JP2001226665A - 艶出し剤用研磨剤及びそれを含有してなる艶出し剤組成物 - Google Patents

艶出し剤用研磨剤及びそれを含有してなる艶出し剤組成物

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JP2001226665A
JP2001226665A JP2000037522A JP2000037522A JP2001226665A JP 2001226665 A JP2001226665 A JP 2001226665A JP 2000037522 A JP2000037522 A JP 2000037522A JP 2000037522 A JP2000037522 A JP 2000037522A JP 2001226665 A JP2001226665 A JP 2001226665A
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polishing
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calcium carbonate
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Seiya Shimizu
清也 清水
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Maruo Calcium Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塗装面を傷つけることがなく、艶出し作業性
の良好な艶出し剤用研磨剤を提供する。 【解決手段】 特定の粒子径、分散係数、及び粒度のシ
ャープネスを有し、モース硬度が2〜6である粒子から
なる艶出し剤用研磨剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、艶出し剤用研磨剤
及びそれを配合してなる艶出し剤組成物に関し、更に詳
しくは、自動車等の塗装面上の水垢や油性・水性汚れを
落とし、更に汚染防止・撥水性付与・艶出しを目的とし
て塗布される艶出し剤用研磨剤及びそれを配合してなる
艶出し剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の塗装面の艶や光沢(以下、両
者を単に艶と記す)は、自動車の走行や屋外駐車により
塗装面に生じる汚れや傷、塗装の劣化等による塗装面上
の凹凸増加が原因で低下する。艶の低下は自動車の外観
上好ましくなく、この低下した艶を回復させるために、
一般にカーワックスと呼ばれる艶出し剤が使用されてい
る。従来、この艶出し剤は、ワックス、シリコーン化合
物またはオイル類、界面活性剤、樹脂、水、研磨剤等の
配合物からなり、それらの配合は、その効能・形態・用
具等により異なるが、基本的には水垢等の汚れを研磨剤
で落とし、傷や塗装の劣化によって生じた塗装面の凹部
をワックス分で埋めることにより艶出しを行っている。
しかし、上記の艶出し剤では、艶出し剤塗布後の降雨や
洗車により塗装面を埋めていたワックス分が流れ落ちて
艶出し剤塗布前の状態に戻るという問題や、自動車の使
用や屋外駐車の期間が長くなるに従い、塗装面上の傷が
増加したり塗装の劣化が進み、塗装面の凹凸による反射
光の乱反射が顕著になり、艶が低下するという問題には
十分に対応できない憾みがある。
【0003】上記問題に対して、従来、塗装面上の水垢
等の汚れ落としを目的に専ら使用されるに過ぎなかった
研磨剤を見直し、研磨剤で塗装面の凸部を削ることによ
り塗装表面を可能な限り平滑にして反射光の乱反射を抑
制し、艶出し効果を出すと同時に、その艶を維持する方
法が提案されている。例えば、特開平1-123669号公報に
は、粒子径が5〜70μm、2〜3 μm、0.7μm前後の
3タイプの研磨剤をそれぞれ所定量含有する前処理剤を
塗装面に粒子径の大きい方から小さい方へ塗布して研磨
後に、熱硬化性高分子重合体液を塗布してポリッシング
による熱処理硬化を行う方法が提案されている。また特
開平7-252454号公報では、研磨剤の硬度と粒径と粒度分
布に着目し、モース硬度が6以上の硬さで、平均粒径が
0.2 〜2.0 μmの研磨剤を2種以上混合し、その混合物
中に含まれる5.0 μm以下の粒子含有量が95wt%以上の
研磨剤を2〜30wt%含有させた艶出し剤組成物が提案さ
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、一般に研磨
剤は硬度が硬く、粒子径が大きくなると研磨作用が強く
なるが、その反面、艶出し剤に用いると自動車等の塗装
面に傷を付けやすくなる。また、硬度が低く粒子径が小
さくなると研磨作用が小さくなり、一方、艶出し剤に用
いると、塗装面への傷付けの可能性は小さくなるが、水
垢や油性、水性の汚れが落ちにくくなり、塗装面上の凸
部の削り落としも困難になる。
【0005】これらの問題に対して、上記特開平1-1236
69号公報では、粒子径の異なる研磨剤を含有する3種類
の前処理剤を使用するが、研磨剤の硬度について言及さ
れておらず、それ故に用意した研磨剤の硬度が低い場合
は、汚れ落としや凸部の削り落としによる塗装面の平滑
化に十分な効果が得られず、逆に、硬度が高い場合は、
塗装面を傷付ける恐れがある。また、3種類の前処理剤
を用意したり、これらを何回も塗布するなど手間がかか
り、一般にカーワックス掛けと呼ばれる自動車の塗装面
の艶出しには好まれず、特に女性や多忙な人には好まれ
ない等の問題がある。
【0006】一方、上記特開平7-252454号公報は、研磨
剤の硬度、粒径、粒度分布に着目し、それらを厳しく制
限することによって、塗装面の汚れ落としや平滑化、作
業性について上記特開平1-123669号公報の包蔵する問題
点の改善を図っている。特に硬度に着目し、モース硬度
6以上の無機粒子を研磨剤として用いることにより凸部
の削り取りを改善しているが、反面、それが塗装面への
傷付けの原因になり、当時の技術では予想不可能な以下
の問題が顕在化している。
【0007】即ち、自動車の外観に対する美麗さへの要
求は、一部では走行性、耐久性や乗り心地といった自動
車が本来的に具備すべき条件以上のものが要求される場
合もあり、水垢等の汚れだけでなく、今日まで問題とは
されなかった、目視判定が難しい小さな傷や、光の反射
具合にまで注意が向けられるようになっている。また、
美観に対する認識の広がりから、従来、洗車やカーワッ
クスに関心が無かった人々までそれらを行うようにな
り、洗車やカーワックス時の作業性の簡易化は当然のこ
と、カーワックスの布等による拭き取りの抵抗感の解消
等までが求められている。加えて、近年の自動車の軽量
化の要請から、自動車部品に占めるプラスチックの割合
は年々大きくなり、最近ではバンパーやエアロパーツ、
サイドモール等の殆どがエラストマー変性ポリプロピレ
ンやSMC等のプラスチックになっており、更に今後も
その比率は大きくなると予想されている。
【0008】以上の状況において、研磨剤としてモース
硬度の硬い無機粒子を使用すると、プラスチックと研磨
剤の擦り合わせによって生じるプラスチック塗装面への
極微細な傷が生じて美観を損なう上、傷つきによる摩擦
抵抗の増大により、カーワックスの拭き取り時に生じる
抵抗感を増加させるなどの問題がある。かくして、従来
以上の艶出しとその維持が可能で、金属、プラスチック
を問わず自動車の外装部の何れにも有効で、かつ、簡便
に艶出しが可能な艶出し剤用研磨剤及び艶出し剤組成物
が望まれている。また、現在の艶出し剤は固形・半固形
・液状と様々な形態で使用されており、使用方法も様々
である。例えば固形・半固形状のペーストをスポンジや
布・シートに作業者が取り込み自動車等の塗装面に塗布
しつつ擦る方法、液状の艶出し剤をスポンジや布・シー
トに作業者が取り込み自動車等の塗装面に塗布しつつ擦
る方法、スプレー缶等に封入された艶出し剤を噴霧して
塗布した後に擦る方法、元々艶出し剤を含有させた専用
の布・シート・多孔性の袋で直接、自動車等の塗装面を
擦る方法、ガソリンスタンド等の門型洗浄機やコイン洗
車場等の洗浄機の様に高圧噴射機を用いて洗浄と艶出し
の両方を行う方法等、多岐に渡り、それらの何れにも有
効な艶出し剤用研磨剤が望まれている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決すべく鋭意検討の結果、特定の範囲の平均粒
径、分散係数、粒度のシャープネス、特定のモース硬度
を持つ粒子からなる艶出し剤用研磨剤、及びそれを配合
してなる艶出し剤組成物が上記問題を解決し得ることを
見出し、本発明を完成した。
【0010】即ち、本発明の第1は、下記の式(a)、
(b)、(c)及び(d)を満足するとともに、モース
硬度が2〜6である粒子からなることを特徴とする艶出
し剤用研磨剤を内容とする。 (a)0.5≦dx≦7(μm) (b)1≦α≦5 但し α=d50/dx (c)0≦β≦5 但し β=(d90−d10)/d50 (d)X1≦10 但し、 dx:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径
(μm)。 α :分散係数 d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。 β :シャープネス。 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計90%粒子径(μm)。 d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒子の篩通過側累計10%粒子径(μm)。 X1:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
より測定した粒度分布において、d50を2.5 倍した粒子
径の重量累計%。
【0011】本発明の第2は、上記艶出し剤用研磨剤を
配合してなることを特徴とする艶出し剤組成物を内容と
する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の艶出し剤用研磨剤の最も
重要な特徴は、特定の粒度内容を有していることにあ
る。即ち、本発明の艶出し剤用研磨剤のdxは、0.5
≦dx≦7(μm)であり、好ましくは1≦dx≦6
(μm)、より好ましくは3≦dx≦5(μm)であ
る。dxが0.5μm未満の場合、粒子径が小さいた
め、プラスチック等で構成される自動車等の塗装面に目
視で確認できるような大きな傷を付けることはないが、
研磨能力が低く、水垢等の汚れ落としや金属製の塗装表
面の凸部を削り落としにくく、特に短時間で効率的に塗
装面や外装部を平滑化することが難しくなる。また、d
xが7μmを超える場合、粒子が大きいため研磨能力も
大きいが、プラスチック等で構成される自動車等の塗装
面に目視で確認できる大きな傷を付けてしまう。
【0013】本発明の艶出し剤用研磨剤のα及びβは、
それぞれ1≦α≦5,0≦β≦5であり、好ましくは1
≦α≦3,0≦β≦3、より好ましくは1≦α≦2,0
≦β≦2である。αが5を超える場合、粒子の凝集が激
しいため、均一な削り落とし効果が得られない上に、自
動車等の塗装面や、プラスチック等で構成される外装面
に傷を与える原因にもなる。またαが1未満の場合、微
細な粒子が多く存在するため、研磨能力が著しく低くな
り、水垢等の汚れや金属製の塗装表面の凸部を削り落と
しにくく、効率的な艶出しができない。本発明の艶出し
剤用研磨剤の粒度構成に関する関数であるβが5を超え
る場合、粒度分布幅がブロードになり、粗大粒子又は微
細な粒子もしくはその両方が多量に存在するため、自動
車等の塗装面やプラスチック等で構成される外装面への
傷と、研磨能力低下の両方の原因となる。
【0014】本発明の艶出し剤用研磨剤のX1は、10
以下であり、好ましくは5以下、より好ましくは2以下
である。X1が10を超える場合、粗大粒子が多量に存
在し、それが原因となって自動車等の塗装面やプラスチ
ック等で構成される外装面に傷を与える。
【0015】本発明の艶出し剤用研磨剤の硬度はモース
硬度が2〜6であり、好ましくは3〜5である。モース
硬度が6を超える場合、粒子の硬さによって、自動車等
の塗装面や、プラスチック等で構成される外装面に傷を
与える原因になる。またモース硬度が2未満の場合、研
磨能力が著しく低くなり、水垢等の汚れや金属製の塗装
表面の凸部を削り落としにくく、効率的な塗装面の平滑
化、特に金属外装部の塗装面の艶出しができない。
【0016】本発明の艶出し剤用研磨剤を構成する粒子
の素材に関しては特に限定はなく、例えば以下の粒子を
挙げることができ、これらは、単独でまたは2種以上組
み合わせて用いられる。例えば、炭酸カルシウム(バテ
ライト型・アラゴナイト型・カルサイト型)、またリン
酸カルシウム系粒子としては、非晶質リン酸カルシウム
(略号ACP、化学式Ca3 (PO4 2 ・nH
2 O)、フッ素アパタイト(略号FAP、化学式Ca10
(PO4 6 2 )、塩素アパタイト(略号CAP、化
学式Ca10(PO4 6 Cl2 )、ヒドロキシアパタイ
ト(略号HAP、化学式Ca10(PO46 (O
H)2 )、リン酸八カルシウム(略号OCP、化学式C
8 2 (PO 4 6 ・5H2 O)、リン酸三カルシウ
ム(略号TCP、化学式Ca3 (PO42 )、リン酸
水素カルシウム(略号DCP、化学式CaHPO4 )、
リン酸水素カルシウム二水和物(略号DCPD、化学式
CaHPO4 ・2H2O)等が例示でき、これらの中で
も組成の安定性が高いという観点から、ヒドロキシアパ
タイト、リン酸八カルシウム、リン酸三カルシウム、リ
ン酸水素カルシウムが好ましく、ヒドロキシアパタイト
が特に好ましい。これらは、例えば特開平7-196316号公
報、国際公開番号WO97/03119号公報、同WO98/29490号公
報等に記載の方法で得ることができる。また、その他の
無機粒子としてゼオライト、カオリン、硫酸バリウムが
例示できる。上記の中でも、艶出し剤用研磨剤として、
適度な比重、経済性とハンドリングの観点から、炭酸カ
ルシウム、硫酸バリウム、リン酸カルシウム系粒子が好
ましい。
【0017】更に、本発明の艶出し剤用研磨剤の分散性
を改良するために、ポリアクリル酸ソーダに代表される
表面処理剤、シリコーンオイル・ドデシルベンゼンスル
ホン酸等に代表される界面活性剤で処理してもよく、ま
たヘキサメチル燐酸ソーダに代表される分散助剤等を添
加してもよい。
【0018】上記の粒度及び硬度を有する艶出し剤用研
磨剤を配合してなる艶出し剤用組成物は、該研磨剤とワ
ックス、シリコーン化合物またはそのオイル、石油系溶
剤、各種界面活性剤、水、樹脂、水溶性高分子やその他
の成分を適宜選択・配合して、自動車等の塗装面やプラ
スチック等で構成される外装面に傷を付けることなく、
効率的に平滑化による艶出しが可能な艶出し剤用組成物
とされる。なお、上記成分の配合量や割合は特に限定さ
れず、効能・形態・用具に応じて適宜選択すればよく、
一概には規定できないが、好ましい一例を示せば、ボト
ル状プラスチック容器に封入されて市販され、スポンジ
や布等に作業者が取り込み自動車の塗装面に塗布しつつ
擦る液状の水性艶出し剤の場合、ワックス成分として2
〜10重量部、シリコーン化合物として3〜10重量
部、石油系溶剤として10〜30重量部、界面活性剤と
して1〜10重量部、水として40〜80重量部、研磨
剤として5〜20重量部の範囲で配合される。
【0019】本発明に使用されるワックスは特に限定さ
れず、公知の物質を効能・形態・用具に応じて選択され
るが、例えば、カルナバワックス・キャンデリラワック
ス・ライスワックス・木蝋・オウキュリー蝋・エスパル
蝋等の植物性ワックス、蜜蝋・昆虫蝋・セラック蝋・鯨
蝋等の動物性ワックス、パラフィンワックス・マイクロ
クリスタルワックス・ポリエチレンワックス・エステル
ワックス・酸化ワックス等の石油系ワックス、モンタン
ワックス・オゾケライトワックス・セレシン等の鉱物系
ワックスを挙げることが出来る。
【0020】更に、これらのワックス類の他に、パルミ
チン酸・ステアリン酸・マルガリン酸・ベヘン酸等の高
級脂肪酸、パルミチルアルコール・ステアリルアルコー
ル・ベヘニルアルコール・マルガニルアルコール・ミリ
シルアルコール・エイコサノール等の高級アルコール、
パルミチン酸セチル・パルミチン酸ミリシル・ステアリ
ン酸セチル・ステアリン酸ミリシル等の高級脂肪酸エス
テル、アセトアミド・プロピオン酸アミド・パルミチン
酸アミド・ステアリン酸アミド・アミドワックス等のア
ミド類、ステアリルアミン・ベヘニルアミン・パルミチ
ルアミン等の高級アミン類等を挙げることが出来、更に
変性ワックス、グリセライド等を挙げることが出来る。
これらはそれぞれ単独で、または必要に応じて2種以上
組み合わせて用いられるが、中でもパラフィンワックス
・カルナバワックス・ポリエチレンワックス及び各種ア
ミドワックスが、自動車等の外装を構成する金属・プラ
スチックの両方の塗装面の艶出しを行う点で好ましい。
【0021】本発明に使用されるシリコーン化合物また
はそのオイルは特に限定されず、公知の物質を効能・形
態・用具に応じて選択されるが、例えば、ジメチルシリ
コーン・フェニルシリコーン・アミノ変性シリコーン・
アルキル変性シリコーン・ビニル変性シリコーン・カル
ボキシ変性シリコーン・メチルフェニルシリコーン・ポ
リエーテル変性シリコーン等を挙げることが出来る。こ
れらはそれぞれ単独で、または必要に応じて2種以上組
み合わせて用いられるが、中でもジメチルシリコーン・
フェニルシリコーン・アミノ変性シリコーンが、先に挙
げた自動車等の艶出し剤として用いられるワックス類と
の組み合わせの点で好ましい。
【0022】本発明に使用される石油系溶剤は特に限定
されず、公知の物質を効能・形態・用具に応じて選択さ
れるが、例えば、石油ナフサ・ソルベントナフサ・石油
エーテル・石油ベンジン・イソパラフィン・ノルマルパ
ラフィン・デカリン・工業用ガソリン・リグロイン・灯
油・ミネラルスピリット等を挙げることが出来る。これ
らはそれぞれ単独で、または必要に応じて2種以上組み
合わせて用いられるが、中でも灯油・石油ナフサ・ソル
ベントナフサ・ミネラルスピリットが、経済的かつ容易
に入手でき、管理が簡便な点で好ましい。
【0023】本発明に使用される界面活性剤は特に限定
されず、公知の物質を効能・形態・用具に応じて選択さ
れるが、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル・グリセリ
ン脂肪酸エステル・デカグリセリン脂肪酸エステル・ポ
リオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル・ポリオキ
シエチレングリセリン脂肪酸エステル・ポリエチレング
リコール脂肪酸エステル・ポリオキシエチレンアルキル
エーテル・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル・ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキル
エーテル・ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテ
ル等の非イオン系界面活性剤、脂肪酸塩・ロジン酸石鹸
・ノルマルアシルカルボン酸塩・ポリオキシエチレンア
ルキルエーテル酢酸塩・エーテルカルボン酸塩等の高級
脂肪酸塩類、アルキルスルホン酸塩・アルキルスルホ琥
珀酸塩・スルホ琥珀酸塩・エステルスルホン酸塩・アル
キルベンゼンスルホン酸塩・アルキルアリルスルホン酸
塩・アルキルナフタレンスルホン酸塩・ノルマルアシル
スルホン酸塩等のスルホン酸塩類、硫酸化油・エステル
硫酸塩・アルキル硫酸塩・エーテル硫酸塩・アルキルエ
ーテル硫酸塩・アルキルアリルエーテル硫酸塩・アミド
硫酸塩等の硫酸エステル類、アルキル燐酸塩・エーテル
燐酸塩・ポリオキシアルキルエーテル燐酸塩・アルキル
アリルエーテル燐酸塩・アミド燐酸塩等の燐酸エステル
類、ホルマリン縮合系スルホン酸塩類等の陰イオン系界
面活性剤、アルキルアミン塩・第4級アンモニウム塩等
の陽イオン性界面活性剤、アルキルベタイン等の両性界
面活性剤、フッ素界面活性剤、シリコーン系界面活性剤
を挙げることが出来る。
【0024】これらはそれぞれ単独で、または必要に応
じて2種以上組み合わせて用いられるが、非イオン系界
面活性剤の中ではポリオキシエチレンアルキルフェニル
エーテルが、陰イオン系界面活性剤の中ではアルキルベ
ンゼンスルホン酸のアルカノールアミン及びアミン塩、
アルキルスルホン酸のアルカノールアミン及びアミン
塩、アルキル燐酸塩の金属塩及び高級脂肪酸の金属塩
が、陽イオン性界面活性剤の中では第4級アンモニウム
塩が容易に入手でき経済的にも好ましいが、それらは何
れも、ワックスやシリコーン化合物ないしオイル・石油
系溶剤等の他成分との配合を考慮の上で選択される。
【0025】本発明に使用される樹脂は特に限定され
ず、公知の物質を効能・形態・用具に応じて選択される
が、例えば、ポリオルガノシルセスキオキサン等の樹脂
が自動車等の塗装面に塗布後の撥水性向上の点で好まし
い。
【0026】本発明に使用される水溶性高分子は特に限
定されず、公知の物質を効能・形態・用具に応じて選択
されるが、例えば、メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース等の水溶性高分子が、油性汚れ等の汚れ落
としの点で好ましい。
【0027】本発明において、艶出し剤としての商品価
値を付与する目的で、本発明の目的を阻害しない範囲で
香料・帯電防止剤・染料・(蛍光)顔料・酸化防止剤・
紫外線吸収剤・殺菌剤・防錆剤・防黴剤・防塵剤等を含
有させることも可能である。また、上述のワックス類や
シリコーン化合物等の分散を容易にする目的で、補助溶
剤として芳香族系・ナフテン系・ノルマルパラフィン系
・イソパラフィン系等の炭化水素系溶剤、またはこれら
の混合物を、目的とする艶出し剤の商品価値を低下させ
ない範囲で添加しても差し支えない。
【0028】本発明の艶出し剤組成物の調製方法は特に
限定されず、効能・形態・用具に応じた方法で配合量調
製されるが、艶出し剤として配合される水やシリコーン
化合物またはオイル類、石油系溶剤等を溶媒とした懸濁
液で配合されることが分散性の点で好ましい。
【0029】
【実施例】以下に本発明を実施例及び比較例により更に
詳細に説明するが、本発明はこれらによりなんら限定さ
れるものではない。
【0030】実施例1,10 比較例6 国際公開番号WO97/03119号及びWO98/2
9490号に記載の方法に従い、リン酸カルシウム粒子
を作成した。即ち、炭酸カルシウムの水懸濁液とリン酸
の希釈水溶液を表1に記載の混合条件で混合させた後、
表1の熟成条件で熟成を行い水懸濁液を作成した。それ
を脱水した後、700℃以下の乾燥雰囲気下で乾燥し、
解砕仕上げを行い、実施例1,10の艶出し剤用研磨剤
粒子P1、P10を得た。また実施例1,10と同様
に、表1の調製方法に従い比較例6の粒子E6を得た。
これらの物性を表3に示す。
【0031】実施例2,14 特願平11−042765号明細書に記載の方法に従
い、リン酸カルシウム粒子を作成した。即ち、炭酸カル
シウムの水懸濁液とリン酸の希釈水溶液を表2に記載の
混合条件で混合させた後、表2の熟成条件で熟成を行
い、更に熟成終了後の水懸濁液を使用し、表2の調製法
の記載に従い、撹拌しながら炭酸カルシウム水懸濁液及
び水溶性リン酸塩を別々に滴下混合し、熟成条件に従い
撹拌を行いながら熟成した後、脱水、水洗、乾燥、解砕
を行い、リン酸カルシウムからなる担体にリン酸カルシ
ウムを担持させた粒子からなる、実施例2,14の艶出
し剤用研磨剤粒子P2,P14を得た。これらの物性を
表3に示す。
【0032】実施例3 特開平7−196316号公報に記載の方法に従い、炭
酸カルシウム粒子を作成した。即ち、0.60mol/Lの炭酸
ナトリウム溶液100 L、0.55mol/Lの塩化カルシウム溶
液100 L、0.02mol/Lの水酸化ナトリウム溶液100 Lを
調整し、炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を
混合しその混合液と、塩化カルシウム溶液を各々21.0℃
に調整した。攪拌下の炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナト
リウム溶液の混合液200 Lに、塩化カルシウム溶液100
Lを240 秒かけて滴下し、滴下終了180秒後、反応によ
って理論的に生成する炭酸カルシウムの0.4wt %相当量
のヘキサメタ燐酸ナトリウムを添加し、更に5分間攪拌
した。得られた炭酸カルシウムの3wt%の水懸濁液のア
ンモニウムイオンとアルカリ金属イオンの総和が8pp
m、電導度が30μS/cm になるまで、該懸濁液を遠心
脱水機を用いて脱水、希釈を繰り返して洗浄し、炭酸カ
ルシウムの水懸濁液を得た。得られた炭酸カルシウムか
らなる艶出し剤用研磨剤粒子P3の水懸濁液を乾燥し、
乾粉を電子顕微鏡観察、X線分析を行った処、立方体状
で殆どカルサイトの炭酸カルシウムであることを確認し
た。なお、粒子P3の水懸濁液を、スプレードライヤー
等を用いて乾燥させて乾粉とし、それを再び水に懸濁さ
せても粒度特性は元の懸濁液のそれと変化なく、また、
粒子P3の水懸濁液にエチレングリコールを添加し、エ
バポレーター等を用いて水をフラッシングさせてエチレ
ングリコール懸濁液としても、粒度特性は元の水懸濁液
のそれと変化がなかった。この粒子の物性を表3に示
す。
【0033】実施例4 活性度が82の粒状生石灰(試薬特級)を乾式粉砕機(コ
ロフレックス,アルピネ社製商品名)で粉砕し、得られ
た生石灰粉体をメタノール中に投入し、200 メッシュの
篩を用いて粗粒を除去した後、生石灰としての固形分濃
度20wt%の生石灰のメタノール懸濁液を調製した。該メ
タノール懸濁液を湿式粉砕機(ダイノーミルPILOT
型,WAB社製)により解砕処理し、生石灰のメタノー
ル懸濁液を調製した。この生石灰のメタノール懸濁液1
kgにメタノールを更に添加し、生石灰濃度が3.0wt %に
なる様に希釈し、更に生石灰に対して11倍相当モルの水
を添加し、メタノールと生石灰と水の混合系を調製し
た。該混合系を42℃に調整後、攪拌下で100 %炭酸ガス
を混合系の生石灰1モル当たり0.082mol/min. の導通速
度で導通し、炭酸化反応を開始した。炭酸化反応5分後
に系内の導電率が極大点に達し、該極大点到達時の温度
が45℃になるように調節した。その後も炭酸化反応を継
続し、炭酸化反応開始19分後に系内の導電率が100 μS/
cmに達した時点で炭酸ガスの供給を停止し、反応を終了
し、炭酸カルシウム−メタノール−水混合懸濁液(A)
を得た。この時の系内のpHは7.0 であった。得られた炭
酸カルシウム−メタノール−水混合懸濁液(A)1kgを
攪拌しつつ、前述の20wt%生石灰−メタノール懸濁液51
0kg を30時間に亘って滴下し、その間、100 %炭酸ガス
をpH7.5 、導電率70μS/cm、液温42℃に維持するよう制
御しつつ導通した。得られたメタノールと水の混合液を
スプレードライヤー等で乾燥せしめ、炭酸カルシウムか
らなる艶出し剤用研磨剤粒子P4を得た。得られた粒子
P4について電子顕微鏡観察、X線分析を行った結果、
球状でバテライト型炭酸カルシウムであることを確認し
た。この粒子の物性を表3に示す。
【0034】実施例5 液温18℃、比重1.080 に調整した石灰乳43m3 に18%濃
度の炉ガス(以下、CO2 ガスと略す)を20m3/min. の
流速で導通し炭酸化反応を完結した。炭酸化反応終了
後、系の温度50±5℃、CO2 ガス及び石灰乳を用いて
pHを10±0.5 に調整して24時間攪拌し、粘度2000cpの粘
調な沈降製炭酸カルシウムの水分散体を得た。該沈降製
炭酸カルシウム1m3に比重1.070 の石灰乳を0.15m3/hr
の流量で滴下し、同時にCO2 ガスを導通し、系のpHが
10±0.5 で攪拌しつつ炭酸化反応を行った。石灰乳の滴
下総量が100m3 に達した時点で石灰乳の滴下を中止し、
系のpHが7.0 になるまでCO2 ガスを導通し、沈降製炭
酸カルシウムを得た。得られた炭酸カルシウムを乾燥
し、その後、エチレングリコールと混合した後に湿式粉
砕機(ダイノーミルPILOT 型,WAB社製)により解砕
処理し、その後乾燥して炭酸カルシウムからなる艶出し
剤用研磨剤粒子P5を得た。なお、得られた粒子P5に
ついて電子顕微鏡観察、X線分析を行った結果、P5は
不定形のカルサイト型炭酸カルシウムであることが判明
した。この粒子の物性を表3に示す。
【0035】実施例6 エチレングリコール2kgに攪拌しつつ、工業用生石灰13
gを投入してエチレングリコール−生石灰混合懸濁液を
調製した。この混合懸濁液に100 %の炭酸ガスを1L/m
in. の速度で導入し、18分後に導入を停止して液温を60
℃に調整して1時間維持し、炭酸カルシウムのエチレン
グリコール懸濁液を得た。得られた炭酸カルシウム懸濁
液をスプレードライヤー等で乾燥し、炭酸カルシウムか
らなる艶出し剤用研磨剤粒子P6を得た。得られた粒子
P6について電子顕微鏡観察、X線分析を行った結果、
球状で殆どカルサイトの炭酸カルシウムであることを確
認した。この粒子の物性を表3に示す。
【0036】実施例7,15 比較例7 丸尾カルシウム製重質炭酸カルシウムであるカルテック
ス5(商品名)を日清製粉製ターボークラシファイアー
TC−15(商品名)を使用して分級を繰り返し、微細
粒子以外の中間粒子・粗大粒子の炭酸カルシウムからな
る艶出し剤用研磨剤粒子P7,P15を得た。また、原
料である重質炭酸カルシウム・カルテックス5を艶出し
剤用研磨剤粒子E7とした。それらの物性を表3に示
す。
【0037】実施例8 攪拌下で液温を15℃に調整した0.8 mol/Lの硫化バリウ
ム溶液100 Lに、14.4℃に調整した0.8 mol/Lの硫酸ナ
トリウム溶液100Lを、400 秒で滴下して混合して硫酸バ
リウムを生成し、その反応直後の懸濁液を濃縮して得ら
れた硫酸バリウムペーストを洗浄後乾燥させ、艶出し剤
用研磨剤粒子P8を得た。この粒子の物性を表3に示
す。
【0038】実施例9 特開平7−196316号公報に記載の方法に従い、炭
酸カルシウム粒子を作成した。即ち、0.40mol/Lの炭酸
ナトリウム溶液100 L、0.35mol/Lの塩化カルシウム溶
液100 L、0.02mol/Lの水酸化ナトリウム溶液100 Lを
調整し、炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を
混合しその混合液と、塩化カルシウム溶液を各々25.0℃
に調整した。攪拌下の炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナト
リウム溶液の混合液200 Lに、塩化カルシウム溶液100
Lを300 秒かけて滴下し、滴下終了180秒後、反応によ
って理論的に生成する炭酸カルシウムの0.4wt %相当量
のヘキサメタ燐酸ナトリウムを添加し、更に5分間攪拌
した。得られた炭酸カルシウムの3wt%の水懸濁液のア
ンモニウムイオンとアルカリ金属イオンの総和が8pp
m、電導度が30μS/cm になるまで、該懸濁液を遠心
脱水機を用いて脱水、希釈を繰り返して洗浄し、炭酸カ
ルシウムの水懸濁液を得た。得られた炭酸カルシウムか
らなる艶出し剤用研磨剤粒子P9の水懸濁液を乾燥し、
乾粉を電子顕微鏡観察、X線分析を行った処、立方体状
で殆どカルサイトの炭酸カルシウムであることを確認し
た。なお、粒子P9の水懸濁液を、スプレードライヤー
等を用いて乾燥させて乾粉とし、それを再び水に懸濁さ
せても粒度特性は元の懸濁液のそれと変化なく、また、
粒子P9の水懸濁液にエチレングリコールを添加し、エ
バポレーター等を用いて水をフラッシングさせてエチレ
ングリコール懸濁液としても、粒度特性は元の水懸濁液
のそれと変化がなかった。この粒子の物性を表3に示
す。
【0039】実施例11 実施例8で得られた硫酸バリウムペースト100 重量部
に、固形水酸化ナトリウムを440 重量部の割合で添加
し、ニーダーで混練後、5分間300 ℃で加熱して硫酸バ
リウム粉体からなる艶出し剤用研磨剤粒子P11を得
た。その物性を表3に示す。
【0040】実施例12 実施例4で得られた炭酸カルシウム−メタノール−水混
合懸濁液(A)1kgを攪拌しつつ、前述の20wt%生石灰
−メタノール懸濁液20kgを1時間で滴下し、その間、10
0 %炭酸ガスをpH7.5 、導電率60〜70μS/cm、液温42℃
に維持するよう制御しつつ導通した。得られたメタノー
ルと水の混合液をスプレードライヤー等で乾燥せしめ、
炭酸カルシウムからなる艶出し剤用研磨剤粒子P12を
得た。得られた粒子P12について電子顕微鏡観察、X
線分析を行った結果、球状でバテライト型炭酸カルシウ
ムであることを確認した。この粒子の物性を表3に示
す。
【0041】実施例13 石灰乳の滴下総量を150m3 に変更する以外は、実施例5
と同じ方法で艶出し剤用研磨剤粒子P13を得た。な
お、得られた粒子P13の電子顕微鏡観察、X線分析結
果は不定形のカルサイト型炭酸カルシウムであった。こ
の粒子の物性を表3に示す。
【0042】比較例1 2Lのビーカーに、水81.0gに苛性ソーダ0.006 gを添
加し、シリカゾルを2.3 g加え、そこにエタノール100
gを加えて、サタケ攪拌機 Type FEVQ-5T 0.1kw(佐竹
化学機械工業株式会社製商品名)にφ3cmの3枚羽根を
12rpm の回転数で攪拌し、35℃に維持した。この攪拌混
合系のpHを11.5に維持しつつ、エタノール2000g
と水1800gの混合液と、28wt%エチルシリケート1000g
を同時に24時間かけて滴下し、シリカの反応懸濁液を得
た。得られたシリカの懸濁液を乾燥し、艶出し剤用研磨
剤粒子E1を得た。その乾粉を電子顕微鏡観察、X線分
析したところ、球状シリカであることが判明した。その
物性を表3に示す。
【0043】比較例2 3.0 重量%のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ懸濁液
1kgを攪拌しつつ85℃に調整し、0.07重量部の過硫酸ソ
ーダを添加後に、蒸留水15重量部、ドデシルベンゼンス
ルホン酸ソーダ3.0 重量部、メタクリル酸50重量部でプ
レエマルジョン状態にした溶液を、0.65重量部の過硫酸
ソーダ水溶液と共に同時に滴下した。滴下終了後、0.09
5 重量部の過硫酸ソーダ溶液を添加して85℃で1時間熟
成後、冷却・濾過・乾燥して有機粒子からなる艶出し剤
用研磨剤粒子E2を得た。得られた粒子E2の物性を表
3に示す。
【0044】比較例3 エチレングリコール2kgに攪拌しつつ、工業用生石灰
10gを投入してエチレングリコール−生石灰混合懸濁液
を調製した。更にこの混合懸濁液の液温を35℃に調整
後、100 %の炭酸ガスを1L/min. の速度で導入し、15
分後に導入を停止して液温を75℃に調整して1時間維持
し、炭酸カルシウムのエチレングリコール懸濁液を得
た。得られた炭酸カルシウム懸濁液をスプレードライヤ
ー等で乾燥し、炭酸カルシウムからなる艶出し剤用研磨
剤粒子E3を得た。得られた粒子E3について電子顕微
鏡観察、X線分析を行った結果、球状で殆どカルサイト
の炭酸カルシウムであることを確認した。この粒子の物
性を表3に示す。
【0045】比較例4 特開平7−196316号公報に記載の方法に従い、炭
酸カルシウム粒子を作成した。即ち、1.4 mol/Lの炭酸
ナトリウム溶液100 L、0.5 mol/Lの塩化カルシウム溶
液100 L、0.03mol/Lの水酸化ナトリウム溶液100 Lを
調整し、炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナトリウム溶液を
混合しその混合液と、塩化カルシウム溶液を各々21.0℃
に調整した。攪拌下の炭酸ナトリウム溶液と水酸化ナト
リウム溶液の混合液200 Lに、塩化カルシウム溶液100
Lを200 秒かけて滴下し、滴下終了180秒後、反応によ
って理論的に生成する炭酸カルシウムの0.4wt %相当量
のヘキサメタ燐酸ナトリウムを添加し、更に5分間攪拌
した。得られた炭酸カルシウムの3wt%の水懸濁液のア
ンモニウムイオンとアルカリ金属イオンの総和が8pp
m、電導度が30μS/cm になるまで、該懸濁液を遠心
脱水機を用いて脱水、希釈を繰り返して洗浄し、炭酸カ
ルシウムの水懸濁液を得た。得られた炭酸カルシウムか
らなる艶出し剤用研磨剤粒子E4の水懸濁液を乾燥し、
この乾粉を電子顕微鏡観察、X線分析を行った処、立方
体状で殆どカルサイトの炭酸カルシウムであることを確
認した。なお、粒子E4の水懸濁液を、スプレードライ
ヤー等を用いて乾燥させて乾粉とし、それを再び水に懸
濁させても粒度特性は元の懸濁液のそれと変化なく、ま
た、粒子E4の水懸濁液にエチレングリコールを添加
し、エバポレーター等を用いて水をフラッシングさせて
エチレングリコール懸濁液としても、粒度特性は元の水
懸濁液のそれと変化がなかった。この粒子の物性を表3
に示す。
【0046】比較例5 実施例4で得られた炭酸カルシウム−メタノール−水混
合懸濁液(A)1kgを攪拌しつつ、前述の20wt%生石灰
−メタノール懸濁液8kgを12分間で滴下する以外は、実
施例12と同様の方法で炭酸カルシウムの乾粉からなる
艶出し剤用研磨剤粒子E5を得た。得られた粒子E5に
ついて電子顕微鏡観察、X線分析を行った結果、球状で
バテライト型炭酸カルシウムであることを確認した。こ
の粒子の物性を表3に示す。
【0047】比較例8 米国セライト社製セライト500 (商品名)を艶出し剤用
研磨剤粒子E8とし、その物性を表3に示す。
【0048】実施例16〜30 比較例9〜17 実施例1〜15および比較例1〜8で得られた艶出し剤
用研磨剤粒子P1〜P15およびE1〜E8を用い、以
下の配合成分及び調製方法により艶出し剤組成物W1〜
15、Z1〜8及び研磨剤無添加の艶出し剤組成物Z9
を作成した。
【0049】 (配合成分) ワックス成分 :カルナバワックス(1号) 4重量部 シリコーン化合物:ジメチルシリコーン 6重量部 石油系溶剤 :ドライソルベント(日石三菱製商品名) 16重量部 界面活性剤 :ノニポール60(ポリオキシエチレンノニルフェニルエー テル [ノニオン系] 三洋化成製商品名) 4重量部 水 : 60重量部 研磨剤粒子 :P1〜15,E1〜8 10重量部
【0050】(調製方法)上記のワックス成分、シリコ
ーン化合物、石油系溶剤及び界面活性剤を攪拌機付きフ
ラスコ中で80℃で加熱混合させ溶解した後、80℃に保ち
ながら上記量の水を45分間かけて添加した。その後、攪
拌しつつ研磨剤粒子を添加し、120 分で室温まで冷却
し、水性艶出し剤組成物を作成した。得られた水性艶出
し剤組成物の物性を下記の方法により試験した。結果を
表3に示す。
【0051】(試験方法) [光沢増加度]JIS K-2236 [自動車用艶出しワックス] に
従い、アミノアルキッド樹脂エナメルで塗装した鋼板の
表面を、60°鏡面光沢度が60°±5°に調整したものを
試験片として用い、該JIS K-2236が定める方法でW1〜
15,Z1〜9の水性艶出し剤組成物を塗布して磨き出
しを行い、光沢増加度を測定した。
【0052】[汚れの除去性と傷付き性]アミノアルキッ
ド白色塗装板(200mm×300mm)を3ヶ月間屋外に暴露し、
汚れ、水垢を付けてテストピースを作成し、このテスト
ピースにW1〜15,Z1〜9の水性艶出し剤組成物を
塗布して磨き出しを行い、以下の基準で評価した。 汚れ、水垢除去性: A :テストピースの汚れ・水垢が完全に除去され、目
視で確認不可能である。 A1:テストピースの汚れ・水垢がほぼ完全に除去さ
れ、目視で殆ど確認不可能である。 B :テストピースの汚れ・水垢の除去効果が認められ
る。 B1:テストピースの汚れ・水垢の除去効果が一応認め
られる。 C :テストピースの汚れ・水垢の除去効果が僅かに確
認できる。 D :テストピースの汚れ・水垢の除去効果が研磨剤無
添加の艶出し剤と同等である。
【0053】傷付き性: A :テストピースの傷が目視で確認不可能である。 A1:テストピースの傷が光線の角度により認められる
場合がある。 B :テストピースを注視することにより、僅かな傷が
1ヶ所だけ確認できる。 B1:テストピースを注視することにより、僅かな傷が
2〜3ヶ所だけ確認できる。 C :テストピースの至る所で僅かな傷が確認できる。 D :テストピースの至る所に明らかな傷が確認でき
る。
【0054】[拭き取り性]水性艶出し剤組成物を布で拭
き取り、その時の抵抗感の大小で判断した。
【0055】[白粉]水性艶出し剤組成物を布で拭き取
り、その時の白粉発生の有無を判断した。
【0056】以上の5つの観点から、以下の4ランクの
判定基準により研磨剤としての性能を総合評価した。結
果を表3に示す。 A:艶出し剤として好ましい。 B:艶出し剤として比較的好ましい。 C:艶出し剤として好ましくない。 D:艶出し剤として不適当である。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】
【表3】つづき1
【0061】
【表3】つづき2
【0062】
【発明の効果】本発明によれば、塗装面に傷を付けるこ
とが少ないので金属、プラスチック等の材質を問わずに
それらの塗装面に適用でき、また拭き取り時の抵抗感も
小さいので艶出し作業性が良好である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の式(a),(b),(c)及び
    (d)を満足するとともに、モース硬度が2〜6である
    粒子からなることを特徴とする艶出し剤用研磨剤。 (a)0.5≦dx≦7(μm) (b)1≦α≦5 但し α=d50/dx (c)0≦β≦5 但し β=(d90−d10)/d50 (d)X1≦10 但し、 dx:電子顕微鏡写真により測定した粒子の平均粒子径
    (μm)。 α :分散係数 d50:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
    より測定した粒子の50%平均粒子径(μm)。 β :シャープネス。 d90:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
    より測定した粒子の篩通過側累計90%粒子径(μm)。 d10:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
    より測定した粒子の篩通過側累計10%粒子径(μm)。 X1:マイクロトラックFRAレーザー式粒度分布計に
    より測定した粒度分布において、d50を2.5 倍した粒子
    径の重量累計%
  2. 【請求項2】 粒子がリン酸カルシウム、炭酸カルシウ
    ム、硫酸バリウムの少なくとも1種である請求項1記載
    の艶出し剤用研磨剤。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の艶出し剤用研磨剤
    を配合してなることを特徴とする艶出し剤組成物。
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