JP2017011238A - 光ファイバ保持装置及びこれを有するレーザ発振器 - Google Patents

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Abstract

【課題】光ファイバの保持構造において、光ファイバを効率よく冷却することができるようにする。【解決手段】この保持装置20は、光ファイバ6を保持するとともに冷却するための装置であって、ベース部21と、樹脂シート22と、金属プレート23と、を備えている。ベース部21は、内部に冷却用の配管が設けられている。樹脂シート22は、ベース部21の表面との間に光ファイバ6を挟み込むように配置され、変形可能かつ熱伝導性を有する。金属プレート23は、樹脂シート22を挟んでベース部21と対向して配置され、樹脂シート22をベース部21に押圧する。【選択図】図2

Description

本発明は、光ファイバ保持装置及びこれを有するレーザ発振器に関する。
光ファイバを利用したレーザ発振器が広く用いられている。このレーザ発振器は、光源から発振される励起光を利用して、光ファイバによってレーザ光を発振する。このレーザ発振器に用いられる光ファイバは、例えば、エルビウムなどのレーザ活性物質がドープされたZBLANガラスなどのフッ化物ガラスによって形成される。
ここで、光ファイバに含まれるレーザ活性物質は励起光を吸収することによって発熱するため、この発熱によって光ファイバが損傷する場合がある。特に、フッ化物ファイバでは、石英ファイバと比較して耐熱性が低い。
そこで、特許文献1の光ファイバの保持構造では、金属からなる基体と熱伝導性成形体とによって光ファイバを挟みこむようにして、光ファイバを保持し、冷却するようにしている。
特開2010−237574号公報
特許文献1の構造では、熱伝導性成形体が適度な硬度を有しているために、光ファイバは熱伝導性成形体に沈み込むようにして保持される。このため、光ファイバは冷却配管が設けられた基体に押し付けられることになり、冷却効率が高くなる。
しかし、熱伝導性成形体は、基体から浮き上がったり、また基体から剥離することがある。このような場合は、光ファイバを基体に十分に押し付けることができず、効率よく光ファイバを冷却することができない。
本発明の課題は、光ファイバの保持構造において、光ファイバを効率よく冷却することができるようにすることにある。
(1)本発明の一側面に係る光ファイバ保持装置は、光ファイバを保持するとともに冷却するための装置であって、ベース部と、樹脂シートと、金属プレートと、を備えている。ベース部は、内部に冷却用の配管が設けられている。樹脂シートは、ベース部の表面との間に光ファイバを挟み込むように配置され、変形可能かつ熱伝導性を有する。金属プレートは、樹脂シートを挟んでベース部と対向して配置され、樹脂シートをベース部に押圧する。
この装置では、内部に冷却用の配管が設けられたベース部に、光ファイバが載置されている。そして、光ファイバは、樹脂シートによってベース部に密着され、さらに樹脂シートは金属プレートによってベース部に押し付けられている。このため、樹脂シートがベース部から浮き上がったり、ベース部から剥離するのを防止でき、ベース部に対して光ファイバを十分に密着させて、効率よく光ファイバを冷却することができる。
(2)好ましくは、光ファイバの周囲であって、光ファイバと樹脂シートの変形部との隙間に充填されたグリス又は熱伝導性を有する接着剤をさらに備えている。
樹脂シートによって光ファイバをベース部に押し付けると、樹脂シートの光ファイバとの接触部が変形する。この変形部分において、光ファイバの周囲に隙間が生じる。そこで、樹脂シートの変形部と光ファイバとの間に生じた隙間に、グリス又は熱伝導性を有する接着剤を充填するのが好ましい。
ここでは、光ファイバと樹脂シートとの隙間にグリス等が充填されるので、さらに冷却効率が高くなる。
(3)好ましくは、金属プレートは、複数の分割プレートを有している。この場合は、光ファイバの長さが変わっても、分割プレートを追加することによって、樹脂シート及び光ファイバ全体を適切にベース部に対して押し付けることができる。また、金属プレートの歩留まりが向上する。
(4)好ましくは、光ファイバは環状に巻かれた環状部を有している。そして、複数の分割プレートは光ファイバの環状部に沿って配置されている。この場合は、光ファイバが配置されていない部分には金属プレート(分割プレート)を配置する必要がない。このため、金属プレートの歩留まりが向上する。また、金属プレートの組付けが容易になる。
(5)好ましくは、樹脂シートは、環状部に沿って配置された複数の分割シートを有している。そして、複数の分割プレートの隣接する分割プレート間の接合部と、複数の分割シートの隣接する分割シートの接合部と、は、平面視でずれている。
ここで、隣接する分割プレートの接合部には、隙間が発生する。この隙間に、隣接する分割シートの接合部が位置するように分割シートを配置すると、分割シートの端縁を、分割プレートによって押さえつけることができない。このような状況では、分割シートの端縁が変形して浮き上がってしまうことになる。
そこで、分割プレートの接合部と分割シートの接合部とをずらし、両者の接合部が同じ位置にならないように分割プレート及び分割シートを配置するのが好ましい。これにより、分割シート全体を良好に押さえつけることができる。
(6)好ましくは、金属プレートとベース部との間に配置され、樹脂シートに比較して剛性の高いスペーサをさらに備えている。
この場合は、スペーサの高さを変えることによって、樹脂シートに対する金属プレートの押圧力を調整することができる。
(7)本発明の一側面に係るレーザ発振器は、励起光源と、励起光源からの励起光が導入されレーザ光を出力する発振用光ファイバと、発振用光ファイバの一部を保持する前述の光ファイバ保持装置と、を備えている。
以上のような本発明では、冷却配管が設けられたベース部に対して光ファイバを適切に押し付けることができ、冷却効率を高めることができる。
レーザ発振器の概略構成図。 光ファイバ保持装置の断面部分図。 図2の拡大図。 分割プレート及び分割シートの接合部の不具合を説明するための模式図。 本発明の他の実施形態による図2に相当する図。
[レーザ発振器の構成]
図1は、本発明の一実施形態によるレーザ発振器の概略構成図である。レーザ発振器1は、励起光源2、第1〜第3レンズ3a,3b,3c、第1及び第2ダイクロイックミラー4a,4b、ダンパ5、光ファイバ6、筐体7、並びにチラー装置8を備えている。
励起光源2は、励起光を発振するものであり、例えばランプ又は半導体レーザなどによって構成することができる。励起光源2にて発振された励起光は、励起光伝送ファイバ2aを介して出力される。
第1レンズ3aは、コリメートレンズとして機能するレンズであり、励起光伝送ファイバ2aと、後述する筐体7の第1窓部7aとの間に配置されている。第1レンズ3aは、励起光源2からの励起光を発散光の状態から平行光の状態に変換する。
第2レンズ3bは、集光レンズ及びコリメートレンズとして機能するレンズであり、第1ダイクロイックミラー4aと光ファイバ6の第1端部11との間に配置されている。第2レンズ3bは、第1レンズ3aによって平行光の状態とされた励起光を集光して光ファイバ6に放射するとともに、光ファイバ6から放射されたレーザ光を平行光の状態に変換する。
第3レンズ3cは、集光レンズ及びコリメートレンズとして機能するレンズであり、第2ダイクロイックミラー4bと光ファイバ6の第2端部12との間に配置されている。第3レンズ3cは、光ファイバ6からの励起光及びレーザ光を平行光の状態に変換するとともに、第2ダイクロイックミラー4bからのレーザ光を集光して光ファイバ6に放射する。
第1ダイクロイックミラー4aは、第1レンズ3aと第2レンズ3bとの間に配置されている。第1ダイクロイックミラー4aは、励起光源2からの励起光を透過するとともに、光ファイバ6からのレーザ光の進行方向を変更するように反射する。
第2ダイクロイックミラー4bは、第3レンズ3cとダンパ5との間に配置されている。第2ダイクロイックミラー4bは、光ファイバ6からの励起光を透過するとともに、光ファイバ6からのレーザ光を反射するように構成されている。
ダンパ5は、第2ダイクロイックミラー4bの下流側に配置されており、第2ダイクロイックミラー4bが透過した励起光を吸収する部材である。
光ファイバ6は、詳細な説明を省略するが、コアと、コアを覆うように形成されたクラッドと、を有している。光ファイバ6は、前述のように、両端部に第1端部11及び第2端部12を有している。また、光ファイバ6は、第1端部11と第2端部12との間において、環状に巻かれた環状部6aを有している。
筐体7は、箱状に形成されており、底面に保持装置20を有している。保持装置20は、光ファイバ6を保持するとともに、光ファイバ6を冷却する。保持装置16は、光ファイバ6を保持するとともに、光ファイバ6を冷却するための装置である。図1及び図2に示すように、保持装置20は、ベース部21と、樹脂シート22と、金属プレート23と、を有している。なお、図2は図1のII-II線断面図である。
ベース部21は、筐体7の底面のほぼ全体を形成しており、表面が平坦に形成されている。そして、このベース部21の表面に光ファイバ6が載置される。また、ベース部21の内部には冷却用の配管25が設けられ、この配管25には冷媒が流通可能である。
樹脂シート22は、容易に変形が可能な弾性を有する熱伝導性の樹脂で形成されている。樹脂シート22は、複数の分割シート22a〜22hから構成されている。これらの複数の分割シート22a〜22hは、光ファイバ6の環状部6aに沿って環状に配置され、ベース部21の表面との間に光ファイバ6を挟みこむように配置されている。
金属プレート23は、樹脂シート22をベース部21に押圧するための部材であり、複数の分割プレート23a〜23dから構成されている。これらの複数の分割プレート23a〜23dは、光ファイバ6の環状部6aに沿って環状に配置され、樹脂シート22を挟んでベース部21と対向して配置されている。そして、各分割プレート23a〜23dは、図示しないボルト等によってベース部21に固定されている。
このとき、光ファイバ6の第1端部11及び第2端部12は、励起光やレーザ光が入射及び出射させる位置に合わせて固定されているため、金属プレート23で環状の光ファイバ6を固定する際に、第1端部11及び第2端部12の近傍の光ファイバ6にたるみが生じたり、逆に引っ張られたりしないように注意する必要がある。この実施形態では、金属プレート23が各分割プレート23a〜23dに分割されているので、第1端部11近傍の分割プレート23b及び第2端部12近傍の分割プレート23dを先に固定しておき、次いで分割プレート23a及び分割プレート23cを固定すれば、金属プレート23の組み付けが容易になる。
なお、ベース部21と樹脂シート22とによって光ファイバ6を挟み込み、金属プレート23で樹脂シート22をベース部21側に押圧した場合、図3に示すように、光ファイバ6の周囲と樹脂シート22の変形部との間には隙間が生じる。このような隙間は、光ファイバ6の冷却効率を低下させる。
そこで、この隙間には、グリス又は熱伝導性を有する接着剤27が充填されている。このため、光ファイバ6を効率よく冷却することができる。
ここで、分割プレート23及び分割シート22を配置した場合、それらの接合部には隙間が生じる。この場合、図4に示すように、分割プレート23及び分割シート22を、それらの接合部が一致するように配置した場合、分割プレート23によって押圧された分割シート22は、その端縁部分が隙間に逃げるように変形する。すると、分割シート22の端縁がベース部21から離れ、冷却効率に悪影響を与えることになる。
そこで、この実施形態では、図1から明らかなように、隣接する分割プレートの接合部(例えば分割プレート23aと分割プレート23bの接合部)と、その下方において隣接する分割シートの接合部(例えば分割シート22aと分割シート22bの接合部)とは、平面視で一致しないように互いにずれて配置されている。このように分割プレート及び分割シートを配置することによって、分割シートの端縁の浮き上がりを防止することができ、冷却効率の低下を防止することができる。
チラー装置8は、筐体7と配管8aを介して接続されている。チラー装置8は、筐体7のベース部21内を流れる冷媒の温度を調整する。具体的には、筐体7のベース部21から配管8aを介して送られてきた冷媒をチラー装置8が冷却する。チラー装置8において冷却された冷媒は配管8aを介して筐体7のベース部21に戻される。
[動作]
励起光源2において発振された励起光は、励起光伝送ファイバ2aから出力され、第1レンズ3aにおいて平行光の状態となり、第1窓部7aを介して筐体7内に進入する。筐体7内に進入した励起光は、第1ダイクロイックミラー4aを透過し、第2レンズ3bにて集光されて光ファイバ6の第1端部11から光ファイバ6に入射する。
光ファイバ6に入射した励起光は、コア内を伝播し、コアにドープされたレーザ活性物質が励起してレーザ光が出力される。そして、光ファイバ6の第2端部12から放射された励起光は、第3レンズ3c、第2ダイクロイックミラー4bを透過し、ダンパ5に吸収される。
一方、光ファイバ6のコア内で生成されたレーザ光は、光ファイバ6の第2端部12から放射され、第3レンズ3cで平行光の状態に変換される。そして、レーザ光は、第2ダイクロイックミラー4bで反射され、第3レンズ3cで集光されて、第2端部12側から光ファイバ6に入射する。光ファイバ6内に入射したレーザ光は、コア内を伝播し、光ファイバ6の第1端部11から放射される。そして、レーザ光は、第2レンズ3bによって平行光の状態に変換され、第1ダイクロイックミラー4aに反射されて第2窓部7bに向かうように進行方向が変更され、第2窓部7bを介して筐体7の外部へ放射される。
以上のレーザ発振動作において、光ファイバ6は発熱するが、光ファイバ6は、樹脂シート22及び金属プレート23によってベース部21に密着して保持されているので、ベース部21内を流れる冷媒によって効率よく冷却される。
[特徴]
(1)樹脂シート22は金属プレート23によってベース部21に押さえ付けられているので、樹脂シート22がベース部21から浮き上がったり、ベース部21から剥離するのを防止でき、ベース部に対して光ファイバを十分に密着させて、効率よく光ファイバを冷却することができる。
(2)樹脂シート22の変形部と光ファイバ6との間の隙間には、グリス又は熱伝導性を有する接着剤が充填されているので、より冷却効率が高くなる。
(3)樹脂シート22及び金属プレート23は、複数の分割プレート及び分割シートに分割され、光ファイバ6の環状部6aに沿って配置されている。このため、樹脂シート22及び金属プレート23の歩留まりが向上する。
(4)隣接する分割プレート間の接合部と、隣接する分割シートの接合部と、は、平面視でずれている。したがって、分割シートの端縁の浮き上がりを防止し、全体を良好に押さえつけることができる。
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
(a)前記実施形態では、金属プレート23をボルト等によってベース部21に固定するようにしたが、図5に示すような構成によって、ベース部21に固定するようにしてもよい。
図5に示す例では、ベース部21と金属プレート23との間に、筒状のスペーサ30が配置されている。スペーサ30は、樹脂シート22の厚みよりも薄い寸法に設定されている。そして、金属プレート23は、ベース部21に装着されたスタッドボルト31及びナット32によって、ベース部21に固定されている。
この図5に示した例では、スペーサ30の厚みを制御することによって、樹脂シート22に対する押圧力を調整することができる。
(b)分割シート及び分割プレートの形状及び個数については前記実施形態に限定されない。
(c)保持装置20をレーザ発振器に適用したが、本発明の保持装置は、他の光ファイバ装置において光ファイバを保持する際に用いることができる。
1 レーザ発振器
2 励起光源
6 光ファイバ
6a 環状部
20 保持装置
21 ベース部
22 樹脂シート
22a〜22h 分割シート
23 金属プレート
23a〜23d 分割プレート
30 スペーサ

Claims (7)

  1. 光ファイバを保持するとともに冷却する光ファイバ保持装置であって、
    内部に冷却用の配管が設けられたベース部と、
    前記ベース部の表面との間に光ファイバを挟み込むように配置され、変形可能かつ熱伝導性を有する樹脂シートと、
    前記樹脂シートを挟んで前記ベース部と対向して配置され、前記樹脂シートを前記ベース部に押圧するための金属プレートと、
    を備えた光ファイバ保持装置。
  2. 前記光ファイバの周囲であって、前記光ファイバと前記樹脂シートの変形部との隙間に充填されたグリス又は熱伝導性を有する接着剤をさらに備えた、請求項1に記載の光ファイバ保持装置。
  3. 前記金属プレートは、複数の分割プレートを有している、請求項1又は2に記載の光ファイバ保持装置。
  4. 前記光ファイバは環状に巻かれた環状部を有しており、
    前記複数の分割プレートは前記環状部に沿って配置されている、
    請求項3に記載の光ファイバ保持装置。
  5. 前記樹脂シートは、前記環状部に沿って配置された複数の分割シートを有しており、
    前記複数の分割プレートの隣接する分割プレート間の接合部と、前記複数の分割シートの隣接する分割シートの接合部と、は、平面視でずれている、
    請求項4に記載の光ファイバ保持装置。
  6. 前記金属プレートと前記ベース部との間に配置され、前記樹脂シートに比較して剛性の高いスペーサをさらに備えた、請求項1から5のいずれかに記載の光ファイバ保持装置。
  7. 励起光源と、
    励起光源からの励起光が導入され、レーザ光を出力する発振用光ファイバと、
    前記発振用光ファイバの一部を保持する請求項1から6のいずれかに記載の光ファイバ保持装置と、
    を備えたレーザ発振器。
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