JP2001215163A - 電離真空計 - Google Patents

電離真空計

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JP2001215163A
JP2001215163A JP2000025165A JP2000025165A JP2001215163A JP 2001215163 A JP2001215163 A JP 2001215163A JP 2000025165 A JP2000025165 A JP 2000025165A JP 2000025165 A JP2000025165 A JP 2000025165A JP 2001215163 A JP2001215163 A JP 2001215163A
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    • G01L21/00Vacuum gauges
    • G01L21/30Vacuum gauges by making use of ionisation effects
    • G01L21/32Vacuum gauges by making use of ionisation effects using electric discharge tubes with thermionic cathodes
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J41/00Discharge tubes for measuring pressure of introduced gas or for detecting presence of gas; Discharge tubes for evacuation by diffusion of ions
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電離型の第1の測定素子による中真空から高
真空領域の圧力の測定と、第2の測定素子の固有測定領
域の、双方に及ぶ測定領域を安定して測定できる。 【解決手段】 この発明の電離真空計は、測定子容器2
と、この測定子容器中に設けられた第1及び第2の測定
部とを具える。第1の測定部は、フィラメント3、グリ
ッド4及びイオンコレクタ8を含む構成電極を具える、
真空状態の圧力を測定する、電離型構造としてある。第
2の測定部は、第1の測定部とは異なる機能を有する構
造としてある。また、第2の測定部を、グリッドの軸延
長上付近であって、フィラメントから放射される熱電子
の主要飛行空間からはずれた空間に設置してある構造と
してある。また、第2の測定部と構成電極との間に、第
2の測定部と構成電極とを空間的に分離するシールド板
13を設けてある。さらに、第2の測定部は、熱伝導性
に優れた材料で構成された素子固定板17に固定してあ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は電離真空計、特に
電離真空計に他の測定部を組み込んだ複合型電離真空計
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の高真空領域を利用する各種半導体
製造装置や電子デバイス製造装置においては、装置の立
ち上げ、メンテナンス、並びに各種プロセス条件によ
り、大気圧から高真空領域にかけての広範囲における圧
力測定が必要になっている。また、測定用途によって様
々な真空計が使い分けられている。
【0003】一般に、105Pa〜1Pa程度の高圧力
領域(低真空領域)ではピラニ真空計などの熱伝導真空
計、水晶摩擦真空計、及び回転型粘性真空計などの気体
の輸送現象に基づく真空計が用いられる。また、プロセ
ス中の圧力測定においては、圧力制御の容易性、高精度
といった要求に対し、主に隔膜真空計が用いられてい
る。一方、1Pa以下の低圧力領域(高真空領域)では
ベヤードアルパート型電離真空計(以下、B-A型電離真
空計と呼ぶ)に代表される電離真空計が広く用いられて
いる。さらに、上述した大気圧から高真空領域にかけて
の広範囲における圧力測定を行うための真空計として、
高圧力領域(低真空領域)の測定を行う真空計と低圧力
領域(高真空領域)の測定を行う真空計を組み合わせた
複合型真空計が開発されている。
【0004】この複合型真空計の例として、105Pa
〜1Pa程度の高圧力領域(低真空領域)の測定に用い
らる水晶摩擦真空計と1Pa以下の低圧力領域(高真空
領域)の測定に用いられるB-A型電離真空計を同一フラ
ンジに設置した、特開昭62-218834号公報に開示されて
いる真空計がある。
【0005】この真空計の構造と原理を図4と図5を参
照して説明する。図4は従来技術の電離真空計の構成を
示す断面図であり、図5は従来技術の電離真空計の制御
回路を示すブロック図である。
【0006】この真空計は、B-A型電離真空計及び水晶
摩擦真空計を共通のフランジ2bに設置し、Oリング5
によって真空容器1に接続されている。B-A型電離真空
計部分はイオンコレクタ8、フィラメント3、グリッド
4の三つの電極で構成され、それぞれフランジ2bに取
り付けられた電流導入端子7に接続されている。その隣
に設置される水晶摩擦真空計部分はフランジ2bに取り
付けられた電流導入端子7に接続された水晶振動子18
と水晶振動子容器19で構成される。
【0007】10-1Pa以下の圧力領域はB-A型電離真
空計によって計測する。
【0008】低圧力領域(高真空領域)においてグリッ
ド4に正のグリッド電圧を印加すると共に、フィラメン
ト3を通電加熱すると、フィラメント3からグリッド4
に向かって熱電子が放出される。この熱電子はグリッド
4に到達する前にその近傍で往復運動をしながらグリッ
ド4内に蓄積され、真空容器1内に残留する気体分子と
衝突し、電離によって正電荷のイオンが生成される。
【0009】最終的に熱電子がグリッド4に到達する
と、フィラメント3とグリッド4との間にエミッション
電流が流れる。また、イオンコレクタ8にフィラメント
電位に対して負の電圧を印加しておくと、正電荷のイオ
ンはイオンコレクタ8で捕捉され、従って、イオンコレ
クタ8にはイオン電流が流れ込む。このとき、各電極の
印加電圧を一定電圧とし、エミッション電流を定電流と
すると、グリッド4近傍で往復運動をする熱電子の密度
が一定になる。従って、生成するイオンの量が真空容器
1内の気体分子の密度、即ち圧力に比例するので、イオ
ンコレクタ8に流入するイオン電流の大きさを測定する
ことにより真空容器1内の圧力を測定することができ
る。
【0010】一方、1Paから大気圧までの領域は水晶
摩擦真空計によって計測する。
【0011】振動子容器19は水晶振動子18を包み込
む構造になっている。従って、B-A型電離真空計から放
射される荷電粒子や熱輻射を防ぎ、蒸着及びスパッタさ
れた物質が水晶振動子18に付着するのを防止する。開
口部50は水晶振動子18を真空容器1内の気体圧力に
導通させるためのものである。
【0012】ここで水晶振動子18に一定交流電圧を印
加し、かつ共振周波数で振動させた場合、交流インピー
ダンスの抵抗成分は気体圧力によって変化する。従っ
て、交流インピーダンスの抵抗成分を測定することによ
り、真空容器1内の圧力を測定することができる。
【0013】次に図5を参照して、この真空計の動作を
説明する。
【0014】ピン12a、12bにはB-A型電離真空計
のフィラメント3、ピン9にはイオンコレクタ8、及び
ピン10にはグリッド4が接続されている。またピン2
2a及び22bには水晶振動子18のリード線21がそ
れぞれ接続されている。ピン12a、12b間にはフィ
ラメント遮断スイッチ39を介して、フィラメント動作
用電源27が接続されており、フィラメント3を加熱し
て熱電子を放出する。フィラメント遮断スイッチ39は
水晶振動子18によって測定された真空容器1内の圧力
が所定の圧力に達したことを確認してONとなり、フィ
ラメント動作用電源27がフィラメント3に電流を供給
し、B-A型電離真空計を動作させる。ピン9にはコレク
タ電位電源51が接続され、コレクタ電位を例えば−5
0Vに保つことにより生成したイオンを収集する。コレ
クタ電位電源51と接地間にはイオン電流計33が接続
され、イオン電流値を計測する。イオン電流は、イオン
電流―圧力変換回路34によって圧力に換算され、その
結果が表示装置25に示される。ピン10にはグリッド
電位電源29が接続され、グリッド4を正電圧(例えば
+150V)に保つ。その結果、フィラメント3より放
出された熱電子を捕捉することができる。
【0015】また、ピン22a及び22bにはフェーズ
・ロックド・ループ回路(PLL回路)36を接続し、
水晶振動子18を固有振動周波数にて安定振動させる。
共振インピーダンスに対応する共振電圧信号は共振イン
ピーダンス−圧力変換回路37によって圧力値に換算さ
れ、その結果が表示装置25に表示される。
【0016】制御回路38は共振インピーダンス−圧力
変換回路37に接続されており、水晶振動子18で計測
した圧力の値が所定値(例えば1Pa)以下になったこ
とを検出したときには、制御信号をフィラメント遮断ス
イッチ39及び圧力表示装置25に送る。この制御信号
によるフィラメント遮断スイッチ39のON、OFFに
よって、B-A型電離真空計動作を切替え、その後、大気
圧から高真空の広い圧力領域を測定する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上述の従
来技術では、以下に示すような問題点があった。
【0018】第1の問題点として、同一フランジにB-A
型電離真空計と水晶摩擦真空計を組み込むことにより、
フランジ寸法が、各単一測定子のみをフランジに取り込
んだときのフランジ寸法に比べて大きくなる。この場
合、真空容器への取付スペースの確保が必要となるほ
か、取付フランジ寸法の制約が大きくなってしまう。
【0019】また、第2の問題点として、B-A型電離真
空計に隣接して水晶摩擦真空計を取り付けると、たとえ
水晶振動子をシールドケースで保護したとしても、フィ
ラメントからの熱輻射はシールドケースから振動子リー
ド線の固体熱伝導により水晶振動子に及び、従って、水
晶振動子への熱影響は避けられない。特に、グリッド通
電によるガス出し操作時においては、グリッドからの熱
輻射の影響をもろに受ける構造となっている。水晶振動
子の共振インピーダンスは圧力以外に温度によっても変
化する。従って、フィラメント及びグリッドに通電され
ている際、あるいは通電OFF時であっても余熱による
熱影響が残っている場合、水晶摩擦真空計による圧力測
定値には温度変化による測定誤差を多分に含む結果とな
る。
【0020】また、第3の問題点として、本構造のよう
に、B-A型電離真空計における気体分子のイオン化空間
内に他の圧力測定子を設置することは、気体分子のイオ
ン化によって生じた気相イオンや二次電子、或いはスパ
ッタ物の影響を避ける上では合理的でない。シールドの
開口部を通じて気相イオンや二次電子、或いはスパッタ
物が水晶振動子に入射し、衝撃影響を受けることは避け
がたい。
【0021】さらに、第4の問題点として、B-A型電離
真空計のフィラメントやグリッドの各電極に隣接して水
晶摩擦真空計を組み込むことにより、測定子容器内のグ
リッド近傍に水晶摩擦真空計による新たな電界が発生す
る。従って、グリッド内に蓄積される熱電子の密度が減
少し、及び気体分子をイオン化させるための熱電子の進
行に寄与する電界に大きな影響を及ぼす。その結果、B-
A型電離真空計の測定感度の低下を引き起こす。
【0022】さらに、第5の問題点として、測定子取付
に際してフィラメント背後の真空容器壁が離れている場
合には気相イオンがフィラメントに流れ込むため、実エ
ミッション電流の減少を生じ、その結果、10-1Pa以
上の高圧力側の測定限界が悪化する。
【0023】これらの問題点は、B-A型電離真空計の場
合に限らず、フィラメント、グリッド及びイオンコレク
タの構成電極を具える殆どの電離真空計において発生す
る。また、別の測定素子としては、水晶摩擦真空計に限
らず、電離真空計からの熱、電子などの影響を受けやす
い測定素子であれば、上述の問題点が発生する。
【0024】従って、この発明の目的は、電離型の第1
の測定部による中真空から高真空領域の圧力の測定と、
第2の測定部の固有測定領域の、双方に及ぶ測定領域を
安定して測定できる電離真空計を提供することにある。
【0025】具体的には、上述のフランジ寸法が大きく
なる問題、及び、フィラメントとグリッドとからの熱輻
射の影響、並びに気相イオン等の影響を受けるという問
題を解決する。さらに、測定子容器とグリッドとの間に
形成される円筒電界に不均一を生じるという問題点を解
決する。さらに、気相イオンがフィラメントに流れ込
み、実エミッション電流の減少を生じるという問題点を
解決する。
【0026】
【課題を解決するための手段】上記の目的の達成を図る
ため、この発明の電離真空計によれば、測定子容器と、
該測定子容器中に設けられた第1及び第2の測定部とを
具え、該第1の測定部は、フィラメント、グリッド及び
イオンコレクタを含む構成電極を具える、真空状態の圧
力を測定する電離型構造とし、及び前記第2の測定部
は、前記第1の測定部とは異なる機能を有する構造とし
た、電離真空計において、前記第2の測定部を、前記グ
リッドの軸延長上付近であって、前記フィラメントから
放射される熱電子の主要飛行空間からはずれた空間に設
置してある。
【0027】ここで、グリッドの軸とは、コイル状に巻
かれているグリッドに対し、コイル状の内部にあって、
ほぼグリッドの対称軸になっている軸のことを意味す
る。また、グリッドの軸延長上付近とは、グリッドの軸
の延長上又はその近傍のことを意味する。また、主要飛
行空間とは、熱電子が飛行している空間のうち、相対的
に大量に飛行している空間のことを意味する。フィラメ
ントから放射される熱電子の主要飛行空間からはずれた
空間とは、すなわち、熱電子、あるいは気体分子のイオ
ン化に伴って生成される二次電子、気相イオンなどによ
る衝撃影響を可及的に低減できる空間のことを意味す
る。また、第1の測定部とは異なる機能を有するとは、
第2の測定部が圧力を測定する測定部であっても第1の
測定部と構造が異なることにより、測定する原理が異な
っていたり、又は、測定する圧力範囲が異なっているこ
とを意味する。
【0028】このような構成にすることにより、第1及
び第2の測定部の両方を測定子容器に組み込んでも、測
定子容器の大きさは測定部が一つの真空計と比較してそ
れほど大きくならず、また、フランジの大きさも変化さ
せる必要が無く、従って、第1の問題点を解決できる。
また、フィラメント及びグリッドからの熱輻射が第2の
測定部に与える影響を最小限とするように作用するの
で、第2の問題点を解決できる。さらに、グリッド周辺
に蓄積されるフィラメントとグリッド間で加速された熱
電子はグリッドの軸に垂直な方向に飛行するものが主で
あるため、これら熱電子、あるいは気体分子のイオン化
に伴って生成される二次電子、気相イオンなどによる衝
撃影響を第2の測定部が受けないように作用し、従っ
て、第3の問題点を解決できる。その結果、測定部を電
離型の第1の測定部による中真空から高真空領域の圧力
の測定と、第2の測定部の固有測定領域の、双方に及ぶ
測定領域を安定して測定できる。
【0029】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記第2の測定部を、前記測定子容器の壁面のうち
前記グリッドの軸延長上付近の壁面と、前記構成電極と
の間の空間に設置してあると良い。
【0030】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記第2の測定部と前記構成電極との間に、前記第
2の測定部と前記構成電極とを空間的に分離するシール
ド板を設けると良い。
【0031】ここで、空間的に分離するとは、概ね空間
的に分離することを意味する。完全に空間を分離してし
まうと、真空度を測定する気体が第2の測定部に入るこ
とができなくなり、そのため、第2の測定部により正確
な測定を行うことができなくなるからである。このよう
な構成にすることにより、第2及び第3の問題点をさら
に好適に解決できるほかに、電離型の第1の測定部の各
構成電極によって形成される電界が第2の測定部に及ぼ
す影響を低減するという効果がある。
【0032】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記シールド板の電位は、接地電位であると良い。
【0033】このとき、電離型の第1の測定部の各構成
電極によって形成される電界が第2の測定部に及ぼす影
響をさらに低減するという効果がある。
【0034】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記測定子容器は概ね軸対称形であり、及び該測定
子容器と前記グリッドの軸がほぼ一致するように前記グ
リッドが配置されていると良い。
【0035】このように、グリッドが測定子容器のほぼ
中央に配置されていることによって、グリッドと測定子
容器の内面間距離をほぼ一定に保つことができる。従っ
て、グリッド内に蓄積される熱電子の密度が減少せず、
及び気体分子をイオン化させるための熱電子の進行に寄
与する電界に大きな影響を及ぼさない。その結果、第1
の測定部により安定した感度で圧力を測定することがで
き、従って、さらに第4の問題点を解決できる。
【0036】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記測定子容器の電位は、前記フィラメントより低
い電位であると良い。
【0037】このような構成にすることにより、測定子
容器壁は、気相イオンがフィラメントに流れ込んで実エ
ミッション電流を減少させるのを防止する補助電極の役
割を果たし、従って、10Paといった高圧力側まで測
定限界が伸びる。従って、さらに、第5の問題点を解決
できる。
【0038】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記第2の測定部は、熱伝導性に優れた材料で構成
された素子固定板に固定してあると良い。
【0039】素子固定板に第2の測定部を固定すること
により、外部からの振動影響を低減できる。
【0040】また、素子固定板は熱伝導性に優れた材料
で構成されているので、第2の測定部への輻射入熱があ
ったとしても、固体の熱伝導により、素子固定板の固定
部を通じて、第2の測定部から素子固定板へ熱を逃がす
ことができる。
【0041】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記素子固定板は、熱伝導性に優れた材料で構成さ
れていて、他端が前記測定子容器外部に突出しているパ
イプと接続されており、及び該パイプは、前記測定子容
器と同程度の低電位にされていると良い。
【0042】ここでパイプとは、一般的な円筒中空状の
ものだけにとらわれず、素子固定板と接続されていて測
定子容器外部に突出している構造であれば、形状にとら
われない。このとき、第2の測定部は、熱伝導性の優れ
た材料で構成された素子固定板及びパイプを通じて測定
子容器外部と接続されているので、第2の測定部への輻
射入熱があったとしても、固体の熱伝導により、素子固
定板の固定部を通じて、第2の測定部から測定子容器外
部へ熱を好適に逃がすことができる。
【0043】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記測定子容器は、真空容器と着脱自在に結合可能
な結合部を有していると良い。
【0044】ここで、真空容器とは、真空度を測定する
測定部が設置されている測定子容器以外の真空計の部
分、例えばチャンバー等のことを意味する。
【0045】このような構成にすることにより、測定子
容器の真空容器への設置作業性の向上を図ることができ
ると共に、測定子容器の設置スペースや設置コストを最
小に抑えることができる。
【0046】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記測定子容器は、前記第1の測定部及び前記第2
の測定部の構成電極に規定電圧を印加し、かつ該構成電
極を固定するための、絶縁体材料で構成された電流導入
端子を、該測定子容器の壁面の一部に具えていて、該電
流導入端子には前記第1の測定部及び前記第2の測定部
に電流を導入するピンが設置されていると良い。
【0047】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記電離真空計は、前記第1及び第2測定部を動作
させる制御回路を具えていると良い。
【0048】また、この発明の実施に当たり、好ましく
は、前記制御回路は、前記測定子容器に付着しているガ
スを脱離させるための脱ガス用電源及び脱ガス用スイッ
チを具えていると良い。
【0049】ここで、測定子容器に付着しているガスを
脱離させるとは、測定子容器内壁表面や構成電極等に吸
着していて、測定部による測定時に誤差の原因となりう
る気体分子を取り除くことを意味する。脱ガス用電源及
び脱ガス用スイッチを具えることにより、吸着分子を取
り除くことができ、測定誤差を防ぐことができる。
【0050】また、この発明の実施に当たり、前記第1
の測定部は、ベヤードアルパート型電離真空計としても
良い。
【0051】また、この発明の実施に当たり、前記第2
の測定部を、圧力を測定する測定部としても良い。
【0052】また、この発明の実施に当たり、前記圧力
を測定する測定部を、水晶振動子式圧力計としても良
い。
【0053】また、この発明の実施に当たり、前記第2
の測定部を、温度を測定する測定部としても良い。
【0054】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態につ
いて、図面を用いて説明する。なお、図中、各構成成分
の大きさ、形状および配置関係は、この発明が理解でき
る程度に概略的に示してあるにすぎず、また、以下に説
明する数値的条件は単なる例示にすぎない。
【0055】図1はこの発明の実施の形態の電離真空計
の構成を示す断面図である。特に、被測定の真空容器の
一部と、これに取り付けられた測定子容器及び真空測定
部の要部構成を示す。図2はこの実施の形態の制御回路
部の要部構成を示す図である。
【0056】この実施の形態の電離真空計は、大きく分
けて、被測定の真空容器1と測定子容器2から構成され
ている。さらに、測定子容器2中に設けられた第1及び
第2の測定部とを具えている。第1の測定部は、フィラ
メント3、グリッド4及びイオンコレクタ8を含む構成
電極を具える電離型構造の測定部であって、真空状態の
圧力を測定する。また、第2の測定部は、第1の測定部
とは異なる機能を有する。この実施の形態では、第1の
測定部は、B-A型電離真空計としての機能するための測
定部となっており、及び第2の測定部は、水晶振動子式
圧力計としての機能するための測定部となっている。
【0057】測定子容器2は、例えばSUS304など
の金属でできた、例えばほぼ24mmの内径を持つ円筒
状の容器としてある。つまり、測定子容器2は概ね軸対
称形となっている。従って、フィラメント3及びグリッ
ド4との距離を適切に保つことができる。また、測定子
容器2は、接地電位点に接続されている。すなわち測定
子容器2は、接地ケーブルあるいは測定子容器2の取り
付けられる真空容器1を通じて、フィラメント3より低
い電位、例えば接地電位、に保たれている。
【0058】測定子容器2の上方には気体導入口2aが
開口し、真空容器1との接続用に接続フランジ2bが設
けられている。真空容器1とフランジ2bとの間は、O
リング5によって真空気密を保持する。測定子容器2は
結合用のフランジ2bを有していることにより、真空容
器1と着脱自在に結合可能になっている。従って、測定
子容器2の真空容器1への設置作業性の向上を図ること
ができると共に、測定子容器2の設置スペースや設置コ
ストを最小に抑えることができる。尚、真空気密を保持
する上で、Oリング5の替わりに金属ガスケットを用い
ても良い。また、接続には接続フランジ2bを設けるこ
となく、排気管2cをOリング5の構造によって真空容
器1に接続しても良い。
【0059】気体導入口2a近くには、例えばSUS3
04などの金属メッシュでできたシールド6が測定子容
器2と同電位に保たれて取り付けられている。このシー
ルド6は、真空容器1側より異物あるいは荷電粒子が測
定子容器2内に侵入して測定に支障を来たすことを防ぐ
ための侵入防止手段である。真空容器1中の気体は、測
定子容器2の上部に開口した気体導入口2aより、シー
ルド6の多数の開口穴をとおって測定子容器内に導入さ
れるので、第1及び第2の測定部によって圧力を測定す
ることができる。
【0060】測定子容器2は、測定子容器2の壁面の一
部に、電流導入端子7を具えている。この電流導入端子
7は、第1の測定部及び第2の測定部の構成電極に規定
電圧を印加すると共に、これら構成電極を固定する。こ
の電流導入端子7は、絶縁体材料7aで構成されてい
て、第1の測定部及び第2の測定部に電流を導入するピ
ンが設置されている。
【0061】測定子容器2のほぼ中心軸上には、例えば
太さ約0.2mmのタングステン製のイオンコレクタ8
が、グリッド4のコイルのほぼ上端面に突き出るように
ピン9に取り付けられる。このイオンコレクタ8を取り
囲んで、表面に例えば白金がコーティングされた太さ約
0.2mm、全長約180mmのモリブデン線によりコ
イル状に作製されたグリッド4が、ピン10aとピン1
0bに固定されたグリッド支柱11とで支持されてい
る。グリッド4は、好ましくは、概ね軸対称であると良
い。グリッド4により均一な電界が形成されるからであ
る。この実施の形態のようなB-A型電離真空計の場合に
は、グリッド4の軸がイオンコレクタ8になっており、
従って、測定子容器2とグリッド4の軸がほぼ一致する
ようにグリッド4が配置されている。さらに、グリッド
4の外側には、例えば太さ約0.2mmのトリアコート
イリジウム線を高さ約12mmのヘヤピン状に加工した
フィラメント3が、グリッド4からの距離が例えば2.
5mmの位置にピン12a、ピン12bに支持されて取
り付けられている。以上の構造により、B-A型電離真空
計の測定部である第1の測定部の構成電極を形成してい
る。
【0062】さらに、この発明では、このグリッドの軸
延長上付近に第2の測定部を設置してある。また、後述
するように、熱電子は、フィラメントの延在方向と主に
垂直方向に放射され、及び、この実施の形態ではグリッ
ドの軸とフィラメントの延在方向とは平行になってい
る。従って、第2の測定部は、フィラメントから放射さ
れる熱電子の主要飛行空間からはずれた空間に設置して
あることになる。さらには、第2の測定部は、測定子容
器2の壁面のうちグリッドの軸延長上付近の壁面、この
実施の形態においては電流導入端子と、構成電極との間
の空間に設置してあることになる。
【0063】また、第1の測定部の構成電極であるイオ
ンコレクタ8、グリッド4及びフィラメント3と第2の
測定部との間に、例えばSUS304などの金属ででき
たシールド板13が取り付けられており、第2の測定部
と構成電極とを空間的に分離している。従って、第1の
測定部による気体分子イオン化空間14から隔離された
高さ約8mm程度の第2の測定部設置空間15が形成さ
れている。このシールド板13は測定子容器2の内面に
固定されており、上述のように測定子容器2は接地電位
としてあるので、シールド板13も接地電位となってい
る。イオンコレクタ8、グリッド4及びフィラメント3
の各電極に接続されるピンは、このシールド板13に接
触しないように、シールド板13における各ピン位置の
開口部で貫通している。
【0064】第2の測定部は、水晶振動子容器19及び
水晶振動子18を含んだ構造になっている。水晶振動子
容器19は水晶振動子18を包み込む構造になってお
り、従って、B-A型電離真空計から放射される荷電粒子
や熱輻射を防ぎ、蒸着及びスパッタされた物質が水晶振
動子18に付着するのを防止できる。また、水晶振動子
容器19は、開口部50を有しており、この開口部50
により水晶振動子18を真空容器1内の気体圧力に導通
させることができる。また、水晶振動子18は水晶振動
子容器19と素子固定金具20を介して固定されてい
る。さらに水晶振動子18は、リード線21を介して、
電流導入端子7に設置されているピン22a及び22bに
接続されている。
【0065】また、第2の測定部のうち水晶振動子容器
19は、例えばコバールなどの金属のような熱伝導性に
優れた材料で構成された素子固定板17に固定してあ
る。更に素子固定板17は、例えばコバールなどの金属
のような熱伝導性に優れた材料で構成されたパイプ、例
えば円筒パイプ16で支持されている。この円筒パイプ
16は、電流導入端子7の中央に組み込まれ、円筒パイ
プ16の他端は測定子容器2外部に突出している。この
円筒パイプ16及び素子固定板17を、例えば測定子容
器2と接続することによって、円筒パイプ16及び素子
固定板17を接地電位にすることができる。
【0066】以上のような第1及び第2の測定部の構
造、並びに周辺部品の構造を有することにより、以下に
述べるような効果が発生する。
【0067】第2の測定部がグリッドの軸延長上付近に
設置してありシールド板13が設置してあるため、B-A
型電離真空計の測定部である第1の測定部のフィラメン
ト3及びグリッド4の通電時の熱輻射や気体分子のイオ
ン化に伴い生じる二次電子、気相イオン、並びにスパッ
タ物が水晶振動子18に与える影響が、最小限に抑えら
れる。また、シールド板13は接地電位であるので、第
1の測定部における構成電極からの第2の測定部への電
界の影響を低減できる。
【0068】更に、水晶振動子18は熱伝導性に優れた
円筒パイプ16と素子固定板17に固定されているた
め、外部の振動により水晶振動子18本体が振れること
で水晶振動子18周囲に形成される静電容量が変化し、
その結果圧力測定の変動を引き起こすことが無くなる。
また、水晶振動子容器19に流入する熱を円筒パイプ1
6を通じて大気側に放出する。この結果、フィラメント
3がONの場合、またはOFFした直後においても、素
子固定板17に取り付けられた水晶振動子18の温度上
昇は抑えられる。また、この円筒パイプ16はイオンコ
レクタ8に接続されているピン9を囲むように電流導入
端子7に設置されている。従って、円筒パイプ16を測
定子容器2と同電位とすることにより、イオンコレクタ
8に進入する電気的ノイズは円筒パイプ16によって逃
がされ、その結果、イオンコレクタ8に進入する電気的
ノイズを防ぐ役割も果たす。
【0069】この結果、第2の測定部により、測定誤差
の少なく安定した感度で圧力測定が行える。
【0070】また、グリッドの軸と測定子容器の軸がほ
ぼ一致しているために、グリッドによる均一な電界が形
成でき、その結果、第1の測定部により、測定誤差の少
なく安定した感度で圧力測定が行える。
【0071】次に、この実施の形態の電離真空計の第1
及び第2測定部を動作させる制御回路について図2を参
照して説明する。この制御回路は、B-A型電離真空計の
測定部である第1の測定部を動作させる電離真空計動作
回路23と、水晶摩擦真空計の測定部である第2の測定
部を動作させる水晶摩擦真空計動作回路24と、各真空
計の圧力測定値を表示するための表示装置25と、更に
圧力領域によって各真空計の圧力表示に切り替え及び第
1の測定部のフィラメント3のON、又はOFFを行う
ための切り替え回路26とを具えている。
【0072】電離真空計動作回路23は、フィラメント
3から熱電子を発生させるフィラメント動作用電源2
7、フィラメント3にイオンコレクタ8の電位より高い
電位を与えるフィラメント電位電源28、グリッド4に
フィラメント3から放出された熱電子を蓄積するための
グリッド電位を与えるグリッド電位電源29、グリッド
4を通電加熱するための脱ガス用電源30及び脱ガスス
イッチ31、グリッド4に流入する電子を一定量に制御
するためのエミッション制御回路32、イオンコレクタ
8と接地間に接続されイオン電流を測定するイオンコレ
クタ電流計33、イオン電流Iiを圧力に変換するため
のイオン電流−圧力変換回路34、及びフィラメント電
位電源28と接地間に接続されエミッション電流Ieを
測定するエミッション電流計35で構成されている。
【0073】水晶摩擦真空計動作回路24は、水晶振動
子18をそれ自身の固有共振周波数にて安定振動させる
ためのフェーズ・ロックド・ループ回路(PLL回路)
36、及び共振インピーダンスを圧力に変換するための
共振インピーダンス−圧力変換回路37で構成されてい
る。
【0074】切り替え回路26は、共振インピーダンス
−圧力変換回路37及びイオン電流−圧力変換回路34
からの圧力信号を基にB-A型電離真空計のフィラメント
ON・OFF(オン・オフ)信号の出力を行う制御回路
38と、制御回路38からのON・OFF信号を基にB-
A型電離真空計のフィラメント3のON又はOFFを行
うフィラメント遮断スイッチ39で構成される。
【0075】また、脱ガス用電源30及びグリッド電位
電源29はグリッド4と接続されているピン10a及び
10bとそれぞれ接続され、イオンコレクタ電流計33
はイオンコレクタと接続されているピン9と接続され、
フィラメント動作用電源27及びフィラメント遮断スイ
ッチ39はフィラメント3と接続されているピン12a
及び12bとそれぞれ接続され、及びPLL回路は水晶
振動子18と接続されているピン22a及び22bと接続
されている。
【0076】次に、第1及び第2の測定部の構造及び機
能について、詳細に説明する。
【0077】第1の測定部はB-A型電離真空計の測定部
となっており、低圧力領域(高真空領域)の圧力を計測
する。
【0078】グリッド4にグリッド電位電源29により
正のグリッド電圧(以後、Vgと称する。)、例えば1
80Vを印加すると共に、フィラメント3にフィラメン
ト電位電源28により例えば45Vのフィラメント電圧
(以後、Vfと称する。)を印加し、さらにフィラメント
動作用電源27により通電加熱すると、フィラメント3
からグリッド4に向かって熱電子が放出される。この熱
電子は、主に気体分子イオン化空間14、すなわち熱電
子の主要飛行空間中に放出される。この熱電子はグリッ
ド4に到達する前にその近傍で往復運動をしながら、グ
リッド4内に蓄積される。この際、放出された熱電子の
うちいくらかは、測定子容器2内の気体分子と衝突し、
その結果、気体分子の電離によって正電荷のイオンが生
成される。
【0079】最終的に熱電子がグリッド4に到達する
と、フィラメント3とグリッド4との間にエミッション
電流Ieが流れる。ここで、イオンコレクタ8にフィラ
メント電位に対して負のイオンコレクタ電圧(以後、V
tcと称する。)を印加しておくと正電荷のイオンはイ
オンコレクタ8で捕捉され、従って、イオンコレクタ8
にはイオン電流Iiが流れ込む。この実施の形態では、
イオンコレクタ8をピン9を介して接地することにより
電位を0Vにしている。各電極の印加電圧を一定電圧と
し、同時に、エミッション電流Ieを一定電流とする
と、グリッド4近傍で往復運動をする熱電子の密度が一
定になる。このとき、生成するイオンの量が真空容器1
内の気体分子の密度、即ち圧力に比例する。従って、イ
オンコレクタ8に流入するイオン電流Iiの大きさをイ
オンコレクタ電流計33により測定し、そして、この測
定結果(電流値)をイオン電流−圧力変換回路34で圧
力に変換することによって、真空容器1内の圧力を測定
することができる。
【0080】ここで、グリッド4にフィラメント3から
放出された熱電子が到達するためには、Vg>Vfでな
くてはならない。また、生成した正電荷のイオンがイオ
ンコレクタ8に進むエネルギーを与えるためには、Vg
>Vtcでなければならない。さらに、熱電子がイオン
コレクタ8に流れ込まないようにするために、Vf>V
tcでなければならない。従って、Vg>Vf>Vtc
という関係を満たさなくてはならない。この実施の形態
においては、Vg=180(V)、Vf=45(V)及
びVtc=0(V)としたが、上述の関係を満たす電圧
であれば、これらの数値は任意好適なものであっても良
い。
【0081】また、上述の通りエミッション電流Ieを
一定値にするために、イオンコレクタ電流計33で計測
されたイオン電流Iiとエミッション電流計35で計測
されたエミッション電流Ieを基に、エミッション制御
回路32を通じてフィラメント動作用電源27にフィー
ドバックがかけられる。このフィードバックについて、
以下に説明する。
【0082】エミッション電流Ieに貢献するのは、気
体分子に衝突せずグリッド4に到達する熱電子の他に、
気体分子に衝突した後の熱電子及び気体分子が電離して
正電荷のイオンが生成されたときに発生する二次電子も
含まれる。従って、フィラメント電位電源によるVf及
びフィラメント動作用電源27による通電パワーが一定
であっても、気体分子の数、つまり圧力によってエミッ
ション電流Ieは変化する。そこで、このエミッション
電流Ieを一定値にするために、エミッション制御回路
32により、フィードバックする必要がある。このフィ
ードバックは、エミッション制御回路32が、エミッシ
ョン電流計35におけるエミッション電流Ieを検知し
ながら、このエミッション電流Ieが一定値になるよう
にフィラメント動作用電源27による通電パワーを制御
して行う。
【0083】また、このフィードバックは、エミッショ
ン制御回路32が、上述のエミッション電流計35にお
けるエミッション電流Ieを検知すると同時に、イオン
コレクタ電流計33におけるイオン電流値Iiを検知し
て行う。すなわち、上述のエミッション電流Ieの一定
値は、測定する圧力領域、つまりイオン電流値Iiによ
って使い分けているために、まず、この一定値を決定す
る必要があるからである。エミッション電流Ieの一定
値を、測定する圧力領域、つまりイオン電流値Iiによ
って使い分けている理由は、以下に述べるとおりであ
る。すなわち、高圧力領域においては、フィラメントの
酸化や腐食を防ぐために、フィラメントの表面温度を低
くする、すなわちフィラメント動作用電源27による通
電パワーを低くしている。このため、エミッション電流
Ieの一定値を低めに設定する。これに対し、低圧力領
域においては、気体分子密度が小さく、イオン電流Ii
も小さくなるので、イオン電流検出能力を下回らなくす
るために、イオン電流Iiを増やす目的でエミッション
電流Ieを高くする必要がある。このため、上述のフィ
ラメントの酸化や腐食を防止する必要はあるものの、エ
ミッション電流Ieを高めに設定する。従って、このエ
ミッション電流Ieの一定値の設定切り換えの圧力を検
知するために、エミッション制御回路32は、イオンコ
レクタ電流計33におけるイオン電流値Iiを検知して
フィードバックを行う。
【0084】以上のような機能及び原理でB-A型電離真
空計の測定部及び制御回路を動作させた結果、測定圧力
は、イオン電流−圧力変換回路34において、イオンコ
レクタ電流計33で計測したイオン電流Ii及びエミッ
ション電流計35で計測したエミッション電流Ieに基
づいて算出される。すなわち、測定圧力をPとすると、
P=1/S・Ii/Ieの式より求められる。ここでS
は測定子の感度である。
【0085】また、グリッド4の脱ガスを、脱ガス用電
源30及び脱ガススイッチ31により行うが、これにつ
いて以下説明する。B-A型電離真空計により真空度の測
定を行うことにより、グリッド4及びその他の構成電極
や測定子容器2等の周辺部品に気体分子が吸着するが、
これらの吸着している気体分子は圧力測定を行う上での
ノイズとなりうる。そこで、脱ガススイッチ31をON
にして脱ガス用電源30によりグリッド4を通電加熱す
ることによって、グリッド4及び周辺部品から吸着気体
分子を脱離させて取り除く。このグリッド通電による脱
ガス処理は、任意好適なとき、例えば、真空計による測
定前に行えばよい。
【0086】一方、第2の測定部は水晶摩擦真空計の測
定部となっており、高圧力領域(低真空領域)の圧力を
計測する。
【0087】まず、水晶振動子18に水晶摩擦真空計動
作回路24のPLL回路36により一定交流電圧を印加
しかつ固有共振周波数で振動させる。このとき、気体分
子が固有共振周波数にて安定振動している水晶振動子1
8に衝突すると、水晶振動子18表面に粘性抗力が発生
する。この粘性抗力は気体の圧力に比例し、水晶振動子
18の共振インピーダンス変化としてとらえることがで
きる。このとき、PLL回路36で検出した共振インピ
ーダンス値を共振インピーダンス−圧力変換回路37に
て圧力に変換することにより、測定子容器2内の圧力を
測定する。
【0088】次に、B-A型電離真空計及び水晶摩擦真空
計により圧力測定を行う際に、圧力領域の変化に対して
測定の切り換えを行う方法について説明する。
【0089】大気圧から高圧力領域(低真空領域)では
切替回路26内の制御回路38を通じて水晶摩擦真空計
の圧力測定値が表示され、低圧力領域(中、高真空領
域)では制御回路38を通じてB-A型電離真空計の圧力
測定値が表示される構造になっている。
【0090】ここで、フィラメント遮断スイッチ39が
ON又はOFF状態にかかわらず、水晶摩擦真空計によ
る圧力測定は常に行われている。これに対し、B-A型電
離真空計は、フィラメント遮断スイッチ39がONの場
合のみ、ピン12a及び12b間にフィラメント動作用電
源27によって電流が流されるので、従って、フィラメ
ント遮断スイッチ39がONの場合のみ圧力測定が行わ
れる。尚、グリッド電位電源29によるグリッド4への
グリッド電位電圧の印加、及びフィラメント電位電源2
8によるフィラメント3へのフィラメント電位電圧の印
加は常に行われる。
【0091】まず、共振インピーダンス−圧力変換回路
37で得られた圧力信号、つまり水晶摩擦真空計による
測定値は切替回路26内の制御回路38に送られる。こ
のとき、B-A型電離真空計のフィラメント3がOFF状
態、つまりフィラメント遮断スイッチ39がOFFの場
合には、水晶摩擦真空計の圧力測定値が表示装置25に
表示される。一方、B-A型電離真空計のフィラメント3
がON状態、つまりフィラメント遮断スイッチ39がO
Nの場合には、B-A型電離真空計の圧力測定値が表示装
置25に表示される。
【0092】ここで、B-A型電離真空計のフィラメント
ONの信号は、共振インピーダンス−圧力変換回路37
で得られた圧力信号が、例えば4Pa以下の場合に出力
されるように設定しており、フィラメントOFFの信号
は、電離真空計動作回路23におけるイオン電流−圧力
変換回路34で得られた圧力信号が、例えば8Pa以上
の場合に出力されるように設定している。
【0093】つまり、水晶摩擦真空計により高圧力領域
の測定を行っている際(このとき、フィラメントOFF
信号になっている。)、真空容器1内の圧力が減少し、
共振インピーダンス−圧力変換回路37にて得られた圧
力値が4Pa以下であることを制御回路38が検知する
と、制御回路38よりB-A型電離真空計のフィラメント
ON信号を出力する。次に、フィラメント遮断スイッチ
39では、この信号を受けてフィラメント3へのパワー
供給が行われる。同時に、表示装置25への圧力表示を
B-A型電離真空計による圧力測定値に切り替える。反対
に、B-A型電離真空計により低圧力領域の測定を行って
いる際(このとき、フィラメントON信号になってい
る。)、真空容器1内の圧力が上昇し、イオン電流−圧
力変換回路34にて得られた圧力値が8Pa以上である
ことを制御回路38が検知すると、制御回路38よりB-
A型電離真空計のフィラメントOFF信号を出力する。
次に、フィラメント遮断スイッチ39では、この信号を
受けてフィラメント3へのパワー供給を遮断する。同時
に、表示装置25への圧力表示を水晶摩擦真空計による
圧力測定値に切り替える。
【0094】この発明の電離真空計の切替圧力領域は、
上述のように4Pa〜8Pa、さらには10Pa程度に
することもできる。これに対し、従来技術においては、
せいぜい10-1Pa〜1Pa程度であった。従来技術に
おいて、切り換え圧力領域が低かったのは、言い換える
と、高圧力側の測定精度が悪く、測定限界が低いことを
示しており、これは以下に述べる原因による。すなわ
ち、イオンは正の電荷を持っているため、本来イオンコ
レクタ8に捕捉されるべきイオンがフィラメント3(イ
オンからみれば負電荷に当たる)にも流れ込んでくる。
従って、見かけ上フィラメントから熱電子が放出された
ことと同じになってしまう。その結果、気体分子のイオ
ン化に寄与する本来の熱電子が少なくなり、本来の意味
でのエミッション電流、つまり実エミッション電流が減
少してしまうため、測定された圧力は信頼性が無くな
る。この現象は、高圧力領域において、顕著である。こ
れに対し、低圧力領域においては、エミッション電流が
高く、気体分子も少ないので、実エミッション電流の減
少はほとんどない。従って、実エミッション電流が減少
する影響が大きい高圧力側の測定限界が悪化し、その結
果、切り換え圧力領域が低くなっていた。
【0095】この発明においては、測定子容器2をフィ
ラメントより低い電位としてあるので、測定子容器2の
内壁が、イオンがフィラメント3に流れ込んで実エミッ
ション電流を減少させるのを防止する補助電極の役割を
果たしている。従って、実エミッション電流が減少する
影響が大きい高圧力側の測定限界が改善できる。この結
果、切替圧力領域が上述のように従来技術に比べて高く
なる。同時に、もともと温度や熱電子などによる圧力測
定誤差の影響をうけやすい水晶摩擦真空計を使用する圧
力範囲が減少するので、信頼性の高い測定を実現できる
という効果がある。
【0096】次に、この実施の形態の電離真空計を用い
て圧力測定を行った実験結果について説明する。図3
は、この実施の形態の電離真空計において、大気圧から
超高真空までの広領域圧力を測定したグラフである。
【0097】図3において、横軸は基準圧力(Pa)及び縦
軸はこの実施の形態の真空計による測定圧力(Pa)を示
す。図3の白抜き菱形は、圧力上昇時のB-A型電離真空
計による測定データであり、黒塗り菱形は、圧力減少時
のB-A型電離真空計による測定データであり、白抜き三
角は、圧力上昇時の水晶摩擦真空計による測定データで
あり、及び黒塗り三角は、圧力減少時の水晶摩擦真空計
による測定データである。なお、圧力測定する対象のガ
スとして、窒素を導入した。これらの測定データから、
基準圧力とこの実施の形態の真空計による測定圧力は、
直線関係をなしていることがわかる。従って、大気圧か
ら1×10-7(Pa)の高真空領域までの測定が可能と
なることがわかる。特に水晶摩擦真空計からB-A型電離
真空計への切換点(つまり減圧時圧力切換点)である4
Pa、またはB-A型電離真空計から水晶摩擦真空計への
切換点(つまり昇圧時圧力切換点)である8Paにおい
て、連続性のある切換が行われている。通常、B-A型電
離真空計から水晶摩擦真空計への切換の場合、フィラメ
ントの熱輻射等の影響が懸念されるが、この測定データ
からみた切換点における温度等の影響はほとんど観測さ
れていない。
【0098】上述した実施の形態における構成、形状、
材料、数値などは単なる一例であってこれに限られるも
のではなく、他の任意好適な構成、形状、材料、数値な
どで置き換えることができる。
【0099】例えば、この実施の形態においては、第1
の測定部として、B-A型電離真空計を用いたが、フィラ
メント、グリッド及びイオンコレクタを含む構成電極を
具える構造の電離真空計であれば、この発明に使用する
ことができる。例えば、中心軸にフィラメントがあり、
その周りにグリッド、さらにはイオンコレクタが形成さ
れている構造である、三極管型電離真空計、熱陰極電離
真空計及び冷陰極電離真空計を用いても良い。さらに
は、エキストラクタ型電離真空計、サプレッサ真空計、
シュルツゲージ等を用いることもできる。
【0100】また、この実施の形態においては、第2の
測定部を水晶摩擦真空計としたが、この発明は真空中に
設置できる圧力測定素子であれば、第2の測定部として
使用することができる。この圧力測定素子としては、半
導体並びに電子部品製造技術を利用した圧力測定素子、
例えば拡散型圧力トランスデゥーサ、静電容量型シリコ
ンダイヤフラム圧力素子、熱伝導圧力素子、更には温度
検出素子や感ガス半導体を用いた感ガス素子なども用い
ることができる。
【0101】更に、この実施の形態においては、第2の
測定部による測定対象物を圧力としたが、この発明では
これに限られるものではない。この発明では、電離真空
計による圧力測定の機能・性能を維持したまま、熱・電
子などの擾乱を受けないように第2の測定部を設置する
ことが可能となっている。したがって、第2の測定部と
しては、圧力測定素子だけでなく、温度を測定するため
の温度測定素子を用いても大きな効果が発生する。さら
には、測定対象物はどのようなものであっても熱・電子
などの影響を受けやすい測定素子であれば効果が発生す
るといえる。
【0102】また、この実施の形態においては、測定子
容器中に第1及び第2の測定部が設置されており、接続
フランジにより測定子容器が着脱可能な構造になってい
るが、例えば、接続フランジ及び電流導入端子のみが着
脱可能であり、測定子容器が真空容器の一部となってい
る構造であっても良い。
【0103】また、この実施の形態では、B-A型電離真
空計の圧力測定値を検出してB-A型電離真空計のフィラ
メントOFF信号を出力する構造としたが、常時動作し
ている水晶摩擦真空計の圧力測定値で検出しても良い。
【0104】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、この発明に
よれば、測定子容器と、この測定子容器中に設けられた
第1及び第2の測定部とを具え、第1の測定部は、フィ
ラメント、グリッド及びイオンコレクタを含む構成電極
を具える、真空状態の圧力を測定する、電離型構造と
し、第2の測定部は、第1の測定部とは異なる機能を有
する構造とした、電離真空計において、第2の測定部
を、グリッドの軸延長上付近であって、フィラメントか
ら放射される熱電子の主要飛行空間からはずれた空間に
設置してある構造になっているので、測定子容器及びフ
ランジの大きさが小さくなり、真空容器への設置作業性
の向上が図れ、及び測定子の設置スペースやコストを最
小に抑えられる。また、第1の測定部のフィラメントの
熱輻射、二次電子、気相イオン、スパッタ物などによる
影響及び第1の測定部の構成電極の電界による影響を受
けることなく、第1の測定部による中真空から高真空領
域の圧力の測定と、第2の測定部の固有測定領域の、双
方に及ぶ測定領域を安定して測定できる。
【0105】また、第2の測定部と構成電極との間に、
第2の測定部と構成電極とを空間的に分離するシールド
板を設けてあるので、第1の測定部のフィラメントの熱
輻射、二次電子、気相イオン、スパッタ物などによる影
響及び第1の測定部の構成電極の電界による影響をさら
に受けることがない。
【0106】また、測定子容器は概ね軸対称形であり、
測定子容器とグリッドの軸がほぼ一致するようにグリッ
ドが配置されているので、グリッドと測定子容器の内面
間距離を一定に保つことができ、従って均一な円筒電界
が形成される。このため、真空容器の取り付け形状に影
響されず、第1の測定部において、常に安定した感度が
得られる。
【0107】また、第2の測定部は、熱伝導性に優れた
材料で構成された素子固定板に固定してあるので、第2
の測定部に入ってくる輻射熱を、容易に外部に逃がすこ
とができる。
【0108】また、測定子容器は、フィラメントより低
い電位であるので、測定子容器が、イオンがフィラメン
トに流れ込んで実エミッション電流を減少させるのを防
止する補助電極の役割を果たし、第1の測定部による高
圧力側の測定限界が改善される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電離真空計の構成を示す断面図である。
【図2】電離真空計の制御回路を示すブロック図であ
る。
【図3】大気圧から超高真空の広領域圧力を測定したグ
ラフである。
【図4】従来技術の電離真空計の構成を示す断面図であ
る。
【図5】従来技術の電離真空計の制御回路を示すブロッ
ク図である。
【符号の説明】
1:真空容器 2:測定子容器 2a:気体導入口 2b:接続フランジ 2c:排気管 3:フィラメント 4:グリッド 5:Oリング 6:シールド 7:電流導入端子 7a:絶縁体材料 8:イオンコレクタ 9:ピン 10a:ピン 10b:ピン 11:グリッド支柱 12a:ピン 12b:ピン 13:シールド板 14:気体分子イオン化空間 15:圧力測定素子設置空間 16:円筒パイプ 17:素子固定板 18:水晶振動子 19:水晶振動子容器 20:素子固定金具 21:リード線 22a:ピン 22b:ピン 23:電離真空計動作回路 24:水晶摩擦真空計動作回路 25表示装置 26:切換回路 27:フィラメント動作用回路 28:フィラメント電位電源 29:グリッド電位電源 30:脱ガス用電源 31:脱ガススイッチ 32:エミッション制御回路 33:イオンコレクタ電流計 34:イオン電流−圧力変換回路 35:エミッション電流計 36:PLL回路 37:共振インピーダンス−圧力変換回路 38:制御回路 39:フィラメント遮断スイッチ 50:開口 51:コレクタ電位電源

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 測定子容器と、該測定子容器中に設けら
    れた第1及び第2の測定部とを具え、該第1の測定部
    は、フィラメント、グリッド及びイオンコレクタを含む
    構成電極を具える、真空状態の圧力を測定する電離型構
    造とし、及び前記第2の測定部は、前記第1の測定部と
    は異なる機能を有する構造とした、電離真空計におい
    て、 前記第2の測定部を、前記グリッドの軸延長上付近であ
    って、前記フィラメントから放射される熱電子の主要飛
    行空間からはずれた空間に設置したことを特徴とする電
    離真空計。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の電離真空計において、 前記第2の測定部を、前記測定子容器の壁面のうち前記
    グリッドの軸延長上付近の壁面と、前記構成電極との間
    の空間に設置したことを特徴とする電離真空計。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の電離真空計にお
    いて、 前記第2の測定部と前記構成電極との間に、前記第2の
    測定部と前記構成電極とを空間的に分離するシールド板
    を設けたことを特徴とする電離真空計。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の電離真空計において、 前記シールド板の電位は、接地電位であることを特徴と
    する電離真空計。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電
    離真空計において、 前記測定子容器は概ね軸対称形であり、及び該測定子容
    器と前記グリッドの軸がほぼ一致するように前記グリッ
    ドが配置されていることを特徴とする電離真空計。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか1項に記載の電
    離真空計において、 前記測定子容器の電位は、前記フィラメントより低い電
    位であることを特徴とする電離真空計。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項に記載の電
    離真空計において、 前記第2の測定部は、熱伝導性に優れた材料で構成され
    た素子固定板に固定してあることを特徴とする電離真空
    計。
  8. 【請求項8】 請求項7に記載の電離真空計において、 前記素子固定板は、熱伝導性に優れた材料で構成されて
    いて、他端が測定子容器外部に突出しているパイプと接
    続されており、及び該パイプは、前記測定子容器と同程
    度の低電位にされていることを特徴とする電離真空計。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の電
    離真空計において、 前記測定子容器は、真空容器と着脱自在に結合可能な結
    合部を有していることを特徴とする電離真空計。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか1項に記載の
    電離真空計において、 前記測定子容器は、前記第1の測定部及び前記第2の測
    定部の構成電極に規定電圧を印加し、かつ該構成電極を
    固定するための、絶縁体材料で構成された電流導入端子
    を、該測定子容器の壁面の一部に具えていて、該電流導
    入端子には前記第1の測定部及び前記第2の測定部に電
    流を導入するピンが設置されていることを特徴とする電
    離真空計。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれか1項に記載
    の電離真空計において、 前記電離真空計は、前記第1及び第2測定部を動作させ
    る制御回路を具えていることを特徴とする電離真空計。
  12. 【請求項12】 請求項11に記載の電離真空計におい
    て、 前記制御回路は、前記測定子容器に付着しているガスを
    脱離させるための脱ガス用電源及び脱ガス用スイッチを
    具えていることを特徴とする電離真空計。
  13. 【請求項13】 請求項1〜12のいずれか1項に記載
    の電離真空計において、 前記第1の測定部は、ベヤードアルパート型電離真空計
    であることを特徴とする電離真空計。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の電離真空計において、 前記第2の測定部は、圧力を測定する測定部であること
    を特徴とする電離真空計。
  15. 【請求項15】 請求項14に記載の電離真空計におい
    て、 前記圧力を測定する測定部は、水晶振動子式圧力計であ
    ることを特徴とする電離真空計。
  16. 【請求項16】 請求項1〜13のいずれか1項に記載
    の電離真空計において、 前記第2の測定部は、温度を測定する測定部であること
    を特徴とする電離真空計。
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