JPH07306109A - 光ファイバ筒内圧センサおよび該センサを用いたエンジン制御システム - Google Patents

光ファイバ筒内圧センサおよび該センサを用いたエンジン制御システム

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JPH07306109A
JPH07306109A JP10016794A JP10016794A JPH07306109A JP H07306109 A JPH07306109 A JP H07306109A JP 10016794 A JP10016794 A JP 10016794A JP 10016794 A JP10016794 A JP 10016794A JP H07306109 A JPH07306109 A JP H07306109A
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optical fiber
cylinder
pressure sensor
engine
gasket
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JP10016794A
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Masahiro Komachiya
昌宏 小町谷
Shigeru Obo
茂 於保
Satoshi Shimada
嶋田  智
Kiyomitsu Suzuki
清光 鈴木
Masahiro Kurita
正弘 栗田
Minoru Takahashi
実 高橋
Takao Sasayama
隆生 笹山
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】ガスケット等のエンジン構成部材の複雑な加工
を必要としない光ファイバ筒内圧センサ、および該セン
サを利用したエンジン制御システムを提供することを目
的とする。 【構成】ダイヤフラム部20bとベース部20aは、光
ファイバ50を保持するとともに、上記光ファイバに初
期曲げを与える。ダイヤフラム部20bは、さらにエン
ジンのシリンダ内の圧力を光ファイバ50に伝達して、
光ファイバ50に上記圧力の変化に応じた曲げを与え
る。上記圧力の変化にともなう上記光ファイバ50内を
通過する光量の変化により、上記圧力を検出する。ダイ
ヤフラム部20bとベース部20a全体は、上記エンジ
ンに脱着可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン制御のために
行われるシリンダ内の圧力(筒内圧)の計測、その他の
圧力の計測に関する。
【0002】
【従来の技術】圧力の計測に係る従来技術の一例とし
て、以下、自動車エンジンの制御のための筒内圧計測の
場合について述べる。
【0003】エンジンの筒内圧力及び振動(ノック)を
検出して、エンジンの制御に反映させる技術として、ピ
エゾ起電力またはピエゾ抵抗効果を利用したものがあ
る。この一例として、特開平3−237761号公報に
示される圧力センサがある。これは、圧力変化に伴う検
出部の変位を直接電気信号として取り出す様にしてい
る。
【0004】これに対し、エンジンルームのような電気
的雑音の多い環境により適したセンシングを行うため
に、光ファイバを利用した光学式筒内圧センサが提案さ
れてきた。これらは電気的外乱に強いばかりでなく、ピ
エゾ起電力またはピエゾ抵抗効果を利用したものに比べ
て精度の高い筒内圧測定をすることができる。
【0005】光学式の中には、例えば干渉式のものがあ
る。干渉式は、シリンダ内圧の変化をダイヤフラム等の
変位に変換し、ダイヤフラムの表面にレーザ光を照射し
表面からの反射光と基準光との干渉により変位を検出す
るものである。この方式は、超高精度であるが、超高精
度であるために、かえって、エンジンルームの様に熱や
振動等外乱の著しい環境では、温度変化による寸法変化
等にともなう干渉縞の変化や、振動による変位にともな
う干渉縞の変化を検出してしまう。
【0006】光学式の中でも、圧力変化を光ファイバの
総通過光量の変化として捉える方式は、干渉式に代表さ
れる他の光学式センシングと比べて超高精度なセンシン
グには適さない反面、エンジンルームの様に熱や振動等
外乱の著しい環境ではむしろ安定した信号検出を行う装
置を安価に実現できるという特徴を持つ。
【0007】具体的には、ダイアフラムに光を照射する
と、ダイヤフラムの表面の曲率半径が小さくなるほど入
射方向に戻る反射光が減るということを利用して、ダイ
ヤフラムからの反射光をバンドルファイバ(複数本の光
ファイバを束にしたもの)で捉える方法がある。これに
より、反射光の強度からダイヤフラムの変位がわかる。
【0008】また、多モード光ファイバを波型の噛み合
わせ構造を有する部材で挟み、マイクロベンド(微小な
曲がり)を光ファイバに生じさせたものがある。そし
て、この構造をダイヤフラムに連結させるものである。
これは、ダイヤフラムの変位に応じて噛み合わせの強度
が変わることにより、マイクロベンドの状態が変わり、
その結果、通過光の強度が変化することを利用したもの
である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】上記バンドルファイバ
を用いた方法は、複数本のファイバを用いるため、外径
が太くなり、設置スペースが小さい場合には実装が困難
である。また、光ファイバの端面およびダイヤフラムは
汚れやすいことから、ファイバの端面からファイバの外
に一度出て、ダイヤフラムで反射されて該ファイバの端
面からファイバ内に戻る光の強度が変化する。このた
め、この方法は汚れに弱い。
【0010】また、上記多モードファイバを利用する方
法では、通過光量変化の基になる複数モード間の結合を
得るために、ある程度の長さにわたって噛み合わせが確
実に行われることが必要であり、ある程度の大きさの圧
力伝達手段を必要とする。
【0011】一方、上記光学式において筒内圧検出用光
ファイバに内部複屈折率を有する光ファイバ(定偏波フ
ァイバ、偏波面保存ファイバ、複屈折率ファイバ等と呼
ばれる。)を採用し、この光ファイバの1ヵ所の曲がり
の変化(曲率半径の変化)による通過光量の変化を用い
る場合には、他の光ファイバを用いる場合と比べて、該
光ファイバに小さな曲げ(曲率半径1センチメートル程
度)を一ヶ所加えるだけで、線形でかつ大きな通過光量
変化を得ることができる。すなわち、上記光ファイバに
圧力の変化に応じた曲げを与える圧力伝達手段を小さく
しても高い感度を保つことができる。
【0012】そこで、上記複屈折率光ファイバを採用
し、ガスケットを加工して圧力伝達手段をエンジンの複
数ある気筒ごとに設け、ガスケット内に該光ファイバを
内蔵することにより、気筒内の圧力や振動の時間変化を
各気筒毎に細かく捉える技術が提案されている。これに
よれば、従来より正確なエンジン燃焼制御を期待するこ
とができる。この技術に関する詳細は特願平5−100
713号「物理量検出装置」の中に述べられている。
【0013】しかしながら上記の特願平5−10071
3号に記載されている光ファイバによる筒内圧計測にお
いては、上記圧力伝達手段を含むセンシング部を低コス
トで製造するために、ガスケット等のエンジン構成部材
の加工をいかに簡略化するかが問題として残されてい
た。
【0014】光ファイバ筒内圧センサをガスケット内に
実装する場合、上記先行例では図28に示す様に実装さ
れている。この場合、目標とする感度を有するように、
ダイアフラム720を形成し、最適な曲げを与えた光フ
ァイバをこれに対向させ、更にエンジン動作中でも該光
ファイバを安定に支持するためには、複雑なガスケット
加工が必要とされる。
【0015】また、上記筒内圧センサにおいては、長期
的にわたって動作を安定させるために、光ファイバを含
む内圧センシング部をシリンダ内部から伝搬してくる熱
からいかに保護するかといった問題もある。光ファイバ
及びダイヤフラムは、膨張による誤差及び光ファイバの
被覆の耐熱性より、シリンダ内の温度より低い所定の温
度に保持する必要がある。図28においてダイヤフラム
720は、斜線で示した面積の小さい部分であり、ガス
ケットを上下から挾んでいるシリンダブロック及びシリ
ンダヘッド(これらは水冷されているためシリンダ内よ
りも低温である)に熱を逃す場合に、ダイヤフラム72
0を熱伝達経路とすると、熱伝達経路が狭いという問題
がある。
【0016】さらに、シリンダ内の燃焼ガスが外部(図
28のダイヤフラム720を境に光ファイバ側、即ち通
常は大気圧であり、圧力測定時の基準圧を有する側)に
漏れるのを防ぐためのシール構造をいかに与えるかとい
った問題も残されている。図28においてシールを行う
ためには、例えば、ダイヤフラム720の部分を削って
シール材をこの部分に充填する必要があり、加工及び組
立が困難である。
【0017】本発明は、ガスケット等のエンジン構成部
材の複雑な加工を必要としない光ファイバ筒内圧セン
サ、および該センサを利用したエンジン制御システムを
提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題に鑑
みてなされたものであり、少なくとも1本の光ファイバ
と、エンジンのシリンダ内の圧力を上記光ファイバに伝
達する圧力伝達手段とを有し、上記圧力の変化にともな
う上記光ファイバ内を通過する光量の変化により、上記
圧力を検出する光ファイバ筒内圧センサにおいて、上記
圧力伝達手段は、上記光ファイバを保持するとともに、
上記光ファイバに初期曲げを与える光ファイバ支持手段
と、上記光ファイバに上記圧力の変化に応じた曲げを与
える曲げ手段とを有し、上記光ファイバ筒内圧センサ全
体は、上記エンジンに脱着可能であることとしたもので
ある。
【0019】また、上記シリンダ内から受けた熱を上記
光ファイバ筒内圧センサ外に放熱する放熱手段を有する
こととしたものである。
【0020】また、上記光ファイバ筒内圧センサは、上
記光ファイバ筒内圧センサを設置するための設置空間
と、シリンダ内の圧力を上記曲げ手段へ伝達するための
伝達空間とが設けられたエンジン構成部材に内蔵される
ものであり、上記シリンダ内の気体が上記伝達空間から
上記設置空間へ漏れることを防ぐシール手段を有するこ
ととしたものである。
【0021】また、エンジン制御システムにおいて、上
記光ファイバ筒内圧センサと、上記光ファイバへの入射
光を発生させる発光手段と、上記光ファイバからの出射
光を検出する受光手段と、上記検出された信号から上記
シリンダ内の圧力を求め、上記圧力に従って上記エンジ
ンを制御するための制御信号を生成し、上記制御信号を
出力する制御部とを有することとしたものである。
【0022】
【作用】本発明に係る光ファイバ筒内圧センサは、上記
のように構成されているために、エンジンとは独立に製
造並びに調整が可能なブロック構造体とすることができ
る。ガスケット等既存のエンジン構成部材側には、光フ
ァイバと上記ブロック構造体を入れる空間、即ちガスケ
ットを例に採れば、必要な深さと幅を有する溝のみを設
けるだけでよい。したがって、エンジン構成部材の加工
を先行例と比べて大幅に簡略化でき、且つダイアフラム
の感度調節、光ファイバを最適に曲げること、および光
ファイバを支持することをエンジン側からの制約を受け
ずに行える。そのため、これらの作業が容易に行える。
【0023】また、上記光ファイバ筒内圧センサは、シ
リンダブロック・ヘッド等のセンシング部周辺にあるも
のへ熱を逃がすための放熱手段や燃焼ガスの漏れを防ぐ
ためのシール手段と組み合わせることも容易である。従
って、必要な放熱対策を上記光ファイバ筒内圧センサの
製造段階で対応できる。また、その際に、本発明に係る
センサがない場合に比べて、エンジン構成部材に対する
加工を大きく変更することもない。
【0024】また、圧力シールの問題についても上記光
ファイバ筒内圧センサの製造段階でシール材の一部また
は全部を光ファイバ筒内圧センサに付加することがで
き、エンジン構成部材に対する加工を大きく変更するこ
とはない。
【0025】なお、本発明の光ファイバ筒内圧センサを
エンジンに実装するときは、例えば(1)ガスケットへ
の溝堀り、(2)光ファイバ並びに光ファイバ筒内圧セ
ンサの埋め込み、(3)圧力導入部のシールといった各
作業工程が明確に区分できるので作業の流れが良くな
る。
【0026】また、必要となる加工精度も、例えばガス
ケットへの溝掘りは比較的荒い精度で、光ファイバ筒内
圧センサは正確な加工でというように、各段階毎に分け
ることができるため、光ファイバ筒内圧センサを含むガ
スケットや点火プラグの生産を効率的に行える。加工精
度については、例えば、曲げ手段に関して、0.2mm
の板材を用いて、光ファイバを曲げるための突起を0.
1mm程度の精度で加工する必要があるが、ガスケット
の加工に関しては、このような精度は必要ない。
【0027】さらに、複数気筒について、その内圧変化
を正確に測定することにより正確な燃焼制御を行うとい
う上記先行例の特長を保持したまま、センサのエンジン
への実装を容易にできる。その結果、効率的な燃焼を可
能とするエンジン制御システムを含めて、エンジン全体
としての生産性も向上する。
【0028】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を用い
て詳細に説明する。
【0029】図1に本発明の第1の実施例を示す。図1
は、光ファイバ筒内圧センサの実装状態を、エンジンガ
スケット40へ実装した場合を例にして、燃焼圧力感受
部分を中心に図解したものである。図中10a,10
b,10cは、前記ガスケットの片面に設けた溝(設置
空間)を、11は該溝の一部がエンジンシリンダ内に通
じる様にした内圧導入口をそれぞれ示す。前記溝は光フ
ァイバ筒内圧センサ本体を構成する光ファイバ50並び
に該光ファイバに内圧変化に応じた曲げを与えるための
構造20a,b(二つを合わせた状態で以下センサブロ
ックと呼ぶ)を入れるのに充分な幅と深さを持つ。具体
的には、光ファイバ50の(使用状態での)外径寸法よ
り光ファイバ装着部分の溝10aを深くすることによ
り、前記ガスケットをエンジンに取り付ける際に締め付
けに伴う圧力が光ファイバ50に加わらない様にするこ
とができる。もちろんこの場合、締め付けに伴うガスケ
ット自身の縮み変形を考慮する必要がある。またセンサ
ブロックの埋め込み部分10bの深さは、該センサブロ
ックの高さ寸法より溝を深くする様にしている。これに
より、図中ダイアフラム21の上部に燃焼圧力を導入す
るための空間(伝達空間)を設けることができる。
【0030】該空間の大きさに合わせて内圧導入口11
をシリンダ穴側に持つガスケット溝10cの幅や深さを
決める。この時、燃焼圧力変化の計測に必要な応答性や
燃焼ガスの流入量を決めることができる。更に光ファイ
バ50を埋め込むための溝10aとセンサブロックを埋
め込むための溝10bの深さの違いを調整することによ
り、センサブロック内を通過する光ファイバ50に対し
てその出入り口部分で余分な力が加わらないようにする
ことができる。即ちガスケットに実装した時、光ファイ
バ50をできるだけ水平に配置することによりセンサブ
ロック外部で光ファイバ50に曲げや歪が加わらない様
にできる。
【0031】以上の構成に加え、図ではセンサブロック
のダイアフラム部20b上部にダイアフラム21を覆わ
ない様な内圧シール手段30を設けるようにしている。
内圧シール手段30は、一例として金属部材にシリコン
樹脂のようなシール用の樹脂を塗ったものを利用するこ
とができる。これにより、図中、ダイアフラム30ある
いはセンサブロックのダイアフラム部20bの上下に圧
力差を作ることができ、これに伴うダイアフラムの変位
を光ファイバの曲げに変換する。光ファイバ筒内圧セン
サの原理は、この曲げに伴う光ファイバ通過光量の変化
を検出するものである。図において、圧力基準は光ファ
イバ筒内圧センサ実装時の環境圧力、通常は大気圧にな
っている。後述のように光ファイバ5の溝10aはガス
ケット外部に通じるようにすることができるため、例え
ば大気圧センサの併用により圧力基準の変化を知ること
もできる。
【0032】以上、本発明での光ファイバ筒内圧センサ
実装の過程は図2の様にまとめることができる。即ち、
(1)エンジン構成部材、本実施例ではガスケットにセ
ンサ取り付け用の溝掘り (2)センサブロック(圧力伝達手段を有するセンシン
グ部)の埋め込み (3)圧力基準(大気圧側)に対するシールを行う3段
階に分類できる。実装の過程がこの様に段階的であるこ
とは、生産性を考える上で有効であることは言うまでも
ない。上記工程に基づく光ファイバ筒内圧センサの実装
においては、溝、センサブロック、シール手段相互の位
置関係を溝の深さで調整することにより、取り付け環境
を有効に利用した実装を行うことができる。
【0033】特にエンジン構成部材であるガスケットに
は、比較的単純な溝掘り加工のみが必要とされる一方、
上記圧力伝達手段をブロック状に別構成とすることによ
りダイアフラムの精確な感度調整・光ファイバに対する
確実な位置決めをすることができる。センサブロックは
文字どおりブロック状に独立しているため、実装時に溝
に対して精確な位置に収まらなくても、上記内圧シール
手段が充分であれば、光ファイバとダイアフラムの相対
位置を精確に保持した状態で内圧計測を行うことができ
る。この点から上記3段階を見直してみると、予め用意
しておくセンサブロックの構成段階を含めて次の様に捉
えることができる。
【0034】(1)エンジン構成部材に対する大まかな
加工 (2)圧力伝達手段(センサブロック)の精確な加工 (3)両者の組み合わせ調整 上記実装法においては、本来光ファイバの持つ細径・軽
量・柔軟性という特徴と併せて、細かい加工が難しいあ
るいは加工の自由度が少ないといったエンジン側からの
制約を先行例に比べて受けにくい。このため光ファイバ
筒内圧センサ本来の特性を充分に生かした実装をするこ
とができる。
【0035】この様にして光ファイバ筒内圧センサを実
装したガスケットをエンジンに取り付ける場合、前記シ
ール手段4の上部にはシリンダヘッドが接する。もし、
ガスケット下面に溝10a,b,cを掘った場合には前
記シール手段4の下部にはシリンダブロックが接する。
そこで上記内圧シール手段30に熱伝導性のよい金属部
材を利用することにより前記シリンダブロックあるいは
シリンダヘッド部分に燃焼に伴い発生する熱を逃がすこ
とができる。これにより、ダイアフラム21の余分な温
度上昇を抑えることができ、また同時にシールに用いる
樹脂の加熱を防ぐこともできる。放熱の効果は上記内圧
シール手段30の配置やシリンダブロック、シリンダヘ
ッドとの接触面積により調整することができる。一例と
して、センサブロックのダイアフラム部20bを内圧シ
ール手段30と同様に金属で構成し、内圧シール手段3
0とシリンダブロックまたはシリンダヘッドとの接触面
積を大きく採れば、シリンダブロック、ヘッドへの大き
な放熱効果を期待することができる。また内圧シール手
段30をガスケットの溝10cの壁面の一部にまで延ば
せば、燃焼ガスの流入時からその効果を期待することが
できる。たとえば、溝10cは樋のような形をしている
ので、樋のような形をした金属をシール手段30に付加
すれば、溝10c部分からも放熱ができる。
【0036】いずれの場合にも、センサブロック部20
bと内圧シール手段30とは初めから一体化しておくこ
とが可能である。ブロック構造体を初めから一体ものと
して造る場合には、例えばブロック側面にスリット状の
光ファイバ取り入れ口を予め設けておくことにより、図
1の20a,bを合わせた状態でも光ファイバの着脱を
自由に行うことができる。スリット状の光ファイバ取り
入れ口は、例えば、図1の20cのように(必要であれ
ば光ファイバ配置に応じてスリット幅を変えて)設ける
ことができる。もちろんブロック構造体は図に示すよう
なガスケット溝への埋め込みの順番に対応して重ねて構
成していくこともできる。この場合には、光ファイバ5
0を組立段階で自然に組み込むことができるため前記光
ファイバ取り入れ口を用意する必要がなく、センサブロ
ック自体の構造をより簡単にすることができる。前記セ
ンサブロックのベース部分及びダイアフラム部分20
a,bは図1の様に重ねたままの状態で使用してもよい
が、例えばセンサブロックのベース部分及びダイアフラ
ム部分20a,bの材質として金属部材を使用する場合
にはブロックの周辺部をスポット溶接することによりベ
ース部分20aとダイアフラム部分20bを光ファイバ
50を取り付けた状態で一体化することもできる。この
様にして、光ファイバへの圧力伝達手段のみならず、内
圧のシール、放熱対策を図中20a,bと30により構
成されるブロック構造体の設計段階で行うことができ
る。
【0037】その際、ガスケット側の加工には大きな変
更は必要でない。即ち、高い精度を要しない溝掘りで充
分であるため、実装上ガスケット等の既存のエンジン構
成部材への負担を大きく軽減することができる。
【0038】光ファイバの埋め込み後は溝をそのまま残
しておいてもよいが、取扱い上光ファイバが動かないよ
うに、充填部材例えばガスケットを構成するカーボンシ
ート等と同じ材質のものでそれを埋めることもできる。
この場合、光ファイバの曲げの自由度自体は上記センサ
ブロック内で確保することができる。
【0039】図3に第1の実施例に係る光ファイバ筒内
圧センサをエンジンの複数気筒に実装した例を模式的に
示す。センシング用光ファイバ50は、図では省略して
いる光ファイバ埋め込み溝にガスケット外部より入り、
複数箇所に設けたセンサブロック位置22a,b,c,
dを順番に通過した後、再びガスケットの外に取り出さ
れる。後述のように光ファイバには緩やかな曲げを与え
てもセンシングに影響するほど大きな光量変化は生じな
い。そこで前記光ファイバ埋め込み溝は、ガスケットに
あけられているボルト、冷却水等のためのガスケット穴
42を避けるように配置することができる。前記各セン
サブロックは各々対応するシリンダ41a,b,c,d
内の燃焼圧を計測するためのものである。光ファイバ筒
内圧センサでは圧力の発生に伴い図のセンサブロック位
置22a,b,c,d各部で光ファイバ伝播光が受ける
損失増加(あるいは減少)を光ファイバ通過後の光を検
出することにより計測する。例えば図に示す四気筒エン
ジンの場合、気筒毎に燃焼のタイミングが異なるため、
失火(燃焼の停止)やノック等の燃焼むらの発生を気筒
別に速やかに検出することができる。そして、検知結果
を燃焼制御に反映することができる。この場合出力信号
は、例えば横軸に経過時間、縦軸に内圧変化を採って得
られる気筒毎の内圧曲線を重ね合わせた信号となるた
め、前記各内圧曲線の裾の部分については気筒別の細か
な情報は得られない。もちろん各気筒毎のより精確な内
圧曲線が必要な場合には光ファイバを複数本用いて信号
の分離を図ことにより各気筒毎の内圧曲線を独立に捉え
ることもできる。六気筒エンジンの様に気筒数が多い場
合にも複数本の光ファイバを利用することにより燃焼タ
イミングの重なりを回避して気筒毎の内圧変化を捉える
ことができる。
【0040】図4に第1の実施例で用いるセンサブロッ
クの断面図を示す。図は上記光ファイバ50の通路に沿
った断面図である。該光ファイバはベース20a側に刻
まれた光ファイバ通路24を通り、ダイアフラム21の
下でダイアフラムに設けた突起23に接するように通過
し、反対側の光ファイバ用通路を経てセンサブロックの
外に出る。光ファイバ通路24は光ファイバ装着時に若
干の遊びがある程度を寸法目安とする。また図と垂直方
向に光ファイバが横ずれした場合でも光ファイバが突起
部23から外れないよう、通路24の幅と共に突起部2
4の幅を選ぶ様にする。
【0041】この様にして前記光ファイバには光ファイ
バ通路24のブロック内出口2箇所とダイアフラムの突
起部分23の先端での3点支持により曲率Rの曲げが与
えられる。
【0042】光ファイバを支える上記の3箇所を含め光
ファイバに接するコーナ部分には、光ファイバに傷を付
けないようまた変形が滑らかに生じるよう丸みを持たせ
るようにしている。突起部分23の高さ調節により前記
光ファイバ50の初期曲げの大きさを設定することがで
きる。燃焼に伴い内圧が増加すると、図1に示す実装例
ではダイアフラム21の図上方から内圧が加わる。これ
に伴うダイアフラム変位に応じて前記光ファイバの曲が
り具合(図4の曲率半径R)が変化する。即ち燃焼圧力
増加時には曲率半径は初期値より小さく(曲げがきびし
く)なり、燃料吸入時の様にシリンダ内が大気圧に対し
て負圧となる場合には曲率半径は大きく(曲げが緩く)
なる。
【0043】正負圧力の計測に対応できるよう、図4で
はダイアフラム21をセンサブロック21bの縁より、
図示するAの長さだけ下げることにより両方向の曲げに
対して対称な構造を採るようにしている。
【0044】図4において点線は、光ファイバの位置を
示す。図示するw及びxが与えられれば、光ファイバの
曲率半径Rを数学的に決定することができる。設計時に
はw及びxを指定する。
【0045】前記光ファイバには各種ファイバを用いる
ことができる。特に楕円ジャケットファイバ、楕円コア
ファイバ等で知られる「内部複屈折率を有する光ファイ
バ(複屈折率ファイバ)」に分類される光ファイバを用
いる場合には、この種の光ファイバが有する感度の高さ
を利用して、感度の高い内圧計測をすることができる。
中でも、実用的に偏光子用ファイバとして利用されてい
るW型屈折率分布を有する楕円ジャケットファイバは、
内圧センシングに適した感度特性を示す。図30は当該
ファイバの一つの例の断面図である。図5にこの種の光
ファイバを該光ファイバに適する波長の光源と組み合わ
せた場合の感度の測定例を模式的に示す。図の縦軸は該
光ファイバの通過光量変化を、横軸はダイアフラムの変
位量(図4に示す寸法xの増加量)dxをそれぞれ示
す。図は光ファイバを適当に曲げた位置から急激に通過
光量の損失が生じることを示している。その変化はおよ
そ100μmの範囲に渡ってリニアであり、また変化量
自体も初期通過光量の7割程度と大きい。横軸を光ファ
イバに与える曲率半径Rとしたときの、光量の変化を図
6に示す。図は、光ファイバに与える曲げの曲率半径が
およそ1cmより小さくなると急激な通過光量減少が生
じることを示している。即ち上記の光ファイバを用いる
場合には、図4で光ファイバに与える初期曲げをR<1
cm程度のある値に設定しておくことにより正負両圧力
変化に対しリニアで感度の高い計測を期待することがで
きる。厳密には光ファイバの曲げは図4の突起部分23
を中心とする曲げ以外に光ファイバ通路24からの出口
部分2カ所にも与えられる。しかしながら図6の性質か
ら曲率半径が1cm程度より大きい場合には曲がり具合
が変化しても通過光量変化への大きな影響はないため、
前記光ファイバ通路出口部分の曲げをR>1cmに選ぶ
場合には前記突起部分23を中心とした曲げ半径のみを
設計上考慮すればよいことが分かる。
【0046】同じ理由によって、一般に光ファイバを設
置する際に弛みを与えても、各部の曲がり具合が上記の
様に比較的緩やかであれば、例えば振動等の外乱により
その状態(曲げ半径)が変化してもセンシングに対する
大きな影響はない。もちろん光ファイバ通路24自体に
必要な曲げを与えて前記出口部分2カ所の曲げを意図的
に強くすることもできる。この様な場合には、例えば曲
げを与えた各部に期待される光量変化の和を設計の基準
に採ることができる。
【0047】上記性質を光ファイバ伝搬光の一偏光成分
についてみると、R≒5cm(シリンダ内径程度)以下
の曲げ半径で、0.1dB/m以下から10dB/m以
上まで大きな変化を実際に受けることがわかる。もちろ
ん、いずれの偏光成分も同様に大きな損失を受けるよう
に設計した光ファイバをセンシングに利用することもで
きる。
【0048】内部複屈折率を有する種類の光ファイバに
関する以上の性質に基づき光ファイバに与える初期曲げ
を上記の最適値に設定する場合、前記図4の例ではダイ
アフラム21は例えば数十MPa(メガパスカル)の筒
内圧変化対して10〜20ミクロン程度変位をするよう
に選べばよい。このためダイアフラム自体の大きさはあ
まり大きく採る必要はない。また上記およそ100μm
の線形応答範囲に対して、10〜20μ程度の変位量を
想定する場合には、例えば製造上の理由や温度変化等で
初期曲げの値が変化する場合(センサの動作点が変化す
る場合)でもその程度が大きくない場合には上記の線形
な応答域で計測を続けることができる。圧力の絶対値
は、例えば吸気排気両バルブ解放時に内圧が大気圧にな
ることを基準にして求めることができる。
【0049】図7に本発明の第2の実施例に係るブロッ
ク構造体について図4と同様の位置で断面を取った断面
図で示す。上記図4のダイアフラム加工には例えば放電
加工に代表される細かな加工が必要となる場合が多い。
これに対し生産性を考える場合にはより簡単な加工でダ
イアフラムを構成することが望ましい。図7ではセンサ
ブロック上部20bとダイアフラム21及びその突起部
分23を、ダイアフラムに必要な厚さを持つ金属板から
プレス加工で成形する様にしている。センサブロックの
ベース部分20a及びシール手段30も同様にして構成
することができる。更に、センサブロックのベース部分
20aに設ける光ファイバ用の溝24もプレスによる押
し出しにより成形できる。31は内圧シール用樹脂であ
る。
【0050】この様にセンサブロックをベース部分とダ
イアフラム部分に分けて設計しておくことにより、プレ
ス加工の様な量産性の良い方法を製造段階で利用するこ
とができる。もちろん本発明に有効な製造方法は、上記
プレス加工に限るものではない。一例として上記ダイア
フラム突起部を形成する場合、上記プレス加工では材質
のスプリングバックによって型通りの形状に合わせるこ
とが難しい場合も想定できる。その様な場合にはダイア
フラム板に、金属ワイヤを短く切った形状の別部材を張
り付ける様にして上記突起部を形成してもよい。これを
図29に示す。ダイヤフラム291に短いワイヤ形状の
部材292を取付けて、光ファイバ293に所定の曲げ
を与える。294は、光ファイバ通路である。光ファイ
バは前記短いワイヤ形状の部材を枕として突起部分を渡
る。ワイヤにはスプリングバックが無いため、製造段階
で生じ得る初期曲げのばらつきを低減することもでき
る。
【0051】前記溝24のブロック内外の出口部分には
例えば面取り等の加工を加えることにより光ファイバの
損傷を回避することができる。装着時、図の上方からは
シリンダヘッドが、下方からはシリンダブロックがそれ
ぞれ接するように配置される。従って、金属で構成され
る上記内圧シール手段30及びセンサブロックのベース
部分20a自体をそれぞれ放熱手段として活用すること
ができる。
【0052】図8に図7の構成をガスケット上面から見
た場合の外観イメージを示す。ここではプレス加工を前
提にブロック周囲が円型あるいは楕円型の様に角張って
いない場合を想定している。輪郭が円型の場合、センサ
ブロック装着時にブロックが誤って面内で回転すると、
該センサブロックから外に伸びる光ファイバに余分な曲
げを与える可能性があるが、ブロック周囲の輪郭をブロ
ック埋め込み部分の輪郭と共に楕円型あるいは卵型のよ
うに真円から歪ませておくと、センサブロック装着の際
その位置を最適な方向に一意に決めることができる。図
中、内圧シール手段30にはC字リングを用いている。
シール手段30のシリンダヘッドと接する上面の大きさ
を調整することにより、圧力シール及び放熱効果の程度
を加減することができる。
【0053】図9にブロック構造体のガスケットへの取
り付け方法に関する別の例を示す。図7、図8の例では
ブロック構造体を樹脂31を利用してガスケットに固定
する場合を示している。ブロックの輪郭が図8の様に角
張らない場合には、例えば図9に概略イメージを示すよ
うにシール手段を含むブロック構造体70をガスケット
に対して着脱可能なはめ込み構造を採るようにすること
も容易である。図ではセンサブロックとその埋め込み空
間の輪郭部分を弾力性のある部材(取り付け手段)71
で縁取り、はめ込み構造を形成するようにしている。見
やすさのため、図では注目する部分のみを大きく示して
いる。該センサブロックの取り付け手段71はガスケッ
トをエンジンに取り付けた時にしっかり固定される様、
例えばガスケット上下面を基準に若干盛り上がるように
してもよい。図では省略しているが、光ファイバ通路に
相当する部分ではセンサブロック取り付け手段71に例
えば隙間を設けることにより光ファイバの通路を確保で
きる。
【0054】図10にセンシングブロック構造体の第4
の実施例を示す。図は上記図7の場合と同様に断面図を
示す。本実施例ではガスケット溝の深さの調整により、
ブロック構造体がガスケット底板43の上に乗るように
している。ガスケットの底板が金属で構成される場合に
は、前記ブロック構造体埋め込み溝の深さがガスケット
底板43(金属板)に達するようにすれば、図7の例と
同様に図の下方向、即ちシリンダブロック側への放熱効
果を期待することができる。しかも図7の場合と比べ
て、図10ではガスケット底板43があるため、ブロッ
ク構造体がガスケットの内部に安定しているため実装上
の取り扱いが容易である。図7では、図示するようにブ
ロック構造体はエンジンに取付けられるまでは空中に浮
いた形になっている。図10では更にダイアフラムの突
起部分23が二段構造になっている。この様にすること
によりダイアフラムの変位量が大きくすることができ
る。従って例えば実装上ダイアフラム面積が大きく採れ
ない場合、図10の様に変位方向の自由度を利用して必
要な変位量を得ることができる。
【0055】上記の例では、ダイアフラム自体の変形に
よって得られた突起部分23のみが前記光ファイバ50
と接する3点支持の場合を中心に説明したが、もちろん
前記光ファイバ50をダイアフラムに張り付ける様に配
置することも可能である。例えばダイアフラム自体に光
ファイバ埋め込み断面で見て一定の曲率Rを与えてお
き、前記光ファイバ50が該ダイアフラム全体と接する
様にすると、3点支持の場合と比べて前記光ファイバ5
0に与える初期曲げ(曲率半径)の設定を正確にするこ
とができる。
【0056】図11に上記第1から第4の実施例に係る
光ファイバ筒内圧センサをエンジンに実装した場合の断
面図を模式的に示す。図は吸気管80aから噴射された
燃料81が点火プラグ60で着火された後、炎82が移
動する様子を示している。シリンダ内に意図的に空気の
流れ(スワール)を作る場合を考慮すると、前記炎82
は図の様に吸気管80a側から排気管80b側へ流れる
場合が考えられる。前記燃料81の噴射方向、および炎
82の移動方向から、燃料81の未燃成分あるいは燃焼
状態により生じる煤等の付着物83は図の排気管80b
側により多く付着すると考えられる。上記光ファイバ筒
内圧センサの内圧取入口11は実装上シリンダ内壁の周
上いずれの位置に来る様にも設置可能であるが、上記の
理由から吸気マニホルド側の半周上に設けることで、内
圧取入口11への付着物83の影響の低減を期待するこ
とができる。即ち、長期間動作の後でも内圧取り入れ口
を充分に確保することができる。
【0057】図12に本発明の第5の実施例を示す。図
では第1から第4の実施例の場合と同様に構成したガス
ケット溝10にガスケットの面内方向に変位するダイア
フラム21を有するセンサブロック20を内圧シール手
段30と共に埋め込むようにしている。本実施例はガス
ケットの厚さ方向に光ファイバ50に適する初期曲げを
与えることが難しい場合、あるいは取り付けはできても
ガスケットの厚み内では充分な変位が得られない場合に
適する実装例である。図には内圧シール手段30を前記
センサブロック20の三つの面に付ける場合を示してい
る。もちろん光ファイバ50の取り付け空間(基準圧
側)へ燃焼圧力が僅かに漏れる場合でも、それが必要な
センシング精度に影響を与えない程度であれば、前記シ
ール手段30の一部あるいは全てを省略することが可能
である。
【0058】図13に前記センサブロック20と内圧シ
ール手段30を合わせたセンシング用ブロック構造体の
ガスケット面内方向での断面図例を示す。上記第1から
第4の実施例と比べると、ダイアフラム21の実装時の
変位方向及び内圧シール手段30の取り付け位置が大き
く異なる以外は、基本的に図4等と同じ構成を有する。
【0059】本実施例では基準圧空間25はガスケット
面内方向に広げることができるため、総容積の変更が比
較的容易である。上記の様に内圧漏れがあってもその程
度が小さい場合には基準圧空間25の容積を大きめに採
ることにより実際上その影響を回避することもできる。
【0060】光ファイバ筒内圧センサをエンジン点火プ
ラグに実装した第5の実施例を図14に示す。図は断面
図である。この場合点火プラグにはその側面から図の面
内方向にスリット状の溝を掘り、光ファイバ50及び前
記センサブロックを埋める様にしている。溝の一部に、
該センサブロック取り付け位置があり、そこにセンサブ
ロックの埋込空間がある。その位置には内圧導入口もあ
る。埋め込み後は溝(スリット)を充填部材で埋める。
充填部材は例えば金属やセラミックの様に耐熱性を有す
ることが望ましいが、既述の様に熱伝導性の良い部材と
シール用樹脂との組み合わせにより周囲への放熱を考え
ながら内圧シールをするようにしてもよい。この様に光
ファイバ筒内圧センサを点火プラグへ実装する場合に
は、ガスケットの場合と異なり光ファイバ50を緩やか
な曲げのみを許して引き回すことは難しい。そこで図で
は前記光ファイバ50の端面を垂直にカットあるいは研
磨した後、Ni等の金属をメッキ等の手段によってコー
トして得られる光反射手段51を利用することにより、
前記光ファイバ50内を入射した光を再び同じ経路を逆
に通して外へ取り出す様にしている。もちろん光の伝播
速度は燃焼圧力変化と比べて充分に速いため、図14で
は光ファイバ通過光は特定時刻の内圧に応じた光損失を
2度受ける、即ち2倍の感度で内圧計測をするとみなせ
る。これにより、例えばセンサブロックに設けるダイア
フラムの大きさを前記ガスケットの場合より小さくする
ことができる。もちろん実装場所にゆとりがある場合に
はセンサブロックの取り付け位置22を複数箇所設けて
感度を更に上げることもできる。
【0061】図15に光ファイバ筒内圧センサのエンジ
ン点火プラグへの別の実装例を模式的に示す。図では点
火プラグ先端部分(取り付けネジ部分)から離れた位置
22にセンシング用ブロック構造体を配置し、内圧導入
穴12により導かれる内圧を計測するようにしている。
この場合、点火プラグの先端電極付近には主に内圧導入
穴12を開ける加工のみを施せばよく、また穴のあけ方
には比較的自由度があるため、点火プラグへの加工上の
負担を軽減することができる。センサブロック近傍の構
成は基本的に図14の構成と同じである。本構成例では
センシング用ブロック構造体に図4の構造を(図におい
て上下逆向きに)用いると、内圧をより広いダイアフラ
ム面積で受けるようにすることができる。また前記ブロ
ック構造体を含むキャップ部分(センサキャップ)72
の基部の厚みをより薄くすることもできる。図中、電気
的接続に関する部分は見やすさのため省略しているが、
前記センサキャップ72を取り付ける際、絶縁手段63
を挟む外部接続用電極65a,bはそれぞれ点火プラグ
の先端部電極62a,bと電気的に接続されるようにす
る。図の例ではセンサキャップ72を加工を施した点火
プラグ60にネジで取り付ける様にしているが、例えば
ネジのみではなく接続部分に電極間のはめ込み接続を併
用して電気的な接続をより確実にすることもできる。
【0062】図16に前記センサキャップ72の全体イ
メージを示す。図ではセンシング用ブロック構造体を前
記センサキャップ72の中心からはずれた位置に埋め込
むことにより、例えば電極65bが点火プラグ側の中心
電極と接続し易い様にしている。こうすることにより電
極65bは、センサキャップ72内部をまっすぐに貫通
することができ、その位置に来ている点火プラグ側の中
心電極と接続することができる。前記センシング用セン
サブロックを埋め込み溝10は例えば前記センサキャッ
プの側面と底面から穴をあけて作る。底面からあけた穴
は内圧導入口となり、穴の内周にはダイアフラムの位置
に合わせた内圧シールドを施す。側面からあけた穴は前
記センシング用ブロック構造体の挿入口となり、設置後
は光ファイバの通路となる。該光ファイバは光ファイバ
保護手段52を通り外部へ取り出される。内圧計測の基
準圧に大気圧を採る場合には、例えば前記光ファイバ保
護手段52に大気圧導入穴53を設けておくと内圧シー
ルが完全でない場合でも光ファイバの通る空間の圧力は
常に大気圧に抜けるため、内圧漏れの影響緩和を期待す
ることができる。図の例では光ファイバを点火プラグの
軸と垂直方向に取り出すようにしているが、前記センシ
ング用ブロック構造体の取り付け向きを変えることによ
り、例えば光ファイバを点火プラグ軸と平行な方向に取
り出すことも可能である。その場合、点火プラグを実装
上窪んだ位置に挿入固定する場合でも光ファイバの配線
を容易にすることができる。
【0063】図17に本発明の第6の実施例を示す。図
は光ファイバとセンサブロックとを一体に扱えるように
モジュール化した場合の例を示す。即ちセンサブロック
20には予め扱い易い長さの光ファイバ50を取り付け
ておき、外部の光ファイバとの接続は光コネクタ54と
その保護手段55等の組み合わせにより行うようにした
例である。センサブロック20の断面構造は図4、図
7、図10と同様とすることができる。但し、モジュー
ル化した構造では光ファイバがセンサブロックから抜け
堕ちないように、光ファイバ固定手段26を用いる。通
常光ファイバは石英ガラスのファイバ部分を例えばナイ
ロンコート56で包む様に構成されている。図ではこの
ナイロンコート56に食い込むようなストッパを前記固
定手段26として利用している。もちろんナイロンコー
ト56を外から押すと内部のガラスファイバに歪が生じ
て好ましくないため、光ファイバの固定には例えばナイ
ロンコート56を溶かす種類の接着剤を併用し前記スト
ッパ26がナイロンコートをその形状に溶かしながら固
定されるようにする。光ファイバ固定手段としては、上
記の様な機械的方法以外に適当な樹脂のみを用いてもよ
い。
【0064】図中、センシング部分の光ファイバ57
は、応答性と寸法の小型化とを考えてナイロンコート5
6を除いた状態で使用している。通常の光ファイバでは
前記ナイロンコート56を除いても例えば焼結シリコン
の様な内コートが更に施されていることが多い。前記セ
ンシング部光ファイバ57をこの様に外コートであるナ
イロンコート56のみを除いた状態で使用すると、光フ
ァイバの径を本来のガラスファイバ径に近づけることが
でき、且つ内コートによるガラスファイバの保護を図る
ことができる。もちろん既存のコートを利用する代わり
にメッキ等による金属コート等を新たに施してもよい。
これらの方法によりガラスファイバの小さな傷(マイク
ロクラック)が基で生じる光ファイバの破損を予防する
ことができる。
【0065】光ファイバ間のコネクタ54には、通常使
用されている光ファイバ用コネクタを用いることができ
る。その際、光軸ずれ、あるいは接続部への塵・埃の進
入を避けるために、図では接続部保護手段55で接続部
を包み込む様にしている。光ファイバとして例えば特定
の伝搬モードに相当する光のみ伝搬可能な単一モード光
ファイバを用いる場合には、光ファイバコア径が数ミク
ロンと小さいため、前記光接続部分の僅かなずれに依っ
て容易に光が通らなくなることがある。そうした場合に
は、例えば熱拡散によりコア径を広げるTEC(The
rmallyExpanded Core)技術を利用
して接続部分での前記コア径をテーパ状に広げ、ずれに
対する許容量を大きくすることもできる。この技術は、
炎で光ファイバを加熱するとコア材が拡散し、コア径が
広がり、接続時に中心位置がずれても光の損失が少なく
なるというものである。
【0066】上記内部複屈折率を有する光ファイバも単
一モードの光ファイバに属する。該光ファイバは本来、
特定モードの通過光を対象とした偏光状態制御を目的と
して開発されたため、対応する波長の光を入射した場
合、単一モードファイバとして動作するように設計され
ている。これに対し光ファイバ筒内圧センサで必要とな
るのは通過光量全体の損失変化であるため、ここでは通
過光の単一モード化は必ずしも必要ではない。即ち、一
般の多モード(マルチモード)ファイバに内部複屈折
率、あるいは対応する歪を与えることにより上記内部複
屈折率を有する(単一モード)光ファイバと同様な通過
光損失特性が得られる場合には、そうした光ファイバを
センシング用光ファイバとして用いることもできる。こ
の場合多モード光ファイバのコア径は単一モードのそれ
より10倍程度大きいため、高いセンシング感度を維持
したまま上記光接続でのずれの許容度を得ることが期待
できる。
【0067】上記単一モード光ファイバはまた、伝搬モ
ードを制限していることから、一般に該光ファイバを通
過できる光の量が少ないと言った問題が生じる場合もあ
る。前記内部複屈折率を有する多モード光ファイバが使
用可能な場合、即ち複数の伝搬モードに対して大きな曲
げ損失が得られる場合には、対象とするモード数の増加
によりこの点も同時に回避することができる。あるいは
また上記内部複屈折率を有する単一モード光ファイバを
多モード動作する様な波長の光源で使用することも解決
方法の可能性として同様に指摘できる。充分な光量がセ
ンシングに利用できれば、それだけ光接続部の軸ずれ等
に対する許容度を上げることができる。
【0068】上記図17のモジュール化したセンサブロ
ックにおいて、その最終的な取り付け位置が決っている
場合には、該センサブロック20に更に内圧シール手段
30を予め加えておくことにより、センシング用ブロッ
ク構造体全体としてモジュール化を行うことも可能であ
る。
【0069】図18にモジュール化したセンサブロック
である第7の実施例を示す。以上の例ではセンサブロッ
クは金属部材を利用して構成すると、最も構成し易い
が、もちろんセンサブロック自体は必ずしも金属部材に
より構成する必要はない。図18(a)は、図18
(b)のAA断面図である。図18には上記図17のセ
ンサブロックをシリコン結晶から構成する場合の例を模
式的に示している。この場合、金属部材を使用する場合
と比べてガラスファイバとの材質上の差異を小さくでき
るため、例えば温度変化による熱膨張差の影響等を緩和
することができる。従ってセンサブロック部分を小型軽
量にできることと併せて、長期的に安定したセンサブロ
ックモジュールを構成することができる。前記センサブ
ロック部分は上記第1の実施例と同様にベース部分とダ
イアフラム部分の2つから構成し、図では両者をシリコ
ン間のフューズド・ボンデイング32で密着固定するよ
うにしている。ダイアフラム21やその突起部分23は
前記ベース部分とダイアフラム部分それぞれに、例えば
シリコン部材に異方性エッチングを施して構成できる。
また光ファイバの取り付け部分のV溝27も同様にエッ
チングやダイシング・ソーを利用して加工構成すること
ができる。図では光ファイバをナイロンコート56の部
分で樹脂等により固定する場合を想定しているが、接続
部分の光ファイバコーテイングを除去し、シリコンとガ
ラス間のボンデイングを行うようにしてもよい。この
際、前記V溝27と光ファイバの隙間にガラス粉末等を
封入しておくことにより、より完全なボンデイングを期
待できる。ボンデイングにより保たれる気密が充分で在
る場合には、例えばブロック内の圧力を真空近くに引い
ておくことにより大気圧に依らない(圧力変動が実際上
ない)圧力基準を設けることもできる。
【0070】図ではまたセンシング用光ファイバ57の
他に参照信号用光ファイバ58を用いる様にしている。
図18(a)は該センシング用光ファイバ57の断面構
造を示したものである。図では省略しているが、参照信
号用光ファイバ58にも例えば突起部23と同等の構造
により曲げを与え、且つダイアフラム構造は作らない様
にしておくと、前記ダイアフラム21への内圧印加以外
による出力変化、例えば温度変化による光ファイバの曲
がり具合の変化やあるいはセンサブロック組立時のばら
つきによる零点の変化等を該参照信号用光ファイバ58
出力により捉えることができる。従って参照信号用光フ
ァイバ58の出力とセンシング用光ファイバ57の出力
とを比較処理することにより、温度変化や組立上のばら
つきの影響を差し引いた形で内圧計測を行うことができ
る。もちろん参照信号用光ファイバ58を用いるセンシ
ングは、シリコン以外の部材でセンサブロックを構成す
る場合にも利用することができる。
【0071】図19に上記参照信号用光ファイバを併用
する場合の光学系構成例を示す。光源(発光手段91)
から放出された光は光分岐結合手段59によりセンシン
グ用と参照信号用の2本の光ファイバに分けられ、セン
サブロック20を通過した後、受光手段92a,bによ
りそれぞれ検出される。前記受光手段92の出力する電
流あるいは電圧信号は検出光強度に比例するので、信号
処理手段93において前記受光手段92a,bの出力信
号の差分をとることにより、上記の様に燃焼圧変化以外
の影響を相殺した出力を得ることができる。前記光分岐
結合手段59には分岐量が1対1となる3dB光カプラ
を使用することができる。また前記光分岐結合手段59
の分岐比を調節することにより、上記参照信号用光ファ
イバにセンシングに影響しない程度の僅かな光を通し、
センシング用光ファイバ57にできるだけ多くの光を通
すことにより、測定時の光量変化を大きくすることがで
きる。上記信号検出手段93では前記参照信号用光ファ
イバの通過光量を独立にモニタできるので、これに基づ
き、例えば光源91にレーザダイオードを用いる場合に
はその駆動電流量を制御して、温度変化等による光源光
量変化を補正することができる。光源には前記レーザダ
イオードの他、例えばより安価な発光ダイオードを利用
してもよい。
【0072】図20に上記参照信号用光ファイバを併用
する場合の光学系を上記点火プラグへの実装例に適する
ように光ファイバ端面からの反射光検出型に変更した場
合の例を示す。光ファイバ端面での反射光は、図14,
図15の例と同様、光ファイバ端面の金属コーテイング
等光反射手段51a,bで得るようにしている。図では
該光反射手段51a,bからの戻り光の一部を方向性光
結合分岐手段59b,cで受光手段92a,b側にそれ
ぞれ取り出す様にしている。センシング用光ファイバを
通過して戻ってきた光はセンサブロック20内の光ファ
イバ曲げに応じた光量損失を往復で1度ずつ、計2回の
損失を受けることは上記の例と同じである。
【0073】なお光源91への反射戻り光がもたらす光
源強度変調等が内圧センシングに大きく影響する場合に
は、例えば光アイソレータ等を利用して光源91への戻
り光の影響を回避することもできる。
【0074】光源であるレーザダイオードには、予め出
力モニタ用のフォトダイオードが内蔵されている場合も
ある。その場合、該レーザダイオードの活性層を通過し
た信号光を該出力モニタ用フォトダイオードで検出して
も良い。検出信号の直流分から光源のパワー変動がわか
り、交流分からは内圧変化がわかる。これにより例えば
方向性光結合分岐手段59bとフォトダイオード92a
を構成上省略できる。図21に本発明の第7の実施例を
示す。図はエンジンガスケットを平面状の部材を層状に
重ねて構成し、各層に必要に応じた打ち抜き加工を施す
ことにより上記光ファイバ筒内圧センサ埋め込み用のガ
スケット溝を構成する様子を示している。図21には見
易さのため溝の深さが一種類の場合を示しているが、も
ちろん掘り溝の深さを場所により変える場合にはその分
だけ層の数を増やすことにより拡張は容易である。図中
43はガスケット金属底板を、44はカーボンシート等
のパッキング層をそれぞれ示す。
【0075】ガスケット溝部分の加工手順は例えば以下
の通りである。上記ガスケット溝、図では光ファイバ設
置用の溝10を構成するため、前記パッキング層44か
ら該溝部分を仮止め箇所45を残すように打ち抜く。仮
止め箇所を残すことによって作業中のガスケットの取り
扱いを容易にすることができる。打ち抜き後のパッキン
グ層44は前記ガスケット金属底板43と合わせてシリ
ンダ穴、ネジ,冷却水等の穴を打ち抜く様にする。その
際、前記仮止め箇所45も合わせて打ち抜くことによ
り、光ファイバ用の通路を通して得ることができる。光
ファイバ溝の幅は上記の例から明らかなように厳密な値
に決める必要はないため、前記仮止め個所45を打ち抜
く際に溝幅の細かな調整は必要ない。
【0076】以上によりガスケットの層構造を構成した
後、層全体の固定等を行うようにする。例えば金属底板
43を裏側から必要な箇所を押し出すことにより前記パ
ッキング層44を金属板の押し出しに伴うバリで固定す
るようにする。上記の様にパッキング層44を複数枚用
いて溝の深さ調節をする場合にも、前記の様に打ち抜き
部分の仮止め箇所45が必要な場合にはその位置を一致
させておくことにより最終の打ち抜き段階で該仮止め箇
所を一度に除くようにできる。
【0077】図22に上記層構造を持つ様にしたガスケ
ットの1つの層(センシング層)に光ファイバ埋め込み
溝と共にダイアフラム構造を直接構成する様にした場合
の例を示す。上記センシング層には金属板46を利用
し、写真植刻により溝とダイアフラムを一度に構成す
る。あるいは各部の必要精度に応じて打ち抜き等の加工
を利用することもできる。光ファイバ溝10aの一部に
は図21の例と同様にして仮止め箇所を用意して最後に
取り除くことができる。センシング用光ファイバは上記
光ファイバ埋め込み溝に沿って配置することにより容易
に着脱可能である。上記参照信号用光ファイバを併用す
る場合には、同様に該光ファイバ用の溝を同じくセンシ
ング層中のセンシング用光ファイバの近くに用意するこ
とができる。前記層構造ガスケットに対するセンシング
層の役割は、層構造ではないガスケットに対する上記セ
ンサブロックの役割に対応する。前記センシング層は既
存のガスケット実装にはあまり適さないが、上記センサ
ブロックにはないファイバ埋め込み溝等を同時に形成で
きる点で、上記センサブロックを前記層構造ガスケット
により適するように拡張したものと捉えることもでき
る。次の例に見るように、はじめからセンサ内臓型のガ
スケットを設計する場合には、層構造の採用とセンシン
グ層の組み合わせにより、センサ内臓ガスケットの効率
的な組立を期待することができる。
【0078】図23に上記センシング層(金属板)を使
ったガスケットの構成例を示す。図では該センシング層
の上下を適当な厚みのパッキング層44a,bで挟むよ
うにしている。上記3層を合わせて、シリンダ穴、ボル
ト穴、センシング層の仮止め部分、あるいはまた圧力導
入口11上下の余分なパッキング層等を打ち抜いた後、
ガスケット周囲やシリンダ穴内周部分の必要箇所を層構
造ガスケットの固定手段47でカバーし、ガスケット板
を構成する。前記層構造ガスケットの固定手段47に例
えば金属部材を用いると、通常のガスケットに見られる
様な金属ボアグロメット部分を同時に構成することもで
きる。本構成では内圧導入口が更に設けられているた
め、該内圧導入通路部分も形状に合わせて金属シールを
するとよい。図では内圧導入用の溝を形成する場合を示
しているが、例えばダイヤフラムを直接シリンダ内壁に
沿って配置することで、壁面のくぼみ(クレバス)をな
くすこともできる。もちろん上記の3層以外に別の層を
加えたり、あるいは実装環境に応じて省いたりすること
も可能である。
【0079】以上実施例の説明では、センサブロックの
構造を基本的に2つの種類、即ちガスケットへの実装例
で言うならダイアフラムがその厚み方向に変位する場合
とガスケットの面内方向に変位する場合について見てき
たが、もちろんこれ以外の構造、例えばダイアフラムが
上記何れの方向とも45度を成す斜め方向に変位する様
な構造を採ることももちろん可能である。
【0080】図24に本発明の第8の実施例を示す。以
上の例ではモジュール化したセンサブロックは、一カ所
の内圧計測を目的として構成したが、上記モジュールを
複数用いて計測する代わりに、それぞれの実装位置が決
っている場合には、全体を一つのブロックにまとめるこ
とが可能である。図24は、そうした複数の計測位置に
対応するセンサブロック73の実装例を模式的に示して
いる。該センサブロック73には図の場合四つの気筒の
各々に対応する内圧導入路を設けるようにし、該内圧導
入路の入口はガスケット側に設ける内圧導入路の位置に
合わせるようにする。前記の各内圧導入路の内壁部分等
には必要な内圧シールを施す。上記センサブロック73
の内部は例えば図1の様なセンシング構造を四つ設ける
様にし、それぞれの間には同様に内圧シールを施してク
ロストークを回避する。
【0081】この様に複数センシング箇所を一つにまと
めたセンサブロック73を用いる場合には、細かな作業
を要する光学系構成の大部分をセンサブロック73の製
造段階で済ませておくことができる。例えば、図24に
おいてはガスケット溝への光ファイバ配線等を実装時に
行う必要はない。
【0082】上記センサブロック73を例えば、金属で
構成する場合、既述の様にシリンダヘッドやシリンダブ
ロックへの放熱を考えることにより、該センサブロック
73内部を熱的に保護することもできる。放熱方法とし
てはこの他、ガスケット内を通る冷却水をブロック73
周囲に通したり、あるいは金属ブロック73の一部をガ
スケットの外に出して空冷をする方法も考えられる。
【0083】上記放熱手段によって前記センサブロック
内の温度上昇が充分抑えられる場合には発光手段と受光
手段を含めた光ファイバ光学系全体を該センサブロック
内に構成することもできる。この場合、図のセンサブロ
ック73には光ファイバ50の代わりに電気的配線(電
源線、信号線等)が外部につながることになる。
【0084】以上の例から明らかなように、センサブロ
ック73の使用により光学系やダイアフラム等破損し易
い部材を取り扱う作業過程と、エンジン構成部材の溝掘
り等の荒い加工段階とをより明確に区分できるため、複
数箇所でセンシングをする場合でも光ファイバ筒内圧セ
ンサの取り付け作業を効率的に行うことができる。
【0085】以上、本発明の光ファイバ筒内圧センサの
実装法に関する幾つかの実施例を述べてきた。以下、こ
れらの方法によりセンシング部分を内蔵するエンジンの
エンジン制御システムについて説明する。
【0086】図25は上記光ファイバ筒内圧センサを用
いたエンジン制御システムのブロック図である。前記光
ファイバ筒内圧センサの出力信号即ち光ファイバの通過
光を光電変換して得られる電気信号(筒内圧検出装置2
51の出力)は増幅器252によって増幅され、更にA
/D変換器(アナログ−デジタル変換器)253によっ
てデジタル信号に変換されて、マイクロコンピュータ2
54に入力される。マイクロコンピュータ254は点火
装置255、燃料噴射弁256、あるいはモータ257
を介して空気弁258の動作を制御し、それぞれ点火時
期、燃料量、及び空気量を調節する。
【0087】図26は、エンジンの1サイクルにおける
P−V(筒内圧−シリンダ容積)線図の一例を示す。横
軸はシリンダ内の容積、縦軸は当内圧である。ピストン
の運動にともなって実線で示される状態を取る。同図に
おいて、点Aで燃焼が開始され、即ち点火され、ついで
点Bで急速に燃焼され、点Cで最高圧力に到達し、点D
で燃焼は終了する。即ち、図において矢印(I)では負
のトルクが生じ、矢印(II)において正のトルクが発
生する。従って図の斜線部における面積がエンジン1サ
イクルにおける有効仕事量Wに相当する。上記光ファイ
バ筒内圧センサにより筒内圧を精確に測定することによ
り、有効仕事量Wが最大になるよう点火時期、燃料量、
及び空気量を制御する。また、上記の様に複数気筒の内
圧信号が互いに重なって筒内圧の最高値のみが利用可能
な場合でも、この最高値はエンジン出力と相関が在るた
め、有効仕事量Wが最大になるように制御をすることが
できる。
【0088】図27に上記光ファイバ筒内圧センサから
の出力信号波形(1気筒分)の一例を模式的に示す。図
は1つの気筒のみにセンサブロックを実装する様にした
場合の出力信号波形に相当している。上記の光ファイバ
筒内圧センサでは内圧の増加(減少)をダイアフラムの
変位の増加(減少)、即ち光ファイバ曲率半径の減少
(増加)に置き換え、これに伴う該光ファイバの通過光
量減少(増加)を捉える。従って図27の様に、得られ
る波形は通常の内圧曲線の上下を入れ換えた形になる。
センシング部光ファイバの初期曲げをきつくしておき、
内圧の増加と共に曲げが緩む様な内圧伝達機構を設ける
場合には、前記光ファイバ通過光量が小さな状態からは
じめて内圧上昇と共に通過光量が増える、即ち上記波形
に対応して視覚的に上下の正しい通常の内圧曲線を得る
ことができる。もちろん信号の反転増幅によっても同様
の波形が得られる。
【0089】図では省略しているが、上記信号波形に高
い周波数の振動成分が乗っている場合には、例えばフィ
ルタ等の手段により該振動成分のみを取り出すこともで
きる。これを利用してノッキングに伴う振動波形を検出
をすることもできる。この場合、例えば図25の増幅器
252の後に必要な帯域の周波数成分のみを通過させる
バンドパスフィルタやハイパスフィルタ等のフィルタを
用意し、ノッキングに伴う振動成分のみをA/D変換器
に入力すればよい。ノッキング信号成分が検出され始め
たならば、例えば点火時期を制御してノッキングを防止
するようにすることができる。もちろんこうした処理は
入力信号の分岐等により上記内圧変化全体の検出処理と
並行して行うことができる。
【0090】多気筒からの内圧検出信号を利用する場合
にはこうした制御を各気筒毎に行うことができる。光フ
ァイバ自体は非常に細いので上記の様に複数本の光ファ
イバを利用して各気筒毎の精確な内圧検出を行う場合で
も、エンジン構成部材自体の加工には大きな変更を要し
ない。
【0091】また上記図3の場合には、センシング各部
を通過した光ファイバ通過光の強度は、気筒毎の燃焼タ
イミングが異なるため、各気筒の内圧変化を時間的にず
らして重ね合わせた変化を示すことになる。その場合で
も、例えばクランク角センサや特定気筒用に設けたイグ
ニションセンサのタイミングを基準にして各内圧変化の
波形とそれぞれの気筒との対応を付けることができる。
この場合、既述の様に内圧曲線の裾は互いに重なるが、
上記の様に内圧最高値を中心にしたエンジン制御を行う
ことができる。また、内圧曲線の最高値の変化に基づい
て失火の発生を気筒全体に渡り速やかに捉えることもで
きる。失火検出の結果を上記エンジン制御に反映させる
場合には、一例としてドライビングに影響を与えないぎ
りぎりの状態で希薄燃焼を維持する様なエンジン制御を
行うことも可能である。
【0092】この様に、本発明の光ファイバ筒内圧セン
サを利用したエンジン制御システムにおいては、エンジ
ン構成部材に対する実装加工が容易であり。また、光学
系を変更する場合にも該エンジン構成部材に対する加工
上の変更は溝の変更程度ですむ。このため、複数気筒内
圧変化に基づく精確な燃焼制御という特長を保持したま
ま、幅広い種類のエンジンに対応可能な筒内圧センシン
グシステムを提供することができる。
【0093】また、エンジン制御システムを含むエンジ
ン全体としての生産性を向上することもできる。
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、光ファイバ筒内圧セン
サのうち圧力伝達手段をブロック構造体としてエンジン
とは独立に精確な加工を施すことができる。ガスケット
等既存のエンジン構成部材側には光ファイバと前記ブロ
ック構造体を入れる空間、即ちガスケットを例に採れば
必要な深さと幅を有する溝のみを、高い精度を要しない
比較的簡単な加工により設けるだけでよい。この結果、
エンジン構成部材の加工を先行例と比べて大幅に簡略化
することができる。
【0095】また、ダイアフラムの感度調節や光ファイ
バに最適な曲げを与えつつ支持することを、エンジン側
からの制約を受けずに行えるため、これらの作業が容易
になる。
【0096】さらに、ガスケット等のエンジン本体とは
関係無く、上記ブロック構造体にはシリンダブロック・
シリンダヘッド等のセンシング部の周辺にあるものへ熱
を逃がすための放熱手段や、燃焼ガスの漏れを防ぐため
のシール手段を設けることができるため、これらの手段
を設けることが容易になる。すなわち、エンジン構成部
材に対する加工を大きく変更することなく、必要な放熱
対策やガスシールの問題を上記ブロック構造体単体で解
決することができる。
【0097】また、本発明の光ファイバ筒内圧センサを
用いると、例えば(1)ガスケットへの溝堀り、(2)
光ファイバ並びにブロック構造体の埋め込み、(3)圧
力導入部のシールと言った各過程が明確に区分でき、必
要となる加工精度も各段階毎に分けることができるた
め、例えば筒内圧センサを含むガスケットや点火プラグ
の生産において効率的な加工作業を行うことができる。
そのため、システム全体としての生産性を向上すること
ができる。
【0098】また、本発明の光ファイバ筒内圧センサを
用いると、幅広い種類のエンジンに対応することが容易
にできる。
【0099】以上のように、本発明によれば、生産性の
良い光ファイバ筒内圧センサを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1の実施例を示す光ファイバ筒
内圧センサの実装状態の説明図である。
【図2】本発明に係る第1の実施例での実装手順を示す
説明図である。
【図3】本発明に係る第1の実施例をガスケットに適用
した場合の説明図である。
【図4】本発明に係る第1の実施例で用いるセンサブロ
ックの断面図である。
【図5】ダイアフラムの変位に対する光ファイバ通過光
量の変化の測定例の説明図である。
【図6】光ファイバの曲げに対する該光ファイバ通過光
量の変化の測定例の説明図である。
【図7】ガスケットへセンサブロックを実装した状態に
ある第2の実施例の断面図である。
【図8】ガスケットへセンサブロックを実装した状態に
ある第2の実装例の外観図である。
【図9】ガスケットへセンサブロックを実装した状態に
ある第3の実施例の説明図である。
【図10】ガスケットへセンサブロックを実装した状態
にある第4の実施例の断面図である。
【図11】本発明に係る第1の実施例での内圧導入口の
シリンダ内配置に関する説明図である。
【図12】本発明に係る第5の実施例を示す光ファイバ
筒内圧センサの実装状態の説明図である。
【図13】本発明に係る第5の実施例で用いるセンサブ
ロックの断面図である。
【図14】本発明に係る第5の実施例を点火プラグ内に
設けた第1の例の説明図である。
【図15】本発明に係る第5の実施例を点火プラグ内に
設けた第2の例の説明図である。
【図16】センサキャップの構造の説明図である。
【図17】本発明に係る第6の実施例におけるセンサブ
ロックモジュールの説明図である。
【図18】センサブロックをシリコン部材で構成する場
合の説明図である。
【図19】参照信号用光ファイバを有する光学系の第1
の例の説明図である。
【図20】参照信号用光ファイバを有する光学系の第2
の例の説明図である。
【図21】本発明に係る第7の実施例における層構造ガ
スケットの溝構成に関する説明図である。
【図22】層構造ガスケットのセンシング層の説明図で
ある。
【図23】層構造ガスケットのセンシング層を含む全体
の説明図である。
【図24】本発明に係る第8の実施例におけるセンサブ
ロックの説明図である。
【図25】エンジン制御システムのブロック図である。
【図26】エンジンの1サイクルのP−V線図の説明図
である。
【図27】光ファイバ筒内圧センサ出力信号波形(1気
筒分)の説明図である。
【図28】光ファイバ筒内圧センサの先行例の説明図で
ある。
【図29】金属棒で初期曲げを与える光ファイバ筒内圧
センサの説明図である。
【図30】センシング用光ファイバの断面構造例の説明
図である。
【符号の説明】
10,10a,10b,10c・・・溝、11・・・内
圧導入口、12・・・内圧導入穴、20・・・センサブ
ロック、20a・・・センサブロックのベース部、20
b・・・センサブロックのダイアフラム部分、21・・
・ダイアフラム、22a,22b,22c,22d・・
・センサブロック位置、23・・・ダイアフラムの突起
部分、24・・・光ファイバ通路、25・・・基準圧空
間、26・・・光ファイバ固定手段、27・・・シリコ
ンセンサブロックのV溝、30・・・内圧シール手段、
31・・・内圧シール用樹脂、32・・・シリコン間の
ボンデイング、40・・・ガスケット、41,41a,
41b,41c,41d・・・シリンダ、42・・・ボ
ルト,冷却水等のためのガスケット穴、43・・・ガス
ケット底板(金属板)、44,44a,44b・・・パ
ッキング層(カーボンシート等)、45・・・掘り抜き
部分に設ける仮止め個所、46・・・センシング部を含
む金属板、47・・・層構造ガスケットの固定手段、5
0・・・光ファイバ、51,51a,51b・・・光反
射手段(光ファイバ端面コーテイング)、52・・・光
ファイバ保護手段、53・・・大気圧(基準圧)導入
穴、54・・・コネクタ、55・・・光ファイバ接続部
の保護手段、56・・・光ファイバナイロンコート、5
7・・・センシング用光ファイバ、58・・・参照信号
用光ファイバ、59,59a,59b,59c・・・光
ファイバの方向性分岐結合手段(光カプラ)、60・・
・点火プラグ、61・・・点火プラグワッシャ、62
a,62b・・・点火プラグ電極、63・・・絶縁手
段、65a,65b・・・外部接続用電極、70・・・
センシング用ブロック構造体、71・・・センシング用
ブロック構造体の取り付け手段、72・・・センシング
用ブロック構造体を含むセンサキャップ、73・・・複
数のセンシング箇所を有するセンサブロック構造体、8
0a・・・吸気管、80b・・・排気管、81・・・シ
リンダ内に噴射される燃料、82・・・燃焼炎の移動、
83・・・シリンダ内壁に付着する燃料や煤等の付着
物、91・・・発光手段、92,92a,92b・・・
受光手段、93・・・信号処理手段、200・・・ガス
ケット、210・・・シリンダ穴、300・・・光ファ
イバ圧力感受部、700・・・圧力付与構造、720・
・・ガスケット内に直接設けたダイアフラム構造。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01L 11/02 23/06 (72)発明者 鈴木 清光 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 栗田 正弘 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 高橋 実 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内 (72)発明者 笹山 隆生 茨城県勝田市大字高場2520番地 株式会社 日立製作所自動車機器事業部内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも1本の光ファイバと、エンジン
    のシリンダ内の圧力を上記光ファイバに伝達する圧力伝
    達手段とを有し、上記圧力の変化にともなう上記光ファ
    イバ内を通過する光量の変化により、上記圧力を検出す
    る光ファイバ筒内圧センサにおいて、 上記圧力伝達手段は、 上記光ファイバを保持するとともに、上記光ファイバに
    初期曲げを与える光ファイバ支持手段と、 上記光ファイバに上記圧力の変化に応じた曲げを与える
    曲げ手段とを有し、 上記光ファイバ筒内圧センサ全体は、上記エンジンに脱
    着可能であることを特徴とする光ファイバ筒内圧セン
    サ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の光ファイバ筒内圧センサに
    おいて、 上記光ファイバの少なくとも一部は、軸対称でない屈折
    率分布を有する複屈折率ファイバであることを特徴とす
    る光ファイバ筒内圧センサ。
  3. 【請求項3】請求項2記載の光ファイバ筒内圧センサに
    おいて、 上記複屈折率ファイバは、W型屈折率分布を有する楕円
    ジャケットファイバであることを特徴とする光ファイバ
    筒内圧センサ。
  4. 【請求項4】請求項1、2または3記載の光ファイバ筒
    内圧センサにおいて、 上記曲げ手段と、上記光ファイバ支持手段とは、別々に
    製造されて、製造後、組み合わされるものであることを
    特徴とする光ファイバ筒内圧センサ。
  5. 【請求項5】請求項1から4までのいずれかに記載の光
    ファイバ筒内圧センサにおいて、 上記曲げ手段は、上記光ファイバと一箇所で接し、 上記光ファイバ支持手段は、上記光ファイバを上記接し
    ている箇所の両端で支持することを特徴とする光ファイ
    バ筒内圧センサ。
  6. 【請求項6】請求項1から5までのいずれかに記載の光
    ファイバ筒内圧センサにおいて、 上記シリンダ内から受けた熱を上記光ファイバ筒内圧セ
    ンサ外に放熱する放熱手段を有することを特徴とする光
    ファイバ筒内圧センサ。
  7. 【請求項7】請求項1から6までのいずれかに記載の光
    ファイバ筒内圧センサにおいて、 上記光ファイバを外部の光ファイバと接続するための接
    続部を有することを特徴とする光ファイバ筒内圧セン
    サ。
  8. 【請求項8】請求項1から7までのいずれかに記載の光
    ファイバ筒内圧センサにおいて、 上記曲げ手段及び光ファイバ支持手段を複数組有し、 複数の位置の圧力を測定できることを特徴とする光ファ
    イバ筒内圧センサ。
  9. 【請求項9】請求項1から8までのいずれかに記載の光
    ファイバ筒内圧センサにおいて、 外部から電気信号を受けて、上記光ファイバへの入射光
    を発生させる発光手段と、 上記光ファイバからの出射光を検出し、検出結果を外部
    へ電気信号として出力する受光手段とを有することを特
    徴とする光ファイバ筒内圧センサ。
  10. 【請求項10】請求項1から9までのいずれかに記載の
    光ファイバ筒内圧センサにおいて、 上記光ファイバ筒内圧センサは、上記光ファイバ筒内圧
    センサを設置するための設置空間と、シリンダ内の圧力
    を上記曲げ手段へ伝達するための伝達空間とが設けられ
    たエンジン構成部材に内蔵されるものであり、 上記シリンダ内の気体が上記伝達空間から上記設置空間
    へ漏れることを防ぐシール手段を有することを特徴とす
    る光ファイバ筒内圧センサ。
  11. 【請求項11】請求項10記載の光ファイバ筒内圧セン
    サにおいて、 上記シール手段は、上記光ファイバ筒内圧センサが上記
    シリンダ内から受けた熱を上記光ファイバ筒内圧センサ
    の外に放熱することを特徴とする光ファイバ筒内圧セン
    サ。
  12. 【請求項12】請求項10または11記載の光ファイバ
    筒内圧センサにおいて、 上記曲げ手段と上記シール手段とは一体構造であること
    を特徴とする光ファイバ筒内圧センサ。
  13. 【請求項13】請求項10、11または12記載の光フ
    ァイバ筒内圧センサを有するガスケットであって、 上記エンジン構成部材は、ガスケットであることを特徴
    とするガスケット。
  14. 【請求項14】請求項13記載のガスケットにおいて、 上記伝達空間は、上記ガスケットの上記シリンダ内に露
    出している部分に開口部を有し、 上記開口部は、上記シリンダ内面上に設けられた排気マ
    ニホルドの開口部と対向する位置に設けられていること
    を特徴とするガスケット。
  15. 【請求項15】請求項13または14記載のガスケット
    において、 上記ガスケットは、その厚み方向に積層された複数の層
    から構成され、 上記複数の層のうち少なくとも1つの層により上記設置
    空間及び上記伝達空間が構成されることを特徴とするガ
    スケット。
  16. 【請求項16】請求項10、11または12記載の光フ
    ァイバ筒内圧センサを有するエンジン点火プラグであっ
    て、 上記エンジン構成部材は、エンジン点火プラグであるこ
    とを特徴とするエンジン点火プラグ。
  17. 【請求項17】請求項1、2、3、4、5、6、7、
    8、10、11または12記載の光ファイバ筒内圧セン
    サと、 上記光ファイバへの入射光を発生させる発光手段と、 上記光ファイバからの出射光を検出する受光手段と、 上記検出された信号から上記シリンダ内の圧力を求め、
    上記圧力に従って上記エンジンを制御するための制御信
    号を生成し、上記制御信号を出力する制御部とを有する
    ことを特徴とするエンジン制御システム。
  18. 【請求項18】請求項9記載の光ファイバ筒内圧センサ
    と、 上記出力された電気信号から上記シリンダ内の圧力を求
    め、上記圧力に従って上記エンジンを制御するための制
    御信号を生成し、上記制御信号を出力する制御部とを有
    することを特徴とするエンジン制御システム。
  19. 【請求項19】請求項13、14または15記載のガス
    ケットと、 上記光ファイバへの入射光を発生させる発光手段と、 上記光ファイバからの出射光を検出する受光手段と、 上記検出された信号から上記シリンダ内の圧力を求め、
    上記圧力に従って上記エンジンを制御するための制御信
    号を生成し、上記制御信号を出力する制御部とを有する
    ことを特徴とするエンジン制御システム。
  20. 【請求項20】請求項16記載のエンジン点火プラグ
    と、 上記光ファイバへの入射光を発生させる発光手段と、 上記光ファイバからの出射光を検出する受光手段と、 上記検出された信号から上記シリンダ内の圧力を求め、
    上記圧力に従って上記エンジンを制御するための制御信
    号を生成し、上記制御信号を出力する制御部とを有する
    ことを特徴とするエンジン制御システム。
  21. 【請求項21】積層された複数の層からなるガスケット
    を有するエンジンにおいて、 少なくとも1本の光ファイバと、 上記複数の層のうちの1つの層に設けられ、エンジンの
    シリンダ内の圧力を上記光ファイバに伝達する圧力伝達
    手段とを有し、 上記圧力伝達手段は、 上記光ファイバを保持するとともに、上記光ファイバに
    初期曲げを与える光ファイバ支持手段と、 上記光ファイバに上記圧力の変化に応じた曲げを与える
    曲げ手段とを有し、 上記1つの層には、上記光ファイバを設置するための設
    置空間と、シリンダ内の圧力を上記曲げ手段へ伝達する
    ための伝達空間とが設けられ、 上記圧力の変化にともなう上記光ファイバ内を通過する
    光量の変化により、上記圧力を検出することを特徴とす
    るエンジン。
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Cited By (15)

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