JP2001216972A - 電極、膜−電極複合体およびその製造方法並びにこれらを用いた燃料電池 - Google Patents

電極、膜−電極複合体およびその製造方法並びにこれらを用いた燃料電池

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多孔質導電シートを電極基材とする際の、電
極基材への電極触媒層の浸み込んだ混合層の少ない電極
を提供すること。 【解決手段】 少なくとも、電極基材と電極触媒層とか
ら構成される電極において、該電極基材の中に該電極触
媒層が浸み込んで混合層を形成しているとともに、該混
合層の厚さが20μm以下であることを特徴とする電極

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池あるいは
種々の電気化学装置に用いられる電極あるいは膜−電極
複合体とそれらの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】燃料電池は、低排出物、高エネルギー効
率で環境への負担の低い発電装置である。このため、近
年の地球環境保護への高まりの中で再び脚光を浴びてい
る。従来の大規模発電施設に比べ比較的小規模の分散型
発電施設、自動車や船舶など移動体の発電装置として、
将来的にも期待されている発電装置である。
【0003】燃料電池には、用いられる電解質の種類に
より、固体高分子型、リン酸型、固体酸化物型、溶融炭
酸塩型、アルカリ型などの種類がある。なかでも固体高
分子型燃料電池は、他の燃料電池に比べて、運転温度が
低温で起動時間が短く、高出力が得やすい、小型軽量化
が見込める、振動に強いなどの特徴を有し移動体の電力
供給源に適している。
【0004】燃料電池は、発電を担う反応の起こるアノ
ードとカソードの電極と、アノードとカソード間のイオ
ン伝導体となる電解質とがそれぞれの間でセパレータで
挟まれたセルをユニットとして構成されている。電極
は、ガス拡散の促進と集(給)電を行う電極基材(集電
体とも云う)と、実際に電気化学反応場となる電極触媒
層とから構成されている。たとえば固体高分子型燃料電
池のアノード電極では、燃料ガスが触媒表面で反応して
プロトンと電子を生じ、電子は電極基材に伝導し、プロ
トンは電解質のプロトン交換膜へと伝導する。このた
め、アノード電極には、ガス拡散性、電子電導性、イオ
ン電導性が良好なことが要求される。一方、カソード電
極では、酸化ガスが触媒層表面で、電解質から伝導して
きたプロトンと、電極基材から伝導してきた電子とが反
応して水を生成する。このため、ガス拡散性、電子電導
性、イオン電導性とともに、生成した水を効率よく排出
することも必要となる。
【0005】このような点から、電極基材(集電体)に
は導電性を有しガス透過性の良好な多孔質導電シートが
用いられてきた。たとえば、特開平6−20710号公
報、特開平7−326362号公報、あるいは、特開平
7−220735号公報のものが提案されている。これ
らに開示された集電体は、短い長さの炭素繊維が炭素で
結着されてなる多孔質炭素板からなる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の多孔質導電シー
トはガス透過性は良好であるが、そのシート上に電極触
媒層を塗工すると空孔内への触媒塗液の浸み込み現象が
見られた。この触媒浸み込み現象により、有効に利用さ
れない触媒が増すこととなる。燃料電池においては貴金
属の触媒が用いられるために、有効に使われない触媒が
増すことは電極のコストアップに繋がるものである。特
に、固体高分子型燃料電池は自動車用途への期待が高
い。自動車用途への適応には、性能と共にコストも重要
な因子となる。現在の固体高分子型燃料電池は、低コス
ト化がなされればより一層の普及が見込まれている。こ
のため、触媒浸み込みの少ない電極が求められていた。
【0007】本発明は、上記課題を解決し、触媒浸み込
みの少ない電極が得られることにより、触媒の利用効率
が向上し、触媒量低減による低コスト化電極が得られる
ことを目的とする。
【課題を解決するための手段】本発明において、上記課
題を解決するため下記構成を有する。
【0008】すなわち、本発明の電極は、少なくとも電
極基材と電極触媒層とから構成される電極において、該
電極基材の中に該電極触媒層が浸み込んで混合層を形成
しているとともに、該混合層の厚さが20μm以下であ
ることを特徴とする。
【0009】また、本発明の電極の製造方法は、電極基
材上に電極触媒層を設けることにより製造されるもので
あるが、電極触媒塗液を該電極基材上に塗布して該電極
触媒層を設けることを特徴とする。
【0010】さらに、本発明の電極は、膜-電極複合体
(MEA)に適用されるほか、通常の電気化学装置、特
に固体高分子型燃料電池にも適用され、この燃料電池を
用いた移動体や自動車にも適用されるものである。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を説明する。
【0012】本発明は、少なくとも電極基材と電極触媒
層とから構成される電極において、該電極基材の中に該
電極触媒層が浸み込んでいる混合層の厚さが20μm以
下であることを特徴とするものであり、ここで用いられ
る電極基材や電極触媒層はとくに限定されるものではな
い。
【0013】本発明における混合層とは電極基材の中に
電極触媒層が浸み込んでいる層であるので、電極基材を
含まない電極触媒層の構成成分(例えば、触媒金属、触
媒粒子、カーボンブラック、フッ素原子を含有するポリ
マ等)のみにより構成される層(以下、純電極触媒層と
いう)は、前記混合層には含まれない。従って、純電極
触媒層の厚さは、本発明の混合層の厚さに算入されるこ
とはなく、除外して計算される。但し、本発明の電極に
おいて、前記純電極触媒層も有することを妨げるもので
はない。よって、本発明の電極触媒層には、混合層とと
もに純電極触媒層も含まれることがある。
【0014】本発明において、電極基材の中に電極触媒
層が浸み込んでいるとは、電極基材の少なくと一部の層
乃至は領域において、電極基材の構成材が存在しない空
隙部分に電極触媒の構成材が存在している状態を意味す
る。確かに、既に形成されている電極基材に対して固体
化乃至は固定化されていない液体状態の電極触媒構成材
料が侵み込んで形成されるという製造方法は、本発明の
混合層乃至は電極触媒層の好適な製造法の1つではあ
る。しかし、本発明の混合層乃至は電極触媒層は、必ず
しもこの製造方法で形成されたものであると限定してい
ることを意味するものではない。
【0015】本発明における混合層の厚さとは、平均厚
さであり、従って、局所的に本発明の数値範囲を満たさ
ない箇所があっても、平均値で満たしている限り、本発
明の技術範囲内であることは言うまでもない。前記混合
層の厚さは、好ましくは15μm以下、さらに好ましく
は、10μm以下である。尚、特に限定されるものでは
ないが、3μm以上であることが好ましく、5μm以上
であることがより好ましい。前記上限値を上回ると浸み
込みが多く有効に用いられる触媒量が低下することとな
り、前記下限値を下回ると膜-電極複合体を作成したと
きに抵抗が大きくなることがあり好ましくないからであ
る。
【0016】本発明において、電極基材中に電極触媒層
が浸み込んでいる混合層の厚さは、電極断面の走査型電
子顕微鏡(SEM)観察によって確認できる。一般的に
は、電極基材は多孔質構造であり、電極触媒層は粒子を
充填した構造であるため、多孔質の電極基材中への電極
触媒粒子の浸み込んだ混合層が観察される。また、電極
基材が炭素粉末などの導電性微粒子を含む場合のよう
に、電極基材に電極触媒層が浸み込んでいる混合層がは
っきり観察できない場合がある。このような場合には、
SEMとX線マイクロアナリシス(XMA)を併用(S
EM−XMA)することで、電極触媒に含まれる白金な
どの貴金属触媒が電極基材のどこまで浸み込んでいるか
を観察することにより混合層の厚さを求めることが可能
である。上記のSEMあるいはSEM−XMA以外に
も、特に限定されることなくさまざまな手法で混合層の
厚みを求めることは可能である。
【0017】SEM−XMAにおいては、以下の手順で
純電極触媒層と混合層を測定する。まず、SEM観察か
ら導電性シートと純電極触媒層の界面を確認し、純電極
触媒層の厚さを測定する。次に、XMA測定により電極
触媒に用いられるPtの存在を画面の濃淡で確認し、純
電極触媒層と導電性シートに浸み込んだ混合層の合計の
厚さを測定する。両者の差から混合層の厚みを求めるこ
とが可能となる。
【0018】本発明に用いられる電極基材としては、電
気抵抗が低く、集(給)電を行えるものであればとくに
限定されることなく用いることが可能であるが、特に多
孔質導電シートにおいて本発明の特徴が発現されるもの
である。電極基材の構成材としては、たとえば、導電性
無機物質を主とするものが挙げられ、この導電性無機物
質としては、ポリアクリロニトリルからの焼成体、ピッ
チからの焼成体、黒鉛及び膨張黒鉛などの炭素材、ステ
ンレススチール、モリブデン、チタンなどが例示され
る。導電性無機物質の形態は繊維状あるいは粒子状など
特に限定されないが、燃料電池などのように電極活物質
に気体を用いる電気化学装置に用いる場合、ガス透過性
の点から繊維状導電性無機物質(無機導電性繊維)特に
炭素繊維が好ましい。無機導電性繊維を用いた多孔質導
電シートとしては、織布あるいは不織布いずれの構造も
使用可能である。たとえば、東レ(株)製カーボンペー
パーTGPシリーズ、SOシリーズ、E−TEK社製カ
ーボンクロスなどが用いられる。
【0019】本発明に用いられる電極基材としては、厚
み方向に2.9MPaの一様な面圧を加えたときの厚み
が0.02〜0.3mmであるものが好ましい。より好
ましくは0.04〜0.2mmである。0.02mmよ
り薄い場合、燃料電池に用いる際にセパレータのガス流
路に電極基材が埋没し、面方向への拡散・透過性が低く
なり、強度が弱く作業性に乏しくなる。0.3mmより
も厚い場合、厚み方向の電気抵抗が増えてくる。なお、
厚みは、電極基材を均一な厚みで平滑な表面を有する2
枚のガラス状炭素板で挟み、2.9MPaの一様の面圧
で加圧し、電極基材を挟まないときと挟んだときとの上
下の圧子の間隔の差から求める。圧子の間隔の測定にお
いては、圧子の中心点を挟む両端で微小変位検出装置に
より圧子の間隔を測定し、両端の間隔の平均値として圧
子の間隔を算出する。一様な面圧とするために、一方の
圧子は球座で受けて上下の圧子の加圧面のなす角度を可
変にする。
【0020】厚み方向に2.9MPaの一様な面圧を加
えたとき上記の厚みとなる電極基材の、13kPaの面
圧で測定した厚みは0.1〜2.0mmが好ましく、
0.2〜1.2mmがより好ましい。2mmを超えると
電極基材が嵩高になり、電極基材が厚み方向へ向いた
り、電極機材の強度が弱くなる。0.1mm未満の厚み
にするためには、多量の高分子物質によって電極基材の
結着を強固に行う必要がでてくる。
【0021】電極基材の目付としては10〜220g/
2であるのが好ましい。より好ましくは20〜120
g/m2である。10g/m2未満では電極基材の強度が
低くなる。また、高分子電解質膜、触媒層、電極基材の
一体化時や電池に組んだときに電極基材が薄くなり面方
向への拡散・透過効果が不十分になる。220g/m 2
を超えると電池に組んだ時に電極基材が厚くなり抵抗が
大きくなる。
【0022】電極基材の密度は、厚み方向に2.9MP
aの一様な面圧を加えたときに0.3〜0.8g/cm
3であるのが好ましい。より好ましいのは0.35〜
0.7g/cm3であり、さらに好ましいのは0.4〜
0.6g/cm3である。厚み方向に2.9MPaの一
様な面圧を加えたときの電極基材の密度は、電極基材の
目付と厚み方向に2.9MPaの一様な面圧を加えたと
きの電極基材の厚みから計算によって求める。電極基材
は、拡散・透過性を高くするためには気孔率を高くする
必要があるが、厚み方向に2.9MPaの一様な面圧を
加えたときの密度が0.8g/cm3よりも大きくなる
と気孔率が下がり、拡散・透過性が不十分になる。ま
た、0.3g/cm3よりも小さいと、厚み方向の抵抗
値が大きくなる。
【0023】電極基材は、厚み方向への面圧による加圧
を行わない状態で、厚み方向に14cm/秒の空気を透
過させたときの圧力損失が、98Pa(10mmAq)
以下であるのが電極基材のガス拡散性の点で好ましい。
より好ましいのは29Pa(3mmAq)以下であり、
さらに好ましいのは9.8Pa(1mmAq)以下であ
る。
【0024】電極基材の引っ張り強さは、0.49N/
10mm幅以上が好ましく、1.96N/10mm幅以
上がより好ましく、4.9N/10mm幅以上が更に好
ましい。引っ張り強さが低いと、電極機材の高次加工に
おいて、シートが破損する可能性が増すという問題があ
る。
【0025】電極基材は、高分子電解質膜、触媒層、電
極基材の一体化時や電池として使用する際に厚み方向に
加圧されて壊れることがある。また、電池として使用す
るときには溝付セパレータと向かい合った状態で厚み方
向に加圧されるため、溝付セパレータの山と向かい合う
部分に大きな圧力がかかるのに加えて、山と谷の境と向
かい合う部分が壊れやすい。電極基材が壊れると、壊れ
た無機導電性物質の脱落、電極基材の強度低下、面方向
の電気抵抗増大等が起こり、電極性能が低下することが
ある。
【0026】上記のことから、電極基材は、厚み方向に
2.9MPaの一様な面圧を2分間加え、その面圧を解
除した後の重量減少率が3%以下であるのが好ましい。
重量減少率が3%より高い電極基材は面圧解除後弱くな
っており、ハンドリングで壊れやすいという問題がある
からである。これにより、加圧時に壊れにくく、電極基
材の破壊により燃料電池が使用できなくなるのを防止で
きる。好ましくは2%以下、さらに好ましくは1%以下
である。
【0027】なお、重量減少率の測定は、以下のように
して行う。まず、電極基材を直径46mmの円形にカッ
トし、重量を測定する。次に、その電極基材よりも大き
く、平滑表面を有する2枚のガラス状炭素板でカットし
た電極基材を挟み、電極基材の面積当たり2.9MPa
の圧力になるよう加圧し、2分保つ。圧力を取り除いて
電極基材を取り出し、その面方向を垂直方向に向けて3
0mmの高さから落下させる。この落下を10回行った
後に重量を測定し、重量減少率を算出する。
【0028】電極基材の電気抵抗Rの測定は、次によ
る。幅50mm、長さ200mm、厚み1.5mmの表
面が平滑な平面を有するガラス状炭素板の片面に、幅5
0mm、長さ200mm、厚み0.1mmの銅箔が貼着
された試験電極板が、2枚用意される。2枚の試験電極
板は、実質的に均一な間隔を保ち、ガラス状炭素板の面
同士が対向して位置せしめられる。2枚の試験電極板の
それぞれの一端には、電流用の端子が、それぞれの他端
には、電圧用の端子が、設けられている。直径46mm
の円形に切り出されたシートが、前記間隙に挿入され、
2枚の試験電極板の中央部に、載置される。載置された
シートに0.98MPaの圧力が作用するように、試験
電極板が移動される。電流用の端子にて、2枚の試験電
極板間に1Aの電流が流される。電圧用の端子にて、こ
の時の電圧V(V)が測定される。測定された電圧Vの
値が用いられ、次式により、抵抗R(mΩ・cm2)が
求められる。 R=V×2.3×2.3×π×1000 ここで、πは円周率である。
【0029】多孔質導電性シートの電気抵抗は、100
mΩ・cm2以下であることが好ましく、50mΩ・c
2以下であることがより好ましく、15mΩ・cm2
下であることが更に好ましい。後述のように撥水性のフ
ッ素樹脂を含む電極基材の電気抵抗は、150mΩ・c
2以下であることが好ましく、70mΩ・cm2以下で
あることがより好ましく、30mΩ・cm2以下である
ことが更に好ましい。
【0030】電極基材には、上記の電極基材に加えて、
実質的に二次元平面内において無作為な方向に配向され
た無機導電性繊維を高分子物質で結着してなる紙状シー
トを含み、無機導電性繊維の長さが、少なくとも3mm
で、かつ、シートの厚みの少なくとも5倍である多孔質
導電シートを用いることもできる。ここで、シートの厚
みはJIS P8118に準じて測定する。測定時の面
圧は13kPaとする。無機導電性繊維が実質的に二次
元平面内において配向されているということの意味は、
無機導電性繊維がおおむね一つの面を形成するように横
たわっているという意味である。このことにより無機導
電性繊維による対極との短絡や無機導電性繊維の折損を
防止することができる。
【0031】電極基材の強度やハンドリング性を高く
し、無機導電性繊維を実質的に二次元平面内において配
向させるために、無機導電性繊維の長さは少なくとも3
mm以上であるが、好ましくは4.5mm以上、さらに
好ましくは6mm以上とする。3mm未満では、強度、
ハンドリング性を保つのが難しくなる。また、無機導電
性繊維を実質的に二次元平面内において無作為な方向に
配向させるために、無機導電性繊維の長さは電極基材の
厚みの5倍以上、好ましくは8倍以上、さらに好ましく
は12倍以上とする。5倍未満では、二次元への配向の
確保が難しくなる。無機導電性繊維の長さの上限は、実
質的に二次元平面内において無作為な方向に配向させる
ためには30mm以下が好ましく、15mm以下がより
好ましく、8mm以下がさらに好ましい。無機導電性繊
維が長すぎると分散不良を発生しやすく、多数の繊維が
束状のまま残る場合がある。その場合、束状の部分は空
隙率が低く、加圧時の厚みが厚くなるために加圧時に高
い圧力がかかり、電極基材の破壊や、高分子電解質膜や
電極触媒層の局部的な薄層化等の問題が起こりやすくな
る。
【0032】また、無機導電性繊維の形態は、繊維によ
る対極との短絡をより完全に防止できるように、直線状
であるのが好ましい。ここで、直線状の無機導電性繊維
とは、無機導電性繊維を曲げる外力を取り除いた状態で
繊維の長さ方向にある長さL(mm)をとったときに、
長さLに対する直線性からのずれΔ(mm)を測定し、
Δ/Lがおおむね0.1以下であるものをいう。一方、
非直線状の繊維は、実質的に二次元平面内において無作
為な方向に配向させるときに三次元方向を向きやすいと
いう欠点がある。
【0033】電極基材の作成において、無機導電性繊維
を実質的に二次元平面内において無作為な方向に配向さ
せる方法としては、液体の媒体中に無機導電性繊維を分
散させて抄造する湿式法や、空気中で無機導電性繊維を
分散させて降り積もらせる乾式法がある。無機導電性繊
維を確実に実質的に二次元平面内において配向させるた
め、また、無機導電性繊維の強度を高くするためには、
湿式法、特にいわゆる抄紙法が好ましい。
【0034】電極基材において、加圧時の無機導電性物
質の折損を防止し、前述のように電極基材の重量減少率
を3%以下とするために、使用する繊維は、炭素繊維を
カットした炭素短繊維が好ましく、熱処理時に張力をか
けたものがより好ましく、熱処理時に延伸したものがさ
らに好ましい。
【0035】炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル
(PAN)系炭素繊維、フェノール系炭素繊維、ピッチ
系炭素繊維、レーヨン系炭素繊維などが例示される。な
かでも、PAN系炭素繊維が好ましい。PAN系炭素繊
維はピッチ系炭素繊維にくらべて圧縮強さ、引張破断伸
度が大きく、折れにくい。このことは、炭素繊維を構成
する炭素の結晶化の相異によると考えられる。折れにく
い炭素繊維を得るためには、炭素繊維の熱処理温度は
2,500℃以下が好ましく、2,000℃以下がより
好ましい。
【0036】本発明の電極基材中に用いられる炭素短繊
維は、直径D(μm)と、引張強さσ(MPa)と、引
張弾性率E(MPa)との関係が次式を満足しているの
がよい。そのような炭素短繊維からなる電極基材は、壊
れにくいためである。すなわち、炭素短繊維の直径が細
く、引張強さが強く、引張弾性率が低いほうが炭素短繊
維は折れにくく、加圧時に電極基材が壊れにくくなる。 σ/(E×D)≧0.5×10-3 ここで、炭素繊維の引張強さ、引張弾性率はJIS R
7601に準じて測定する。偏平な断面の炭素繊維の場
合、長径(a)と短径(b)の平均値((a+b)/
2)を直径とする。種類の異なる炭素短繊維が混合され
ている場合、D、σ、Eについてそれぞれ重量平均した
値を用いる。好ましくはσ/(E×D)≧1.1×10
-3であり、より好ましくはσ/(E×D)≧2.4×1
-3である。
【0037】炭素短繊維の引張破断伸度は、電極基材の
強度のため、0.7%以上であるのが好ましく、より好
ましくは1.2%以上であり、さらに好ましくは1.8
%以上である。引張破断伸度は引張強さ(σ)を引張弾
性率(E)で除した値である。
【0038】また、炭素短繊維の折損は様々な状況で発
生するため、炭素短繊維の引張強さは500MPa以上
であるのが好ましく、1,000MPa以上であるのが
より好ましく、2,000MPa以上であるのがさらに
好ましい。
【0039】電極基材に用いられる無機導電性繊維の直
径は、20μm以下であるのが好ましい。より好ましい
のは12μm以下、さらに好ましいのは8μm以下であ
る。電極基材の表面には、無機導電性繊維の直径の5〜
10倍の直径の空隙が観察される。この空隙は繊維径が
太くなると大きくなる。本発明の導電性中間層は、電極
触媒層がこの空隙に浸み込むことにより電極性能が低下
することを抑制するものである。この空隙が大きすぎる
と導電性中間層を厚くする必要が生じ、ガス透過性や水
の排出性を阻害するので、繊維径は細い方が好ましい。
また、無機導電性繊維は細いほど厚み方向の加圧時に折
れにくい。一方、無機導電性繊維の直径が細くなりすぎ
ると、一体化時に触媒層の電極基材への浸入が起こりに
くくなるため、繊維径は2μm以上であるのが好まし
い。直径の異なる繊維が混合されている場合は、重量平
均によって直径を求める。
【0040】電極基材に用いられる無機導電性繊維の体
積抵抗率は、電極基材の低抵抗化のため200μΩ・m
以下が好ましく、50μΩ・m以下がより好ましく、1
5μΩ・m以下がさらに好ましい。無機導電性繊維の体
積抵抗率の測定はJIS R7601に準じて行う。前
記測定処方で定められた繊維長さが得られない場合、得
られた繊維長さで測定を行う。
【0041】電極基材に炭素繊維を用いる場合、X線光
電子分光分析法による表面の酸素原子と炭素原子との原
子数比(酸素原子数/炭素原子数)が0.35以下、好
ましくは0.20以下、さらに好ましくは0.10以下
であるものがよい。湿式抄紙法によって電極基材を得る
場合、酸素原子と炭素原子との原子数比が高いと炭素短
繊維の分散が難しくなって分散不良が増加するためであ
る。0.35を超えると均一な電極基材を得ることが難
しくなる。酸素原子と炭素原子との原子数比を低くする
ためには、炭素繊維の表面処理やサイジング剤の付与を
やめたり、不活性または還元雰囲気中での熱処理によっ
て表面の酸素原子を取り除く方法がある。
【0042】電極基材は、水の滞留によるガス拡散・透
過性の低下を防ぐために行う撥水処理、水の排出路を形
成するための部分的撥水、親水処理や、抵抗を下げるた
めに行われる炭素質粉末の添加等を行うことも好ましい
実施態様である。
【0043】本発明の電極基材は、上述のように導電性
無機繊維からなる多孔質導電シートを用いる場合、圧縮
時の厚み低下抑制、密度の向上、電気抵抗の低減などの
点から、導電性粒子、特に導電性無機粒子を含むことも
好ましい実施態様である。このような導電性無機粒子と
しては、電気抵抗や耐食性の点から炭素材、特に炭素粒
子が好ましい。
【0044】特に、柔軟性を有する導電性無機粒子がシ
ート状に配列されてなる多孔質導電シートを電極基材に
用いることも好ましい。これにより構成成分の脱落が少
ない、あるいは、機械的力が作用しても壊れ難く、電気
抵抗が低く、かつ、安価な電極基材を提供するという目
的が可能となる。特に、柔軟性を有する導電性無機粒子
として、膨張黒鉛粒子を用いることで上記目的が達成可
能である。
【0045】ここで、膨張黒鉛粒子とは、黒鉛粒子が、
硫酸、硝酸などにより層間化合物化された後、急速に加
熱することにより膨張せしめられて得られる黒鉛粒子を
いう。通常、膨張黒鉛粒子の結晶構造における層間距離
は、原料黒鉛粒子のそれの約50〜500倍である。
【0046】膨張黒鉛粒子は、それ自体、形状の変形性
に富む。この性質は、柔軟性と云う言葉で表現される。
この柔軟性は、膨張黒鉛粒子とそれに隣接する他の物体
に対する膨張黒鉛粒子の形態的融和性により観察され
る。この形態的融和性は、膨張黒鉛粒子同士が、少なく
とも一部が重なり合った状態で加圧作用を受けると、加
圧状態に応じて、互いに変形し、粒子同士が少なくとも
部分的に接合することにより観察される。また、この形
態的融和性は、膨張黒鉛粒子と、気体透過性が確保され
る状態でそれらがシート状に配列せしめられる場合に用
いられる補助材(例えば、カーボンブラックなどの従来
用いられている柔軟性を有しない導電性無機粒子、ある
いは、炭素繊維などの従来用いられている無機導電性繊
維)とが、共に加圧された場合、膨張黒鉛粒子が、補助
材の外形状に沿って、変形され、この補助材に接合され
ることにより観察される。
【0047】本発明の電極基材は、柔軟性を有する導電
性微粒子に加えて、他の導電性粒子や導電性繊維を含む
ことも好ましい実施態様であるが、この導電性繊維と導
電性粒子の双方が、無機材料からなることにより、耐熱
性、耐酸化性、耐溶出性に優れた電極基材が得られる。
柔軟性を有しない導電性無機粒子としては、例えば、カ
ーボンブラック粉末、黒鉛粉末、金属粉末、セラミック
ス粉末などを含んでも良いが、電子電導性と耐触性の点
から、カーボンブラック、黒鉛質や炭素質の炭素材が好
ましく挙げられる。このような炭素材としては、オイル
ファーネスブラック、チャネルブラック、ランプブラッ
ク、サーマルブラック、アセチレンブラックなどのカー
ボンブラックが、電子電導性と比表面積の大きさから好
ましいものである。オイルファーネスブラックとして
は、キャボット社製バルカンXC−72、バルカンP、
ブラックパールズ880、ブラックパールズ1100、
ブラックパールズ1300、ブラックパールズ200
0、リーガル400、ライオン社製ケッチェンブラック
EC、三菱化学社製#3150、#3250などが挙げ
られ、アセチレンブラックとしては電気化学工業社製デ
ンカブラックなどが挙げられる。またカーボンブラック
のほか、天然の黒鉛、ピッチ、コークス、ポリアクリロ
ニトリル、フェノール樹脂、フラン樹脂などの有機化合
物から得られる人工黒鉛や炭素などがある。また、これ
ら炭素材を後処理加工した炭素材も用いることが可能で
ある。このような炭素材の中でも、特に、キャボット社
製のバルカンXC−72、電気化学工業社製のデンカブ
ラック、ライオン社製のケッチェンブラックなどが電子
電導性の点から好ましく用いられる。
【0048】なお、電極基材に対する導電性粒子の添加
量としては、要求される電極特性や用いられる物質の比
表面積や電子抵抗などに応じて適宜決められるべきもの
であるが、電極基材中の重量比率として1〜80%が好
ましく、20〜60%がさらに好ましい。電子伝導体
は、少ない場合は電子抵抗が低くなり、多い場合はガス
透過性を阻害するなど、いずれも電極性能を低下させ
る。
【0049】本発明の電極基材は、上記の導電性粒子の
ほか、高分子物質を添加することも可能である。これに
より圧縮や引張りに強くなり、強度、ハンドリング性を
高め、無機導電性物質が電極基材から外れたり、電極基
材の厚み方向を向くのを防止できる。特に、無機導電性
短繊維を抄紙して多孔質導電シートからなる電極基材を
作成する際には、高分子物質を結着剤として用いること
は必須である。高分子物質を結着させる方法としては、
無機導電性物質を実質的に二次元平面内において無作為
な方向に配向させるときに繊維状、粒状、液状の高分子
物質を混合する方法と、無機導電性物質が実質的に二次
元平面内において無作為な方向に配向された集合体に繊
維状、液状の高分子物質を付着させる方法等がある。液
状の概念には、エマルジョン、ディスパージョンやラテ
ックス等、液体中に高分子物質の微粒子が分散して実質
的に液体として取り扱うことができるものも含まれる。
無機導電性物質の結着を強くしたり、電極基材の電気抵
抗を低くしたりするためには、無機導電性物質を結着す
る高分子物質は繊維状、エマルジョン、ディスパージョ
ン、ラテックスであるのが好ましい。繊維状の高分子物
質の場合、含有率を低くするため、フィラメント糸を使
用することが好ましい。
【0050】無機導電性物質を結着する高分子物質とし
ては、炭素またはケイ素を主鎖に持つ高分子物質が好ま
しく、たとえば、ポリビニルアルコール(PVA)、ポ
リ酢酸ビニル(酢ビ)、ポリエチレンテレフタレート
(PET)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン、
ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
アクリル樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂や、フェ
ノール樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、
アルキド樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アクリル樹
脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂のほか、熱可塑
性エラストマー、ブタジエン・スチレン共重合体(SB
R)、ブタジエン・アクリロニトリル共重合体(NB
R)等のエラストマー、ゴム、セルロース、パルプ等を
用いることができる。フッ素樹脂等の撥水性の樹脂を用
い、無機導電性物質の結着と同時に電極基材の撥水化処
理を行ってもよい。
【0051】電極基材を加圧時に壊れにくくするために
は、無機導電性物質を結着する高分子物質は軟らかいほ
うがよく、高分子物質を繊維状または粒状の形態で用い
る場合には、高分子物質は、熱可塑性樹脂、エラストマ
ー、ゴム、セルロース、パルプなどの柔らかい高分子物
質を用いると電極基材が加圧時に壊れることが少なくな
るので好ましい。また、高分子物質を液状の形態で用い
る場合には、高分子物質は、熱可塑性樹脂、エラストマ
ー、ゴムや、熱可塑性樹脂、エラストマー、ゴム等の軟
質材料で変性した熱硬化性樹脂が好ましく、前記の熱可
塑性樹脂、エラストマー、ゴムにより電極基材は加圧時
に壊れにくくてより好ましい。
【0052】高分子物質は、23℃における圧縮弾性率
が4,000MPa以下であることが好ましく、2,00
0MPa以下であるのがより好ましく、1,000MP
a以下であるのがさらに好ましい。圧縮弾性率の低い高
分子物質は結着部にかかる応力を緩和して結着を外れに
くくし、また、無機導電性物質にかかる応力を緩和して
壊れにくくするためである。
【0053】固体高分子型燃料電池は、カソード(空気
極、酸素極)において、電極反応生成物としての水や、
電解質を浸透した水が発生する。また、アノード(燃料
極)においては、高分子電解質膜の乾燥防止のために燃
料を加湿して供給する。これらの水の結露と滞留、水に
よる高分子物質の膨潤が電極反応物を供給する際の妨げ
になるので、高分子物質の吸水率は低いほうがよい。好
ましくは20%以下、より好ましくは7%以下である。
【0054】このような点から、電極基材には撥水性の
高分子を含むことも好ましい実施態様である。特にポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロ
エチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FE
P)、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキル
ビニルエーテル共重合体(PFA)などのフッ素原子を
含有するポリマ(フッ素樹脂)が高い撥水性を有するた
め好ましく用いられる。電極基材を燃料電池用の集
(給)電体として用いる場合は、撥水処理が必須であ
り、その際の撥水性の高分子は、電極基材を構成する導
電性無機物質間の接着効果ももたらす。このことは、電
極基材の強度、電気抵抗の点から有用である。PTF
E、FEP、PFAは、燃料電池集電体に求められる撥
水性や耐酸化性が高く、PTFEとPFAは、電気抵抗
が低い効果をもたらすためさらに好ましい。
【0055】上記のような高分子物質の電極基材に対す
る含有率は、0.1〜50重量%の範囲にあるのが好ま
しい。電極基材の電気抵抗を低くするためには、高分子
物質の含有率は少ないほうがよいが、0.1重量%未満
ではハンドリングに耐える強度が不足し、無機導電性物
質の脱落も多くなる。逆に、40重量%を超えると電極
基材の電気抵抗が増えてくるという問題が生じる。より
好ましくは、10〜30重量%の範囲である。
【0056】電極基材に添加した高分子物質は、200
℃以上で焼成することも好ましい実施態様である。撥水
処理に用いられる上記のフッ素樹脂は、融点以上に加熱
することで、撥水性と結着性が向上する。また、フッ素
樹脂以外の高分子物質においても、焼成により結着力が
向上するほか、電気抵抗の低下、耐食性の向上が見られ
る。特にフッ素樹脂以外の高分子物質においては、耐酸
化性に乏しい場合があり、燃料電池などの電気化学装置
用電極として用いる際には、使用中に電極性能の低下を
もたらす可能性がある。このため、電極作成時には結着
剤として高分子物質物質を用い、電極として使用する前
に焼成しておくことが好ましい。
【0057】本発明の電極における電極触媒層は、特に
限定されることなく公知のものを利用することが可能で
ある。電極触媒層とは、電極反応に必要な触媒や電極活
物質を含み、さらに好ましくは電極反応を促進する電子
伝導やイオン伝導に寄与する物質も含んでいる。また電
極活物質(酸化あるいは還元する物質)が気体の場合に
は、その気体が透過しやすい構造を有していることが必
要であり、電極反応に伴う生成物質の排出も促す構造が
必要である。本発明の電極を燃料電池に用いる場合に
は、電極活物質は水素あるいは酸素、触媒は白金などの
貴金属粒子、電子伝導体はカーボンブラック、イオン伝
導体はプロトン交換樹脂、反応生成物質は水である。電
極触媒層は、触媒、電子伝導体、イオン伝導体が互いに
接触して、活物質と反応生成物が効率よく出入りする構
造が求められる。
【0058】本発明の電極を燃料電池に用いる場合に
は、電極触媒層に含まれる触媒は公知の触媒を用いるこ
とができ、特に限定されるものではないが、白金、パラ
ジウム、金、ルテニウム、イリジウムなどの貴金属触媒
が好ましく用いられる。また、これらの貴金属触媒の合
金、混合物など、2種以上の元素が含まれていても構わ
ない。
【0059】電極触媒層に含まれる電子伝導体(導電
材)としては、特に限定されるものではないが、電子伝
導性と耐蝕性の点から無機導電性物質が好ましく用いら
れる。なかでも、カーボンブラック、黒鉛質や炭素質の
炭素材、あるいは金属や半金属が挙げられる。このよう
な炭素材としては、オイルファーネスブラック、チャネ
ルブラック、ランプブラック、サーマルブラック、アセ
チレンブラックなどのカーボンブラックが、電子電導性
と比表面積の大きさから好ましいものである。オイルフ
ァーネスブラックとしては、キャボット社製バルカンX
C−72、バルカンP、ブラックパールズ880、ブラ
ックパールズ1100、ブラックパールズ1300、ブ
ラックパールズ2000、リーガル400、ライオン社
製ケッチェンブラックEC、三菱化学社製#3150、
#3250などが挙げられ、アセチレンブラックとして
は電気化学工業社製デンカブラックなどが挙げられる。
またカーボンブラックのほか、天然の黒鉛、ピッチ、コ
ークス、ポリアクリロニトリル、フェノール樹脂、フラ
ン樹脂などの有機化合物から得られる人工黒鉛や炭素な
どがある。これらの炭素材の形態としては、粒子状のほ
か繊維状も用いることができる。また、これら炭素材を
後処理加工した炭素材も用いることが可能である。この
ような炭素材の中でも、特に、キャボット社製のバルカ
ンXC−72が電子電導性の点から好ましく用いられ
る。
【0060】これら電子伝導体の添加量としては、要求
される電極特性や用いられる物質の比表面積や電子抵抗
などに応じて適宜決められるべきものであるが、電極触
媒層中の重量比率として1〜80%が好ましく、20〜
60%がさらに好ましい。電子伝導体は、少ない場合は
電子抵抗が低くなり、多い場合はガス透過性を阻害した
り触媒利用率が低下するなど、いずれも電極性能を低下
させる。
【0061】電子伝導体は、触媒粒子と均一に分散して
いることが電極性能の点で好ましいものである。このた
め、触媒粒子と電子伝導体は予め塗液として良く分散し
ておき、この塗液を導電性中間層を設けた多孔質導電シ
ート上に塗布する方法が好ましく用いられる。
【0062】電極触媒層を燃料電池に用いる場合、触媒
と電子伝導体とが一体化した触媒担持カーボンを用いる
ことも好ましい実施態様である。この触媒担持カーボン
を用いることにより、触媒の利用効率が向上し、低コス
ト化に寄与する。電極触媒層に触媒担持カーボンを用い
た場合においても、さらに導電剤を添加することも可能
である。このような導電剤としても、上述のカーボンブ
ラックが好ましく用いられる。
【0063】電極触媒層に用いられるイオン伝導体とし
ては、公知のものが特に限定されることなく用いること
が可能である。イオン伝導体としては、種々の有機・無
機材料が公知であるが、燃料電池に用いる場合には、プ
ロトン電導性を向上するスルホン酸基、カルボン酸基、
リン酸基などのイオン交換基を有するポリマが好ましく
用いられる。なかでも、フルオロアルキルエーテル側鎖
とフルオロアルキル主鎖とから構成されるプロトン交換
基を有するポリマが好ましく用いられる。たとえば、D
uPont社製のNafion、旭化成社製のAcip
lex、旭硝子社製Flemionなどが好ましい。こ
れらのイオン交換ポリマを溶液または分散液の状態で電
極触媒層中に設けることができる。この際に、プロトン
交換樹脂を溶解あるいは分散化する溶媒は特に限定され
るものではないが、プロトン交換樹脂の溶解性の点から
極性溶媒が好ましい。プロトン交換基を有する上述のフ
ッ素原子を含むポリマや、エチレンやスチレンなどの他
のポリマ、これらの共重合体やブレンドであっても構わ
ない。
【0064】イオン伝導体は、電極触媒層を作成する際
に電極触媒粒子と電子伝導体を主たる構成物質とする塗
液に予め添加し、均一に分散した状態で塗布することが
電極性能の点から好ましいものであるが、電極触媒層を
塗布した後にイオン導電体を塗布してもかまわない。電
極触媒層にイオン導電体を塗布する方法としては、スプ
レーコート、刷毛塗り、ディップコート、ダイコート、
カーテンコート、フローコートなど特に限定されるもの
ではない。
【0065】電極触媒層に含まれるイオン伝導体の量と
しては、要求される電極特性や用いられるイオン伝導体
の電導度などに応じて適宜決められるべきものであり、
特に限定されるものではないが、重量比で1〜80%が
好ましく、5〜50%がさらに好ましい。イオン伝導体
は、少ない場合はイオン伝導度が低く、多い場合はガス
透過性を阻害する点で、いずれも電極性能を低下させ
る。
【0066】電極触媒層には、上記の触媒、電子伝導
体、イオン伝導体の他に、種々の物質を含んでいてもか
まわない。特に電極触媒層中に含まれる物質の結着性を
高めるために、上述のプロトン交換樹脂以外のポリマを
含むことも好ましい実施態様である。このようなポリマ
としては、フッ素原子を含有するポリマが挙げられ、特
に限定されるものではないが、たとえば、ポリフッ化ビ
ニル(PVF)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、
ポリヘキサフルオロプロピレン(FEP)、ポリテトラ
フルオロエチレン、ポリパーフルオロアルキルビニルエ
ーテル(PFA)など、あるいはこれらの共重合体、こ
れらモノマ単位とエチレンやスチレンなどの他のモノマ
との共重合体、さらには、ブレンドなども用いることが
できる。これらポリマの触媒層中の含有量としては、重
量比で5〜40%が好ましい。ポリマ含有量が多すぎる
場合、電子およびイオン抵抗が増大し電極性能が低下す
る。
【0067】電極触媒層は、触媒−ポリマ複合体が三次
元網目微多孔質構造を有することも好ましい実施態様で
ある。触媒−ポリマ複合体は、触媒粒子を含んだポリマ
複合体であって、この複合体が三次元網目微多孔質構造
となっていることが特徴である。なお、「三次元網目微
多孔構造」とは、触媒−ポリマ複合体が立体的に繋がっ
た三次元状の網目構造をしている状態をいう。
【0068】電極触媒層が三次元網目微多孔質構造を有
している場合、その微多孔径が0.05〜5μmである
ことが好ましい。より好ましくは、0.1〜1μmであ
る。微多孔径は、走査型電子顕微鏡(SEM)などで、
表面を撮影した写真から、20個以上好ましくは100
個以上の平均から求めることができ、通常は100個で
測定できる。湿式凝固法によって製造された場合の本発
明の微多孔質構造の触媒層は、微多孔径の分布が広いの
でできるだけ多くの孔径の平均をとることが好ましい。
【0069】三次元網目微多孔質構造の空孔率は、10
〜95%であることが好ましい。より好ましくは50〜
90%である。空孔率は、触媒層全体積から触媒−ポリ
マ複合体の占める体積を減じたものを触媒層全体積で除
した百分率(%)である。触媒層は、電極基材、プロト
ン交換膜、それ以外の基材に塗布した後に湿式凝固を行
うが、触媒層を単独で空孔率を求めることが困難な場合
には、電極基材、プロトン交換膜、それ以外の基材の空
孔率を予め求めておき、これら基材と触媒層とを含む空
孔率を求めた後に、触媒層単独での空孔率を求めること
も可能である。
【0070】電極触媒層は、特に湿式凝固法に得られた
三次元網目微多孔質構造のものは、空孔率が大きくガス
拡散性や生成水の排出が良好であり、かつ電子伝導性や
プロトン伝導性も良好である。従来の多孔化では、触媒
粒子径や添加ポリマの粒子径を増大させたり、造孔剤を
用いて空孔を形成するなどが行われているが、このよう
な多孔化方式では触媒担持カーボン間やプロトン交換樹
脂間の接触抵抗が電極触媒層に比べて大きくなってしま
う。それに対して、湿式凝固法による三次元網目微多孔
質構造では、触媒担持カーボンを含んだポリマ複合体が
三次元網目状になっているので、このポリマ複合体を電
子やプロトンが伝導しやすく、さらに微多孔質構造のた
めガス拡散性や生成水の排出も良好な構造となってい
る。
【0071】電極触媒層が三次元微多孔質構造を有して
いる場合においても、触媒や電子伝導体、イオン伝導体
に用いられる物質は従来と同様の物質を用いることが可
能である。ただし、三次元網目微多孔質構造を有する電
極触媒層を作成する際に湿式凝固法によることが好まし
い。従って、前記の場合、この湿式凝固法に適したポリ
マを用いることが好ましく、また、触媒粒子を良く分散
し、燃料電池内の酸化−還元雰囲気で劣化しないポリマ
を用いるが好ましい。このようなポリマとしては、フッ
素原子を含有するポリマが挙げられ、特に限定されるも
のではないが、たとえば、ポリフッ化ビニル(PV
F)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリヘキサ
フルオロプロピレン(FEP)、ポリパーフルオロアル
キルビニルエーテル(PFA)など、あるいはこれらの
共重合体、これらモノマ単位とエチレンやスチレンなど
の他のモノマとの共重合体(例えば、ヘキサフルオロプ
ロピレン−フッ化ビニリデン共重合体)、さらには、ブ
レンドなども用いることができる。
【0072】この中でも、ポリフッ化ビニリデン(PV
DF)やヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン
共重合体は、非プロトン性極性溶媒を用い、プロトン性
極性溶媒などを凝固溶媒とする湿式凝固法により、三次
元網目微多孔質構造を有する触媒−ポリマ複合体が得ら
れる点で、特に好ましいポリマである。これらポリマの
溶媒としてはN−メチルピロリドン(NMP)、ジメチ
ルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(D
MAC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチル
イミダゾリジノン(DMI)などが挙げられ、凝固溶媒
としては水や、メタノール、エタノール、イソプロパノ
ールなどの低級アルコール類などのほか、酢酸エチルや
酢酸ブチルなどのエステル類、芳香族系あるいはハロゲ
ン系の種々の有機溶剤が用いられる。
【0073】触媒−ポリマ複合体のポリマとしては、上
記のポリマに加えて、プロトン伝導性を向上させるため
にプロトン交換基を有するポリマも好ましいものであ
る。このようなポリマに含まれるプロトン交換基として
は、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などがある
が特に限定されるものではない。また、このようなプロ
トン交換基を有するポリマも、特に限定されることなく
選ばれるが、フルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロ
アルキル主鎖とから構成されるプロトン交換基を有する
ポリマが好ましく用いられる。たとえば、DuPont社製の
Nafionなども好ましいものである。また、プロトン交換
基を有する上述のフッ素原子を含有するポリマや、エチ
レンやスチレンなどの他のポリマ、これらの共重合体や
ブレンドであっても構わない。
【0074】Nafionのポリマ溶液は、市販のNafion膜を
非プロトン性極性溶媒に溶かしても良いし、Aldrich社
製の水−メタノール−イソプロパノール混合溶媒のNafi
on溶液、あるいはこのNafion溶液を溶媒置換したもの用
いても良い。この場合、湿式凝固の際の凝固溶媒は、Na
fion溶液の溶媒により適宜決められるべきものである
が、Nafion溶液の溶媒が非プロトン性極性溶媒である場
合には、凝固溶媒としては水やアルコール類、エステル
類のほか、種々の有機溶媒などが好ましく、水−メタノ
ール−イソプロパノール混合溶媒などの場合には、酢酸
ブチルなどのエステル類、種々の有機溶媒が好ましく用
いられる。
【0075】触媒−ポリマ複合体に用いられるポリマ
は、上記のフッ素原子を含有するポリマやプロトン交換
基を含むポリマを共重合あるいはブレンドして用いるこ
とも好ましいものである。特にポリフッ化ビニリデン、
ポリ(ヘキサフルオロプロピレン−フッ化ビニリデン)
共重合体などと、プロトン交換基にフルオロアルキルエ
ーテル側鎖とフルオロアルキル主鎖を有するNafionなど
のポリマを、ブレンドすることは電極性能の点から好ま
しいものである。
【0076】触媒−ポリマ複合体の主たる成分は触媒担
持カーボンとポリマであり、それらの比率は必要とされ
る電極特性に応じて適宜決められるべきもので特に限定
されるものではないが、触媒担持カーボン/ポリマの重
量比率で5/95〜95/5が好ましく用いられる。特
に固体高分子型燃料電池用電極触媒層として用いる場合
には、触媒担持カーボン/ポリマ重量比率で40/60
〜85/15が好ましいものである。
【0077】触媒−ポリマ複合体には、種々の添加物を
加えることも好ましい実施態様である。たとえば、電子
伝導性向上のための炭素などの導電剤や、結着性向上の
ためのポリマ、三次元網目微多孔質構造の孔径を制御す
る添加物などがあるが、特に限定されることなく用いる
ことができる。これら添加物の添加量としては、触媒−
ポリマ複合体に対する重量比率として0.1〜50%が
好ましく、1〜20%がさらに好ましい。
【0078】三次元網目微多孔質構造を有する触媒−ポ
リマ複合体の製造方法としては、湿式凝固法によるもの
が好ましい。この湿式凝固法は、触媒−ポリマ溶液組成
物を塗布した後に、この塗布層をポリマに対する凝固溶
媒と接触させて、触媒−ポリマ溶液組成物の凝固析出と
溶媒抽出とが同時に行なわれる。
【0079】この触媒−ポリマ溶液組成物は、ポリマ溶
液中に触媒担持カーボンが均一に分散したものである。
触媒担持カーボンとポリマは前述のものが好ましく用い
られる。ポリマを溶かす溶媒については、用いられるポ
リマに応じて適宜決められるべきもので、特に限定され
るものではない。ポリマ溶液は触媒担持カーボンを良く
分散していることが重要である。分散状態が悪い場合に
は、湿式凝固の際に、触媒担持カーボンとポリマとが複
合体を形成することができず好ましくない。
【0080】塗布方法については、触媒−ポリマ溶液組
成物の粘度や固形分などに応じた塗布方法が選択され、
特に限定されるべきものではないが、ナイフコーター、
バーコーター、スプレー、ディップコーター、スピンコ
ーター、ロールコーター、ダイコーター、カーテンコー
ターなどの一般的な塗布方法が用いられる。
【0081】一方、ポリマを湿式凝固させる凝固溶媒に
ついても特に限定されるものではないが、用いられるポ
リマを凝固析出しやすく、かつポリマ溶液の溶媒と相溶
性がある溶媒が好ましい。湿式凝固が実際に行われる凝
固溶媒との接触方法についても、特に限定されるもので
はないが、凝固溶媒に基材ごと浸漬する、塗布層のみを
凝固溶媒の液面に接触させる、凝固溶媒を塗布層にシャ
ワリングあるいはスプレーする、など特に限定されるも
のではない。
【0082】この触媒−ポリマ溶液組成物が塗布される
基材については、電極基材あるいは固体電解質の何れに
おいても塗布、その後に湿式凝固を行うことが可能であ
るが、電極基材に塗布の直後に湿式凝固を行うことで電
極基材への触媒層の浸み込みを抑制することが可能とな
り、本発明の好ましい実施態様となる。また、電極基材
や固体電解質以外の基材(転写基材)に塗布し、その後
に湿式凝固を行い、三次元網目微多孔質構造を作成した
後に、この触媒層を電極基材や固体電解質に転写あるい
は挟持させても良い。この場合の転写基材としては、ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)のシート、ある
いは表面をフッ素やシリコーン系の離型剤処理したガラ
ス板や金属板なども用いられる。
【0083】本発明の電極は、電極基材の中に電極触媒
層が浸み込んでいる混合層を20μm以下の厚さにする
ことによって、有効利用されない無駄な触媒低減するこ
とを目的とするものであり、その製造方法は特に限定さ
れるものではない。電極基材に多孔質導電シートを用い
る場合、電極触媒層塗液が電極基材に浸み込みやすいた
め、本発明の電極とするためには浸み込まない工夫が必
要である。例えば、電極触媒層塗液の粘度を高くする、
電極基材および含まれる高分子材料と電極触媒層塗液の
表面エネルギーの差を大きくするなどの方法がある。
【0084】電極触媒層塗液の粘度を高くすると、多孔
質導電シートへの浸み込みが抑制される。粘度を高める
には、触媒層塗液の溶媒以外の固形分比率を高くする、
触媒層塗液に含まれる高分子物質の分子量を高くする、
触媒層塗液に種々の増粘剤を添加するなどの方法があ
る。増粘剤の例としては、グリセリンなどの多価アルコ
ール類、オクタノールなどの高級アルコール類、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース
などのセルロース類、ポリビニルアルコール、ポリビニ
ルピロリドンなどの高分子化合物、アセチレンブラッ
ク、ケッチェンブラックなどのカーボンブラック類など
が好ましいが、特に限定されるものではない。
【0085】電極基材および含まれるポリマと電極触媒
層塗液との表面エネルギー差を利用する場合は、電極基
材と電極触媒層塗液との静的接触角が50°以上(より
好ましくは70°以上)とすることで、浸み込みを抑制
することが可能である。電極基材は、燃料電池に用いる
場合は撥水処理を行うためにフッ素樹脂を含み、表面自
由エネルギーが低くなっている。このため、表面自由エ
ネルギーの大きな溶媒を含む電極触媒層塗液を用いるこ
とで、静的接触角が増大し浸み込み抑制がなされる。電
極触媒層にはイオン伝導体としてプロトン交換樹脂が含
まれている。このためイオン交換樹脂を含む触媒層塗液
は水を含んでおり、このような場合、静的接触角が大き
くなることで浸み込み抑制がなされる。電極基材にフッ
素樹脂が含まれる場合には、水のほかN−メチルピロリ
ドンを電極触媒層塗液の溶媒に用いると、静的接触角が
大きくなり浸み込み抑制がなされる。静的接触角の測定
は、基材上に触媒層塗液をマイクロシリンジで一滴落と
し、側面から顕微鏡で測定するという、一般的な測定法
でよい。
【0086】本発明の電極は、固体電解質層とを組み合
わせることにより膜−電極複合体(MEA:Membrane E
lectrode Assembly)とすることも好ましい実施態様で
ある。
【0087】固体電解質層を構成している固体電解質と
しては、通常の燃料電池に用いられる固体電解質であれ
ば特に限定されるものではないが、プロトン交換膜が本
発明の燃料電池性能を発現するうえで好ましく用いられ
る。プロトン交換膜のプロトン交換基としては、スルホ
ン酸基、カルボン酸基、リン酸基など特に限定されるも
のではない。
【0088】このプロトン交換膜は、上記のプロトン交
換基、特にスルホン酸基を有する、スチレン−ジビニル
ベンゼン共重合体などの炭化水素系と、フッ素原子含有
ポリマ、特にフルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロ
アルキル主鎖とから構成される共重合体のパーフルオロ
系に大別され、燃料電池が用いられる用途や環境に応じ
て適宜選択されるべきものであるが、フッ素原子含有ポ
リマ、特にパーフルオロ系が燃料電池寿命の点から好ま
しいものである。また、部分的にフッ素原子置換した部
分フッ素膜も好ましく用いられる。パーフルオロ膜で
は、DuPont社製Nafion、旭化成製Aciplex、旭硝子製Fle
mion、ジャパンゴアテックス社製Goa-selectなどが例示
され、部分フッ素膜では、トリフルオロスチレンスルホ
ン酸の重合体やポリフッ化ビニリデンにスルホン酸基を
導入したものなどがある。また、プロトン交換膜は1種
のポリマばかりでなく、2種以上のポリマの共重合体や
ブレンドポリマ、2種以上の膜を貼り合わせた複合膜、
プロトン交換膜を不織布や多孔フィルムなどで補強した
膜なども用いることができる。
【0089】膜−電極複合体の製造方法としては、特に
限定されるものではない。一般的には、電極基材上に電
極触媒層を設けて電極を作成し、この電極をプロトン交
換膜などの固体電解質と接合するが、この接合条件につ
いても電極触媒層あるいは電気化学装置の特性に応じて
適宜決められるべきものである。
【0090】本発明の電極の特性を活かす上では、電極
基材と電極触媒層とから構成される電極を予め2枚作成
し、これらの2枚の電極の間にプロトン交換膜を各電極
の電極触媒層側がプロトン交換膜に対面するように配置
し、前記2枚の電極で該プロトン交換膜を狭持させて接
合することによるMEAの製造方法が好ましいものであ
る。この接合は加温プレスとなるが、この条件について
も特に限定されるものではない。一般的には、プレス温
度は20℃〜200℃、プレス圧力は1MPa〜20M
Paである。
【0091】その他の膜-電極複合体製造方法として
は、プロトン交換膜の表裏両面に前記電極触媒層を設け
る工程(工程A)、該電極触媒層の両外側面に電極基材
を設ける工程(工程B)をこの順で行うことも好ましい
製造方法である。この方法は、電極基材への触媒層塗布
を行わないため、基材への触媒層浸み込みを抑制する点
で本発明の電極からなるMEAを作成可能とする方法で
ある。
【0092】特に、電極触媒層塗液をプロトン交換膜上
に塗工し、その後に電極基材を設けるMEA製造方法も
好ましいものである。この場合においては、触媒塗液を
塗布するプロトン交換膜は水や有機溶媒により膨潤しや
すいため、触媒層塗液に用いる溶媒は、プロトン交換膜
を膨潤しにくい溶媒を選択する必要がある。しかしなが
ら、触媒層塗液にはプロトン交換樹脂が含まれおり、こ
のプロトン交換樹脂を溶解する溶媒ではプロトン交換膜
を膨潤あるいは溶かしてしまうことになる。このため、
触媒層塗液においては、含まれるプロトン交換樹脂を溶
解することなく、エマルジョンなどの形態で分散させる
溶媒を用いることが好ましい。例えば、プロトン交換樹
脂溶液を溶媒除去、乾燥、粉砕し、得られたプロトン交
換樹脂粉末と触媒担持カーボンとをプロトン交換膜を膨
潤させない溶媒中で混合・分散する方法、あるいは、プ
ロトン交換樹脂溶液と触媒担持カーボンとの分散液を溶
媒除去、乾燥、粉砕し、得られた粉末をプロトン交換樹
脂と膨潤しない溶媒に再分散する方法、などが挙げられ
るが特に限定されるものではない。
【0093】さらに、上記の工程Aにおいて、電極触媒
塗液を電極基材やプロトン交換膜以外の転写基材上に塗
布して電極触媒層を形成し、これをプロトン交換膜上に
転写することも好ましいMEA製造方法である。この際
の転写基材としては、各種の樹脂、あるいはPTFE、
PFA、FEPなどのフッ素樹脂からなるシートやフィ
ルムなどの転写基材や、ガラス板などを用いることが可
能である。特にシートやフィルムに電極触媒層を塗工し
て、それをプロトン交換膜とロールプレスすることで、
プロトン交換膜上に転写することが可能である。
【0094】また、上記工程Bにおいて、電極基材を構
成する物質をプロトン交換膜に塗工することで電極基材
を設けることも好ましいMEA製造方法である。電極基
材を構成する無機導電性繊維や粒子を液状あるいは固体
状で、電極触媒層を設けたプロトン交換膜に吹き付ける
ことによりMEAが作成される。特に、電極基材を構成
する無機導電性物質が炭素短繊維の場合には、これとフ
ッ素原子含有ポリマを含む分散液を予め作成し、この分
散液を電極触媒層を設けたプロトン交換膜上に吹き付け
ることにより塗工することも好ましい。
【0095】本発明の電極基材と電極触媒層とからなる
電極、あるいは該電極と固体電解質膜からなる膜−電極
複合体(MEA)は、種々の電気化学装置に適応するこ
とができる。なかでも燃料電池や水電解層が好ましく、
さらに燃料電池のなかでも固体高分子型燃料電池に好適
である。燃料電池には、水素を燃料とするものとメタノ
ールなどの炭化水素を燃料とするものがあるが、特に限
定されることなく用いることができる。
【0096】さらに、本発明の電極触媒層を用いた燃料
電池の用途としては、特に限定されることなく考えられ
るが、固体高分子型燃料電池において有用な用途である
移動体の電力供給源が好ましいものである。特に、乗用
車、バス、トラックなどの自動車や船舶、鉄道なども好
ましい移動体である。
【0097】
【実施例】以下本発明の詳細につき実施例を用いてさら
に説明する。
【0098】実施例1 (1)電極基材の作成 多孔質導電シートとしてカーボンペーパー(東レ製TG
P−H−060)を用い、これをPTFE分散液(ダイ
キン工業製:ポリフロンTFE D−1、ディスパージ
ョン平均粒径0.2−0.4μm、60重量%、水溶
液)に含浸し、乾燥後、370℃にて焼成した。PTF
Eの付き量は20重量%であった。
【0099】(2)触媒層塗液の調製 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)を濃縮して
15重量%とした。この濃縮Nafion溶液10gに
触媒担持カーボン(触媒;Pt、カーボン;Cabot社製V
ulcanXC-72、白金担持量;50wt%)3gを加え、良
く攪拌して触媒−ポリマ組成物からなる触媒層塗液を調
製した。
【0100】(3)電極触媒層塗液の塗布、乾燥による
電極の作成 前記(1)で作成した多孔質導電シート上に、前記
(2)で調製した触媒層塗液を塗布、乾燥し、電極基材
と電極触媒層とから構成される電極を作成した。得られ
た電極は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付
き量0.3mg/cm2であった。
【0101】この電極の断面SEM写真を図1(1)
に、またX線マイクロアナリシスによる白金の分布を図
1(3)に示す。電極触媒層が電極基材へ浸み込んだ混
合層の厚さは10μm、混合層を含まない純触媒層は1
5μmであった。
【0102】比較例1 (1)電極基材の作成 実施例1と同様に、多孔質導電シートとしてカーボンペ
ーパー(東レ製TGP−H−060)を用い、これをP
TFE分散液(ダイキン工業製:ポリフロンPTFEデ
ィスパージョン)に含浸し、乾燥後、370℃にて焼成
した。PTFEの付き量は20重量%であった。
【0103】(2)触媒層塗液の調製 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)をそのまま
用いて、触媒担持カーボン(触媒;Pt、カーボン;Ca
bot社製VulcanXC-72、白金担持量;50wt%)を加
え、良く攪拌して触媒−ポリマ組成物からなる触媒層塗
液を調製した。
【0104】(3)電極触媒層塗液の塗布、乾燥による
電極の作成 前記(1)で作成した多孔質導電シート上に、前記
(2)で調製した触媒層塗液を塗布、乾燥し、電極基材
と電極触媒層とから構成される電極を作成した。得られ
た電極は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付
き量0.3mg/cm2であった。
【0105】この電極の断面SEM写真からは、電極触
媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚さは、40μm
であった。
【0106】実施例2 (1)電極基材の作成 多孔質導電シートとしてカーボンペーパー(東レ製TG
P−H−060)を用い、これをPFA分散液(ダイキ
ン工業製:ネオフロンPFA AD−2CR)に含浸
し、乾燥後、320℃にて焼成した。PFAの付き量は
20重量%であった。
【0107】(2)触媒層塗液の調製 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)に増粘剤と
してカルボキシメチルセルロースを0.1重量%添加し
た。これに、触媒担持カーボン(触媒;Pt、カーボ
ン;Cabot社製VulcanXC-72、白金担持量;50wt%)
を加え、良く攪拌して触媒−ポリマ組成物からなる触媒
層塗液を調製した。
【0108】(3)電極触媒層塗液の塗布、乾燥による
電極の作成 前記(1)で作成した多孔質導電シート上に、前記
(2)で調製した触媒層塗液を塗布、乾燥し、電極基材
と電極触媒層とから構成される電極を作成した。得られ
た電極は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付
き量0.3mg/cm2であった。
【0109】この電極の断面SEM写真からは、電極触
媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚さは、10μm
であった。
【0110】実施例3 (1)電極基材の作成 実施例2と同様に、多孔質導電シートとしてカーボンペ
ーパー(東レ製TGP−H−060)を用い、これをP
FA分散液(ダイキン工業製:ネオフロンPFAディス
パージョン)に含浸し、乾燥後、320℃にて焼成し
た。PFAの付き量は20重量%であった。
【0111】(2)触媒層塗液の調製 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)を濃縮しな
がらN−メチルピロリドンを添加して、溶媒置換を行っ
た。得られたNafion溶液は10重量%であった。これに
触媒担持カーボン(触媒;Pt、カーボン;Cabot社製V
ulcanXC-72、白金担持量;50wt%)を加え、良く攪
拌して触媒−ポリマ組成物からなる触媒層塗液を調製し
た。
【0112】(3)触媒−ポリマ組成物の塗布、乾燥に
よる電極触媒層の作成 前記(1)で作成した多孔質導電シート上に、前記
(2)で調製した触媒層塗液を塗布、乾燥し、電極基材
と電極触媒層とから構成される電極を作成した。得られ
た電極は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付
き量0.3mg/cm2であった。
【0113】この電極基材上に触媒層塗液を一滴静置し
た際の静的接触角は、90°であった。
【0114】この電極の断面SEM写真からは、電極触
媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚さは、15μm
であった。
【0115】実施例4 (1)電極基材の作成 実施例1と同様に、多孔質導電シートとしてカーボンペ
ーパー(東レ製TGP−H−060)を用い、これをP
TFE分散液(ダイキン工業製:ポリフロンPTFEデ
ィスパージョン)に含浸し、乾燥後、370℃にて焼成
した。PTFEの付き量は20重量%であった。
【0116】(2)触媒層塗液の調製 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)を濃縮して
10重量%とした。これに触媒担持カーボン(触媒;P
t、カーボン;Cabot社製VulcanXC-72、白金担持量;5
0wt%)を加え、良く攪拌して触媒−ポリマ組成物か
らなる触媒層塗液を調製した。
【0117】(3)電極触媒層の塗布、湿式凝固、乾燥
による微多孔構造電極の作成 前記(1)で作成した多孔質導電シート上に、前記
(2)で調製した触媒層塗液を塗布後、直ちに酢酸ブチ
ルに浸漬、乾燥することにより、電極基材と微多孔構造
電極触媒層とから構成される電極を作成した。得られた
電極は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付き
量0.3mg/cm2であった。
【0118】この電極の断面SEM写真からは、電極触
媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚さは、10μm
であった。
【0119】実施例5 (1)多孔質導電シートの作成 長さ12mmにカットされたPAN系炭素繊維の短繊維
と膨張黒鉛粉末(東洋炭素(株)製、かさ密度0.14
g/cm3、平均粒径100乃至200μm)を、重量
比で1:1に混合し、ナトリウムカルボキシメチルセル
ロース水溶液中に分散した。この分散液を用い、炭素繊
維の短繊維に膨張黒鉛粉末が付着したシートを金網上に
抄造した。水分を除去する目的で、シートを2枚の濾紙
に挟み軽く加圧した。その後、濾紙を外してシートを乾
燥した。乾燥後、シートをロールプレスし、多孔質導電
シートを製造した。得られたシートは80g/m2であ
った。
【0120】(2)電極基材の作成 前記(1)で作成した多孔質導電シートを空気中で20
0℃、30分の熱処理を行った後、PFAディスパージ
ョン(ネオフロンPFAディスパージョン、ダイキン工
業株式会社製)を含浸し、2枚の濾紙に挟んで軽く加
圧、乾燥した。さらにこのシートを、14.7kPa
(0.15kgf/cm2)で加圧しながら400℃、
3時間の熱処理を行い、多孔質導電シートを製造した。
PFAの付き量は15重量%であった。
【0121】(3)電極触媒層の作成 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)を濃縮しな
がらN−メチルピロリドンを添加して、溶媒置換を行っ
た。得られたNafion溶液は10重量%であった。これに
触媒担持カーボン(触媒;Pt、カーボン;Cabot社製V
ulcanXC-72、白金担持量;50wt%)を加え、良く攪
拌して触媒−ポリマ組成物からなる触媒層塗液を調製し
た。
【0122】(4)電極触媒層塗液の塗布、乾燥による
電極の作成 前記(2)で作成した多孔質導電シート上に、前記
(3)で調製した触媒層塗液を塗布、乾燥し、電極基材
と電極触媒層とから構成される電極を作成した。得られ
た電極は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付
き量0.3mg/cm2であった。
【0123】この電極基材上に触媒層塗液を一滴静置し
た際の静的接触角は、90°であった。
【0124】この電極の断面SEM写真からは、電極触
媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚さは、15μm
であった。
【0125】実施例6 (1)電極の作成 実施例2と同様に電極を作成した。
【0126】(2)膜−電極複合体(MEA) 前記(1)において作成した電極を2枚用意し、プロト
ン交換膜(DuPont社製ナフィオン112)の両側
から電極触媒層面を対向させて狭持した。これを150
℃、150MPaでホットプレスを行い、MEAを作成
した。
【0127】このMEAの断面をSEM観察したとこ
ろ、電極触媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚さは
10μmであった。
【0128】(3)MEAの燃料電池性能評価 前記(2)において作成したMEAは、電流−電圧(I
−V)測定により燃料電池性能評価を行った。評価セル
温度は70℃、アノード(燃料)ガスを水素、カソード
(酸化)ガスを空気、ガス圧力は常圧において最高出力
450mW/cm2であり良好な性能を示した。
【0129】比較例2 比較例1において作成した電極を用い、実施例6と同様
にMEAを作成した。
【0130】このMEA断面のSEM観察では、電極触
媒層が電極基材に浸み込んだ混合層の厚さは30μであ
った。
【0131】さらに、このMEAを実施例6と同じ条件
でI−V測定したが、最高出力250mW/cm2と実
施例6に比べて低出力であり、劣った性能であった。
【0132】実施例7 (1)電極触媒層塗液の作成 市販のプロトン交換樹脂溶液(Aldrich社製Nafion溶
液)を凍結乾燥、凍結粉砕を行い、プロトン交換樹脂粉
末を作成した。この粉末1.5gと触媒担持カーボン
(触媒;Pt、カーボン;Cabot社製VulcanXC-72、白金
担持量;50wt%)3gを酢酸ブチル10gに加え
て、混合・分散を充分に行い、触媒層塗液を作成した。
【0133】(2)MEAの作成 前記(1)において作成した電極触媒層塗液を用い、市
販のプロトン交換膜(DuPont社製ナフィオン11
2)の両面に塗布、乾燥した。この両側から、電極基材
としてカーボンクロス(E−TEK社製ELAT)を狭
持させてMEAを作成した。
【0134】得られたMEAの断面SEM観察を行った
ところ、電極触媒層が電極基材へ浸み込んだ混合層の厚
さは5μmであった。
【0135】(3)MEAの燃料電池性能評価 前記(2)において作成したMEAは、電流−電圧(I
−V)測定により燃料電池性能評価を行った。評価セル
温度は70℃、アノード(燃料)ガスを水素、カソード
(酸化)ガスを酸素、ガス圧力は常圧において最高出力
800mW/cm2であり良好な性能を示した。
【0136】実施例8 (1)電極触媒層塗液の作成 市販のプロトン交換樹脂溶液(Aldrich社製Nafion溶液
5%)10gに触媒担持カーボン(触媒;Pt、カーボ
ン;Cabot社製VulcanXC-72、白金担持量;50wt%)
を1g加えて、充分に混合・分散を行った後、溶媒を乾
燥除去、粉砕して粉末を得た。この粉末にジオキサン8
gを加えて、混合・分散を充分に行い、触媒層塗液を作
成した。
【0137】(2)MEAの作成 実施例7(2)と同様に、前記(1)において作成した
電極触媒層塗液と実施例5(1)で作成した電極基材を
用いてMEAを作成した。得られたMEAの断面SEM
観察からは、混合層の厚さは5μmであった。
【0138】(3)MEAの燃料電池性能評価 前記(2)において作成したMEAは、電流−電圧(I
−V)測定により燃料電池性能評価を行った。評価セル
温度は80℃、アノード(燃料)ガスを水素、カソード
(酸化)ガスを空気、ガス圧力は0.2MPaにおいて
最高出力850mW/cm2であり良好な性能を示し
た。
【0139】実施例9 (1)電極基材の作成 実施例5(1)(2)と同様に電極基材を作成した。
【0140】(2)電極触媒層の作成 市販のAldrich社製Nafion溶液(5重量%)に触媒担持
カーボン(触媒;Pt、カーボン;Cabot社製VulcanXC-
72、白金担持量;50wt%)を加え、良く攪拌して触
媒−ポリマ組成物からなる触媒層塗液を調製した。この
触媒層塗液を厚さ100μmのテフロンシート上に、塗
布、乾燥し、電極触媒層を作成した。得られた電極触媒
層は、白金付き量0.5mg/cm2、Nafionの付き量
0.3mg/cm2であった。
【0141】(3)プロトン交換膜への電極触媒層の転
写 前記(2)において作成した電極触媒層を2枚用意し、
プロトン交換膜(DuPont社製ナフィオン112)
の両側から電極触媒層面を対向させて狭持した。これを
ロールプレスして、プロトン交換膜へ電極触媒層を転写
し、電極触媒層つきプロトン交換膜を作成した。
【0142】(4)MEAの作成 前記(3)で作成した電極触媒層つきプロトン交換膜を
用い、前記(1)で作成した電極基材2枚を両側から狭
持させてMEAを作成した。このMEAの断面SEM観
察からは、混合層の厚さは5μmであった。
【0143】(5)MEAの性能評価 前記(4)において作成したMEAは、電流−電圧(I
−V)測定により燃料電池性能評価を行った。評価セル
温度は60℃、アノード(燃料)ガスを水素、カソード
(酸化)ガスを空気、ガス圧力は常圧において最高出力
350mW/cm2であり良好な性能を示した。
【0144】実施例10 (1)電極触媒層塗液の作成 市販のプロトン交換樹脂溶液(Aldrich社製Nafion溶
液)を凍結乾燥、凍結粉砕を行い、プロトン交換樹脂粉
末を作成した。この粉末1.5gと触媒担持カーボン
(触媒;Pt、カーボン;Cabot社製VulcanXC-72、白金
担持量;50wt%)3gを酢酸ブチル10gに加え
て、混合・分散を充分に行い、触媒層塗液を作成した。
【0145】(2)電極基材塗液の作成 長さ12mmにカットされたPAN系炭素繊維の短繊維
と膨張黒鉛粉末(東洋炭素(株)製、かさ密度0.14
g/cm3、平均粒径100乃至200μm)を、重量
比で1:1に混合し、PFAディスパージョン(ネオフ
ロンPFAディスパージョン、ダイキン工業株式会社
製)に充分に混合・分散し、電極基材塗液を作成した。
PFAの付き量は15重量%であった。
【0146】(3)MEAの作成 前記(1)において作成した電極触媒層塗液を用い、市
販のプロトン交換膜(DuPont社製ナフィオン11
2)の両面に塗布、乾燥した。この両側から、前記
(2)で作成した電極触媒層塗液を塗布、乾燥してME
Aを作成した。
【0147】得られたMEAの断面SEMからは、混合
層の厚さは5μmであった。
【0148】(4)MEAの性能評価 前記(3)において作成したMEAは、電流−電圧(I
−V)測定により燃料電池性能評価を行った。評価セル
温度は70℃、アノード(燃料)ガスを水素、カソード
(酸化)ガスを酸素、ガス圧力は常圧において最高出力
500mW/cm2であり良好な性能を示した。
【0149】
【発明の効果】本発明により触媒浸み込みの少ない電極
が得られ、したがって、触媒の利用効率が向上し、触媒
量低減による低コスト化電極が得られる。
【0150】本発明の電極は、膜-電極複合体(ME
A)に適用されるほか、通常の電気化学装置、特に固体
高分子型燃料電池にも適用され、この燃料電池を用いた
移動体や自動車にも適用されるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例の断面図である。
【符号の説明】
1:本発明実施例の断面の走査型電子顕微鏡写真 2:断面区分表示 3:本発明実施例の断面のX線マイクロアナリシスによ
る白金の分布図
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01M 8/02 C25B 9/00 A 8/10 11/20 Fターム(参考) 4K011 AA12 AA31 AA68 BA03 BA07 DA01 4K021 BA02 DB13 DB18 DB20 DB31 DB43 DB53 5H018 AA06 AS01 BB08 CC06 DD01 DD05 DD06 DD08 DD10 EE03 EE05 EE08 EE18 HH03 5H026 AA06 BB04 CX03 CX05 EE02 EE05 EE19 HH03

Claims (32)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも、電極基材と電極触媒層とから
    構成される電極において、該電極基材の中に該電極触媒
    層が浸み込んで混合層を形成しているとともに、該混合
    層の厚さが20μm以下であることを特徴とする電極。
  2. 【請求項2】混合層の厚さが10μm以下である請求項
    1記載の電極。
  3. 【請求項3】電極基材が多孔質導電シートである請求項
    1または2に記載の電極。
  4. 【請求項4】多孔質導電シートが無機導電性繊維を用い
    た織布構造あるいは不織布構造のものである請求項3に
    記載の電極。
  5. 【請求項5】無機導電性繊維が炭素繊維である請求項4
    に記載の電極。
  6. 【請求項6】電極基材が導電性粒子を含む請求項1〜5
    のいずれかに記載の電極。
  7. 【請求項7】導電性粒子が炭素材である請求項6に記載
    の電極。
  8. 【請求項8】電極基材がフッ素原子を含有するポリマを
    含む請求項1〜7のいずれかに記載の電極。
  9. 【請求項9】電極触媒層が、少なくとも、白金、パラジ
    ウム、金、ルテニウム、及びイリジウムからなる群から
    選ばれる一種以上の元素を含む請求項1〜8のいずれか
    に記載の電極。
  10. 【請求項10】電極触媒層がカーボンブラックを含む請
    求項1〜9のいずれかに記載の電極。
  11. 【請求項11】電極触媒層がフッ素原子を含有するポリ
    マを含む請求項1〜10のいずれかに記載の電極。
  12. 【請求項12】電極触媒層がプロトン交換基を有するポ
    リマを含む請求項1〜11のいずれかに記載の電極。
  13. 【請求項13】電極触媒塗液を電極基材上に塗布するこ
    とを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の電極
    の製造方法。
  14. 【請求項14】電極基材と電極触媒塗液との静的接触角
    が50°以上である請求項13に記載の電極の製造方
    法。
  15. 【請求項15】請求項1〜12のいずれかに記載の電極
    と、プロトン交換膜とから構成される膜−電極複合体。
  16. 【請求項16】プロトン交換膜がフッ素原子含有ポリマ
    である請求項15記載の膜−電極複合体。
  17. 【請求項17】フッ素原子含有ポリマがスルホン酸基を
    有するフルオロアルキルエーテル側鎖とフルオロアルキ
    ル主鎖からなるポリマである請求項16に記載の膜−電
    極複合体。
  18. 【請求項18】請求項1〜12のいずれかに記載の電極
    2枚の間にプロトン交換膜を前記各電極の電極触媒層側
    が該プロトン交換膜に対面するように配置し、前記2枚
    の電極で該プロトン交換膜を挟持させて接合することを
    特徴とする膜−電極複合体の製造方法。
  19. 【請求項19】プロトン交換膜の表裏両面に電極触媒層
    を設ける工程(工程A)、該電極触媒層の両外側面に電
    極基材を設ける工程(工程B)をこの順で行うことを特
    徴とする膜−電極複合体の製造方法。
  20. 【請求項20】工程Aが電極触媒塗液をプロトン交換膜
    上に塗布する工程を含むものである請求項19に記載の
    膜−電極複合体の製造方法。
  21. 【請求項21】工程Aが電極触媒塗液を転写基材上に塗
    布して電極触媒層を形成し、これをプロトン交換膜上に
    転写するものである請求項19に記載の膜−電極複合体
    の製造方法。
  22. 【請求項22】工程Bが電極基材を構成する物質を塗工
    するものである請求項19〜21のいずれかに記載の膜
    −電極複合体の製造方法。
  23. 【請求項23】電極基材を構成する物質が炭素短繊維と
    フッ素原子含有ポリマを含む分散液である請求項22に
    記載の膜−電極複合体の製造方法。
  24. 【請求項24】請求項1〜12のいずれかに記載の電極
    を用いた電気化学装置。
  25. 【請求項25】請求項15〜17のいずれかに記載の膜
    −電極複合体を用いた電気化学装置。
  26. 【請求項26】請求項1〜12のいずれかに記載の電極
    を用いた水電解装置。
  27. 【請求項27】請求項15〜17のいずれかに記載の膜
    −電極複合体を用いた水電解装置。
  28. 【請求項28】請求項1〜12のいずれかに記載の電極
    を用いた燃料電池。
  29. 【請求項29】請求項15〜17のいずれかに記載の膜
    −電極複合体を用いた燃料電池。
  30. 【請求項30】固体高分子型電解質を用いる請求項28
    または29に記載の燃料電池。
  31. 【請求項31】請求項28〜30のいずれかに記載の燃
    料電池を電力供給源とする移動体。
  32. 【請求項32】請求項28〜30のいずれかに記載の燃
    料電池を電力供給源とする自動車。
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