JP2001231584A - 変異型ilvH遺伝子及びL−バリンの製造法 - Google Patents

変異型ilvH遺伝子及びL−バリンの製造法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】L−バリンによるフィードバック阻害を受けな
いAHAS IIIをコードするDNA、同DNAを保持する細
菌、及び同細菌を用いたL−バリンの製造法を提供す
る。 【解決手段】 L−バリンによるフィードバック阻害を
受けず、かつ、ピルビン酸からα−アセト乳酸を生成す
る反応、及び、α−ケト酪酸及びピルビン酸からα−ア
セト−α−ヒドロキシ酪酸を生成する反応を触媒する活
性を有するエシェリヒア・コリ由来のアセトヒドロキシ
酸シンターゼアイソザイムIIIをコードするDNAを保
持し、L−バリン生産能を有する細菌を培地に培養し、
該培地中にL−バリンを生成蓄積させ、該培地よりL−
バリンを採取することにより、L−バリンを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、発酵法によるL−
バリンの製造法に関し、詳しくは、L−バリンによるフ
ィードバック阻害を受けないアセトヒドロキシ酸シンタ
ーゼアイソザイムIIIをコードするDNA、同DNAを
保持する細菌、及び同細菌を用いたL−バリンの製造法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、L−バリンは、主としてブレビバ
クテリウム属、コリネバクテリウム属またはセラチア属
に属するL−バリンまたはL−ロイシン生産菌またはそ
れらの変異株を用いた発酵法により製造されている(ア
ミノ酸発酵、学会出版センター、397〜422頁、1
986年)。従来の方法により、L−バリン及びL−ロ
イシンの生産性はかなり高まってはいるが、今後のL−
バリン及びL−ロイシンの需要の一層の増大に応えるた
めには、さらに安価かつ効率的な製造法の開発が求めら
れている。
【0003】上記の細菌以外の細菌によるL−バリン生
産の例としては、エシェリヒア属に属し、生育のために
リポ酸を要求する変異または/及びH+-ATPaseを
欠損する変異を有するL−バリン生産菌、これらの性質
に加えて、少なくともilvG、ilvM、ilvE及
びilvDの各遺伝子を発現し、スレオニンデアミナー
ゼ活性を発現しないilvGMEDAオペロンを含むD
NA断片が細胞内に導入されたエシェリヒア属細菌が知
られている(WO96/06926)。
【0004】L−バリンの生合成の最終段階の反応は、
ilvGMEDAオペロンによってコードされる酵素群
によって行われる。ilvGMEDAオペロンは、il
vG、ilvM、ilvE、ilvD、ilvAの各遺
伝子を有しており、各々順に、アセトヒドロキシ酸シン
ターゼのアイソザイムIIの大サブユニット、小サブユニ
ット、トランスアミナーゼ、ジヒドロキシ酸デヒドラタ
ーゼ及びスレオニンデアミナーゼをコードしている。こ
れらの酵素のうち、アセトヒドロキシ酸シンターゼ、ト
ランスアミナーゼ及びジヒドロキシ酸デヒドラターゼ
は、ピルビン酸からL−バリンへの合成経路、及び2−
ケト酪酸からL−イソロイシンへの合成経路を触媒し、
スレオニンデアミナーゼはL−イソロイシン生合成系の
律速段階であるL−スレオニンから2−ケト酪酸への脱
アミノ化反応を触媒する。尚、ilvGMEDAオペロ
ンは、L−バリン及び/又はL−イソロイシン及び/又
はL−ロイシンによるオペロンの発現調節(アテニュエ
ーション)を受ける。
【0005】ところで、L−バリン生合成に関与するア
セトヒドロキシ酸シンターゼとしては、アイソザイムII
(以下、「AHAS II」ともいう)の他に、アイソザイムI
II(以下、「AHAS III」ともいう)が知られている。AH
AS IIIは、大サブユニット(触媒サブユニット)をコー
ドするilvIと、小サブユニット(調節サブユニット)を
コードするilvHからなるilvIHオペロンによってコード
されており、L−バリンによるフィードバック阻害を受
ける。
【0006】前記したように、AHAS IIをコードするD
NAは、すでにL−バリン生産菌の育種に利用されてい
るが、AHAS IIIについては試みた例は知られていない。
【0007】尚、L−バリンに耐性なAHAS IIIを有する
エシェリヒア・コリ変異株からクローニングされた変異
型ilvH遺伝子が、14位のグリシンからアスパラギン酸
への1アミノ酸置換を有していたことが報告されている
(Vyazmensky, M. et al., Biochemistry, 35, 10339-1
0346 (1996))。また、AHAS III変異としてilvH612が知
られている(De Felice et al., J Bacteriol., 120, 1
058-1067(1974))。同変異を有するエシェリヒア・コリ
MI262が持つilvIHオペロン中のilvH遺伝子は、29位の
AsnがLysに、92位のGlnが終始コドン(tag)にそれぞ
れ置換される変異を有している(Guardiolae et al.,
J.Bacteriol., 120, 536-538 (1974); De Felice et a
l., J Bacteriol., 120, 1068-1077(1974))。上記のよ
うに、AHASIIをコードするDNAはL−バリン生産菌の
育種に用いられてきたが、AHASIIIについては報告され
ていない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記観点から
なされたものであり、L−バリンによるフィードバック
阻害を受けないAHAS IIIをコードするDNA、同DNA
を保持する細菌、及び同細菌を用いたL−バリンの製造
法を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、L−バリン耐
性変異株から単離した変異を有する変異を有するAHAS I
IIをコードするDNAをエシェリヒア・コリに導入する
と、L−バリン生産能が向上することを見い出し、本発
明を完成するに至った。すなわち本発明は以下のとおり
である。
【0009】(1)配列表の配列番号2に示すアミノ酸
配列において、アミノ酸番号17のセリン残基に相当す
るアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換する変異、又
はアミノ酸番号17のセリン残基に相当するアミノ酸残
基が他のアミノ酸残基に置換する変異及びアミノ酸番号
14のグリシン残基に相当するアミノ酸残基の両方の変
異が他のアミノ酸残基に置換する変異の両方の変異を有
するエシェリヒア・コリ由来のアセトヒドロキシ酸シン
ターゼアイソザイムIIIの小サブユニットをコードする
DNA。 (2)アミノ酸番号17のセリン残基に相当するアミノ
酸残基の変異がフェニルアラニン残基への置換であり、
アミノ酸番号14のグリシン残基に相当するアミノ酸残
基の変異がアスパラギン酸残基への置換である(1)の
DNA。 (3)L−バリンによるフィードバック阻害を受けず、
かつ、ピルビン酸からα−アセト乳酸を生成する反応、
及び、α−ケト酪酸及びピルビン酸からα−アセト−α
−ヒドロキシ酪酸を生成する反応の2つの反応を触媒す
る活性を有するエシェリヒア・コリ由来のアセトヒドロ
キシ酸シンターゼアイソザイムIIIをコードするDN
A。 (4)前記DNAは、アセトヒドロキシ酸シンターゼア
イソザイムIIIの大サブユニット及び小サブユニットを
コードするDNAであって、前記小サブユニットは、配
列表の配列番号2に示すアミノ酸配列において、アミノ
酸番号17のセリン残基に相当するアミノ酸残基が他の
アミノ酸残基に置換する変異、アミノ酸番号29のアス
パラギン残基に相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残
基に置換する変異、アミノ酸番号91より下流のC末端
側領域を欠失する変異、又はこれらの変異及びアミノ酸
番号14のグリシン残基に相当するアミノ酸残基が他の
アミノ酸残基に置換する変異から選ばれる2又は3以上
の変異の任意の組み合わせを有する(3)のDNA。 (5)アミノ酸番号17のセリン残基に相当するアミノ
酸残基の変異がフェニルアラニン残基への置換であり、
アミノ酸番号29のアスパラギン残基に相当するアミノ
酸残基の変異がリジン残基又はチロシン残基への置換で
あり、アミノ酸番号14のグリシン残基に相当するアミ
ノ酸残基の変異がアスパラギン酸残基への置換である
(4)のDNA。
【0010】(6)前記(1)又は(3)のDNAを染
色体DNA上又はプラスミド上に保持し、かつ、L−バ
リン生産能を有する細菌。 (7)前記DNAの発現が強化された(6)の細菌。 (8)発現の強化が、前記DNAを強力なプロモーター
の制御下に置くこと、又は前記DNAのコピー数を高め
ることによるものである(7)の細菌。 (9)前記(6)の細菌を培地に培養し、該培地中にL
−バリンを生成蓄積させ、該培地よりL−バリンを採取
することを特徴とするL−バリンの製造法。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の第一のDNAは、AHAS IIIの大サブユニットと
ともにL−バリンによる阻害を受けずにアセトヒドロキ
シ酸シンターゼ活性を示すエシェリヒア・コリ由来のAH
AS IIIの小サブユニットをコードするDNAである。こ
こで、アセトヒドロキシ酸シンターゼ活性とは、ピルビ
ン酸からα−アセト乳酸を生成する反応、及び、α−ケ
ト酪酸及びピルビン酸からα−アセト−α−ヒドロキシ
酪酸を生成する反応の2つの反応を触媒する活性をい
う。エシェリヒア・コリ野生株のAHAS III小サブユニッ
トは、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列を有す
る。
【0012】上記変異は、配列表の配列番号2に示すア
ミノ酸配列において、アミノ酸番号17のセリン残基に
相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換する変
異、又はアミノ酸番号17のセリン残基に相当するアミ
ノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換する変異及びアミノ
酸番号14のグリシン残基に相当するアミノ酸残基の両
方の変異が他のアミノ酸残基に置換する変異の両方の変
異である。前記変異としては、アミノ酸番号17のセリ
ン残基に相当するアミノ酸残基においてはフェニルアラ
ニン残基への置換、アミノ酸番号14のグリシン残基に
相当するアミノ酸残基においてはアスパラギン酸残基へ
の置換が好ましい。
【0013】また、本発明の第二のDNAは、L−バリ
ンによるフィードバック阻害を受けず、かつ、ピルビン
酸からα−アセト乳酸を生成する反応、及び、α−ケト
酪酸及びピルビン酸からα−アセト−α−ヒドロキシ酪
酸を生成する反応の2つの反応を触媒する活性を有する
AHAS IIIをコードするDNAである。同DNAは、AHAS
IIIの大サブユニット及び小サブユニットをともにコー
ドする。また、前記小サブユニットは、配列表の配列番
号2に示すアミノ酸配列において、アミノ酸番号17の
セリン残基に相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基
に置換する変異、アミノ酸番号29のアスパラギン残基
に相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換する
変異、アミノ酸番号91より下流のC末端側領域を欠失
する変異、又はこれらの変異及びアミノ酸番号14のグ
リシン残基に相当するアミノ酸残基が他のアミノ酸残基
に置換する変異から選ばれる2又は3以上の変異の任意
の組み合わせを有する。以下、これらの変異を有するAH
AS III小サブユニットを、変異型AHAS III小サブユニッ
トともいう。前記変異としては、アミノ酸番号14のグ
リシン残基に相当するアミノ酸残基においてはアスパラ
ギン酸残基への置換、アミノ酸番号17のセリン残基に
相当するアミノ酸残基においてはフェニルアラニン残基
への置換、アミノ酸番号29のアスパラギン残基に相当
するアミノ酸残基においてはリジン残基又はチロシン残
基への置換が好ましい。
【0014】本発明のDNAは、エシェリヒア・コリの
L−バリン耐性変異株から得られたものであるが、野生
型のAHAS IIIをコードするDNAに、上記変異を部位特
異的変異法によって導入することによって、取得するこ
とができる。AHAS IIIは、ilvIHオペロンによってコー
ドされている。ilvIHオペロンは、例えば、エシェリヒ
ア・コリの染色体DNAを鋳型とし、配列番号3及び4
に示す塩基配列を有するプライマーを用いたPCRによ
り、ilvIHオペロンのプロモーター領域からilvH遺伝子
の3’末端までのDNA断片を増幅することにより取得
することができる。エシェリヒア・コリ野生株のilvIH
オペロンの塩基配列は知られている(Genbank/EMBL/DDB
J accession X55034)。配列番号1に、ilvH遺伝子のコ
ード領域の塩基配列を示す。
【0015】本発明のDNAによってコードされる変異
型AHAS IIIの小サブユニットは、大サブユニットととも
にL−バリンによる阻害を受けずにアセトヒドロキシ酸
シンターゼ活性を示す限り、上記変異の他に、1若しく
は複数のアミノ酸残基の置換、欠失、挿入、付加、又は
逆位を含むアミノ酸配列を有するものであってもよい。
【0016】上記のような変異型AHAS III小サブユニッ
トと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAは、
例えば部位特異的変異法によって、特定の部位のアミノ
酸が欠失、置換、挿入若しくは付加されるように塩基配
列を改変することによって得られる。また、上記のよう
な改変されたDNAは、従来知られている突然変異処理
によっても取得され得る。突然変異処理としては、AHAS
III小サブユニットをコードするDNAをヒドロキシル
アミン等でインビトロ変異処理する方法、及びAHAS III
小サブユニットをコードするDNAを保持するエシェリ
ヒア属細菌を、紫外線照射またはN−メチル−N'−ニト
ロ−N−ニトロソグアニジン(NTG)もしくは亜硝酸等の
通常人工突然変異に用いられている変異剤によって処理
する方法が挙げられる。
【0017】上記のようにしてインビトロ変異処理した
DNAを、適当な細胞でマルチコピーで発現させ、その
細胞のL−バリンに対する耐性を調べ、耐性が上昇した
ものを選択することにより、変異型AHAS III小サブユニ
ットと実質的に同一のタンパク質をコードするDNAが
得られる。また、一般にタンパク質のアミノ酸配列及び
それをコードする塩基配列は、株間、変異体、変種間で
わずかに異なることが知られているので、実質的に同一
のタンパク質をコードするDNAは、エシェリヒア属の
L−バリン耐性の種、株、変異体、変種から得ることが
可能である。
【0018】具体的には、変異処理したエシェリヒア属
細菌、又はエシェリヒア属細菌の自然突然変異株若しく
は変種から、例えば配列表の配列番号1に記載の塩基配
列を有するDNAとストリンジェントな条件下でハイブ
リダイズし、アセトヒドロキシ酸シンターゼ活性を示す
タンパク質をコードするDNAを単離することによって
も、変異型AHAS III小サブユニットと実質的に同一のタ
ンパク質をコードするDNAが得られる。ここでいう
「ストリンジェントな条件」とは、いわゆる特異的なハ
イブリッドが形成され、非特異的なハイブリッドが形成
されない条件をいう。この条件を明確に数値化すること
は困難であるが、一例を示せば、相同性が高い核酸同
士、例えば70%以上の相同性を有するDNA同士がハ
イブリダイズし、それより相同性が低い核酸同士がハイ
ブリダイズしない条件が挙げられる。
【0019】本発明の細菌は、本発明の第一のDNA又
は第二のDNAを染色体DNA上又はプラスミド上に保
持し、かつ、L−バリン生産能を有する細菌である。細
菌としては、アセトヒドロキシ酸シンターゼが関与する
L−バリン生合成系を有するものであれば特に制限され
ないが、エシェリヒア属細菌、コリネ型細菌、セラチア
属細菌等が挙げられる。エシェリヒア属細菌として具体
的には、エシェリヒア・コリが挙げられる。
【0020】本発明のDNAを細菌に導入するには、本
発明のDNAを含むプラスミドで細菌を形質転換する方
法、又は本発明のDNAを相同組換えにより染色体DN
Aに組み込む方法等がある。
【0021】本発明のDNAは、発現が強化されている
ことが好ましい。発現の強化は、本発明のDNAを強力
なプロモーターの制御下に置くこと、又は同DNAのコ
ピー数を高めることによって、行うことができる。強力
なプロモーターとしては、lacプロモーター、trp
プロモーター、trcプロモーター、tacプロモータ
ー、ラムダファージのPRプロモーター、PLプロモータ
ー、tetプロモーター、amyEプロモーター、sp
acプロモーター等が知られている。本発明のDNAの
コピー数を高めることは、マルチコピーベクター上に保
持させること、又は本発明のDNAを染色体DNA上に
多コピー存在させることによって、達成できる。マルチ
コピーベクターとしては、pBR322、pTWV22
8、pMW119、pUC19等が挙げられる。
【0022】本発明のDNAを含むベクターを宿主細菌
に導入するには、これまでに報告されている形質転換法
に従って行えばよい。例えば、エシェリヒア・コリ K
−12について報告されているような、受容菌細胞を塩
化カルシウムで処理してDNAの透過性を増す方法(Ma
ndel,M.and Higa,A.,J. Mol. Biol., 53, 159 (197
0))、あるいはバチルス・ズブチリスについて報告され
ているような、増殖段階の細胞からコンピテントセルを
調製してDNAを導入する方法( Duncan,C.H.,Wilson,
G.A.and Young,F.E., Gene, 1, 153 (1977))がある。
あるいは、バチルス・ズブチリス、放線菌類及び酵母に
ついて知られているような、DNA受容菌の細胞を、組
換えDNAを容易に取り込むプロトプラストまたはスフ
ェロプラストの状態にして組換えDNAをDNA受容菌
に導入する方法(Chang,S.and Choen,S.N.,Molec. Gen.
Genet., 168, 111 (1979);Bibb,M.J.,Ward,J.M.and Ho
pwood,O.A.,Nature, 274, 398 (1978);Hinnen,A.,Hick
s,J.B.and Fink,G.R.,Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 75
1929 (1978))、電気パルス法(特開平2-207791号公報
参照)も応用できる。
【0023】また、細菌の染色体DNA上に本発明のD
NAを導入するには、直鎖DNAを用いる方法や、温度
感受性複製起点を含むプラスミドを用いる方法などがあ
る。また、本発明のDNAを染色体上に保持する細菌か
ら、形質導入によって他の細菌の染色体に本発明のDN
Aを導入することもできる。本発明のDNAを染色体D
NA上に多コピーで導入するには、染色体DNA上に多
コピー存在する配列を標的に利用して相同組換えにより
行う。染色体DNA上に多コピー存在する配列として
は、レペティティブDNA、転移因子の端部に存在する
インバーティッド・リピートが利用できる。あるいは、
特開平2-109985号公報に開示されているように、本発明
のDNAをトランスポゾンに搭載してこれを転移させて
染色体DNA上に多コピー導入することも可能である。
【0024】本発明のDNAを導入する細菌は、元来L
−バリン生産能を有するものであってもよいし、本発明
のDNAが導入されることによってL−バリン生産能を
獲得したものであってもよい。
【0025】L−バリン生産能を有する細菌としては、
例えばエシェリヒア・コリVL1970株(米国特許第5,658,
766)等が挙げられる。また、WO96/06926に
記載されているような、生育のためにリポ酸を要求する
変異または/及びH+-ATPaseを欠損する変異を有
するL−バリン生産菌、あるいは、少なくともilv
G、ilvM、ilvE及びilvDの各遺伝子を発現
し、ilvGMEDAオペロンを含むDNA断片が細胞
内に導入されたエシェリヒア属細菌も、本発明に好適に
使用することができる。尚、ilvGMEDAオペロン
は、L−バリン及び/又はL−イソロイシン及び/又は
L−ロイシンによるオペロンの発現調節(アテニュエー
ション)を受けるので、生成するL−バリンによる発現
抑制を解除するために、アテニュエーションに必要な領
域が除去又は変異されていることが好ましい。他のアプ
ローチとして、各々相当するアミノ酸に対する親和性が
低下した(Kmが増加した)アミノアシルtRNAシンターゼ
の変異(ileS or valS)を導入することも有効であると
考えられる。また、前記オペロンは、スレオニンデアミ
ナーゼ活性を発現しないことが好ましい。
【0026】上記のような、アテニュエーションが解除
されるileS17変異を持つエシェリヒア・コリVL1970は、
ルシアン・ナショナル・コレクション・オブ・インダス
トリアル・マイクロオーガニズムス(VKPM)・デポジタ
リー GNIIgenetika(RussianNational Collection of I
ndustrial Microorganisms(VKPM)Depositary, GNIIge
netika)(住所:1, Dorozhny Proezd., 1, 113545, Mo
scow, Russia)に、VKPM B-4411の登録番号で寄託され
ている。
【0027】染色体DNAの調製、ハイブリダイゼーシ
ョン、PCR、プラスミドDNAの調製、DNAの切断
及び連結、形質転換、プライマーとして用いるオリゴヌ
クレオチドの設定等の方法は、Sambrook, J., Fritsch,
E. F., and Maniatis, T.,"Molecular Cloning", Cold
Spring Harbor Laboratory Press, 1.2 (1989)等に記
載されている。
【0028】本発明のDNAを保持し、L−バリン生産
能を有する細菌を培地に培養し、該培地中にL−バリン
を生成蓄積させ、該培地よりL−バリンを採取すること
により、L−バリンを製造することができる。
【0029】本発明における細菌の培養および培養液か
らのL−バリン採取、精製等は、従来の微生物を用いた
発酵法によるアミノ酸の製造法と同様にして行えばよ
い。培養に使用する培地としては、炭素源、窒素源、無
機物を含有し、必要があれば使用菌株が生育に要求する
栄養源を適当量含有するするものであれば、合成培地で
も天然培地でもよい。炭素源としては、グルコースやシ
ュークロースをはじめとする各種炭水化物、各種有機酸
があげられる。また使用する微生物の資化性によっては
エタノールやグリセロール等のアルコールを用いること
が出来る。窒素源としては、アンモニアや、硫酸アンモ
ニウム等の各種のアンモニウム塩類や、アミン類その他
の窒素化合物や、ペプトン、大豆加水分解物、発酵菌体
分解物等の天然窒素源を用いることが出来る。無機物と
しては、燐酸一カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナト
リウム、硫酸第一鉄、硫酸マンガン、炭酸カルシウム等
が用いられる。
【0030】培養は、振盪培養、通気撹拌培養等の好気
的条件下で行うことが好ましく、培養温度は20〜40
℃で、好ましくは30〜38℃の範囲で行う。培地のp
Hは通常5〜9の範囲であり、6.5〜7.2の範囲が
好ましい。培地のpHは、アンモニア、炭酸カルシウ
ム、各種酸、各種塩基、緩衝液などによって調整するこ
とができる。通常、1〜3日の培養によって、培養液中
に目的とするL−バリンが蓄積する。
【0031】培養終了後、培養液から菌体などの固形物
を遠心分離や膜分離法で除去し、イオン交換法、濃縮
法、晶析法等によって目的とするL−バリンを採取、精
製することができる。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。
【0033】<1>エシェリヒア・コリW3350株由来の
L−バリン耐性株 エシェリヒア・コリの野生株W3350株から、0.1mg
/mlのL−バリンを含む最少培地上で、L−バリン耐
性を有する変異株を選択した(W3350 Val0.1 R)。この
変異株のL−バリン耐性は、1mg/ml以下であっ
た。
【0034】次に、W3350 Val0.1 R株に、エシェリヒア
・コリVKPM B-513株に由来する、内部にトランスポゾン
Tn10が挿入されたロイシンオペロン(leuABCD)(leu::T
n10)を、P1形質導入した。この形質導入株W3350 Val
0.1 R leu::Tn10から、20mg/mlのL−バリン及び0.05mg/
mlのL−ロイシンを含む最少培地上で生育するようにな
った二重変異株を誘導した。
【0035】<2>L−バリン生産株VL1991の育種 L−バリン生産性を有するエシェリヒア・コリ VL1970
(VKPM B-4411))(米国特許第5,658,766)に、高濃度
のスレオニン(>40mg/ml)又はホモセリン(>5mg/m
l)に対する耐性に関与する変異(rhtA23)を有する変
異株B3996から単離した前記耐性に関与する遺伝子(米
国特許第5,705,371)を形質導入し、VL1971株を得た。
【0036】次に、VL1971株に、エシェリヒア・コリVL
478株のシュクロース資化遺伝子群をP1ファージを用
いて形質導入し、VL1972株を得た。さらに、VL1972株か
ら親株よりも生育のよい自然突然変異株VL1991株を誘導
した。
【0037】<3>VL1991株へのL−バリン耐性の導入 VL1991株に、前記のL−バリン耐性の二重変異株が有す
る変異をP1形質導入し、さらに、形質導入株からLeu+
となった自然変異株を選択し、VL1997株を得た。次に、
VL1997株に、Tn10が挿入されたilvD遺伝子(ilvD::Tn1
0)をP1形質導入してVL1997 ilvD::Tn10を得た。さら
に、VL1997 ilvD::Tn10にエシェリヒア・コリB株由来
のilvGMEDAオペロンを形質導入した。こうして得られた
VL1998株から、同株よりも生育のよい自然変異株VL1999
株を選択した。
【0038】<4>L−バリン生産株VL1999/pVL715 VL1999株をプラスミドpVL715で形質転換して、L−バリ
ン生産組換え体VL1999/pVL715を得た。プラスミドpVL71
5は、次のようにして構築した。ilv遺伝子群(ilvGMEDA
YC)を含むBamHI-XmaIII DNA断片を、これらの遺伝子を
含むプラスミドpVR12(Gavrilova et al., Biotechnolo
gy (in Russian), 4,No.5, 600-608 (1988))から切り
出し、続いてRSF1010の誘導体であるpAYC32(Chistoser
dov and Tsygankov, Plasmid,1986, v.16, pp.161-16
7)に挿入し、pAYC32のBamHI-XmaIII DNA断片と置き換
え、プラスミドpVS712を得た。次に、pVS712からプラス
ミドpVL715を、次のようにして誘導した。このプラスミ
ドは、valyl-tRNAシンセターゼに影響を与えるvalS91変
異(米国特許第5,658,766)を抑制する。pVS712をvalS9
1変異株に導入した。得られた株ValS91/pVS712は、受容
株としてバリン栄養要求性を保持している。次に、バリ
ンを含まない最少培地で生育できる「復帰変異株」を選
択した。それらのいくつかの株では、この性質はプラス
ミドpVS712に含まれるilvGMEDAYC遺伝子の変異が原因と
なっていた。復帰変異株のうちの一株からプラスミドpV
L715を単離した。pVL715を保持するエシェリヒア・コリ
は、pVS712を保持するエシェリヒア・コリに比べて、少
なくともAHAS活性が増強されている。
【0039】<5>L−バリン耐性変異の同定 W3350 Val0.1 R株及びVL1997株からilvIH遺伝子をクロー
ニングし、塩基配列を決定した。ilvIH遺伝子のクロー
ニングは、配列番号3及び4に示す塩基配列を有するプ
ライマーを用いたPCRによりilvIHオペロンのプロモータ
ー領域からilvH遺伝子の3’末端までのDNA断片を増
幅することにより行った。PCRは、94℃60秒、48℃30
秒、72℃90秒を30サイクル行った。増幅されたilvIH遺
伝子をクレノーフラグメントで処理し、pUC19ベクター
のHincII部位にクローン化し、pILVIH1及びpILVIH1,2を
得た。同様にして、W3350株から野生型ilvIHオペロンを
pUC19中にクローニングして、pILVIHを得た。
【0040】配列の比較から、W3350 Val0.1 Rの変異型i
lvIHオペロンは、配列番号1中、塩基番号50における
CからT、VL1997のそれでは配列番号1中、塩基番号5
0におけるCからT及び塩基番号41におけるGからA
への2つの置換を含むことが判明した。これらの変異に
より、17位のSerからPhe、14位のGlyからAspへのア
ミノ酸置換が生じている。17位のSerからPheへの変異
部位をilvH1変異、14位のGlyからAspへの変異部位をi
lvH2変異という。また、これらの変異を有するilvH遺伝
子をそれぞれilvH1、ilvH2、両変異を含む遺伝子をilvH
1,2という。
【0041】<6>ilvH1,2変異遺伝子のilvH1変異とil
vH2変異の分離 ilvH1,2のそれぞれの変異の作用を明らかにするため
に、PCRを用いた部位特異的突然変異誘発によってそ
れらの変異を分離した。
【0042】14位のGlyからAspへの変異のみを含む変
異型ilvH遺伝子を得るために、この変異が唯一のMluI部
位を生じるという事実を利用した(図1)。かくして、
配列番号5及び6に示す2つのプライマーを合成した。
【0043】上記プライマーを利用して、ilvH1,2遺伝
子がpUC19にクローン化されたプラスミドpILVIH1,2をPC
Rにより増幅した。その結果、両端にMluI部位を持つ約5
kbの直鎖状DNA断片が生成した。このPCR断片をMluIで切
断した後連結して、目的とする変異のみを含む環状プラ
スミドpILVIH2を得た。これについても、塩基配列解析
によって確認した。
【0044】一方、17位のSerからPheへの変異
のみを含む変異型ilvH遺伝子を得るために、配列番号7
及び8に示す塩基配列を有する2つのプライマーをデザ
インした(図2)。
【0045】これらのプライマーを利用して、野生型il
vIHオペロンを含むプラスミドpILVIHを増幅した。生成
したPCR断片は、ATT(Ileをコードする)が適当なコ
ドンATAに置換されることによって両端にStuI部位を有
する。この断片をStuIで切断した後連結し、新たに導入
された変異部位である17位のSerからPheへの変
異を含む環状プラスミドpILVIH1'を得た。これについて
も、プラスミド中のilvH1遺伝子の塩基配列決定によっ
て実証された。
【0046】<7>他のL−バリン耐性変異の同定 前記と同様にして得られたエシェリヒア・コリW3350株
由来のL−バリン耐性変異株2株からilvH遺伝子をクロ
ーニングし、塩基配列を決定した。その結果、一方の株
では配列番号1において塩基番号85のaからtへの置
換が、及び、他方の株では塩基番号87のcからaへの
置換が生じていることが判明した。これらの変異によ
り、29位のAsnがTyr又はLysにそれぞれ置換する。2
9位のAsnからTyrへの変異をilvH3、29位のAsnからLy
sへの変異をilvH4と名付けた。上記変異株からilvIHオ
ペロンをpUC19中にクローニングし、pILVIH3及びpILVIH
4を得た。
【0047】また、公知のAHAS III変異であるilvH612
(Guardiolae et al., J. Bacteriol., 120, 536-538
(1974); De Felice et al., J Bacteriol., 120, 1068-
1077(1974))を有するエシェリヒア・コリMI262 (Ilv
I-, IlvB-, IlvG-)(E. coli Genetic Stock Centerか
ら入手)からilvIHオペロンをpUC19中にクローニング
し、pILVIH262を得た。pILVIH262にクローン化された同
オペロン中のilvH遺伝子は、配列番号1において塩基番
号87のcからaへの置換、及び塩基番号274のcか
らtへの置換の2つの変異を有している(ilvH612)。こ
れらの変異により、29位のAsnがLysに、92位のGln
が終始コドン(tag)にそれぞれ置換されている。ま
た、前記ilvIHオペロン中のilvI遺伝子は変異(ilvI61
4)を有し、同遺伝子産物は酵素活性を有しない。変異
型ilvI遺伝子を含むpILVIH262のBamHI断片は、pILVIHの
野生型ilvI遺伝子を含むBamHI断片で置換し、pILVIH612
を得た。
【0048】<8>エシェリヒア・コリ野生株へのilvH
1遺伝子の導入 変異遺伝子ilvH1を、既に記載されている方法(Parker
and Marinus, Gene, 73, 531-535, 1988)を用いて、エ
シェリヒア・コリ野生株W3350の染色体に導入し、W3350
ilvH1株を得た。この株は、L−バリン耐性が1mg/mlま
で上昇した。すなわち、同株はW3350 Val0.1 R株と同レ
ベルのL−バリン耐性を示した。
【0049】このように、ilvH1遺伝子と、部位特異的
突然変異誘発によりilvH1,2変異株のilvH2変異から分離
したilvH1変異の塩基配列解析により、細胞に低レベル
のL−バリン耐性を与える変異が17位のSerからP
heへの置換であることを確認した。
【0050】<9>AHASIIIのL−バリンによる阻害に
対する耐性へのilvH変異の影響 IlvH1(17Ser→Phe)、ilvH2(14Gly→Asp)、ilvH3(
29Asn→Lys)、ilvH4( 29Asn→Tyr)、及びilvH612(29
Asn→Lys、及び92Asn→終始コドンTAG)の変異は、以下
のようにAHASIIIのL−バリンによる阻害に対する耐性
を付与する。すなわち、AHAS活性を欠損したエシェリヒ
ア・コリMI262株は、種々のilvIH遺伝子が導入される
と、様々なレベルのL−バリンに対する耐性で酵素活性
を示す(表1)。また、pILVIH2又はpILVIH612を保持す
る株のAHASは、最も高いL−バリン耐性を示した。
【0051】
【表1】
【0052】<10>L−バリン生産に対する種々のil
vH変異の作用 L−バリン生産に対する種々のilvH変異の作用を調べ
た。各変異は、前記と同様にして、VL1970株及びVL1999
/pVL715の染色体に導入した。尚、VL1970株及びVL1999
株の親株(W3350)は、ilvG遺伝子がフレームシフト変
異をもっているために活性のあるアセトヒドロキシ酸シ
ンターゼのアイソザイムII(AHAS II)を発現していな
い。一方、VL1970株及びVL1999株は活性のあるAHAS II
を発現している。
【0053】VL1970に種々のilvH変異を導入し、新規菌
株VL1970 ilvH1、VL1970 ilvH1,2、VL1970 ilvH3、VL19
70 ilvH4、VL1970 ilvH612株を得た。さらに、VL1999/p
VL715に種々のilvH変異を導入し、新規菌株VL1999 ilvH
1,2/pVL715、VL1999 ilvH3/pVL715、VL1999 ilvH612/pV
L715を得た。これらの菌株及び各々の親株を、ニュート
リエントブロスで37℃で18時間培養した。得られた
培養物0.3mlを、20×200mmの試験管中の下
記組成の発酵培地3mlに接種し、37℃で72時間、
ロータリーシェーカー(250 r.p.m.)で培養した。培養
後、培地中のL−バリンの蓄積量及び560nmにおける吸
光度を公知の方法で測定した。結果を表2及び表3に示
す。表中、ilvH+は野生型ilvH遺伝子を表す。
【0054】(発酵培地の組成(g/L)) グルコース 80 (NH4)2SO4 22 K2HPO4 2 NaCl 0.8 MgSO4・7H2O 0.8 FeSO4・7H2O 0.02 MnSO4・5H20 0.02 チアミン塩酸塩 0.2 酵母エキス(Sigma) 1.0 CaCO3 30 (CaCO3は別殺菌した。)
【0055】
【表2】表2 VL1970によるL−バリン生産に対する各
種ilvH変異の作用 ──────────────────── 菌株 OD560 L-ハ゛リン g/L ──────────────────── VL1970 19.4 10.2 VL1970 ilvH1 20.1 11.4 VL1970 ilvH1,2 19.5 12.6 VL1970 ilvH3 18.2 12.62 VL1970 ilvH4 17.2 11.7 VL1970 ilvH612 18.4 12.8 ────────────────────
【0056】
【表3】表3 VL1999/pVL715によるL−バリン生産に対
する各種ilvH変異の作用 ─────────────────────── 菌株 OD560 L-ハ゛リン g/L ─────────────────────── VL1999 ilvH+/pVL715 17.6 18.7 VL1999 ilvH1,2/pVL715 18.9 23.4 VL1999 ilvH3/pVL715 19.4 20.6 VL1999 ilvH612/pVL715 17.7 20.2 ───────────────────────
【0057】表2及び表3から、上記のilvH変異は、そ
れぞれ対応するL−バリン生産株のL−バリン生産性を
改善することがわかる、また、ilvH1及びilvH2変異を組
み合わせると、最もよい結果が得られた。
【0058】各種変異を有するilvH遺伝子を含むilvIH
オペロンを含むpUC19誘導体を、W3350株に導入した。
尚、W3350株は、ilvG遺伝子がフレームシフト変異をも
っているために、活性のあるAHAS IIが発現していな
い。得られた形質転換株はL−バリンを生産し、プラス
ミドpILVIH1,2を含む株が最も生産能が高いことが、表
4から判る。
【0059】
【表4】表4 各種ilvH変異遺伝子を有するプラスミド
を持つW3350によるL−バリン生産 ───────────────────── 菌株 OD560 L-ハ゛リン g/L ───────────────────── W3350 21.4 0 W3350/pILVIH1 13.8 2.3 W3350/pILVIH1,2 10.5 8.2 W3350/pILVIH3 11.7 5.9 W3350/pILVIH4 16.4 5.5 ─────────────────────
【0060】本発明者らは、以前、L−バリン生産菌中
のAHASの活性(主にAHAS IIにより示される)が、L−
バリン発酵中に徐々に減少していることに気づいてい
る。45℃でのAHAS IIIの半減期は144分であり、AHAS
IIの半減期は44分であることが示されている(Alexande
r-Caudle et al., J. Bacteriol. 172, 3060-3065 (199
0))。このAHAS IIIの高い熱安定性は、AHASの全体的な
熱安定性の増加に反映することが示唆される。従って、
L−バリン耐性のAHAS IIIは、AHAS IIと比べてその高
い安定性のために、L−バリン生産に対して明らかに正
の作用を有すると考えられる。
【0061】
【発明の効果】本発明により、L−バリンによる阻害が
解除されたアセトヒドロキシ酸シンターゼ及びそれをコ
ードする遺伝子が提供される。同遺伝子を保持する微生
物は、高いL−バリン生産能を有する。
【0062】
【配列表】SEQUENCE LISTING <110> 味の素株式会社(Ajinomoto Co., Inc.) <120> 変異型ilvH遺伝子及びL−バリンの製造法 <130> P-6425F <141> 2001-01-19 <150> RU-2000101678 <151> 2000-01-26 <160> 8 <170> PatentIn Ver. 2.0
【0063】 <210> 1 <211> 492 <212> DNA <213> Escherichia coli <220> <221> CDS <222> (1)..(489) <400> 1 atg cgc cgg ata tta tca gtc tta ctc gaa aat gaa tca ggc gcg tta 48 Met Arg Arg Ile Leu Ser Val Leu Leu Glu Asn Glu Ser Gly Ala Leu 1 5 10 15 tcc cgc gtg att ggc ctt ttt tcc cag cgt ggc tac aac att gaa agc 96 Ser Arg Val Ile Gly Leu Phe Ser Gln Arg Gly Tyr Asn Ile Glu Ser 20 25 30 ctg acc gtt gcg cca acc gac gat ccg aca tta tcg cgt atg acc atc 144 Leu Thr Val Ala Pro Thr Asp Asp Pro Thr Leu Ser Arg Met Thr Ile 35 40 45 cag acc gtg ggc gat gaa aaa gta ctt gag cag atc gaa aag caa tta 192 Gln Thr Val Gly Asp Glu Lys Val Leu Glu Gln Ile Glu Lys Gln Leu 50 55 60 cac aaa ctg gtc gat gtc ttg cgc gtg agt gag ttg ggg cag ggc gcg 240 His Lys Leu Val Asp Val Leu Arg Val Ser Glu Leu Gly Gln Gly Ala 65 70 75 80 cat gtt gag cgg gaa atc atg ctg gtg aaa att cag gcc agc ggt tac 288 His Val Glu Arg Glu Ile Met Leu Val Lys Ile Gln Ala Ser Gly Tyr 85 90 95 ggg cgt gac gaa gtg aaa cgt aat acg gaa ata ttc cgt ggg caa att 336 Gly Arg Asp Glu Val Lys Arg Asn Thr Glu Ile Phe Arg Gly Gln Ile 100 105 110 atc gat gtc aca ccc tcg ctt tat acc gtt caa tta gca ggc acc agc 384 Ile Asp Val Thr Pro Ser Leu Tyr Thr Val Gln Leu Ala Gly Thr Ser 115 120 125 ggt aag ctt agt gca ttt tta gca tcg att cgc gat gtg gcg aaa att 432 Gly Lys Leu Ser Ala Phe Leu Ala Ser Ile Arg Asp Val Ala Lys Ile 130 135 140 gtg gag gtt gct cgc tct ggt gtg gtc gga ctt tcg cgc ggc gat aaa 480 Val Glu Val Ala Arg Ser Gly Val Val Gly Leu Ser Arg Gly Asp Lys 145 150 155 160 ata atg cgt tga 492 Ile Met Arg
【0064】 <210> 2 <211> 163 <212> PRT <213> Escherichia coli <400> 2 Met Arg Arg Ile Leu Ser Val Leu Leu Glu Asn Glu Ser Gly Ala Leu 1 5 10 15 Ser Arg Val Ile Gly Leu Phe Ser Gln Arg Gly Tyr Asn Ile Glu Ser 20 25 30 Leu Thr Val Ala Pro Thr Asp Asp Pro Thr Leu Ser Arg Met Thr Ile 35 40 45 Gln Thr Val Gly Asp Glu Lys Val Leu Glu Gln Ile Glu Lys Gln Leu 50 55 60 His Lys Leu Val Asp Val Leu Arg Val Ser Glu Leu Gly Gln Gly Ala 65 70 75 80 His Val Glu Arg Glu Ile Met Leu Val Lys Ile Gln Ala Ser Gly Tyr 85 90 95 Gly Arg Asp Glu Val Lys Arg Asn Thr Glu Ile Phe Arg Gly Gln Ile 100 105 110 Ile Asp Val Thr Pro Ser Leu Tyr Thr Val Gln Leu Ala Gly Thr Ser 115 120 125 Gly Lys Leu Ser Ala Phe Leu Ala Ser Ile Arg Asp Val Ala Lys Ile 130 135 140 Val Glu Val Ala Arg Ser Gly Val Val Gly Leu Ser Arg Gly Asp Lys 145 150 155 160 Ile Met Arg
【0065】 <210> 3 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 3 gacatgaatg tctggttt 18
【0066】 <210> 4 <211> 19 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 4 tcaacgcatt attttatcg 19
【0067】 <210> 5 <211> 24 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 5 taaacgcgtt atcccgcgtg attg 24
【0068】 <210> 6 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 6 gccacgcgtc tgattcattt tcga 24
【0069】 <210> 7 <211> 25 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 7 ctcgaggcct tttttcccag cgtgg 25
【0070】 <210> 8 <211> 27 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:primer for PCR <400> 8 ctcgaggcct atcacgcgga aataacg 27
【図面の簡単な説明】
【図1】 14位のGlyからAspへの変異のみを含む変異
型ilvH遺伝子を得るためのPCRプライマー。
【図2】 17位のSerからPheへの変異のみを含む変異
型ilvH遺伝子を得るためのPCRプライマー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 1/21 (C12N 9/88 C12R 1:19) C12R 1:19) (C12N 9/88 (C12P 13/08 D C12R 1:19) C12R 1:19) (C12P 13/08 C12N 15/00 ZNAA C12R 1:19) C12R 1:19) (72)発明者 ナタリヤ ヴァシリエヴナ ゴルシュコヴ ァ ロシア連邦,117454,モスクワ市、コシュ トヤンツァ通り7番地、23号室 (72)発明者 アーラ ヴァレンチノヴナ ベラリョヴァ ロシア連邦,125252,モスクワ市、ノヴォ ペスチャンナヤ通り17/7番地、159号室 (72)発明者 リリナ ヴァレリエヴナ イヴァノフスカ ヤ ロシア連邦,113525,モスクワ市、ドニエ プロペトロフスカヤ通り29番地、124号室 (72)発明者 エヴゲーニ モイセエヴィッチ フルゲス ロシア連邦,109651,モスクワ市、バタイ スキ通り5番地、48号室 (72)発明者 ヴァレリ ザヴェノヴィッチ アフヴェル ジャン ロシア連邦,117593,モスクワ市、ソロヴ ィヌイ通り2番地、274号室 (72)発明者 ミハイル マルコヴィッチ グシャチネル ロシア連邦、113535、モスクワ市、ロソシ ャンスカヤ通り11番地、3号棟、59号室 (72)発明者 ユーリー イヴァノヴィッチ コズロフ ロシア連邦、117574、モスクワ市、ゴルビ ンスカヤ通り7番地、178号室

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列
    において、アミノ酸番号17のセリン残基に相当するア
    ミノ酸残基が他のアミノ酸残基に置換する変異、又はア
    ミノ酸番号17のセリン残基に相当するアミノ酸残基が
    他のアミノ酸残基に置換する変異及びアミノ酸番号14
    のグリシン残基に相当するアミノ酸残基の両方の変異が
    他のアミノ酸残基に置換する変異の両方の変異を有する
    エシェリヒア・コリ由来のアセトヒドロキシ酸シンター
    ゼアイソザイムIIIの小サブユニットをコードするDN
    A。
  2. 【請求項2】 アミノ酸番号17のセリン残基に相当す
    るアミノ酸残基の変異がフェニルアラニン残基への置換
    であり、アミノ酸番号14のグリシン残基に相当するア
    ミノ酸残基の変異がアスパラギン酸残基への置換である
    請求項1記載のDNA。
  3. 【請求項3】 L−バリンによるフィードバック阻害を
    受けず、かつ、ピルビン酸からα−アセト乳酸を生成す
    る反応、及び、α−ケト酪酸及びピルビン酸からα−ア
    セト−α−ヒドロキシ酪酸を生成する反応を触媒する活
    性を有するエシェリヒア・コリ由来のアセトヒドロキシ
    酸シンターゼアイソザイムIIIをコードするDNA。
  4. 【請求項4】 前記DNAは、アセトヒドロキシ酸シン
    ターゼアイソザイムIIIの大サブユニット及び小サブユ
    ニットをコードするDNAであって、前記小サブユニッ
    トは、配列表の配列番号2に示すアミノ酸配列におい
    て、アミノ酸番号17のセリン残基に相当するアミノ酸
    残基が他のアミノ酸残基に置換する変異、アミノ酸番号
    29のアスパラギン残基に相当するアミノ酸残基が他の
    アミノ酸残基に置換する変異、アミノ酸番号91より下
    流のC末端側領域を欠失する変異、又はこれらの変異及
    びアミノ酸番号14のグリシン残基に相当するアミノ酸
    残基が他のアミノ酸残基に置換する変異から選ばれる2
    又は3以上の変異の任意の組み合わせを有する請求項3
    記載のDNA。
  5. 【請求項5】 アミノ酸番号17のセリン残基に相当す
    るアミノ酸残基の変異がフェニルアラニン残基への置換
    であり、アミノ酸番号29のアスパラギン残基に相当す
    るアミノ酸残基の変異がリジン残基又はチロシン残基へ
    の置換であり、アミノ酸番号14のグリシン残基に相当
    するアミノ酸残基の変異がアスパラギン酸残基への置換
    である請求項4記載のDNA。
  6. 【請求項6】 請求項1又は3記載のDNAを染色体D
    NA上又はプラスミド上に保持し、かつ、L−バリン生
    産能を有する細菌。
  7. 【請求項7】 前記DNAの発現が強化された請求項6
    記載の細菌。
  8. 【請求項8】 発現の強化が、前記DNAを強力なプロ
    モーターの制御下に置くこと、又は前記DNAのコピー
    数を高めることによるものである請求項7記載の細菌。
  9. 【請求項9】 請求項6記載の細菌を培地に培養し、該
    培地中にL−バリンを生成蓄積させ、該培地よりL−バ
    リンを採取することを特徴とするL−バリンの製造法。
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