JPH10213509A - 圧力測定装置 - Google Patents

圧力測定装置

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JPH10213509A
JPH10213509A JP2720097A JP2720097A JPH10213509A JP H10213509 A JPH10213509 A JP H10213509A JP 2720097 A JP2720097 A JP 2720097A JP 2720097 A JP2720097 A JP 2720097A JP H10213509 A JPH10213509 A JP H10213509A
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JP
Japan
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filament
pressure
current
vacuum gauge
grid
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JP2720097A
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English (en)
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Akira Kaku
明 郭
Shizuo Nakamura
静雄 中村
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Ulvac Inc
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Ulvac Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】真空計を併設しなくても広い圧力範囲が測定で
きる圧力測定装置を提供する。 【解決手段】フィラメントFとグリッドGとコレクタC
とを有する真空計Vを用いて真空雰囲気の圧力測定を行
う際、フィラメント電流Ifに上限値Ifmaxを設けてお
き、低圧力範囲では、電離真空計動作により、エミッシ
ョン電流Ieが一定になるようにフィラメント電流If
制限し、コレクタCに流れるイオン電流Iiから圧力を
求める。高圧力範囲では、低圧力範囲よりフィラメント
Fの温度を下げ、ピラニ真空計動作を行わせ、フィラメ
ントFが気体分子によって奪われた熱量から圧力を求め
る。高圧力範囲ではフィラメント電流Ifを上限値Ifma
xの定電流に制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空雰囲気の圧力
測定を行う技術分野に係り、特に、動作圧力範囲の広い
圧力測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】真空は、広い意味では通常の大気圧より
低い圧力の気体で満たされた空間を指しており、その真
空の圧力測定には、一般に、105Pa〜10-1Pa程
度の高圧力領域(低真空領域)ではピラニ真空計が用いら
れ、10-1Pa以下の低圧力領域(高真空領域)では電離
真空計が用いられている。
【0003】図11の符号V1で示すものは、従来技術
のピラニ真空計であり、ガラスで構成された測定管球S
1内に、フィラメントF1が配置されており、測定管球S
1に設けられた気体導入口A1が図示しない真空槽に接続
され、その真空槽内に残留する気体分子を測定管球S1
内に導入できるように構成されている。
【0004】真空槽内を真空排気する場合、高圧力領域
では測定管球S1内に気体分子M1が多量に残留するた
め、フィラメントF1に通電して発熱させると気体分子
1の衝突によって、フィラメントF1から熱が奪われ
る。奪われる熱量は、気体分子M1の密度、即ち測定管
球S1内の圧力に比例するので、その熱量をフィラメン
トF1の抵抗変化等から算出すると測定管球S1内の圧力
測定を行うことが可能となる。
【0005】他方、図12の符号V2で示すものは、従
来技術の電離真空計であり、ガラスで構成された測定管
球S2内に、イオンコレクタC、フィラメントF、グリ
ッドGの3つの電極が配置されている。測定管球Sは、
気体導入口A2によって、図示しない真空槽に接続され
ており、その真空槽内に残留する気体分子を測定管球S
2内に導入できるように構成されている。
【0006】低圧力領域において、グリッドG2に正の
グリッド電圧を印加すると共にフィラメントF2に通電
して加熱すると、フィラメントF2からグリッドG2に向
けて熱電子が放出される。その熱電子はグリッドG2
到達する前に、その近傍で往復運動をし、測定管球S2
内に残留する気体分子と衝突し、電離によって正電荷の
イオンが生成される。
【0007】最終的に熱電子がグリッドG2に到達する
と、フィラメントF2とグリッドG2との間にエミッショ
ン電流が流れるが、コレクタC2に負の電圧を印加して
おくと、正電荷のイオンはコレクタC2で捕集され、グ
リッドG2とコレクタC2との間にイオン電流が流れる。
【0008】グリッド電圧を定電圧に、エミッション電
流を定電流にしておくと、グリッドG近傍で往復運動を
する熱電子の密度が一定になり、生成するイオンの量が
測定管球S2内の気体分子の密度、即ち圧力に比例する
ようになるので、コレクタC2を流れるイオン電流の大
きさを測定することで、測定管球S2内の圧力を測定す
ることが可能となる。
【0009】このような電離真空計には種々のものが開
発されており、特殊なものには、熱電子を少なくするこ
とで、10-1Pa以下の低真空度(高圧力)を測定できる
ようにしたシュルツ型電離真空計や、軟X線の影響を低
減することで、10-8Pa以上の高真空度(低圧力)を測
定できるようにしたベヤード−アルパート型電離真空計
等があり、測定対象の圧力範囲に応じて適切なタイプの
電離真空計を選択できるようになっている。
【0010】しかしながら電離真空計V2のフィラメン
トF2は、圧力が高い雰囲気中、特に、酸素や水分等を
多く含む雰囲気中で高温に加熱すると、劣化したり、焼
損による断線を起こしてしまう。断線が起こった場合、
フィラメントF2の交換作業は非常に煩雑である。
【0011】他方、上述のピラニ真空計V1では、真空
槽の槽壁からの輻射熱を受けたり、フィラメントF1
身の熱輻射や熱伝導による熱損失等があるため、低圧力
領域では気体分子が関与しない温度変化要因の影響が大
きくなり、測定精度が悪化してしまう。
【0012】そこで従来技術では、一つの真空槽にピラ
ニ真空計V1と電離真空計V2とを併設し、圧力測定を行
う際、高圧力範囲ではピラニ真空計V1を、低圧力範囲
では電離真空計V2を動作させ、2台の真空計を切り替
えて使用することで広範囲の圧力を測定できるようにし
ていた。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら2台の真
空計を併設する場合、コスト高になり、また、メンテナ
ンス作業が煩雑なものとなってしまう。従って、1台の
真空計で広い範囲の圧力を測定できる圧力測定装置の開
発が望まれている。
【0014】本発明は上記従来技術の不都合を解決する
ために創作されたもので、その目的は、測定圧力範囲の
広い圧力測定装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】一般に、電離真空計で
は、フィラメント温度は800℃以上になるため、酸素
分子や水分子等の腐食性物質の量が多い高圧力領域で使
用しようとすると、フィラメントが劣化や断線を引き起
こしてしまう。従って、電離真空計は低圧力範囲でしか
使用できず、高圧力範囲においては、ピラニ真空計のよ
うに、フィラメントを高温に加熱せずに、その熱損失か
ら圧力測定を行う真空計が使用されていた。
【0016】本発明の発明者等は、高圧力範囲であって
も、フィラメントの温度を低下させれば、電離真空計と
同様の構成の真空計で、ピラニ真空計の機能を持たせら
れることを見出した。
【0017】本発明は、上記知見に基づいて創作された
ものであり、その請求項1に記載された発明は、フィラ
メントとグリッドとコレクタとを有する真空計を制御し
て真空雰囲気の圧力測定を行う圧力測定装置であって、
前記グリッドに電圧を印加すると共に前記フィラメント
にフィラメント電流を流し、前記フィラメントから熱電
子を放出させ、前記フィラメント電流の大きさを制御し
て前記フィラメントとグリッドの間に定電流のエミッシ
ョン電流を流し、前記熱電子によって生成されたイオン
を前記コレクタで捕集し、前記コレクタに流れるイオン
電流を検出して圧力を測定する電離真空計動作と、前記
電離真空計動作を行うときよりも前記フィラメントの温
度を下げ、前記フィラメントが気体分子によって奪われ
た熱量から圧力を測定するピラニ真空計動作とを切り替
えて行えるように構成されたことを特徴とする。
【0018】この請求項1圧力測定装置については、請
求項2記載の発明のように、前記電離真空計動作とピラ
ニ真空計動作との切り替えを、前記フィラメント電流を
検出して行うように構成することができる。
【0019】また、請求項1又は請求項2のいずれか1
項記載の圧力測定装置については、請求項3記載の発明
のように、前記フィラメント電流に上限値を設けること
ができる。
【0020】その上限値は、請求項4記載の発明のよう
に、前記ピラニ真空計動作を行う圧力範囲では、前記フ
ィラメントを断線させない値に設定するとよい。
【0021】また、前記ピラニ真空計動作では、請求項
5記載の発明のように、前記フィラメント電流が前記上
限値の大きさの定電流になるように制御するとよい。
【0022】上述の本発明の構成によれば、フィラメン
トとグリッドとコレクタとを有する真空計を制御して真
空雰囲気の圧力測定を行う際、低圧力範囲では、グリッ
ドに電圧を印加すると共にフィラメントに通電し、フィ
ラメントから熱電子を放出させ、フィラメントとグリッ
ドの間に定電流のエミッション電流を流し、熱電子によ
って生成されたイオンをコレクタで捕集して電離真空計
動作を行っており、この電離真空計動作では、コレクタ
に流れるイオン電流を測定することで圧力を測定するこ
とができる。
【0023】他方、フィラメント電流を増減させ、エミ
ッション電流を定電流にする場合には、フィラメントの
温度は圧力が増加しても高温のままであり、酸素や水分
によってフィラメントの劣化や断線が発生してしまう。
【0024】従って、高圧力側では、フィラメントの温
度を下げ、フィラメントが発熱した際に気体分子によっ
て奪われた熱量から圧力を測定をするピラニ真空計動作
を行うと、フィラメントの劣化や断線を起こすことなく
圧力を測定することができる。
【0025】ところで、一般に、真空雰囲気に置かれた
物質に通電して発熱させる場合、低圧力であるほど真空
の断熱効果によって昇温し易く、他方、高圧力であるほ
ど残留気体分子が奪う熱量が大きく、昇温しずらくなる
ため、同じ温度に加熱する場合には、高圧力であるほど
必要とする通電量は大きくなる。従って、電離真空計動
作を行っている場合には、高圧力になるほどフィラメン
ト電流が増加する。
【0026】そこで、フィラメント電流の上限値を設定
しておき、フィラメント電流がその上限値を超えずにエ
ミッション電流を定電流にできる圧力範囲では、電離真
空計動作を行わせることができ、他方、フィラメント電
流が上限値に達する圧力よりも大きい圧力範囲ではピラ
ニ真空計動作を行わせることができる。
【0027】このように、低圧力範囲では、電離真空計
動作に必要な温度までフィラメントを加熱し、他方、高
圧力範囲では、フィラメントが劣化や断線を生じない温
度まで低下させると、真空計を併設しなくても、広い圧
力範囲を測定することが可能となる。
【0028】また、ピラニ真空計動作では、フィラメン
トに流す電流をその上限値の大きさの定電流にすると、
フィラメントの抵抗値と通電量から圧力測定を行うこと
が可能となる。
【0029】図3〜図5は、フィラメント電流Ifの上
限値Ifmaxを、それぞれ2.0A、2.4A、2.7A
に設定した場合の、フィラメント電流If、フィラメン
ト電圧Vf(フィラメントFの両端の電圧)、及びエミッ
ション電流Ieの各値と、圧力Pの関係を示したグラフ
である。上限値Ifmaxが大きい程エミッション電流Ie
を一定にできる範囲(電離真空計動作を行える範囲)が広
がっている。
【0030】そのエミッション電流Ieが定電流となる
低圧力範囲では、圧力Pが高くなる程フィラメント電圧
fが大きくなり、フィラメント電流Ifが増加している
が、フィラメント電流Ifが上限値Ifmaxに達した後、
その上限値Ifmaxの定電流に制御されると、フィラメン
トFの温度は、圧力Pが高くなるほど低下するため、フ
ィラメント電圧Vfは小さくなり、その結果、エミッシ
ョン電流Ieは減少し、ゼロAになる。
【0031】上限値Ifmaxが2.0A〜2.7Aの範囲
でのフィラメント電圧Vfと圧力Pとの関係を図6のグ
ラフに示す(Ifmaxは0.1A刻み)。いずれの場合で
も、フィラメント電流Ifが上限値Ifmaxに達する前の
電離真空計動作を行う圧力範囲では、圧力Pの増加に伴
ってフィラメント電圧Vfは増加している。
【0032】同様に、上限値Ifmaxが2.0A〜2.7
Aの範囲でのフィラメント電流Ifと圧力Pの関係を図
7のグラフに示す。上限値Ifmaxに達する前は、フィラ
メント電流Ifは圧力Pの増加に伴って増加している。
【0033】同様の範囲でのフィラメントFの抵抗値R
fと圧力Pの関係を図8のグラフに示す。フィラメント
Fの抵抗値Rfは、電離真空計動作を行う圧力範囲(約1
-1Pa以下)では一定であるが、それよりも高い圧力
になると低下し始め(一部例外を除く。)、フィラメント
電流Ifが上限値Ifmaxに達した後はフィラメント電流
fは定電流にされているので、圧力Pの増加に連れて
低下の傾斜が急になっており、ピラニ真空計動作で圧力
測定が行えることが分かる。
【0034】また、エミッション電流Ieと圧力Pの関
係を図9のグラフに示す。上限値Ifmaxの値が小さいほ
ど、エミッション電流Ieは低圧力で一定値を維持でき
なくなっている。また、このグラフと図7のグラフか
ら、フィラメント電流Ifが上限値Ifmaxに達するまで
の低圧力範囲では、圧力Pが上昇した場合にはフィラメ
ント電流Ifは増加させられ、圧力Pが低下した場合に
はフィラメント電流Ifは減少させられて、エミッショ
ン電流Ieが定電流になっていることが分かる。
【0035】なお、図8のフィラメントFの抵抗値Rf
の測定結果からフィラメント温度Tを算出し、圧力Pと
の関係を図10のグラフに示す。
【0036】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態を図面を用いて
説明する。図1を参照し、符号Vは、図12に示した電
離真空計V2と同様の構造の真空計であり、ガラスで構
成された測定管球S内に、イオンコレクタC、フィラメ
ントF、グリッドGの3つの電極が配置されている。測
定管球Sに設けられた気体導入口Aは真空槽Bに接続さ
れており、真空槽B内を真空排気したときに、内部に残
留する気体分子が測定管球S内に導入されるように構成
されている。
【0037】符号1は本発明の一実施形態を示す圧力測
定装置であり、フィラメント電流検出装置2、フィラメ
ント電圧検出装置3、出力信号切替装置4、フィラメン
ト電源12、グリッド電源13、イオン電流検出装置1
4、フィラメント電流制御装置15を備えている。
【0038】フィラメント電源12はフィラメントFに
接続され、他方、グリッド電源13はグリッドGに接続
されており、フィラメント電源12とグリッド電源13
とを起動すると、フィラメントFにはフィラメント電流
fが流れ、グリッドGには正のグリッド電圧が印加さ
れるように構成されている。
【0039】フィラメント電流制御装置15内にはエミ
ッション電流検出抵抗Reが設けられており、フィラメ
ントFにフィラメント電流Ifが流れたときに、低電圧
側となるフィラメントFの一端は、そのエミッション電
流検出抵抗Reを介して接地電位に接続されている。
【0040】従って、測定管球S内が低圧力範囲にあ
り、加熱されたフィラメントFからグリッドGに向けて
熱電子が放出され、その熱電子によってフィラメントF
とグリッドGの間にエミッション電流Ieが流れたとき
に、そのエミッション電流Ieはエミッション電流検出
抵抗Reを流れ、両端にIe・Reの大きさの電圧を発生
させる。
【0041】フィラメント電流制御装置15内には基準
電圧発生回路と比較回路が設けられており(基準電圧発
生回路、比較回路は図示せず。)、その比較回路によっ
て、エミッション電流検出抵抗Reの両端に生じたIe
eの電圧を基準電圧発生回路が出力する基準電圧Vref
と比較し、電圧Ie・Reが基準電圧Vrefよりも小さい
場合には、フィラメント電源12を制御してフィラメン
ト電流Ifを増加させ、大きい場合には、フィラメント
電源12を制御してフィラメント電流Ifを減少させる
ように構成されている。従って、エミッション電流Ie
は、 Ie = Vref/Re の定電流になるように制御されている。
【0042】この圧力測定装置1では、イオン電流検出
装置14はコレクタCに接続され、コレクタCはイオン
電流検出装置14によって負電圧が印加されており、フ
ィラメントFから放出された熱電子が測定管球S内の気
体分子に衝突し、気体分子の電離によって生成された正
電荷のイオンが、コレクタCによって捕集されるように
構成されている。
【0043】このとき、コレクタCには、捕集されたイ
オンにより、イオン電流Iiが流れるが、上述したよう
に、測定管球S内が低圧力範囲にあり、グリッドGに印
加されるグリッド電圧が定電圧、エミッション電流Ie
が定電流に制御されているので、イオン電流Iiの大き
さは測定管球S内の気体分子の密度に比例する。
【0044】イオン電流検出装置14内にはイオン電流
検出抵抗Riと、オペアンプOp14が設けられており、
イオン電流Iiはイオン電流検出抵抗Riを流れ、オペア
ンプOp14によって電圧信号に変換された後、イオン電
流Iiの電流値を示す電圧信号として、出力信号切替装
置4に出力されるように構成されている。
【0045】出力信号切替装置4は、信号端子a、オペ
アンプOp4、ツェナーダイオードDz、2個のスイッ
チSW1、SW2を有しており、前述のイオン電流Ii
大きさを示す電圧信号が出力されるオペアンプOp14
出力端子は、スイッチSW1を介して信号端子aに接続
されている。
【0046】2個のスイッチSW1、SW2の開閉状態
は、オペアンプOp4の出力状態によって切り換えが行
われるように構成されており、オペアンプOp4の出力
がロー状態のときに、スイッチSW1が閉状態、スイッ
チSW2が開状態になり、逆にオペアンプOp4の出力が
ハイ状態のときにスイッチSW1が開状態、スイッチS
2が閉状態になるようにされている。従って、イオン
電流Iiの大きさを示す電圧信号は、オペアンプOp4
出力がロー状態のときに信号端子aに現れる。
【0047】前述の信号端子aは、図示しない圧力算出
装置に接続されており、その圧力算出装置はオペアンプ
Op3の出力状態を検出し、ロー状態のときには電離真
空計の測定原理に従って動作するように構成されてい
る。従って、オペアンプOp3の出力がロー状態のとき
には、信号端子aに現れる電圧信号からイオン電流Ii
の電流値を逆算し、測定管球S内の圧力、即ち、真空槽
B内の圧力を求めることができる。
【0048】他方、前述のフィラメント電圧検出装置3
はオペアンプOp3を有しており、フィラメント電流If
が流れたときにフィラメントFの両端に生じたフィラメ
ント電圧VfがオペアンプOp3に入力され、所定倍率で
増幅されるように構成されている。そのオペアンプOp
3の出力端子はスイッチSW2を介して信号端子aに接続
されており、従って、出力信号切替装置4内のオペアン
プOp4がハイ状態を出力しているときに、フィラメン
ト電圧Vfの大きさを示す電圧信号が信号端子aに出力
されている。
【0049】前述の圧力算出装置は、出力信号切替装置
4内のオペアンプOp4がハイ状態を出力しているとき
には、フィラメント電流Ifの電流値と、フィラメント
電圧Vfの大きさを示す電圧信号の大きさから、フィラ
メントFの抵抗値Rfを算出し、その抵抗値Rfからフィ
ラメントFが気体分子に奪われた熱量を求め、測定管球
S内の圧力、即ち真空槽B内の圧力を求めるように構成
されている。
【0050】このように、2個のスイッチSW1、SW2
は、オペアンプOp4によって開閉状態が制御されてお
り、オペアンプOp4の非反転入力端子は、ツェナー電
圧Vzを出力するツェナーダイオードDzのアノード端
子に接続され、反転入力端子は、電圧If・Rsを出力す
るフィラメント電流検出抵抗Rsの高電圧側の一端に接
続されている。
【0051】従って、オペアンプOp4の出力端子の状
態は、電圧If・Rsとツェナー電圧Vzの大小によって
切り換えられており、具体的には、オペアンプOp4
出力端子は、If・Rs<Vz のときにハイ状態になり
(フィラメント電流Ifが小さい低圧力範囲)、その結
果、信号端子aからはイオン電流Iiの大きさを示す電
圧信号が出力される。他方、If・Rs>Vz のときに
はロー状態になり(フィラメント電流Ifが大きい高圧力
状態)、その結果、信号端子aからはフィラメント電圧
fの大きさを示す電圧信号が出力される。
【0052】また、If・Rs<Vzのときには、グリッ
ド電源13、イオン電流検出装置14、フィラメント電
流制御装置15が動作し、グリッド電圧とエミッション
電流Ieを一定値にするように制御されており、図示し
ない圧力算出装置は、信号端子aに出力されるイオン電
流Iiの大きさを示す電圧信号から圧力を求める(電離真
空計動作)。If・Rs>Vzのときには、グリッド電源
13、イオン電流検出装置14、フィラメント電流制御
装置15の動作は停止し、フィラメント電源12がフィ
ラメントFに上限値Ifmaxの定電流を供給し、圧力算出
装置はフィラメントFに生じた電圧Vfから圧力を求め
る(ピラニ真空計動作)。
【0053】以上説明したように、本発明の圧力測定装
置1によれば、1台の真空計を用いて電離真空計動作と
ピラニ真空計動作を行うことができるので、広い圧力範
囲を測定することができる。なお、本発明の説明中、エ
ミッション電流Ieもフィラメント電流Ifも定電流にな
っていない圧力範囲がある。例えば、図3の場合では、
10-2Pa〜10-1Paの圧力範囲である。そのような
圧力範囲では、電離真空計動作とピラニ真空計動作との
切り換えを行い、圧力測定装置1からは、圧力の値を出
力しないように設定することができる。
【0054】なお、上述の圧力測定装置1のピラニ真空
計動作では、フィラメント電流Ifを上限値Ifmaxの定
電流に制御したが、他の制御方式のピラニ真空計動作を
行うものも本発明に含まれる。例えば、フィラメント電
流Ifを、上限値Ifmaxを超えない範囲で、フィラメン
トFの抵抗値Rfが一定値になるように制御し(温度一
定)、投入電力から奪われた熱量を算出してもよい。
【0055】また、上述の真空計の電極配置や構成は、
通常の電離真空計と同様のものであったが、ベヤード−
アルパート型電離真空計、その他の構成の電離真空計を
動作させるものも本発明に含まれる。
【0056】
【発明の効果】一台の真空計で広い圧力範囲を測定する
ことができる。従って、低コストになり、また、メンテ
ナンス作業も容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の圧力測定装置のブロック
【図2】その一部分の詳細なブロック図
【図3】フィラメント電流If、フィラメント電圧Vf
エミッション電流Ieの各値と圧力の関係を示すグラフ
(上限値Ifmaxが2.0Aの場合)
【図4】フィラメント電流If、フィラメント電圧Vf
エミッション電流Ieの各値と圧力の関係を示すグラフ
(上限値Ifmaxが2.4Aの場合)
【図5】フィラメント電流If、フィラメント電圧Vf
エミッション電流Ieの各値と圧力Pの関係を示すグラ
フ(上限値Ifmaxが2.7Aの場合)
【図6】フィラメント電圧Vfと圧力Pの関係を示すグ
ラフ
【図7】フィラメント電流Ifと圧力Pの関係を示すグ
ラフ
【図8】フィラメントFの抵抗値Rfと圧力Pの関係を
示すグラフ
【図9】エミッション電流Ieと圧力Pの関係を示すグ
ラフ
【図10】フィラメント温度Tと圧力Pの関係を示すグ
ラフ
【図11】電離真空計の概略構成図
【図12】ピラニ真空計の概略構成図
【符号の説明】
1…圧力測定装置 C…コレクタ F…フィラメント
G…グリッド V…真空計 Ii…イオン電流 Ie…エ
ミッション電流 If…フィラメント電流 上限値…If
max

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フィラメントとグリッドとコレクタとを
    有する真空計を制御して真空雰囲気の圧力測定を行う圧
    力測定装置であって、 前記グリッドに電圧を印加すると共に前記フィラメント
    にフィラメント電流を流し、前記フィラメントから熱電
    子を放出させ、前記フィラメント電流の大きさを制御し
    て前記フィラメントとグリッドの間に定電流のエミッシ
    ョン電流を流し、 前記熱電子によって生成されたイオンを前記コレクタで
    捕集し、前記コレクタに流れるイオン電流を検出して圧
    力を測定する電離真空計動作と、 前記電離真空計動作を行うときよりも前記フィラメント
    の温度を下げ、前記フィラメントが気体分子によって奪
    われた熱量から圧力を測定するピラニ真空計動作とを切
    り替えて行えるように構成されたことを特徴とする圧力
    測定装置。
  2. 【請求項2】 前記電離真空計動作とピラニ真空計動作
    との切り替えを、前記フィラメントに流れるフィラメン
    ト電流を検出して行うように構成されたことを特徴とす
    る請求項1記載の圧力測定装置。
  3. 【請求項3】 前記フィラメント電流には上限値が設け
    られていることを特徴とする請求項1又は請求項2のい
    ずれか1項記載の圧力測定装置。
  4. 【請求項4】 前記上限値は、前記ピラニ真空計動作を
    行う圧力範囲では、前記フィラメントを断線させない値
    に設定されていることを特徴とする請求項3記載の圧力
    測定装置。
  5. 【請求項5】 前記ピラニ真空計動作では、前記フィラ
    メント電流が前記上限値の大きさの定電流になるように
    制御することを特徴とする請求項4記載の圧力測定装
    置。
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