JP2001219270A - 導体溶接構造 - Google Patents

導体溶接構造

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JP2001219270A
JP2001219270A JP2000031889A JP2000031889A JP2001219270A JP 2001219270 A JP2001219270 A JP 2001219270A JP 2000031889 A JP2000031889 A JP 2000031889A JP 2000031889 A JP2000031889 A JP 2000031889A JP 2001219270 A JP2001219270 A JP 2001219270A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 板状導体に対する線材の挿入性が良く、しか
も両者を安定して接合できる導体溶接構造を得る。 【解決手段】 板状導体PCに対して被溶接材である線
材Lを挿入するU字状切欠部Uを形成し、このU字状切
欠部Uに挿入した線材Lを挿入地点近傍で板状導体PC
に溶接する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は線材と導体、例え
ば、車両搭載のスタータにおける吸引コイルと保持コイ
ルの巻線の先端部分をS端子を構成する板状導体に接合
する導体溶接構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、線材を板状導体に接合する方法と
して、例えば、図12に示すようにリアクタを構成する
コイルCの巻線の一端を板状導体PCに数ターン巻回し
た後に巻回部分を溶接する。または、図13に示すよう
に、ランプの電圧印加用の板状導体PCに形成したリー
ド接続用の孔部Hに線材(図示せず)を通した後に、線
材を板状導体PCに巻回し、更に、巻回部分を溶接す
る。
【0003】更に、スタータの一部を構成するS端子に
おける絶縁性のモールド材で一端が固定された導体に、
メインコイル(保持コイル、吸引コイル)の各巻線の一
端を固定する方法として、図14乃至図16に示すもの
がある。図14はモールド材Mにより固着されてS端子
TSを構成するブラケットBに接合された導体ピンP
に、スリーブSLより導出された各巻線C1,C2の一
端を数ターンに亘って巻回した後に、巻回部分を半田付
けして巻線C1,C2を導体ピンPに半田接合する。上
記例はピン状の導体に各巻線C1,C2を巻回して半田
付けを行ったものであるが、図15に示す接合方法は、
モールド材Mにより固着された板状導体PCの先端より
所定位置で左右方向から切り込みKを形成した後に、板
状導体PCに巻線C1,C2の先端部分を載置して、板
状導体PCを各切り込みKに沿って巻線C1,C2方向
に折り曲げ、畳み込んでかしめる。そして、かしめ部分
より巻線C1,C2の先端にかけて半田付けをして接合
する。
【0004】上記、例は板状導体PCの先端部分を巻線
C1,C2にかしめて巻線を板状導体PCに固定した
が、図16に示す例は、モールド材Mに固着された板状
導体PCに対し、一部U字状の切欠部Uを形成した板状
の絶縁物ISを垂直に立設し、前記切欠部U内に巻線C
の先端部分を載置した後に、巻線Cの先端部分を板状導
体PCに溶接Wする。
【0005】上記例は板状導体PCにU字状の切欠部U
を形成した板状の絶縁物ISを垂直に立設し、その切欠
部Uで巻線Cを固定した状態で溶接するようにしたが、
図17に示す例は、モールド材Mにより固着された板状
導体PCの先端を所定幅でL字状に折り曲げ、この折り
曲げ部分に立てに離隔してU字状の切欠部Uを2つ形成
し、この切欠部Uに各巻線C1,C2の先端部分を載置
した状態で、巻線C1,C2の先端を板状導体PCに半
田付けする。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の板状と線材との
接合は以上の方法で接合されたが、図12,14に示す
接合方法であると、線材の径が巻き付け対象である導体
の径に比べて大きい場合は、線材が導体に密着しにくい
ため、接続不良が発生したり、溶着部より線材が離れて
しまい断線が発生するという問題点があった。このよう
な接続不良や断線は、導体に複数の線材を巻き付ける場
合、特に、線材の径が導体の径より大きな場合に頻繁に
発生する。
【0007】また、図13に示すように板状導体に形成
した孔部に線材を挿入して双方を溶接した構造である
と、線材の径と孔部の径との差が小さくないと安定して
溶接ができないが、線材の径と孔部の径の差を小さくす
ると、線材の挿入が困難であり作業性が低下するという
問題点があった。また、銅製の板状導体に形成した孔部
に線材を挿入して溶接した構造では、銅、特に純銅を溶
融した際に発生するガスの影響により、大気が線材と板
状導体の溶着部に混入してブローホール(気泡)が発生
しやすくなり、接合強度が低くなるという問題点があっ
た。
【0008】また、図16に示すように導体に対して絶
縁物を配置し、この絶縁物に巻線の先端部分を載置した
後に、巻線の先端を導体に溶接する方法であると構造が
複雑化するという問題点があった。
【0009】また、図14,15,17に示すように線
材と導体とを半田付けにより接合する方法であると、半
田付け時に酸化膜除去用のフラックスによるガスが発生
するため作業環境を悪化するという問題点があった。ま
た、半田付けは、半田が冷えて固化するまで時間を考え
ると作業時間が長くかかり、作業性が悪く、更に半田付
けは接合部の温度が下がった後にクラックが発生し易
く、接合の信頼性が低いという問題点があった。また、
半田付け後、機器の洗浄にフロンを使用するため地球環
境に良くないという問題点があった。
【0010】この発明は、上記のような問題点を解消す
るためになされたもので、板状導体に対する線材の挿入
性が良く、しかも両者を安定して接合できる導体溶接構
造を得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明による導体溶接
構造は、板状導体に対して線材を挿入する挿入部を形成
し、この挿入部に挿入した前記線材を挿入部地点近傍で
前記板状導体に溶接するものである。
【0012】この発明による導体溶接構造は、挿入部
を、前記板状導体をバーリング加工により穴抜き加工し
たバーリング穴で構成したものである。
【0013】この発明による導体溶接構造は、挿入部
を、前記板状導体をU字状に切り欠けて形成したU字切
欠部としたものである。
【0014】この発明による導体溶接構造は、挿入部
を、前記板状導体をV字状に切り欠けて形成したV字状
切欠部としたものである。
【0015】この発明による導体溶接構造は、挿入部
を、前記板状導体をV字状に切り欠け、且つ、V字状の
挿入部の底部よりU字状に切り欠けて形成した複合切欠
部としたものである。
【0016】この発明による導体溶接構造における板状
導体は、挿入部左右の板材を挿入されている線材方向に
折り曲げてかしめるものである。
【0017】この発明による導体溶接構造における板状
導体は左右に前記挿入部の底部方向に向けて脆弱部を形
成し、この脆弱部を支点として挿入部左右の板材を、挿
入されている線材方向に水平に寄せてかしめるものであ
る。
【0018】この発明による導体溶接構造は、板状導体
の先端部分を被溶接材である線材の外周形状に合わせて
折り曲げ、その先端を前記板状導体にかしめて前記線材
の挿入部を形成するものである。
【0019】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、実施の形態
1に係る導体溶接構造を図1(a),(b)に従って説
明する。本実施の形態に係る板状導体PCは、プレス機
械による穴抜き加工時にバーリング加工により図1の
(a)に示す様に、穴の抜き打ち方向に向けて折り返し
部分をR形状とする返しQがバーリング穴BHを形成す
る孔部Hの周囲に形成される線材Lは、図1の(a)の
縦断面図である図1の(b)に示す様に板状導体PCの
背面より返しQに沿って孔部Hに挿入されたならば、ア
ーク溶接により線材Lを返し部Qに溶着させることによ
り線材Lと板状導体PCとが溶融して接合Wが行われ
る。
【0020】図1の(b)に示すように、線材Lを孔部
Hに挿入する際に、線材Lの先端はR形状の返し部Qの
内周面に沿って孔部Hを円滑に貫通するため、板状導体
PCへの線材Lの挿入性が向上する。また、孔部Hの周
囲に所定の高さの返しQが形成されているため、線材L
と孔部Hとのクリアランスが大きくても、返しQの内壁
面と線材Lとの間でも溶接が行われることで、溶接面積
を大きくとれ、安定した溶接Wが可能となる。
【0021】実施の形態2.実施の形態2に係る導体溶
接構造を図2に従って説明する。本実施の形態に係る板
状導体PCは、先端部より長手方向に所定の長さのU字
状切欠部Uを形成する。このU字状切欠部Uに線材Lの
先端部分を挿入し、U字状切欠部Uにおける線材挿入部
分近傍をアーク溶接等により溶融させて両者を接合Wす
る。この結果、U字状切欠部Uの底部の周囲形状と線材
Lの周囲形状が一致しているため、線材Lを板状導体P
Cに密着して接合できる。
【0022】実施の形態3.実施の形態3に係る導体溶
接構造を図3に従って説明する。本実施の形態に係る板
状導体PCは、先端部より長手方向に所定の長さでV字
状切欠部Vを形成する。このV字状切欠部Vに線材Lの
先端部分を挿入し、V字状切欠部Vにおける線材挿入部
分近傍をアーク溶接等により溶融させて両者を接合Wす
る。このように切欠部VをV字状に形成することで、挿
入口がU字に比べ広がるため、板状導体PCに対する線
材Lの挿入性が向上すると共に、線材Lの径によらず、
その側面の一部を切欠部Vの内側縁部に密着させること
ができるので、接触不良等を確実に防止できる。
【0023】実施の形態4.実施の形態4に係る導体溶
接構造を図4に従って説明する。本実施の形態に係る板
状導体PCは、先端部より所定の長さでV字状の切欠部
を形成し、このV字状切欠部の底部より所定の大きさで
U字状の切欠部を形成し、複合切欠部UVを形成する。
この複合切欠部UVに線材Lの先端部分を挿入し、U字
状切欠部における線材挿入部分近傍をアーク溶接等によ
り溶融して両者を接合Wする。このように、線材の挿入
口の切欠をV字とし、線材を板状導体PCに接触させる
切欠部をU字状とすることで、板状導体PCに対する線
材Lの挿入性が向上すると共に、U字状切欠部において
線材Lを板状導体PCに密着して接合Wできる。
【0024】実施の形態5.実施の形態5に係る導体溶
接構造を図5(a),(b)に従って説明する。本実施
の形態に係る板状導体PCは図5の(a)に示すように
先端部より所定の長さでU字状切欠部Uを形成すると共
に、このU字状切欠部Uを挟んだ左右の板状導体PC
1,PC2に、U字状切欠部Uの底部近傍より基端部に
向かって斜めに折り曲げ部BTを設定する。次に、線材
LをU字状切欠部Uの底部まで挿入したならば、図5の
(b)に示すように、U字状切欠部Uを挟んだ左右の板
状導体PC1,PC2を折り曲げ部BTに沿って線材L
の先端方向に向けて折り曲げ、板状導体PC1,PC2
で線材Lを挟み込んでかしめ、線材Lの挿入部分をアー
ク溶接等により溶融させて板状導体PC1,PC2に接
合する。このように線材Lの周囲は広く板状導体PC
1,PC2で挟持されているため、溶接用の電子ビーム
の狙い位置ずれ裕度が広くなり、溶接の安定性が向上す
る。また、複数の線材を安定して溶接することができ
る。
【0025】実施の形態6.実施の形態6に係る導体溶
接構造を図6に従って説明する。本実施の形態に係る板
状導体PCは先端部より所定の長さでU字状切欠部Uを
形成する。更に、板状導体PCの左右両端に、脆弱部K
となる切り込みを、U字状切欠部Uの底部方向に一定の
深さで刻む。線材Lの先端部分をU字状切欠部Uの底部
に密着した後に、U字状切欠部Uの両側の板状導体PC
1,PC2を切欠部Uの方向に所定の冶具で寄せるよう
に押圧すると、板状導体PC1,PC2は脆弱部Kで折
れ曲がり、線材Lを板状導体PC1,PC2でかしめ
る。このように板状導体PCの左右に切り込みを刻むこ
とで、この脆弱部Kはかしめの支点となるために、板状
導体PCの横幅が広い場合でも、低い荷重で線材Lのか
しめが可能となり、かしめ状態のバラツキが小さくなっ
て接合が安定する。また、かしめのための荷重を低くで
きることで、板状導体PCを支持するモールド材へのか
しめ時における機械的影響を低減できる。
【0026】実施の形態7.実施の形態7に係る導体溶
接構造を図7に従って説明する。本実施の形態に係る板
状導体PCは、先端部分をU字状に折り曲げ、この折り
曲げ部Uに線材Lを挿入した後に、板状導体PCの先端
部分をかしめる。このように線材Lの周囲は、広く板状
導体PCで挟持されているため、溶接用の電子ビームの
狙い位置ずれ裕度が広くなり、溶接の安定性が向上す
る。
【0027】実施の形態8.図9はスタータにおけるS
端子を構成するブラケット(アース電位)Bに、絶縁材
であるモールドMを介して接続、固着した板状導体PC
に対して長手方向に形成したV字状切欠部Vを示すもの
である。そして、このV字状切欠部Vにスタータを構成
する電磁スイッチMSの吸引コイルおよび保持コイルか
ら引き出した線材C1、C2の先端部を挿入し、2本の
線材C1,C2を共にV字状切欠部Vで板状導体PCに
溶接する。
【0028】次に、図9に示すS端子TSを使用したス
タータの構成を特に電磁スイッチMSの周囲に限り図1
1に従って説明する。図11はスタータの全体構成を示
す図であり、図中、電磁スイッチMS(図11では符号
MSに対して符号2を付する。)はモータ3の主軸に一
端が係合され、他端がエンジンのリンクギヤ10に噛み
合うピニオンギヤ9が接続されたシャフトの外周面に配
置される。そして、電磁スイッチ2は、起磁力によりシ
リンダS内に吸引されシャフトの外周面に沿って所定距
離に亘って移動するプランジャ11と、プランジャ11
の周囲に巻回され起磁力を発生する吸引および保持コイ
ル2a.2bより構成される。吸引コイル2aおよび保
持コイル2bの巻線である線材C1,C2の一端は、ス
タータのハウジング14の表面に露呈したS端子5を通
して外部より導入された板状導体であるターミナル5a
に溶着される。板状導体はハウジング14の外部で何れ
の方向に屈曲して電源プラグを受けることができるた
め、スタータの配置の自由度が広がる。次にスタータの
動作の概要について説明する。自動車のキースイッチが
ONになると、図示しないバッテリの電圧がターミナル
5aを通してS端子5に印加される。その結果、マグネ
ットスイッチ2を構成する吸引コイル2a、保持コイル
2bに電流が流れ、コイルに発生する起磁力によりプラ
ンジャ11がピニオン9側に吸引される。その結果、プ
ランジャ11に取り付けられたシフトプレート13が可
動接点部12を取り付けたロッド(図示せず)を引っ張
り可動接点部12を閉成する。可動接点部12の閉成に
より、モータ3にバッテリからの電力が供給され、モー
タ3が回転する。回転と同時にプランジャ11によりオ
ーバランニングクラッチ4が前方に押し出され、オーバ
ランニングクラッチ4に取り付けられたピニオン9がエ
ンジンのリンクギヤ10に噛み合いエンジンを始動させ
る。
【0029】尚、上記各実施の形態1〜7において、溶
接は図8に示すようにアーク時間200msec以下の
条件でTIG溶接により行ってもよい。このように、溶
接を短時間で実施することにより絶縁皮膜やモールドへ
の熱的影響を抑制できる。また、実施の形態1〜7にお
いて、板状導体PCを真鍮で構成することで、ブローホ
ールが抑制でき、高い接合強度が得られる。また、溶接
方法としては、電子ビーム溶接方法、レーザ溶接方法、
プラズマ溶接方法の何れを使用してもよい。
【0030】次に、溶接時間、溶接電流を変化させて適
切な溶接状態を得る条件を図10(a),(b)を参照
して説明する。なお、図10(a)は無酸素銅の板状導
体に形成したV状切欠部に、線径φ0.6mmの線材、
且つ、線径φ1.0mmの線材を挿入し、線材と板状導
体を線材挿入部分近傍でTIG(ティグ)溶接により溶
融して接合した場合を示す。
【0031】また、図10(b)は真鍮の板状導体に形
成したV状切欠部に、断面がU字形状の線径φ0.6m
mの線材、且つ、線径φ1.0mmの線材を挿入し、線
材と板状導体を線材挿入部分近傍でTIG(ティグ)溶
接により溶融して接合した場合を示す。尚、図10
(a),(b)において、×印は溶接不足が生じる溶接
時間と溶接電流との関係を示し、○印は溶接OK(良
好)となる溶接時間と溶接電流との関係を示し、△印は
溶接過多となる溶接時間と溶接電流との関係を示す。図
10(a)と図10(b)における溶接状況を比較する
と、板状導体を真鍮で形成した場合、無酸素銅で形成し
た板状導体に比べ60Aから100Aという低い溶接電
流であっても溶接時間の設定によっては良好な溶接が期
待できる。また、各板状導体における引張強度に関して
いえば、、板状導体を無酸素銅、溶接電流150A,溶
接時間60msecとした場合と、板状導体を真鍮、溶
接電流110A,溶接時間60msecとした場合とで
は、図10(c),(d)に示すような結果が得られ
る。即ち、径φ0.6mmの線材、径φ1mmの線材を
それぞれ溶接電流150A、溶接時間60msecの条
件でTIG溶接により無酸素銅の板状導体に接合した状
態を5回繰り返し、それぞれの状態で線材と板状導体間
の引張強度試験を行った結果、5回の引張強度試験にお
ける引張強度の平均値(avg)は、径φ0.6mmの
線材の場合が53.86に対して径φ1mmの線材の場
合は102,64である。また、即ち、径φ0.6mm
の線材、径φ1mmの線材をそれぞれ溶接電流110
A、溶接時間60msecの条件でTIG溶接により溶
融させて真鍮の板状導体に接合した状態を5回繰り返
し、それぞれの状態で線材と板状導体間の引張強度試験
を行った結果、5回の引張強度試験における引張強度の
平均値(avg)は、径φ0.6mmの線材の場合が8
0.36に対して径φ1mmの線材の場合は162,6
84である。従って、同一径の線材であっても、線材を
真鍮の板状導体にTIG溶接により接合した場合の方が
引張強度が高いことが分かる。これは、即ち、雰囲気ガ
スとしてのアルゴンガス中で真鍮の板材導体にアークを
吹き付けた場合、真鍮から発生する亜鉛ガスはアルゴン
ガスと混じり合い密度の高いガスが板状導体を覆うこと
で、板状導体の下方の大気は板状導体を避けることで溶
着部にブローホールの原因となる気泡が混入することが
ないためである。
【0032】
【発明の効果】この発明による導体溶接構造は、板状導
体に対して線材を挿入する挿入部を形成し、この挿入部
に挿入した前記線材を前記挿入部近傍で前記板状導体に
溶接することで、線材が板状導体と密着して溶接される
ため接合の信頼性が向上するという効果がある。
【0033】この発明によれば、前記挿入部を、前記板
状導体をバーリング加工により穴抜き加工したバーリン
グ穴で構成したことで、板状導体に対する線材の挿入性
が向上すると共に、線材とバーリング穴とのクリアラン
スが大きくても安定に溶接が可能となるという効果があ
る。
【0034】この発明によれば、挿入部を、前記板状導
体をU字状に切り欠いてU字状切欠部で形成したこと
で、線材と板状導体が切欠部分において密着することで
線材の安定性が向上するという効果がある。
【0035】この発明によれば、挿入部を、前記板状導
体をV字状に切り欠いてV字状切欠部で形成したこと
で、線材の挿入口が広がるため線材の挿入性が向上する
という効果がある。
【0036】この発明によれば、挿入部を、前記板状導
体をV字状に切り欠け、且つ、V字状の挿入部の底部よ
りU字状に切り欠いて複合切欠部で形成したことで、線
材の挿入性が向上すると共に、線材と板状導体がU字状
の切欠部分において密着することで安定した接合を期待
できるという効果がある。
【0037】この発明によれば、板状導体における挿入
部左右の板材を挿入されている線材方向に折り曲げてか
しめることで、線材と板状導体が切欠部分において密着
することで、複数の線材を板状導体に挿入して接合して
も断線が生じず接合の信頼性が向上するという効果があ
る。
【0038】この発明によれば、板状導体の左右に前記
挿入部の底部方向に向けて脆弱部を形成し、この脆弱部
を支点として挿入部左右の板材を、挿入されている線材
方向に水平に寄せてかしめることで、板状導体の幅が広
い場合でも低い荷重で線材の下締めが可能となり、かし
め状態のばらつきが小さくなって接合が安定するという
効果がある。
【0039】この発明によれば、板状導体の先端部分を
被溶接材である線材の外周形状に合わせて折り曲げ、そ
の先端を前記板状導体にかしめて前記線材の挿入部を形
成することで、溶接の狙い位置が広くなり溶接の安定性
が向上するという効果がある。
【0040】この発明によれば、板状導体に真鍮を用い
たことで溶着部のブローホールを抑制できるため接合の
信頼性が向上するという効果がある。
【0041】この発明によれば、溶接時間を200ms
ec以下でTIG溶接行うことで、溶着部周囲の熱的影
響を抑制することができるという効果かがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態1に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図2】 実施の形態2に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図3】 実施の形態3に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図4】 実施の形態4に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図5】 実施の形態5に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図6】 実施の形態6に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図7】 実施の形態7に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図8】 導体接合持における溶接時間と溶接電流との
関係を示した図である。
【図9】 実施の形態8に係る導体溶接構造を説明する
図である。
【図10】 本発明における導体溶接構造において溶接
状態の良し悪しを判定する条件を図表したものである。
【図11】 本発明における導体溶接構造をS端子と
電磁スイッチの線材の接合に採用したスタータの全体構
成を示す図である。
【図12】 従来の導体溶接構造を説明する図である。
【図13】 従来の導体溶接構造を説明する図である。
【図14】 従来の導体溶接構造を説明する図である。
【図15】 従来の導体溶接構造を説明する図である。
【図16】 従来の導体溶接構造を説明する図である。
【図17】 従来の導体溶接構造を説明する図である。
【符号の説明】
PC 板状導体、L 線材、H バーリング穴、W 溶
接部、U U字状切欠部、V V字状切欠部、UV 複
合切欠部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 武弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 Fターム(参考) 4E081 YN10 YX01 YX07 5H615 AA01 PP12 PP28 QQ02 QQ19 SS16 SS44 TT14

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 板状導体に対して線材を挿入する挿入部
    を形成し、この挿入部に挿入した前記線材を挿入地点近
    傍で前記板状導体に溶着することを特徴とする導体溶接
    構造。
  2. 【請求項2】 前記挿入部を、前記板状導体をバーリン
    グ加工により穴抜き加工したバーリング穴とすることを
    特徴とする請求項1に記載の導体溶接構造。
  3. 【請求項3】 前記挿入部を、前記板状導体をU字状に
    切り欠いて形成したU字状切欠部としたことを特徴とす
    る請求項1に記載の導体溶接構造。
  4. 【請求項4】 前記挿入部を、前記板状導体をV字状に
    切り欠いて形成したV字状切欠部としたことを特徴とす
    る請求項1に記載の導体溶接構造。
  5. 【請求項5】 前記挿入部を、前記板状導体をV字状に
    切り欠け、且つ、V字状の挿入部の底部よりU字状に切
    り欠いて形成した複合切欠部としたことを特徴とする請
    求項1に記載の導体溶接構造。
  6. 【請求項6】 前記板状導体は、挿入部左右の板材を、
    挿入されている線材方向に折り曲げてかしめることを特
    徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の導体溶接
    構造。
  7. 【請求項7】 前記板状導体は左右に前記挿入部の底部
    方向に向けて脆弱部を形成し、この脆弱部を支点として
    挿入部左右の板材を、挿入されている線材方向に水平に
    寄せてかしめることを特徴とする請求項3ないし5のい
    ずれかに記載の導体溶接構造。
  8. 【請求項8】 板状導体の先端部分を被溶接材である線
    材の外周形状に合わせて折り曲げ、その先端部分を前記
    板状導体にかしめて前記線材の挿入部を形成することを
    特徴とする請求項1に記載の導体溶接構造。
  9. 【請求項9】 前記板状導体を真鍮で構成したことを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の導体溶接
    構造。
  10. 【請求項10】 前記板状導体と線材とをTIG溶接に
    より溶着したことを特徴とする請求項1ないし9のいず
    れかに記載の導体溶接構造。
  11. 【請求項11】 前記TIG溶接を行う場合、溶接時間
    は200msec以下としたことを特徴とする請求項1
    0に記載の導体溶接構造。
  12. 【請求項12】 前記線材は、スタータにおけるモータ
    にバッテリからの電力の入り切を行う可動接点を駆動す
    るプランジャのコイル巻線であり、前記板状導体は前記
    コイル巻線の先端部分を電気的に接続し、コイルの励磁
    電圧が供給される端子であることを特徴とする請求項1
    ないし10のいずれかに記載の導体溶接構造。
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