JP2000229482A - 印画紙 - Google Patents

印画紙

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JP2000229482A
JP2000229482A JP11033260A JP3326099A JP2000229482A JP 2000229482 A JP2000229482 A JP 2000229482A JP 11033260 A JP11033260 A JP 11033260A JP 3326099 A JP3326099 A JP 3326099A JP 2000229482 A JP2000229482 A JP 2000229482A
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dye
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modified silicone
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Akihiro Horii
明弘 堀井
Tetsuo Koseki
鉄夫 古積
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Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 染料受容層塗工時の成膜性に優れ、さらに、
品位に優れた画像を形成することができる。 【解決手段】 基材と、上記基材上に形成された染料受
容層とを備え、上記染料受容層は、加熱により溶融又は
昇華せしめられて染料転写体から移行してくる染料を受
容するものであり、当該染料受容層は、OH基当量が1
500[g/mol]以上、3000[g/mol]以
下の範囲であるアルコール変性シリコーンオイルを含有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱転写方式によっ
て画像が形成される印画紙に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、昇華性分散染料を含有する染料層
を備えたインクリボンを、画像信号に応じてサーマルヘ
ッド等により加熱せしめ、昇華又は溶融した染料を樹脂
塗工紙の表面に移行させて画像を形成する熱転写方式が
行われている。
【0003】このような熱転写方式に用いられる印画紙
10は、図2に示すように、シート状の基材11と、基
材11上に形成された染料受容層12とからなる2層構
造とされている。そして、この染料受容層12は、イン
クリボンの染料層から移行する染料、例えば昇華性の分
散染料の画像を受容し、形成された画像を維持するため
の層である。
【0004】ところで、印画紙には、近年の高速化プリ
ンタに対応できるように、高感度で染色性が高く、高濃
度で光沢のある鮮明な画像を形成でき、更に、画像の保
存安定性が良いといった性質が要求されている。すなわ
ち、耐皮脂性、耐可塑剤性、耐光性及び耐暗退色性等に
優れた印画紙が要求されている。
【0005】ここで、耐皮脂性としては、具体的に、
手、指等の人体の一部が画像に接触した場合に、画像を
形成する染料が凝集や退色を起こさないことが求められ
る。また、耐可塑剤性としては、具体的に、可塑剤を含
むプラスチック消しゴム又はその消しくずに画像が接触
した場合に、画像を形成する染料が凝集や退色を起こさ
ないことが求められる。また、耐光性としては、光に暴
露した場合に、画像の退色や変色が起こらないことが求
められる。
【0006】上述したような各特性の要求に応えるため
に、印画紙の構成に対して種々の提案がなされている。
例えば、上述したような特性の要求に対しては、多くの
場合、染料受容層中に含有される樹脂成分の構造や組成
等を検討することで、特性改善が行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、樹脂成
分の構造や組成等を検討するだけでは、上述したような
特性を改善することはできても、染料受容層塗工時の成
膜性に問題があり、成膜性が悪いことに起因する印画品
位の低下の問題を来している。
【0008】具体的には、染料受容層は、一般的に、樹
脂成分と各種添加剤とを有機溶剤に溶解した塗料を、塗
工機で基材シート上に塗布し、さらにドライヤーで乾燥
することにより形成されている。そして、多くの場合、
染料受容層を塗工する工程で、塗料のハジキ等の塗料欠
陥が発生し、問題となっている。
【0009】染料受容層の塗工時に塗料のハジキが発生
すると染料受容層表面に凹凸が形成され、印画時の印画
ムラの原因となってしまう。さらに、製造での歩留まり
低下にもなることから、染料受容層の塗工時のハジキの
改善が望まれている。
【0010】ところで、染料受容層には、インクリボン
との融着を防止して優れた搬送性を付与することを目的
に、シリコーンオイル等の離型剤を添加している。
【0011】さらに、イエロー→マゼンタ→シアンの複
数回印画に耐えられるようにすることを目的に、染料受
容層にイソシアネート系硬化剤を添加し、当該イソシア
ネート系硬化剤とシリコーンオイルとを反応させて、シ
リコーンオイルを染料受容層に保持固定化させること
で、印画時のインクリボン側へのシリコーンオイルの転
写を防止する方法が提案されている。
【0012】このようなイソシアネート系硬化剤との反
応性を有するシリコーンオイルとしては、離型性と耐光
性などの保存安定性に優れるアルコール変性シリコーン
オイルが好ましく用いられているが、従来用いられてい
るアルコール変性シリコーンオイルでは、染料受容層塗
工時のハジキを悪化させるものが多く、改善が望まれて
いる。
【0013】本発明は、上述したような従来の実情に鑑
みて提案されたものであり、染料受容層塗工時の成膜性
に優れ、さらに、品位に優れた画像を形成することので
きる印画紙を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の印画紙は、基材
と、上記基材上に形成された染料受容層とを備え、上記
染料受容層は、加熱により溶融又は昇華せしめられて染
料転写体から移行してくる染料を受容するものであり、
当該染料受容層は、OH基当量が1500[g/mo
l]以上、3000[g/mol]以下の範囲であるア
ルコール変性シリコーンオイルを含有することを特徴と
する。
【0015】上述したような本発明に係る印画紙は、染
料受容層に、OH基当量が1500[g/mol]以
上、3000[g/mol]以下の範囲であるアルコー
ル変性シリコーンオイルを含有しているので、染料受容
層を塗工する際のハジキが防止されるとともに、保存安
定性に優れた画像が形成される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【0017】図1に、本実施の形態に係る印画紙の一構
成例を示す。この印画紙1は、いわゆる熱転写方式によ
り画像を形成するもので、フィルム状の基材2と、基材
2上に形成された染料受容層3とを備える。
【0018】基材2としては、合成紙、天然紙、ポリエ
チレンテレフタレート等の合成樹脂フィルム紙や、合成
紙とセルロース繊維紙又はプラスチックフィルムとの積
層体、更には、セルロース繊維紙とプラスチックフィル
ムとの積層体の片面又は両面に合成紙を積層したもの等
が用いられる。基材2の厚さは50μm〜250μm程
度が好ましい。
【0019】上記合成紙としては、通常の被熱転写シー
トに用いられているものが使用可能であるが、特に、微
細空孔を含有する紙状層を有する合成紙が望ましい。微
細空孔を含有する紙状層を有する合成紙として具体的に
は、例えば王子油化合成紙製、商品名ユポ等が挙げられ
る。
【0020】また、セルロース繊維紙としては、上質
紙、アート紙、コート紙、壁紙、裏打用紙、合成樹脂又
はエマルジョン含浸紙、合成ゴムラテックス含浸紙、合
成樹脂内添紙、板紙等が挙げられる。更に、セルロース
繊維紙にポリオレフィン等をエクストルージョンラミネ
ートしたものと合成紙との積層体も用いることもでき
る。
【0021】また、プラスチックフィルムとしては、ポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタ
レート、ポリスチレン、ポリメタクリレート、ポリカー
ボネート等のフィルムが挙げられる。
【0022】染料受容層3は、樹脂成分と、アルコール
変性シリコーンオイルと、イソシアネート系硬化剤とを
含有している。そして、この染料受容層3では、アルコ
ール変性シリコーンオイルのOH基当量が1500[g
/mol]以上、3000[g/mol]以下の範囲と
されている。ここで、OH基当量が1500[g/mo
l]とは、シリコーンオイルの分子量1500相当分に
対して1個のOH基が存在していることをいう。
【0023】染料受容層3に、OH基当量が1500
[g/mol]以上、3000[g/mol]以下の範
囲であるアルコール変性シリコーンオイルを含有させる
ことによって、当該染料受容層3を塗工する工程におけ
る、塗料のハジキを防止して塗工欠陥を無くすととも
に、保存安定性に優れ、品位に優れた画像を形成するこ
とができる。
【0024】染料受容層3に含有されるアルコール変性
シリコーンオイルのOH基当量が3000[g/mo
l]を超える場合には、イソシアネート硬化剤と反応で
きるOH基が不足してしまうことから、アルコール変性
シリコーンオイルの染料受容層3への保持力が低下して
しまい、印画時にインクリボンとの融着を起こしやすく
なる。また、OH基当量が1500[g/mol]未満
の場合には、樹脂成分に対するアルコール変性シリコー
ンオイルの親和性が低下することから染料受容層塗工時
にハジキが発生しやすくなると考えられる。
【0025】従って、アルコール変性シリコーンオイル
のOH基当量を1500[g/mol]以上、3000
[g/mol]以下の範囲とすることで、染料受容層3
を塗工する工程でのハジキの発生を防止することができ
るとともに、保存安定性に優れた画像を形成することが
できる。
【0026】このようなアルコール変性シリコーンオイ
ルとしては、アルコール変性される部位に応じて側鎖変
性型、両末端変性型、片末端変性型、側鎖両末端変性型
のものが挙げられる。
【0027】そして、染料受容層3中のアルコール変性
シリコーンオイルの含有量は、樹脂成分100重量部に
対して1.0重量部〜10.0重量部が好ましく、より
好ましい含有量は、樹脂成分100重量部に対して2.
0重量部〜5.0重量部である。樹脂成分100重量部
に対するアルコール変性シリコーンオイルの含有量が
1.0重量部未満では、離型効果が得られなくなりイン
クリボンとの融着を起こしやすくなる。逆に10.0重
量部を越える場合は、染料受容層3中のアルコール変性
シリコーンオイルの量が過剰となり、染料受容層3が可
塑化して融着を起こしやすくなり好ましくない。
【0028】イソシアネート系硬化剤としては、ポリイ
ソシアネート単量体、プレポリマー、イソシアネート変
性ポリマー等が使用される。具体的には、トルエンジイ
ソシアネート(TDI)系、ジフェニルメタンジイソシ
アネート(MDI)系、キシリレンジイソシアネート
(XDI)系、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)系、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)
系、HDI系等のポリイソシアネート系硬化剤が挙げら
れる。
【0029】上記イソシアネート系硬化剤の含有量は特
に限定されるものではないが、染料受容層3中の樹脂成
分100重量部に対して1.0重量部〜8.0重量部が
好ましく、より好ましい含有量は樹脂成分100重量部
に対して2.0重量部〜6.0重量部である。
【0030】樹脂成分としては、熱可塑性樹脂、熱硬化
性樹脂、紫外線硬化樹脂等が使用できる。具体的には、
例えばポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
酢酸ビニル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポ
リ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン樹脂、スチレンアクリ
レート樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、セルロース
樹脂、その他上記の共重合体等が挙げられる。その中で
も特に、セルロースアセテートブチレート樹脂を用いる
ことが好ましい。また、上述したような樹脂は、1種類
を単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いて
もよい。
【0031】なお、上述したような染料受容層3には、
当該染料受容層3の白色度を向上させるため、酸化チタ
ン、炭酸カルシウム、酸化亜鉛等の無機顔料や蛍光増白
剤を添加することができる。
【0032】また、染料受容層3には、印画濃度及び画
像保存性を向上させる目的で各種可塑剤を添加すること
ができる。可塑剤としては例えば、ジメチルフタレー
ト、ジエチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジオ
クチルアジペート等の液体系可塑剤、トリフェニルフォ
スフェート、ジシクロヘキシルフタレート等の固体系可
塑剤を任意に用いることができる。
【0033】さらに、染料受容層3には、プリンタ内で
の走行時に静電気が発生することを防止するために、帯
電防止剤を使用することができる。帯電防止剤として
は、例えば、第4級アンモニウム塩やポリアミン誘導体
等の陽イオン型界面活性剤、アルキルベンゼンスルホネ
ートやアルキル硫酸エステルナトリウム等の陰イオン型
界面活性剤、両性イオン型界面活性剤、又は非イオン型
界面活性剤等の各種界面活性剤を使用することができ
る。これらの帯電防止剤は、染料受容層3中に添加して
もよいし、染料受容層3の表面にコーティングしてもよ
い。
【0034】上述したような各種添加剤の他、染料受容
層3には、保存性を向上させるため紫外線吸収剤や酸化
防止剤を適宜配合することができる。例えば、紫外線吸
収剤には、ベンゾフェノン系、ジフェニルアクリレート
系、ベンゾトリアゾール系の紫外線吸収剤を用いること
ができる。また、酸化防止剤には、フェノール系、有機
硫黄系、ホスファイト系、リン酸系等の酸化防止剤を用
いることができる。
【0035】そして、上述したような印画紙1は、例え
ば熱により溶融又は昇華して移行する染料を含有する染
料層と熱により転写するラミネート層とを有するインク
リボンと組み合わせて使用される。
【0036】すなわち、この印画紙1を用いて印画を行
う際には、まず、インクリボンを画像信号に応じてサー
マルヘッド等により加熱して、染料を昇華又は溶融せし
める。そして、昇華又は溶融した染料をインクリボンか
ら印画紙1へと移行させ、当該染料を染料受容層3に受
容させることにより画像が形成される。
【0037】
【実施例】OH基当量の異なるアルコール変性シリコー
ンオイルを用いて印画紙を作製し、本発明の効果を調べ
た。
【0038】〈実施例1〉まず、染料受容層用塗料を調
製した。
【0039】まず、樹脂成分としてセルロースアセテー
トブチレート樹脂を100重量部と、可塑剤としてジオ
クチルフタレートを20重量部とを、メチルエチルケト
ンを400重量部とトルエンを400重量部とからなる
溶剤に混合し、ディゾルバーにて1時間撹拌した。撹拌
後、混合物を50μm口径のフィルターを通すことによ
り染料受容層組成物を得た。ここで、上記セルロースア
セテートブチレート樹脂には、イーストマン・ケミカル
社製の商品名「CAB−551−0.01」を用いた。
【0040】次に、以上のようにして得られた染料受容
層組成物に、アルコール変性シリコーンオイルを添加し
た。ここで、上記アルコール変性シリコーンオイルとし
ては、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製の商
品名「SF8428」を用い、その添加量を3.0重量
部とした。なお、上記「SF8428」のOH基当量は
1600g/molである。
【0041】最後に、染料受容層組成物にポリイソシア
ネート系硬化剤を3重量部添加することにより染料受容
層用塗料を得た。ここで、上記ポリイソシアネート系硬
化剤には、日本ポリウレタン(株)製の商品名「N−7
5」を用いた。
【0042】以上のようにして得られた染料受容層用塗
料を、厚さ150μmの合成紙上に塗布し、120℃で
2分間乾燥することにより厚さ7μmの染料受容層を形
成して印画紙を得た。ここで、上記合成紙には、王子油
化(株)製の商品名「YUPO FPG−150」を用
いた。
【0043】〈実施例2〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
002」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印
画紙を作製した。なお、上記「KF−6002」のOH
基当量は1600g/molである。
【0044】〈実施例3〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
003」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印
画紙を作製した。なお、上記「KF−6003」のOH
基当量は2800g/molである。
【0045】〈実施例4〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
003」を用いその添加量を10.0重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして印画紙を作製した。な
お、上記「KF−6003」のOH基当量は2800g
/molである。
【0046】〈実施例5〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
003」を用い、その添加量を1.0重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして印画紙を作製した。な
お、上記「KF−6003」のOH基当量は2800g
/molである。
【0047】〈実施例6〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
003」を用い、その添加量を0.5重量部としたこと
以外は、実施例1と同様にして印画紙を作製した。な
お、上記「KF−6003」のOH基当量は2800g
/molである。
【0048】〈実施例7〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
003」を用い、その添加量を15.0重量部としたこ
と以外は、実施例1と同様にして印画紙を作製した。な
お、上記「KF−6003」のOH基当量は2800g
/molである。
【0049】〈比較例1〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製の商品名「SF8427」を用いたこと以外は、実施
例1と同様にして印画紙を作製した。なお、上記「SF
8427」のOH基当量は1200g/molである。
【0050】〈比較例2〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、信越化学工業(株)製の商品名「KF−6
001」を用いたこと以外は、実施例1と同様にして印
画紙を作製した。なお、上記「KF−6001」のOH
基当量は900g/molである。
【0051】〈比較例3〉アルコール変性シリコーンオ
イルとして、東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)
製の商品名「BY16−004」を用いたこと以外は、
実施例1と同様にして印画紙を作製した。なお、上記
「BY16−004」のOH基当量は4000g/mo
lである。
【0052】以上のようにして作製された印画紙に対
し、以下に示すようにして染料受容層の成膜性及び高温
走行性の評価を行った。
【0053】(1)染料受容層の成膜性としては、作成
した印画紙の表面を目視にて観察した。
【0054】その結果、ハジキの発生が認められない場
合には○とし、ハジキの発生は見られるものの、印画に
は影響しない程度の場合には△とした。また、ハジキの
発生が認められ、印画に影響を与えるような場合には×
とした。
【0055】(2)高温走行性としては、作成した印画
紙において、昇華プリンタ(ソニー製、UP−D880
0)を使用し、イエロー、マゼンタ、シアンの各色素及
びラミネートフィルムからなるインクリボン(ソニー
製、UPC−8840)を用い、45℃、湿度50%の
条件下で黒ベタ連続印画を行い、走行性を目視にて観察
した。
【0056】その結果、印画紙とインクリボンとの融着
がなく問題なく走行した場合には○とした。また、印画
紙は走行するが、部分的にインクリボンとの融着が認め
られた場合には△とした。また、印画紙がインクリボン
と融着し、走行不能だった場合には×とした。
【0057】実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例3
の印画紙について、塗料塗工時のハジキの発生及び印画
時の印画紙の走行性の評価結果を表1に示す。
【0058】
【表1】
【0059】表1から、受容層にOH基当量が1500
[g/mol]以上、3000[g/mol]以下の範
囲であるアルコール変性シリコーンオイルを用いた実施
例1〜実施例5の印画紙では、染料受容層塗工する工程
でハジキの発生が無く、優れた成膜性を有していること
がわかる。さらに、実施例1〜実施例5の印画紙では、
走行時にインクリボンとの融着を起こすことがなく、走
行性にも優れていることがわかる。
【0060】一方、OH基当量が1500よりも小さい
アルコール変性シリコーンオイルを用いた比較例1及び
比較例2の印画紙では、染料受容層を塗工する工程でハ
ジキが発生し、成膜性が悪いことがわかる。また、OH
基当量が3000よりも大きいアルコール変性シリコー
ンオイルを用いた比較例3の印画紙では、走行時にイン
クリボンとの融着が発生し、走行性が悪いことがわか
る。
【0061】従って、OH基当量が1500[g/mo
l]以上、3000[g/mol]以下の範囲であるア
ルコール変性シリコーンオイルを用いることで、成膜
性、走行性に優れた印画紙を得ることができることがわ
かった。
【0062】しかし、OH基当量が1500[g/mo
l]以上、3000[g/mol]以下の範囲であって
も、アルコール変性シリコーンオイルの含有量が樹脂成
分100重量部に対して1.0重量部よりも少ない実施
例6の印画紙、又はアルコール変性シリコーンオイルの
含有量が樹脂成分100重量部に対して10.0重量部
よりも多い実施例7の印画紙では、走行性が劣化してし
まっていることがわかる。
【0063】従って、アルコール変性シリコーンオイル
の含有量を樹脂成分100重量部に対して1.0重量部
〜10.0重量部とすることで、成膜性、走行性に優れ
た印画紙を得ることができることがわかった。
【0064】
【発明の効果】本発明では、染料受容層中に、OH基当
量が1500[g/mol]以上、3000[g/mo
l]以下の範囲であるアルコール変性シリコーンオイル
を含有させることで、染料受容層塗工時の成膜性に優
れ、染料受容層が平滑で印画ムラのない優れた画像が形
成できる印画紙を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の印画紙の一構成例を示す断面図であ
る。
【図2】従来の印画紙の一構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 印画紙、 2 基材、 3 染料受容層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と、 上記基材上に形成された染料受容層とを備え、 上記染料受容層は、加熱により溶融又は昇華せしめられ
    て染料転写体から移行してくる染料を受容するものであ
    り、当該染料受容層は、OH基当量が1500[g/m
    ol]以上、3000[g/mol]以下の範囲である
    アルコール変性シリコーンオイルを含有することを特徴
    とする印画紙。
  2. 【請求項2】 上記染料受容層は樹脂成分を含有し、 当該染料受容層は、上記アルコール変性シリコーンオイ
    ルを、上記樹脂成分に対して1.0〜10.0[重量
    %]の範囲で含有していることを特徴とする請求項1記
    載の印画紙。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006289972A (ja) * 2005-03-18 2006-10-26 Dainippon Printing Co Ltd 熱転写受像シート
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