JP2001217145A - 薄膜積層コンデンサおよび基板 - Google Patents

薄膜積層コンデンサおよび基板

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JP2001217145A JP2000027384A JP2000027384A JP2001217145A JP 2001217145 A JP2001217145 A JP 2001217145A JP 2000027384 A JP2000027384 A JP 2000027384A JP 2000027384 A JP2000027384 A JP 2000027384A JP 2001217145 A JP2001217145 A JP 2001217145A
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dielectric
dielectric layer
electrode
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Shigeo Atsunushi
成生 厚主
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Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】歩留りを向上できるとともに、低インピーダン
スを達成できる薄膜積層コンデンサおよび基板を提供す
る。 【解決手段】複数の誘電体層3および複数の電極層2を
交互に積層してなる薄膜積層コンデンサであって、誘電
体層3の厚みを200nm以下とし、電極層2の厚みを
誘電体層3の厚みの2/3以下とするとともに、電極層
2が、0℃における比抵抗が3×10-8Ωm以下の金属
元素を主成分とするものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜積層コンデンサ
に関し、例えば、高速動作する電気回路に配設され、高
周波ノイズのバイパス用、または電源電圧の変動防止用
に用られる、低インピーダンスの薄膜積層コンデンサお
よび基板に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年においては、電子機器の小型化、高機
能化に伴い、電子機器内に設置される電子部品にも小型
化、薄型化、高周波対応などの要求が強くなってきてい
る。特に大量の情報を高速に処理する必要のあるコンピ
ュータの高速デジタル回路では、パーソナルコンピュー
タレベルにおいても、CPUチップ内のクロック周波数
は100MHzから数百MHz、チップ間バスのクロッ
ク周波数も66MHzから100MHzと高速化が顕著
である。
【0003】また、LSIの集積度が高まりチップ内の
素子数の増大につれ、消費電力を抑えるために電源電圧
は低下の傾向にある。これらIC回路の高速化、高密度
化、低電圧化に伴い、コンデンサ等の受動部品も小型大
容量化と併せて、高周波もしくは高速パルスに対して優
れた特性を示すことが必須になってきている。
【0004】IC回路の高速動作に伴う諸問題は各素子
の小型化よりも一層深刻な問題である。このうち、コン
デンサの役割である高周波ノイズの除去機能において特
に重要となるのは、論理回路の切り替えが同時に発生し
たときに生ずる電源電圧の瞬間的な低下を、コンデンサ
に蓄積されたエネルギーを瞬時に供給することにより低
減する機能である。このような機能を有するコンデンサ
がいわゆるデカップリングコンデンサである。
【0005】デカップリングコンデンサに要求される性
能は、クロック周波数よりも速い負荷部の電流変動に応
じて、いかにすばやく電流を供給できるかにある。従っ
て、100MHzから1GHzにおける周波数領域に対
してコンデンサとして確実に機能しなければならない。
【0006】そのため、周波数の増加とともに増大する
コンデンサ素子のインダクタンス成分によるインピーダ
ンスを低減すべく、コンデンサの電極構造を工夫するこ
とが行われている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コンデ
ンサ素子のインピーダンスは、静電容量成分、抵抗成分
及びインダクタンス成分の重ねあわせにより決定され
る。したがって、インピーダンスを低くするためには、
インダクタンス成分の低減だけでは不充分であり、容量
成分は大きく、抵抗成分は小さくする必要がある。
【0008】容量成分を大きくするには、(1)誘電体
層を薄層化する、(2)電極面積を大きくする、(3)
高い比誘電率を有する誘電体を用いるという方法があ
る。(1)の誘電体層の薄層化には限界があり、現状の
生産時の歩留り等を考慮すると誘電体厚みは100nm
程度が下限と考えられる。また、(2)では、誘電体層
が単層型では電極面積を大きくすることは素子の小型化
に反する。小型化を維持しつつ電極面積を大きくする手
段として積層化がある。さらに、(3)の高い比誘電率
を有する誘電体として、化学式ABO3で示されるペロ
ブスカイト型酸化物が知られており、数多く研究されて
いる。
【0009】通常、これらのうち(3)の高誘電率膜の
形成に主眼が置かれており、例えば、特開平7−169
648号公報では、ペロブスカイト型酸化物の高誘電率
という特性を最大に引き出すため、(100)面に優先
配向した誘電体膜を形成する方法が開示されている。し
かしながら、この方法ではプラズマCVD法を採用し特
殊な材料を原料に用いる必要がある。
【0010】また、一般的に低温で比誘電率が400以
上の誘電体薄膜を形成することは難しく、例えば、特開
平7−17713号公報では、(Ba,Sr)TiO3
で示されるペロブスカイト型酸化物の組成比を限定する
ことにより得られる比誘電率500以上の高誘電率薄膜
について開示されているが、この場合も基板温度は65
0℃であり、形成温度が高い。形成手法として用いられ
ているイオンビームスパッタ法は、一般的には、誘電体
膜の組成制御は行いやすいが、成膜速度が遅いため(1
nm/min.程度)、生産性に乏しいという欠点があ
る。
【0011】他の方法として、例えば、特開平3−80
562号公報や特開平7−176704号公報では、5
00℃以下の基板温度で形成した後、600℃以上の温
度で熱処理を施すことにより、高誘電率誘電体膜を得る
方法が開示されているが、誘電体形成後ごとに熱処理を
行う必要があり、積層数が増加すると工程数が増え、コ
スト増となる。また、600℃以上の熱処理工程が増え
ると、既に形成された電極層や誘電体層にダメージが生
じ、素子の信頼性に問題が生じる。
【0012】このように(3)の高誘電率膜の形成に
は、特殊な材料を原料に用いたり、形成温度を高くする
必要があり、生産性や素子の信頼性の点で問題となり易
い。
【0013】一方、抵抗成分を小さくする方法として
は、積層化による並列化が一般的であり、この効果によ
り、数百層の電極層で構成される積層セラミックコンデ
ンサの抵抗成分は小さくなっている。積層化は、大容量
化に合致するものの、成膜速度の遅い(10nm/mi
n.程度)薄膜誘電体層を数百層形成するには、作製時
間が長期化し、コスト増となる。
【0014】また、電極層を厚くすることにより、抵抗
成分を小さくすることができるが、誘電体層の厚みより
電極層の厚みが厚くなると、電極層の角部における誘電
体層による被覆性が悪くなり、電極層間の短絡が発生し
やすくなる。
【0015】本発明は、歩留りを向上できるとともに、
低インピーダンスを達成できる薄膜積層コンデンサおよ
び基板を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜積層コンデ
ンサは、複数の誘電体層および複数の電極層を交互に積
層してなる薄膜積層コンデンサであって、前記誘電体層
の厚みを200nm以下とし、前記電極層の厚みを前記
誘電体層の厚みの2/3以下とするとともに、前記電極
層が、0℃における比抵抗が2×10-8Ωm以下の金属
元素を主成分とするものである。本発明の薄膜積層コン
デンサは100pH以下の低インダクタンスであること
が望ましい。
【0017】本発明の薄膜積層コンデンサでは、誘電体
厚みを200nm以下にすることにより、所望の容量を
得るための積層数を減らすことができ、積層数が減少し
た分、歩留りを向上することができる。また、電極層
を、0℃における比抵抗が2×10-8Ωm以下の金属元
素を主成分として構成し、かつ積層化したので、コンデ
ンサ素子の抵抗成分を小さくすることができ、これによ
り、薄膜積層コンデンサのインピーダンスを低下させる
ことができる。さらに、電極層の厚みを誘電体層の厚み
の2/3以下にすることにより、電極層の角部における
誘電体層による被覆性を向上でき、電極層間の短絡がな
くなり、歩留りを向上することができる。これにより、
製造コストを低減でき、歩留りを向上できるとともに、
大容量化、低抵抗化を達成でき、低インピーダンスを達
成できる。
【0018】また、電極層はAuを主成分とすることが
望ましい。Auを主成分とする電極材料は、0℃におけ
る比抵抗を3×10-8Ωm以下とすることができるた
め、コンデンサ素子の抵抗成分を小さくすることができ
る。
【0019】さらに、電極層および誘電体層が400℃
以下で形成されることが望ましい。このように低温で電
極層、誘電体層を形成できるため、例えば、メタルマス
ク法を用いたスパッタリング法を採用した場合でも歩留
りを高くでき、安価に製造することができる。
【0020】本発明の基板は、上記したような薄膜積層
コンデンサを基体の表面および/または内部に設けたも
のである。これにより、基板に、例えば、高周波ノイズ
の除去機能を付与することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の薄膜積層コンデンサとし
ては、例えば、図1に示すような薄膜積層コンデンサの
構造がある。図1(a)は断面図を示し、図1(b)は
図1(a)の平面図を示す。
【0022】この薄膜積層コンデンサは、支持基板1上
に複数の電極層2a、2bと複数の誘電体層3とが交互
に積層され、誘電体層3は異なる極性の電極層2a、2
b間を絶縁できるように形成されている。尚、図1
(a)では理解を助けるため誘電体層3に斜線を付して
表した。最上層の電極層2bを形成した後、同じ極性の
電極層2a、2b同士を接続する端子電極層4が形成さ
れ、さらに端子電極層4の表面の一部が露出するように
ビアホールを形成した保護膜6が薄膜積層コンデンサ全
体を覆うような形で被覆されている。
【0023】尚、理解しやすくするため、端子電極層4
は図1(a)において格子状に斜線を付し、保護膜6
は、図1(a)および図1(b)において破線で示し
た。また、外部との接続に用いるはんだバンプ5が露出
した端子電極層4の表面に形成されている。はんだバン
プ5は、図1(a)および図1(b)において○と●で
示した。○と●とははんだバンプ5の極性が異なること
を示す。
【0024】そして、本発明の薄膜積層コンデンサで
は、電極層2が、0℃における比抵抗が3×10-8Ωm
以下の金属元素を主成分として構成されている。0℃に
おける比抵抗が3×10-8Ωmより大きい金属元素が主
成分であると、コンデンサ素子の抵抗成分を示す等価直
列抵抗が高くなり、薄膜積層コンデンサのインピーダン
スが高くなるからである。
【0025】0℃における比抵抗が3×10−8Ωm以
下の金属元素としては、Au、Ag、Cu、Al等があ
る。電極層としては、特には、耐酸化性に優れるという
理由から、比抵抗が2.05×10-8ΩmのAuからな
ることが望ましい。望ましい材料としてAuを例示した
が、本質的には電極層の比抵抗が3×10-8Ωm以下で
あれば同程度の特性を示す。即ち、Auより比抵抗の低
いAgやCu、ならびにAuより若干高いAlなども酸
化せず形成することができれば、同等の特性を示すと考
えられる。
【0026】誘電体層3としては、例えば、(Ba,S
r)TiO3、Pb(Zr,Ti)O3で表されるもので
あるが、このような誘電体材料は、400℃以下でスパ
ッタリング法により形成したとしても誘電率が200以
上と大きく、しかも、誘電体層が400℃以下で形成で
きるため、メタルマスクの歪みがなく、メタルマスク法
を採用できるので、安定したパターン解像度を得ること
ができる。
【0027】誘電体層3は、上述した材料に限定される
ものではなく、特殊な設備、原材料を用いることなく、
形成温度400℃以下で比誘電率200程度が得られる
誘電体であれば良い。形成方法としては、スパッタリン
グ法において、高速成膜が可能であるマグネトロンスパ
ッタ法や三極または四極式のスパッタ法が望ましい。
【0028】また、誘電体層3の厚みは200nm以下
とされている。これは、例えば、比誘電率が230の場
合、単位面積当たり10nF/mm2以上の容量を得る
ことができ、例えば0.33μFは電極面積が3mm2
の大きさで、11層積層することにより作製することが
でき、比誘電率が200程度の誘電体膜は低温でも作製
し易いからである。
【0029】一方、誘電体層3の厚みを200nmより
大きくすると、誘電体層3の成膜時間が増加し、さらに
所望容量を得るのに積層数を増加させる必要が生じるの
で、生産性が悪くなる。例えば、前述の例において、誘
電体層3の厚みを300nmで比誘電率230とする
と、0.33μFは電極面積が3mm2 の大きさで1
7層積層する必要があり、歩留りが変わらないものとし
て約2.3倍の作製時間を要する。誘電体層3の厚み
は、薄いほど得られる容量は高くなる傾向にあるが、薄
いほど電極層2a、2b間の短絡(ショート)が発生し
易くなるという理由から100〜200nmが望まし
い。
【0030】さらに、電極層2の厚みは誘電体層3の厚
みの2/3以下とされている。電極層2a、2b間は、
絶縁を確保する必要があるが、電極層2の厚みを誘電体
層3の厚みの2/3以下とすることにより、電極層2の
角部における誘電体層3の被覆性が良くなるので、電極
層2a、2b間の短絡がなくなり、歩留りを向上でき
る。逆に、電極層2の厚みが誘電体層3の厚みの2/3
よりも大きい場合には、電極層2の角部における誘電体
層3の被覆性が悪くなり、電極層2a、2b間の短絡が
発生し易くなるからである。
【0031】本発明で用いられる支持基板1としては、
アルミナ、ガラス、サファイア、MgO単結晶、SrT
iO3単結晶、SiO2被覆シリコンなどが望ましい。特
に、薄膜との反応性が小さく、安価で強度が大きいとい
う観点から、アルミナやガラスなどが望ましい。
【0032】本発明の薄膜積層コンデンサでは、誘電体
層の厚みを200nm以下にすることにより、所望の容
量を得るための積層数を減らすことができ、積層数が減
少した分だけ歩留りを向上することができる。また、電
極層を0℃における比抵抗が3×10-8Ωm以下の金属
元素を主成分として構成し、かつ積層化したので、コン
デンサ素子の抵抗成分を小さくすることができ、これに
より、薄膜積層コンデンサのインピーダンスを低下させ
ることができる。さらに、電極層の厚みを誘電体層の厚
みの2/3以下にすることにより、誘電体層の被覆性が
向上するので、電極間の短絡がなくなり、歩留りを向上
することができる。
【0033】
【実施例】電極層、端子電極および誘電体層の形成は全
て高周波マグネトロンスパッタ法を用いた。スパッタ用
ガスとしてプロセスチャンバー内にArガスを導入し、
真空排気により圧力は6.7Paに維持した。
【0034】プロセスチャンバー内には基板ホルダーと
3個のターゲットホルダーが設置され、3種類のターゲ
ット材料からのスパッタが可能である。スパッタ時には
成膜する材料種のターゲット位置に基板ホルダーを移動
させ、基板−ターゲット間距離は60mmに固定した。
【0035】基板ホルダーとターゲット間には外部の高
周波電源により13.56MHzの高周波電圧を印可
し、ターゲット背面に設置された永久磁石により形成さ
れたマグネトロン磁界により、ターゲット近傍に高密度
のプラズマを生成させてターゲット表面のスパッタを行
った。
【0036】高周波電圧の印可は3個のターゲットに独
立に可能である。基板ホルダーはヒータによる加熱機構
を有しており、スパッタ成膜中の支持基板の温度は一定
となるよう制御した。
【0037】また、基板ホルダーに設置された支持基板
のターゲット側には厚さ0.15mmの金属マスクが4
種類設置でき、成膜パターンに応じて必要なマスクが支
持基板の成膜面にセットできる構造とした。スパッタ時
の支持基板の温度は全て400℃とした。
【0038】厚さ0.25mmのアルミナ焼結体からな
る支持基板上に、図2(a)に示す電極層2aが得られ
るマスクパターンをセットし、Auターゲットのスパッ
タにより第1電極層2aを形成し、続いて(Ba0.5
0.5)TiO3焼結体ターゲットのスパッタにより、図
2(b)に示す誘電体層3が得られるマスクパターンを
セットし、誘電体層3を形成した。誘電体層3の形成時
にはスパッタ用ガスとしてO2 ガスをAr:O2
8:2となるように導入した。
【0039】次に図2(c)に示す電極層2bが得られ
るマスクパターンをセットし、Auターゲットのスパッ
タにより第2電極層2bを形成した。この後、誘電体層
3と電極層2を交互に積層し、11層の誘電体層3と1
2層の電極層2の積層体を得た。尚、奇数層の第1電極
層2aは図2(a)に示すパターン形状で、偶数層の第
2電極層2bは図2(c)で示すパターン形状で形成し
た。最後に図2(d)に示す端子電極層4が得られるマ
スクパターンで端子電極層4を形成し、第1電極層2a
同士及び第2電極層2b同士を接続した。
【0040】この後、プロセスチェンバーから取り出
し、光感光性樹脂を用い、端子電極層4の形成位置にビ
アホールを有する保護膜6を形成し、そのビアホール内
に、はんだペーストをスクリーン印刷し、リフロー処理
を施すことにより、直径0.1mmのはんだバンプ5を
形成し、図1に示したような薄膜積層コンデンサを作製
した。
【0041】得られた薄膜積層コンデンサをX線回折で
分析すると、(Ba,Sr)TiO 3誘電体膜はピーク
強度が小さいが、(110)面に主ピークを有する結晶
膜であった。
【0042】作製した薄膜積層コンデンサの1MHzか
ら1.8GHzでのインピーダンス特性(容量C、等価
直列抵抗ESR、インダクタンスL)を、インピーダン
スアナライザー(ヒュウレットパッカード社製HP42
91A)とマイクロ波プローブ(ピコプローブ社製)を
用いて測定した。結果を図3に示し、得られた特性値の
平均値、並びに測定数1000個に対して電極層間の短
絡が発生しなかった個数を歩留りとして表1の試料N
o.1に記載した。
【0043】評価後のSEMによる破断面観察から、電
極厚みは100nm、誘電体厚みは200nmであるこ
とがわかった。
【0044】他の実施例として、誘電体ターゲットをP
b(Zr0.5Ti0.5)O3焼結体ターゲットに変更した
試料No.2、実施例1の誘電体厚みを150nmと薄
くし、積層数を8層とした試料No.3を、各変更点以
外は上記と同様の方法、同様の仕様で作製し、その結果
も表1に示した。
【0045】比較例として、誘電体層の厚みを300n
mと厚くした試料No.4、5、電極層の厚みを誘電体
層の厚みと同じ厚みにした試料No.6、電極材を、0
℃における比抵抗が9.8×10-8ΩmのPtにした試
料No.7を、各変更点以外は上記と同様の方法、同様
の仕様で作製し、その結果を表1に示した。
【0046】
【表1】
【0047】表1より、本発明の試料No.1〜3は、
いずれも容量の平均値が0.33μF、等価直列抵抗E
SRの平均値が30mΩ以下と所望の特性が得られ、歩
留りも50%以上を確保することができた。試料No.
3は、積層数が減った分歩留りが向上している。従っ
て、本発明の薄膜積層コンデンサでは、低インピーダン
スのコンデンサとして要求される特性、容量0.3μF
以上、等価直列抵抗が30mΩ以下、インピーダンス4
0pH以下の特性を満足することが判る。
【0048】これに対して、誘電体層の厚みを300n
mと厚くした場合(試料No.4、5)、積層数を11
層とすると(試料No.4)所望の容量が得られず、所
望の容量を得るために層数を17層に増やすと(試料N
o.5)、歩留りが低下する上、作製時間も2倍以上要
し、生産性が悪化することが判る。
【0049】また、電極層の厚みを誘電体層の厚みと同
じにした場合(試料No.6)、作製した薄膜積層コン
デンサの特性は良好なものが得られるが、電極間の短絡
が多発し、歩留まりが10%程度になり生産性が低くな
ることが判る。
【0050】電極層を比抵抗の高い、Ptに変更した場
合(試料No.7)、等価直列抵抗が30mΩ以上とな
り、所望の特性が得られないことが判る。図3にインピ
ーダンス特性を示す。
【0051】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の薄膜積層
コンデンサは、誘電体厚みを200nm以下にすること
により、所望の容量を得るための積層数を減らすことが
でき、積層数が減少した分、歩留りを向上することがで
きる。また、電極層を、0℃における比抵抗が3×10
-8Ωm以下の金属元素を主成分として構成し、かつ積層
化したので、コンデンサ素子の抵抗成分を小さくするこ
とができ、これにより、薄膜積層コンデンサのインピー
ダンスを低下させることができる。さらに、電極層の厚
みを誘電体層の厚みの2/3以下にすることにより、電
極層の角部における誘電体層による被覆性を向上でき、
電極層間の短絡がなくなり、歩留りを向上することがで
きる。これにより、製造コストを低減でき、歩留りを向
上できるとともに、大容量化、低抵抗化を達成でき、低
インピーダンスを達成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の薄膜積層コンデンサを示し、図1
(a)は断面図であり、図1(b)は平面図であり、
(a)は(b)のA−A線に沿った断面図である。
【図2】図1の電極層、誘電体層、端子電極層の平面図
を示すもので、(a)は奇数層の第1電極層、(b)は
誘電体層、(c)は偶数層の第2電極層、(d)は端子
電極層を示す平面図である。
【図3】本発明の試料No.1と比較例の試料No.7
の薄膜積層コンデンサのインピーダンス特性を示す図で
ある。
【符号の説明】
2・・・電極層 3・・・誘電体層 4・・・端子電極層 5・・・はんだバンプ 6・・・保護膜

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】複数の誘電体層および複数の電極層を交互
    に積層してなる薄膜積層コンデンサであって、前記誘電
    体層の厚みを200nm以下とし、前記電極層の厚みを
    前記誘電体層の厚みの2/3以下とするとともに、前記
    電極層が、0℃における比抵抗が3×10-8Ωm以下の
    金属元素を主成分とすることを特徴とする薄膜積層コン
    デンサ。
  2. 【請求項2】電極層がAuを主成分とすることを特徴と
    する請求項1記載の薄膜積層コンデンサ。
  3. 【請求項3】電極層および誘電体層が400℃以下で形
    成されていることを特徴とする請求項1または2記載の
    薄膜積層コンデンサ。
  4. 【請求項4】電極層および誘電体層がスパッタリング法
    により形成されていることを特徴とする請求項1乃至3
    のうちいずれか記載の薄膜積層コンデンサ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のうちいずれかに記載の薄
    膜積層コンデンサを、基体の表面および/または内部に
    設けてなることを特徴とする基板。
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