JP2008209181A - 特定ガスの分圧の検出方法、及び四重極型質量分析計 - Google Patents

特定ガスの分圧の検出方法、及び四重極型質量分析計 Download PDF

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Abstract

【課題】全圧測定手段を用いることなく、圧力が高い雰囲気下において測定される分圧を良好な値に補正できる、特定ガスの分圧検出方法を提供する。
【解決手段】四重極型質量分析計10を用いて、特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値を測定することにより、被測定ガス中の前記特定ガスの分圧を検出する方法である。特定ガスの質量電荷比に対応する第一イオン電流値の測定値を、イオン電流値のピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値の測定値を用いて補正することにより、特定ガスの現実の分圧を求める。
【選択図】図2

Description

本発明は、全圧の高い雰囲気中で四重極型質量分析計を用いる場合において、特定ガスの分圧を検出する方法、及びその四重極型質量分析計に関するものである。
従来から、真空装置における真空槽(チャンバ)内の気体成分を分析するために四重極型質量分析計が用いられている。四重極型質量分析計は、四重極に直流バイアスと交流バイアスを印加し、イオン化装置で被測定ガスをイオン化させ、所定の質量電荷比に対応するイオン電流を測定することで、ガス種ごとの分圧を得て質量分析を行うものである。四重極型質量分析計は、フィラメントに通電して熱電子を放出させ、それによって気体を電離しイオンを生成することから、概略1.0Pa以下の真空雰囲気で動作させる必要がある。
一般に、四重極型質量分析計のイオン電流値は、圧力に比例して増加するが、圧力が高すぎると、四重極内を飛行するイオンと気体との衝突確率が高くなり、イオンがコレクタに到達しにくくなる。そのため、四重極が設けられた領域の圧力が所定値以上になると、イオン電流の増加が鈍る。その結果、実際よりも低い圧力に対応したイオン電流値が測定されてしまい、正確な分圧測定ができなくなるといった不具合が生じる。このような不具合を解決する方法としては、四重極型質量分析計にピラニ型真空計(全圧測定手段)を設け、該ピラニ型真空計で圧力を検出することでイオン電流値を補正する技術がある(例えば、特許文献1参照)。また、四重極型質量分析計のイオン源部に全圧コレクタ(全圧測定手段)を設けることで、イオン電流値を補正する技術も知られている(例えば、特許文献2参照)。
特開2004−349102号公報 特開平11−31473号公報
しかしながら、上記特許文献1,2に開示の発明では、いずれも分析装置の真空槽又は質量分析計に全圧測定手段を設ける必要がある。そのため、上記特許文献1に開示の発明では、例えばピラニ型真空計に接続される配線が断線した場合、また上記特許文献2に開示の発明では、例えば全圧測定用のフィラメントが断線、或いは全圧測定用の微小電流アンプが故障した場合などに、イオン電流値の補正を行うことができなくなってしまう。そこで、全圧測定手段を設けることなくイオン電流値(分圧)を補正できる、新たな手法の提案が望まれている。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、全圧測定手段を用いることなく、圧力が高い雰囲気下において測定される分圧を良好な値に補正できる、特定ガスの分圧検出方法、及び四重極型質量分析計を提供することを目的としている。
本発明の特定ガスの分圧の検出方法は、四重極型質量分析計を用いて、特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値を測定することにより、被測定ガス中の前記特定ガスの分圧を検出する方法であって、前記特定ガスの質量電荷比に対応する第一イオン電流値の測定値を、イオン電流値のピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値の測定値を用いて補正することにより、前記特定ガスの現実の分圧を求めることを特徴とする。
本発明の特定ガスの分圧の検出方法によれば、第一イオン電流値および第二イオン電流値がともに被測定ガスの全圧に応じて変化するので、第二イオン電流値を用いて第一イオン電流値を補正することにより、全圧を測定することなく特定ガスの現実の分圧を測定することができる。これにより、全圧の高い領域で四重極型質量分析計を用いた際でも、実際の分圧よりも低い圧力に対応するイオン電流値が測定されてしまい正確な分圧測定ができなくなるといった不具合を解消できる。したがって、真空計等の全圧測定手段を用いることなく、全圧の高い雰囲気中でも四重極型質量分析計により信頼性の高い分圧測定を行うことができる。
また、上記特定ガスの分圧の検出方法においては、前記ピークが出現しない質量電荷比を5とするのが好ましい。
このようにすれば、第二イオン電流のばらつきが小さくなり、第一イオン電流値を良好に補正することができる。
また、上記特定ガスの分圧の検出方法においては、前記被測定ガスの、全圧が2×10−1Pa以上、1Pa以下であるのが好ましい。
上記範囲で規定される全圧の雰囲気下では、イオンと気体との衝突確率が高まり、これにともなって実際に測定される第一イオン電流値が大きく低下してしまう。そこで、本発明を採用すれば、第一イオン電流値を良好な値に補正することができるので、より大きな効果を得ることができる。
本発明の四重極型質量分析計は、特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値を測定し、被測定ガス中の前記特定ガスの分圧を検出する四重極型質量分析計において、前記特定ガスの質量電荷比に対応する第一イオン電流値の測定値を、イオン電流値のピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値の測定値を用いて補正し、前記特定ガスの現実の分圧を求める演算部を備えることを特徴とする。
第一イオン電流値および第二イオン電流値がともに被測定ガスの全圧に応じて変化することから、第二イオン電流値を用いて第一イオン電流値を補正する補正関数を組み込んだ演算部を備えることにより、全圧を測定することなく特定ガスの現実の分圧を測定することができる。これにより、全圧の高い領域で四重極型質量分析計を用いた場合でも、実際の分圧よりも低い圧力に対応するイオン電流値が測定されてしまい正確な分圧測定ができなくなるといった不具合を解消できる。したがって、真空計等の全圧測定手段を用いることなく、全圧の高い雰囲気中でも四重極型質量分析計により信頼性の高い分圧測定を行うことができる。
本発明によれば、第二イオン電流値を用いて第一イオン電流値を補正することで、真空計等の全圧測定手段を用いることなく、全圧の高い雰囲気中でも四重極型質量分析計を用いて信頼性の高い分圧測定を行うことができる。
(第一実施形態)
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。四重極型質量分析計は、一般に真空装置のプロセス管理に用いられる。以下の実施形態では、真空装置の一例として、スパッタリングにより薄膜形成を行うスパッタリング装置を例に挙げ、本発明の四重極型質量分析計を用いることで、スパッタリング装置の真空槽(チャンバ)内に導入された分析対象ガスに含まれる様々な物質について、質量電荷比(質量数/電荷数)ごとの測定分圧を補正する方法について説明する。
図1は、スパッタリング装置の概略構成を示す図であり、同図中符号1がスパッタリング装置である。図1に示すように、スパッタリング装置1は真空槽2を有し、この真空槽2の内部にターゲット3と基板4が配置されている。そして、真空ポンプ等によって構成される真空排気系6を動作させ、真空槽2内を真空排気するとともに、ガス導入系5からスパッタリングガスを導入し、ターゲット3に電圧を印加することで、ターゲット3がスパッタリングされて基板4の表面に薄膜が形成される。
また、この真空槽2には本発明に係る四重極型質量分析計10が取り付けられており、四重極型質量分析計10を起動させることで真空槽2内部のガス組成(被測定ガス)を分析可能となっている。
(四重極型質量分析計)
図2は、四重極型質量分析計10の内部構造を示す図である。図2に示すように、四重極型質量分析計10は有底の金属製の容器11を有している。この容器11は一方が開口された円筒形状からなり、内部に質量検出部12が配置され、前記開口29側が真空槽2に取り付けられるようになっている。
まず、質量検出部12を説明すると、該質量検出部12は、取付筒21と、イオン化装置22と、四重極23と、コレクタ電極27とを有している。
取付筒21は絶縁物が円筒形状に成形されて構成されており、その二個の開口のうち一方は容器11の開口29側に向けられ、他方はコレクタ電極27に向けられている。
四重極23は金属製円柱から成る四本の電極で構成されており、取付筒21の内部に配置されている(図1では二本が見える)。また、四重極23を構成する四本の電極は、それぞれ取付筒21の中心軸線に沿った方向に向けられており、互いに所定間隔を開けて取付筒21内部の壁面にネジ止め固定されている。
イオン化装置22は熱フィラメントであり、取付筒21の開口付近であって、その開口と、容器11の開口29との間の位置に配置されている。また、イオン化装置22と四重極23の間には、スリット31が配置されている。
真空槽2の内部に存する気体は、容器11の開口29を通って容器11の内部に進入するため、容器11内部の雰囲気は、真空槽2の内部の雰囲気と同じになっている。従って、イオン化装置22周囲の雰囲気は、真空槽2の内部の雰囲気と同じ組成、及び同じ圧力になっている。
そして、イオン化装置22に通電し、イオン化装置22から熱電子を放出させると、その熱電子がイオン化装置22周囲に存する気体分子に衝突し、イオンが生成される。
スリット31は、小孔32を有しており、その小孔32は、四重極23を構成する四本の電極の間に位置している。
イオン化装置22によって生成されたイオンは、スリット31の小孔32を通過して四重極23の内部に進入する。
四重極23を構成する各電極には、直流バイアス電圧に所定周波数の交流電圧が重畳された電圧が印加されており、四重極23の内部に進入したイオンは、直流バイアス電圧の大きさと、交流電圧の大きさと、その周波数に応じた質量電荷比を有するものだけが、四重極23の間を通過するようになっている。従って、それらの大きさを変化させると、所望の質量電荷比のイオンだけを通過させることができる。
取付筒21とコレクタ電極27との間にはスリット24が配置されている。
したがって、四重極23の内部を通過したイオンはスリット24の小孔25に向かって飛行し、小孔25を通過してコレクタ電極27に入射する。
コレクタ電極27にイオンが入射するとイオン電流が生成され、イオン電流が演算部28で検出されると、表示装置33に、そのときの質量電荷比とそれに応じたイオン電流の大きさが表示される。イオン電流の値は、入射イオンの量に比例するため、イオン電流の大きさからその質量電荷比を有するイオンの量が分かり、その結果、真空槽2内の各気体の分圧等が認識可能となる。なお、上記演算部28は、詳細については後述するようにイオン電流値を補正する補正関数を備えることにより、現実の分圧を測定可能となっている。
(特定ガスの分圧の検出方法)
ところで一般に、四重極型質量分析計のイオン電流の値は圧力(全圧)に比例して増加するが、圧力が高すぎると、四重極内を飛行するイオンと気体との衝突確率が高くなり、イオンがコレクタ電極に到達しにくくなる。そのため、四重極が置かれた雰囲気中の圧力が所定値よりも高くなると、イオン電流の増加が鈍る。
図3は真空槽2内に窒素を導入し、四重極型質量分析計10によって測定した窒素イオン電流と、その時の真空槽内の圧力(全圧)との関係を測定したグラフである。
図3中、直線L1は四重極型質量分析計10のイオン電流実測値を示しており、破線L2は、イオンと気体の衝突が起こらないと仮定した場合におけるイオン電流の理論値を示している。
圧力P´(約2×10−2Pa)以上の範囲になると、四重極型質量分析計10のイオン電流I´の値は、気体とイオンとの衝突のため不正確となって非線形性を示し、衝突がない場合(同図中L2)に比較して下方にずれてくる。したがって、実際の分圧よりも低い圧力に対応するイオン電流値が測定されてしまい、その結果正確な分圧測定を行うことができなくなるおそれがある。
特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値の理論値と測定値とのズレ量は、全圧に応じて変化する(全圧依存性を有する)。そのため全圧がわかれば、イオン電流値の測定値を補正して理論値を得ることができる。しかしながら、全圧測定手段を設けると故障のリスクが伴うことになる。
本発明者は、鋭意研究の結果、特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値(以下「第一イオン電流値」という。)の測定値を、イオン電流値のピークが出現しない質量電荷比に対応するイオン電流値(以下「第二イオン電流値」という。)の測定値を用いて補正することにより、特定ガスの現実の分圧を求めることができることを見出した。
ピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値は、図4に示す(例えば、質量電荷比が5の場合)ように、全圧とともにイオン電流値が徐々に増加する傾向(全圧依存性)がある。
なお、ピークが出現しない質量電荷比とは、被測定ガス中に含まれるいずれのガス成分によってもイオン電流値が大きく変動することがない(具体的には、イオン電流の変動幅が1×10−13オーダー以内)質量電荷比を意味する。ピークが出現しない質量電荷比の値としては、10も挙げることができる。
ここで、第一イオン電流の理論値I1Rを得るため第一イオン電流の実測値Iに乗算する補正係数をFとすれば、次式が成り立つ。
1R=F*I・・・(1)
この補正係数Fは、全圧Pの関数として次式で表される。
F=f(P)・・・(2)
一方、第二イオン電流の実測値Iは、全圧Pの関数として次式で表される。
=f(P)・・・(3)
この数式(3)をPについて解き、数式(2)に代入すれば、FはIの関数となる。その数式(2)を数式(1)に代入すれば、I1RはIおよびIの関数となる。すなわち、第二イオン電流の実測値Iを用いて第一イオン電流の実測値Iを補正し、第一イオン電流の理論値I1Rを得ることができる。
なお、被測定ガス中の特定ガスの割合が異なっても、補正関数Fはほぼ同じになる。
以下、本実施形態に係る特定ガスの分圧の検出方法を、図5に示すフローチャートに基づいて説明する。
(補正関数の算出)
最初に、上述した補正関数Fを、特定ガスごとに算出し、四重極型質量分析計10の演算部28に保存する。補正関数Fの算出および保存は、四重極型質量分析計10の出荷前に行うことが可能である。
まず目的とする質量電荷比の設定を行う(S1)。具体的に本実施形態では、スパッタプロセスの主成分である質量電荷比が40のAr(アルゴン)に設定した。なお、本発明は分析対象がArに限定されないのはもちろんであり、例えば、質量電荷比が1〜50の範囲についても適応することができる。この場合、各質量電荷比に対応するイオン電流補正関数が規定される。
次に、ピークが出現しない質量電荷比の設定を行う(S2)。具体的に本実施形態では、質量電荷比を5とした。
続いて、イオン電流補正関数を算出する(S3)。まず、真空槽2内の全圧を高真空(例えば、1×10−5Pa)から1Paまで上昇させる。この時、四重極型質量分析計10を駆動し、上記フローS1で設定した質量電荷比(=40)のイオン電流(第一イオン電流)を記録し、図3の実線に相当するデータ(グラフ)を得る。また、上記フローS2で設定した質量電荷比(=5)のイオン電流(第二イオン電流)を記録し、図4に示したデータ(グラフ)を得る。なお、イオン電流値の低下が問題となる2×10−2Pa以上の圧力範囲を測定対象とし、それ未満の圧力範囲は必要に応じて外挿してもよい。
さらに、図3の実線に相当するグラフにおける低圧側の直線を高圧側に外挿して、図3の破線に相当するグラフを得る。
そして、図3の破線および実線に相当するグラフから、第一イオン電流の理論値を得るため第一イオン電流の実測値に乗算する補正関数Fを、全圧の関数として算出する(数式(2))。さらに図4のグラフから、第二イオン電流値を全圧の関数として算出する(数式(3))。そして、数式(3)を数式(2)に代入することにより、補正関数Fを算出する。
例えば、特定ガスがAr(アルゴン)の場合における補正関数Fは、次式で表される。
F = 0.13/exp(−1026×0.4×I 1.945) …(4)
図6は、数式(4)に示されるイオン電流補正関数Fを示すグラフである。横軸はイオン電流値(単位;A)を示し、縦軸は補正係数を示している。
以上のようにして規定されたイオン電流補正関数Fは演算部28に保持される。
さらに、数式(4)を数式(1)に代入することにより、第一イオン電流の理論値I1Rを得るための次式が得られる。
1R = 0.13×I/exp(−1026×0.4×I 1.945) …式(5)
(本測定)
次に、上記四重極型質量分析計10を用いてプロセスガスの測定処理を行う。以下では、Ar(アルゴン)におけるイオン電流値の実測値を補正する場合について説明する。
具体的には、四重極型質量分析計10を駆動し、特定ガスの分圧測定を開始する(S4)。まず、ピークが出現しない質量電荷比(=5)のイオン電流値(第一イオン電流値)を測定する(S5)。ここでは、補正関数の算出時に上記フローS2で設定した質量電荷比のイオン電流値を測定する。続いて、目的とする質量電荷比(本実施形態では、上記イオン電流補正関数Fに対応するアルゴン(=40))のイオン電流値(第一イオン電流)の測定を行う(S6)。
このとき、前記演算部28は、実測された第一イオン電流値および第二イオン電流値を上記イオン電流補正関数Fに代入して、補正係数を算出する。
次に、イオン電流補正関数Fによって規定される係数を上記フローS5で測定したイオン電流値に乗じることで、目的とする質量電荷比(40;アルゴン)の第一イオン電流を補正する(S7)。そして、補正後の第一イオン電流に基づき分圧を算出することで測定終了となる(S8)。なお、上記フローS5,S6はいずれを先に行ってもよく、あるいは同時に行ってもよい。また必要に応じて(例えば、いずれかの測定フローが失敗した場合等)、S5〜S7のフローを繰り返すようにしてもよい。
図7は、イオン電流補正関数Fを用いて補正された第一イオン電流値を示すグラフであり、同図中、丸点は、補正前の第一イオン電流値(実測値)のプロットを示し、四角点は、補正後の第一イオン電流値のプロットを示している。なお、同図中、直線Lで示されるのは、イオンと気体との衝突の影響が少なく線形性を示す低圧(1.0×10−2Pa以下)領域のイオン電流値を高圧(1.0×10−2Pa以上)側に外挿したものである。
上記イオン電流補正関数Fを用いることで、図7に示したように、特に現実の第一イオン電流値との差が大きくなる高圧(1×10−1Pa以上)雰囲気中において、第一イオン電流の値を良好に補正することができる。したがって、補正したイオン電流値に基づいて得られる各ガスの分圧は信頼性の高いものとなる。
以下、上記イオン電流補正関数Fを用いることで、第一イオン電流値が適正な値に補正されることについて確認する。
真空槽2内の全圧(圧力)が1Paの場合、ピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値は、図4から約2.0×10−13A(アンペア)となる。このとき、図6に示したイオン電流補正関数Fにおいて、イオン電流値(2.0×10−13A)に対応する係数をみると、約3.0×10となる。
また、真空槽2内の全圧(圧力)が1Paの場合における質量電荷比(40;アルゴン)に対応する第一イオン電流値の実測値は、図7で示されるように約1.8×10−8A(アンペア)となる。
この実測値に上述した補正係数を乗じて算出された補正後の第一イオン電流値は、図7の四角点で示されるように、約5.4×10−8A(アンペア)となる。一方、イオンと気体との衝突が起こらないと仮定した場合、第一イオン電流値の理論値は、図7の直線Lで示されるように、約6.0×10−8A(アンペア)となる。このように、理論値に基づく第一イオン電流(6.0×10−8A)に近い値に補正できる。なお、上記説明では全圧が1.0Paの1点の場合のみを例に挙げて説明したが、他のプロットについても同様である。よって、補正後のイオン電流値に基づいて分圧を測定することで、被測定ガスの質量分析の信頼性を向上させることができる。
以上、述べたように本実施形態に係る特定ガスの分圧の検出方法、及び四重極型質量分析計によれば、目的とする質量電荷比のイオン電流値(第一イオン電流値)およびピークが出現しない質量電荷比のイオン電流値(第二イオン電流値)がともに被測定ガスの全圧に応じて変化するので、上記ピークが出現しない質量電荷比のイオン電流値から算出されたイオン電流補正関数Fを用いて目的とする質量電荷比のイオン電流値を補正することにより、全圧を測定することなく特定ガス(アルゴン)の現実の分圧を測定することができる。これにより、全圧の高い領域で四重極型質量分析計10が用いられる際でも、実際の分圧よりも低い圧力に対応するイオン電流値が測定されてしまい正確な分圧測定ができなくなるといった不具合を解消できる。したがって、真空計等の全圧測定手段を用いることなく、全圧の高い雰囲気中でも前記四重極型質量分析計10により信頼性の高い分圧測定を行うことができる。
本発明は上記実施形態に限定されることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において適宜変更が可能である。例えば、上記実施形態では、ピークが出現しない質量電荷比を5に設定することでイオン電流補正関数Fを算出したが、これに限定されない。
また、本実施形態では真空装置としてスパッタリング装置に四重極型質量分析計を用いた場合について説明したが、本発明の四重極型質量分析計は、真空蒸着装置やCVD装置のような成膜装置の他、ドライエッチング装置や表面改質装置等の種々の真空装置に用いてもよい。
スパッタリング装置の概略構成を示す図である。 四重極型質量分析計の内部構造を示す図である。 四重極型質量分析計の圧力とイオン電流の関係を示すグラフである。 ピークが出現しない質量電荷比に対応するイオン電流値を示す図である。 本実施形態に係る分圧補正方法の動作を説明するための図である。 補正関数を示す図である。 補正関数で補完したイオン電流値を示す図である。
符号の説明
10…四重極型質量分析計

Claims (4)

  1. 四重極型質量分析計を用いて、特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値を測定することにより、被測定ガス中の前記特定ガスの分圧を検出する方法であって、
    前記特定ガスの質量電荷比に対応する第一イオン電流値の測定値を、イオン電流値のピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値の測定値を用いて補正することにより、前記特定ガスの現実の分圧を求めることを特徴とする特定ガスの分圧の検出方法。
  2. 前記ピークが出現しない質量電荷比を5とすることを特徴とする請求項1に記載の特定ガスの分圧の検出方法。
  3. 前記被測定ガスの、全圧が2×10−2Pa以上、1Pa以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の特定ガスの分圧の検出方法。
  4. 特定ガスの質量電荷比に対応するイオン電流値を測定し、被測定ガス中の前記特定ガスの分圧を検出する四重極型質量分析計において、
    前記特定ガスの質量電荷比に対応する第一イオン電流値の測定値を、イオン電流値のピークが出現しない質量電荷比に対応する第二イオン電流値の測定値を用いて補正する補正関数を用いて、前記特定ガスの現実の分圧を求める演算部を備えることを特徴とする四重極型質量分析計。
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