JP2019148812A - 光ファイバ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単で、かつコンパクトな構成で光ファイバを保持できるようにすることにある。【解決手段】この光ファイバ装置は、ベースプレートと、ベースプレート上に、一部が環状に巻かれて載置された光ファイバと、を備えている。ベースプレートは、本体部71と、本体部に対して着脱自在な着脱部72と、を有し、光ファイバの交差部分が互いに接触するのを避けるために、光ファイバの交差する部分のうちの一方62を収容可能な溝72aが着脱部に形成されている。【選択図】図2
Description
本発明は、光ファイバ装置に関する。
光ファイバを利用したレーザ発振器が広く用いられている。このレーザ発振器は、光源から発振される励起光を利用して、光ファイバによってレーザ光を発振する。このレーザ発振器に用いられる光ファイバは、例えば、エルビウムなどのレーザ活性物質がドープされたZBLANガラスなどのフッ化物ガラスによって形成される。
ここで、この種の光ファイバは、所望の性能を得るために、比較的長尺のものが使用される。そして、このような長尺の光ファイバを装置に組み込むために、例えば特許文献1や特許文献2に示されるような構造が提供されている。
特許文献1の光ファイバの保持構造では、リールの胴部が階段状、あるいはテーパ状に形成され、この胴部に光ファイバが巻きつけられて保持されている。また、特許文献2の光ファイバの保持構造では、ファイバボビンに螺旋状の溝が形成され、この螺旋状の溝に光ファイバが収容されて保持されている。
特許文献1の保持構造では、光ファイバをリールのドラムに巻きつけて保持することにより、光ファイバ同士が重なって接触することがなく、接触部の損傷を防止することができる。また、特許文献2においても、螺旋状の溝に光ファイバを収容しているので、特許文献1と同様に、光ファイバ同士の接触をなくすことができ、接触部の損傷を防止することができる。
しかし、特許文献1の保持構造では、リールのドラムが軸方向に長くなり、構造全体を小型化しにくい。また、特許文献2の保持構造では、螺旋状の溝を形成する必要があり、製造が困難である。
本発明の課題は、簡単で、かつコンパクトな構成で光ファイバを保持できるようにすることにある。
(1)本発明の一側面に係る光ファイバ装置は、ベースプレートと、ベースプレート上に、一部が環状に巻かれて載置された光ファイバと、を備えている。ベースプレートは、光ファイバの交差部分が互いに接触するのを避けるために、光ファイバの交差する部分のうちの一方を収容可能な溝を有している。
この装置では、光ファイバは、一部が環状に巻かれてベースプレート上に載置されている。このため、環状に巻かれた部分と、この環状部分から延びる一方の端部と、が交差することになる。そこで、ベースプレートに溝を形成し、この溝に、光ファイバの交差する部分のうちの一方を収容している。したがって、光ファイバが交差する部分において、光ファイバ同士が接触するのを避けることができる。
ここでは、ベースプレートに溝を形成するだけで、光ファイバが交差する部分の接触を避けることができる。したがって、簡単な構造で、かつコンパクトな構成にすることができる。
(2)好ましくは、光ファイバは、第1端部及び第2端部と、環状に巻かれた環状部と、第1直線部と、第2直線部と、を有している。第1直線部は第1端部と環状部との間において直線状に延びている。第2直線部は第2端部と環状部との間において直線状に延びている。そして、ベースプレートの溝は、第1直線部又は第2直線部に沿って形成されている。
ここでは、ベースプレートの溝に、光ファイバの第1又は第2直線部を収容することができる。このため、光ファイバが、環状部において複数回巻かれている場合であっても、1つの溝を形成するだけで、複数の交差部における光ファイバの接触を避けることができる。
(3)好ましくは、ベースプレートは、本体部と、本体部に対して着脱自在な着脱部と、を有している。そして、溝は着脱部に形成されている。
ベースプレートの光ファイバを収容する溝は、光ファイバの径に対応して形成する必要がある。したがって、使用する光ファイバの径が変わると、ベースプレートに形成される溝の寸法も変更する必要がある。
そこで、ここでは、ベースプレートを本体部と着脱部とで構成し、着脱部に溝を形成している。このため、使用する光ファイバの径が変わっても、着脱部のみを変更して対応することができる。
(4)好ましくは、光ファイバが収容された溝の上部において、少なくとも光ファイバが交差する部分を塞ぐ蓋部材をさらに備えている。
ここでは、溝に収容された光ファイバの上部を蓋部材で覆っているので、光ファイバが交差する部分の上下の光ファイバの間に蓋部材が配置されることになる。したがって、光ファイバが交差する部分の光ファイバ同士の接触を確実に防止できる。
(5)好ましくは、蓋部材は、上面がベースプレートの表面と面一になるように配置されている。
ここでは、蓋部材の上面がベースプレートの表面と面一であるので、蓋部材とその周辺部分との間に段差が生じない。このため、段差部に光ファイバが接触して光ファイバが損傷することはない。
(5)好ましくは、ベースプレートの溝内において、溝に収容された光ファイバの上部に設けられ、光ファイバを溝の底面に密着させるための伝熱性樹脂をさらに備えている。
ここでは、溝内に収容された光ファイバは、伝熱性樹脂によって溝の底面に押し付けられる。したがって、光ファイバが溝の底面から浮き上がるのを防止でき、光ファイバを確実に冷却することができる。
(6)好ましくは、ベースプレートの溝内において、溝に収容された光ファイバと溝の底面との間に充填された伝熱性接着剤をさらに備えている。
ここでは、溝内に収容された光ファイバは、伝熱性接着剤を介して溝の底面との間の熱伝導が確保される。したがって、溝内の光ファイバを確実に冷却することができる。
以上のような本発明では、簡単で、かつコンパクトな構成で光ファイバを保持することができる。
図1は、本発明の一実施形態によるレーザ発振器の概略構成図である。レーザ発振器1は、励起光源2、第1〜第3レンズ3a,3b,3c、第1及び第2ダイクロイックミラー4a,4b、ダンパ5、光ファイバ6、筐体7、並びにチラー装置8を備えている。
励起光源2は、励起光を発振するものであり、例えばランプ又は半導体レーザなどによって構成することができる。励起光源2にて発振された励起光は、励起光伝送ファイバ2aを介して出力される。
第1レンズ3aは、コリメートレンズとして機能するレンズであり、励起光伝送ファイバ2aと、後述する筐体7の第1窓部7aとの間に配置されている。第1レンズ3aは、励起光源2からの励起光を発散光の状態から平行光の状態に変換する。
第2レンズ3bは、集光レンズ及びコリメートレンズとして機能するレンズであり、第1ダイクロイックミラー4aと光ファイバ6の第1端部11との間に配置されている。第2レンズ3bは、第1レンズ3aによって平行光の状態とされた励起光を集光して光ファイバ6に放射するとともに、光ファイバ6から放射されたレーザ光を平行光の状態に変換する。
第3レンズ3cは、集光レンズ及びコリメートレンズとして機能するレンズであり、第2ダイクロイックミラー4bと光ファイバ6の第2端部12との間に配置されている。第3レンズ3cは、光ファイバ6からの励起光及びレーザ光を平行光の状態に変換するとともに、第2ダイクロイックミラー4bからのレーザ光を集光して光ファイバ6に放射する。
第1ダイクロイックミラー4aは、第1レンズ3aと第2レンズ3bとの間に配置されている。第1ダイクロイックミラー4aは、励起光源2からの励起光を透過するとともに、光ファイバ6からのレーザ光の進行方向を変更するように反射する。
第2ダイクロイックミラー4bは、第3レンズ3cとダンパ5との間に配置されている。第2ダイクロイックミラー4bは、光ファイバ6からの励起光を透過するとともに、光ファイバ6からのレーザ光を反射するように構成されている。
ダンパ5は、第2ダイクロイックミラー4bの下流側に配置されており、第2ダイクロイックミラー4bが透過した励起光を吸収する部材である。
光ファイバ6は、詳細の説明を省略するが、コアと、コアを覆うように形成されたクラッドと、を有している。光ファイバ6は、前述のように、両端部に第1端部11及び第2端部12を有している。また、光ファイバ6は、環状に巻かれた環状部60と、第1直線部61と、第2直線部62と、を有している。第1直線部61は、第1端部11と環状部60との間の部分であって、直線状に延びている。第2直線部62は、第2端部と12と環状部60との間の部分であって、直線状に延びている。
筐体7は、箱状に形成されており、底面にベースプレート70が配置されている。ベースプレート70は、表面が平坦であり、光ファイバ6が載置されている。また、ベースプレート70の下面に、ベースプレート70を介して光ファイバ6を冷却するためのヒートシンク(図示せず)が配置されている。ヒートシンクには内部に冷媒が流れる流路が形成されている。
ベースプレート70は、本体部71と、着脱部72と、を有している。本体部71には、図1及び図2に示すように、矩形状の凹所71aが形成されている。なお、図2は、図1の第2直線部62に沿った断面図である。着脱部72は、本体部71の凹所71aに収容されており、取り外すことが可能である。着脱部72は、光ファイバ6の第2直線部62の一部が載置される位置に配置され、第2直線部62に沿って延びている。
図2及び図3に示すように、着脱部72には、光ファイバ6の第2直線部62に沿って延びる溝72aが形成されている。この溝72aは、光ファイバ6の直径に応じた幅を有し、光ファイバ6を十分に収容可能な深さを有している。なお、図3は、着脱部72の第2直線部62と直交する方向の断面図である。
また、図1〜図3に示すように、着脱部72には、蓋部材73が設けられている。具体的には、着脱部72には、溝72aを含む部分に、溝72aより深さの浅い凹所72bが形成されている。蓋部材73は、この凹所72bに装着され、図示しないビス等によって着脱部72に固定されている。蓋部材73は、凹所72bに装着された状態で、その上面は周辺の着脱部72の表面と面一になるように厚みが設定されている。
なお、溝72aに収容された光ファイバ6と蓋部材73との間に伝熱性の樹脂74を設けて光ファイバ6の第2直線部62を溝72aに内面に押し当てている。これにより、溝72aの内面に光ファイバ6の第2直線部62が直接接触し、溝72aの内面と光ファイバ6との間の熱伝導が確保され、溝72a内の光ファイバ6を安定して冷却できる。
また、光ファイバ6と蓋部材73との間に伝熱性の樹脂74を設ける代わりに、溝72aに収容された光ファイバ6の第2直線部62と溝72aの内面との間に伝熱性の接着剤75を充填することとしてもよい。これにより、充填した接着剤75を介して、溝72aの内面と光ファイバ6との間の熱伝導が確保され、溝72a内の光ファイバ6を安定して冷却できる。
チラー装置8は、筐体7と配管8aを介して接続されている。チラー装置8は、筐体7のヒートシンク内を流れる冷媒の温度を調整する。具体的には、筐体7のヒートシンクから配管8aを介して送られてきた冷媒をチラー装置8が冷却する。チラー装置8において冷却された冷媒は配管8aを介して筐体7のヒートシンクに戻される。
[動作] 励起光源2において発振された励起光は、励起光伝送ファイバ2aから出力され、第1レンズ3aにおいて平行光の状態となり、第1窓部7aを介して筐体7内に進入する。筐体7内に進入した励起光は、第1ダイクロイックミラー4aを透過し、第2レンズ3bにて集光されて光ファイバ6の第1端部11から光ファイバ6に入射する。
光ファイバ6に入射した励起光は、コア内を伝播し、コアにドープされたレーザ活性物質が励起してレーザ光が出力される。そして、光ファイバ6の第2端部12から放射された励起光は、第3レンズ3c、第2ダイクロイックミラー4bを透過し、ダンパ5に吸収される。
一方、光ファイバ6のコア内で生成されたレーザ光は、光ファイバ6の第2端部12から放射され、第3レンズ3cで平行光の状態に変換される。そして、レーザ光は、第2ダイクロイックミラー4bで反射され、第3レンズ3cで集光されて、第2端部12側から光ファイバ6に入射する。光ファイバ6内に入射したレーザ光は、コア内を伝播し、光ファイバ6の第1端部11から放射される。そして、レーザ光は、第2レンズ3bによって平行光の状態に変換され、第1ダイクロイックミラー4aに反射されて第2窓部7bに向かうように進行方向が変更され、第2窓部7bを介して筐体7の外部へ放射される。
以上のレーザ発振動作において、光ファイバ6の交差する部分で光ファイバ同士が接触すると、接触した部分が損傷するおそれがある。しかし、本実施形態では、光ファイバ6が交差する部分では、下方の光ファイバ6(より詳細には第2直線部62)が着脱部72の溝72a内に収容されているので、上方の光ファイバ6(より詳細には環状部60)と接触するのを避けることができる。しかも、溝72a内に収容された光ファイバ6の上方には蓋部材73が配置されているので、交差する部分の光ファイバ6が互いに接触することはない。
ここで、本実施形態では、着脱部72に形成された溝72aは、第2直線部62に沿って形成されている。したがって、例えば、図4に示すように、光ファイバ6’の環状部60’が2周にわたって巻かれているような場合でも、着脱部72に1本の溝を形成するだけで、光ファイバ6’の交差部分の接触を避けることができる。
また、本実施形態では、着脱部72に溝72aを形成しているので、使用する光ファイバの径が変わった場合でも、着脱部72のみを交換すればよく、ベースプレート全体を交換する必要がない。
さらに、本実施形態では、蓋部材73の上面が、着脱部72の表面と面一になるように、蓋部材73の厚み及び着脱部72の凹所72bの深さが設定されている。したがって、蓋部材73が装着された部分に段差が生じない。このため、段差が生じることによって発生する光ファイバ6の損傷を防止できる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(1)光ファイバの長さ等(例えば環状部の巻き数)については、前記実施形態に限定されない。
(2)ベースプレートを本体部と着脱部とで構成したが、一部に溝が形成された1枚のプレートによって構成してもよい。すなわち、着脱部は必須の構成ではない。なお、着脱部を設けない場合は、ベースプレートに形成された溝を覆うように、蓋部材を装着するようにしてもよい。
(3)蓋部材は特に必須の構成部材ではない。光ファイバの径に比較して溝の深さを十分深く形成することによって、蓋部材を不要にすることも可能である。
(4)前記実施形態では、本発明をレーザ発振器に適用したが、他の装置にも同様に適用することができる。
6 光ファイバ
7 筐体
60 環状部
61 第1直線部
62 第2直線部
70 ベースプレート
71 本体部
72 着脱部
73 蓋部材
74 熱伝導性樹脂
75 熱伝導性接着剤
7 筐体
60 環状部
61 第1直線部
62 第2直線部
70 ベースプレート
71 本体部
72 着脱部
73 蓋部材
74 熱伝導性樹脂
75 熱伝導性接着剤
Claims (5)
- ベースプレートと、
前記ベースプレート上に、一部が環状に巻かれて載置された光ファイバと、
を備え、
前記ベースプレートは、本体部と、前記本体部に対して着脱自在な着脱部と、を有し、
前記着脱部には、前記光ファイバの交差部分が互いに接触するのを避けるために、前記光ファイバの交差する部分のうちの一方を収容可能な溝が形成されている、
光ファイバ装置。 - 前記光ファイバは、第1端部及び第2端部と、環状に巻かれた環状部と、前記第1端部と前記環状部との間において直線状に延びる第1直線部と、前記第2端部と前記環状部との間において直線状に延びる第2直線部と、を有し、
前記ベースプレートの溝は、前記第1直線部又は前記第2直線部に沿って形成されている、
請求項1に記載の光ファイバ装置。 - 前記光ファイバが収容された溝の上部において、少なくとも前記光ファイバが交差する部分を塞ぐ蓋部材をさらに備えた、請求項1又は2に記載の光ファイバ装置。
- 前記ベースプレートの溝内において、前記溝に収容された光ファイバの上部に設けられ、前記光ファイバを前記溝の底面に密着させるための伝熱性樹脂をさらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載の光ファイバ装置。
- 前記ベースプレートの溝内において、前記溝に収容された光ファイバと前記溝の底面との間に充填された伝熱性接着剤をさらに備えた、請求項1から3のいずれかに記載の光ファイバ装置。
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