JP2001229847A - 電界放射型ディスプレイ、これに用いられるアノード基板及びその製造方法 - Google Patents

電界放射型ディスプレイ、これに用いられるアノード基板及びその製造方法

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JP2001229847A
JP2001229847A JP2000035113A JP2000035113A JP2001229847A JP 2001229847 A JP2001229847 A JP 2001229847A JP 2000035113 A JP2000035113 A JP 2000035113A JP 2000035113 A JP2000035113 A JP 2000035113A JP 2001229847 A JP2001229847 A JP 2001229847A
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doped sno
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JP2000035113A
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English (en)
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Atsushi Sasaki
淳 佐々木
Taketo Tsukamoto
健人 塚本
Yuji Nomura
裕司 野村
Mamoru Namikawa
衛 浪川
Yasuyuki Naito
康之 内藤
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Futaba Corp
Toppan Inc
Original Assignee
Futaba Corp
Toppan Printing Co Ltd
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】良好な耐エッチング性を維持しつつ透明性を改
良したカラーフィルターを適用することにより、高コン
トラストを有し、良好な画質を表示することが可能なF
EDを得る。 【解決手段】アノード用基板上と蛍光体層との間に、粒
径1.0μm以下の透明導電性微粒子コロイドと粒径
1.0μm以下の無機顔料コロイドを含む塗布層を焼成
して形成された所定のパターンを有するカラーフィルタ
ー層を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子顕微鏡、及び
電子ビーム露光装置等の電子源として用いられる冷電子
放出素子を用いた自発光型のフラットパネルディスプレ
イである電界放射ディスプレイ(Field Emis
sion Display、以下FEDという)及びこ
れに用いられるアノード基板に関する。
【0002】
【従来の技術】冷電子放出素子は、基本的に、電子を放
出する微小な先端形状を持った金属をそれを取り囲むよ
うに形成された電極、あるいは平面構造をした結晶薄膜
の上または下に電極を配置して構成される。このような
冷電子放出素子を用いたFEDは、1画素に多数のエミ
ッタを配置することができるために、冗長度が非常に高
く、応答速度、発光効率の点で優れ、薄型、低消費電
力、及び高視野角といった特性を有し、近年注目されて
いる。
【0003】一般的なFEDパネルについて、その概念
図を図7に示す。
【0004】図示するように、このFEDパネルでは、
少なくとも観察側が透明となっている2枚の基板10,
20が対向して配置されている。
【0005】そのうち観察側と反対のカソード用基板1
0上には、複数のカソード電極11がストライプ状に形
成され、カソード電極11上には、各々抵抗層12、絶
縁層15及びゲート電極14が順次形成されている。さ
らに、絶縁層15及びゲート電極14に形成されたホー
ル16内にエミッタコーン13が形成され、このエミッ
タコーン13の先端部分がゲート電極14の開口から臨
んでおり、冷電子素子としてのカソード基板200が形
成されている。
【0006】また、カソード用基板10に対向して観察
側に設けられているアノード用基板20上には、アノー
ド電極21及び複数のカソード電極11にほぼ対向して
例えばストライプ状のR、B、Gのいずれかの色に発光
する蛍光体層22が各々順に形成されてアノード基板3
00が構成されている。
【0007】これらカソード基板及びアノード基板は、
内部を高真空に排気封止してFEDパネルを構成してい
る。
【0008】このFEDパネルでは、カソード用基板1
0側に形成されたエミッタ13とゲート14間に電圧が
印加され、エミッタ13の先端に電界を集中させる。こ
うしてエミッタ13からは電子が放出し、アノード電極
21との間の電界よってアノード電極21上を覆って塗
布した蛍光体層22に衝突する。FEDパネルは、この
ようにして蛍光体層22を電子によって励起発光させ所
望の映像表示を行う自発光型の表示デバイスである。
【0009】ところで、FEDに限らず自発光素子の必
要輝度は使用する環境の明るさで大きく異なり、輝度設
定が極めて重要になる。実験的には、輝度の設計基準値
は、室内用で300cd/m2以上、車載や屋外用で9
00cd/m2で実用上支障のないことが多い。
【0010】このFEDでは、設定アノード電圧により
使用する蛍光体材料を区分しているが、特に、低電圧型
で利用できる蛍光体は未だ完成されていないこともあっ
て、十分な輝度を得られずにいる。また、通常、蛍光体
は体色が白であり、非点灯時に外光反射しやすく、セル
の点灯・非点灯でのコントラストも十分でない。このよ
うに、画質を向上させるためには、高輝度設計を行い、
コントラストを確保しなければならず、実用化への課題
は多いといわれている。
【0011】こうした状況に対して、もし輝度を下げず
に非点灯時の外光反射を下げることができるなら、FE
Dの画質は著しく向上すると考えられる。輝度を増やす
より、反射率を低くしてコントラストを得るという方法
は、蛍光体の発光効率を上げることと同じ効果になるか
らである。
【0012】これを実現するための手段としては、各セ
ルの視認側に蛍光体の発光色に対応した原色の赤、緑、
及び青色フィルター層を形成することが考えられる。こ
れらのフィルター層の形成は、蛍光体からの発光光はフ
ィルター層を通過して外部に出て行くが、外光の他の光
の成分はフィルタに吸収されるという原理に基づいてい
る。
【0013】上記のフィルタに要求される特性は、蛍光
体発光の主要波長のみを透過させるよう光を散乱させ
ず、透明な事であり、また、パネル製造工程に劣化を生
じることなく対応できるといったことが挙げられる。こ
うした単一波長のみを透過する材料は工業的にまだ見当
たらないが、蛍光体の主要スペクトル以外の波長域に吸
収特性を持つ材料を用いることで、高コントラスト化の
達成が可能である。
【0014】これには、例えば、450℃〜600℃の
加熱処理工程において燃焼あるいは分解等の反応が起こ
らず、且つ良好な耐熱性を有し、パネル封止後、放出ガ
スがなく、アノード基板内面に形成可能な材料として無
機顔料を挙げられる。無機顔料は、着色力に乏しいもの
の顔料粒経や膜厚制御によって透明なフィルタが得ら
れ、外光反射の防止や蛍光体発光色の色バランスを補正
するなど視認性を向上できる。
【0015】FEDにカラーフィルターを用いる場合、
点灯させる画素の走査や維持を目的に透明な電極を、カ
ラーフィルター上部に配線する事が考えられる。しかし
ながら、正常な駆動動作を行うためには、透明電極に断
線やピンホールを発生させないことが極めて肝要であ
る。そのためにカラーフィルター色素層には、耐熱性は
もとより電極パターン配線工程での耐エッチング性と基
板への密着性が要求される。
【0016】このため、色素層上に低融点ガラス層によ
るオーバーコートを形成することが本出願人らにより特
開平11−185674に提案されているが、このオー
バーコート材料には低融点ガラスフリットを用いている
ことからピンホールが発生し易く、上部の透明電極に断
線を招いていた。このような断線は、パネル封止後セル
点灯不良の原因となり、パネル製造の歩留りに影響を与
えていた。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その
第1の目的は、十分な輝度及び高コントラストを有し、
良好な画質を表示することが可能な電界放射型ディスプ
レイを提供することにある。
【0018】また。本発明の第2の目的は、十分な輝度
及び高コントラストを有し、良好な画質を表示すること
が可能な電界放射型ディスプレイ用アノード基板を提供
することにある。
【0019】さらに、本発明の第3の目的は、簡便な方
法で、十分な輝度及び高コントラストを有し、良好な画
質を表示することが可能な電界放射型ディスプレイ用ア
ノード基板を製造する方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明は、第1の基板、
該第1の基板上にカソード電極、絶縁層、ゲート電極を
順次成膜した積層基板に対して、前記ゲート電極及び絶
縁層にホールが設けられ、該ホール内に形成されるエミ
ッタを有する抵抗層、及び該隔壁上に設けられたゲート
電極を有するカソード基板と、該カソード基板と対向し
て設けられた、第2の基板、該第2の基板のカソード基
板側表面上に設けられたアノード電極層、該アノード電
極層上に設けられた粒径1.0μm以下の透明導電性微
粒子コロイドと粒径1.0μm以下の無機顔料コロイド
を含む塗布層を焼成して形成された所定のパターンを有
するカラーフィルター層、及び該カラーフィルター層上
に設けられた蛍光体層を含むアノード基板とを具備する
ことを特徴とする電界放射型ディスプレイを提供する。
【0021】本発明は、第2に、エミッタとゲートとを
備えたカソード基板に対向して設けられる電界放射型デ
ィスプレイ用アノード基板であって、アノード用基板、
該基板上に設けられたアノード電極層、該アノード電極
層上に設けられた粒径1.0μm以下の透明導電性微粒
子コロイドと粒径1.0μm以下の無機顔料コロイドを
含む塗布層を焼成して形成された所定のパターンを有す
るカラーフィルター層、及び該カラーフィルター層上に
設けられ、該無機顔料の色と同様の発光色を有する蛍光
体層を具備することを特徴とするアノード基板を提供す
る。
【0022】本発明は、第3に、その一表面にアノード
電極層が設けられた基板を用意し、該アノード電極層上
に、粒径1.0μm以下の透明導電性微粒子コロイドと
粒径1.0μm以下の無機顔料コロイドを含むペースト
を用いて、所定のパターンを有する塗布層を形成した
後、焼成し、フィルター層を形成する工程、及び該フィ
ルター層上に蛍光体層を形成する工程を具備することを
特徴とするアノード基板の製造方法を提供する。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明のFEDは、第1の基板
と、この第1の基板上に設けられたカソード電極、カソ
ード電極上に設けられた抵抗層12、絶縁層15及びゲ
ート電極14、絶縁層15及びゲート電極14に形成さ
れたホール内にエミッタコーン13が形成され、このエ
ミッタコーン13の先端部分がゲート14の開口部から
臨んでいるカソード基板と、このカソード基板と対向し
て設けられ、第2の基板と、第2の基板のカソード基板
側表面上に設けられたアノード電極層と、アノード電極
層上に設けられた所定のパターンを有するカラーフィル
ター層と、カラーフィルター層上に設けられた蛍光体層
とを含むアノード基板とを具備し、このカラーフィルタ
ー層が、粒径1.0μm以下の透明導電性微粒子コロイ
ドと粒径1.0μm以下の無機顔料コロイドを含む塗布
層を焼成して形成されることを特徴とする。
【0024】また、本発明のFED用アノード基板は、
エミッタとゲートとを備えたカソード基板に対向して設
けられるもので、基板と、この基板上に設けられたアノ
ード電極層と、このアノード電極層上に設けられた所定
のパターンを有するカラーフィルター層と、カラーフィ
ルター層上に設けられ、無機顔料の色と同様の発光色を
有する蛍光体層とを具備し、このカラーフィルター層
が、粒径1.0μm以下の透明導電性微粒子コロイドと
粒径1.0μm以下の無機顔料コロイドを含むカラーフ
ィルター塗布層を焼成して形成されることを特徴とす
る。
【0025】さらに、本発明の方法は、上述のFED用
アノード基板を製造するための方法であって、その一表
面にアノード電極層が設けられた基板を用意し、このア
ノード電極層上に、所定のパターンを有するカラーフィ
ルター塗布層を形成した後、焼成し、フィルター層を形
成する工程、及びフィルター層上に蛍光体層を形成する
工程を具備し、このカラーフィルターは、粒径1.0μ
m以下の透明導電性微粒子コロイドと粒径1.0μm以
下の無機顔料コロイドを含むペーストを用いて形成され
ることを特徴とする。
【0026】本発明によれば、カラーフィルター塗布層
に、透明導電性微粒子として、粒径1.0μm以下のコ
ロイド粒子、無機顔料として粒径1.0μm以下のコロ
イド粒子を適用することにより、カラーフィルター層中
の透明導電性微粒子と無機顔料との凝集を防止し、より
透明性及び塗膜性の優れたカラーフィルター層が得られ
る。
【0027】カラーフィルター層が透明性に優れている
と、蛍光体層の発光光を十分に透過することができるの
でFED表示面における輝度が向上する。また、カラー
フィルターの色選択透過性がより効果的に行われ、表示
面のコントラストが向上する。
【0028】また、カラーフィルター層が塗膜性が優れ
ていると、得られたカラーフィルター層中にピンホール
等の欠陥を生じにくくなり、透明電極の断線を防ぐこと
ができ、欠陥の少ないFEDが得られる。
【0029】このように、本発明によれば、表示面の輝
度が高く、かつ画像のコントラストが向上したFEDが
得られる。
【0030】透明導電性微粒子コロイド及び無機顔料微
粒子コロイドの平均粒径は1.0μmを越えると、十分
な透明性及び塗膜性を得られなくなり、蛍光体の発光光
を十分に透過し得なくなる。透明導電性微粒子コロイド
及び無機顔料微粒子コロイドの好ましい平均粒径は、
0.001ないし0.1μmである。
【0031】以下に、図面を参照し、本発明をより詳細
に説明する。
【0032】図1は、本発明に係るFEDパネルの一例
の構成を表す概略断面図を示す。
【0033】図示するように、このFEDパネルは、ア
ノード電極21と蛍光体層22の間に、蛍光体層22の
発光色に相当する色のカラーフィルター層23が形成さ
れた構成を有するアノード基板200を用いる以外は、
図7に示すFEDパネルと同様の構成を有する。
【0034】図2は、本発明によるFED用アノード基
板をFEDパネルに用いた際に、FEDパネルの表示コ
ントラストが向上する原理を説明するための図で、アノ
ード基板の断面の一部分を拡大して示している。
【0035】図2に示すように、本発明に係るアノード
基板は、アノード用基板20、アノード用基板20上に
形成されたアノード電極21、カラーフィルター23、
及び蛍光体層22で構成されている。
【0036】図中、23Rは赤色を透過する赤色フィル
タを、23Gは緑色を透過する緑色フィルタを示し、ま
た、22Rは赤色発光蛍光体層を、22Gは緑色発光蛍
光体層を示している。そして、ディスプレイとして23
R及び22Rが赤色画素に23G及び22Gが緑色画素
に各々相当する。
【0037】赤色画素部23R、22Rにおいて、観察
側からの白太矢印で示す白色の外光Wを赤色光R、緑色
光G、青色光Bの3成分に分解して示すと、各色光はア
ノード用基板20、アノード電極21を透過し、赤色フ
ィルタ23Rにて緑色光G及び青色光Bが吸収され、赤
色光Rは赤色フィルタ23Rを透過して、赤色発光をす
る蛍光体層22Rの表面に至る。
【0038】この赤色発光をする蛍光体層22Rの表面
で赤色光Rは反射され、黒太矢印で表す赤色の反射光
R’として観察側に反射してくる。
【0039】一方、赤色画素に相当する赤色発光する蛍
光体層22Rにおいては、冷陰極(図示せず)より放出
された電子eに励起されて赤色発光R”が放射される
が、この赤色発光R”は赤色フィルタ23Rによって吸
収されることはなく、観察側に至る。従って、赤色の反
射光R’による、この赤色発光R”の純度への影響は僅
かなものになる。
【0040】このような現象は、緑色画素部23G、2
2G及び青色画素部(図示せず)に於いても同様であ
り、ディスプレイとしては反射光の現象によって、コン
トラスト比の向上した、また、各色の純度の向上した優
れた表示品質(視認性)を有するディスプレイとなる。
【0041】ここで、通常蛍光体層22R、22Gは電
子eによる励起エネルギーのチャージアップ現象により
粒子表面層が帯電し、輝度低下をもたらす。個体に浸入
した電子(1次電子)は十分なエネルギーを持っている
と個体から2次電子が放出されるが、1次電子の数に対
する2次電子の数の比が1を越すと個体は正に帯電し、
1を下回れば負に帯電する。低電圧電子線を用いるFE
D蛍光体の場合には負に帯電し、輝度低下が生じ易くな
る。
【0042】従って、蛍光体にはある程度の電気伝導度
が要求される為、輝度に応じて蛍光体層表面にメタルバ
ックを行うことや、蛍光体層に透明導電性微粒子を構成
させるが、本発明ではカラーフィルターにも透明導電性
微粒子を構成させるため、従来カラーフィルターの上部
に設けなければならなかったアノード電極21がアノー
ド用基板20上(カラーフィルター下部)に直接形成で
きるようになり、種々の特性を向上できる。
【0043】カラーフィルターに用いる透明導電性微粒
子としては、例えばSnO2、Sb原子ドープSnO
2、P原子ドープSnO2、Te原子ドープSnO2、
F原子ドープSnO2、Sb原子ドープSnO2を被覆
したBaSO4等の酸化スズ系や、In2O3、Sn原
子ドープIn2O3等の酸化インジウム系やAg等の微
粒子を単独または種々混合して使用することができる。
【0044】また、カラーフィルターのための色素材料
としては、耐熱性を有し、パネル封止後に放出ガスのな
い材料である無機顔料を用いる。一般に、無機顔料は有
機顔料よりも着色力に乏しいが顔料粒径、膜厚制御、蛍
光体層の発光色の色バランス補正などをすることで必要
な特性を得ることが可能である。
【0045】赤色無機顔料としては、例えば酸化第二鉄
系、アントラキノン系があげられる。緑色無機顔料とし
ては、例えばTiO2−CoO−NIO−ZnO系、C
oO−Al2O3−Cr2O3−TiO2系、CoO−
Al2O3−Cr2O3系、塩素化フタロシアニングリ
ーン系、及び臭素化フタロシアニングリーン系があげら
れる。青色顔料としては、例えばアルミン酸コバルト
系、フタロシアニンブルー系等がある。また、黒色顔料
としては、例えばFeCr2O4、CuMn2O4を始
めとするFe、Mn、Cr等の複合酸化物が使用でき
る。
【0046】カラーフィルターペースト用コロイド溶液
の調製には、例えばまず酸化スズ或いは酸化インジウム
と無機顔料を酸性溶液中へ投入し、加熱処理を行う。こ
のとき、酸化スズ或いは酸化インジウムと無機顔料の比
率は無機顔料に対し透明導電性微粒子が20〜300重
量部であることが好ましい。20重量部以下ではカラー
フィルター23が負に帯電するチャージアップ現象が生
じ輝度が低下してしまう傾向がある。一方、300重量
部以上ではカラーフィルター自身の分光特性に変化を生
じ輝度低下や表示コントラストに対する効果が低下して
しまう傾向がある。
【0047】酸性溶液に使用される酸としては、例えば
酒石酸、乳酸などのようなオキシカルボン酸、塩酸、硫
酸などの鉱酸、シュウ酸のようなカルボン酸等が使用可
能である。ゾル化を効率良く得るためには酸濃度は10
重量%以上であることが好ましく、10重量%以下にす
るとコロイド化が難しくなる傾向がある。
【0048】コロイド化のために行う加熱処理温度は、
好ましくは70〜180℃で設定可能であるが、高温に
なるに従い、液体を保持するための加圧処理を要する傾
向がある。また、同時に、酸水溶液中の透明導電性微粒
子と無機顔料が一次粒子の状態で液中に馴染むように撹
拌や、サントミル、ボールミル、及びビーズミルなどの
分散を伴う系にすると、更に効率を高めることができ
る。本発明によれば、コロイド化を行うことにより、透
明導電性微粒子及び無機顔料の凝結、凝集又は2次粒子
の結合を著しく低下せしめ、コロイド状態まで安定に分
散することが可能になる。
【0049】次いで、得られたコロイド溶液をイオン交
換処理で脱酸した後、カラーフィルター用バインダ樹脂
を溶解できる親水性有機溶媒で置換できる。親水性有機
溶媒としては、例えばメタノール、エタノール、プロパ
ノール、ブタノール、エチレングリコール、トリメチレ
ングリコール、グリセリンなどのアルコール類、メタノ
ールアミン、エタノールアミン、モルホリン等のアミン
類、ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン
等のアミド類、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、
テトラヒドロフラン等のエーテル類、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等があげられ
る。
【0050】この後、カラーフィルター用バインダー樹
脂を加え分散を行い、カラーフィルター用ペーストを得
ることができる。
【0051】透明導電性微粒子と無機顔料からなるコロ
イドに対するバインダー樹脂の配合比率は、コロイド固
形分がバインダー樹脂に対して5重量%以上あることが
好ましい。5重量%未満では、基材上に形成したカラー
フィルターの定着性に劣る傾向がある。
【0052】バインダー樹脂としては、エチルセルロー
ス系樹脂、ポリエーテルスルフォン系樹脂、ポリスルフ
ォン系樹脂、ポリイミド系樹脂、ブチラール樹脂、メラ
ミン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、エポキシ系樹
脂、ウレタン系樹脂、アクリル系樹脂、アルキド系樹
脂、ポリエステル系樹脂、ビニル系樹脂、塩化ビニル系
樹脂、及び紫外線硬化樹脂などカラーフィルターペース
トに使用する親水性有機溶媒から適宜選択して使用する
ことができる。
【0053】なお、導電性微粒子材料と無機顔料をコロ
イド化せずにバインダー樹脂に分散させてカラーフィル
ターペーストとして用いると、導電性微粒子と無機顔料
の表面活性が非常に高いため、導電性微粒子同士或いは
透明導電性微粒子と無機顔料とが極めて強い結合を有
し、凝集あるいは凝結を呈し、一次粒子まで粉砕、分散
するために多大な困難を伴う。この為、透明性が損なわ
れ、カラーフィルターが表面や内部で散乱して曇りを生
じ、蛍光体の輝度を低下させる。
【0054】なお、前述してきた酸性溶液をアルカリ溶
液に変えて、ゾル化を得ても良い。
【0055】本発明にかかるアノード基板上にアノード
電極を形成する方法としては、常法に従って、基板上面
に、例えばITO膜(Indium Tin Oxid
e)をスパッタ法によって成膜し、任意のレジストパタ
ーンをマスクとして塩化第二鉄と塩酸を混合したエッチ
ング液でエッチング除去し、配線できる。
【0056】透明導電性微粒子及び無機顔料から構成さ
れるカラーフィルター画素のパターニング方法として
は、印刷法において所望パターンの開口部を有するスク
リーン版上にカラーフィルター印刷ペーストを供給し、
かつ柔軟性のあるスキージでこすって、上記開口部から
カラーフィルターペーストを押し出して基板上に印刷す
るスクリーン印刷法や、所望パターンの溝を形成した金
属板のパターン溝部分にのみカラーフィルターペースト
を充填し、充填されたカラーフィルターペーストをブラ
ンケットに転移させた後、ブランケット上のカラーフィ
ルターペーストを基板に転写させる平版オフセット印刷
法等を用いることができる。
【0057】さらに、フォトリソグラフィー法として
は、透明導電性微粒子及び無機顔料からなるペーストを
適当な感光性樹脂と混練した後、基板上に塗布し、これ
を所定のフォトマスクを用いて露光し、しかる後現像し
てパターニングする方法や、顔料及び透明導電性微粒子
からなるペーストを基板上に塗布した後、このフィルタ
膜上に感光性樹脂を塗布、これを所定のフォトマスクを
用いて露光し、しかる後現像およびエッチングを行いパ
ターニングする方法、或いは光粘着性を有する樹脂を基
板上に塗布し、所定のフォトマスクを用い露光し、フィ
ルタパターン状に付着させる部分のみ粘着性をもたせ、
しかるのち顔料及び透明導電性微粒子からなるペースト
を噴霧し、粘着層上に固着させることによりパターニン
グする方法等を用いることができる。
【0058】また、透明導電性微粒子と無機顔料からな
るペーストを公知の樹脂を用いて液体又は粉体の状態で
トナー化し、これを予め潜像を形成したセレン等の感光
体に付着させた後、基板に転写することによりパターン
形成する電子写真法を用いることができる。
【0059】また、透明導電性微粒子と無機顔料からな
るペーストをアルキド樹脂等と共に水中で分散した電着
塗料を作製し、これに予めパターニングされたITO膜
等の透明導電膜が設けられた基板を浸漬し、通電するこ
とにより透明導電膜上にパターン形成する電着法を用い
ても良い。この場合、パターン形成後はパネル構造上こ
れをアノード電極として代用可能である。
【0060】蛍光体層の形成においては、従来より知ら
れているポリビニルアルコールと重クロム酸塩との混合
水溶液に蛍光体粉末を分散したスラリーを用いて、紫外
線により露光部を硬化させ、未露光部の現像除去を繰り
返し、複数の蛍光体層を形成するフォトリソグラフィー
技術を用いたスラリー法や、低温蒸発性を有する樹脂、
例えばエチルセルロース或いはブチラール樹脂などに蛍
光体を混合してペースト化を行い、所定の開口を有する
スクリーン版等で選択的に塗布形成する方法等を用いる
ことができる。
【0061】好ましく使用される蛍光体のうち、低い加
速電圧でエミッタから電子線を受けて励起発光する蛍光
体としては、例えばSrTiO:Pr等の赤色発光蛍
光体、例えばZnGa:Mn、ZnO:Zn等の
緑色発光蛍光体、YSiO :Ce、ZnGa
、SrGa24:Ce、BaGa24:Ce、Z
nS:Ag、ZnS:Cl等の青色発光蛍光体が挙げら
れる。
【0062】一方、高電圧でエミッタから電子線を受け
励起発光する蛍光体としては、現在CRTで使われてい
るものが利用でき、例えばY:Eu、Y
S:Eu赤色発光蛍光体、ZnS:Au、(ZnCd)
S:Cu緑色発光蛍光体、ZnS:Ag青色発光蛍光体
等が挙げられる。
【0063】この高電圧駆動を行うFEDパネルにカラ
ーフィルターを用いる場合は、必要輝度を下げても表示
コントラストが得られるなどのメリットを活かせるの
で、電圧依存性のある輝度を低下させる設計を行い、低
消費電力化を図れる。従って、特に車載の場合には実用
範囲の駆動を実現できる。
【0064】
【実施例】以下、実施例を示し、本発明を具体的に説明
する。
【0065】実施例1 本発明に係るアノード基板の一例を以下のようにして作
成した。
【0066】アノード電極の作成 まず、アノード用基板としてガラス基板20を用意し、
ガラス基板20の一主面上にITO膜(Indium
Tin Oxide)をスパッタ法によって成膜した。
次に、ITO膜上にレジストパターンを形成し、これを
マスクとして塩化第二鉄と塩酸を混合したエッチング液
でアノード電極21としての透明電極を配線した。
【0067】カラーフィルターの作成 次に、カラーフィルター用青色ペーストを以下のように
調製した。
【0068】SnO微粉末(山中化学(株))300
重量部、及び青色顔料(大日精化(株)製:「TMカラ
ー#3480」)300重量部を予め混合・粉砕してお
き、80℃に加熱された硝酸水溶液中に5時間かけてボ
ールミルを行いながら投入し、ゾルを得た。
【0069】酸性水溶液に対する青色顔料微粒子とSn
微粒子の添加量は20重量部とした。このゾルから
コロイド粒子を濾別し、脱酸処理し、メタノール/エチ
レングリコール(重量比50/50)の混合溶媒で置換
した。得られたコロイド粒子の粒径は0.03μmであ
った。
【0070】次いで、得られた青色ペースト用コロイド
20重量部とエチルセルロース20重量部とを、メタノ
ール/エチレングリコール(重量比50/50)の混合
溶媒60重量部に加え、ビーズミル分散を行い、カラー
フィルター用青色ペーストを得た。
【0071】得られた青色顔料ペーストを用い、300
メッシュのスクリーン印刷版を使用して、ガラス基板2
0上に配線したアノード電極21に重なるように、縦3
50μm、横150μmの大きさの青色フィルター塗布
層23Bを各々形成した。
【0072】青色顔料の代わりに緑色顔料((株)T&
D CERATEC製:「D−11699」)を使用す
る以外は上述の青色ペーストと同様にして、緑色ペース
トを得た。得られた緑色ペーストを用い、同様にして、
緑色フィルター塗布層23Gを形成した。
【0073】青色顔料の代わりに赤色顔料((株)T&
D CERATEC製:「D−414」)を使用する以
外は上述の青色ペーストと同様にして、赤色ペーストを
得た。得られた赤色ペーストを用い、同様にして、赤色
フィルター塗布層23Gを形成した。
【0074】上述のようにして、青、緑、赤色の各フィ
ルター塗布層23B,23G,23Rを形成したガラス
基板20を空気中、580℃で10分間焼成し、カラー
フィルターを得た。この焼成により、青、緑、赤色ペー
スト中のエチルセルロース及びメタノール/エチレング
リコール等の有機成分は、蒸発又は燃焼するため、結果
として除去される。
【0075】上記のようにして得られた各カラーフィル
ター23B、23G、23Rの分光透過率を測定し、そ
の波長と透過率との関係を表すグラフ図を図3に示す。
図中、301は赤色、302は緑色、及び303は青色
カラーフィルターの分光透過率を各々示す。
【0076】蛍光体層の作成 次に、赤色発光蛍光体としてSrTiO:Pr 5重
量部を高感度水溶性フォトレジスト材(三洋化成(株)
製:「サンレジナーBMR−200」)50重量部に加
え、これを三本ロールミルで練り合わせ、赤色発光蛍光
体層形成用感光性ペースト材を得た。得られた感光性ペ
ースト材を使用して300メッシュのスクリーン印刷版
を使用して、赤色発光蛍光体塗布層を形成した。
【0077】得られた赤色発光蛍光体塗布層を所定の条
件で乾燥した後、所望のパターンを有するフォトマスク
を用い、超高圧水銀灯で150mJ/cm2の露光後、
純水で現像することにより、赤色フィルタ層に重なるよ
うに縦350μm、横150μmの赤色発光蛍光体層2
2Rを形成した。
【0078】赤色発光蛍光体の代わりに、ZnGa
:Mn緑色発光蛍光体を用いる以外は赤色発光蛍光体
層22Rと同様にして、緑色フィルター23G上に緑色
発光蛍光体層22Gを形成した。
【0079】赤色発光蛍光体の代わりに、YSi
:Ce青色発光蛍光体を用いる以外は赤色発光蛍光
体層22Rと同様にして、青色フィルター23B上に青
色発光蛍光体22Bで形成した。
【0080】得られた各蛍光体層22R、22B、22
Gを580℃で10分間焼成した。
【0081】なお、蛍光体フォトレジスト材中の有機成
分は、この焼成工程で蒸発又は燃焼するため結果として
除去される。
【0082】以上のようにして、ストライプ状のカラー
フィルター及び蛍光体層の代わりに、規則正しく配列さ
れた矩形状のカラーフィルター及び蛍光体層が設けられ
ている以外は図1のアノード基板100と同様の構成を
有するアノード基板を得た。
【0083】得られたアノード基板を、ストライプ状の
隔壁15,16の代わりに、格子状の隔壁が設けられる
以外は図1のカソード基板200と同様の構成を有する
カソード基板と位置合わせして、内部雰囲気を1×10
-5Paとして封止し、画素ピッチ0.60mm、有効表
示面積12インチ、640×480ドットのFEDパネ
ルを作成した。
【0084】得られたFEDパネルについて、赤色、緑
色及び青色発光蛍光体層を、アノード電圧600V、ア
ノード電流密度80mA/cm2、ゲート電圧100V
で同時に発光させその白色ピーク及び表示コントラスト
を調べた。
【0085】得られた結果について表1に示す。
【0086】実施例2 アノード電極21上にカラーフィルター23R、23
G、23Bを形成する前に、少なくともこのカラーフィ
ルターパターン間に相当する位置に格子状のブラックマ
トリックス(以下BMという)(23BM)が形成され
る以外は実施例1と同様にして図4に示す電界放射型ア
ノード基板400を得た。
【0087】この23BMは、アノード電極21上に、
金属クロム、酸化クロムをスパッタ法で積層構造で形成
し、フォトリソグラフィー技術ピッチ0.20mm即ち
青、緑、青色カラーフィルターパターン間に幅50μm
のBMパターン23BMをフォトプロセスで作製した。
【0088】この後、実施例1と同様にして、カラーフ
ィルター23B、23G、及び23Rを形成したガラス
基板の分光透過率特性は図3と同様であった。
【0089】得られたアノード基板を用いて、実施例1
と同様にしてFEDパネルを組立、その白色ピーク及び
表示コントラストを調べた。
【0090】得られた結果について表1に示す。
【0091】実施例3 カラーフィルターに混合する導電性微粉末を、SnO
微粉末の代わりにSn原子ドープInにした以外
は実施例1と同様にしてFEDを作製した。
【0092】得られたアノード基板を用いて、実施例1
と同様にしてFEDパネルを組立、その白色ピーク及び
表示コントラストを調べた。
【0093】得られた結果について表1に示す。
【0094】比較例1 カラーフィルター23R,23G,23Bを形成せず、
かつストライプ状の蛍光体層の代わりに、規則正しく配
列された矩形状の蛍光体層を形成する以外は実施例1と
同様にして、図5に示す構造を有するアノード基板50
0を得た。
【0095】このアノード基板500を、ストライプ状
の隔壁の代わりに、その周囲を囲む格子状の隔壁が設け
られている以外は、図7と同様の構造を有するカソード
基板と組み立てることにより、FEDパネルを得た。
【0096】得られたFEDパネルについて、赤色、緑
色及び青色発光蛍光体層を、アノード電圧600V、ア
ノード電流密度80mA/cm2、ゲート電圧100V
で同時に発光させその白色ピーク及び表示コントラスト
を調べた。
【0097】得られた結果について表1に示す。
【0098】比較例2 アノード用基板20上に直接アノード電極を形成せず、
カラーフィルター23R、23G、23Bと、蛍光体層
22R,22G,22Bとの間に光透過性絶縁層24と
アノード電極21を順に形成し、かつ各カラーフィルタ
ーに導電性微粒子を添加しないこと以外は、実施例1と
同様にして、図6に示すようなアノード基板電界放射型
アノード基板を製造した。
【0099】カラーフィルター用青色顔料ペーストとし
ては青色顔料(大日精化(株)製:「TMカラー#34
80」)5部をエチルセルロース(関東化学(株)製)
のα−テルピネオール(関東化学(株)製)5重量%溶
液50部に加え、これを三本ロールミルで練り合わせた
ものを用いた。
【0100】緑色顔料ペーストとしては、青色顔料を緑
色顔料((株)T&DCERATEC製:「D−116
99」)に変える以外は全く上述の青色顔料ペーストと
同様にして得た。
【0101】赤色顔料ペーストとしては、青色顔料を赤
色顔料((株)T&DCERATEC製:「D−41
4」)に変える以外は全く上述の青色顔料ペーストと同
様にして得た。
【0102】光透過性絶縁層24は、カラーフィルター
23B、23G、23Rを形成した後、光透過性を有す
る絶縁層24として、ゾル−ゲル法によるシリカコート
材(日本曹達(株)製:「アトロンNSi−310」)
10部をエチルセルロース(関東化学(株)製)の2−
(2−エトキシエトキシ)エタノール(関東化学(株)
製)10重量溶液10部に加え、十分混合した塗布液を
使用して、300メッシュのスクリーン印刷版を用い基
板全面を被覆するように塗布層を形成した。
【0103】得られた塗布層を空気中580℃で10分
間焼成することにより、アノード用基板上に光透過性の
絶縁層24を形成し、カラーフィルター23B、23
G、23R上に固着させた。
【0104】次いで、アノード用基板の光透過性を有す
る絶縁層24上面に、ITO膜をスパッタ法によって成
膜し、レジストパターンをマスクとしてエッチングを行
いアノード電極21を配線した。
【0105】得られたFEDパネルについて、赤色、緑
色及び青色発光蛍光体層を、アノード電圧600V、ア
ノード電流密度80mA/cm2、ゲート電圧100V
で同時に発光させその白色ピーク及び表示コントラスト
を調べた。
【0106】得られた結果について下記表1に示す。
【0107】
【表1】
【0108】表1から分かるように本発明に係るカラー
フィルターを設けた実施例1のFEDにおいて、FED
パネルは、カラーフィルターを設けない比較例1のFE
Dに比べ輝度は僅かに低下するが、外光下でのコントラ
スト比が大きく向上し、視認性の高い映像表示を提供す
ることが可能となった。同時に、アノード電極21の断
線に伴うパネル内の点灯不良個所は無い為、製造歩留ま
りの向上を格段に図る事ができた。
【0109】しかしながら、比較例1では、フィルタを
設けたFEDに比べ白ピーク輝度は僅かに高いが、明室
内での蛍光体層による反射光が大きくコントラスト比は
小さな、視認性の劣るものであった。
【0110】また、実施例2において、カラーフィルタ
ーを設けたFEDは、比較例1のカラーフィルターを設
けないFEDに比べ輝度は僅かに低下するが、外光下で
のコントラスト比が大きく向上し、視認性の高い映像表
示を提供することが可能となる。同時に、アノード電極
21の断線に伴うパネル内の点灯不良個所は無い為、製
造歩留まりの向上を格段に図ることができた。
【0111】また、実施例3のカラーフィルターを設け
たFEDは、比較例1のカラーフィルターを設けないF
EDに比べ、輝度は僅かに低下するが、外光下でのコン
トラスト比が大きく向上でき、視認性の高い映像表示を
提供することが可能となった。また、アノード電極21
の断線に伴うパネル内の点灯不良個所は無く、製造歩留
まりの向上を格段に図ることができた。
【0112】また、比較例2に係るアノード基板では、
カラーフィルター23の段差に伴い光透過性を有する絶
縁層24にピンホールが存在しているのを確認できた。
また、このピンホールからはアノード電極配線の際のエ
ッチング液がカラーフィルター23へ浸透し、変色を招
いた。更に、絶縁層24のピンホールがアノード電極の
配線位置にある領域では、アノード電極が断線している
事を確認できた。比較例2は、フィルタの変色及びアノ
ード電極の断線によるセル不点灯の欠陥不良があるため
に白ピーク輝度及び明室内でのコントラスト比が低下
し、本来の表示特性を損なうものであった。パネル製造
の収率は低く、歩留まりに問題が残っていた。
【0113】以上のように、本発明にかかるカラーフィ
ルターを設けたFEDは、カラーフィルターを設けない
FEDに比べ白ピーク輝度は僅かに低下するが、一般的
なテレビの観視条件である明室内でのコントラスト比が
大きく向上し、表示品質(視認性)の優れたFEDとな
った。
【0114】
【発明の効果】以上説明したように、本発明を用いる
と、アノード用基板上に、優れた透明性を有するカラー
フィルターを形成することができるので、蛍光体の発光
を効率よく透過して、表示面における輝度低下を抑制
し、コントラスト及び色純度を向上させ、視野角が広
く、不点灯欠陥のない、視認性に優れた良好な画像を表
示することが可能な電界放射型ディスプレイ用アノード
基板が容易に得られる。
【0115】また、本発明によれば、アノード用基板上
に、優れた透明性を有するカラーフィルターを形成する
ことができるので、蛍光体の発光を効率よく透過して、
表示面における輝度低下を抑制し、コントラスト及び色
純度を向上させ、視野角が広く、不点灯欠陥のない、視
認性に優れた良好な画質を有する電界放射型ディスプレ
イが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るFEDパネルの一例の構成を表す
概略断面図
【図2】本発明に係るFEDパネルの表示コントラスト
が向上する原理を説明するための図
【図3】本発明に係るアノード基板の各カラーフィルタ
ーの分光透過率を表すグラフ図
【図4】本発明に係るFEDパネルの他の一例に用いら
れるアノード基板を表す概略断面図
【図5】従来のアノード基板の一例を表す概略断面図
【図6】従来のアノード基板の他の一例を表す概略断面
【図7】従来のFEDパネルの一例を表す概略断面図
【符号の説明】
10…カソード用基板 11…カソード電極 12…抵抗層 13…エミッタ 14…ゲート 15…絶縁層 16…ホール 20…アノード用基板 21…アノード電極 22…蛍光体層 22R…赤色発光をする蛍光体層 22G…緑色発光をする蛍光体層 22B…青色発光をする蛍光体層 23…カラーフィルター 23R…赤色フィルタ 2GR…緑色フィルタ 23B…青色フィルタ 23BM…ブラックマトリックスパターン 24…光透過性の絶縁層 100,300,400,500…アノード基板 200…カソード基板
フロントページの続き (72)発明者 塚本 健人 東京都台東区台東1丁目5番1号 凸版印 刷株式会社内 (72)発明者 野村 裕司 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 (72)発明者 浪川 衛 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 (72)発明者 内藤 康之 千葉県茂原市大芝629 双葉電子工業株式 会社内 Fターム(参考) 5C028 HH14 5C036 CC20 EF01 EF06 EG02 EG28

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の基板、該第1の基板上にカソード
    電極、絶縁層、ゲート電極を順次成膜した積層基板に対
    して、前記ゲート電極及び絶縁層にホールが設けられ、
    該ホール内に形成されるエミッタを有する抵抗層、及び
    該隔壁上に設けられたゲート電極を有するカソード基板
    と、 該カソード基板と対向して設けられた、第2の基板、該
    第2の基板のカソード基板側表面上に設けられたアノー
    ド電極層、該アノード電極層上に設けられた粒径1.0
    μm以下の透明導電性微粒子コロイドと粒径1.0μm
    以下の無機顔料コロイドを含む塗布層を焼成して形成さ
    れた所定のパターンを有するカラーフィルター層、及び
    該カラーフィルター層上に設けられた蛍光体層を含むア
    ノード基板とを具備することを特徴とする電界放射型デ
    ィスプレイ。
  2. 【請求項2】 前記透明導電性微粒子は、SnO、S
    b原子ドープSnO 、P原子ドープSnO2、Te原
    子ドープSnO、F原子ドープSnO、及びSb原
    子ドープSnO被覆BaSO、In、Sn原
    子ドープIn 、及びAgからなる群から選択され
    る少なくとも1種の微粒子を含有することを特徴とする
    請求項1に記載の電界放射型ディスプレイ。
  3. 【請求項3】 エミッタとゲートとを備えたカソード基
    板に対向して設けられる電界放射型ディスプレイ用アノ
    ード基板であって、 アノード用基板、 該基板上に設けられたアノード電極層、 該アノード電極層上に設けられた粒径1.0μm以下の
    透明導電性微粒子コロイドと粒径1.0μm以下の無機
    顔料コロイドを含む塗布層を焼成して形成された所定の
    パターンを有するカラーフィルター層、及び該カラーフ
    ィルター層上に設けられ、該無機顔料の色と同様の発光
    色を有する蛍光体層を具備することを特徴とするアノー
    ド基板。
  4. 【請求項4】 前記透明導電性微粒子は、SnO、S
    b原子ドープSnO 、P原子ドープSnO、Te原
    子ドープSnO、F原子ドープSnO、及びSb原
    子ドープSnO被覆BaSO、In、Sn原
    子ドープIn 、及びAgからなる群から選択され
    る少なくとも1種の微粒子を含有することを特徴とする
    請求項3に記載のアノード基板。
  5. 【請求項5】 その一表面にアノード電極層が設けられ
    た基板を用意し、該アノード電極層上に、粒径1.0μ
    m以下の透明導電性微粒子コロイドと粒径1.0μm以
    下の無機顔料コロイドを含むペーストを用いて、所定の
    パターンを有する塗布層を形成した後、焼成し、フィル
    ター層を形成する工程、及び該フィルター層上に蛍光体
    層を形成する工程を具備することを特徴とするアノード
    基板の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記透明導電性微粒子は、SnO、S
    b原子ドープSnO 、P原子ドープSnO、Te原
    子ドープSnO、F原子ドープSnO、及びSb原
    子ドープSnO被覆BaSO、In、Sn原
    子ドープIn 、及びAgからなる群から選択され
    る少なくとも1種の微粒子を含有することを特徴とする
    請求項5に記載のアノード基板の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007042614A (ja) * 2005-06-30 2007-02-15 Furukawa Electric Co Ltd:The 機能性材料付き部材の製造方法

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