JP2001226153A - 合わせガラス用中間膜並びに合わせガラス及びその製造方法 - Google Patents

合わせガラス用中間膜並びに合わせガラス及びその製造方法

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JP2001226153A
JP2001226153A JP2000312149A JP2000312149A JP2001226153A JP 2001226153 A JP2001226153 A JP 2001226153A JP 2000312149 A JP2000312149 A JP 2000312149A JP 2000312149 A JP2000312149 A JP 2000312149A JP 2001226153 A JP2001226153 A JP 2001226153A
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sandwich glass
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glass
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JP2000312149A
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English (en)
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Minoru Nakajima
稔 中嶋
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合わせガラス製造時にオートクレーブを必要
とすることなく、例えば真空バックによる減圧もしくは
真空脱気法のみで合わせ加工を行うことが可能であり、
且つ、優れた透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の合
わせガラスとして必要な諸性能を発現し得る合わせガラ
ス用中間膜、この合わせガラス用中間膜を用いた合わせ
ガラスの製造方法、及び、この合わせガラスの製造方法
により得られた合わせガラスを提供する。 【解決手段】 合わせガラス用中間膜として、含水率が
0.3重量%以下の熱可塑性樹脂シートからなる合わせ
ガラス用中間膜を使用し、減圧もしくは真空脱気法によ
り合わせ加工を行うことにより、合わせガラスを得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合わせガラス用中
間膜、合わせガラス及び合わせガラスの製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス板の間に可塑化ポリビニルブチラ
ール樹脂等の熱可塑性樹脂シートからなる合わせガラス
用中間膜を挟み、互いに接着させて得られる合わせガラ
スは、自動車、航空機、建築物等の窓ガラスとして広く
使用されている。
【0003】この種の合わせガラスは、通常、少なくと
も2枚のガラス板の間に合わせガラス用中間膜を挟み、
これをニップロール(押圧ロール)に通して扱くか(扱
き脱気法)或いはゴムバックに入れて減圧吸引し、ガラ
ス板と合わせガラス用中間膜との間に残留する空気を脱
気しながら予備圧着し、次いで、オートクレーブ内で加
熱加圧して本圧着を行うことにより製造される。
【0004】上記合わせガラス用中間膜には、優れた透
明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラスとし
て必要な諸性能を発現し得ることが要求されるので、熱
可塑性樹脂のなかでもこれらの諸性能のバランスに優れ
るポリビニルブチラール樹脂フィルムが特に好適に用い
られている。
【0005】しかし、ポリビニルブチラール樹脂フィル
ムは、合わせガラス製造時の本圧着をオートクレーブ内
で行う必要があり、オートクレーブを設置するために多
額の設備投資を要するという問題点があった。
【0006】また、合わせガラス製造時の予備圧着工程
において合わせガラスの中央部近傍に存在する空気まで
十分に脱気させるために、通常、合わせガラス用中間膜
の両面には微細な凹凸からなる多数のエンボスが形成さ
れている。このような両面に多数のエンボスが形成され
た合わせガラス用中間膜の具体例としては、例えば、特
公平1−32776号公報に開示された熱可塑性樹脂製
中間膜が挙げられる。
【0007】しかしながら、上記開示にある合わせガラ
ス用中間膜の場合も合わせガラス製造時の本圧着はオー
トクレーブ内で行うと記載されており、オートクレーブ
設置に伴う前記問題点が解消されるものではない。
【0008】これに対して、特開平8−104551号
公報には、真空プレス時の真空レベルと温度を細かく設
定して、オートクレーブの使用をなくする方法が開示さ
れているが、予備圧着工程が煩雑であったり、合わせ加
工メーカーが通常で管理する調湿条件で合わせ加工を行
うと、ベーク発泡が起こるという問題点があった。さら
に、予備圧着工程が発生したガラス周辺の歪みが残存す
ることにより、合わせガラスに光学歪みが発生するとい
う問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点に鑑み、合わせガラス製造時にオートクレーブを
必要とすることなく、例えば真空バックによる減圧もし
くは真空脱気法のみで合わせ加工を行うことが可能であ
り、且つ、優れた透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等
の合わせガラスとして必要な諸性能を発現し得る合わせ
ガラスを得るに適する合わせガラス用中間膜、この合わ
せガラス用中間膜を用いた合わせガラスの製造方法、及
び、この合わせガラスの製造方法により製造された合わ
せガラスを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の合わせ
ガラス用中間膜は、熱可塑性樹脂シートからなり、含水
率が0.3重量%以下であることを特徴とする。
【0011】請求項2に記載の合わせガラスの製造方法
は、請求項1に記載の合わせガラス用中間膜を用いて、
減圧もしくは真空脱気法により合わせ加工を行うことを
特徴とする。
【0012】請求項3に記載の合わせガラスの製造方法
は、熱可塑性樹脂シートからなる合わせガラス用中間膜
の含水率を0.3重量%以下として、減圧もしくは真空
脱気法により合わせ加工を行うことを特徴とする。
【0013】請求項4に記載の合わせガラスの製造方法
は、減圧もしくは真空脱気法により合わせ加工を行った
後、合わせ加工時における最高温度の90%以上の温度
でアニール処理することを特徴とする。
【0014】請求項5に記載の合わせガラスは、請求項
1に記載の合わせガラス用中間膜が用いられてなること
を特徴とする。
【0015】請求項6に記載の合わせガラスは、請求項
2〜4に記載の合わせガラスの製造方法により製造され
てなることを特徴とする。
【0016】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
合わせガラス用中間膜(以下、単に「中間膜」と略記す
る)には、熱可塑性樹脂シートが用いられる。熱可塑性
樹脂シートとしては、例えば、可塑化ポリビニルアセタ
ール系樹脂シート、ポリウレタン系樹脂シート、エチレ
ン−酢酸ビニル系樹脂シート、エチレン−エチルアクリ
レート系樹脂シート、可塑化塩化ビニル系樹脂シート等
の従来から中間膜として用いられているものが挙げられ
る。これらの熱可塑性樹脂シートは、優れた透明性、接
着性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラスとして必要な
諸性能を発現し得るので好適に用いられるが、なかでも
可塑化ポリビニルブチラール樹脂シートに代表される可
塑化ポリビニルアセタール系樹脂シートが、これら諸性
能のバランスに優れるので特に好適に用いられる。
【0017】上記可塑化ポリビニルアセタール系樹脂シ
ートは、ポリビニルブチラール樹脂に代表されるポリビ
ニルアセタール樹脂に、例えば、トリエチレングリコー
ル−ジ−2−エチルブチレート(3GH)、トリエチレ
ングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエート(3G
O)、トリエチレングリコール−ジ−n−ヘプタノエー
ト(3G7)等の可塑剤を添加してなる可塑化ポリビニ
ルアセタール樹脂組成物を常法により製膜して得られ
る。
【0018】一般的に、可塑化ポリビニルブチラール樹
脂シートに代表される可塑化ポリビニルアセタール系樹
脂シートからなる中間膜を使用して、減圧もしくは真空
脱気法により合わせガラスの圧着を行う場合、100℃
以上の温度では中間膜が十分に軟化し、後述のエンボス
も潰れて一見透明な状態になる。しかし、100℃以上
の温度を中間膜に付与すると、中間膜中に含まれる水分
が蒸発して中間膜中に発泡として出現しがちであり、上
記発泡現象の発生は減圧もしくは真空脱気法による圧着
のみでは十分に抑制することが出来ないので、上記圧着
(予備圧着)の後に従来から行われていたようなオート
クレーブによる本圧着を行うことが必要であった。
【0019】しかし、本発明では中間膜の含水率を0.
3重量%以下とすることにより、圧着を100℃以上の
温度で行っても、発泡現象の発生を十分に抑制すること
が可能となり、オートクレーブによる本圧着を必要とす
ることなく、圧着のみで予備圧着と本圧着の両方の機能
を兼備させることが出来る。
【0020】尚、ここでいう含水率とは、以下の方法で
測定される値である。 〔含水率の測定方法〕図1は、中間膜のλ=1500〜
2000nmにおける吸光度曲線を示す。図1中、Aは
水の最大ピーク(λ=1925nm)を表し、Bはメチ
レン基の最大ピーク(λ=1705nm)を表す。近赤
外分光光度計を用いて、図1に示すような中間膜の吸光
度曲線を求め、A/Bを算出して、下記表1の近似式よ
り含水率Y(重量%)を求めた。
【0021】
【表1】
【0022】本発明の中間膜における含水率は、合わせ
加工時点即ち使用時点において0.3重量%以下であれ
ば良い。従って、製造直後から0.3重量%以下の含水
率を有する中間膜であっても勿論良いし、製造直後の含
水率は0.3重量%を超える中間膜であっても、使用前
に適当な条件下で調湿もしくは減圧乾燥することによ
り、使用時点での含水率を0.3重量%以下とした中間
膜であっても良い。
【0023】上記調湿の方法は、特に限定されるもので
はないが、例えば、温度20〜25℃、湿度25〜30
%RHの雰囲気下に中間膜を必要な時間(一般的には2
時間以上)放置して調湿し、その含水率を0.3重量%
以下としても良いし、或いは、さらに必要なら上記調湿
後、例えば真空乾燥機を用いて、温度20〜25℃で中
間膜を必要な時間(一般的には1時間以上)減圧乾燥し
て、その含水率を0.3重量%以下としても良い。
【0024】本発明の合わせガラスの製造方法は、従来
行われている通常の合わせ加工による合わせガラスの製
造方法の場合と異なり、本発明の中間膜を用いて減圧も
しくは真空脱気法による圧着のみで合わせ加工を行うこ
とが可能である。
【0025】即ち、通常の合わせ加工による合わせガラ
スの製造方法の場合、少なくとも一対のガラス間に中間
膜を挟み、減圧もしくは真空脱気法または扱き脱気法に
より先ず予備圧着を行って脱気及び仮接着をした後、こ
の仮接着体をオートクレーブ内に入れ、本圧着を行って
本接着させ合わせガラスとする工程が採られるが、本発
明の合わせガラスの製造方法の場合、少なくとも一対の
ガラス間に前記本発明の中間膜を挟み、減圧もしくは真
空脱気法のみにより、脱気、仮接着及び本接着を一貫し
て連続的に行い合わせガラスとする工程を採ることが出
来る。
【0026】従って、本発明の合わせガラスの製造方法
は、多額の設備投資を要するオートクレーブが不要であ
り、且つ、製造工程も一段法の簡便なものであって、生
産性に優れる。
【0027】上記減圧もしくは真空脱気法のみにより合
わせ加工を行って合わせガラスを製造する具体的手順と
しては、例えば二枚の透明な無機ガラス板の間に、本発
明の中間膜を挟み、この合わせガラス構成体(積層体)
を、例えばゴムバックのような真空バックに入れ、この
真空バックを排気系に接続して約−40〜−75kPa
の減圧度(絶対圧力36〜1kPa)となるように吸引
減圧しながら温度を上げ、温度約120℃以上で脱気、
仮接着(予備圧着)及び本接着(本圧着)を一貫して連
続的に行うことにより、本発明の合わせガラスを得るこ
とが出来る。
【0028】本発明の熱可塑性樹脂シートからなる中間
膜の膜厚は、合わせガラスとして必要な耐貫通性等を考
慮して設定されれば良く、特に限定されるものではない
が、従来の中間膜と同様に、0.2〜2mm程度である
ことが好ましい。
【0029】また、上記中間膜は、その両面に微細な凹
凸からなる多数のエンボスが形成されていることが好ま
しい。中間膜の両面に微細な凹凸からなる多数のエンボ
スを形成することにより、合わせガラス製造時の圧着工
程において、合わせガラスの中央部近傍に存在する空気
まで十分に脱気されるので、得られる合わせガラスは気
泡の発生による不良品のない高品質のものとなる。さら
に、エンボスの形成によって脱気が十分に行われるの
で、圧着時の初期温度を大幅に高めることができる。
【0030】中間膜の両面に微細な凹凸からなる多数の
エンボスを形成する方法としては、例えば、エンボスロ
ール法、カレンダーロール法、異形押出法等が挙げられ
るが、なかでも定量的に一定の微細な凹凸からなる多数
のエンボスを形成することのできるエンボスロール法が
好適に採用される。
【0031】上記エンボスの模様(凹凸模様)は、特に
限定されるものではなく、例えば、刻線状、格子状、放
射状、半球状等のいずれの模様であっても良い。また、
エンボスの配置(分布)も、特に限定されるものではな
く、整然と規則的に配置(分布)していても良いし、雑
然と不規則的に配置(分布)していても良いが、一般的
には、エンボス(凹凸)が規則的に配置(分布)してい
る方が好ましい。
【0032】エンボス凸部の高さは、同一の高さであっ
ても良いし、異なる高さであっても良く、これらの凸部
に対応するエンボス凹部の深さも、同一の深さであって
も良いし、異なる深さであっても良い。
【0033】また、エンボス凸部の形状とエンボス凹部
の形状も、特に限定されるものではなく、三角錐、四角
錐、円錐等の錐体、截頭三角錐、截頭四角錐、截頭円錐
等の截頭錐体や、頭部が山型や半球状となった擬錐体等
からなる多数の凸部と、これ等の凸部に対応する多数の
凹部とから構成されるエンボス形状(凹凸形状)であっ
ても良い。
【0034】エンボス凸部とエンボス凹部の寸法は、特
に限定されるものではないが、一般的には、凸部の配置
間隔(ピッチ)は10〜2000μmの範囲であること
が好ましく、より好ましくは50〜1000μmの範囲
である。また、凸部の高さは概ね5〜500μmの範囲
であることが好ましく、より好ましくは20〜100μ
mの範囲である。さらに、凸部の底辺の長さは概ね30
〜1000μmの範囲であることが好ましい。
【0035】上記圧着は中間膜が十分に流動する温度で
行われるため、合わせガラスの周辺は、中央部に較べて
流動歪みが大きくなることにより、光学歪みが大きくな
る。本発明の合わせガラスの製造方法では、圧着で合わ
せ加工を行った中間膜にアニール処理を施すことによっ
て、光学歪みを除去することが好ましい。本アニール処
理は、予備圧着を終了した後で減圧度を開放して一連の
圧着工程で行ってもよいし、別工程で予備圧着を終了し
た合わせガラスを再加熱して行ってもよい。本アニール
処理温度は、合わせ加工時における最高温度の90%以
上の温度に設定することによって、光学歪みを除去する
ことが好ましい。
【0036】尚、本発明で用いられるガラス板として
は、無機ガラス板のみならず、ポリカーボネート板、ポ
リメチルメタクリレート板等の有機ガラス板を使用して
も良いし、無機ガラス板と有機ガラス板とを併用しても
良い。また、合わせガラスの構成は、ガラス板/中間膜
/ガラス板からなる通常の三層構成のみならず、例え
ば、ガラス板/中間膜/ガラス板/中間膜/ガラス板か
らなるような多層構成であっても良い。
【0037】
【作用】本発明の中間膜は、合わせ加工時点即ち使用時
点において、その含水率が0.3重量%以下とされてい
るので、減圧もしくは真空脱気法により100℃以上の
温度で圧着を行っても、中間膜中に含まれる水分の蒸発
による発泡現象の発生を十分に抑制することが可能であ
り、多額の設備投資を要するオートクレーブを必要とす
ることなく、上記減圧もしくは真空脱気法のみにより合
わせ加工を行うことが出来る。
【0038】また、本発明の合わせガラスの製造方法
は、上記中間膜を用いることにより、オートクレーブを
必要とすることなく減圧もしくは真空脱気法のみで合わ
せ加工を行うことが可能であるので、多額の設備投資を
要さないと共に、一段法の簡便なものであり、生産性に
優れる。
【0039】さらに、本発明の合わせガラスの製造方法
では、合わせ加工時における最高温度の90%以上の温
度でアニール処理を施すことにより、光学歪みを除去す
ることができる。
【0040】さらに、本発明の中間膜を用いて上記製造
方法により製造された本発明の合わせガラスは、発泡現
象の発生による品質不良を来さず、且つ、優れた透明
性、接着性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラスとして
必要な諸性能を兼備する。
【0041】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例のみ
に限定されるものではない。尚、実施例中の「部」は
「重量部」を意味する。
【0042】(実施例1)ポリビニルブチラール樹脂
(平均重合度1700、残存アセチル基1モル%、ブチ
ラール化度69モル%)100部に対し、可塑剤として
トリエチレングリコール−ジ−2−エチルヘキサノエー
ト(3GO)41部を添加混合し、この混合物を押出機
により溶融混練し押出金型よりシート状に押出して、厚
さ0.76mmのポリビニルブチラール樹脂シート(P
VBシート)を得た。次に、一対のエンボスロールを用
いて、このPVBシートの両面に微細な山形の凹凸から
なる多数のエンボスを付与し、両面にエンボス模様が形
成された中間膜を製造した。得られた中間膜を温度20
〜25℃、湿度25〜30%RHの雰囲気下に2時間放
置して調湿した後、前記測定方法により含水率を測定し
たところ、含水率は0.29重量%であった。
【0043】次いで、二枚の透明な無機ガラス板の間に
上記で得られた中間膜を挟み、この合わせガラス構成体
(積層体)をゴムバック(真空バック)に入れ、減圧度
−60kPa(絶対圧力16kPa)、温度130℃の
条件で脱気、仮接着および本接着を行って、合わせガラ
スを製造した。
【0044】(実施例2)ポリビニルブチラール樹脂
(平均重合度1700、残存アセチル基1モル%、ブチ
ラール化度70モル%)100部に対し、可塑剤として
3GOを40部添加混合し、この混合物を押出機により
溶融混練し押出金型よりシート状に押出して、厚さ0.
76mmのPVBシートを得た。次に、一対のエンボス
ロールを用いて、このPVBシートの両面に微細な山形
の凹凸からなる多数のエンボスを付与し、両面にエンボ
ス模様が形成された中間膜を製造した。得られた中間膜
を実施例1と同様の方法で含水率を測定したところ、含
水率は0.26重量%であった。
【0045】次いで、二枚の透明な無機ガラス板の間に
上記で得られた中間膜を挟み、この合わせガラス構成体
(積層体)をゴムバック(真空バック)に入れ、減圧度
−60kPa(絶対圧力16kPa)、温度120℃の
条件で脱気、仮接着および本接着を行って、合わせガラ
スを製造した。
【0046】(実施例3)中間膜として「DXN膜」
(積水化学工業社製)を用意した。この「DXN膜」を
温度20〜25℃、湿度25〜30%RHの雰囲気下に
2時間放置して調湿した後、前記測定方法により含水率
を測定したところ、含水率は0.45重量%であった。
次いで、真空乾燥機を用いて、この「DXN膜」を温度
25℃で1時間減圧乾燥した後、実施例1と同様の方法
により含水率を測定したところ、含水率は0.28重量
%であった。
【0047】次いで、二枚の透明な無機ガラス板の間に
上記「DXN膜」を挟み、この合わせガラス構成体(積
層体)をゴムバック(真空バック)に入れ、減圧度−6
0kPa(絶対圧力16kPa)、温度130℃の条件
で脱気、仮接着および本接着を行って、合わせガラスを
製造した。
【0048】実施例1〜3で得られた合わせガラスの外
観を目視で観察したところ、中間膜中に含まれる水分の
蒸発による発泡現象の発生もなく、いずれも優れた透明
性を有していた。また、接着性、耐貫通性、耐候性を評
価したところ、いずれも十分に実用的な性能を発現し
た。
【0049】(比較例1)中間膜として「DXN膜」を
用意した。この「DXN膜」を温度20〜25℃、湿度
25〜30%RHの雰囲気下に2時間放置して調湿した
後、実施例1と同様の測定方法により含水率を測定した
ところ、含水率は0.45重量%であった。次いで、こ
の「DXN膜」の真空乾燥機による減圧乾燥を行わなか
ったこと以外は実施例3の場合と同様にして合わせガラ
スの製造を行ったが、「DXN膜」中に含まれる水分の
蒸発による発泡現象が発生し、透明な合わせガラスを得
ることが出来なかった。
【0050】(実施例4)ポリビニルブチラール樹脂
(平均重合度1700、残存アセチル基1モル%、ブチ
ラール化度69モル%)100部に対し、可塑剤として
3GOを41部添加混合し、この混合物を押出機により
溶融混練し押出金型よりシート状に押出して、厚さ0.
76mmのPVBシートを得た。このPVBシートの含
水率を、実施例1と同様の測定方法により測定したとこ
ろ、0.29重量%であった。次に、ロール表面に刻線
状の凹凸が形成された一対のエンボスロールを用いて、
このPVBシートの両面に溝状の凹凸形状がある中間膜
を製造した。上記中間膜を使用して、真空圧着装置のゴ
ムバック初期温度を50℃、減圧度−60kPa(絶対
圧力16kPa)として減圧を開始し、ゴムバック温度
130℃、減圧度−60kPa(絶対圧力16kPa)
で圧着を行った後、引き続いて、ゴムバック温度120
℃、減圧度−1kPa(絶対圧力75kPa)で5分間
アニール処理を行い、合わせガラスを得た。
【0051】(実施例5)実施例4と同様のPVBシー
トを使用して、真空圧着装置のゴムバック初期温度を5
0℃、減圧度−60kPa(絶対圧力16kPa)とし
て減圧を開始し、ゴムバック初期温度120℃、減圧度
−60kPa(絶対圧力16kPa)で圧着を行った
後、引き続いて、ゴムバック温度130℃、減圧度−1
kPa(絶対圧力75kPa)で5分間アニール処理を
行い、合わせガラスを得た。
【0052】(実施例6)実施例4と同様の両面に溝状
の凹凸形状がある中間膜を使用して、真空圧着装置のゴ
ムバック初期温度を50℃として、減圧度−60kPa
(絶対圧力16kPa)で減圧を開始し、引き続いて、
減圧度−60kPa(絶対圧力16kPa)、130℃
で圧着を行い、アニール処理を行わずに合わせガラスを
得た。
【0053】実施例4,5で得られた合わせガラスの外
観を目視で観察したところ、中間膜中に含まれる水分の
蒸発による発泡現象の発生もなく、いずれも優れた透明
性を有し、また光学歪みも認められなかった。さらに、
接着性、耐貫通性、耐候性を評価したところ、いずれも
十分に実用的な性能を発現した。実施例6で得られた合
わせガラスの外観を目視で観察したところ、中間膜中に
含まれる水分の蒸発による発泡もなく透明性は良好であ
った。光学歪みは若干認められたが、実用上支障のない
ものであった。
【0054】(比較例2)比較例1と同様の「DXN
膜」を使用して、真空圧着装置のゴムバック初期温度を
50℃として、減圧度−60kPa(絶対圧力16kP
a)で減圧を開始し、減圧度−60kPa(絶対圧力1
6kPa)、130℃で圧着を行い、アニール処理を行
わずに合わせガラスを得た。得られた合わせガラスの外
観を目視で観察したところ、中間膜中に含まれる水分の
蒸発による発泡のため透明性が悪く、光学歪みも認めら
れた。
【0055】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による合わせ
ガラス用中間膜は、合わせ加工時点即ち使用時点におい
て含水率が0.3重量%以下とされているので、多額の
設備投資を要するオートクレーブを必要とすることな
く、減圧もしくは真空脱気法のみで合わせ加工を行うこ
とが可能であり、且つ、優れた透明性、接着性、耐貫通
性、耐候性等の合わせガラスとして必要な諸性能を発現
し得る合わせガラスを提供できる。
【0056】また、本発明の合わせガラスの製造方法
は、上記合わせガラス用中間膜を用いるので、オートク
レーブを必要とすることなく、減圧もしくは真空脱気法
のみで合わせ加工を行うことが出来る。従って、多額の
設備投資が不要であると共に、一段法の簡便な製造方法
であり、生産性に優れる。
【0057】また、本発明の合わせガラスの製造方法で
は、合わせガラス加工時に減圧または真空合わせガラス
加工時における最高温度の90%以上の温度でアニール
処理することにより、光学歪みのない合わせガラスを提
供できる。
【0058】さらに、本発明の合わせガラスは、優れた
透明性、接着性、耐貫通性、耐候性等の合わせガラスと
して必要な諸性能を兼備する高品質のものであり、自動
車、車輌、航空機、建築物等の窓ガラスとして好適に用
いられる。
【0059】
【図面の簡単な説明】
【図1】中間膜のλ=1500〜2000nmにおける
吸光度曲線である。
【符号の説明】
A 水の最大ピーク(λ=1925nm) B メチレン基の最大ピーク(λ=1705nm)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C08L 29:14 C08L 29:14 Fターム(参考) 4F071 AA30 AC10 AF10 AH03 AH07 AH19 BB06 BC01 4F100 AG00A AG00C AK01B AK23B CA04B EH231 EJ242 EJ391 EJ413 EJ861 GB08 GB31 GB32 JA20B JB16B JK06 JL09 JN01 4G061 AA04 BA01 BA02 CB16 CB19 CD02 CD03 CD12 CD18 DA30 DA51

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂シートからなり、含水率が
    0.3重量%以下であることを特徴とする合わせガラス
    用中間膜。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の合わせガラス用中間膜
    を用いて、減圧もしくは真空脱気法により合わせ加工を
    行うことを特徴とする合わせガラスの製造方法。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂シートからなる合わせガラ
    ス用中間膜の含水率を0.3重量%以下として、減圧も
    しくは真空脱気法により合わせ加工を行うことを特徴と
    する合わせガラスの製造方法。
  4. 【請求項4】 減圧もしくは真空脱気法により合わせ加
    工を行った後、合わせ加工時における最高温度の90%
    以上の温度でアニール処理することを特徴とする請求項
    2又は3記載の合わせガラスの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の合わせガラス用中間膜
    が用いられてなることを特徴とする合わせガラス。
  6. 【請求項6】 請求項2〜4のいずれか1項に記載の合
    わせガラスの製造方法により製造されてなることを特徴
    とする合わせガラス。
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