JP2001230418A - ポリシリコンtft液晶ディスプレイのゲート電極及びポリシリコンtft液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

ポリシリコンtft液晶ディスプレイのゲート電極及びポリシリコンtft液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット

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JP2001230418A
JP2001230418A JP2000039308A JP2000039308A JP2001230418A JP 2001230418 A JP2001230418 A JP 2001230418A JP 2000039308 A JP2000039308 A JP 2000039308A JP 2000039308 A JP2000039308 A JP 2000039308A JP 2001230418 A JP2001230418 A JP 2001230418A
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Japan
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liquid crystal
crystal display
alloy
polysilicon tft
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Hitomi Matsumura
仁実 松村
Kazuo Yoshikawa
一男 吉川
Yoichiro Yoneda
陽一郎 米田
Seiji Nishi
誠治 西
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Kobe Steel Ltd
Kobelco Research Institute Inc
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Kobelco Research Institute Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁膜中の電荷を低減させることができ、ひ
いては所定の電圧範囲でのスイッチング特性を安定して
確保させることができるポリシリコンTFT液晶ディス
プレイのゲート電極、及び、このゲート電極を形成する
ためのスパッタリングターゲットを提供する。 【解決手段】 アルカリ金属の含有量が0.3ppm以下であ
る金属または合金(Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、Ti、Ta、
Wから選択される1種又は2種以上の金属又は合金)よ
りなることを特徴とするポリシリコンTFT液晶ディス
プレイのゲート電極、及び、アルカリ金属の含有量が
0.3ppm以下である金属又は合金(上記ゲート電極
と同様の金属又は合金)よりなることを特徴とするスパ
ッタリングターゲット。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリシリコンTF
T液晶ディスプレイのゲート電極及びポリシリコンTF
T液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタリング
ターゲットに関する技術分野に属し、特には、半導体層
としてポリシリコンを形成した薄膜トランジスター(Th
in Film Transister)を有するアクティブマトリックス
型液晶ディスプレイのゲート電極(薄膜状の配線及び電
極自体)として好適なゲート電極及びこのゲート電極の
形成用のスパッタリングターゲットに関する技術分野に
属する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイ:Liquid Cristal Dis
play(以下、LCD)は、従来のブラウン管に比べ、薄
型化・軽量化・低消費電力化がはかれ、しかも高い解像
度の画像が得られるため、近年、その用途が拡大しつつ
ある。かかるLCDとして最近では、更に画像品質を高
めるために、LCD内部にスイッチング素子として半導
体装置である薄膜トランジスター:Thin Film Transist
er(以下、TFT)を組み込んだ構造のLCDが提案さ
れ、広く用いられてきている。ここで、TFTとは、ガ
ラス等の絶縁基板上に形成された薄い半導体薄膜に、薄
膜状金属よりなる半導体用電極(薄膜状の配線及び電極
自体)を接続してなる能動素子をいう。半導体用電極と
は、TFTの一部として使用される電極であって、薄膜
状の配線と電極自体とを含むものと定義する(以降、同
様)。尚、TFTとなった状態においては、配線と電極
自体とは電気的に接続されている。半導体用電極には、
ゲート電極、ソース電極、ドレイン電極等がある。
【0003】上記半導体薄膜には、従来はアモルファス
シリコンが主に使用されてきたが、近年は電子の移動速
度が2桁大きいポリシリコンを使用し、動画の表示性能
の改善とシステムオングラスと呼ばれるガラス基板上に
表示素子のドライバICを同時に形成する方法が実用化
されている。
【0004】上記の半導体薄膜としてアモルファスシリ
コンを用いたTFTとポリシリコンを用いたTFTと
は、アモルファスシリコンTFTとポリシリコンTFT
として区別されている。
【0005】これらのTFTのゲート電極としては、比
抵抗が小さく、さらにヒロックの発生の少ない金属ある
いは積層膜構造が使用されてきた。特に、最近ではこれ
らの特性に優れたAl−Nd合金が広く使用されるにい
たっている。
【0006】ポリシリコンTFTにおいては、アモルフ
ァスシリコンTFTの場合と比較して、半導体装置であ
るTFTをより狭い電圧範囲でスイッチングさせる必要
が生じている。この場合、基本的に絶縁性に優れた絶縁
膜を形成する必要があるばかりでなく、前記の如きスイ
ッチングをさせるために絶縁膜中の電荷を極力低減する
必要が生じている。
【0007】特に、アモルファスシリコンTFTのゲー
ト電極に多用されているAl−Nd合金をポリシリコン
TFTのゲート電極に用いた場合には、半導体のしきい
値電圧に経時変化が発生し、ひいては所定の電圧範囲で
のスイッチングをさせることができなくなり、問題とな
っている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に着目してなされたものであって、その目的は、絶
縁膜中の電荷を低減させることができ、ひいては所定の
電圧範囲でのスイッチング特性を安定して確保させるこ
とができるポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲー
ト電極及びポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲー
ト電極形成用スパッタリングターゲットを提供しようと
するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明に係るポリシリコンTFT液晶ディスプレ
イのゲート電極及びポリシリコンTFT液晶ディスプレ
イのゲート電極形成用スパッタリングターゲットは、請
求項1〜3記載のポリシリコンTFT液晶ディスプレイ
のゲート電極、請求項4〜6記載のポリシリコンTFT
液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタリングタ
ーゲットとしており、それは次のような構成としたもの
である。
【0010】即ち、請求項1記載のポリシリコンTFT
液晶ディスプレイのゲート電極は、Ag、Al、Au、
Cr、Cu、Mo、Ti、Ta、Wから選択される1種
または2種以上の金属または合金よりなるポリシリコン
TFT液晶ディスプレイのゲート電極であって、アルカ
リ金属の含有量が0.3ppm以下であることを特徴と
するポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲート電極
である(第1発明)。
【0011】請求項2記載のポリシリコンTFT液晶デ
ィスプレイのゲート電極は、前記金属または合金がAl
またはAl合金である請求項1記載のポリシリコンTF
T液晶ディスプレイのゲート電極である(第2発明)。
請求項3記載のポリシリコンTFT液晶ディスプレイの
ゲート電極は、前記金属または合金がNdを含有するA
l合金である請求項1または2記載のポリシリコンTF
T液晶ディスプレイのゲート電極である(第3発明)。
【0012】請求項4記載のポリシリコンTFT液晶デ
ィスプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲッ
トは、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、Ti、T
a、Wから選択される1種または2種以上の金属または
合金よりなるポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲ
ート電極形成用スパッタリングターゲットであって、ア
ルカリ金属の含有量が0.3ppm以下であることを特
徴とするポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲート
電極形成用スパッタリングターゲットである(第4発
明)。
【0013】請求項5記載のポリシリコンTFT液晶デ
ィスプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲッ
トは、前記金属または合金がAlまたはAl合金である
請求項4記載のポリシリコンTFT液晶ディスプレイの
ゲート電極形成用スパッタリングターゲットである(第
5発明)。請求項6記載のポリシリコンTFT液晶ディ
スプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット
は、前記金属または合金がNdを含有するAl合金であ
る請求項4または5記載のポリシリコンTFT液晶ディ
スプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット
である(第6発明)。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は例えば次のようにして実
施する。形成しようとするポリシリコンTFT液晶ディ
スプレイのゲート電極の所定組成と同様の組成を有する
金属の鋳塊を、誘導加熱溶解法や粉末冶金法等により製
作して得る。このとき、原料処理あるいは溶解条件等に
より、得られる金属の鋳塊中のアルカリ金属の含有量:
0.3ppm以下となるようにする。そうすると、本発
明に係るポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲート
電極形成用スパッタリングターゲットを得ることができ
る。
【0015】このようにして得られたスパッタリングタ
ーゲットを用い、スパッタリング法により、ポリシリコ
ンTFTの半導体薄膜(ポリシリコン)等の構成材の上
に薄膜をゲート電極として形成させる。このとき、形成
されるゲート電極はスパッタリングターゲットと同様の
組成を有すると共にアルカリ金属の含有量:0.3pp
m以下である金属材料よりなるものとなる。そうする
と、本発明に係るポリシリコンTFT液晶ディスプレイ
のゲート電極を得ることができる。
【0016】このような形態で本発明に係るポリシリコ
ンTFT液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタ
リングターゲットが得られ、このスパッタリングターゲ
ットを用いて本発明に係るポリシリコンTFT液晶ディ
スプレイのゲート電極が得られ、そして、ポリシリコン
TFT液晶ディスプレイのゲート電極として用いられ
る。
【0017】以下、本発明について主にその作用効果を
説明する。
【0018】本発明は、ポリシリコンTFT液晶ディス
プレイのスイッチング特性等についてポリシリコンTF
Tの特に構成材料の面から鋭意研究した結果、得られた
知見に基づき完成されたものである。この詳細を以下説
明する。
【0019】TFT液晶ディスプレイにおいては、TF
Tのソース電極からドレイン電極に流れる電流量をゲー
ト電極に印加した電圧で制御している。このソース電極
からドレイン電極に流れる電流量に対応して画素の輝度
が制御される。この輝度は、しきい値電圧以上でゲート
電圧とソース電極からドレイン電極に流れる電流との関
係の線形性のよい電圧範囲でデジタル方式の電圧階調法
として使用される。
【0020】本発明者らは、このソース電極からドレイ
ン電極に流れる電流の方向を反転スイッチさせるための
しきい値電圧が経時的に変化することを見出し、この原
因はゲート絶縁膜中での電荷の移動によるものであり、
この電荷の移動はアルカリ金属イオンの移動であること
をつきとめた。
【0021】また、このアルカリ金属イオンはゲート電
極からゲート絶縁膜中に拡散したものであることを見出
した。即ち、アルカリ金属イオンは、もともと半導体薄
膜中にもゲート絶縁膜中にも存在し難く、ゲート電極自
体に含有されていたものであり、これが拡散現象により
ゲート絶縁膜中に拡散してトラップされたものであるこ
とがわかった。
【0022】ポリシリコンTFT液晶ディスプレイにお
いては、ソース電極からドレイン電極に流れる電流の方
向を反転スイッチさせるためのしきい値電圧が変化する
と、最初に設計した電圧範囲で画素輝度の階調をするこ
とが困難となり、実用的でなくなる。
【0023】以上より、ポリシリコンTFT液晶ディス
プレイにおいて、ゲート電極からゲート絶縁膜中にアル
カリ金属イオンが拡散し、このアルカリ金属イオンがゲ
ート絶縁膜中で移動し、このイオンの移動により、ソー
ス電極からドレイン電極に流れる電流の方向を反転スイ
ッチさせるためのしきい値電圧が経時的に変化し、所定
の電圧範囲での画素輝度の階調をすることが困難とな
り、所定の電圧範囲でのスイッチング特性を安定して確
保し得なくなることがわかった。
【0024】従って、ポリシリコンTFT液晶ディスプ
レイにおいて、ゲート電極中のアルカリ金属の含有量を
少なくしておけば、ゲート電極からゲート絶縁膜中へ拡
散するアルカリ金属イオンの量が少なくなり、ゲート絶
縁膜中の電荷を低減させることができ、このため、しき
い値電圧の経時変化が生じ難く、ひいては所定の電圧範
囲でのスイッチング特性を安定して確保させることがで
きるようになる。
【0025】このようにするためのゲート電極中のアル
カリ金属の含有量は、0.3ppm以下(0ppmを含
む)であること、好ましくは0.1ppm以下、更に好
ましくは0.01ppm以下であることがわかった。
【0026】本発明は以上の如き知見に基づき完成され
たものであり、本発明に係るポリシリコンTFT液晶デ
ィスプレイのゲート電極は、アルカリ金属の含有量が
0.3ppm以下であることを特徴とすること、即ち、
アルカリ金属の含有量が0.3ppm以下である金属ま
たは合金よりなることを特徴とすることとしており、従
って、ゲート電極からゲート絶縁膜中へ拡散するアルカ
リ金属イオンの量が少なく、このため、ゲート絶縁膜中
の電荷を低減させることができ、このため、しきい値電
圧の経時変化が生じ難く、ひいては所定の電圧範囲での
スイッチング特性を安定して確保させることができるよ
うになる(第1発明)。
【0027】ここで、アルカリ金属含有量が0.3pp
m以下であることとしているのは、0.3ppm超であ
ると、ゲート電極からゲート絶縁膜中へ拡散するアルカ
リ金属イオンの量が多いため、ゲート絶縁膜中の電荷の
低減が不充分となり、ひいては所定の電圧範囲でのスイ
ッチング特性を安定して確保することができなくなるか
らである。尚、上記アルカリ金属の含有量が0.3pp
m以下であることは、0ppm以上0.3ppm以下で
あることであり、アルカリ金属を含有しない場合も含む
ものである。
【0028】本発明に係るポリシリコンTFTのゲート
電極を形成する材料(金属または合金)としては、A
g、Al、Au、Cr、Cu、Mo、Ti、Ta、Wか
ら選択される1種または2種以上の金属または合金を用
いる。即ち、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、T
i、Ta、Wから選択される1種の金属を用いるか、又
は、Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、Ti、Ta
から選択される1種をベース(マトリックス)とする合
金(Ag合金、Al合金、Au合金、Cr合金、Cu合
金、Mo合金、Ti合金、Ta合金、W合金から選択さ
れる1種)を用いるか、或いは、Ag、Al、Au、C
r、Cu、Mo、Ti、Taから選択される2種以上を
ベースとする合金(Ta及びTiをベースとするTaT
i合金等)を用いる。
【0029】これらの金属または合金の中のいずれを用
いるかについては限定されないが、特にAlまたはAl
合金の場合にはゲート電極を形成するプロセスの簡便性
とゲート電極としての性能の両面において優れており、
かかる点からするとAlまたはAl合金を用いることが
望ましい(第2発明)。このAl合金として、Ndを含
有するAl合金すなわちAl−Nd合金を使用した場
合、本発明は特に顕著な効果を奏し、本発明をより好適
に用いることができる(第3発明)。即ち、従来のAl
−Nd合金はアルカリ金属の含有量が制御されていない
ために高く、これをポリシリコンTFTのゲート電極の
構成材料として用いた場合には、特にTFTのしきい値
電圧に経時変化が発生し易く、ひいては所定の電圧範囲
でのスイッチングをさせることができず、大きな問題と
なっていたが、本発明はこれを解消することができると
いう点において特に顕著な効果を奏する。尚、上記Al
−Nd合金におけるNd含有量は耐ヒロック性及び電気
抵抗値の点から1〜15at%とすることが望ましい。
即ち、Nd含有量:1at%とすることにより加熱に起
因する耐ヒロック性が向上し、Nd含有量:15at%
とすることにより電気抵抗値を20μΩcm以下に抑え
られることから、Nd含有量:1〜15at%とするこ
とが望ましい(特許第2733006号)。
【0030】本発明に係るポリシリコンTFT液晶ディ
スプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット
については、アルカリ金属の含有量が0.3ppm以下
であることを特徴とすること、即ち、即ち、アルカリ金
属の含有量が0.3ppm以下である金属または合金
(Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、Ti、Ta、
Wから選択される1種または2種以上の金属または合
金)よりなることを特徴とすることとしている(第4発
明)。従って、このスパッタリングターゲットによれ
ば、本発明に係るポリシリコンTFT液晶ディスプレイ
のゲート電極を形成することができる。
【0031】本発明に係るスパッタリングターゲットを
形成する材料(金属または合金)としては、Ag、A
l、Au、Cr、Cu、Mo、Ti、Ta、Wから選択
される1種または2種以上の金属または合金を用いる
が、これらの金属または合金の中のいずれを用いるかに
ついては限定されず、ゲート電極を形成する材料に応じ
て設定すればよい。即ち、ゲート電極を形成する材料を
AlまたはAl合金とする場合には、AlまたはAl合
金よりなるスパッタリングターゲットを用いる(第5発
明)。ゲート電極を形成する金属材料をAl−Nd合金
とする場合には、Ndを含有するAl合金(Al−Nd
合金)よりなるスパッタリングターゲットを用いる(第
6発明)。
【0032】尚、本発明において、アルカリ金属とは、
元素周期表1a族の元素のことであり、より具体的には
Li、Na、K、Rb、Cs、Frのことである。但
し、ゲート電極を形成する金属材料(金属又は合金)に
は、殆どの場合、Rb、Cs、Frは含まれていないの
で、本発明に関係するアルカリ金属は、実質的にはL
i、Na、Kということになる。
【0033】アルカリ金属の含有量とは、含有されてい
る各アルカリ金属の量の合計量(総量)である。例え
ば、Liのみが含まれている場合にはLi含有量であ
り、Li及びNaが含まれている場合にはLi含有量と
Na含有量との合計量である。
【0034】ポリシリコンTFT液晶ディスプレイと
は、液晶ディスプレイ内部にスイッチング素子として半
導体装置であるポリシリコンTFTを組み込んだ構造の
液晶ディスプレイのことである。ポリシリコンTFTと
は、TFT(薄膜トランジスター)の半導体薄膜として
ポリシリコンを用いたTFTのことである。
【0035】前述のように、本発明に係るポリシリコン
TFT液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタリ
ングターゲットは、アルカリ金属の含有量が0.3pp
m以下である金属または合金(金属材料)よりなる。こ
のようにアルカリ金属の含有量が0.3ppm以下と低
い金属材料は、この金属材料の製造の際の溶解条件に工
夫を加えること等により得ることができる。例えば、A
l−Nd合金の場合、アルカリ金属含有量の低減を意識
することなく、通常の溶解方法により溶解すると、原料
Nd中のLiに由来して、得られるAl−Nd合金中に
はLiが数ppm含まれているが、誘導加熱溶解法によ
り溶解時間を長時間とした条件で溶解すると、Li含有
量:0.3ppm以下のAl−Nd合金を得ることがで
きる。あるいは、原料のNdをプラズマアーク溶解法等
により原料Nd中のLi量を減少させた後、この原料N
dとAl原料とを混合して溶解する方法によっても、L
i含有量:0.3ppm以下のAl−Nd合金を得るこ
とができる。
【0036】
【実施例】〔本発明の実施例〕 Al−2at%Nd合金スパッタリングターゲットの
製作 本発明の実施例に係るAl−2at%Nd合金よりなるス
パッタリングターゲットを次のようにして製作した。
【0037】原料のAl中にはアルカリ金属はほとんど
含まれていないが、原料のNd中にはLiが40ppm
程度含まれている。そこで、先ず原料Nd中のLiの除
去処理を行った。即ち、NdとLiの蒸気圧の差を利用
して選択的にLiを蒸発させて除去するために原料Nd
をNdの融点(1024℃)以上に加熱して溶解し、L
iの除去をした。このとき、加熱はアーク加熱法や誘導
加熱法により行った。溶解のためのるつぼとしては水冷
の銅鋳型を用い、コンタミ(不純物混入)が生じ難いよ
うにした。溶解時間が長いほど原料Nd中のLi量を低
減し得、6分の溶湯保持時間でLi量:0.1ppm以
下の原料Ndを得ることができた。
【0038】上記Li量:0.1ppm以下の原料N
d:7.84kgと原料Al:72.16kgとを混合
して溶解し、N2 ガスでアトマイズし、アトマイズ粉を
完全凝固しない状態で堆積させてAl−2at%Nd合金
よりなるプリフォームを形成した。尚、このプリフォー
ムの相対密度は約60%であった。
【0039】上記プリフォームを缶封入した後、真空脱
気→熱間静水圧プレス(HIP)→脱缶→鍛造→圧延→
機械加工のプロセスにより加工し、これにより本発明の
実施例に係るAl−2at%Nd合金スパッタリングター
ゲットを得た。このターゲット中のLi量を分析したと
ころ、Li量:0.03ppmであった。
【0040】 半導体デバイス評価試験用のMOSキ
ャパシタの作製 ポリシリコンよりなる半導体薄膜上に、CVD法(化学
蒸着法)によりゲート絶縁膜としてSiO2 膜(シリコ
ン酸化膜)を形成させ、次いで、前記Li量:0.03
ppmのAl−2at%Nd合金スパッタリングターゲッ
トを用いてスパッタリング法によりAl−2at%Nd合
金よりなる薄膜をゲート電極として形成させた後、この
薄膜をパターニングし、これにより図1に示す如き半導
体デバイス評価試験用のMOSキャパシタを得た。ここ
で、SiO2 膜の膜厚は1000Å、SiO2 膜の膜厚
は3000Åにした。尚、上記ゲート電極(Al−2at
%Nd合金薄膜)は、分析によりLi量:0.03pp
mであることが確認され、本発明の実施例に係るゲート
電極に該当することが確かめられた。
【0041】 半導体デバイス評価試験及び試験結果 半導体デバイスの安定性評価方法として、しきい値電圧
の変動を直接観察するという直接的な方法ではなく、M
OSキャパシタのフラットバンド電圧のシフト量を調べ
るという方法を採用し、この方法により半導体デバイス
の安定性評価を行った。この詳細を、以下説明する。
【0042】前記の如くして得られたMOSキャパシタ
についてバイアス温度ストレス(BTS)試験を行い、
BTS印加前後におけるC−V特性の変化を求め、フラ
ットバンド電圧のシフト量を調べた。このとき、BTS
試験の条件については、印加電圧:2.5MV/cm、
温度:150℃、印加時間:1000秒とし、測定周波
数は1MHzとした。
【0043】上記試験の結果、フラットバンド電圧のシ
フト量は0.05Vであることがわかった。
【0044】〔比較例〕原料のAlと混合し溶解する原
料のNdとして、Liの除去処理をしていないLi量:
約40ppmの原料Ndをそのまま用い、この点を除き
前記本発明の実施例の場合と同様の方法により、Al−
2at%Nd合金スパッタリングターゲットの製作、MO
Sキャパシタの作製を行った。そして、このMOSキャ
パシタについて、前記本発明の実施例の場合と同様の方
法により、BTS試験、フラットバンド電圧のシフト量
の測定を行った。尚、上記ターゲット中のLi量は1.
2ppmであり、MOSキャパシタのゲート電極(:A
l−2at%Nd合金薄膜)中のLi量は1.0ppmで
あった。
【0045】上記試験の結果、フラットバンド電圧のシ
フト量は1.8Vであることがわかった。
【0046】〔結果の対比〕前記の如く、フラットバン
ド電圧のシフト量は、比較例の場合で1.8Vであるの
に対し、本発明の実施例の場合で0.05Vであり、本
発明の実施例の場合はフラットバンド電圧のシフト量が
極めて小さい。
【0047】フラットバンド電圧のシフト量が小さいこ
とは、絶縁膜中の電荷の増加が少なく、このため、しき
い値電圧の経時変化が生じ難く、その経時変化の程度が
少ないことと対応する。
【0048】従って、比較例の場合はしきい値電圧の経
時変化が生じ易く、このため所定の電圧範囲でのスイッ
チング特性を安定して確保し得なくなり易いが、本発明
の実施例の場合はこのようなことはなく、しきい値電圧
の経時変化が生じ難く、このため所定の電圧範囲でのス
イッチング特性を安定して確保し得ることを、前記試験
結果は示している。
【0049】
【発明の効果】本発明に係るポリシリコンTFT液晶デ
ィスプレイのゲート電極によれば、ゲート電極からゲー
ト絶縁膜中へ拡散するアルカリ金属イオンの量が少なく
なるので、ゲート絶縁膜中の電荷を低減させることがで
き、このため、しきい値電圧の経時変化が生じ難く、ひ
いては所定の電圧範囲でのスイッチング特性を安定して
確保させることができるようになる。
【0050】本発明に係るポリシリコンTFT液晶ディ
スプレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット
によれば、上記の如く優れた効果を奏する本発明に係る
ポリシリコンTFT液晶ディスプレイのゲート電極を形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例に係るMOSキャパシタの概
要を示す模式図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉川 一男 兵庫県神戸市東灘区御影山手5丁目4−9 −102 (72)発明者 米田 陽一郎 兵庫県神戸市西区美賀多台7丁目3−12 (72)発明者 西 誠治 兵庫県神戸市西区高塚台1丁目5番5号 株式会社神戸製鋼所神戸総合技術研究所内 Fターム(参考) 2H092 JA25 JA37 KA04 KA12 KA18 MA05 MA07 MA35 NA30 PA01 4K029 BA03 BA23 BD02 CA05 DC03 DC04 DC07 4M104 BB02 BB04 BB08 BB09 BB13 BB14 BB16 BB17 BB18 CC05 DD40 GG09 HH20 5F110 AA08 AA14 EE02 EE03 EE04 EE06 EE44 EE50 GG02 GG13

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、
    Ti、Ta、Wから選択される1種または2種以上の金
    属または合金よりなるポリシリコンTFT液晶ディスプ
    レイのゲート電極であって、アルカリ金属の含有量が
    0.3ppm以下であることを特徴とするポリシリコン
    TFT液晶ディスプレイのゲート電極。
  2. 【請求項2】 前記金属または合金がAlまたはAl合
    金である請求項1記載のポリシリコンTFT液晶ディス
    プレイのゲート電極。
  3. 【請求項3】 前記金属または合金がNdを含有するA
    l合金である請求項1または2記載のポリシリコンTF
    T液晶ディスプレイのゲート電極。
  4. 【請求項4】 Ag、Al、Au、Cr、Cu、Mo、
    Ti、Ta、Wから選択される1種または2種以上の金
    属または合金よりなるポリシリコンTFT液晶ディスプ
    レイのゲート電極形成用スパッタリングターゲットであ
    って、アルカリ金属の含有量が0.3ppm以下である
    ことを特徴とするポリシリコンTFT液晶ディスプレイ
    のゲート電極形成用スパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】 前記金属または合金がAlまたはAl合
    金である請求項4記載のポリシリコンTFT液晶ディス
    プレイのゲート電極形成用スパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】 前記金属または合金がNdを含有するA
    l合金である請求項4または5記載のポリシリコンTF
    T液晶ディスプレイのゲート電極形成用スパッタリング
    ターゲット。
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