JP3834995B2 - 光ファイバ切断方法、光部品の製造方法および光部品 - Google Patents

光ファイバ切断方法、光部品の製造方法および光部品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの接続工事、測定などの際に用いられる光ファイバ切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より石英系光ファイバを切断する方法として、応力破断法が用いられている。この応力破断法は、光ファイバの表面に加傷用の切刃で初期傷を付けた後、この光ファイバに曲げ、引張又はこれらの組み合わせ応力を加えることにより初期傷を拡大させて光ファイバを破断させ、光ファイバの破断面に鏡面を形成させつつ切断する方法である。この方法によれば、光ファイバの切断面を砥石などで研磨することなく、短時間で鏡面を形成できるので、光ケーブルの接続工事現場や高い再現性が必要とされる実験室内での光ファイバの測定などに有効である。
【0003】
この応力破断法により多心光ファイバ心線の光ファイバを一括切断する方法としては、特開平3-65903号公報に記載されたものなどが知られている。特開平3-65903号公報に記載された方法においては、光ファイバ心線2の被覆を除去して光ファイバ3を露出させ〔図9(a)参照〕、切刃5を用いて光ファイバに初期傷を付けた後に上述した応力破断法により切断する〔図9(b)参照〕。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述した光ファイバ切断方法によると、光ファイバ3に初期傷を付ける際に、図9(a)及び(b)に示されるように、光ファイバ3の位置がバラツクことがあった。このため、切断後の光ファイバ3の先端の端面角度αが大きくなったり、切断後の光ファイバ3の切断不揃い量Wが大きくなったりする〔図9(c)参照〕ことがあり、伝送特性に悪影響を与えるおそれがあった。
【0005】
従って、本発明は、多心光ファイバ心線の各光ファイバの切断面を精度良く形成することができ、複数本の光ファイバを一括切断する際の切断不揃い量を小さくすることができる光ファイバ切断方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、テープ状多心光ファイバ心線の端部から被覆部を除去して複数本の光ファイバを露出させ、露出された光ファイバの基端部から前記光ファイバ心線の被覆部先端部にかけてファイバ整列部材を取り付けて光ファイバを整列させた後に、露出された光ファイバの基端部から光ファイバ心線の被覆部先端部にかけてファイバ整列部材を接着固定し、切刃を光ファイバの光軸方向に対して直角な方向に移動させて光ファイバの側面に初期傷を形成させ、光ファイバに曲げ応力又は引張応力を加えて初期傷を拡大させて光ファイバを切断することを特徴としている。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、ファイバ整列部材が、光ファイバの基端部を収納する複数のファイバ整列孔と、光ファイバ心線の残された被覆部の先端部を収納する平孔とを有していることを特徴としている。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、ファイバ整列孔が、光ファイバの断面形状に等しい円形の断面形状を有していることを特徴としている。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、ファイバ整列孔が、ほぼV字状断面の底部を有しており、光ファイバが、ファイバ整列孔内に収納されたときに底部に押しつけられて位置決めされることを特徴としている。
また、本発明に係る光部品の製造方法は、上記の本発明に係る光ファイバ切断方法により切断されたファイバ整列部材付き光ファイバを、フェルールに挿入し固定することを特徴としている。
本発明に係る光部品は、上記の本発明に係る製造方法により製造されたことを特徴としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の光ファイバ切断方法の第一実施態様について説明する。
【0011】
先ず、この第一実施形態の光ファイバ切断方法に用いるファイバ整列部材1Aについて、図1を参照しつつ説明する。
【0012】
図1に示されるファイバ整列部材1Aは、直方体状の外形を有しており、その一側面から中心に向けて、光ファイバ心線の被覆部の先端部を収納する平孔11aが形成されている。平孔11aは、収納される光ファイバ心線の断面形状とほぼ等しい断面形状を有している。
【0013】
また、平孔11aとは反対側の側面から中心に向けて、光ファイバの基端部を収納する複数のファイバ整列孔12aが形成されており、各ファイバ整列孔12aは上述した平孔11aと連通されている。このファイバ整列部材1Aは、四心の光ファイバ心線に対して用いるものであるため、四つのファイバ整列孔12aが平行に配設されている。ファイバ整列孔12aの配列ピッチは、整列させる光ファイバの配列ピッチと同一にされており、具体的数値を示すと0.25mmピッチとされている。各ファイバ整列孔12aは、収納される光ファイバの断面形状とほぼ等しい円形の断面形状を有している。
【0014】
さらに、ファイバ整列部材1Aの上面から中心に向けて、開口部13が形成されており、開口部13は上述した平孔11a及びファイバ整列孔12aと連通されている。この開口部13の底部には、平孔11aの先端側とファイバ整列孔12aの基端側とが連通されており、平孔11a及びファイバ整列孔12aの開口部13aとの連通部は溝状に形成されている。
【0015】
ファイバ整列部材1Aは、プラスチック部材又は比較的柔らかい金属部材などの光ファイバよりも柔らかい部材、即ち、光ファイバに対して傷を付けないもので形成されている。具体的には、プラスチック部材としては、エポキシ樹脂・LCP(液晶ポリマー)・PPS(ポリフェニレンサルファイド)・NBR(アクリロニトリルブタジエンゴム)・ABS(アクリロニトリルブタジエンスチレン)・PC(ポリカーボネート)などが挙げられ、金属部材としては、高純度のアルミニウムなどが挙げられる。
【0016】
次に、上述したファイバ整列部材1Aを用いた本発明の光ファイバ切断方法の第一実施形態について、図2及び図3を参照しつつ説明する。なお、以下には、光ファイバを切断した後に、切断された光ファイバに対してフェルールを取り付けて、光コネクタとするまでの工程についても説明する。
【0017】
まず、光ファイバ心線2の被覆を加熱式リムーバなどを用いて所定の長さ分だけ除去して光ファイバ3を露出させ、光ファイバ3の表面に残っている被覆屑をアルコールなどを用いて除去する〔図2(a)及び(b)〕。被覆部が除去されて露出された光ファイバ3に対してファイバ整列部材1Aを平孔11a側から挿入し、ファイバ整列部材1Aを光ファイバ3の基端部から光ファイバ心線2の被覆部先端にかけて取り付ける。ファイバ整列部材1Aを取り付けた後、開口部13から接着剤4を充填し、ファイバ整列部材1Aを、光ファイバ3の基端部から被覆部の先端部にかけて確実に固定する〔図2(b)及び(c)〕。ファイバ整列部材1Aを取り付けることにより、光ファイバ3の位置のバラツキが抑止され、光ファイバ3が整列される。
【0018】
光ファイバ3の位置にバラツキが発生するのは被覆部の先端部のヨレなどが原因で光ファイバ3の先端が拡げられてしまうという影響が大きい〔図2(b)参照〕。このため、光ファイバ3を正確に位置決めするには、露出された光ファイバ3の基端部、即ち、被覆部に最も近い位置を位置決めしてやることが最も効果的である。上述したように、光ファイバ3の基端部にファイバ整列部材1Aを取り付けることにより、光ファイバ3の位置のバラツキを効果的に抑止でき、光ファイバ3を正確かつ確実に整列させることができる。なお、光ファイバ3の配列ピッチとファイバ整列孔12aの配列ピッチとが等しくされていることは、光ファイバ3を正確かつ確実に整列させる点で重要であるだけでなく、光ファイバ3の曲げや捻りを抑止するという点でも重要である。
【0019】
次に、複数本の光ファイバ3が整列された状態で、光ファイバ3の光軸方向に対して直角な方向に切刃5を移動させて、切刃5により各光ファイバ3の側面に初期傷をつける。そして、初期傷が付けられた側面とは反対側の側面に対して図示されない押圧部材を押し当てて、光ファイバ3に対して曲げ応力を加える。曲げ応力が加えられることにより初期傷が拡大され、端面に鏡面を形成させて光ファイバ3が切断される〔図3(a)参照〕。
【0020】
続いて、切断した光ファイバ3にフェルール6Aを取り付ける〔図3(b)参照〕。図3に示されるフェルール6Aは、通常のMTコネクタ用のフェルールであり、その一端面に挿入孔61を有し、この挿入孔61に連通させてファイバ配列溝62が他端面にかけて貫通形成されている。また、フェルール6Aは、その上面に挿入孔61及びファイバ配列溝62と連通する開放部63を有している。
【0021】
フェルール6Aに挿入された光ファイバ3は、ファイバ配列溝62内に収納され、ファイバ整列部材1Aは挿入孔61内に収納され、開放部63から接着剤7が充填されて光ファイバ3及びファイバ整列部材1Aとフェルール6Aとが一体化される〔図3(c)参照〕。このとき、フェルール6Aに対する光ファイバ3の光軸方向の位置決めは、図4(a)に示されるように、ファイバ整列部材1Aを挿入孔61端部の段差に突き当てることにより、きわめて容易かつ正確に行うことができる。
【0022】
なお、フェルールとしては、図3及び図4(a)に示されるような光ファイバ3を接着剤で固定するタイプのもの以外にも、図4(b)に示されるような光ファイバ3を機械的手段により固定するタイプのものなどを用いることもできる。図4(b)に示されるフェルール6Bは、開放部63内にはめ込まれた押さえ部材65をクリップ66で光ファイバに押しつけて光ファイバ3を固定している。また、フェルール6Bの挿入孔61側外周に金属のカシメ部材64を取り付け、カシメ部材64をカシメることにより挿入孔61をつぶしてファイバ整列部材1Aを固定している。
【0023】
上述した光ファイバ切断方法によれば、光ファイバ3の基端部にファイバ整列部材1Aを取り付けて複数本の光ファイバ3を整列させた状態で光ファイバ3を切断するため、切断された光ファイバ3の端面角度を小さくすることができる。また、複数本の光ファイバ3を一括切断する際に、ファイバ整列部材1Aにより光ファイバ3を正確に整列させることにより、切断された光ファイバ3の切断不揃い量を小さくすることもできる。この結果、多心光ファイバ心線2の各光ファイバ3の切断面を精度良く形成することができ、安定した伝送特性を有する光ファイバ心線2を得ることができる。
【0024】
ここで、ファイバ整列部材1Aが、光ファイバ心線2の被覆部の先端部を収納する平孔11aと露出された光ファイバ3の基端部を収納するファイバ整列孔12aとを有する形態とされているため、光ファイバ3の基端部を被覆部の先端部と共に固定できる。この結果、光ファイバ3を正確かつ確実に固定することができ、ファイバ整列部材1A内での光ファイバ心線2及び光ファイバ3の曲がりなどが抑止され、安定した伝送特性を得ることができる。また、光ファイバ3の基端部と被覆部の先端部との境界には応力が加わりやすいので、このようにファイバ整列部材1Aを光ファイバ3の基端部から被覆部の先端部にかけて取り付けることは、応力による光ファイバ3の破損や伝送特性の悪化を防止できるので特に有効である。
【0025】
また、ファイバ整列孔12aが、光ファイバ3の断面形状に等しいほぼ円形の断面形状を有しているので、光ファイバ3を挿入させやすくなり、作業が行いやすくなるという利点がある。さらに、ファイバ整列孔12aが円形の断面形状を有しており、光ファイバ3がファイバ整列孔12aの内面と面接触するので、光ファイバ3に傷を与えるおそれがなく、長期にわたって安定した伝送特性が得られる。
【0026】
また、ファイバ整列部材1Aが上述したような開口部13を有する形態とされていると、光ファイバ3の整列状態を接着剤により確実に固定することができる。さらに、開口部13により、光ファイバ3をファイバ整列孔12aに挿入させるときに視認及び操作することができるので、ファイバ整列部材1Aの取付作業を行いやすいという利点もある。
【0027】
次に、本発明の光ファイバ切断方法の第二実施形態について説明する。
【0028】
この第二実施形態の光ファイバ切断方法は、上述した第一実施形態とは用いられるファイバ整列部材のみが異なる。このため、以下には、主としてこの第二実施形態において用いるファイバ整列部材1Bについて説明する。
【0029】
ファイバ整列部材1Bは、図5に示されるように、内部材14と外部材15とからなり、その全体が直方体状の外形を有している。内部材14は、その周囲を外部材15により被覆されている。ファイバ整列部材1Bは、内部材14の一側面から中心に向けて、光ファイバ心線の被覆部の先端部を収納する平孔11bが形成され、平孔11bとは反対側の側面から中心に向けて、光ファイバの基端部を収納する複数のファイバ整列孔12bが形成されている。内部材14は、平孔b及びファイバ整列孔12bの開放端が位置する側面のみが露出されている。各ファイバ整列孔12bは上述した平孔11bと連通されている。
【0030】
内部材14は、上述した第一実施形態におけるファイバ整列部材1Aと同様に、プラスチック部材又は比較的柔らかい金属部材などの光ファイバよりも柔らかい部材、即ち、光ファイバに対して傷を付けないもので形成されている。一方、外部材15は、比較的硬い金属部材で形成されており、具体的には、ステンレスなどにより形成されている。
【0031】
このファイバ整列部材1Bを用いた光ファイバ切断方法は、上述した図2及び図3に示した切断方法と、ファイバ整列部材1Bを光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付けるときの手順のみが異なる。このため、以下には、ファイバ整列部材1Bを光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付けるときの手順についてのみ説明する。
【0032】
ファイバ整列部材1Bを光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付ける際には、光ファイバに対してファイバ整列部材1Bを平孔11b側から挿入し、各光ファイバをそれぞれファイバ整列孔12b内に収納させる。その後、外部材15の周囲から荷重を加えて外部材15をカシメて、平孔11b及びファイバ整列孔12bをつぶして、ファイバ整列部材1Bを光ファイバ心線及び光ファイバに対して固定する。
【0033】
この実施形態のファイバ整列部材1Bを用いた切断方法によっても、光ファイバを整列させることにより、光ファイバを精度良く切断することができる。また、このように接着剤を用いずにファイバ整列部材1Bを光ファイバ心線及び光ファイバに対して固定する方法によれば、現場において簡便に作業を行うことができるという利点がある。
【0034】
次に、本発明の光ファイバ切断方法の第三実施形態について説明する。
【0035】
この第三実施形態の光ファイバ切断方法は、上述した第一又は第二実施形態とは用いられるファイバ整列部材のみが異なる。このため、以下には、主としてこの第三実施形態において用いるファイバ整列部材1Cについて説明する。
【0036】
ファイバ整列部材1Cは、図6に示されるように、第一内部材16、第二内部材17及びクランプ部材18からなり、その全体が直方体状の外形を有している。第一内部材16は、板状の部材であり、ほぼ同じ大きさの第二内部材18と面接されて、コ字状断面を有するクランプ部材18内に挟み込まれている。
【0037】
第一内部材16の第二内部材17と面接する表面には、平孔11cを形成する平溝と、この平溝に連通する平行な複数の角溝16cが形成されている。一方、第二内部材17の第一内部材16と面接する表面には、平孔11cを形成する平溝と、この平溝に連通する平行な複数のV溝17cが形成されている。これらの角溝16c及びV溝17cにより、ファイバ整列孔が形成されている。
【0038】
また、第一内部材16及び第二内部材17の露出された側面には、一対の楔嵌入凹部19が形成されている。楔嵌入凹部19は、第一内部材16及び第二内部材17間に嵌入されるように楔20をガイドする。楔20が第一内部材16及び第二内部材17間に嵌入されると、クランプ部材18が撓まされて第一内部材16と第二内部材17との間に隙間が形成される。
【0039】
第一内部材16及び第二内部材17は、上述した第二実施形態における内部材14と同様に、プラスチック部材又は比較的柔らかい金属部材などの光ファイバよりも柔らかい部材、即ち、光ファイバに対して傷を付けないもので形成されている。一方、クランプ部材18も、上述した第二実施形態における外部材15と同様に、バネ性を有する比較的硬い金属部材で形成されている。
【0040】
このファイバ整列部材1Cを用いた光ファイバ切断方法は、上述した図2及び図3に示した切断方法と、ファイバ整列部材1Cを光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付けるときの手順のみが異なる。このため、以下には、ファイバ整列部材1Cを光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付けるときの手順についてのみ説明する。
【0041】
ファイバ整列部材1Cを光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付ける際には、楔嵌入凹部19に楔20を嵌入させて第一内部材16及び第二内部材17間に隙間を形成させた状態で、ファイバ整列部材1Cに対して光ファイバを平孔11c側から挿入する。各光ファイバは、それぞれ角溝16c及びV溝17cからなるファイバ整列孔内に収納される。その後、楔20を楔嵌入凹部19から除去することにより、光ファイバの基端部はそれぞれ角溝16c及びV溝17cからなるファイバ整列孔12内に挟み込まれ、被覆部の先端部は平孔11c内に挟み込まれて、ファイバ整列部材1Cが光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて固定される。
【0042】
ファイバ整列孔は、V溝17cによりほぼV字状断面の底部を有しているため、光ファイバは、角溝16cと一点で接触し、角溝16cによりV溝17cに押しつけられてV溝17cと二点接触して、正確に位置決めがされた状態で強固に固定される。即ち、ファイバ整列溝がほぼV字状断面の底部を有しているため、簡便かつ正確に光ファイバの位置決めを行うことができる。
【0043】
この実施形態のファイバ整列部材1Cを用いた切断方法によっても、光ファイバを整列させることにより、光ファイバを精度良く切断することができる。また、このように接着剤を用いずにファイバ整列部材1Cを光ファイバ心線及び光ファイバに対して固定する方法によれば、現場において簡便に作業を行うことができるという利点がある。
【0044】
本発明の光ファイバ切断方法により切断した光ファイバと、従来の切断方法により切断した光ファイバとについて、切断後の光ファイバにおける端面角度の比較を行った。
【0045】
本発明の光ファイバ切断方法は、上述した図1に示されるファイバ整列部材1Aを用いた第一実施形態の切断方法である。また、従来の切断方法は、ファイバ整列部材を用いない以外は、本発明の切断方法と全く同様の手順による切断方法である。なお、光ファイバの切断は、切刃5を有する切断装置上において、切刃5の両側を把持してた状態で行った。
【0046】
本発明の切断装置により切断した光ファイバの端面角度についての測定結果(測定した総心数40)を図7(a)に示す。これに対して、従来の切断装置により切断した光ファイバの端面角度についての測定結果(測定した総心数39)を図7(b)に示す。
【0047】
図7から明らかなように、本発明の切断方法により切断した光ファイバの端面角度は、その平均値が0.38°であるのに対し、従来の切断方法により切断した光ファイバの端面角度は、その平均値が0.54°である。即ち、本発明の切断方法によれば、光ファイバを精度良く切断することができ、良好な伝送特性を有する光ファイバ心線を得ることができる。また、図7から明らかなように、本発明の切断方法により切断した光ファイバの端面角度は、そのバラツキも少なくなっている。
【0048】
次に、本発明の光ファイバ切断方法により多心光ファイバ心線における複数本の光ファイバを一括切断した場合と、従来の切断方法により多心光ファイバ心線における複数本の光ファイバを一括切断した場合とについて、切断後の光ファイバ心線における切断不揃い量の比較を行った。
【0049】
なお、ここに言う切断不揃い量とは、多心光ファイバ心線における複数本の光ファイバを一括切断した際に、最も短い光ファイバと最も長い光ファイバとの長さの差を言う。即ち、複数本の光ファイバの長さが全て同じとなるように切断されたものは、切断不揃い量が0(μm)となる。なお、測定の都合上、本発明の切断装置及び切断方法に関しては四心の光ファイバ心線の光ファイバを一括切断した場合について測定し、従来の切断装置及び切断方法に関しては五心の光ファイバ心線の光ファイバを一括切断した場合について測定した。また、本発明の光ファイバ切断方法及び従来の切断方法は、上述した端面角度の測定と同様の方法である。
【0050】
本発明の切断方法により切断した光ファイバの切断不揃い量についての測定結果(測定した総心数60)を図8(a)に示す。これに対して、従来の切断装置により切断した光ファイバの切断不揃い量についての測定結果(測定した総心数60)を図8(b)に示す。
【0051】
図8から明らかなように、本発明の切断方法により切断した光ファイバの切断不揃い量は、その平均値が4μm(最大値10μm/最小値0μm)であるのに対し、従来の切断方法により切断した光ファイバの切断不揃い量は、その平均値が9μm(最大値28μm/最小値2μm)である。即ち、本発明の切断方法によれば、多心光ファイバ心線の複数本の光ファイバを一括切断する際に、複数本の光ファイバの端部を精度良く揃えることができ、良好な伝送特性を有する光ファイバ心線を得ることができる。また、図8から明らかなように、本発明の切断装置及び切断方法により切断した光ファイバの切断不揃い量は、そのバラツキも少なくなっている。
【0052】
本発明の光ファイバ切断方法は、上述した実施形態に制限されるものではない。例えば、上述した実施形態においては、四心の光ファイバ心線について説明したが、多心であればその心数は制限されない。また、上述した実施態様においては、光ファイバを切断した後にフェルールを取り付けて光コネクタとする場合について説明したが、光ファイバを切断した後に融着接続させても良い。融着接続時においても、良好な伝送特性を有する光ファイバ心線を得るためには、端面角度や切断不揃い量が小さい方が好ましい。
【0053】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、露出された光ファイバの基端部から光ファイバ心線の被覆部先端部にかけてファイバ整列部材を取り付けて複数本の光ファイバを整列させた状態で光ファイバを切断するため、切断された光ファイバの端面角度を小さくすることができる。また、複数本の光ファイバを一括切断する際に、光ファイバをファイバ整列部材により正確に整列させることにより、切断された光ファイバの切断不揃い量を小さくすることもできる。この結果、多心光ファイバ心線の各光ファイバの切断面を精度良く形成することができ、複数本の光ファイバを一括切断する際の切断不揃い量を小さくすることができる。
【0054】
請求項2に記載の発明によれば、光ファイバの基端部を被覆部の先端部と共にに固定することにより、光ファイバを正確かつ確実に固定することができ、ファイバ整列部材内での光ファイバ心線及び光ファイバの曲がりなどが抑止され、安定した伝送特性を得ることができる。被覆部の先端部と光ファイバの基端部との境界には応力が加わりやすいので、このようにファイバ整列部材を光ファイバの基端部から被覆部の先端部にかけて取り付けることは、応力による光ファイバの破損や伝送特性の悪化を防止する上で特に有効である。
【0055】
請求項3に記載の発明によれば、ファイバ整列孔が光ファイバの断面形状に等しい円形の断面形状を有しているので、光ファイバを挿入させやすくなり、作業が行いやすくなるという利点がある。また、光ファイバと接触する面が曲面であるため、光ファイバに傷を与えるおそれがなく、長期にわたって安定した伝送特性が得られる。
【0056】
請求項4に記載の発明によれば、ファイバ整列孔がほぼV字状断面の底部を有しているので、光ファイバがほぼV字状断面を有する底部と二点接触して正確に位置決めがされた状態で強固に固定される。即ち、ファイバ整列溝がほぼV字状断面の底部を有しているため、簡便かつ正確に光ファイバの位置決めを行うことができる。
請求項5に記載の発明によれば、切断されたファイバ整列部材付き光ファイバをフェルールに挿入し固定することで、フェルールに対する光ファイバの光軸方向の位置決めが容易かつ正確に行うことができ、安定した伝送特性を有する光ファイバ心線を得ることができる。
請求項6に記載の発明によれば、安定した伝送特性を有する光部品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ファイバ切断方法の第一実施形態において用いられるファイバ整列部材を示す斜視図である。
【図2】本発明の光ファイバ切断方法の第一実施形態(前半部分)における各工程を示す平面図である。
【図3】本発明の光ファイバ切断方法の第一実施形態(後半部分)における各工程を示す平面図である。
【図4】組み立てられた光コネクタの断面図であり、(a)は図3に示されるフェルールを用いた場合、(b)は異なるフェルールを用いた場合である。
【図5】本発明の光ファイバ切断方法の第二実施形態において用いられるファイバ整列部材を示す斜視図である。
【図6】本発明の光ファイバ切断方法の第三実施形態において用いられるファイバ整列部材を示す斜視図である。
【図7】切断された光ファイバの端面角度の分布を示すグラフであり、(a)は本発明の切断方法に関するグラフ、(b)は従来の切断方法に関するグラフである。
【図8】切断された光ファイバの切断不揃い量の分布を示すグラフであり、(a)は本発明の切断方法に関するグラフ、(b)は従来の切断方法に関するグラフである。
【図9】従来の光ファイバ切断方法における各工程を示す平面図である。
【符号の説明】
1A,1B,1C…ファイバ整列部材、11a,11b,11c…平孔、12a,12b…ファイバ整列孔、17c…V溝(ファイバ整列孔)、18c…角溝(ファイバ整列孔)、2…光ファイバ心線、3…光ファイバ、5…切刃、6A,6B…フェルール。

Claims (6)

  1. テープ状多心光ファイバ心線の端部から被覆部を除去して複数本の光ファイバを露出させ、
    露出された前記光ファイバの基端部から前記光ファイバ心線の被覆部先端部にかけてファイバ整列部材を取り付けて前記光ファイバを整列させた後に、露出された前記光ファイバの基端部から前記光ファイバ心線の被覆部先端部にかけて前記ファイバ整列部材を接着固定し、
    切刃を光ファイバの光軸方向に対して直角な方向に移動させて光ファイバの側面に初期傷を形成させ、
    光ファイバに曲げ応力又は引張応力を加えて初期傷を拡大させて光ファイバを切断することを特徴とする光ファイバ切断方法。
  2. 前記ファイバ整列部材が、前記光ファイバの前記基端部を収納する複数のファイバ整列孔と、前記光ファイバ心線の残された前記被覆部の先端部を収納する平孔とを有している、請求項1に記載の光ファイバ切断方法。
  3. 前記ファイバ整列孔が、前記光ファイバの断面形状に等しい円形の断面形状を有している、請求項2に記載の光ファイバ切断方法。
  4. 前記ファイバ整列孔が、ほぼV字状断面の底部を有しており、前記光ファイバが、前記ファイバ整列孔内に収納されたときに前記底部に押しつけられて位置決めされる、請求項2に記載の光ファイバ切断方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の光ファイバ切断方法により切断されたファイバ整列部材付き光ファイバを、フェルールに挿入し固定すること、を特徴とする光部品の製造方法。
  6. 請求項5に記載の製造方法により製造されたことを特徴とする光部品。
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