JP3069544B2 - 熱陰極電離真空計 - Google Patents

熱陰極電離真空計

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱陰極電離真空計
に関し、特に熱陰極電離真空計内が大気圧にあるか否か
を測定子自身で判定可能な熱陰極電離真空計用判定回路
及びその制御方法を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、圧力領域に応じ多くの真空計が使
用されてきた。本発明ではいわゆる高真空領域で好適な
熱陰極電離真空計、別名でイオンゲージと呼ばれる真空
計に関する。また、この真空計は高真空での使用に際し
中真空領域で使用されているピラニ真空計との併用使用
も行われていた。
【0003】また、実用されているものでは、三極管型
電離真空計、B−A真空計、シュルツ真空計などが知ら
れている。通常使用される圧力領域はこれら種類により
異なり、例えば、B−A真空計では圧力の上限が10の
マイナス8乗パスカル(Pa)程度までの使用が可能であ
る。このため、後で述べる欠点を補うため大気圧付近で
は中真空領域で使用されているピラニ真空計を併用使用
する必要があった。
【0004】真空測定は真空容器内の気体分子の挙動か
ら圧力測定の原理が導かれることが知られている。詳細
は省略するが気体分子密度を計ることで圧力を測定する
熱陰極電離真空計、気体の熱伝導度が圧力に依存するこ
とを用いたピラニ真空計等がある。
【0005】熱陰極電離真空計はいわゆる分圧測定用真
空計とは異なり、全圧測定用真空計である。図4はこの
真空計の1つであるいわゆるB−A真空計の原理を理解
するための外観図である。熱陰極電離真空計は測定子1
0と一般に呼ばれる管球のなかに各電極から形成されて
いる。フィラメント2と呼ばれるカソード、アノード
(陽極)3、イオンコレクタ4の各電極が管球内に入っ
ている。この測定子10の一端は開口されて真空装置の
ゲージポートに装着される。電極への電気的な接続は各
々の電極端子から取り出される。
【0006】熱電子を取り出すフィラメント2にはタン
グステンの細線が用いられている。このフィラメント2
には制御回路からフィラメント電流により加熱される。
フィラメントはいずれか一方を用いる。
【0007】アノード3はフィラメント2より正の電位
としてイオン化に十分なエネルギーが与えられるように
すべきである。イオンコレクタ4はフィラメント2より
負の電位またはアース電位とし生成イオンを集める。動
作はフィラメントからの熱電子はアノードにより加速さ
れ、イオン化に十分なエネルギーを得た電子が気体と衝
突すると正イオンを発生する。このイオンはイオンコレ
クタに流入し、これをイオン電流として測定する。一方
電子はアノードに集められる。
【0008】このイオン電流は広い圧力範囲で気体分子
密度と比例関係があることが知られている。また、エミ
ッション電流にも比例関係にある。したがって、圧力は
前記のエミッション電流、イオン電流との双方から予め
与えられた定数を用いることにより求めることができ
る。
【0009】しかしながら、タングステン等を用いたフ
ィラメントは大気中で加熱されると急激に酸化し測定子
は破壊される。これを防止するためには測定子を動作す
るときに予め動作可能な真空状態まで減圧しておく必要
があった。また、真空用ポンプ、例えば油回転ポンプ、
油拡散ポンプ等では排気に従って経験的にポンプの音の
変化を聞くことで圧力のおおよその状態を判定できる。
これによりフィラメントへのエミッション電流流入開始
を判定する必要があった。この課題として、経験者の必
要、測定者の待機、場合によっては人為的ミスが発生す
ることもあり測定子を破損することが少なくなかった。
【0010】さらに、装置を自動運転するためにはピラ
ニ真空計等の補助真空計を使用し大気圧から動作可能な
圧力領域までの判定用手段を必要としていた。また、そ
の監視と真空計始動を判定する作業を回避し得なかっ
た。
【0011】熱陰極電離真空計のフィラメントをピラニ
真空計のフィラメントと見なして大気圧判定を試みた。
ピラニ真空計の動作を行うためフィラメント両端はブリ
ッジ回路の1辺を形成するよう接続される。ブリッジは
他の3辺との間に電源回路及び差動電圧出力回路が設け
られている。この回路はフィラメントの抵抗変化により
差動出力が生ずることから、フィラメントの抵抗変化と
圧力の関係を予め校正しておくことで圧力が測定できる
ものである。
【0012】具体的には、フィラメントを被測定部位が
真空中にあるときにそれに低電流を流し加熱しておく。
圧力の変化に対応して熱伝導の変化、すなわち、気体分
子が運び去る熱量の変化から、フィラメントの温度が変
化する。この結果、フィラメントの電気抵抗が変化す
る。これをブリッジの1辺に置くことで差動出力により
圧力を求めるものである。
【0013】しかしながら、このようなピラニ真空計の
原理を利用した場合には、熱陰極電離真空計のフィラメ
ントは使用により消耗し、特性が変化してしまうこと及
びフィラメントに接続する電線の抵抗が無視できないと
いった基本的な欠陥が見いだされた。このため、ピラニ
真空計方式で大気圧判定を行うためには、前記欠点の是
正とともに頻繁に校正を実施しなければならないためピ
ラニ真空計方式の実用化は困難であった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解消し、補助真空計等を用いることなしに、測定子自身
を用いて熱陰極電離真空計の動作判定を可能とした熱陰
極電離真空計を実現しようとするものである。特に、測
定子は従来のものがそのまま利用でき、それに使用しう
る新規なフィラメント加熱用電流制御回路装置を簡単、
低コストで提供しようとするものである。
【0015】本発明は、熱陰極電離真空計用測定子と、
該測定子を管球内に形成させ前記管球の開口端を圧力測
定に際し被圧力測定容器のゲージポートに接続させると
ともに、前記測定子のフィラメント電流制御回路におい
て、前記フィラメント電流値を大気中で破損しない程度
に流入させ、該流入開始から時間経過後の電流変化率値
を測定し、その変化率値と大気圧判定値との間で比較す
る手段と、前記フィラメント電流制御回路から圧力測定
回路への切換手段とからなることを特徴とする熱陰極電
離真空計により提供される。
【0016】また、本発明は、熱陰極電離真空計用測定
子と、該測定子を管球内に形成させ前記管球の開口端を
圧力測定に際し被圧力測定容器のゲージポートに接続さ
せるとともに、前記測定子のフィラメント電流制御回路
において、フィラメント電流流入回路と、前記フィラメ
ント電流制限用抵抗と、前記流入開始から時間経過後の
電流変化率値の測定手段と、その変化率値と大気圧判定
値との間で比較する手段と、前記フィラメント電流制御
回路から圧力測定回路への切換手段とからなることを特
徴とする熱陰極電離真空計により提供される。
【0017】さらに、前記測定子のフィラメント電流制
御回路において、前記フィラメント電流流入回路と、前
記切換手段をリレー手段としたことを特徴とする前記の
熱陰極電離真空計により提供される。さらにまた、熱陰
極電離真空計用測定子と、該測定子のフィラメント電流
制御回路において、前記フィラメント電流流入回路と、
前記フィラメント電流制限用抵抗と、前記電流変化率値
を測定する手段及びその変化率値と大気圧判定値との間
で比較判定する手段をマイクロコンピュータ手段とした
ことを特徴とする前記の熱陰極電離真空計により提供さ
れる。
【0018】より具体的には、
【請求項5】 前記測定子のフィラメント電流制御回路
において、前記フィラメント電流値を大気中で破損しな
い程度に流入させ、該流入開始から時間経過後の前記電
流変化率値測定手段によるその変化率値が1ないし3
%、かつ、前記流入開始から時間経過後の前記電流変化
率を比較する時間帯1ないし3秒程度の範囲内で、
気圧と真空であるかの判定線Bと比較し、該判定線Bに
対し前記電流変化率の推移が上または下かにより前記大
気圧と真空であるかを判定する比較判定する手段をマイ
クロコンピュータ手段としたことを特徴とする前記記載
の熱陰極電離真空計により効果的に提供される。
【0019】また、本発明の方法としては、熱陰極電離
真空計用測定子を管球内に形成させ前記管球の開口端を
圧力測定に際し被圧力測定容器のゲージポートに接続さ
せた前記測定子のフィラメント電流制御回路において、
前記フィラメント電流流入開始から時間経過後の前記電
流変化率値を測定し、その変化率値と大気圧判定値との
間で比較し、前記フィラメント電流制御回路から圧力測
定回路へ切り換えさせることを特徴とする熱陰極電離真
空計用測定子フィラメント電流制御方法により提供され
るものである。
【0020】さらに、前記測定子のフィラメント電流制
御回路において、前記フィラメント電流流入開始から時
間経過後の前記電流変化率値を測定し、その変化率値と
大気圧判定値との間で比較するとともに、大気圧であれ
ば、前記フィラメント電流制御回路から圧力測定回路へ
切り換えを停止させることを特徴とする請求項6記載の
熱陰極電離真空計用測定子フィラメント電流制御方法に
より効果的に提供されるものである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下具体的に発明の実施の形態に
ついて説明する。図面を参照して説明すると、図1は本
発明の熱陰極電離真空計の測定子10内のフィラメント
電流制御回路の要部回路図である。測定子10は管球
1、フィラメント2、アノード3、イオンコレクタ4が
主たる部材で形成され、これらの各電極は図示しない管
球端部の各端子に接続され熱陰極電離真空計として作動
する。また、被圧力測定容器5のゲージポート9に測定
子10の開口端が圧力測定に際し接続される。
【0022】本発明のフィラメント電流制御回路により
フィラメント2の加熱用電流は大気圧、真空状態に対応
した制御がなされる。この回路は直流電圧Vaからなる
直流電源6にスイッチS、フィラメント2、抵抗Rが接
続形成され、電流を供給しフィラメントを加熱する。抵
抗Rは大気圧下等の高真空でない状態での使用を目的と
し、フィラメント2に流入する電流制限用抵抗として用
いられ、リレーでこれを選択し圧力測定時には抵抗Rを
短絡する。
【0023】図2はリレーが能動状態aのときの理解を
助けるための回路図である。フィラメント2に直列に抵
抗Rが接続された状態で直流電源により電流が供給され
た状態を示す。フィラメント2に流れるフィラメント電
流は電源側の一端がアースされることで抵抗Rの端子電
圧Vbから求められる。
【0024】リレーがb側に倒れたときは圧力測定回路
が動作可能状態となる。この通常動作時には抵抗Rは不
要となりリレーにより短絡される。また、フィラメント
2はアースから浮いた状態で使用されている。フィラメ
ント2に流れる電流は直流電源から供給され圧力測定の
際にフィラメント加熱用に用いられる。このときのフィ
ラメント電流を加減することによりエミッションを一定
値に保つことが必要である。フィラメント電流は例え
ば、BAゲージでは2.2A程度となる。
【0025】測定子の動作可否判定について説明する
と、この制御回路はまずリレーをa側の能動状態に倒し
てスタートする。この際に加熱によりタングステンが酸
化しない程度の弱い電流を流すための電圧Va及び抵抗
値Rを選択すべきである。抵抗Rはフィラメント2、ラ
イン7、8の抵抗値及び直流電圧源におけるインピーダ
ンスよりも十分大きな抵抗値を選択すべきである。
【0026】実施例では抵抗R=5Ω、Va=3.41
V、I=0.58Aとした。フィラメント2は直径0.
18mm、長さ60mmのタングステンをコイル状に成
形したものを用いた。また、このときのフィラメント抵
抗値は常温で抵抗R=0.22Ω、加熱後の状態で0.
7Ωのものを使用した。ライン7、8は真空容器への距
離により異なるが15.4Ω/km程度の銅線を用い
た。
【0027】リレーをa側の能動状態で、スイッチSを
閉じるとフィラメント2が加熱される。測定子内が真空
であれば加熱によりフィラメントの温度が上昇する。測
定子内が大気圧であれば気体の冷却効果のため温度上昇
は微少となる。この温度上昇によりフィラメント2の抵
抗値が大きくなり電流が減少する。これらの状態を示し
たのが図3である。
【0028】図3はフィラメント電流の時間的変化の一
例を電流変化率値測定として示した図である。横軸はス
イッチSを閉じたときを時間0としその後のフィラメン
ト電流の変化を約4秒程観察した。また、縦軸はスイッ
チ投入時の初期電流値に対する変化後の電流変化率を対
比した値で示した。このときの初期電流値は0.58A
であった。なお、この場合のフィラメント電流値は大気
中で破損しない程度に流入させるべきである。実施例で
使用したフィラメントでは1.2Aで破損することが確
認された。したがって、1.0A程度を最大に、望まし
くは0.5ないし0.8A程度で使用すべきである。
【0029】カーブAは大気中での測定、カーブBは圧
力が約10のマイナス5乗パスカル(Pa)の真空中での測
定、直線Cは判定線を示したものである。この判定線に
対比してカーブAは大気圧判定値Kである判定線より常
に上のままとなった。カーブBは約1秒を越えると判定
線より下になり、下がってそのまま推移する。したがっ
て、この判定線の上または下のままになっているかを判
定することで被測定対象物が大気中か否かが判明する。
【0030】また、この大気圧判定値Kは予め実験的に
測定しておくことが必要である。実施例では、測定子内
の圧力をピラニ真空計で測定した。この結果、大気圧判
定値Kとしては0.99ないし0.95、望ましくは
0.983程度に選定しておくと効果的である。実用的
には真空中で大気圧チェックをし、真空中での電流変化
率i2/i0を測定し、後述する数1から求めた大気圧判定
値Kをメモリに記憶することができる。
【0031】本発明の具体的実施例では、前記電流変化
率値測定手段によるその変化率値が1ないし3%で、大
気圧と真空との比較判定値Kが1ないし2%、比較する
時間帯が1ないし3秒程度の範囲で比較判定した。直接
電流値を電流計等で測定してもよいが、その手段をマイ
クロコンピュータ手段としてもよい。大気圧判定値Kと
して実施例では、判定線が0.983、時間で約1.1
秒の位置で動作可否判定を行い、フィラメントの焼損が
なく、精度の良い圧力測定回路への切換が行えた。
【0032】図5はマイクロコンピュータ手段を用いた
場合の一実施例である。CPUはいわゆるメモリ、クロ
ックジェネレータ、コントローラ、I/0コントローラ
等CPU周辺その他入出力機能をオンチップ化したマイ
クロコンピュータ11、ADCはアナログ・ディジタル
・コンバータ12である。CPUによりADCを動作さ
せ図2と同様に抵抗Rの端子電圧Vbを計測する。測定
は時間間隔0.2秒で計測を繰り返しCPUに記録す
る。計測開始直後の初期電流値i0と時間経過後の電流値
i2との比i2/i0を計算し、判定値Kと比較し、i2/i0が
Kより小ならば大気圧でないと判定する。
【0033】ピラニ方式に比べ熱陰極電離真空計フィラ
メントの特性変動については次の点から確認された。図
1の回路で、実施例では抵抗R=5Ω、フィラメント電
流I=0.58Aとした。本発明ではこの数値に限定さ
れない。電流を大きくするとフィラメントの温度上昇が
大きくなるので、図3における真空中における曲線Cが
さらに下方にずれる。この結果、大気圧の判定が容易と
なる。フィラメント電流の上限を決定する要因はフィラ
メントの酸化である。フィラメントの表面が酸化により
変色し始めることで上限が決定される。
【0034】また、抵抗Rを小にすると曲線Cは下方に
ずれる。しかしながら、測定機器等の環境、測定条件か
ら使用する真空計はいろいろな測定子及び異なった長さ
のケーブルに対応しなければならない。このため抵抗R
が小さいことにより図3の曲線Cは測定子及びケーブル
の組合せにより大きくずれることが生じてしまう。本発
明の目的からはこれは望ましくない。したがって、抵抗
値はフィラメントとケーブルの抵抗値の合計値より充分
大きくとることが望ましい。また、逆に抵抗値が大きく
なると図3の曲線Cは大気中の曲線Aに近づき判定が難
しくなる。
【0035】このため、曲線Cが安定したところのi2/
i0をLとして、これに数1の式から求めた値Kとして判
定線Bを選択することにした。具体的には判定線Bは約
50Paに相当する。したがって、電流変化率値がこの
判定線Bより下になると圧力が50Pa以下であること
を意味する。
【数1】 このように、フィラメント自体の特性変動の許容値を大
きくとれることが確認された。
【0036】なお、このカーブの安定する時間はフィラ
メントの熱容量により左右される。また、時間差による
電流変化率の差異はわずかである。また、図5のマイク
ロコンピュータ手段を用いて容易に判定可能であった。
さらに、判定回路以外のリレー手段を含め制御回路全体
として公知のマイクロコンピュータを用いることもまた
当業者であれば容易に理解されるべきであろう。
【0037】制御回路にリレー手段を用いて説明したが
必ずしもこれを必須としていない。また、半導体、集積
回路による手段も使用可能である。コスト面、安全面等
から必要に応じて選択すべきである。同様にアナログ回
路で説明したが必ずしもこれに限定されないディジタル
回路手段の適用も可能である。
【0038】さらに、熱陰極電離真空計に適用される制
御回路面で説明してきたが、単に熱陰極電離真空計用の
一部品に止まらない。完成品としてのこれら制御回路を
使用した熱陰極電離真空計としても提供される。個々に
熱陰極電離真空計に適用した場合は当然であり、さら
に、多数個について一括で判定手段を可能とした前記熱
陰極電離真空計としても提供可能である。
【0039】
【発明の効果】以上述べた本発明の効果はこれに限定さ
れない。さらに、多数の熱陰極電離真空計への拡張した
適用が可能であり。回路構成も洗練された熱陰極電離真
空計制御システムとして提供できる。
【0040】ピラニ方式に比べ熱陰極電離真空計フィラ
メントの特性変動があっても十分本発明の回路は対応可
能であった。これは、いわゆる時間差測定による大気圧
との差異を測定するためで、この点でも本発明による動
作可否判定方式は効果的といえる。
【0041】さらに、高真空における測定値を記憶さ
せ、それと比較し動作可否判定を行うことができる効果
が期待できる。このように、フィラメント自体の特性変
動の許容値を大きくとれる。この結果低コスト、構造が
簡単、取付容易、フィラメント電流制御回路自体も簡単
となり容易に熱陰極電離真空計の動作可否の判定が可能
となった。さらには、高真空における測定値をメモリす
ることで簡易に比較演算すること等動作可否判定の精度
向上が期待できる。
【0042】このほか、一般の熱陰極電離真空計におけ
るいくつかの欠点の解消にもこの制御回路利用による動
作可否判定の実施は効果的である。すなわち、これまで
述べてきた、誤った操作によるフィラメントの焼損回避
である。
【0043】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィラメント電流制御回路の要部回路
図。
【図2】リレーが能動状態aのときの理解を助けるため
の回路図。
【図3】フィラメント電流の時間的変化の一例を示した
図。
【図4】従来の熱陰極電離真空計の測定子の概要を示し
た要部概要図
【図5】本発明の他の実施例であるマイクロコンピュー
タを用いたフィラメント電流制御回路の要部回路図。
【符号の説明】
1 管球 2 フィラメント 3 アノード 4 イオンコレクタ 5 被圧力測定容器 6 直流電源 9 ゲージポート 10 測定子 11 CPU 12 ADC A 大気中電流変化 B 真空中電流変化 C 判定線

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱陰極電離真空計用測定子と、該測定子
    を管球内に形成させ前記管球の開口端を圧力測定に際し
    被圧力測定容器のゲージポートに接続させるとともに、
    前記測定子のフィラメント電流制御回路において、前記
    フィラメント電流値を大気中で破損しない程度に流入さ
    せ、該流入開始から時間経過後の電流変化率値を測定
    し、その変化率値と大気圧判定値との間で比較する手段
    と、前記フィラメント電流制御回路から圧力測定回路へ
    の切換手段とからなることを特徴とする熱陰極電離真空
    計。
  2. 【請求項2】 熱陰極電離真空計用測定子と、該測定子
    を管球内に形成させ前記管球の開口端を圧力測定に際し
    被圧力測定容器のゲージポートに接続させるとともに、
    前記測定子のフィラメント電流制御回路において、フィ
    ラメント電流流入回路と、前記フィラメント電流制限用
    抵抗と、前記流入開始から時間経過後の電流変化率値の
    測定手段と、その変化率値と大気圧判定値との間で比較
    する手段と、前記フィラメント電流制御回路から圧力測
    定回路への切換手段とからなることを特徴とする熱陰極
    電離真空計。
  3. 【請求項3】 前記測定子のフィラメント電流制御回路
    において、前記フィラメント電流流入回路と、前記切換
    手段をリレー手段としたことを特徴とする請求項1また
    は2記載の熱陰極電離真空計。
  4. 【請求項4】 熱陰極電離真空計用測定子と、該測定子
    のフィラメント電流制御回路において、前記フィラメン
    電流流入回路と、前記フィラメント電流制限用抵抗
    と、前記電流変化率値を測定する手段及びその変化率値
    と大気圧判定値との間で比較判定する手段をマイクロコ
    ンピュータ手段としたことを特徴とする請求項1及び3
    のいずれか記載の熱陰極電離真空計。
  5. 【請求項5】 前記測定子のフィラメント電流制御回路
    において、前記フィラメント電流値を大気中で破損しな
    い程度に流入させ、該流入開始から時間経過後の前記電
    流変化率値測定手段によるその変化率値が1ないし3
    %、かつ、前記流入開始から時間経過後の前記電流変化
    率を比較する時間帯1ないし3秒程度の範囲内で、
    気圧と真空であるかの判定線Bと比較し、該判定線Bに
    対し前記電流変化率の推移が上または下かにより前記大
    気圧と真空であるかを判定する比較判定する手段をマイ
    クロコンピュータ手段としたことを特徴とする請求項4
    記載の熱陰極電離真空計。
  6. 【請求項6】 熱陰極電離真空計用測定子を管球内に形
    成させ前記管球の開口端を圧力測定に際し被圧力測定容
    器のゲージポートに接続させた前記測定子のフィラメン
    ト電流制御回路において、前記フィラメント電流流入開
    始から時間経過後の前記電流変化率値を測定し、その変
    化率値と大気圧判定値との間で比較し、前記フィラメン
    ト電流制御回路から圧力測定回路へ切り換えさせること
    を特徴とする熱陰極電離真空計用測定子フィラメント電
    流制御方法。
  7. 【請求項7】 前記測定子のフィラメント電流制御回路
    において、前記フィラメント電流流入開始から時間経過
    後の前記電流変化率値を測定し、その変化率値と大気圧
    判定値との間で比較するとともに、大気圧であれば、
    記フィラメント電流制御回路から圧力測定回路へ切り換
    えを停止させることを特徴とする請求項6記載の熱陰極
    電離真空計用測定子フィラメント電流制御方法。
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