JP2000315474A - 質量分析計 - Google Patents
質量分析計Info
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- JP2000315474A JP2000315474A JP11123749A JP12374999A JP2000315474A JP 2000315474 A JP2000315474 A JP 2000315474A JP 11123749 A JP11123749 A JP 11123749A JP 12374999 A JP12374999 A JP 12374999A JP 2000315474 A JP2000315474 A JP 2000315474A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】電離真空計を取り付けることなく、質量分析計
のイオン源の真空度をモニタすることができるようにす
る。 【解決手段】試料を導入するボックス電極12を設け、
フィラメント電極11から熱電子をボックス電極12内
に導入して試料をイオン化するとともに、ボックス電極
12から飛び出した熱電子をトラップ電極13で捕捉し
て電流計17により検出し、この電流に基づいてフィラ
メント電極11に流れる電流を制御するようにしたイオ
ン源において、ボックス電極12に流れる電流を検出す
る電流計25と、トラップ電流計17に基づいて制御す
るかボックス電流計28に基づいて制御するかを切り替
える切換スイッチ30を備える。そして、真空度測定を
するときはボックス電流計28に基づいて制御を行い、
分析をするときはトラップ電流計17に基づいて制御を
行う。
のイオン源の真空度をモニタすることができるようにす
る。 【解決手段】試料を導入するボックス電極12を設け、
フィラメント電極11から熱電子をボックス電極12内
に導入して試料をイオン化するとともに、ボックス電極
12から飛び出した熱電子をトラップ電極13で捕捉し
て電流計17により検出し、この電流に基づいてフィラ
メント電極11に流れる電流を制御するようにしたイオ
ン源において、ボックス電極12に流れる電流を検出す
る電流計25と、トラップ電流計17に基づいて制御す
るかボックス電流計28に基づいて制御するかを切り替
える切換スイッチ30を備える。そして、真空度測定を
するときはボックス電流計28に基づいて制御を行い、
分析をするときはトラップ電流計17に基づいて制御を
行う。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は質量分析計に関し、
さらに詳細にはトラップ電流制御の電子衝撃法によるイ
オン源を用いた質量分析計に関する。
さらに詳細にはトラップ電流制御の電子衝撃法によるイ
オン源を用いた質量分析計に関する。
【0002】
【従来の技術】GCMSやLCMSを始めとして検出器
として質量分析計が用いられる機器が存在する。質量分
析計では、分析する試料をイオン源室に導入し、ここで
種々の方法により試料をイオン化し、生じたイオンを後
段の質量分離部に送り込んで質量スペクトル分析等を行
っている。したがって質量分析計にはイオン化を行うた
めのイオン源が必要であるが、このようなイオン源のひ
とつにトラップ電流制御の電子衝撃法によるものがあ
る。図1は従来からのこの方式による質量分析計におけ
るイオン源の構成を示す。図において、11はフィラメ
ント電極、12はボックス電極、13はトラップ電極、
14はフィラメント電圧源、15はボックス電圧源、1
6はトラップ電圧源、17はトラップ電流計である。な
おこのイオン源の電極部分全体(フィラメント電極、ボ
ックス電極、トラップ電極)が図示しない真空ポンプに
より真空状態に維持されているイオン源室(真空室)に
収納されている。そのため真空度はイオン源室に別途取
り付けた電離真空計20によりモニタしている。フィラ
メント電極11は熱電子を発生させるものであり、フィ
ラメント電圧源14によって所定の電流が流されること
により真空中で加熱され熱電子が飛び出す。トラップ電
極13はフィラメント電極11から飛び出した電子を捕
捉できるようにフィラメント電極11に対向するように
配置されている。そして対向配置されたフィラメント電
極11とトラップ電極13との間の空間には箱状のボッ
クス電極12が配置されており、このボックス電極12
にはフィラメント電極11とトラップ電極13とが対向
できるようにそれぞれの電極に面する位置に小孔11
a、13aが設けられている。即ち、フィラメント電極
11から飛び出た電子のうちこの2つの小孔11a、1
3aを通過した電子がトラップ電極13に捕捉されるよ
うになっている。ボックス電極12にはガラスキャピラ
リ18が接続され、これを介して試料がボックス電極1
2の中に導入されるようになっている。さらに電子が通
過する小孔11a、13aが設けられた電極面と異なる
面(図中の紙面裏側の面)には質量分離部につながる小
孔19が設けて有り、図示しないイオン収束レンズによ
る電気的な作用や真空度差に起因する差圧により、ボッ
クス電極12内で発生したイオンがこの小孔19を通過
して質量分離部に流れ込むようにしてある。ボックス電
圧源15はフィラメント電極11で生じた電子をボック
ス電極内に引き込むための電圧を印加している。トラッ
プ電圧源16はトラップ電極13に電子を捕捉するため
の電圧をトラップ電極13に印加している。
として質量分析計が用いられる機器が存在する。質量分
析計では、分析する試料をイオン源室に導入し、ここで
種々の方法により試料をイオン化し、生じたイオンを後
段の質量分離部に送り込んで質量スペクトル分析等を行
っている。したがって質量分析計にはイオン化を行うた
めのイオン源が必要であるが、このようなイオン源のひ
とつにトラップ電流制御の電子衝撃法によるものがあ
る。図1は従来からのこの方式による質量分析計におけ
るイオン源の構成を示す。図において、11はフィラメ
ント電極、12はボックス電極、13はトラップ電極、
14はフィラメント電圧源、15はボックス電圧源、1
6はトラップ電圧源、17はトラップ電流計である。な
おこのイオン源の電極部分全体(フィラメント電極、ボ
ックス電極、トラップ電極)が図示しない真空ポンプに
より真空状態に維持されているイオン源室(真空室)に
収納されている。そのため真空度はイオン源室に別途取
り付けた電離真空計20によりモニタしている。フィラ
メント電極11は熱電子を発生させるものであり、フィ
ラメント電圧源14によって所定の電流が流されること
により真空中で加熱され熱電子が飛び出す。トラップ電
極13はフィラメント電極11から飛び出した電子を捕
捉できるようにフィラメント電極11に対向するように
配置されている。そして対向配置されたフィラメント電
極11とトラップ電極13との間の空間には箱状のボッ
クス電極12が配置されており、このボックス電極12
にはフィラメント電極11とトラップ電極13とが対向
できるようにそれぞれの電極に面する位置に小孔11
a、13aが設けられている。即ち、フィラメント電極
11から飛び出た電子のうちこの2つの小孔11a、1
3aを通過した電子がトラップ電極13に捕捉されるよ
うになっている。ボックス電極12にはガラスキャピラ
リ18が接続され、これを介して試料がボックス電極1
2の中に導入されるようになっている。さらに電子が通
過する小孔11a、13aが設けられた電極面と異なる
面(図中の紙面裏側の面)には質量分離部につながる小
孔19が設けて有り、図示しないイオン収束レンズによ
る電気的な作用や真空度差に起因する差圧により、ボッ
クス電極12内で発生したイオンがこの小孔19を通過
して質量分離部に流れ込むようにしてある。ボックス電
圧源15はフィラメント電極11で生じた電子をボック
ス電極内に引き込むための電圧を印加している。トラッ
プ電圧源16はトラップ電極13に電子を捕捉するため
の電圧をトラップ電極13に印加している。
【0003】このイオン源で試料のイオン化を行うとき
はガラスキャピラリ18からイオン化する試料をボック
ス電極12の内部空間に導入し、フィラメント電極11
から熱電子を照射させる。熱電子はボックス電極12に
向かって引き出され、ボックス電極12内で電子が試料
分子に衝突することにより主として正イオンが発生す
る。生じた正イオンは小孔19から質量分離部に導入さ
れてイオン検出器により検出される。なお、試料ととも
に特定のガスを導入してイオン化を行う化学イオン化方
式を採用する場合は正イオンのみならず負イオンも発生
させることができるので負イオンの検出をすることも可
能である。
はガラスキャピラリ18からイオン化する試料をボック
ス電極12の内部空間に導入し、フィラメント電極11
から熱電子を照射させる。熱電子はボックス電極12に
向かって引き出され、ボックス電極12内で電子が試料
分子に衝突することにより主として正イオンが発生す
る。生じた正イオンは小孔19から質量分離部に導入さ
れてイオン検出器により検出される。なお、試料ととも
に特定のガスを導入してイオン化を行う化学イオン化方
式を採用する場合は正イオンのみならず負イオンも発生
させることができるので負イオンの検出をすることも可
能である。
【0004】ここで、イオンの生成量を安定させるため
にフィラメント電極11からの熱電子量を制御する必要
がある。そのため、ボックス電極12内を通過してトラ
ップ電極13に至った電子の量をトラップ電流計17に
より測定しフィラメント電圧源14にフィードバックさ
せて制御するようにしている。このような制御を行うイ
オン化方式がトラップ電流制御方式である。
にフィラメント電極11からの熱電子量を制御する必要
がある。そのため、ボックス電極12内を通過してトラ
ップ電極13に至った電子の量をトラップ電流計17に
より測定しフィラメント電圧源14にフィードバックさ
せて制御するようにしている。このような制御を行うイ
オン化方式がトラップ電流制御方式である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、質量
分析計のイオン源室の真空度をモニタする必要があるた
め、電離真空計が用いられている。しかしながら、電離
真空計で測定するためには測定ゲージを取り付けるゲー
ジポート(小孔)をイオン源を構成する真空容器壁面に
設けておく必要がある。また、電離真空計を取り付ける
となると電離真空計分の装置コストが高くなり、しかも
専用の制御回路が必要となる。さらには電離真空計のゲ
ージ部からの真空漏れあるいはゲージの取付部分からの
真空漏れの可能性も生じる。そこで、本発明は別途に電
離真空計を取り付けずにイオン源室の真空度を測定する
ことができるようにしたイオン源を有する質量分析計を
提供することを特徴とする。
分析計のイオン源室の真空度をモニタする必要があるた
め、電離真空計が用いられている。しかしながら、電離
真空計で測定するためには測定ゲージを取り付けるゲー
ジポート(小孔)をイオン源を構成する真空容器壁面に
設けておく必要がある。また、電離真空計を取り付ける
となると電離真空計分の装置コストが高くなり、しかも
専用の制御回路が必要となる。さらには電離真空計のゲ
ージ部からの真空漏れあるいはゲージの取付部分からの
真空漏れの可能性も生じる。そこで、本発明は別途に電
離真空計を取り付けずにイオン源室の真空度を測定する
ことができるようにしたイオン源を有する質量分析計を
提供することを特徴とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の質量分析計は、
内部に測定すべき試料を導入するボックス電極を設け、
フィラメント電極に電流を流すことにより生じさせた熱
電子をボックス電極に設けた小孔からボックス電極内に
導入して試料をイオン化するとともに、前記小孔とは別
に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラップ電極で補
足して電流計により検出し、この電流に基づいて前記フ
ィラメント電流を制御するようにしたイオン源を備えた
質量分析装置において、ボックス電極に流れる電流を検
出する電流計と、前記フィラメント電流の制御に関して
トラップ電極を流れる電流に基づいて制御するか、ボッ
クス電極を流れる電流に基づいて制御するかを切り換え
る切換手段とを備えたことを特徴とする。
内部に測定すべき試料を導入するボックス電極を設け、
フィラメント電極に電流を流すことにより生じさせた熱
電子をボックス電極に設けた小孔からボックス電極内に
導入して試料をイオン化するとともに、前記小孔とは別
に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラップ電極で補
足して電流計により検出し、この電流に基づいて前記フ
ィラメント電流を制御するようにしたイオン源を備えた
質量分析装置において、ボックス電極に流れる電流を検
出する電流計と、前記フィラメント電流の制御に関して
トラップ電極を流れる電流に基づいて制御するか、ボッ
クス電極を流れる電流に基づいて制御するかを切り換え
る切換手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】この装置ではトラップ電流制御によるイオ
ン化を行って分析を行う際には切換手段をトラップ電極
側に接続し、フィラメント電流をトラップ電流に基づい
てフィードバック制御する。この場合は従来技術と同じ
原理によりトラップ制御型のイオン源として機能してい
る。一方、イオン源室の真空度をモニタしたいときは切
換手段をボックス電極側に切換え、ボックス電極を流れ
る電流に基づいてフィードバック制御する。即ちボック
ス電流が一定となるようなフィラメント電流のフィード
バック制御が行われる。このときトラップ電極に流れる
電流はボックス電極内の真空度に比例して増加する。し
たがってトラップ電極に流れる電流をモニタすれば真空
計としての機能を発揮させることができる。この原理を
図を用いて説明する。図2は一般的な電離真空計の構成
を示す図である。図において1はフィラメント電極、2
はグリッド電極、3はコレクタ電極、4はフィラメント
電圧源、5はグリッド電圧源、6はコレクタ電圧源、7
はイオンゲージ(真空管)、8はグリッド電流計、9は
コレクタ電流計である。グリッド電圧5(例えば+15
0V)、コレクタ電圧6(例えば−30V)を印加した
状態でフィラメント電圧源4から電流を流して熱電子を
発生させる。予め設定したグリッド電流値(1mA)と
実際のグリッド電流計8の電流値とを比較し、グリッド
電流が設定値となるようにフィラメント電流4を制御す
る。このようにするとフィラメント電極1から放出され
た熱電子はグリッド電極2により加速され、途中の気体
と衝突して正イオンを生じさせ、この正イオンはコレク
タ電極3に向けて加速されて捕獲される。ここで、グリ
ッド電流計8の読みが一定となるように制御された状態
でコレクタ電流9に流れる値は真空度と相関があり、電
流値を適当な係数で換算することにより真空度を得るこ
とが可能である。ところで、図1のトラップ電流制御の
電子衝撃法によるイオン源と図2の電離真空計とを比較
し、コレクタ電極3のかわりにトラップ電極13、グリ
ッド電極2のかわりにボックス電極12が対応するよう
に機能させるようにすると電離真空計としての機能を発
揮させることが可能となる。そこで、図1のイオン源に
グリッド電流計8に相当するボックス電極用の電流計を
設けることにより、イオン源としてとともに電離真空計
としての機能を持たせることができる。
ン化を行って分析を行う際には切換手段をトラップ電極
側に接続し、フィラメント電流をトラップ電流に基づい
てフィードバック制御する。この場合は従来技術と同じ
原理によりトラップ制御型のイオン源として機能してい
る。一方、イオン源室の真空度をモニタしたいときは切
換手段をボックス電極側に切換え、ボックス電極を流れ
る電流に基づいてフィードバック制御する。即ちボック
ス電流が一定となるようなフィラメント電流のフィード
バック制御が行われる。このときトラップ電極に流れる
電流はボックス電極内の真空度に比例して増加する。し
たがってトラップ電極に流れる電流をモニタすれば真空
計としての機能を発揮させることができる。この原理を
図を用いて説明する。図2は一般的な電離真空計の構成
を示す図である。図において1はフィラメント電極、2
はグリッド電極、3はコレクタ電極、4はフィラメント
電圧源、5はグリッド電圧源、6はコレクタ電圧源、7
はイオンゲージ(真空管)、8はグリッド電流計、9は
コレクタ電流計である。グリッド電圧5(例えば+15
0V)、コレクタ電圧6(例えば−30V)を印加した
状態でフィラメント電圧源4から電流を流して熱電子を
発生させる。予め設定したグリッド電流値(1mA)と
実際のグリッド電流計8の電流値とを比較し、グリッド
電流が設定値となるようにフィラメント電流4を制御す
る。このようにするとフィラメント電極1から放出され
た熱電子はグリッド電極2により加速され、途中の気体
と衝突して正イオンを生じさせ、この正イオンはコレク
タ電極3に向けて加速されて捕獲される。ここで、グリ
ッド電流計8の読みが一定となるように制御された状態
でコレクタ電流9に流れる値は真空度と相関があり、電
流値を適当な係数で換算することにより真空度を得るこ
とが可能である。ところで、図1のトラップ電流制御の
電子衝撃法によるイオン源と図2の電離真空計とを比較
し、コレクタ電極3のかわりにトラップ電極13、グリ
ッド電極2のかわりにボックス電極12が対応するよう
に機能させるようにすると電離真空計としての機能を発
揮させることが可能となる。そこで、図1のイオン源に
グリッド電流計8に相当するボックス電極用の電流計を
設けることにより、イオン源としてとともに電離真空計
としての機能を持たせることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の質量分析計を実施
例を用いて説明する。図3は本発明の一実施例である質
量分析計のイオン源を示す構成図である。図において1
1はフィラメント電極、12はボックス電極、13はト
ラップ電極、14はフィラメント電圧源、25はボック
ス電圧源、26はトラップ電圧源、17はトラップ電流
計、28はボックス電流計、30は切換スイッチ、31
は制御用CPU、32は設定スイッチ、36はメモリで
ある。イオン源の電極部分全体(フィラメント電極、ボ
ックス電極、トラップ電極)が図示しない真空ポンプに
より真空状態に維持されている。上記のうち従来例と同
じものは同符号を付すことにより説明を省略する。一
方、ボックス電圧源25およびトラップ電圧源28は、
分析時と真空測定時とでそれぞれできるだけ最適な電圧
が印加できるように可変電圧源としてある。例えば分析
時にはボックス電圧を+70V、トラップ電圧を+10
Vに設定し、真空測定時にはボックス電圧を+150
V、トラップ電圧を−30Vに設定することができるよ
うな電圧源が用いられる。また、ボックス電極12に流
れる電流を測定するためのボックス電流計28が取り付
けられており、さらにボックス電流計28からの信号と
トラップ電流計17からの信号とのいずれかの信号を選
択するための切換スイッチ30が取り付けられている。
この切換スイッチ30で選択されたいずれかの電流計か
らの信号は制御用CPU31に送られる。この制御用C
PU31は装置全体の制御を行うものであるがフィラメ
ント電圧源14の制御も行っている。したがって、切換
スイッチ30で選択された側の電流に基づいてフィラメ
ント電圧源14の制御を行うことができる。質量分析と
真空測定との切換えを簡単にできるように制御用CPU
31に切換信号を与える手動の入力スイッチ32が設け
てある。これを切り換えることにより切換スイッチ30
が切り換わる。このとき同時にボックス電圧源25、ト
ラップ電圧源26の電圧値設定を切り替える信号を各電
源に送るようにする。これにより電圧源の設定値変更も
自動的に行うことができるにしておく。さらに入力スイ
ッチの選択により、真空測定のときには実測のボックス
電流値と比較する基準電流として例えば1mAが設定さ
れる。一方質量分析のときには実測のトラップ電流値と
比較する基準電流として60μAが設定される。これら
はメモリ36に記憶される。トラップ電流計17の出力
信号は、切換スイッチ30とは別に、A/D33を経
て、トラップ電流値から真空度への換算を行う演算部3
4(CPU31に兼用させることが可能であるが、独立
したCPUを設けてもよい)にも送られる。ここでトラ
ップ電流値を真空度に換算した結果を表示部35にて表
示するようにしてある。
例を用いて説明する。図3は本発明の一実施例である質
量分析計のイオン源を示す構成図である。図において1
1はフィラメント電極、12はボックス電極、13はト
ラップ電極、14はフィラメント電圧源、25はボック
ス電圧源、26はトラップ電圧源、17はトラップ電流
計、28はボックス電流計、30は切換スイッチ、31
は制御用CPU、32は設定スイッチ、36はメモリで
ある。イオン源の電極部分全体(フィラメント電極、ボ
ックス電極、トラップ電極)が図示しない真空ポンプに
より真空状態に維持されている。上記のうち従来例と同
じものは同符号を付すことにより説明を省略する。一
方、ボックス電圧源25およびトラップ電圧源28は、
分析時と真空測定時とでそれぞれできるだけ最適な電圧
が印加できるように可変電圧源としてある。例えば分析
時にはボックス電圧を+70V、トラップ電圧を+10
Vに設定し、真空測定時にはボックス電圧を+150
V、トラップ電圧を−30Vに設定することができるよ
うな電圧源が用いられる。また、ボックス電極12に流
れる電流を測定するためのボックス電流計28が取り付
けられており、さらにボックス電流計28からの信号と
トラップ電流計17からの信号とのいずれかの信号を選
択するための切換スイッチ30が取り付けられている。
この切換スイッチ30で選択されたいずれかの電流計か
らの信号は制御用CPU31に送られる。この制御用C
PU31は装置全体の制御を行うものであるがフィラメ
ント電圧源14の制御も行っている。したがって、切換
スイッチ30で選択された側の電流に基づいてフィラメ
ント電圧源14の制御を行うことができる。質量分析と
真空測定との切換えを簡単にできるように制御用CPU
31に切換信号を与える手動の入力スイッチ32が設け
てある。これを切り換えることにより切換スイッチ30
が切り換わる。このとき同時にボックス電圧源25、ト
ラップ電圧源26の電圧値設定を切り替える信号を各電
源に送るようにする。これにより電圧源の設定値変更も
自動的に行うことができるにしておく。さらに入力スイ
ッチの選択により、真空測定のときには実測のボックス
電流値と比較する基準電流として例えば1mAが設定さ
れる。一方質量分析のときには実測のトラップ電流値と
比較する基準電流として60μAが設定される。これら
はメモリ36に記憶される。トラップ電流計17の出力
信号は、切換スイッチ30とは別に、A/D33を経
て、トラップ電流値から真空度への換算を行う演算部3
4(CPU31に兼用させることが可能であるが、独立
したCPUを設けてもよい)にも送られる。ここでトラ
ップ電流値を真空度に換算した結果を表示部35にて表
示するようにしてある。
【0009】次に、本実施例の装置の動作を説明する。
真空ポンプによってイオン源を含む質量分析計の内部を
真空排気する。真空排気は図示しない質量分離部が最も
高真空にされ、小孔19を介して隔たっているイオン源
室はこれよりも低真空状態に維持されている。まず、真
空度測定を行うときには入力スイッチを「真空測定」側
に切り換える。これにより、ボックス電圧源25は+1
50V、トラップ電圧源26は−30Vに設定され、電
流比較のための基準電流は1mAに設定される。切換ス
イッチ30はボックス電流計28側に接続され、ボック
ス電流がCPU31によりモニタされる。もしも、ボッ
クス電流計28の実測電流が基準電流1mAよりも少な
ければフィラメント電流をより多く流し、1mAよりも
多ければフィラメント電流をより少なく流すようにフィ
ードバック制御される。フィラメント11から放出され
た熱電子はボックス電圧によって加速され、途中の気体
と衝突して正イオンを生じさせ。この正イオンはトラッ
プ電極13に向かって加速されて捕捉される。即ち、ボ
ックス電極12に流れる電流が一定(1mA)になるよ
うに制御された状態でトラップ電極13に捕捉された電
子による電流は真空度との相関がある。この相関関係を
利用して実測トラップ電流値に基づいて演算部34によ
り真空度が演算されてその結果が表示部35に表示され
る。これにより、真空測定が可能となる。次に、質量分
析を行うときは入力スイッチ30を「分析」側に切り換
える。これにより、ボックス電圧源25は+70V、ト
ラップ電圧源26は+10Vに設定され、比較のための
基準電流は60μAに設定される。切換スイッチ30は
トラップ電流計17側に接続され、トラップ電流がCP
U31によりモニタされる。もしも、トラップ電流計1
7の実測電流が基準電流60μAよりも少なければフィ
ラメント電流をより多く流し、60μAよりも多ければ
フィラメント電流をより少なく流すようにフィードバッ
ク制御される。これにより従来例と同様のトラップ電流
制御の電子衝撃法によるイオン化を行うことができる。
なお、このときは表示部35はOFFにしてある。以下
に本発明の実施態様をまとめておく。 (1)内部に測定すべき試料を導入するボックス電極を
設け、フィラメント電極に電流を流すことにより生じさ
せた熱電子をボックス電極に設けた小孔からボックス電
極内に導入して試料をイオン化するとともに、前記小孔
とは別に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラップ電
極で補足して電流計により検出し、この電流に基づいて
前記フィラメント電流を制御するようにしたイオン源を
備えた質量分析装置において、電圧可変のボックス電圧
源と、電圧可変のトラップ電圧源と、ボックス電極に流
れる電流を検出する電流計と、前記フィラメント電流の
制御に関してトラップ電極を流れる電流に基づいて制御
するか、ボックス電極を流れる電流に基づいて制御する
かを切り替える切換手段と、を備えた事を特徴とする質
量分析装置。 (2)内部に測定すべき試料を導入するボックス電極を
設け、フィラメント電極に電流を流すことにより生じさ
せた熱電子をボックス電極に設けた小孔からボックス電
極内に導入して試料をイオン化するとともに、前記小孔
とは別に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラップ電
極で補足して電流計により検出し、この電流に基づいて
前記フィラメント電流を制御するようにしたイオン源を
備えた質量分析装置において、電圧可変のボックス電圧
源と、電圧可変のトラップ電圧源と、ボックス電極に流
れる電流を検出する電流計と、前記フィラメント電流の
制御に関してトラップ電極を流れる電流に基づいて制御
するか、ボックス電極を流れる電流に基づいて制御する
かを切り替える切換手段と、を備えた事を特徴とする質
量分析装置。
真空ポンプによってイオン源を含む質量分析計の内部を
真空排気する。真空排気は図示しない質量分離部が最も
高真空にされ、小孔19を介して隔たっているイオン源
室はこれよりも低真空状態に維持されている。まず、真
空度測定を行うときには入力スイッチを「真空測定」側
に切り換える。これにより、ボックス電圧源25は+1
50V、トラップ電圧源26は−30Vに設定され、電
流比較のための基準電流は1mAに設定される。切換ス
イッチ30はボックス電流計28側に接続され、ボック
ス電流がCPU31によりモニタされる。もしも、ボッ
クス電流計28の実測電流が基準電流1mAよりも少な
ければフィラメント電流をより多く流し、1mAよりも
多ければフィラメント電流をより少なく流すようにフィ
ードバック制御される。フィラメント11から放出され
た熱電子はボックス電圧によって加速され、途中の気体
と衝突して正イオンを生じさせ。この正イオンはトラッ
プ電極13に向かって加速されて捕捉される。即ち、ボ
ックス電極12に流れる電流が一定(1mA)になるよ
うに制御された状態でトラップ電極13に捕捉された電
子による電流は真空度との相関がある。この相関関係を
利用して実測トラップ電流値に基づいて演算部34によ
り真空度が演算されてその結果が表示部35に表示され
る。これにより、真空測定が可能となる。次に、質量分
析を行うときは入力スイッチ30を「分析」側に切り換
える。これにより、ボックス電圧源25は+70V、ト
ラップ電圧源26は+10Vに設定され、比較のための
基準電流は60μAに設定される。切換スイッチ30は
トラップ電流計17側に接続され、トラップ電流がCP
U31によりモニタされる。もしも、トラップ電流計1
7の実測電流が基準電流60μAよりも少なければフィ
ラメント電流をより多く流し、60μAよりも多ければ
フィラメント電流をより少なく流すようにフィードバッ
ク制御される。これにより従来例と同様のトラップ電流
制御の電子衝撃法によるイオン化を行うことができる。
なお、このときは表示部35はOFFにしてある。以下
に本発明の実施態様をまとめておく。 (1)内部に測定すべき試料を導入するボックス電極を
設け、フィラメント電極に電流を流すことにより生じさ
せた熱電子をボックス電極に設けた小孔からボックス電
極内に導入して試料をイオン化するとともに、前記小孔
とは別に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラップ電
極で補足して電流計により検出し、この電流に基づいて
前記フィラメント電流を制御するようにしたイオン源を
備えた質量分析装置において、電圧可変のボックス電圧
源と、電圧可変のトラップ電圧源と、ボックス電極に流
れる電流を検出する電流計と、前記フィラメント電流の
制御に関してトラップ電極を流れる電流に基づいて制御
するか、ボックス電極を流れる電流に基づいて制御する
かを切り替える切換手段と、を備えた事を特徴とする質
量分析装置。 (2)内部に測定すべき試料を導入するボックス電極を
設け、フィラメント電極に電流を流すことにより生じさ
せた熱電子をボックス電極に設けた小孔からボックス電
極内に導入して試料をイオン化するとともに、前記小孔
とは別に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラップ電
極で補足して電流計により検出し、この電流に基づいて
前記フィラメント電流を制御するようにしたイオン源を
備えた質量分析装置において、電圧可変のボックス電圧
源と、電圧可変のトラップ電圧源と、ボックス電極に流
れる電流を検出する電流計と、前記フィラメント電流の
制御に関してトラップ電極を流れる電流に基づいて制御
するか、ボックス電極を流れる電流に基づいて制御する
かを切り替える切換手段と、を備えた事を特徴とする質
量分析装置。
【0010】
【発明の効果】以上、説明したように本発明の質量分析
計では、イオン源自体により真空測定が行えるようにし
たので、別途に電離真空計を設ける必要がなくなり、専
用コード等の設備も必要がなくなる。また、真空計のた
めのゲージポートも不要となり、真空漏れ等の問題も低
減することが可能となる。
計では、イオン源自体により真空測定が行えるようにし
たので、別途に電離真空計を設ける必要がなくなり、専
用コード等の設備も必要がなくなる。また、真空計のた
めのゲージポートも不要となり、真空漏れ等の問題も低
減することが可能となる。
【図1】従来からのトラップ電流制御の電子衝撃法によ
るイオン源の構成図。
るイオン源の構成図。
【図2】電離真空計の構成を示す図。
【図3】本発明の一実施例である質量分析計のイオン源
の構成図。
の構成図。
11:フィラメント 12:ボックス電極 13:トラップ電極 14:フィラメント電圧源 17:トラップ電流計 18:ガラスキャピラリ 19:小孔 25:ボックス電圧源 26:トラップ電圧源 28:ボックス電流計 30:切換スイッチ 31:CPU 32:入力スイッチ 34:演算部 35:表示部 36:メモリ
Claims (1)
- 【請求項1】内部に測定すべき試料を導入するボックス
電極を設け、フィラメント電極に電流を流すことにより
生じさせた熱電子をボックス電極に設けた小孔からボッ
クス電極内に導入して試料をイオン化するとともに、前
記小孔とは別に設けた小孔から飛び出した熱電子をトラ
ップ電極で補足して電流計により検出し、この電流に基
づいて前記フィラメント電流を制御するようにしたイオ
ン源を備えた質量分析装置において、ボックス電極に流
れる電流を検出する電流計と、前記フィラメント電流の
制御に関してトラップ電極を流れる電流に基づいて制御
するか、ボックス電極を流れる電流に基づいて制御する
かを切り替える切換手段とを備えた事を特徴とする質量
分析装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11123749A JP2000315474A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 質量分析計 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11123749A JP2000315474A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 質量分析計 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000315474A true JP2000315474A (ja) | 2000-11-14 |
Family
ID=14868375
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11123749A Pending JP2000315474A (ja) | 1999-04-30 | 1999-04-30 | 質量分析計 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000315474A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005062176A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Varian Spa | 電離真空計 |
JP2005062167A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Varian Spa | 電離真空計 |
JP2007258025A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Shimadzu Corp | イオン化装置 |
JP2009210587A (ja) * | 2004-07-30 | 2009-09-17 | Kofukin Seimitsu Kogyo (Shenzhen) Yugenkoshi | 真空計 |
-
1999
- 1999-04-30 JP JP11123749A patent/JP2000315474A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005062176A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Varian Spa | 電離真空計 |
JP2005062167A (ja) * | 2003-08-08 | 2005-03-10 | Varian Spa | 電離真空計 |
JP2009210587A (ja) * | 2004-07-30 | 2009-09-17 | Kofukin Seimitsu Kogyo (Shenzhen) Yugenkoshi | 真空計 |
JP2007258025A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Shimadzu Corp | イオン化装置 |
JP4654954B2 (ja) * | 2006-03-23 | 2011-03-23 | 株式会社島津製作所 | イオン化装置 |
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