成すると、特に大きな騒音低減効果を得ることができ
る。
【0033】そして、吸音装置をこの片側開口の共鳴管
で構成すると、この共鳴管は細長い形状であるので、エ
ンジンルーム内に配置し易く、複数本設けることが比較
的容易にできる。
【0034】そして、この共鳴管は、細長い管状である
ので、この共鳴管に剛性を持たせて、補強の機能を付与
すると、この共鳴管を配設したエンジンフードやダッシ
ュパネルや、その他のエンジン部材の補強部材を兼ねる
ことができ、他の補強部材を減少できる。そのため、こ
の共鳴管の設置による重量増加を、補強部材の減少によ
る重量減少で一部相殺することができ、全体としてエン
ジンルームの重量増加を抑制できる。
【0035】なお、吸音力は共鳴管の断面積で決まり、
この断面積が大きくなると、吸音力が増加する特性があ
るので、通常、この共鳴管長さLr は共鳴周波数との関
係で、また、断面積は、エンジンルーム内の他の部品と
の関係から、これらと干渉せずに配置できるように選択
されることになる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態について説明する。
【0037】一般の自動車のエンジンルーム1は、図1
〜図5に示すように、上部をエンジンフード3で、側部
をフードリッジ4やフェンダー5で、また後部をカウル
2及び車室との仕切りであるダッシュパネル6等の車体
部品で、エンジン10の周囲を包囲して形成されている。
このカウル2やダッシュパネル6は車体構造部材7に両
端が接続されている。
【0038】そして、本発明の第1の実施の形態の消音
装置付きエンジンルーム1Aは、図1と図2に示すよう
に、エンジンフード3の裏面、即ち、エンジンルーム1
Aの内側に、片側のみを開口した共鳴管31,32,33を3
本配置して構成される。
【0039】この共鳴管31,32,33は、それぞれの開口
部31a,32a,33aをエンジンルーム1Aの左右方向に
関しては、ほぼ中央部Mに向けて、また、エンジンルー
ム1Aの前後方向に関しては、ダッシュパネル6の近傍
に配置し、この3本の共鳴管31,32,33を、1本の共鳴
管31は前後方向に、他の2本の共鳴管32,33をほぼダッ
シュパネル6に平行に配置する。
【0040】つまり、共鳴管31,32,33の開口部31a,
32a,33aがダッシュパネル6の近傍で、かつ、左右方
向では中央部Mで向かい合うように、多方向に配設す
る。
【0041】なお、一般にエンジンフード3は車両前方
Fに対して低く、ダッシュパネル6に近くなる程高くな
るように傾斜しており、エンジンルーム1Aの高さ方向
の余裕は、ダッシュパネル6側になる程大きくなってい
るので、この部分に共鳴管31,32,33を設置する。
【0042】そして、この共鳴管31,32,33は、共鳴周
波数fr がエンジンルーム1Aの左右方向の共鳴周波数
fe に一致するように長さLr が設定されると共に、エ
ンジンルーム1Aにおいて、他の部品と干渉する事がな
いように、適当な大きさの径dr又は断面形状で形成さ
れる。
【0043】エンジンルームの共鳴室としての幅をBと
すると、定在波の波長λn は、nを自然数(n=1、
2、3・・)とすると、nモードでは、λn =2B/n
となり、共鳴周波数fenは、cを音速とすると、fen=
c/λn =nc/2Bとなる。
【0044】また、片側開口の共鳴管に関しては、mを
自然数(m=1、2、3・・)とすると、mモードの共
鳴周波数frmと、共鳴管の長さLrmは、frm=(2m−
1)c/(4Lrm)となり、開口端の補正が必要である
が、これを省略すると、frm=fenとして、Lrm=(2
m−1)B/(2n)となる。
【0045】そして、自動車のエンジンルーム1Aの共
鳴の幅Bを1.2m〜1.4mとし、音速を340m/
sとすると、二節モードの定在波の波長λ2 は、λ2 =
Bで、1.2m〜1.4mとなり、共鳴周波数fe2は、
283Hz〜243Hzとなる。また、この共鳴周波数
fe2に対する共鳴管31,32,33の一番短い長さLr1は、
m=1として、開口端の補正無しでLr1=λ2 /4=B
/4となり、0.3m〜0.4mとなる。
【0046】また、図3では共鳴管31〜33を別部品とし
て配設しているが、共鳴管31〜33を十分な剛性を有した
部材で構成し、エンジンフード3の構造部材を兼ねて形
成することもできる。
【0047】次に、図3と図4に示す第2の実施の形態
の消音装置付きエンジンルーム1Bでは、第1の実施の
形態の共鳴管31,32,33と同じく、エンジンルーム1B
の左右方向の共鳴周波数fe に一致する共鳴周波数fr
を有する共鳴管34,35,36,37をダッシュパネル6のエ
ンジンルーム1Bの内側に配設して構成する。
【0048】この消音装置付きエンジンルーム1Bで
は、共鳴管35,36の開口部35a,36aを、エンジンルー
ム1の左右方向に関しては、ほぼ中央部に向けて配置し
ているが、エンジンルーム1のフードリッジ4側にも共
鳴管34,37の開口部34a,37aを配置している。
【0049】このフードリッジ4側は、消音の対象とし
ている二節の共鳴モードの腹に相当する位置になり、し
かも、車外騒音への伝搬経路となっているので、ここ
に、共鳴管34,37を配設することにより、効率良く吸音
できる。
【0050】また、図3及び図4に示すこの構成におい
ても、共鳴管34〜37を剛性部材で形成し、ダッシュパネ
ル6やカウル2等のエンジン部材を補強する構造部材を
兼ねさせることもできる。
【0051】これらの共鳴管31〜37は、エンジンルーム
1A,1Bの定在波の共鳴周波数fe に対応して、同一
の長さLr で同一の共鳴周波数fr を有するように形成
してもよいが、幾つかのモードの定在波の音響エネルギ
ーを減少できるように、長さLr を変えて、これらの幾
つかの共鳴周波数fenに対応できるように構成すること
もできる。
【0052】これらの消音装置付きエンジンルーム1
A,1Bの構成により、共鳴管31〜37の吸音作用によ
り、エンジン10を音源としてエンジンルーム1A,1B
に共鳴して発生する、左右(横)方向の中央部Mやエン
ジンルーム1A,1Bの左右端R,Lに、音響モードの
腹を有する定在波を吸収して、音響エネルギーを減少さ
せて、騒音を低減することができる。
【0053】しかも、共鳴管31〜37の開口部31a〜37a
を、定在波のモードの腹が発生する部位である、エンジ
ンルーム1A,1Bの左右方向に関しては、ほぼ中央部
Mに向けて、また、エンジンルーム1A,1Bの前後方
向に関しては、騒音レベルの高い部分であるダッシュパ
ネル6の近傍に配置しているので、非常に効率よく定在
波を吸収して、音圧レベルを下げることができる。
【0054】特に、この中央部Mに臨む共鳴管31,32,
33,35,36では、乗員が居る車室内への伝搬に大きな要
因を占める中央部Mにおいて、音響エネルギーが集中す
る音響モードの腹の部分で吸音できるので、車室内騒音
の低減に著しい効果を奏することができる。
【0055】また、エンジンルーム1Bの左右端R、L
に臨む共鳴管34,37は、このサイド部分R、Lの騒音を
低減することにより、エンジンルーム11、21、31の境界
における音響エネルギーを減少できるので、車外に放射
される騒音の低減に著しい効果を奏することができる。
【0056】そして、この片側開放の共鳴管31〜37の騒
音低減効果は一般に管の径dr又は断面積に依存し、共
鳴型吸音器と同等の吸音効果を得るためには、比較的大
きな径drや大きな断面積にする必要があるが、この共
鳴管31〜37を各共鳴管31〜37は小さな径で形成すること
により、設置可能な本数を増やし、この本数の増加によ
り吸音効果を大きくしている。
【0057】従って、エンジンルーム1A,1B内の他
の部品との干渉を避けながら、吸音効果を上げることが
でき、エンジン騒音がエンジンルーム1A,1B内で共
鳴することにより発生する音圧上昇を抑制でき、騒音低
減効果を上げることができる。
【0058】更に、これらの構成の消音装置付きエンジ
ンルーム1A,1Bにおいて、共鳴管31〜37に剛性を持
たせて形成し、これらの共鳴管31〜37が配設されるエン
ジンフード1やダッシュパネル6等のエンジン部材の補
強部材を兼ねて構成した場合には、この共鳴管31〜37の
設置による重量増加を補強部材の減少による重量減少で
相殺することができるので、吸音及び消音器を設けるこ
とによるエンジンルーム1A,1Bの重量増加を抑制で
きる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る消音
装置付きエンジンルームによれば、以下のような効果を
奏することができる。
【0060】エンジンルームの左右方向の定在波に共鳴
する片側に開口部を有する共鳴管を配置し、しかも、音
圧の振幅が極大となる音響モードの腹の部分に、共鳴管
の開口部を配設するので、効率よく定在波を吸音でき
る。従って、エンジンルーム内の静粛性を著しく高める
ことができる。
【0061】特に、左右方向の中央部に開口部が臨む共
鳴管を設けると、二節モード等の偶数モードの定在波
は、乗員が居る車室内への伝搬に大きな要因を占める中
央部に腹の部分が発生するので、この部分において、音
響エネルギーを吸収できるので、車室内の騒音低減に著
しい効果を奏することができ、車室内の静粛性を高める
ことができる。
【0062】また、エンジンルームの左右端のフリード
リッジの近傍に開口部が臨む共鳴管を設けると、定在波
の腹の部分に臨んで配置されることになるので、このサ
イド部分のエンジンルームの車外との境界において効率
よく騒音を低減でき、車外に放射される騒音を少なくし
て、車外騒音の低減に効果を奏することができる。
【0063】また、特に、エンジン騒音の対策上問題と
なる二節モードの定在波は、エンジンルームの左右方向
に関しては、エンジンルームの中央部、及び、フードリ
ッジの近傍に定在波モードの腹が形成され、エンジンル
ームの前後方向に関しては、ダッシュパネルの近傍で騒
音レベルが高くなっているので、この部分に共鳴管の開
口部を配設することにより、非常に効率よくこの二節モ
ードの定在波を吸音できる。
【0064】そして、この片側開口の共鳴管は細長く、
エンジンルーム内に配置し易いので、複数本設けること
が比較的容易にでき、小さい断面積であっても多数本配
設することにより、大きな吸音力を発揮できる。
【0065】また、この共鳴管は、管状であるので、こ
の共鳴管に剛性を持たせると、この共鳴管を配設したエ
ンジンフードやダッシュパネルや、その他のエンジン部
材の補強部材を兼ねることができるので、他の補強部材
を減少できる。そのため、この共鳴管の設置による重量
増加を、補強部材の減少による重量減少で一部相殺する
ことができ、全体としてエンジンルームの重量増加を抑
制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第一の実施の形態の消音装置付き
エンジンルームを示す模式的な平面図である。
【図2】図1のU−U矢視図である。
【図3】本発明に係る第二の実施の形態の消音装置付き
エンジンルームを示す模式的な平面図である。
【図4】図3のV−V矢視図である。
【図5】エンジンルームの構造を模式的に示す正面図で
ある。
【図6】エンジンルーム内に発生する二節モードの定在
波を模式的に示す図である。
【図7】従来技術の共鳴型吸音器を備えた消音装置付き
エンジンルームを示す模式的な正面図である。
【図8】図7の消音装置付きエンジンルームを示す模式
的な側面図である。
【図9】従来技術の共鳴型吸音器を備えた他の消音装置
付きエンジンルームを示す模式的な正面図である。
【図10】図9の消音装置付きエンジンルームを示す模
式的な側面図である。
【符号の説明】
1,1A,1B エンジンルーム 2,12,22 カウル 3 エンジンフード 4,14,24 フードリッジ 5,15,25 フェンダー 10 エンジン 31〜37 共鳴管 31a〜37a 開口部 M 中央部 L 左端部 R 右端部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンルームの左右方向の定在波によ
    る空洞共鳴による騒音を低減するために、片側に開口部
    を有する前記定在波に共鳴する共鳴管を、エンジンフー
    ドの下面に配設すると共に、該共鳴管の開口部を前記定
    在波のモードの腹が発生する部位の近傍に配置したこと
    を特徴とする消音装置付きエンジンルーム。
  2. 【請求項2】 複数本の前記共鳴管をエンジンフードの
    下面に配設するに際して、前記共鳴管の各開口部をエン
    ジンルームの左右方向に関してほぼ中央に、かつ、エン
    ジンルームの前後方向に関して、ダッシュパネルの近傍
    に配置すると共に、前記共鳴管を多方向に向けて配設し
    たことを特徴とする請求項1記載の消音装置付きエンジ
    ンルーム。
  3. 【請求項3】 エンジンルームの左右方向の定在波によ
    る空洞共鳴による騒音を低減するために、片側に開口部
    を有する前記定在波に共鳴する共鳴管を、ダッシュパネ
    ルの前面に配設すると共に、該共鳴管の開口部を前記定
    在波のモードの腹が発生する部位の近傍に配置したこと
    を特徴とする消音装置付きエンジンルーム。
  4. 【請求項4】 前記共鳴管の開口部を、エンジンルーム
    の左右方向に関してほぼ中央に配設したことを特徴とす
    る請求項1又は3に記載の消音装置付きエンジンルー
    ム。
  5. 【請求項5】 前記共鳴管の開口部を、エンジンルーム
    の左右方向に関して、フードリッジの近傍に配設したこ
    とを特徴とする請求項1,3,4のいずれかに記載の消
    音装置付きエンジンルーム。
  6. 【請求項6】 前記低減対象の定在波のモードがエンジ
    ンルームの左右方向に関する二節モードであることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消音装置付き
    エンジンルーム。
  7. 【請求項7】 前記共鳴管に剛性を持たせて形成し、該
    共鳴管が配設されるエンジン部材の補強部材を兼ねるこ
    とを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の消音装
    置付きエンジンルーム。
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