JPH09267571A - 熱転写画像受容シート - Google Patents

熱転写画像受容シート

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JPH09267571A
JPH09267571A JP8099658A JP9965896A JPH09267571A JP H09267571 A JPH09267571 A JP H09267571A JP 8099658 A JP8099658 A JP 8099658A JP 9965896 A JP9965896 A JP 9965896A JP H09267571 A JPH09267571 A JP H09267571A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐候性、耐薬品性、印字特性に優れた溶融熱
転写画像受容シートを提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂フィルムよりなる支持体
(I)の表面に、(a)脂肪族ポリエステル系ウレタン
樹脂バインダー3〜80重量%、(b)シリカ粒子14
〜40重量%および(c)硫酸バリウム粒子6〜30重
量%を含有する画像記録受容層(II)を設けた構造の
熱転写画像受容シート。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印字性、防水性、
耐候性、耐薬品性、耐擦過性に優れた溶融熱転写記録用
画像受容シートに関するものである。このものは、航空
タッグ、バーコード、缶ラベル、記録用紙として有用で
ある。
【0002】
【従来の技術】熱転写記録法には、昇華転写方式と
溶融転写方式に分けられる。の昇華転写方式は、昇華
性又は気化性染料を含有する色材層及びそれを支持する
基体からなる熱転写インクリボンを加熱して、色材層中
に含まれる染料を昇華又は気化させ、これらを画像受容
記録シートを染着させ、それにより染料画像を形成させ
ることによって行われている。
【0003】具体的には、図1に示すように、昇華性又
は気化性染料を含有する色材層(5)及びそれを支持す
る基体(4)からなる熱転写インクリボン(1)と、熱
転写画像受容層(6)及びその支持体(7)からなる熱
転写画像受容記録シート(2)とを、プラテンロール
(8)と熱源(3)との間に挟着させて、サーマルヘッ
ド等の電気信号にて制御可能な熱源(3)によって色材
層(5)を加熱すれば、色材層(5)中に含まれる染料
が昇華又は気化して、熱転写画像受容記録シート(2)
の画像受容層(6)上に染着し、感熱記録転写が行われ
る。
【0004】の溶融転写方式は、図2に示すように熱
溶融性インク(5)及びそれを支持する基体(4)から
なる熱転写インクリボン(1)と、熱転写画像受容記録
シート(2)とを、プラテンロール(8)と熱源(3)
との間に挟着させて、サーマルヘッド等の電気信号にて
制御可能な熱源(3)によって熱溶融性インク(5)を
加熱すれば、溶解したインクが直接熱転写画像受容記録
シート(2)に転写されたインク(5’)として転写さ
れるものである。
【0005】この溶融転写方式の場合、支持体(7)そ
のものを熱転写画像受容記録シート(2)の画像受容層
(6)として用いても良いが、支持体(7)の表面にイ
ンク(5’)と密着性の良好な脂肪族ポリエステル、エ
ポキシ樹脂の層やポリビニルアルコールの層を設けるこ
とが多い。これら熱転写画像受容記録シート(2)の支
持体(7)としては、パルプ抄造紙や、焼成クレイや炭
酸カルシウム等の無機微細粉末を含有するプロピレン系
樹脂の延伸フィルムよりなる不透明の合成紙、或いは透
明なポリエチレンテレフタレート延伸フィルム又は透明
なポリオレフィンフィルムの表面に白色の無機微細粉末
と樹脂バインダーを含有するピグメント塗工剤を塗布
し、それにより白色度及び染着性を高めたピグメント塗
工タイプの合成紙が用いられている。
【0006】しかし、感熱転写後の熱転写画像受容記録
シートのアフターユース(複写、鉛筆筆記性、保存性
等)を考慮した場合、支持体としては、強度、耐水性、
寸法安定性、印字ヘッドとの密着性等の面から、無機微
細粉末含有ポリオレフィン樹脂フィルムを延伸すること
により得られる、内部にマイクロボイドを多数有する合
成紙であることが好ましいとされている(特開昭60−
245593号、特開昭61−112693号、特開昭
63−193836号、特開昭63−222891号、
特開平1−115687号、特開平3−216386
号、特開平5−305780号各公報)。これらの合成
紙は、不透明性及びソフト感を出し、印字ヘッドとの密
着性、給排紙性を良好なものにするために、素材のポリ
オレフィン樹脂の融点よりも低い温度でフィルムを延伸
してフィルム内部にマイクロボイドを形成させている。
【0007】又、熱転写画像受容層(6)としては、ポ
リエステル系樹脂バインダーや水系アクリル系樹脂エマ
ルジョンにワックス、変性シリコン油、ロジンエステル
等の滑剤を配合した塗工剤(特開平6−40167号公
報、特開昭62−261486号公報、特開平6−32
0879号公報、同6−320880号公報等)、ポリ
ビニルアルコールにコロイダルシリカを配合した塗工剤
(特開平5−78439号公報)、ポリビニルアルコー
ル、ラテックスの混合系バインダーに合成ゼオライトを
配合した塗工剤(特開平5−19919号公報)、水系
ラテックスにカオリナイトクレーを配合した塗工剤(特
開平6−286348号公報、同6−297873号公
報等)から形成される。
【0008】これら塗工剤に使用される樹脂バインダー
は、熱転写インクリボン(1)からのインクの転写を容
易とするため、融点が70〜110℃と低い極性基を有
する樹脂である。そして、塗工剤には、トルエン、メチ
ルエチルケトン、シクロヘキサノン等の樹脂バインダー
を溶解する有機溶剤が配合されることが多く、塗工剤を
支持体(7)の表面に塗工し、乾燥して画像受容層
(6)が形成される。
【0009】更に、感熱転写画像受容シートがドラム缶
や容器のラベル、航空タッグとして用いられる場合に
は、支持体(7)の画像受容層(6)とは反対面(裏
面)に感圧粘着剤が塗布され、更にこれを離型紙で被
い、ラベル貼着時、或いは航空タッグの旅行鞄への貼着
時に離型紙を剥し、ラベル、航空タッグを貼着して使用
している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、画像記録受
容層(6)と支持体(7)間の接着性が優れ、かつ、印
字の密着性、耐候性、耐擦過性、耐水性に優れた熱転写
画像受容シートの提供を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱可塑性樹脂
フィルムよりなる支持体(I)の表面に、(a)脂肪族
ポリエステル系ウレタン樹脂バインダー30〜80重量
%、(b)シリカ粒子14〜40重量%および(c)硫
酸バリウム粒子6〜30重量%を含有する画像記録受容
層(II)を設けた構造の熱転写画像受容シート、を提
供するものである。
【0012】
【作用】画像記録受容層(II)のバインダー樹脂がイ
ンクの吸収性の良好な脂肪族ポリエステル系ウレタン樹
脂であり、耐水性、耐候性に優れ、かつ、耐候性に優れ
た硫酸バリウム粒子が配合されているので耐候性がより
優れている記録用紙である。又、画像記録受容層(I
I)には、シリカ粒子が配合されているので印字のイン
クの吸収が速く、かつ、印字の密着力が強固となり、指
で擦っても印字がボヤケたり脱落することがない。又、
支持体(I)が耐水性に優れる熱可塑性樹脂フィルムを
基材とするので、耐水性が良好である。
【0013】
【発明の実施の形態】以下に本発明の熱転写画像受容シ
ートについて、更に詳細に説明する。支持体(I): 画像記録受容層が設けられる支持体は、
ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイ
ミド、ポリスルホン樹脂等の熱可塑性樹脂フィルム、ま
たはその延伸物を素材とするもので、好ましくは、無機
微細粉末、有機フィラーを含有しており、延伸によりフ
ィルム内部に微細なボイドを有する不透明度(JISP
−8138)が65%以上、好ましくは85%以上の延
伸フィルムである。この微多孔性延伸フィルムはパルプ
抄造紙、平織織布(ポンジー)または不織布(スパンボ
ンド)との積層品であってもよい。かかるフィルム内部
に微細なボイドを有する微多孔性延伸樹脂フィルムは、
次式(1)で算出される空孔率が10〜60%、好まし
くは15〜45%、肉厚が30〜300μm、好ましく
は50〜150μmの合成紙が挙げられる。
【0014】
【式1】 かかる微多孔性合成紙としては、例えば次の〜のも
のが挙げられる。
【0015】 無機又は有機充填剤を8〜65重量%
の割合で含有する微多孔を有する熱可塑性樹脂の二軸延
伸フィルム(特公昭54−31032号公報、米国特許
第3775521号明細書、米国特許第4191719
号明細書、米国特許第4377616号明細書、米国特
許第4560614号明細書等)。 二軸延伸熱可塑性フィルムを基材層とし、無機微細
粉末を8〜65重量%含有する熱可塑性樹脂の一軸延伸
フィルムを紙状層とする合成紙(特公昭46−4079
4号公報、特開昭57−149363号公報、同57−
181829号公報等)。
【0016】この合成紙は、2層構造であっても、基材
層の表裏面に一軸延伸フィルムの紙状層が存在する3層
構造(特公昭46−40794号公報)であっても、紙
状層と基材層間に他の樹脂フィルム層が存在する3層〜
7層の合成紙(特公昭50−29738号公報、特開昭
57−149363号公報、同56−126155号公
報、同57−181829号公報)であっても、裏面が
プロピレン・エチレン共重合体、エチレン・(メタ)ア
クリル酸共重合体の金属塩(Na、Li、Zn、K)、
塩素化ポリエチレン等の基材層樹脂よりも低融点の樹脂
よりなるヒートシール層を有する3層以上の合成紙であ
ってもよい(特公平3−13973号公報)。
【0017】3層構造の合成紙の製造方法は、例えば、
無機微細粉末を0〜30重量%、好ましくは8〜25重
量%含有する熱可塑性樹脂フィルムを、該樹脂の融点よ
り低い温度で一方向に延伸して得られる一軸方向に配向
したフィルムの両面に、無機微細粉末を8〜65重量%
含有する熱可塑性樹脂の溶融フィルムを積層し、次いで
前記方向と直角の方向にこの積層フィルムを延伸するこ
とにより得られる紙状層が一軸方向に配向し、微細な空
隙を多数有するフィルムであり、基材層は二軸方向に配
向した積層構造物である。
【0018】 上記の合成紙の紙状層側に、更に、
無機微細粉末を含有しない肉厚0.1〜20μmの透明
な熱可塑性樹脂ラミネート層が設けられた構造の高い光
沢の印刷が可能な合成紙(特公平4−60437号公
報、同1−60411号公報、特開昭61−3748号
公報)、例えば、熱可塑性樹脂の二軸延伸フィルムを基
材層とし、無機微細粉末を8〜65重量%含有する熱可
塑性樹脂の一軸延伸フィルムよりなる表面層と裏面層を
有する複層フィルムを支持体とし、この支持体の表面層
側に無機微細粉末を含有しない熱可塑性樹脂の透明フィ
ルム層を設け、更に帯電防止機能を有するプライマー塗
布層が設けられた合成紙(特開昭61−3748号公
報)、あるいは、熱可塑性樹脂フィルムの二軸延伸フィ
ルムを基材層とし、この基材層の少なくとも片面に、無
機微細粉末を8〜65重量%の割合で含有する熱可塑性
樹脂の一軸延伸フィルムよりなる紙状層と、熱可塑性樹
脂フィルムの一軸延伸フィルムよりなる表面層とのラミ
ネート物が備えられている合成紙であって、前記表面層
の肉厚(t)は、紙状層に存在する無機微細粉末の平均
粒径を(R)としたとき、次式(2)を満足することを
特徴とする複層樹脂フィルムよりなる合成紙(特公平1
−60411号公報)。
【0019】
【数1】R≧t≧(1/10)×R ・・・ (2) この複層構造の合成紙も、の合成紙と同じくヒート
シール層が表裏面に設けられたものであっても良い。合
成紙の素材である熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィ
ン類、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン−プロピレン共重合体、ポリ(4−メチルペンテン−
1);ポリスチレン、ポリアミド、ポリエチレンテレフ
タレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体の部分加水分
解物、エチレン−アクリル酸共重合体およびその塩、塩
化ビニリデン共重合体たとえば塩化ビニル−塩化ビニリ
デン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸アルキルエステ
ル共重合体、その他、およびこれらの混合物を例示する
ことができる。これらの中でも耐水性、耐薬品性の面か
らポリプロピレン、ポリエチレンが好ましい。また、基
材層にポリプロピレンを用いる場合は、延伸性を良好と
するためポリエチレン、ポリスチレン、エチレン・酢酸
ビニル共重合体等のポリプロピレンよりも融点が低い熱
可塑性樹脂を3〜25重量%配合するのがよい。
【0020】また、無機微細粉末としては炭酸カルシウ
ム、焼成クレイ、シリカ、けいそう土、タルク、酸化チ
タン、硫酸バリウム等、粒径が0.03〜16ミクロン
のものが使用される。延伸倍率は縦、横方向とも4〜1
0倍が好ましく、延伸温度は樹脂がホモポリプロピレン
(融点164〜167℃)の場合は145〜162℃、
高密度ポリエチレン(融点121〜124℃)の場合は
110〜120℃、ポリエチレンテレフタレート(融点
246〜252℃)の場合は104〜115℃である。
また、延伸速度は50〜350m/分である。
【0021】合成紙の空孔率が10%未満では、支持体
の軽量化が乏しく、逆に空孔率が60%を越えては、合
成紙の強度(引張強度、曲げ強度)が低くなり、実用的
ではない。合成紙の肉厚は、20〜300μmの範囲で
あり、20μm未満では微多孔性の合成紙を製造するこ
とが困難であり、300μmを越えては合成紙の市場へ
の供給がA3、菊判サイズ等のシート状に裁断し、これ
を梱包して輸送するものに限られ、巻きロールとしての
供給が困難となる。
【0022】接着剤:熱可塑性樹脂フィルム、微多孔性
樹脂延伸フィルムをパルプ抄造紙(坪量20〜200g
/m2 )、織布、不織布等の他の基材と貼合するのに接
着剤が用いられる。かかる接着剤としては液状のアンカ
ーコート剤、例えばポリウレタン系アンカーコート剤と
しては東洋モートン(株)のEL−150(商品名)ま
たはBLS−2080AとBLS−2080Bとの混合
物が、ポリエステル系アンカーコート剤としては、同社
製のAD−503(商品名)が挙げられる。アンカーコ
ート剤は、坪量が0.5〜25g/m2 の範囲となるよ
うに塗布される。
【0023】また、エチレン・酢酸ビニル共重合体、低
密度ポリエチレン、エチレン・(メタ)アクリル酸共重
合体の金属塩(いわゆるサーリン)、塩素化ポリエチレ
ン、塩素化ポリプロピレン等のホツトメルト接着剤を用
いる場合には、延伸樹脂フィルム製造時の延伸温度より
低い融点を有する熱可塑性樹脂を用いる。微多孔性樹脂
延伸フィルムとこれらパルプ抄造紙、織布又は不織布と
の貼合品よりなる支持体(I)の肉厚は、80〜500
μm、好ましくは100〜300μmの範囲である。貼
合構造は、例えば、合成紙/パルプ抄造紙/合成紙、合
成紙/平織織布、合成紙/平織織布/合成紙、合成紙/
不織布、合成紙/不織布/合成紙である。
【0024】熱転写画像受容シートに抗引裂性と耐熱カ
ール性を付与するのに用いられる織布は、40〜150
デニール、好ましくは50〜100デニールの経糸と緯
糸とを、それぞれ2.54cm当たり、50〜140本
の割合で1本おきに交差させる平織法で織った坪量が5
0〜200g/m2 、好ましくは、50〜200g/m
2 の平織織布(ポンジー)が好ましい。平織りの織布の
経糸、緯糸の素材としては、ナイロン6、ナイロン6,
6、ポリエチレンテレフタレート、木綿、レーヨン、ポ
リアクリロニトリル、ポリフッ化エチレン、ポリプロピ
レン、ポリフッ化ビニリデン等が利用できる。
【0025】経糸、緯糸の径は、それぞれ40〜150
デニールで、同一径であっても、異なった径であっても
良いが、同一径の方が平滑性の面から好ましい。また、
補強のために2.54cm幅当たり、1〜2本の割合で
経糸および/または緯糸に他より太めの糸を用いてもよ
い。同じく、不織布としては、スパンボンド法で製造さ
れた坪量が12〜80g/m2 の不織布が好ましく、こ
れらは帝人(株)よりスパンボンド#ユニセルの商品名
で販売されており、同じく、抗引裂性と耐熱カール防止
性を付与する。
【0026】画像記録受容層(II):前記支持体層
(I)の熱可塑性樹脂フィルムあるいは合成紙の表面上
に設けられる画像記録受容層(II)は、(a)脂肪族
ポリエステル系ウレタン樹脂バインダー30〜80重量
%、(b)シリカ粒子4〜40重量%および(c)硫酸
バリウム粒子6〜30重量%を含有する画像記録受容層
である。この画像記録受容層(II)は、ウレタン樹脂
マトリックスと、その膜中に分散したフィラー(多孔性
シリカ粉末および硫酸バリウム粒子)とからなるもので
ある。
【0027】(a)脂肪族ポリエステル系ウレタン樹
脂:脂肪族ポリエステル系ウレタン樹脂は、脂肪族多価
カルボン酸と脂肪族多価アルコール、必要により脂肪族
オキシ酸との重縮合物である脂肪族ポリエステルに、ポ
リイソシアネートを反応させて得られることにより製造
される。脂肪族多価カルボン酸としては、アジピン酸、
アゼライン酸、セバシン酸等の炭素数が3〜8の有機酸
が挙げられる。又、一部をテレフタル酸のような芳香族
多価塩基酸に置き代えてもよい。
【0028】脂肪族多価アルコールとしては、グリセリ
ン、1,2−プロピレングリコール、ジエチレングリコ
ール、1,3−ブチレングリコール、トリエチレングリ
コール、テトラエチレングリコール、重縮合度が5〜4
00のポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコ
ール等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上混
合して用いられる。中でもポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール等の高分子量のポリエーテルポ
リオールとグリセリン、1,2−プロピレングリコー
ル、ジエチレングリコール、1,3−ブチレングリコー
ル、トリエチレングエリコール、1,4−ブタンジオー
ル等の低分子量物との混合物が好ましい。脂肪族オキシ
酸としては、乳酸、クエン酸等が利用できる。
【0029】ポリイソシアネートとしては、イソホロン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メタフェニ
レンジイソシアネート、ヘキナフェニレンジイソシアネ
ート、トリフェニルメタントリイソシアネート等が挙げ
られる。これらの中でも、ポリエチレングリコールまた
はポリプロピレングリコールとアジピン酸とグリセリン
とを反応させて得られる脂肪族ポリエステル・ポリエー
テルポリオールに、イソホロンジイソシアネートを反応
させて得られるウレタン樹脂が好ましい。
【0030】又、ウレタン樹脂は、これら脂肪族ポリエ
ステル系ウレタン樹脂の末端のイソシアネート基に、更
に水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させて得られ
るアクリルウレタン樹脂であってもよい(特公昭53−
32386号公報、特公昭52−73985号公報)。
このアクリルウレタン樹脂のエチレン性結合を重合させ
ることによりウレタン結合によって架橋された(メタ)
アクリル酸エステル重合体が得られる。
【0031】上記(メタ)アクリル酸エステル重合体と
しては、エステルのアルコール部分に少なくとも1個
(好ましくは1個)の水酸基を有する(メタ)アクリル
酸エステルの単独重合又は共重合体である。このような
水酸基を含有する重合体としては、水酸基価が20〜2
00、好ましくは60〜130のものである。ここで水
酸基価とは、試料1gをアセチル化するとき、水酸基と
結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのm
g数によって表された値である。
【0032】このような重合体を与える水酸基を有する
(メタ)アクリル酸エステルは、少なくとも2個(好ま
しくは2個)の水酸基を有するアルコール化合物のモノ
エステルである。ここで「アルコール化合物」は典型的
なアルカノールの他に、ポリオキシアルキレングリコー
ル(アルキレンはC2 〜C3 程度)をも包含するもので
ある。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例
としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ジ
−ないしポリ−エチレングリコールモノ(メタ)アクリ
レート、グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどを挙
げることができる。
【0033】硬化後の塗工剤の硬度、強靱性、弾性のバ
ランス面からこの(メタ)アクリル酸エステル重合体は
共重合体の方が好ましい。上記のような(メタ)アクリ
ル酸エステルと共重合し得る単量体には各種のものがあ
って、合目的的な任意のものを使用することができる。
具体的には、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレー
ト、スチレン、ビニルトルエン、酢酸ビニルなどを挙げ
ることができる。該共重合体を水酸基含有(メタ)アク
リル酸エステルを共重合することによって製造する代わ
りに、水酸基に変換し得る基を持つ重合体を処理して水
酸基を持つに至らせることによって製造することもでき
る。重合は溶液重合によって行なうのが便利である。
【0034】バインダーであるウレタン樹脂の一部(5
〜40重量%)を、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、
酢酸ビニル・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、SBR等
の低融点樹脂に置き換えてもよい。特に、塩化ビニル・
酢酸ビニル共重合体は、耐候性、充填剤の分散性の面で
良好である。
【0035】(b)シリカ粒子(SiO2 シリカ粒子としては、平均粒径が0.03〜2μmのコ
ロイダルシリカ、平均粒子直径が2〜50μm、平均細
孔直径80〜500Å、細孔容積0.8〜2.5cc/
g程度の多孔性シリカ粒子が単独で、または併用して用
いられる。このものは色素吸収性に寄与する。(c)硫酸バリウム粒子 耐候性の向上、塗工層の光沢の向上の目的で配合される
硫酸バリウム粒子は、平均粒径が0.05〜1.2μ
m、好ましくは、0.1〜0.5μmのものが使用され
る。
【0036】(d)他の任意成分 必要により他の白色顔料、例えば酸化チタン、酸化亜
鉛、活性白土、カオリンクレー、炭酸カルシウム等を配
合してもよい。又、塗工液は、耐光性を高めるために紫
外線吸収剤及び/又は光安定剤を含有することができ
る。紫外線吸収剤としては、例えば、2−(2’−ヒド
ロキシ−3,3’−ジ−t−ブチルフェニル)−5−ク
ロロベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,
5−t−アミルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾー
ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’
−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、
2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−t−ブチルフェ
ニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ
−3’,5’−ジ−t−アミルフェニル)−ベンゾトリ
アゾールなどを挙げることができる。
【0037】光安定剤としては、例えば、ジステアリル
ペンタエリスリトールジフォスファイト、ビス(2,4
−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフ
ォスファイト、ジノニルフェニルペンタエリスリトール
ジフォスファイト、サイクリックネオペンタンテトライ
ルビス(オクタデシルフォスファイト)、トリス(ノニ
ルフェニル)フォスファイト、1−〔2−〔3−(3,
5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピ
オニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリ
ジンなどを挙げることができる。
【0038】これら紫外線吸収剤、光安定剤の添加量
は、画像受容層を構成するウレタン樹脂100重量部に
対して、それぞれ0.05〜10重量部、好ましくは
0.5〜3重量部である。熱転写シート(インクリボ
ン)と重ね合わせられて加熱された際の熱転写シートと
の離型性を向上せしめるために、画像受容層(II)中
に離型剤を含有せしめることができる。このような離型
剤としては、ポリエチレンワックス、アミドワックス、
ポリ四弗化エチレンパウダーなどの固形ワックス類、弗
素系、燐酸エステル系の界面活性剤、シリコーンオイル
などを挙げることができる。これらの中でもシリコーン
オイルを用いることが好ましい。該シリコーンオイルと
しては、油状のものも用いることができるが、硬化型の
ものを用いることが望ましい。また、ウレタン樹脂を溶
解するためにはトルエンやメチルエチルケトン、酢酸エ
チル、イソプロピルアルコール、ブタノール等の有機溶
剤を配合することもある。
【0039】画像受容層(II)組成:画像受容層は、
(a)バインダーとしての脂肪族ポリエステル系ウレタ
ン樹脂を30〜80重量%、好ましくは45〜65重量
%、(b)シリカ粒子を14〜40重量%、好ましくは
25〜50重量%、(c)硫酸バリウム粒子を6〜30
重量%、好ましくは15〜25重量%、を含有する。画
像受容層(II)中、脂肪族ポリエステル系ウレタン樹
脂(a)が30重量%未満では、耐擦過性、耐水性の良
好な溶融転写方式に用いられる熱転写記録用画像受容シ
ートを得ることができない。又、80重量%を越えては
印字性の良好な溶融熱転写記録用画像受容シートを得る
ことができない。
【0040】又、画像受容層(II)中、シリカ粒子
(b)が14重量%未満では、塗工層表面に微細な空隙
を多数形成することができず、溶融インクの投錨効果が
発揮されないためインクの転写性が低下する。また、4
0重量%を越えては、相対的にバインダーの配合量が少
なくなるため塗工層と支持体(I)との密着力が低下し
耐擦過性が悪化する。更に画像受容層(II)中、硫酸
バリウム粒子(c)の含量が6重量%未満では、印字画
像の耐候性、光沢の向上、インクリボンの剥離性の改良
効果が望めない。逆に30重量%を越えては、上記と同
様、印字の耐擦過性が悪化する。シリカ粒子(b)と硫
酸バリウム粒子(c)との混合比は、1/0.2〜1/
1(重量比)が好ましい。
【0041】塗工 支持体(I)上への熱転写受容層形成用塗工液の塗工
は、一般にグラビアロール方式、ソイヤーバー方式、ダ
イコーター方式などの手段により塗布し、使用した溶媒
が揮発或いは蒸発するような温度で乾燥することによっ
て行なわれる。具体的には、例えば、前記ローラーによ
り塗工する場合は、溶剤に溶かした塗工液を貯蔵する貯
槽液中に一部分を浸漬したロールと接触させて回転する
ロールによって支持体(I)に塗布することによって行
なわれる。塗布量としては、乾燥後の固形分量で一般に
0.5〜10g/m2 、好ましくは1〜3g/m2 の範
囲の量である。必要により乾燥した塗工層の表面にスー
パーカレンダー処理を行って塗工層(画像記録受容層)
を平滑にすることができる。
【0042】熱転写シート 上記熱転写受容層(II)に転写インキを転写して画像
を形成するために用いられる溶融熱転写シート(インク
リボン)としては、種々のものを用いることができる。
具体的には、バインダ成分、着色成分などを主成分と
し、必要に応じて、柔軟剤、可塑剤、融点調節剤、平滑
化剤、分散剤などを添加剤成分として構成された組成物
を、ポリエステルフィルムなどよりなる基材層上に積層
してなるものである。
【0043】上記主成分の具体例としては、バインダー
成分にパラフィンワックス、カルナウバワックス、エス
テルワックスなどの周知のワックス類や低融点の各種高
分子類が有用であり、着色成分にカーボンブラックや各
種の有機、無機顔料ないしは染料が有用である。応用 熱転写画像受容シートを、航空タッグ、バーコードラベ
ル、ドラム缶用ラベル等の感圧粘着ラベルとして用いる
場合は、支持体(II)の裏面に感圧粘着剤を塗布し、
これを離型紙で被覆する。
【0044】上記感圧性粘着剤としては、ポリイソブチ
レンゴム、ブチルゴム、これらの混合物をベンゼン、ト
ルエン、キシレン、ヘキサンのような有機溶剤に溶解し
たゴム系粘着剤、あるいはこれらゴム系粘着剤にアビエ
チレン酸ロジンエステル、テルペン・フェノール共重合
体、テルペン・インデン共重合体などの粘着付与剤を配
合したもの、あるいは2−エチルヘキシルアクリレート
・アクリル酸n−ブチル共重合体、2−エチルヘキシル
アクリレート・アクリル酸エチル・メタクリル酸メチル
共重合体などのガラス転移点が−20℃以下のアクリル
系共重合体を有機溶剤で溶解したアクリル系粘着剤など
を挙げることができる。
【0045】該感圧性粘着剤の塗工量としては、固形分
量で3〜40g/m2 、好ましくは10〜30g/m2
である。上記塗工・乾燥後の感圧性粘着剤の肉厚は、ア
クリル系粘着剤の場合で10〜50μm、ゴム系粘着剤
の場合で10〜50μmとするのが一般的である。上記
感圧性粘着剤を支持体(I)上に塗工する前に、アンカ
ーコート剤を塗布してもよい。かかるアンカーコート剤
としては、ポリウレタン、ポリイソシアネート・ポリエ
ーテルポリオール、ポリイソシアネート・ポリエステル
ポリオール、ポリエチレンイミン、アルキルチタネート
などが使用でき、これらは一般に、メタノール、水、酢
酸エチル、トルエン、ヘキサンなどの有機溶剤に溶解し
て使用する。
【0046】基体へのアンカーコート剤の塗布量は、塗
布・乾燥後の固形分量で0.01〜5g/m2 、好まし
くは0.05〜2g/m2 の範囲である。離型紙 離型紙としては、シリコン油をコーティングしたパルプ
紙、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレ
ートフィルム等が利用できる。ドラム缶用ラベル 得意先より受注を受けた後、パーソナルコンピューター
に注文を入力し、ラベルプリンタを用いてドラム缶用ラ
ベルの画像受容層(II)に予じめ、品名、バーコー
ド、ロット番号、製造元等をプリントし、このプリント
されたラベルより離型紙を引き剥し、ドラム缶に貼着
し、スキャニングでバーコードを読み取り、在庫、出荷
の管理に用い、注文日に合せてドラム缶を出荷する。ラ
ベルは耐水性、耐候性、耐薬品性に優れ、かつ、印字の
耐擦過性に優れるので、ラベル印字の判別が容易であ
る。
【0047】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。延伸樹脂フィルムの製造例 (例 1) (1)メルトフローレート(MFR)が0.8g/10
分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重
量%に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.
5μmの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物
(A)を270℃の温度に設定した押出機にて混練した
後、シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却し
て、無延伸シートを得た。
【0048】そして、このシートを150℃の温度にま
で再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍縦延
伸フィルムを得た。 (2)MFRが4g/10分のポリプロピレン(融点約
164〜167℃)54重量%と、平均粒径1.5μm
の炭酸カルシウム46重量%とを混合した組成物(B)
を別の押出機にて210℃で混練させた後、これをダイ
によりシート状に押し出し、これを上記(1)の工程で
得られた5倍縦延伸フィルムの両面に積層し、三層構造
の積層フィルムを得た。次いで、この三層構造の積層フ
ィルムを60℃の温度にまで冷却した後、再び約155
℃の温度にまで加熱してテンターを用いて横方向に7.
5倍延伸し、165℃の温度でアニーリング処理し、6
0℃の温度にまで冷却し、耳部をスリットして三層構造
(一軸延伸/二軸延伸/一軸延伸)の肉厚80μm(B
/A/B=10μm/60μm/10μm)の積層フィ
ルムで、不透明度87%、空孔率31%、密度0.79
g/cm3 、クラーク剛度(S値)が縦方向13、横方
向23の延伸樹脂フィルムを得た。
【0049】(例 2) (1)メルトフローレート(MFR)が1g/10分の
ポリプロピレン(融点約164〜167℃)81重量%
に、高密度ポリエチレン3重量%及び平均粒径1.5μ
mの炭酸カルシウム16重量%を混合した組成物(A)
を270℃の温度に設定した押出機にて混練した後、シ
ート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無延
伸シートを得た。そして、このシートを140℃の温度
にまで再度加熱した後、縦方向5倍の延伸を行って5倍
縦延伸フィルムを得た。
【0050】(2)MFRが4.0g/10分のポリプ
ロピレン(融点約164〜167℃)84重量%と、平
均粒径1.5μmの炭酸カルシウム16重量%とを混合
した組成物(B)を別の押出機にて混練した後、これを
ダイによりシート状に押し出し、これを上記(1)の工
程で得られた5倍縦延伸フィルムの片面に積層し、一
方、MFRが4g/10分のポリプロピレン54重量%
と、炭酸カルシウム46重量%を混合した組成物(C)
を別の押出機で混練後、これをダイよりシート状に押し
出し、これを5倍縦延伸フィルムの反対面に積層し、三
層構造の積層フィルムを得た。
【0051】次いで、この三層構造の積層フィルムを6
0℃の温度にまで冷却した後、再び約160℃の温度に
まで加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸
し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の
温度にまで冷却し、耳部をスリットして、密度が0.7
7g/cm3 、不透明度94%の三層構造(一軸延伸/
二軸延伸/一軸延伸)の肉厚80μm(B/A/C=1
5μm/50μm/15μm)、の延伸樹脂フィルムを
得た。また、各層の空孔率は(B/A/C=16%/3
3.7%/30%)であった。
【0052】(例 3) (1)メルトフローレート(MFR)が4.0g/10
分のポリプロピレン(融点約164〜167℃)55重
量%に、高密度ポリエチレン25重量%及び平均粒径
1.5μmの炭酸カルシウム20重量%を混合した組成
物を270℃の温度に設定した押出機にて混練した後、
シート状に押し出し、更に冷却装置により冷却して、無
延伸シートを得た。そして、このシートを150℃の温
度にまで再度加熱させた後、縦方向5倍の延伸を行って
5倍縦延伸フィルムを得た。 (2)次いで、このフィルムを再び155℃の温度にま
で加熱して、テンターを用いて横方向に7.5倍延伸
し、165℃の温度でアニーリング処理して、60℃の
温度にまで冷却し、耳部をスリットして密度が0.88
g/cm3 、不透明度86%、クラーク剛度(縦方向)
8、横方向9の肉厚45μm、空孔率37%の二軸延伸
フィルムよりなる微多孔性延伸樹脂フィルムを得た。
【0053】(例 4)例1で得た複層延伸樹脂フィル
ムの片面に東洋モートン(株)のポリウレタン系アンカ
ーコート剤「BLS−2080A」と「BLS−208
0B」の混合物85重量部に、酸化チタン15重量部を
混合した接着剤を4g/m2 (固型分の割合)で塗布
し、ついで東レ(株)の平織りの織布「ポンジー#65
75」(商品名;経糸の径75デニール、緯糸の径75
デニール、織り込み数254cm当たり、経糸90本、
緯糸85本、坪量71g/m2 、白色度90%、不透明
度80%)を圧着ロールを用いて貼着し、平織織布/隠
蔽層/延伸樹脂フィルムからなる支持体(I)を得た。
このものの肉厚は126μm、不透明度は100%であ
った。
【0054】(例 5)王子油化合成紙(株)の微多孔
性ポリプロピレン系合成紙“ユポ KPK−80”(商
品名;肉厚80μm、密度0.91g/cm3 、空孔率
11%)を用いた。 (実施例1〜5)例1〜5で得た支持体(I)の延伸樹
脂フィルム側に、下記の方法で調製した画像受容層用塗
工液を下記に示す塗工方法により塗布し、乾燥した後、
スーパーカレンダーで平滑処理を行って熱転写記録用画
像シートを得た。
【0055】 感熱記録塗液の調製方法 A液の調製 ・アジピン酸とポリプロピレングリコールとを反応させて得られた脂肪族ポリ エステル・ポリエーテルポリオール 30部 ・ブタノール 40部 ・酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体ラテックス 20部 (固型分35重量%) 上記各素材を混合して、サンドミルにて粉砕した。
【0056】 B液(硬化剤)の調製 ・イソホロンジイソシアネートとグリセリンとを反応させて得られたウレタン プレポリマー 9部 ・メチルエチルケトン 8部 ・トルエン 10部 上記素材を混合しサンドミルにて粉砕した。
【0057】 塗液調製 A液90部、B液27部、酸化珪素顔料(ミズカルシル
P−527;商品名、平均粒子径:1.6μm、吸油
量:180cc/100g、水澤化学社製沈降性シリ
カ)30部、硫酸バリウム(B−32;商品名、平均粒
子径0.3μm、堺化学工業社製)15部、10%ポリ
ビニルアルコール水溶液50部、及び水10部を混合、
攪拌し塗工液とした。
【0058】塗工方法 ポリエチレンイミン系のアンカーコート剤とブロッキン
グ防止のためのシリカを混合した水系コート液を支持体
(I)の延伸樹脂フィルム側に塗布することによってア
ンカーコート層を設けた後、上記のように調製した画像
記録層用の塗液を乾燥後の塗布量が1g/m2 となるよ
うに塗布して乾燥させ、更に、スーパーカレンダー掛け
して溶融熱転写画像受容シートを得た。
【0059】評価 上記溶融熱転写記録用画像受容シートを以下のように評
価した。 (1) 溶融熱転写印字性 熱転写画像受容シートの片面に、東京電気(株)製印字
装置「バーコードプリンター B−30−S5」と
(株)リコーの熱溶融型インキリボン「ワックス型B1
10A」又は「樹脂型B110C」(商品名)を用い、
23℃、50%相対湿度の恒温室と、35℃、相対湿度
85%の恒温室でバーコードの印字を行なった。
【0060】〔印字評価〕印字の外観を目視で次のよう
に評価分けした。 5:良好・・・鮮明な画像が得られる。 4:可 ・・・文字にかすれ等が見られるが、実用レベ
ルは維持している。 3:不可・・・バーコード印字等に線切れが生じる。 2:不可・・・印字文字の読み取りが困難。 1:不可・・・ほぼインキが転写しない。
【0061】〔インキ転写性〕T&K TOKAのUV
インキ「L−カートン墨」(商品名)を用い、RI転色
機で転色(1.5g/m2 の量)させた後、UV照射機
で乾燥させ、目視で転写性を評価して次のように評価分
けした。 ○:均一に高濃度で転写しているものを良好とした。 △:均一に転写しているが、濃度が普通のものを可とし
た。 ×:均一に転写されず、かすれがあるものを不良とし
た。
【0062】〔耐擦過性評価〕スガ試験機(株)製摩擦
試験機“FR−2”(商品名)の摩擦子摺動面に白綿布
を当て、固定する。台上に印字された画像受容シートの
印字面上に摩擦子摺動面が当たるようにのせ、さらに5
00gの錘で荷重し、ついで500回擦った後の印字の
汚れ、白綿布の汚れを次の基準で評価した。 ○:印字、白綿布共、ほとんど変化なし。 △:白綿布が汚れる。 ×:印字、白綿布共、汚れる。
【0063】〔耐薬品性〕印字したサンプルをケロシン
に1時間浸漬して画像の変化を観察した。 ○:浸漬前後で画像に変化無し △:画像の一部が滲んだ ×:画像の一部が消滅した
【0064】〔耐候性〕天暴試験を一か月間実施し、画
像の変化を観察した。 ○:天暴試験前後で画像に変化無し △:画像が退色し、やや薄くなった ×:画像の退色が著しく、薄くなった 得られた結果を表1に示す。
【0065】(実施例6)実施例1において、画像受容
層の塗工量を3.0g/m2 (固型分)となるように変
えた他は同様にして熱転写画像受容シートを得た。得ら
れた熱転写像受容シートを同様に評価した。得られた結
果を表1に示す。 (比較例1〜6、実施例7〜10)実施例1において、
画像記録受容層の組成を表1又は表2に示す組成のもの
に代える他は同様にして熱転写画像受容シートを得た。
評価結果を表1または表2に示す。
【0066】
【表1】
【0067】
【表2】
【0068】〔表1および表2の注釈〕 * 実施例7の塗工剤は次の製造法により得た。2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート15部、メチルメタクリ
レート50部、エチルアクリレート35部及びトルエン
100部を、攪拌機、還流冷却管及び温度計を装着した
三ッ口フラスコに仕込み、窒素置換後、2,2’−アゾ
ビスイソブチロニトリル0.6部を開始剤として80℃
で4時間重合させた。得られた溶液は、水酸基価65の
水酸基含有メタクリル酸エステル重合体の50%トルエ
ン溶液であった。
【0069】次いで、これにヘキサメチレンジイソシア
ネート・ブタンジオール・ポリエチレングリコール縮合
ウレタンプレポリマーの75%酢酸エチル溶液20部、
平均粒径1.6μmの沈降性シリカおよび硫酸バリウム
粉末を固形分比で表1の割合で配合し、酢酸ブチルで固
形分40%に調製した。 ** 脂肪族ポリエステル樹脂 東洋紡績(株)のバイロン200(商品名) *** 中央理化(株)製品
【0070】
【発明の効果】印字性、防水性、耐候性、耐薬品性、耐
擦過性に優れた溶融熱転写記録用画像受容シートを提供
することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像受容シート上に印字を施こす昇華転写方式
の熱転写記録方法を示す断面図である。
【図2】画像受容シート上に印字を施こす溶融転写方式
の熱転写記録方法を示す断面図である。
【符号の説明】
1 熱転写インクリボン 2 画像受容シート 3 サーマルヘッド等の熱源 4 基体 5 熱溶融性インク 5’ 転写されたインク 6 熱転写画像受容層 7 支持体 8 プラテンロール

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂フィルムよりなる支持体
    (I)の表面に、(a)脂肪族ポリエステル系ウレタン
    樹脂バインダー30〜80重量%、(b)シリカ粒子1
    4〜40重量%および(c)硫酸バリウム粒子6〜30
    重量%を含有する画像記録受容層(II)を設けた構造
    の熱転写画像受容シート。
  2. 【請求項2】 シリカ粒子と硫酸バリウム粒子との混合
    比が1/0.2〜1/1である請求項1記載の熱転写画
    像受容シート。
  3. 【請求項3】 脂肪族ポリエステル系ウレタン樹脂バイ
    ンダーが、アジピン酸とポリプロピレングリコールとを
    反応させたポリエステル・ポリエーテルポリオールにポ
    リイソシアネートを反応させて得た脂肪族ポリエステル
    ・ポリエーテル系ウレタン樹脂である請求項1記載の熱
    転写画像受容シート。
  4. 【請求項4】 画像記録受容層が、更に、塩化ビニル・
    酢酸ビニル共重合体バインダーを樹脂バインダー中の5
    〜40重量%の割合で含有することを特徴とする請求項
    1に記載の熱転写画像受容シート。
  5. 【請求項5】 脂肪族ポリエステル系ウレタン樹脂バイ
    ンダーが、脂肪族カルボン酸に多価アルコールを反応さ
    せて得たポリエステルにポリイソシアネートを反応させ
    て得たウレタン樹脂に、更に水酸基を有するアクリレー
    トを反応させて得たアクリルウレタン樹脂である請求項
    1または4記載の熱転写画像受容シート。
  6. 【請求項6】 支持体(I)が、無機微細粉末を含有す
    るポリオレフィンフィルムの延伸物よりなる不透明度が
    85%以上の微多孔性合成紙である請求項1または4記
    載の熱転写画像受容シート。
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