JP2001225560A - 記録用シート及びその製造方法 - Google Patents

記録用シート及びその製造方法

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JP2001225560A
JP2001225560A JP2000041167A JP2000041167A JP2001225560A JP 2001225560 A JP2001225560 A JP 2001225560A JP 2000041167 A JP2000041167 A JP 2000041167A JP 2000041167 A JP2000041167 A JP 2000041167A JP 2001225560 A JP2001225560 A JP 2001225560A
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Japan
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polymer
dye
meth
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recording
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JP2000041167A
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English (en)
Inventor
Kazuya Kataoka
一也 片岡
Masaya Omura
雅也 大村
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料を気化又は昇華させることにより画像を
形成する記録方式において、染料の吸収性に優れ、滲み
が少ない記録画像を形成する。 【解決手段】 基材の少なくとも一方の面に、染料受容
層を積層して記録用シートを得る。染料受容層は、染着
性樹脂層(ポリエステル系重合体、ポリウレタン系重合
体、ビニル系重合体、ポリアミド系重合体、エポキシ系
重合体、セルロース誘導体等)と、これに積層した多孔
質層(セルロース誘導体、ビニル系重合体、ポリスルホ
ン系重合体等)とを含む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は記録用シート及びそ
の製造方法に関する。さらに詳しくは、溶媒と昇華性染
料とを気化又は昇華させて記録するための記録用シート
及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ビデオカメラ、テレビ、コンピュータグ
ラフィックス等の画像のカラー化に伴い、ハードコピー
の形で画像を再生する目的から、種々のカラープリンタ
ーが研究されている。中でも、昇華性の染料などの熱拡
散性染料を用いた昇華型熱転写記録方式は、解像度及び
鮮明性が高い方式であり、この方式においては、画像情
報を電気信号に変換して送り、サーマルヘッドから昇華
性染料を熱拡散して、サーマルヘッドと接触した記録用
シートに転写している。
【0003】しかし、この昇華型熱転写方式では、使用
される熱転写記録媒体(インクリボンなど)が使い捨て
方式であるため、ランニングコストが高いことに加え、
多量の廃棄物が生じる。また、通常、熱転写記録媒体で
は基材上に染料層が積層されており、基材側からサーマ
ルヘッドにより加熱を行うため、熱エネルギーを効率よ
く使用できない。さらに、サーマルヘッドを被記録材
に、高い圧力で押し付ける必要があり、それに伴ってプ
リンタ装置自体の構造も強固にする必要が生じること、
及びインクシートなどの記録媒体が大きな体積を占有す
ることから、プリンタ装置の小型軽量化を達成し難い。
【0004】上記問題点を解決するために、特開平6−
183161号公報では、熱転写記録媒体に染料輸送
層、染料凝集層、及び染料供給層を設けた熱転写記録媒
体が開示されている。この記録媒体は、インクシート、
インクリボン等の熱転写記録媒体とは異なり、大きな体
積を占有しない昇華型熱転写記録媒体用の熱転写記録媒
体である。この記録媒体においては、この媒体への染料
の補給を容易にすることにより、媒体を多数回繰り返し
て使用することができ、また、媒体の選択的加熱によ
り、媒体自体の走行が不要となり、さらに加熱手段を装
置内に組み込むことにより、転写装置も小型化されてい
る。
【0005】しかし、インクシートなどの媒体は使用し
ないものの、熱転写媒体は被記録材に接触しているた
め、媒体への逆転写が起こり、染料自体の汚染を招く。
また、接触方式であるため、媒体と被記録材とを接触さ
せ、高い圧力を与えるために、被記録材を裏側から保持
する強固な部材(ローラなど)が必要となる。
【0006】特開平7−164656号公報には、液体
染料収容槽内の液化染料を、気化部下の底板上のビーズ
集合体に供給し、毛細管現象により各ビーズ間隙を上昇
させ、ビーズ集合体の上面付近にレーザー光を集光し、
液化染料を気化させて上方の記録紙に移行し、記録を行
う記録部構造及び記録装置が開示されている。この方法
では、前述のようなインクシートやインクリボン、サー
マルヘッド、ローラ等が不要であるため、装置の小型軽
量化が可能であり、記録紙と記録媒体とが接触していな
いため、フルカラー記録においても異種の染料が混合す
ることがない。しかし、従来の記録用シートを用いる
と、画像に滲みが生じやすい。
【0007】特開平8−1118794号公報には、非
接触方式の染料気化型レーザービームプリンタ(LB
P)を利用した被記録体が開示されている。この被記録
体においては、前記染料気化型LBPを利用して顕色剤
を加熱し、シアン色用のロイコ染料を保持させた被記録
材に移行させて、ロイコ染料を発色させることにより、
記録画像を形成している。しかし、被記録材自体が染料
前駆体を保持しているため、被記録体の品質を高く保つ
ことが困難であるとともに、画像形成後の環境によって
はロイコ染料が発色し、画像の鮮明性を低下させる虞が
ある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、昇華性染料を気化又は昇華させて記録するための記
録用シートであって、鮮明な記録画像を形成できる記録
用シート及びその製造方法を提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、昇華性染料を気化又
は昇華させて記録するための記録用シートであって、染
料吸収性に優れ、かつ染料の滲みが少ない記録用シート
及びその製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するために鋭意検討の結果、基材上に染着性樹脂
層と多孔質層とを形成すると、昇華性染料を気化又は昇
華させて記録する記録方法において、画質や印刷性能を
改善できることを見出し、本発明を完成した。
【0011】すなわち、本発明の記録用シートは、溶媒
と昇華性染料とを気化又は昇華させて記録するためのシ
ートであって、基材とその基材の少なくとも一方の面に
形成された染料受容層とで構成され、かつ染料受容層が
基材上の染着性樹脂層と、この染着性樹脂層の上に形成
された多孔質層とを含む。溶媒は、常温常圧で非揮発性
であってよい。染着性樹脂層を構成する樹脂は、ポリエ
ステル系重合体、ポリウレタン系重合体、ビニル系重合
体、ポリアミド系重合体、エポキシ系重合体、及びセル
ロース誘導体からなる群より選択できる。多孔質層の平
均孔径は0.05〜3μm、空孔率は20〜70%から
選択できる。多孔質層は、乾式相転換によるミクロ相分
離構造を有してよく、多孔質層を構成する樹脂は、セル
ロース誘導体、ビニル系重合体、及びポリスルホン系重
合体からなる群より選択できる。多孔質層の空孔内に染
着性樹脂を含んでよい。
【0012】本発明には、溶媒と昇華性染料とを気化又
は昇華させて記録するためのシートの製造方法であっ
て、基材の少なくとも一方の面に、染着性樹脂層とその
上に形成された多孔質層とを含む染料受容層を設ける記
録用シートの製造方法も含まれる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の記録用シートは、溶媒と
昇華性染料とを気化又は昇華させて記録するためのシー
トであって、基材とその基材の少なくとも一方の面に形
成された染料受容層とで構成され、かつ染料受容層が基
材上の染着性樹脂層と、染着性樹脂層の上に形成された
多孔質層とを含む。
【0014】[染着性樹脂層]染着性樹脂層は、染着性
の高い樹脂であれば特に制限されないが、通常、疎水性
樹脂(非水溶性樹脂)が使用でき、例えば、ポリエステ
ル系重合体、ポリウレタン系重合体、ビニル系重合体、
ポリアミド系重合体、エポキシ系重合体、セルロース誘
導体等で構成できる。これらの重合体は、同種又は異種
で、単独で又は二種以上で組み合わせて使用できる。
【0015】(ポリエステル系重合体)ポリエステル系
重合体は、主鎖にエステル結合を有する高分子であれば
よく、例えば、ジカルボン酸又はその誘導体とジオール
との重縮合、ヒドロキシカルボン酸の重縮合、又は環状
エステルの開環重合により得られる重合体が挙げられ
る。
【0016】ポリエステル系重合体としては、アルキレ
ンテレフタレート(例えば、1,4−シクロヘキサンジ
メチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート、ブ
チレンテレフタレート等)や、アルキレンナフタレート
(例えば、エチレンナフタレート、ブチレンナフタレー
ト等)を主な繰返し単位とするホモポリエステル又はコ
ポリエステル(例えば、イソフタル酸、アジピン酸など
のC6-12脂肪族ジカルボン酸、C2-6アルキレングリコ
ール、ポリオキシアルキレングリコール、ビスフェノー
ルA、シクロヘキサンジメタノール等を共重合成分とす
るコポリエステル)、芳香族ポリエステル(例えば、ビ
スフェノールAなどの芳香族ジオールと、テレフタル
酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸などとのエス
テル化により生成するポリアリレートなど)等が例示で
きる。また、ポリエステル系重合体には液晶性ポリエス
テルやエラストマーも含まれる。
【0017】これらのポリエステル系重合体のうち、ポ
リエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレー
ト等のポリアルキレンテレフタレート、又はこれらのポ
リアルキレンテレフタレートを主たる構成単位(例え
ば、30〜80モル%程度)とするコポリエステルが好
ましい。
【0018】(ポリウレタン系重合体)ポリウレタン系
重合体には、ジイソシアネート成分と、ジオール成分と
の反応により得られる重合体などが含まれる。
【0019】ジイソシアネート成分としては、芳香族ジ
イソシアネート(例えば、フェニレンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−
4,4′−ジイソシアネート等)、芳香脂肪族ジイソシ
アネート(例えば、キシリレンジイソシアネートな
ど)、脂環式ジイソシアネート(例えば、イソホロンジ
イソシアネートなど)、脂肪族ジイソシアネート(例え
ば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、リジン
ジイソシアネート等)等が例示できる。ジイソシアネー
ト成分は、アダクト体であってもよく、必要によりトリ
フェニルメタントリイソシアネートなどのポリイソシア
ネート成分と併用してもよい。ジイソシアネート成分
は、単独で又は二種以上で組み合わせて使用できる。
【0020】ジオール成分としては、例えば、ポリエス
テルジオール、ポリエーテルジオール、ポリカーボネー
トジオール等が例示できる。ジオール成分は、単独で又
は二種以上で組み合わせて使用できる。
【0021】(ビニル系重合体)ビニル系重合体として
は、(メタ)アクリル系重合体[例えば、(メタ)アク
リル酸単量体、(メタ)アクリロニトリル単量体、(メ
タ)アクリル酸エステル単量体、(メタ)アクリルアミ
ド単量体等の(メタ)アクリル系単量体の単独または共
重合体(例えば、ポリメタクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル−(メタ)アクリル酸共重合体、メタクリル酸
メチル−アクリル酸アルキルエステル重合体、ポリアク
リロニトリル、ポリN−メチルアクリルアミド等)、
(メタ)アクリル系単量体と共重合性単量体(ビニルエ
ステル系単量体、芳香族ビニル単量体、重合性不飽和ジ
カルボン酸又はその誘導体などのビニル系単量体)との
共重合体(例えば、(メタ)アクリル酸エステル−スチ
レン共重合体等)]、ビニルエステル系重合体またはそ
の誘導体[例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビ
ニル共重合体、ポリプロピオン酸ビニル、ポリビニルア
ルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ
ビニルアセタール系重合体(ポリビニルホルマール、ポ
リビニルアセタール、ポリビニルブチラール等)]、芳
香族ビニル系重合体[例えば、スチレン系重合体(ポリ
スチレン、ポリ(α−メチルスチレン)等)、芳香族ビ
ニル単量体と共重合性単量体との共重合体(スチレン−
(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル共重合体、
スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイ
ミド共重合体等)]、ビニルトリスアルコキシシランな
どの加水分解性シリル基含有単量体の単独又は共重合
体、ハロゲン含有ビニル重合体[例えば、ハロゲン含有
ビニル単量体の単独または共重合体(ポリビニルクロラ
イドなど)、ハロゲン含有ビニル単量体と共重合性単量
体との共重合体(塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩
化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−
(メタ)アクリル酸共重合体、塩化ビニリデン−(メ
タ)アクリル酸エステル共重合体等)]等が例示でき
る。(メタ)アクリル系重合体には、アクリルゴムも含
まれる。また、これらのビニル系重合体には、その部分
ケン化物又は完全ケン化物も含まれる。
【0022】(ポリアミド系重合体)ポリアミド系重合
体としては、脂肪族ポリアミド(例えば、ナイロン6、
ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイ
ロン11、ナイロン12、ナイロン6/66、ナイロン
6/11等の市販のナイロン類)などが例示できる。
【0023】(エポキシ系重合体)エポキシ系重合体と
しては、グリシジルエーテル型(例えば、ビスフェノー
ルA型、ノボラック型等)、グリシジルエステル型、グ
リシジルアミン型、環状脂肪族型、直鎖脂肪族型、複素
環式エポキシ重合体等が例示できる。エポキシ系重合体
は、分子中に少なくとも一つのエポキシ基を有していれ
ばよいが、通常、少なくとも二つのエポキシ基を有する
化合物が使用される。エポキシ系重合体は、単独で又は
二種以上で組み合わせて使用できる。
【0024】(セルロース誘導体)セルロース誘導体と
しては、セルロースエステル[例えば、セルロースアセ
テート(酢酸セルロース)、セルロースプロピオネー
ト、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート、セルロースアセテートブチレート等の有機
酸エステル;硝酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸
セルロース等の無機酸エステル;硝酸酢酸セルロースな
どの混酸エステル等]、セルロースエーテル[例えば、
メチルセルロース、エチルセルロース、イソプロピルセ
ルロース、ブチルセルロース、ベンジルセルロース、ヒ
ドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、カルボキシエチルセルロース、シアノエチルセルロ
ース等]等が例示できる。
【0025】染着性樹脂層は、架橋又は硬化可能な重合
体で構成してもよい。架橋又は硬化可能な重合体は、重
合体自体が自己架橋可能な重合体(例えば、メチロール
基、アルコキシシリル基含有重合体等)であってもよい
し、架橋剤又は硬化剤を添加することにより重合体に架
橋性を付与した架橋系で構成してもよい。重合体を架橋
又は硬化することにより、画像形成時に画像の滲みを有
効に抑制でき、鮮明な画像形成が可能となる。
【0026】架橋剤又は硬化剤は、前記重合体を架橋可
能である限り、特に制限されず、重合体の種類に応じて
選択できる。例えば、架橋剤又は硬化剤としては、有機
系架橋剤[エポキシ基を有する化合物、尿素樹脂、グア
ナミン樹脂、メラミン樹脂等のアミノ樹脂、イソシアネ
ート基を有する化合物(ポリイソシアネート、ブロック
型ポリイソシアネート等)]等が使用できる。これらの
架橋剤又は硬化剤は、単独で又は二種以上を組合せて使
用できる。
【0027】染着性樹脂層には、硬化反応を促進するた
めに、硬化触媒又は硬化促進剤を添加してもよい。
【0028】架橋剤又は硬化剤の使用量は、例えば、固
形分換算で、染着性樹脂層を構成する重合体100重量
部に対して0.1〜30重量部、好ましくは1〜10重
量部程度である。
【0029】[多孔質層]本発明は、染着性樹脂層と多
孔質層とを組み合わせることにより、染料吸収性を大き
く向上できるとともに、染料の滲みを抑制でき、高品質
画像を形成できる。
【0030】多孔質層の表面および内部での平均孔径は
0.05〜3μm、好ましくは0.1〜3μm、さらに
好ましくは0.3〜2.5μm程度の範囲から選択でき
る。平均孔径が0.05μm未満では、染料吸収性が不
充分な虞があり、平均孔径が3μmを超えると、画像の
鮮明性や塗膜の強度等が低下しやすい。
【0031】染料吸収性は多孔質層の空孔率にも影響さ
れる。多孔質層の空孔率は20〜70%程度、好ましく
は30〜60%程度の範囲から選択できる。空孔率が2
0%未満では、吸収面の表面積が少ないため、膜の染料
に対する吸収能が低く、70%を超えると、多孔質層自
体の強度が低下する虞がある。
【0032】多孔質層は透明、半透明または不透明のい
ずれであってもよい。本発明では、孔径や空孔率を調整
することにより、用途によっては透明性の高い多孔質層
を得ることも可能である。透明性の高い多孔質層は、例
えば、平均孔径が0.1〜0.2μm程度である。この
ような記録用シートは、波長400nmでの光線透過率
が、55%以上(すなわち55〜100%)、好ましく
は60〜100%、さらに好ましくは70〜100%、
特に75〜100%程度であれば、OHP用シートとし
ても有用である。透明性を重視する場合、多孔質層の空
孔率は、例えば、20〜70%、好ましくは20〜60
%(例えば、20〜45%)程度であるのが望ましい。
【0033】多孔質層は、重合体で構成されており、ミ
クロ相分離構造、特に乾式相転換によるミクロ相分離構
造を有してもよい。このミクロ相分離構造は、流延した
重合体溶液の組成変化により相分離したゲル相の凝固に
より形成され、形成される細孔の形状は、通常、不定形
であり、不規則で非円形である。
【0034】多孔質層を構成する樹脂としては、前記特
徴を有する多孔質層を形成できる限り、特に制限され
ず、種々の樹脂(熱可塑性樹脂および熱硬化性樹脂)が
使用でき、通常、熱可塑性樹脂が使用される。熱可塑性
樹脂としては、以下の重合体が例示できる。これらの重
合体は、同種又は異種で、単独で又は二種以上で組み合
わせて使用できる。
【0035】(セルロース誘導体)セルロース誘導体と
しては、セルロースエステル[例えば、セルロースアセ
テート(酢酸セルロース)、セルロースプロピオネー
ト、セルロースブチレート、セルロースアセテートプロ
ピオネート、セルロースアセテートブチレート、セルロ
ースアセテートテレフタレート等の有機酸エステル;硝
酸セルロース、硫酸セルロース、リン酸セルロース等の
無機酸エステル;硝酸酢酸セルロースなどの混酸エステ
ル等]、セルロースエーテル[例えば、メチルセルロー
ス、エチルセルロース、イソプロピルセルロース、ブチ
ルセルロース、ベンジルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキ
シメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース、シ
アノエチルセルロース等]等が例示できる。
【0036】(ビニル系重合体)ビニル系重合体として
は、オレフィン系重合体[例えばオレフィン類の単独ま
たは共重合体(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1
−ブテン、ポリイソブテン、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、ポリアレン、エチレン−プロピレン共重合体
等)、オレフィン類と共重合性単量体との共重合体(エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル共重合体、変性ポリオレフィン等)]、ハロゲン含有
ビニル重合体[例えば、ハロゲン含有ビニル単量体の単
独又は共重合体(ポリビニルクロライド、ポリビニリデ
ンクロライド、ポリビニルブロマイド、ポリビニルフロ
ライド、ポリビニリデンフロライド等)、ハロゲン含有
ビニル単量体と共重合性単量体との共重合体(塩化ビニ
ル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル
共重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリルアミド共
重合体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸共重合
体、塩化ビニリデン−(メタ)アクリル酸エステル共重
合体等)]、ビニルエステル系重合体又はその誘導体
[例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、エ
チレン−ビニルアルコール共重合体、ポリビニルアセタ
ール系重合体(ポリビニルホルマール、ポリビニルアセ
タール、ポリビニルブチラール等)]、芳香族ビニル系
重合体[例えば、芳香族ビニル単量体(スチレン系単量
体)の単独又は共重合体(ポリスチレン、ポリ(α−メ
チルスチレン)、ポリ(4−クロロスチレン)等)、芳
香族ビニル単量体と共重合性単量体との共重合体(スチ
レン−(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエステル共重
合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−
マレイミド共重合体等)]、アリルアルコール系重合体
[例えば、アリルアルコール−C1-6アルキルビニルエ
ーテル共重合体(アリルアルコール−メチルビニルエー
テル共重合体など)]、ポリビニルケトン類[例えば、
ポリビニルメチルケトン、ポリビニルメチルイソブチル
ケトン、ポリメチルイソプロペニルケトン等]、ビニル
エーテル系重合体[例えば、ポリメチルビニルエーテ
ル、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体
等]、(メタ)アクリル系重合体[例えば、(メタ)ア
クリロニトリル、(メタ)アクリル酸エステル単量体等
の(メタ)アクリル系単量体の単独又は共重合体、(メ
タ)アクリル系単量体と共重合性単量体(ビニルエステ
ル系単量体、複素環式ビニル系単量体、芳香族ビニル単
量体、重合性不飽和ジカルボン酸又はその誘導体等のビ
ニル系単量体)との共重合体等]等が例示できる。
【0037】(ポリスルホン系重合体)ポリスルホン系
重合体としては、その分子中に結合基−SO2−を有す
る重合体(例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン等)等が例示できる。
【0038】(ポリオキシド系重合体)ポリオキシド系
重合体としては、ポリアセタール重合体(例えば、ポリ
オキシメチレンやポリオキシメチレンコポリマー等)、
ポリアルキレングリコール(例えば、ポリオキシエチレ
ン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレン−ポリ
オキシプロピレン共重合体等)等が例示できる。
【0039】(ポリアミド及びポリイミド系重合体)ポ
リアミド及びポリイミド系重合体としては、脂肪族ポリ
アミド(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン1
2、ナイロン6/66、ナイロン6/11、ナイロン6
/12等の市販のナイロン類)、ポリエステルアミド、
ポリイミド、ポリアミドイミド等が例示できる。
【0040】(ポリエステル系重合体)ポリエステル系
重合体としては、ポリアルキレンテレフタレート(例え
ば、1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレー
ト、エチレンテレフタレート、ブチレンテレフタレート
を含有するホモまたはコポリエステル等)、ポリアルキ
レンナフタレート(例えば、エチレンナフタレート、ブ
チレンナフタレートを含有するホモまたはコポリエステ
ル)等が例示できる。
【0041】(ポリカーボネート系重合体)ポリカーボ
ネート系重合体としては、2,2−ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン(ビスフェノールA)などのジヒ
ドロキシ化合物とホスゲンまたはジメチルカーボネート
などの炭酸ジエステルとの反応により得られる重合体な
どが例示できる。
【0042】その他、熱可塑性ウレタン系重合体(ジオ
ール成分としてポリエステルジオール、ポリエーテルジ
オール等を用いたポリウレタンなど)、ポリエーテルエ
ーテルケトン、ポリエーテルエステル、ポリフェニレン
エーテル、ポリフェニレンスルフィド、ポリエチレンイ
ミン等も使用できる。
【0043】これらの重合体のうち、多孔質層を構成す
る好ましい重合体には、セルロース誘導体、ビニル系重
合体、及びポリスルホン系重合体からなる群より選択さ
れた少なくとも1種の樹脂が含まれる。
【0044】好ましいセルロース誘導体には、セルロー
スエステル、特にセルロース有機酸エステル(例えば、
炭素数2〜4の程度の有機酸とのエステル)が含まれ、
通常、セルロースアセテート(セルロースジアセテート
やセルローストリアセテート)が使用される。
【0045】セルロース誘導体の粘度平均重合度は、例
えば、50〜800、好ましくは75〜500、さらに
好ましくは100〜250(例えば、100〜200)
程度である。例えば、粘度平均重合度100〜190程
度のセルロースアセテートも有効に使用できる。
【0046】セルロース誘導体(例えば、セルロースア
セテートなどのセルロースエステル)の粘度平均重合度
は、宇田らの極限粘度法(宇田和夫、斉藤秀夫、繊維学
会誌、第18巻1号、105〜120頁、1962年)
により測定できる。
【0047】セルロース誘導体の平均置換度は、1〜3
程度の範囲から選択できる。例えば、セルロースアセテ
ートでは、平均酢化度42〜62%(例えば、43〜6
0%)、好ましくは42〜57%程度の範囲から選択で
きる。置換度(酢化度)が小さすぎると、溶媒に対する
溶解度が低下する。また、粘度平均重合度が小さすぎる
と、多孔質層の孔径が小さくなり、非多孔質層となりや
すく、大きすぎると孔径が大きくなりやすい。
【0048】好ましいビニル系重合体には、(メタ)ア
クリル系重合体[例えば、(メタ)アクリロニトリル系
重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体]が含ま
れる。
【0049】(メタ)アクリロニトリル系重合体には、
ポリアクリロニトリル、ポリメタアクリロニトリル、
(メタ)アクリロニトリルと共重合性単量体との共重合
体が含まれる。
【0050】共重合性単量体には、ビニルエステル系単
量体(例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等)、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メ
タ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)
アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メ
タ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチ
ルヘキシル等の(メタ)アクリル酸C1-10アルキルエス
テル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アク
リル酸4−ヒドロキシブチル等のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミ
ノプロピル(メタ)アクリレート等のアルキルアミノ−
アルキル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミ
ド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、メチロール
(メタ)アクリルアミド、アルコキシメチル(メタ)ア
クリルアミド等]、複素環式ビニル系単量体(例えば、
ビニルピロリドン、ビニルピリジン、ビニルピペリジ
ン、ビニルイミダゾール、ビニルカルバゾール等の窒素
原子、酸素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも
一種のヘテロ原子を含む5〜6員環複素環式ビニル系単
量体等)、芳香族ビニル系単量体(例えば、スチレン、
ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、重合性不飽
和ジカルボン酸又はその誘導体(例えば、イタコン酸、
マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、これらの低級
アルキルエステル又はその無水物、マレイミド、N−ア
ルキルマレイミド、N−フェニルマレイミド等)等が含
まれる。
【0051】これらのうち、好ましい共重合性単量体に
は、ビニルエステル系単量体(例えば、酢酸ビニルな
ど)、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メタ)ア
クリル酸、(メタ)アクリル酸C1-8アルキルエステ
ル、C1-4アルキルアミノ−C2-4アルキル(メタ)アク
リレート等]、窒素含有複素環式ビニル系単量体(例え
ば、ビニルピロリドンなど)又はこれらの組み合わせが
含まれる。
【0052】(メタ)アクリロニトリル系共重合体の具
体例としては、例えば、アクリロニトリル−ビニルピロ
リドン共重合体、アクリロニトリル−酢酸ビニル共重合
体、アクリロニトリル−C1-8アルキル(メタ)アクリ
レート共重合体(例えば、アクリロニトリル−メチルア
クリレート共重合体など)、アクリロニトリル−ビニル
ピロリドン−C1-8アルキル(メタ)アクリレート共重
合体、アクリロニトリル−酢酸ビニル−C1-8アルキル
(メタ)アクリレート共重合体、アクリロニトリル−
(メタ)アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−酢酸
ビニル−(メタ)アクリル酸共重合体、アクリロニトリ
ル−C1-8アルキル(メタ)アクリレート−(メタ)ア
クリル酸共重合体等が例示できる。
【0053】(メタ)アクリル酸エステル系重合体に
は、(メタ)アクリル酸エステルの単独又は共重合体
[例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アク
リル酸C 1-18アルキルエステルの単独又は共重合体(ポ
リ(メタ)アクリル酸メチル、ポリ(メタ)アクリル酸
エチル、ポリ(メタ)アクリル酸ブチル、メタクリル酸
メチル−(メタ)アクリル酸共重合体等の(メタ)アク
リル酸C1-10アルキルエステル−(メタ)アクリル酸共
重合体、メタクリル酸メチル−アクリル酸C1-10アルキ
ルエステル共重合体などのメタクリル酸C1-10アルキル
エステル−アクリル酸C1-10アルキルエステル共重合体
等]、(メタ)アクリル酸系単量体と共重合性単量体の
共重合体が含まれる。
【0054】共重合性単量体には、ビニルエステル系単
量体(例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等)、(メタ)アクリル系単量体[例えば、(メ
タ)アクリロニトリル(メタ)アクリルアミド、N−メ
チル(メタ)アクリルアミド、メチロール(メタ)アク
リルアミド、アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド
等]、複素環式ビニル系単量体(例えば、ビニルピロリ
ドン、ビニルピリジン、ビニルピペリジン、ビニルイミ
ダゾール、ビニルカルバゾール等の窒素原子、酸素原子
及び硫黄原子から選択された少なくとも一種のヘテロ原
子を含む5〜6員環複素環式ビニル系単量体等)、芳香
族ビニル系単量体(例えば、スチレン、ビニルトルエ
ン、α−メチルスチレン等)、重合性不飽和ジカルボン
酸又はその誘導体(例えば、イタコン酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、フマル酸、これらの低級アルキルエス
テル又はその無水物、マレイミド、N−アルキルマレイ
ミド、N−フェニルマレイミド等)等が含まれる。
【0055】(メタ)アクリル酸エステル系重合体の具
体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸C1-10アル
キルエステル−スチレン共重合体(例えば、メタクリル
酸メチル−スチレン共重合体など)、(メタ)アクリル
酸C1-10アルキルエステル−(メタ)アクリル酸−スチ
レン共重合体(例えば、メタクリル酸メチル−(メタ)
アクリル酸−スチレン共重合体など)等が例示できる。
【0056】染着性樹脂層の厚みは、特に制限されず、
用途に応じて選択でき、例えば1〜100μm、好まし
くは2〜70μm、さらに好ましくは3〜50μm(例
えば、5〜30μm)程度である。染着性樹脂層の厚み
が1μm未満では、染料の染着性が不充分である。ま
た、透明性の高い記録用シートを所望する場合、厚みが
100μmを超えると、透明性が低下する虞がある。
【0057】多孔質層の厚みは、特に制限されず、用途
に応じて選択でき、例えば1〜100μm、好ましくは
2〜70μm、さらに好ましくは3〜50μm(例え
ば、5〜30μm)程度である。多孔質層の厚みが1μ
m未満では、強度が不充分である。また、透明性の高い
記録用シートを所望する場合、厚みが100μmを超え
ると、透明性が低下する虞がある。
【0058】染着性樹脂層と多孔質層との厚みの割合
は、染着性樹脂層/多孔質層=20/80〜80/2
0、好ましくは30/70〜70/30程度の範囲から
選択できる。
【0059】染料受容層において、厚みは特に限定され
ず、用途に応じて選択でき、染料受容層の厚みは、通
常、5〜50μm(例えば、5〜30μm)、好ましく
は5〜20μm程度の範囲から選択できる。
【0060】さらに、染料受容層は、必要に応じて、慣
用の添加剤、例えば、染料定着剤、安定剤(紫外線吸収
剤、抗酸化剤、熱安定剤、耐光安定剤等)、滑剤、アン
チブロッキング剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤(顔
料、染料等)、消泡剤、塗布性改良剤、増粘剤、充填
剤、ゲル化剤等を含んでいてもよい。また、多孔質層は
架橋剤または硬化剤を含んでいてもよい。
【0061】前記染料受容層は、それ単独で記録用シー
トとして使用してもよいが、通常、基材の少なくとも一
方の面に積層させて記録用シートを形成する。
【0062】[基材]基材の材質は、特に制限はなく、
透明、半透明および不透明のいずれであってもよい二次
元構造の基材、例えば、紙、塗工紙、合成紙、織布、不
織布、プラスチックフィルム等が挙げられ、用途に応じ
て選択できる。
【0063】プラスチックフィルムもしくはシートを構
成するポリマーとしては、オレフィン系重合体(例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ハロゲン系重
合体(例えば、ポリ塩化ビニルなど)、ビニル系重合体
(例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ(メタ)アクリル酸エ
ステル、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアル
コール共重合体等)、スチレン系重合体(例えば、ポリ
スチレン、ゴム強化ポリスチレン、ABS樹脂等)、セ
ルロース誘導体(例えば、セルロースアセテートな
ど)、ポリエステル系重合体(例えば、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリア
ルキレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、
ポリブチレンナフタレート等のポリアルキレンナフタレ
ート等)、ポリカーボネート系重合体(例えば、ビスフ
ェノールA型ポリカーボネートなど)、ポリアミド系重
合体(例えば、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン6
/10、ナイロン6/12等の脂肪族ポリアミド等、ポ
リエステルアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド)、
ポリエーテル系重合体、ポリエーテルエステル系重合体
等が例示できる。さらに、これらの共重合体、ブレンド
物、架橋物も使用することができる。これらのフィルム
は単独で又は二種以上組み合わせて単層フィルムまたは
積層フィルムとして使用できる。
【0064】プラスチックフィルムもしくはシートには
必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、熱安定剤、
滑材、顔料等の慣用の添加剤を添加してもよい。また、
染料受容層との接着性を向上させるため、コロナ放電処
理やアンダーコート処理等も行うこともできる。
【0065】基材の厚みは、用途に応じて、例えば、プ
リンターへの挿入に支障を来さない限り、当業者の要望
により設定できるが、通常、5〜500μm、好ましく
は10〜300μm程度の範囲から選択できる。
【0066】[製造方法]本発明の記録用シートは、基
材の少なくとも一方の面に、染着性樹脂層とその上に形
成された多孔質層とを含む染料受容層を積層することに
より製造できる。
【0067】染着性樹脂層は、常法により形成すること
ができる。すなわち、前記染着性樹脂層の構成成分を適
当な溶剤に溶解又は分散させた塗布液を、基材上に塗布
し、乾燥するなどの方法により形成することができる。
塗布方法は、特に限定されず、ロールコーター、エアナ
イフコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、バ
ーコーター、コンマコーター、グラビアコーター、シル
クスクリーンコーター法等の公知の方法を適用すること
ができる。塗布液の溶媒は、親水性高分子の種類などに
応じて選択でき、特に限定されない。また、貼り合わせ
より染着性樹脂層を積層する場合は、必要に応じて接着
剤などを使用してもよい。
【0068】多孔質層は、前記多孔質層を構成する重合
体と、少なくともこの重合体に対する良溶媒及び貧溶媒
とを含む重合体溶液の塗膜を相転換し、形成することが
できる。相転換法として、多孔質層を構成する重合体の
良溶媒を含む塗布液(樹脂溶液又はドープ)を流延また
は塗布し、前記重合体に対する貧溶媒に浸漬して、相分
離を生じさせて形成する湿式相転換法も可能であるが、
乾式相転換法、すなわち、多孔質層を構成する重合体
と、この重合体に対する良溶媒と、この重合体に対する
貧溶媒とを含む均一な塗布液(ドープ)を基材に流延又
は塗布し、溶媒を蒸発させて相分離を生じさせる方法が
好ましく使用できる。特に、乾式相転換法では、良溶媒
よりも沸点の高い溶媒を貧溶媒として使用することが好
ましい。
【0069】乾式相転換法による多孔質層の製造方法
は、特開平11−71476号公報を参照できる。すな
わち、重合体、この重合体に対する良溶媒、及びこのこ
の重合体に対する貧溶媒でかつ前記良溶媒よりも高沸点
である溶媒で構成されている塗布液を基材上に塗布し、
乾燥を行うと沸点の低い良溶媒が先に蒸発する。その際
に、この良溶媒の蒸発の進行に伴い、重合体の溶解性は
低下し、重合体はミセル(ゲル相)を形成し貧溶媒相と
相分離する。さらに、貧溶媒の蒸発が進むと、ミセル同
士が接触して網目構造が形成され、貧溶媒の蒸発の完了
により、多孔質層が形成される。
【0070】前記製造方法において多孔質層の孔径を制
御し、前記特徴を有する多孔質層を得るために、塗布液
中の溶媒において、良溶媒と貧溶媒とを適宜組み合わせ
ることができる。
【0071】良溶媒は、高分子の種類などに応じて選択
でき、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケト
ン、メチルプロピルケトン等のC3-5ジアルキルケト
ン、シクロヘキサノンなど)、エステル類(ギ酸エチル
などのギ酸C1-4アルキルエステル、酢酸メチル、酢酸
エチル、酢酸ブチル等の酢酸C1-4アルキルエステル、
プロピオン酸エチル、乳酸エチル等)、エーテル類
(1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒ
ドロピラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテ
ル、ジメトキシエタン等の環状又は鎖状C4-6エーテ
ル)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ等のC1-4アルキル−セロソル
ブ)、セロソルブアセテート類(メチルセロソルブアセ
テート、エチルセロソルブアセテート等のC1-4アルキ
ルセロソルブアセテート)、芳香族炭化水素類(ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭化水素類
(塩化メチレン、塩化エチレン等)、アミド類(ホルム
アミド、アセトアミド、N−メチルホルムアミド、N−
メチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジメチルアセトアミド等)、スルホキシド類
(ジメチルスルホキシドなどのC 1-3アルキルスルホキ
シド)、ニトリル類(アセトニトリル、クロロアセトニ
トリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル等のC1-6
アルキルニトリル、ベンゾニトリル等)、有機酸類(ギ
酸、酢酸、プロピオン酸等)、有機酸無水物(無水マレ
イン酸、無水酢酸等)、及びこれらの混合物等が例示で
きる。なお、良溶媒[例えば、シクロアルカノール(シ
クロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロ
ヘキサノール、ジメチルシクロヘキサノール等のC1-4
アルキル基が置換していてもよいC4-8シクロアルカノ
ール)など]は、重合体の種類によっては、貧溶媒とな
る場合がある。良溶媒は、ニトロ化合物(ニトロメタ
ン、ニトロエタン、ニトロプロパン等)、低級アルコー
ル類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブ
タノール等のC1-4アルキルアルコール、ジアセトンア
ルコール等)等を含んでいてもよい。
【0072】良溶媒は、重合体の種類などに応じて選択
できる。例えば、重合体としてセルロース誘導体を用い
る場合、好ましい良溶媒には、C3-5ジアルキルケトン
類(特に、アセトン、メチルエチルケトン)、酢酸C
1-4アルキルエステル類(特に、酢酸メチル、酢酸エチ
ル)、環状又は鎖状C4-6エーテル類(特に、1,4−
ジオキサン、ジメトキシエタン)、C1-4アルキルセロ
ソルブ類(特に、メチルセロソルブ、エチルセロソル
ブ)、C1-4アルキルセロソルブアセテート類(特に、
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテ
ート)、及びこれらの混合溶媒等が含まれる。セルロー
ス誘導体がセルロースアセテートである場合、特に好ま
しい良溶媒には、C3-5ジアルキルケトン類(特に、ア
セトン)、C1 -2アルキルセロソルブ類(特に、メチル
セロソルブ)等が含まれる。
【0073】良溶媒の沸点は、35〜200℃(例え
ば、35〜180℃)、好ましくは35〜170℃(例
えば、35〜160℃)、さらに好ましくは40〜16
0℃(例えば、40〜125℃)程度の範囲から選択で
き、通常、35〜150℃(例えば、35〜130℃)
程度である。
【0074】良溶媒は、その蒸気圧が200mmHgに
なる温度が、10〜70℃、好ましくは10〜50℃程
度の範囲から選択できる。
【0075】貧溶媒とは、使用する重合体に対する溶解
性がないか、又は溶解性の低い溶媒を意味し、種類は、
特に制限されない。貧溶媒としては、例えば、水、エス
テル類(例えば、ギ酸アミル、ギ酸イソアミルなどのギ
酸C5-8アルキルエステル、酢酸ブチル、酢酸アミル、
酢酸へキシル、酢酸オクチル、酢酸3−メトキシブチ
ル、酢酸3−エトキシブチル、プロピオン酸ブチル、プ
ロピオン酸3−メトキシブチル等のC1-4アルコキシル
基を有してもよいC2-4脂肪族カルボン酸C4-10アルキ
ルエステル、安息香酸メチル、安息香酸エチル、安息香
酸プロピル等の安息香酸C1-4アルキルエステル類)、
アルコール類(例えば、シクロペンタノール、シクロヘ
キサノール、メチルシクロヘキサノール、ジメチルシク
ロヘキサノール、シクロオクタノール等のC1-4アルキ
ル基が置換していてもよいC4-8シクロアルカノール、
アミルアルコール、イソアミルアルコール、ヘキシルア
ルコール等のC5-8アルコール類、2−ブトキシエタノ
ール、3−ブトキシプロパノール等のC2-6アルコキシ
−C1-4アルコール類、フルフリルアルコールなどの複
素環式アルコール等)、ケトン類(例えば、メチルブチ
ルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルペンチルケ
トン、2,6−ジメチル−4−ヘプタノン等のC3-10
アルキルケトン(特にC6-10ジアルキルケトン)、アセ
トニルアセトン、アセトフェノン等)、エーテル類(例
えば、メチルフェニルエーテル、メトキシトルエン、ジ
ブチルエーテル、ベンジルエチルエーテル等のC7-10
ーテル)、脂肪族炭化水素類(例えば、ヘキサン、オク
タン、ノナン、デカン等のC5-20脂肪族炭化水素類)、
脂肪族多価アルコール類(例えば、エチレングリコー
ル、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン等)、及びこれらの
混合物が例示できる。
【0076】貧溶媒は、重合体の種類などに応じて選択
できる。例えば、重合体としてセルロース誘導体を用い
る場合、好ましい貧溶媒には、エステル類(特に、ギ酸
5- 8アルキルエステル、安息香酸C1-4アルキルエステ
ル類等)、アルコール類(特に、C4-8シクロアルカノ
ール)、ケトン類(特に、C6-10ジアルキルケトン)、
及びエーテル類(特に、C7-10エーテル)から選択され
た少なくとも一種の溶媒、特にC5-7シクロアルカノー
ル(例えば、シクロヘキノール類)が含まれる。シクロ
ヘキサノール類には、シクロヘキサノール、メチルシク
ロヘキサノール、ジメチルヘキサノール等のモノ又はジ
1-2アルキル置換体が含まれる。
【0077】貧溶媒の沸点は、100〜230℃、好ま
しくは120〜200℃程度の範囲から選択できる。貧
溶媒は、通常、前記良溶媒よりも20℃以上(例えば、
20〜60℃程度)、好ましくは30〜50℃程度、高
い沸点を有している。
【0078】貧溶媒は、その蒸気圧が200mmHgに
なる温度が、50〜200℃、好ましくは70〜150
℃程度の範囲から選択できる。また、良溶媒及び貧溶媒
のそれぞれの蒸気圧が200mmHgになる温度の差
は、50〜200℃、好ましくは70〜150℃程度で
ある。
【0079】塗布液中の良溶媒と貧溶媒との割合は、重
合体の均一溶液を形成できる限り特に制限されないが、
通常、良溶媒100重量部に対して、貧溶媒1〜200
重量部(例えば、2〜200重量部)、好ましくは3〜
180重量部(例えば、5〜180重量部)、さらに好
ましくは5〜170重量部(例えば、100〜170重
量部)程度であり、通常、5〜150重量部程度であ
る。
【0080】塗布液中の重合体の含有量は、重合体の重
合度などに応じて選択でき、例えば、3〜30重量%、
好ましくは3〜25重量%、さらに好ましくは3〜20
重量%(例えば、3〜15重量%)程度である。
【0081】塗布液は、重合体を良溶媒に5〜30重量
%、好ましくは5〜20重量%(例えば、5〜15重量
%)程度の濃度に溶解し、前記溶液100重量部に対し
て、析出を抑制しつつ、貧溶媒5〜170重量部(例え
ば、5〜150重量部)程度を添加することにより調製
できる。
【0082】塗布液中には、多孔質層の特性を損なわな
い範囲で慣用の添加剤、例えば、消泡剤、塗布性改良
剤、増粘剤、滑剤、安定剤(例えば、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、熱安定剤等)帯電防止剤、アンチブロッキン
グ剤等を添加してもよい。
【0083】塗布液は、慣用の流延又は塗布方法は、例
えば、ロールコーター、エアナイフコーター、ブレード
コーター、ロッドコーター、バーコーター、コンマコー
ター、グラビアコーター、シルクスクリーンコーター法
等により、染着性樹脂層に流延又は塗布できる。
【0084】塗布液の乾燥工程では、一段で乾燥しても
よく、まず低温で乾燥して、沸点の低い良溶媒を蒸発さ
せ(例えば、実質的に沸点の低い良溶媒の蒸発を完了さ
せ)、次いで高温での乾燥により残存する貧溶媒の蒸発
を行う二段階乾燥を行ってもよい。二段階乾燥する場
合、乾燥条件は使用する良溶媒、貧溶媒の種類に応じて
選択でき、一般に、一段目の乾燥は、温度10〜100
℃、好ましくは20〜70℃(例えば、20〜60℃)
程度で30秒間〜60分間(例えば、1〜60分間)程
度行い、二段目の乾燥は、一段目の温度よりも高い温
度、例えば、温度50〜150℃(例えば、60〜13
0℃)程度で2秒間〜30分間(例えば、2秒間〜10
分間)程度行ってもよい。二段目の乾燥温度は、通常、
一段目の温度よりも20℃以上、好ましくは20〜12
0℃(例えば、50〜110℃)程度高い温度から選択
できる。例えば、良溶媒としてアセトンなどのC3-5
アルキルケトン、貧溶媒としてシクロヘキサノールなど
のシクロアルカノール類を使用する場合などには、特に
二段階乾燥を行うことなく、簡便に乾燥することがで
き、容易にミクロ相分離構造を得ることができる。
【0085】[記録方式]本発明の記録用シートは、気
化又は昇華可能な昇華性染料の収容源に対して非接触方
式で染料成分を気化又は昇華させて行う記録方式に適し
ているが、熱転写記録媒体の染料層と接触させ、記録媒
体の基材の裏面から加熱する接触方式においても使用し
てもよい。
【0086】本発明の記録用シートは、基材の少なくと
も一方の面に染着性樹脂層と多孔質層とを含む染料受容
層が形成されているため、溶媒と昇華性染料とを気化又
は昇華させて記録する記録方式において、気化又は昇華
した染料成分は多孔質層により速やかに吸収され、高速
に画像を形成することができる。また、吸収された染料
成分は染着性樹脂により保持され、染料成分の滲みが少
なく、複雑かつ微妙なグラデーションを達成でき、細部
にわたってシャープな画像を提供できる。
【0087】前記記録方式において、昇華性染料の種類
は特に制限されず、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラ
ック等の各種染料が使用できる。
【0088】前記溶媒の種類は、使用する染料に応じて
選択でき、特に制限されないが、ケトン類(例えば、ア
セトン、エチルメチルケトン等の脂肪族ケトン、シクロ
ペンタノン等の脂環式ケトン等)、アルコール類(例え
ば、メタノール、エタノール等)、芳香族炭化水素類
(例えば、トルエンなど)等、比較的低沸点(例えば、
50〜130℃程度)を有する有機溶媒なども使用でき
るが、常温常圧で非揮発性である溶媒が好ましい。
【0089】このような非揮発性溶媒には、通常、可塑
剤として使用される有機化合物、例えば、ジエチルフタ
ル酸、ジブチルフタル酸、ジオクチルフタル酸、ジ(2
−エチルヘキシル)フタル酸、フタル酸ジシクロヘキシ
ル等のフタル酸誘導体、ジ(2−エチルヘキシル)アジ
ペートなどのアジピン酸誘導体、メチルフタリル・エチ
ルグリコレート、エチルフタリル・エチルグリコレート
等のグリコール誘導体、トリフェニルホスフェート、ト
リクレジルホスフェート、トリ(2−エチルヘキシル)
ホスフェート等のリン酸誘導体、ジ(2−エチルヘキシ
ル)アゼレート等のアゼライン酸誘導体、流動パラフィ
ン等が含まれる。
【0090】染料などを加熱昇華させるための加熱手段
としては、レーザー、マイクロヒーター、又はそれらの
アレイ等が利用できる。前記染料と非揮発性溶媒とを含
む混合液には、レーザー光を吸収して発熱するような吸
収剤などを添加してもよい。
【0091】本発明の記録用シートは、溶媒と昇華性染
料とを気化又は昇華させて記録するのに有用である。特
に、非接触方式の染料気化型装置を用いて記録するのに
有用である。この装置は、昇華性染料を含む色材を貯溜
する貯溜部と、この貯溜部の染料及び溶媒を気化させる
ためのレーザー光源と、この貯溜部に形成された開口部
と、この開口部に配され、かつ染料が通過可能な細孔部
(小柱体)と、上記開口部に対応する部位に形成され、
気化した染料を記録用シートに移行させるための開口部
を有する保護プレートとを備えている。また、前記レー
ザーに換えて、マイクロヒーターやそのアレイなどを用
いてもよい。
【0092】
【発明の効果】本発明では、基材の少なくとも一方の面
に、染着性樹脂層と多孔質層とを含む染料受容層を形成
しているので、溶媒と昇華性染料とを気化又は昇華させ
て記録する記録方式において、気化又は昇華した染料成
分を多孔質層により速やかに吸収又は吸着し、高速に画
像を形成することができる。さらに、染料受容層中の染
着性樹脂層により、染料受容層における染料成分のさら
なる拡散(滲み)を抑制することができ、複雑かつ微妙
なグラデーションを達成でき、細部にわたりシャープな
画像を形成することができる。
【0093】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。なお、文中、特に断わりのない限
り、部または%は重量基準である。
【0094】実施例および比較例で得られた記録用シー
トについて、画像を以下のように形成し、染料の吸収性
及び滲みを以下のように評価した。
【0095】[画像形成]昇華性染料と非揮発性溶媒
(フタル酸ジブチル)との混合液を貯溜する貯溜部と、
この貯溜部の混合液を加熱するための加熱装置とを備え
た非接触式染料気化装置を用い、染料を気化又は昇華さ
せることにより記録用シートの染料受容層に画像を形成
した。
【0096】[染料の吸収性]下記の基準で形成画像の
染料の吸収状態を目視で評価した。なお、乾燥時間と
は、画像形成後、画像部分に触っても染料が再転写しな
くなるまでの時間である。
【0097】 ○:乾燥時間が1分以内である △:乾燥時間が1分を超え5分以内である ×:乾燥時間が5分を超える
【0098】[滲み]形成画像を25℃で一週間静置
し、下記の基準で画像の滲みを目視で評価した。
【0099】 ○:滲みが認められない ×:滲みが認められる
【0100】実施例1 下記の通り、基材上に染着性樹脂層と多孔質層とを設
け、記録用シートを作製した。
【0101】[染着性樹脂層]ポリエステル樹脂(東洋
紡(株)製、バイロン300)10部を、メチルエチル
ケトン180部に溶解させ、基材(王子油化(株)製、
合成紙「ユポ」、厚さ180μm)上にバーコーターに
て塗布し、充分に乾燥した。この塗布膜の厚みは10μ
mであった。
【0102】[多孔質層]酢酸セルロース(酢化度55
%、粘度平均重合度250)含有量10%のアセトン溶
液100部に、よく攪拌しながらシクロヘキサノール1
00部を添加してドープを調製した。これを前記染着性
樹脂層上に乾燥時の膜厚が10μmになるように塗布
し、110℃で5分間乾燥し、平均孔径1.2μm、空
孔率47%の多孔質層を形成した。
【0103】実施例2 染着性樹脂として、塩化ビニル系樹脂(電気化学工業
(株)製、デンカビニル♯1000CK3)を用いた以
外は、実施例1と同様にして記録用シートを作製した。
【0104】比較例1 基材上に、多孔質層を設けない以外は実施例1と同様に
して記録用シートを作製した。
【0105】比較例2 基材上に、多孔質層を設けない以外は実施例2と同様に
して記録用シートを作製した。
【0106】比較例3 基材上に、染着性樹脂層を設けない以外は実施例1と同
様にして記録用シートを作製した。
【0107】実施例及び比較例で得られた記録用シート
について、前記評価に従って、染料の吸収性及び滲みの
評価を行った。結果を表1に示す。
【0108】
【表1】
【0109】表1から明らかなように、染着性樹脂層に
多孔質層を組み合わせた記録用シートにおいては、染料
の吸収性が高く、滲みも認められないシャープな画像が
得られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H111 AA12 AA27 AB00 CA02 CA03 CA13 CA30 CA41 CA48 DA00 4F100 AJ06B AJ06C AK01B AK15B AK41B AK46B AK51B AK53B AK55C AT00A BA03 BA07 BA13 DJ00C EH112 GB90 JA20C YY00C

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶媒と昇華性染料とを気化又は昇華させ
    て記録するためのシートであって、基材とその基材の少
    なくとも一方の面に形成された染料受容層とで構成さ
    れ、この染料受容層が、基材上の染着性樹脂層と、この
    染着性樹脂層の上に形成された多孔質層とを含むことを
    特徴とする記録用シート。
  2. 【請求項2】 溶媒が、常温常圧で非揮発性である請求
    項1記載の記録用シート。
  3. 【請求項3】 染着性樹脂層が、ポリエステル系重合
    体、ポリウレタン系重合体、ビニル系重合体、ポリアミ
    ド系重合体、エポキシ系重合体、及びセルロース誘導体
    からなる群より選択された少なくとも1種の樹脂で構成
    されている請求項1記載の記録用シート。
  4. 【請求項4】 多孔質層の平均孔径が0.05〜3μm
    であり、空孔率が20〜70%である請求項1記載の記
    録用シート。
  5. 【請求項5】 多孔質層が、乾式相転換によるミクロ相
    分離構造を有する請求項1記載の記録用シート。
  6. 【請求項6】 多孔質層が、セルロース誘導体、ビニル
    系重合体、及びポリスルホン系重合体からなる群より選
    択された少なくとも1種の樹脂で構成されている請求項
    1記載の記録用シート。
  7. 【請求項7】 多孔質層の空孔内に染着性樹脂を含む請
    求項1記載の記録用シート。
  8. 【請求項8】 溶媒と昇華性染料とを気化又は昇華させ
    て記録するためのシートの製造方法であって、基材の少
    なくとも一方の面に、染着性樹脂層とその上に形成され
    た多孔質層とを含む染料受容層を設ける記録用シートの
    製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015127810A (ja) * 2013-11-27 2015-07-09 キヤノン株式会社 光学用部材及びその製造方法

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