JP2001228340A - 光ファイバ固定治具 - Google Patents

光ファイバ固定治具

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JP2001228340A
JP2001228340A JP2000036795A JP2000036795A JP2001228340A JP 2001228340 A JP2001228340 A JP 2001228340A JP 2000036795 A JP2000036795 A JP 2000036795A JP 2000036795 A JP2000036795 A JP 2000036795A JP 2001228340 A JP2001228340 A JP 2001228340A
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optical fiber
fixing
fixed
fixing jig
housing groove
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JP2000036795A
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English (en)
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Masato Kurii
正人 栗井
Kazuya Ogata
和也 緒方
Yoshikazu Nomura
義和 野村
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Fujikura Ltd
Original Assignee
Fujikura Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鬼目金具等の一対の把持部品を用いた光ファ
イバケーブルの把持固定では、把持力によって光ファイ
バケーブル内部の光ファイバ心線の光特性に悪影響を与
える等の不都合があるため、これを防止しつつ、確実な
固定を実現できる技術の開発が求められていた。 【解決手段】 固定ブロック2に湾曲形成された光ファ
イバ収納溝6に、光ファイバケーブル等である光ファイ
バ4を嵌め込んで収納固定することで、強力な側圧を作
用させること無く光ファイバ4を確実に固定できる光フ
ァイバ固定治具1を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの固定
に用いられる光ファイバ固定治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、光ファイバケーブルの固定構造と
しては、例えば光クロージャ等にて多用されているよう
に、鬼目金具等の一対の把持部品の間に光ファイバケー
ブルを挟み込んで締め付け固定するものが多く用いられ
ている。また、光ファイバケーブルをリール状に巻いて
固定する構造や、八の字巻き(クリート)にして固定す
る構造が存在する。さらに、光ファイバケーブルに設け
られたテンションメンバを一対のクランプ部品間に挟み
込んで締め付ける構造もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
固定構造では、以下のような問題があった。 (1)一対の把持部品間に締め付け固定する構造や、テ
ンションメンバを挟み込んで固定する構造は、ネジ等の
締め付けにより固定を実現するものであるため、ネジ等
を締め付けるための工具が必要となる上、部品点数が多
く、組み立てや固定に手間が掛かる。 (2)一対の把持部品間に締め付け固定する構造では、
例えば図6に示すように外皮51を形成する樹脂中に光
ファイバ52(光ファイバ心線等)を埋め込んだ光ファ
イバケーブル53等、外皮の把持力が内部の光ファイバ
にも作用し得る中実構造の光ファイバケーブルの把持固
定に適用すると、この光ファイバケーブル内部の光ファ
イバをも固定できるが、把持部品間の把持力が非常に大
きいと、光ファイバケーブル内部の光ファイバに局所的
に歪みを与えて光特性に悪影響を及ぼす可能性がある。
光ファイバの光特性に影響を与えないようにするために
把持部品間の把持力を低下させると、光ファイバケーブ
ルの外皮の移動は防止できるものの、外皮内の光ファイ
バをも確実に固定することは困難になり、外皮に対する
光ファイバの移動が許容されるケースがある。テンショ
ンメンバを固定する構造でも、光ファイバケーブル内部
の光ファイバを固定できないことは言うまでも無い。 (3)光ファイバケーブルをリール状に巻いて固定する
構造や、八の字巻き(クリート)にして固定する構造で
は、光ファイバケーブルの固定に手間が掛かる。
【0004】本発明は、前述の課題に鑑みてなされたも
ので、光ファイバをその光特性に影響を与えること無
く、簡単かつ確実に固定できる光ファイバ固定治具を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、光ファイバが嵌め込み収納により固定される光ファ
イバ収納溝が湾曲形成されている固定ブロックを備える
ことを特徴とする光ファイバ固定治具を前記課題の解決
手段とした。この光ファイバ固定治具では、固定ブロッ
クに形成された光ファイバ収納溝への嵌め込みによって
光ファイバが固定されるようになっている。固定ブロッ
クからの引き抜き方向への引張力に対する光ファイバの
引き抜き耐力は、光ファイバ収納溝に対する光ファイバ
の嵌め込みによる固定力によって充分に確保できる。光
ファイバ収納溝は湾曲形成されているため、この光ファ
イバ収納溝に嵌め込まれる光ファイバの長さ(以下「固
定長」)を充分に確保でき、したがって、嵌め込みによ
る光ファイバの固定力を充分に確保できる。
【0006】請求項2記載の発明は、請求項1記載の光
ファイバ固定治具において、前記光ファイバ収納溝がS
字状あるいはS字が連続する形状になっていることを特
徴とする。S字状あるいはS字が連続する形状の光ファ
イバ収納溝であれば、小型の固定ブロックにおいても、
光ファイバの固定長を充分に確保できる。
【0007】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の光ファイバ固定治具において、前記固定ブロック
に取り付けられることで、前記光ファイバ収納溝内の光
ファイバを押え込む押え部材を備えることを特徴とす
る。この光ファイバ固定治具によれば、押え部材が、固
定ブロックとの間に光ファイバを把持することとなり、
光ファイバ収納溝に対する嵌め込みによる光ファイバの
固定力に加えて、固定ブロックと押え部材とによる把持
固定力をも作用させて、光ファイバをより効果的に固定
できる。但し、固定ブロックと押え部材との間の把持固
定力は、光ファイバの光特性に悪影響を与える等の不都
合を生じない程度の弱いものとする。また、固定ブロッ
クと押え部材との間の把持固定力は、光ファイバ収納溝
に収納された光ファイバの出来るだけ広範囲に分散して
作用させ、局所的な集中による光ファイバの光特性への
悪影響を回避することが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】以下本発明の1実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1および図2において、光フ
ァイバ固定治具1は、光ファイバ4が嵌め込み収納され
る光ファイバ収納溝6が形成された固定ブロック2と、
この固定ブロック2に固定されることで光ファイバ収納
溝6内の光ファイバ4を押え込む押え部材3とを備えて
いる。
【0009】固定ブロック2および押え部材3はいずれ
も、金属、硬質の樹脂等、充分な強度を有する素材から
プレート状に形成されている。光ファイバ4としては、
光ファイバケーブル、光ファイバコード等、各種構成が
採用可能であるが、光ファイバケーブルを採用すること
を基本とする。支持体9としては、例えば建物の壁、橋
梁、ダム、堤体等の固定構造物や、光配線盤のフレーム
等、各種採用可能であるが、図2ではコンクリート壁を
例示している。
【0010】光ファイバ収納溝6は前記固定ブロック2
に形成された押え部材取付面5に、光ファイバ4の光特
性に影響を与えない湾曲半径(例えばr20以上)を確
保して湾曲形成されており、光ファイバ4は、この光フ
ァイバ収納溝6に嵌め込むだけで簡単に固定できる。こ
の光ファイバ収納溝6に収納固定された光ファイバ4
は、さらに、前記押え部材取付面5に取り付けられた押
え部材3によって光ファイバ収納溝6の底部に押え込ま
れ、これにより、固定ブロック2と押え部材3との間で
の光ファイバ4の把持固定が実現されるようになってい
る。そして、光ファイバ4を把持固定した光ファイバ固
定治具1を、取付部7によって、支持体9に固定する
と、この支持体9の目的位置に光ファイバ4を固定する
ことができる。
【0011】図1において、前記押え部材取付面5は、
具体的には、プレート状の固定ブロック2の厚さ方向一
側の面であり、前記押え部材3は、前記押え部材取付面
5に重ねるようにして設置される。そして、固定ブロッ
ク2と押え部材3とを一体化手段8で固定することで、
これら固定ブロック2と押え部材3との一体化状態が維
持されるようになっている。前記一体化手段8は、図
1、図2では、押え部材3に穿設された穴3aを貫通し
て固定ブロック2のネジ穴2aに螺着される固定ネジで
あるが、一体化手段としては固定ネジに限定されず、例
えば、固定ブロック2と押え部材3とを外側からクラン
プ保持して一体化状態を維持するクランプ部材等、各種
構成が採用可能である。
【0012】光ファイバ収納溝6は前記押え部材取付面
5にてS字状に形成されており、この光ファイバ収納溝
6の延在方向両端は、固定ブロック2の対向する一対の
側面2b、2cに開口されている。光ファイバ収納溝6
は、収納した光ファイバ4を押え部材取付面5上に突出
させない深さを有している。押え部材3の固定ブロック
2側に向けられる面には、前記光ファイバ収納溝6に挿
入される突条3bが形成されており、押え部材3は前記
突条3bを光ファイバ収納溝6に挿入して、固定ブロッ
ク2に対して重ね合わせるようにして設置される。そし
て、固定ブロック2と、該固定ブロック2に重ね合わせ
るようにして設置された押え部材3とを一体化手段8に
よって固定すると、光ファイバ収納溝6内の光ファイバ
4が押え部材3の突条3bによって固定ブロック2(光
ファイバ収納溝6の底部)に押え込まれる。突条3b
は、固定ブロック2の光ファイバ収納溝6とほぼ一致す
る形状に形成されており、固定ブロック2と押え部材3
との間の把持固定力(具体的には固定ブロック2と突条
3bとの間の把持固定力)は、光ファイバ4の全長にわ
たってほぼ均等に作用する。
【0013】光ファイバ4は、光ファイバ収納溝6に押
し込んで嵌め込み収納される。光ファイバ4の断面形状
は、円形、長方形等、各種採用可能であり、例えば、円
形の場合は、断面径を光ファイバ収納溝6とほぼ一致さ
せ、光ファイバ収納溝6への嵌め込みにより固定される
ようにする。長方形の場合は、光ファイバ収納溝6に対
して嵌合する向きで押し込み収納される。光ファイバ収
納溝6は、S字状に湾曲されているから、この光ファイ
バ収納溝6への嵌め込みによって固定される部分の長さ
(以下「固定長」)を、光ファイバ収納溝を直線状に形
成した場合に比べて長く確保できる。このため、光ファ
イバ4は充分な固定長を以って固定ブロック2に確実に
固定されることとなり、固定ブロック2からの引き抜き
方向への引張力に対する充分な引き抜き耐力が確保され
ることになり、引張力に対して位置ずれを生じることな
く固定状態が安定に維持される。
【0014】さらに、この光ファイバ固定治具1では、
固定ブロック2と押え部材3とを一体化することで、こ
の固定ブロック2と押え部材3との間の把持固定力によ
っても光ファイバ4を固定する。したがって、光ファイ
バ4を、光ファイバ収納溝4の両内側面と、光ファイバ
収納溝4の底部の固定ブロック2と、押え部材3とによ
って、いわば、4方から押え込むことになり、光ファイ
バ4の引き抜き耐力を向上できる。
【0015】この光ファイバ固定治具1では、固定用の
強力な側圧を作用させることなく光ファイバ4を確実に
固定できるから、したがって、局所的な把持固定力の集
中によって光ファイバ4の光特性に悪影響を与えるとい
った不都合を回避できる。固定ブロック2と押え部材3
との間の把持固定力は、例えば、一対の鬼目金具等の把
持部品の把持力のみによって固定する従来技術に比べ
て、非常に弱いもので良い。仮に、押え部材3が、光フ
ァイバ収納溝6からの光ファイバ4の飛び出しを防止す
る機能のみを有し、固定ブロック2と押え部材3との間
の把持固定力が光ファイバ4に全く作用しなくても、光
ファイバ収納溝6に対する嵌め込みのみによって光ファ
イバ4の固定力を充分に確保できる。また、湾曲された
光ファイバ収納溝6に収納された光ファイバ4は、光フ
ァイバ4に作用する引張力が、前記光ファイバ収納溝6
の前記引張力の方向に対して平行でない部分に分散支持
され、光ファイバ収納溝6の湾曲部分に引っ掛かるよう
にして引き留められるから、局所的な応力集中を生じる
こと無く、確実に引き留められるといった利点がある。
【0016】この光ファイバ固定治具1に、光ファイバ
4の一例として、例えば、図6に示したような中実構造
の光ファイバケーブルの固定に適用すると、光ファイバ
収納溝6に収納された固定長全体にわたって固定力が作
用することで、内部の光ファイバ(光ファイバ心線等)
をも移動しないように確実に固定することができる。光
ファイバケーブル内部の光ファイバを固定する固定力
は、固定長全体にわたって光ファイバに作用するので、
局所的な固定力の集中を生じさせること無く光ファイバ
を固定でき、光ファイバの光特性に悪影響を与えずに、
確実な固定を実現できる。光ファイバ4として採用可能
な中実構造の光ファイバケーブルとしては、図6に示し
た構成に限定されず、例えば、複数本の光ファイバを収
納したもの、単心または多心のテープ状の光ファイバを
収納したもの、ケブラや鋼線等からなる抗張力体を内蔵
したもの等、各種構成が採用可能である。但し、例え
ば、スロット型光ファイバケーブルのように、外側から
の固定用の側圧が内部の光ファイバに伝達されない構成
の光ファイバケーブルでは、光ファイバ固定治具1によ
って光ファイバケーブル内部の光ファイバを固定するこ
とは困難であるが、この光ファイバケーブルの外皮を確
実に固定することができる。
【0017】さらに、光ファイバ収納溝6の湾曲形成に
よって光ファイバ4の固定長を充分に確保できる構成で
は、限られたスペース(押え部材取付面5)を有効に活
用して充分な固定長を確保できるから、固定ブロック2
並びに光ファイバ固定治具1全体の小型化が容易である
といった利点がある。また、この光ファイバ固定治具1
は、構造が単純であり、部品点数が少ないことから、低
コスト化も実現できる。また、光ファイバ収納溝6への
光ファイバ4の嵌め込みは、非常に簡単な作業であり、
作業性を向上できる。逆に、光ファイバ固定治具1に固
定した光ファイバ4の取り出しは、固定ブロック2から
押え部材3を取り外した後、光ファイバ収納溝6から光
ファイバ4を取り出せば良く、簡単に行うことができ
る。
【0018】図2は、コンクリート壁である支持体9の
歪み発生を検出する光ファイバセンサ10を示す。この
光ファイバセンサ10は、支持体9に、複数の光ファイ
バ固定治具1を互いに離間距離を以って一列に連設固定
し、各光ファイバ固定治具1に固定した光ファイバ4
を、隣り合う光ファイバ固定治具1間に張設したもので
ある。ここで、光ファイバ4としては、例えば、図6に
示すような中実構造の光ファイバケーブル(例えば光フ
ァイバケーブルの外皮を形成する樹脂内に光ファイバを
埋め込んだ構造のもの等、固定用の側圧が内部の光ファ
イバに伝達される構造のもの)が採用される。この光フ
ァイバセンサ10では、支持体9に光ファイバ固定治具
1が一体的に固定されており、支持体9が変形すると、
光ファイバ固定治具1も支持体9と一体的に変位する。
そして、支持体9の変形に伴って隣り合う光ファイバ固
定治具1間が離間すると、この離間した光ファイバ固定
治具1間に張設されている光ファイバ4に伸び歪みが与
えられるようになっている。光ファイバ固定治具1間の
離間とは、例えばコンクリート壁等の構造物の伸びや圧
縮等の光ファイバ4の布設方向に沿った方向への支持体
9の変形に起因するものに限定されず、例えば、前記コ
ンクリート壁等の構造物の膨れや陥没等といった、光フ
ァイバ4の布設方向に垂直な方向への支持体9の変形に
起因するものも含まれる。
【0019】例えば、光ファイバ4の長手方向端部に光
パルス試験器11(図2中、BOTDR)を接続し、こ
の光パルス試験器から光ファイバ4に入射した試験光
(光ファイバケーブルや光ファイバコードの場合は、外
皮内に収納された光ファイバ心線等の光ファイバへの入
射)の後方散乱光の1つであるブリュアン散乱光を観測
することで、光ファイバ4の伸び歪みが検出されると、
支持体9の歪み発生(変形)が検出されたことになり、
支持体9の変形を監視できる。光ファイバの長手方向の
歪み量の連続的な分布を高精度に観測する方法として
は、非線形現象の一つであるブリュアン散乱光の周波数
シフト量が光ファイバの歪みに依存することを利用した
手法が開発されており、これを利用することで支持体9
の歪み発生を監視できる。歪みが与えられた光ファイバ
に試験光を入射した時に生じる後方散乱光の一つである
ブリュアン散乱光の波長は、光ファイバに入射した試験
光の波長からずれており、この周波数シフト量から、光
ファイバの歪み量を把握することができる。また、試験
光の入射後、ブリュアン散乱光が受光、観測されるまで
の時間により、光ファイバの歪み発生位置の概略を把握
することができる。
【0020】この光ファイバセンサ10では、隣り合う
一対の光ファイバ固定治具1間に張設されている光ファ
イバ4の区間12単位で、支持体9の歪み発生を検出、
監視することができる。また、光ファイバ4への光の入
射からブリュアン散乱光の受光までの時間(以下「戻り
時間」)から、伸び歪みを生じた光ファイバ4の位置
(光パルス試験器11からの距離)を計測できるから、
これによって、支持体9の歪み発生位置を光ファイバ4
の区間12単位で把握できる。支持体9の変形により隣
り合う一対の光ファイバ固定治具1間が接近した場合
は、これら光ファイバ固定治具1間の区間12の光ファ
イバ4には伸び歪みが与えられないが、光ファイバ4の
長手方向のいずれか一方または両方に隣接する区間12
の光ファイバ4に与えられた伸び歪みを、ブリュアン散
乱光の観測により検出することで、支持体9の変形を検
出できる。
【0021】この光ファイバセンサ10では、各光ファ
イバ固定治具1にて光ファイバ4をしっかりと固定でき
るので、光ファイバ4の区間12を形成する一対の光フ
ァイバ固定治具1間の離間が生じたときに、光ファイバ
固定治具1に対する引き抜き方向への光ファイバ4の移
動、位置ずれを生じない。したがって、この光ファイバ
センサ10では、光ファイバ固定治具1間の離間距離の
増加量に対応する伸び歪みを光ファイバ4に確実に与え
ることができるから、支持体9の歪の発生の検出精度を
向上できる。
【0022】図1、図2に示す光ファイバ固定治具1で
は、光ファイバ収納溝6の延在方向両端部6a、6b
が、前記固定ブロック2の対向する両側面2b、2cに
開口されているから、図2に示すように、支持体9に一
列に連設固定した複数の光ファイバ固定治具1に光ファ
イバ4を固定した構成の光ファイバセンサ10では、隣
り合う一対の光ファイバ固定治具1間にて、一方の光フ
ァイバ固定治具1の光ファイバ収納溝6の端部6aが相
手側の光ファイバ固定治具1の光ファイバ収納溝6の端
部6bと向き合うようにして、一対の光ファイバ固定治
具1間に光ファイバ4を張設し、光ファイバ4の各区間
12を形成する。また、この光ファイバ固定治具1で
は、光ファイバ収納溝6の両端部6a、6bが、固定ブ
ロック2を貫通する同一直線にほぼ沿って形成されてい
るから、光ファイバセンサ10を構成する各光ファイバ
固定治具1の固定ブロック2の光ファイバ収納溝6の端
部6a、6bが同一直線上に位置するようにして各光フ
ァイバ固定治具1を一列に配列することで、各光ファイ
バ固定治具1の位置決めを簡単に行うことができ、光フ
ァイバセンサ10を簡単に組み立てることができる。
【0023】図2の光ファイバセンサ10では、支持体
9に一列に連設固定した複数の光ファイバ固定治具1に
光ファイバ4を固定した構成を例示したが、これに限定
されず、適宜屈曲させて支持体9に沿って布設した光フ
ァイバ4を光ファイバ固定治具1によって支持体9に固
定した構成も採用可能である。この場合も、光ファイバ
4の長手方向に隣り合う光ファイバ固定治具1間に光フ
ァイバ4を張設し、光ファイバ固定治具1間の離間距離
の増大によって光ファイバ4に効率良く伸び歪みが与え
られるようにする。
【0024】光ファイバ4を屈曲させた屈曲部では、固
定ブロック2に代えて、例えば、図3に示すような固定
ブロック2dを備える光ファイバ固定治具を採用するこ
とも可能である。前記固定ブロック2dは、光ファイバ
収納溝6の延在方向両端部に、この光ファイバ収納溝6
を固定ブロック2d外側に向けて次第に広がるテーパ状
に拡張した形状の拡張部6c、6dを備えたものであ
る。この固定ブロック2dとの間に光ファイバ4を挟み
込む押え部材としては、例えば、図3に例示したよう
に、突状3bの延在方向両端に、拡張部6c、6dにほ
ぼ一致する末広がりのテーパ状に形成された拡張部3
d、3eを備えた押え部材3c等が採用可能である。図
3において、拡張部3d、3eは、光ファイバ収納溝6
の両端の拡張部6c、6dに挿入可能になっている。
【0025】この光ファイバ固定治具では、拡張部6
c、6dの開口範囲で、光ファイバ固定治具からの光フ
ァイバ4の引き出し方向を自由に変更できるため、一方
の拡張部6cから引き出されて別の光ファイバ固定治具
との間に張設される光ファイバ4(説明の便宜上、図3
中符号4aを付す)と、他方の拡張部6dから引き出さ
れて別の光ファイバ固定治具との間に張設される光ファ
イバ4(説明の便宜上、図3中符号4bを付す)の引き
出し方向を、別々に設定できる。このため、この光ファ
イバ固定治具では、光ファイバ4の屈曲部の支持体9に
対する固定に適している。この光ファイバ固定治具1a
でも、光ファイバ4に作用する引張力に対して優れた引
き抜き耐力を確保できることは言うまでも無い。また、
光ファイバ固定治具1aから引き出される光ファイバ4
は、各拡張部6c、6dの内面である湾曲面6c1、6
d1に添わせるようにすることで、光特性に影響するよ
うな急激な曲げを生じない程度の湾曲半径を確保するこ
とができる。
【0026】図4は、光ファイバ4に固定された光ファ
イバ固定治具1を、カッター等の加工機器13のホルダ
14にセットして、この光ファイバ固定治具1から突き
出された光ファイバ4を加工機器13に位置決めした状
態を示す。図4の状態では、光ファイバ4は光ファイバ
固定治具1によって位置ずれを生じること無く固定され
るので、カッターによる切断等の加工を正確に行うこと
ができる。また、例えば、外皮内に光ファイバ心線等の
光ファイバを収納する構成の光ファイバ4(光ファイバ
ケーブルや光ファイバコード等)では、光ファイバ固定
治具1によって、内部に収納された光ファイバをも位置
ずれしないように固定できることから、この光ファイバ
をも正確に切断することができる。
【0027】本発明に係る光ファイバ固定治具の具体的
構成は、前記実施の形態に限定されず、適宜設計変更可
能であることは言うまでも無い。固定ブロックに形成さ
れる光ファイバ収納溝は、S字状またはS字が連続する
形状に限定されず、例えば、複数の湾曲溝が、複数の直
線溝や、光ファイバが引き通される凹所等を介して連続
する構成等、各種構成が採用可能である。図5(a)、
(b)に示す光ファイバ固定治具1Aは、細長プレート
状の固定ブロック15と、この固定ブロック15に重ね
合わされる細長プレート状の押え部材16との間に光フ
ァイバ(光ファイバケーブル等)を挟み込むようになっ
ている。押え部材16が重ね合わされる固定ブロック1
5の押え部材取付面17に湾曲形成された光ファイバ収
納溝18は、光ファイバが嵌め込みによって固定される
ものであり、固定ブロック15の長手方向に沿ってS字
が連続する形状に形成されることで、充分な固定長を確
保できるようになっている。また、この光ファイバ収納
溝18の延在方向両端は、固定ブロック15の長手方向
両端にそれぞれ開口されている。この光ファイバ固定治
具1Aでは、光ファイバ収納溝18に光ファイバを収納
した後、押え部材16に突設された突条19を光ファイ
バ収納溝18に挿入して固定ブロック15に押え部材1
6を重ね合わせるようにして設置し、ネジ等の一体化手
段(図示せず)により、固定ブロック15と押え部材1
6とを固定して一体化することで、固定ブロック15と
押え部材16(具体的には突条19)との間に光ファイ
バが把持固定される。この固定ブロック15と押え部材
16とによる把持固定力は、光ファイバ収納溝18への
嵌め込みによる光ファイバの固定力を補強する。この光
ファイバ固定治具1Aは、全体が細長であるので、溝状
の設置空間に容易に設置することができる。例えば、と
う道等の細長い空間内への設置では、空間を殆ど狭くす
ること無く設置することができ、他の光ファイバの空間
内への引き込み等の障害にならない等の利点がある。し
かも、固定ブロックの長手方向全長にわたって光ファイ
バ収納溝18を連続的に湾曲形成できるため、光ファイ
バの固定長を充分に確保でき、引き抜き耐力を大幅に向
上できる。
【0028】本発明に係る光ファイバ固定治具を固定す
る支持体としては、前述の建物の壁等の構造物に限定さ
れず、光クロージャ、光配線盤のフレーム等、各種構成
が採用可能である。光クロージャや光配線盤では、例え
ば、これら光クロージャや光配線盤に引き込んだ光ファ
イバケーブル端末の固定等に、本発明に係る光ファイバ
固定治具を利用することができる。この場合、光ファイ
バケーブル内部の光ファイバ(光ファイバ心線等)をも
移動しないように固定できるから、光ファイバケーブル
端末に口出しされた光ファイバの光ファイバケーブル内
部への飲み込み防止等にも効果を発揮する。
【0029】前記実施の形態では、光ファイバ収納溝が
形成された固定ブロックと、光ファイバを光ファイバ収
納溝に押え込む押え部材とを備えた構成の光ファイバ固
定治具を例示したが、本発明はこれに限定されず、押え
部材を備えていない構成も採用可能である。押え部材を
備えていない光ファイバ固定治具では、固定ブロックの
光ファイバ収納溝に光ファイバを押し込んで嵌め込むだ
けで光ファイバを簡単に固定でき、一対の把持部品間に
固定する構造では工具を用いて締め付け用のネジを操作
する必要があることに比べて、非常に簡単な作業で済む
ので、固定作業性を大幅に向上できる。逆に、固定した
光ファイバは、光ファイバ収納溝から取り出すだけで簡
単に固定を解除できる。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光ファイ
バ固定治具によれば、固定ブロックに湾曲形成された光
ファイバ収納溝に充分な固定長を確保して光ファイバを
嵌め込み収納することで、強力な側圧を加えること無く
光ファイバを固定できる構造であるから、光ファイバの
一部分への把持固定力の集中により光ファイバの光特性
に悪影響を与える等の不都合を生じること無く、光ファ
イバを確実に固定できる。また、構造の単純化、部品点
数の削減が容易であることから、低コスト化も容易であ
る。さらに、光ファイバ収納溝に光ファイバを嵌め込む
だけで、非常に簡単な作業により光ファイバを固定で
き、作業性を向上できるといった優れた効果を奏する。
【0031】請求項2記載の光ファイバ固定治具によれ
ば、前記光ファイバ収納溝がS字状あるいはS字が連続
する形状になっているため、固定ブロックのサイズが小
さくても、光ファイバ収納溝によって光ファイバに充分
な長さの固定長を確保できる。また、これにより、固定
ブロックの小型化、光ファイバ固定治具全体の小型化が
容易であるといった優れた効果を奏する。
【0032】請求項3記載の光ファイバ固定治具によれ
ば、押え部材が、固定ブロックとの間に光ファイバを押
え込んで把持することで、光ファイバ収納溝に対する嵌
め込みによる光ファイバの固定力に加えて、固定ブロッ
クと押え部材とによる把持固定力をも作用させて、光フ
ァイバをより効果的に固定できるといった優れた効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施の形態の光ファイバ固定治具
を示す分解斜視図である。
【図2】 図1の光ファイバ固定治具を用いて構成され
た光ファイバセンサを示す斜視図である。
【図3】 本発明の光ファイバ固定治具の他の構成例を
示す分解斜視図であって、光ファイバ収納溝の端部に拡
張部が形成された固定ブロック並びにこの固定ブロック
との間に光ファイバを把持固定する押え部材を示す。
【図4】 図1の光ファイバ固定治具を光ファイバを加
工する加工機器のホルダにセットした状態を示す正面図
である。
【図5】 本発明に係る光ファイバ固定治具を示す図で
あって、(a)は細長に形成された固定ブロックを押え
部材取付面側から見た平面図、(b)は(a)の固定ブ
ロックを適用した光ファイバ固定治具を示す分解側面図
である。
【図6】 中実構造の光ファイバケーブルの一例を示す
断面図である。
【符号の説明】
1,1A…光ファイバ固定治具、2,2d…固定ブロッ
ク、3,3c…押え部材、4…光ファイバ、5…押え部
材取付面、6…光ファイバ収納溝、6a,6b…端部、
15…固定ブロック、16…押え部材、17…押え部材
取付面、18…光ファイバ収納溝。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02G 9/00 H02G 3/26 D (72)発明者 野村 義和 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H036 KA01 LA02 RA14 2H038 CA11 CA33 CA38 5G363 AA07 BA10 DA13 DB17 DC08 DC10 5G369 AA19 BA01 BB03 CA01 CB01 CB06 DA01 EA01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光ファイバ(4)が嵌め込み収納により
    固定される光ファイバ収納溝(6、18)が湾曲形成さ
    れている固定ブロック(2、2d、15)を備えること
    を特徴とする光ファイバ固定治具(1、1A)。
  2. 【請求項2】 前記光ファイバ収納溝がS字状あるいは
    S字が連続する形状になっていることを特徴とする請求
    項1記載の光ファイバ固定治具。
  3. 【請求項3】 前記固定ブロックに取り付けられること
    で、前記光ファイバ収納溝内の光ファイバを押え込む押
    え部材(3、3c、16)を備えることを特徴とする請
    求項1または2記載の光ファイバ固定治具。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008281389A (ja) * 2007-05-09 2008-11-20 Nippon Telegr & Teleph Corp <Ntt> 光ファイバ信頼性評価方法及び評価用治具
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KR20150066795A (ko) * 2013-12-09 2015-06-17 한국항공우주연구원 케이블 권취 장치 및 방법
JP2019148812A (ja) * 2019-04-15 2019-09-05 三星ダイヤモンド工業株式会社 光ファイバ装置
CN111936353A (zh) * 2018-03-30 2020-11-13 株式会社自动网络技术研究所 配线部件一体型组装元件

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