JP2001214564A - 小屋組構造 - Google Patents

小屋組構造

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JP2001214564A
JP2001214564A JP2000028082A JP2000028082A JP2001214564A JP 2001214564 A JP2001214564 A JP 2001214564A JP 2000028082 A JP2000028082 A JP 2000028082A JP 2000028082 A JP2000028082 A JP 2000028082A JP 2001214564 A JP2001214564 A JP 2001214564A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 棟木方向が比較的長い家屋においても、連続
した広い屋根裏空間を確保することができる小屋組構造
を提供することを目的とする。 【解決手段】 寄棟屋根状とされた屋根に、小屋組構造
が用いられている。小屋組構造においては、屋根の裏面
側に屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り部
と、登り部の上端部から水平に延出した水平部とを備え
たベント梁が一本以上用いられている。屋根の傾斜方向
に沿って斜めに配置された登り梁もしくはベント梁であ
る二本一組の支持梁10、10が一組以上備えられてい
る。二本の支持梁10、10が外壁の互いに対向する部
分どうしの間に平面視してほぼ直線状に掛け渡されるよ
うに配置されている。ベント梁及び水平な梁のうちの一
方である接合梁12、13が、直接もしくは他の接合梁
を介して支持梁10に接合されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、屋根裏空間を確保
することができる小屋組構造に関する。
【0002】
【背景の技術】従来、家屋などにおける屋根支持には、
水平下弦材である陸梁、陸梁上に垂設された束、屋根傾
斜方向に沿って斜めに設置された合掌、などにより構成
される小屋組が用いられている。しかし、従来の小屋組
においては、陸梁や束によって屋根内部の空間が分割さ
れるため、連続した屋根裏空間を確保することができな
かった。
【0003】そこで、屋根裏の空間を確保するため、上
記小屋組に代わる屋根構造が提案されている。例えば、
特開平4−93440号公報に記載の小屋組構造体にお
いては、曲がった形状に形成されたベント梁(ベント=
曲がった)が用いられている。
【0004】上記ベント梁は、棟木方向に配設される頂
部と、桁行方向の屋根勾配に対応した傾斜部とを、補強
用のプレース部によって連結して構成されている。ベン
ト梁の一端(頂部の先端部)は、内壁体の上に設けられ
るトラスなどの屋根支持体に連結され、ベント梁の他端
(傾斜部の先端部)は、外壁体に連結されている。この
構成とすることで、架設されたベント梁の下方の空間に
は、束や陸梁などを設ける必要がなく、屋根裏空間を確
保することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記公
報の小屋組構造体においては、ベント梁の下方の屋根裏
部分には広いスペースが確保できるものの、トラスなど
の屋根支持体が設置されている部分では、屋根内部の空
間が分割されてしまっていた。
【0006】特に、棟木方向が比較的長い家屋では、屋
根を支持するために、トラスや屋切パネルなどの屋根支
持体を複数設ける必要があった。したがって、屋根内部
の空間が広いにも関わらず、連続した広い屋根裏空間を
得ることができなかった。
【0007】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あり、棟木方向が比較的長い家屋においても、連続した
広い屋根裏空間を確保することができる小屋組構造を提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の請求項1記載の小屋組構造は、例えば図1
から図5に示されるように、少なくとも一方の妻側Aが
寄棟屋根状とされた屋根に用いられ、かつ、屋根の裏面
側に屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り部2
pと、該登り部2pの上端部(折り曲げ部2r)から水
平に延出した水平部2qとを備えたベント梁2が少なく
とも一本以上用いられた小屋組構造であって、屋根の傾
斜方向に沿って斜めに配置された登り梁1もしくは前記
ベント梁2である二本一組の支持梁10、10を一組以
上備え、二本の支持梁10、10の下側の端部(接合部
10b、10b)が外壁の互いに対向する部分の上端部
にそれぞれ接合されて支持され、かつ、二本の支持梁1
0、10の上側の端部(接合部10a、10a)どうし
が互いに接合されることにより、二本の支持梁10、1
0が外壁の互いに対向する部分どうしの間に平面視して
ほぼ直線状に掛け渡されるように配置され、前記ベント
梁2及び水平な梁3のうちの少なくとも一方である複数
の接合梁12…、13、13が、直接もしくは他の接合
梁を介して前記二本の支持梁10、10に接合されてい
ることを特徴とする。
【0009】ここで、ベント梁には、例えば図4に示さ
れる登り部2pと水平部2qとを一つずつ備えたベント
梁2や、図9の(b)に示される二つの登り部40’p
および一つの水平部40’qを備えた山型ベント梁4
0’などが含まれる。
【0010】また、ベント梁には、小屋組配置前に、登
り梁1および水平な梁3を、あらかじめ接合あるいは一
体成形して、ベント梁2や山型ベント梁40’とされた
ものも含まれる。すなわち、もともとは登り梁1および
水平な梁3であっても、小屋組配置前に組み合わされて
ベント梁の形状とされたものは、ベント梁とみなす。
【0011】また、外壁の互いに対向する部分として
は、例えばパネル工法における壁パネルや、外壁部分に
立設された柱の一部など、が挙げられる。
【0012】請求項1の小屋組構造においては、二本の
支持梁10、10が外壁の互いに対向する部分どうしの
間に平面視してほぼ直線状に掛け渡されるように配置さ
れているので、二本の支持梁10、10が掛け渡された
一方の外壁の上端部から他方の外壁の上端部に至るま
で、二本の支持梁10、10下方の屋根裏空間を確保す
ることができる。さらに、複数の接合梁12…、13、
13が、直接もしくは他の接合梁を介して前記二本の支
持梁10、10に接合されているので、二本の支持梁1
0、10下方の屋根裏空間と、接合梁12…、13、1
3下方の屋根裏空間とが連続する。したがって、棟木方
向および梁間方向において、連続した広い屋根裏空間を
確保することができる。
【0013】また、例えば、上述の特開平4−9344
0号公報に記載の小屋組構造体においては、ベント梁の
一端が内壁体の上方に設けられたトラスや屋切パネルな
どの屋根支持体に連結され、ベント梁の他端が外壁体に
連結されていた。前記内壁体は、間取りによって、家屋
平面上のどこに配置されるか決定されてしまう。言い換
えれば、ほぼ同じような形状の住宅においても間取りに
よって内壁体の位置が異なるため、住宅の形状と間取り
によって異なる内壁体上の屋根支持体から外壁体までの
距離に応じて、さまざまなサイズや長さのベント梁を製
造しなければならなかった。
【0014】これに対し、請求項1の小屋組構造におい
ては、接合梁12…、13、13が、直接もしくは他の
接合梁を介して二本の支持梁10、10に接合されてい
るので、従来と異なり、内壁体上方の屋根支持体に連結
されずに小屋組構造を構成できる。したがって、間取り
によって制約される内壁体の位置に関係なく、小屋組構
造を構成する梁10、12、13同士を、全体にバラン
ス良く配置できるため、対称的に梁10、12、13を
配置でき、梁10、12、13の長さ、サイズなどを共
通化できる。
【0015】なお、例えば図2に示されるように、登り
梁である二本の支持梁10、10を、あらかじめ接合あ
るいは一体成形することにより、山型梁10’として配
置するものとしてもよい。
【0016】また、例えば図9に示されるように、ベン
ト梁である二本の支持梁40、40を、あらかじめ接合
あるいは一体成形することにより、山型ベント梁40’
として配置するものとしてもよい。
【0017】また、登り梁1とベント梁2とを組み合わ
せて二本の支持梁を構成しても良い。また、二本の支持
梁としての登り梁1およびベント梁2を、あらかじめ接
合あるいは一体成形することにより、例えば図9の
(b)に示される山型ベント梁40’として配置するも
のとしてもよい。
【0018】請求項2記載の小屋組構造は、請求項1記
載の小屋組構造において、前記屋根の基本構造が寄棟屋
根とされ、二本の支持梁10、10が平面視して棟方向
Xに直交するように配置され、かつ、二本の支持梁1
0、10の上端部10a、10aが平面視して前記寄棟
屋根の棟14のほぼ中央部で互いに接合されていること
を特徴とする。
【0019】ここで、寄棟屋根とは、少なくとも四方に
流れる屋根を有するものである。基本構造が寄棟屋根と
された屋根には、例えば、請求項5(図10)に記載
の、主となる主屋根5と、主屋根5の一方の平側B1の
屋根面57Bから延出した従屋根6とを備えた屋根や、
寄棟雁行屋根、入母屋屋根などが含まれる。
【0020】請求項2の小屋組構造においては、図1に
示されるように、二本の支持梁10、10が平面視して
棟方向Xに直交するように配置され、かつ、二本の支持
梁10、10の上端部10a、10aが平面視して寄棟
屋根の棟14のほぼ中央部で互いに接合されているの
で、二本の支持梁10、10を中心として、接合梁12
…、13、13の配置を対称的なものとすることができ
る。
【0021】また、棟木方向が比較的長い家屋において
も、棟方向Xに連続した屋根裏空間を確保することがで
き、屋根内部の広い空間を有効に利用することができ
る。
【0022】請求項3記載の小屋組構造は、請求項2記
載の小屋組構造において、前記寄棟屋根の四方に流れる
各屋根面16A、16A、16B、16Bの同じ高さ位
置に、一本もしくは連結された複数本の接合梁12…、
13、13が前記屋根面16A、16A、16B、16
Bを横断するように隅棟15から隅棟15まで配置され
ることにより、これら接合梁12…、13、13が四角
枠状に配置されていることを特徴とする。
【0023】請求項3の小屋組構造においては、寄棟屋
根の四方に流れる各屋根面16A、16A、16B、1
6Bに、接合梁12…、13、13が四角枠状に配置さ
れているので、各屋根面16A、16A、16B、16
Bに少なくとも一本、水平とされる梁(接合梁12の水
平部、接合梁13)を設けることができる。
【0024】また、各屋根面16A、16A、16B、
16Bの同じ高さ位置に接合梁12…、13、13が四
角枠状に配置されているので、棟14から軒にわたって
配置される屋根面構成部材を、少なくとも棟14からの
距離が同じである接合梁12…、13、13によって、
下方から支持することができる。例えば、パネル工法に
おいて、棟14から接合梁12、13にわたって掛け渡
される屋根パネルと、接合梁12、13から軒にわたっ
て掛け渡される屋根パネルとを配置する場合などに、少
なくとも、棟14から接合梁12、13にわたって配置
される屋根パネルにおいては、各屋根面16A、16
A、16B、16Bで共通のサイズのパネルを用いるこ
とができ、部材の共通化を図ることができる。
【0025】請求項4記載の小屋組構造は、請求項1記
載の小屋組構造において、例えば図4、図5および図8
に示されるように、前記屋根が一方の妻側A1が寄棟状
とされ、他方の妻側A2が切妻状とされた片寄棟屋根と
され、前記支持梁40、40は、寄棟状の一方の妻側A
1に流れる妻側屋根面46Aに水平部2qが平面視して
棟方向Xに直交するように配置され、かつ、該妻側屋根
面46Aに隣接する平側Bの屋根面46Bに登り部2p
が配置されたベント梁2とされ、前記平側Bの二つの屋
根面46B、46Bの前記支持梁40の水平部(2q)
と同じ高さ位置に、それぞれ水平な梁3とされた前記接
合梁43、43が配置されるとともに、これら接合梁4
3の一方の端部が前記支持梁40に接合されて、これら
接合梁43及び前記支持梁40の水平部がコ字状に配置
されていることを特徴とする。
【0026】請求項4の小屋組構造においては、支持梁
40は、妻側屋根面46Aに水平部2qが配置されたベ
ント梁2とされ、平側Bの二つの屋根面46B、46B
に、それぞれ水平な梁3とされた接合梁43、43が配
置され、これら接合梁43及び支持梁40の水平部がコ
字状に配置されているので、各屋根面46A、46B、
46Bに少なくとも一本、水平とされる梁(支持梁40
の水平部、接合梁43)を設けることができる。
【0027】また、平側Bの二つの屋根面46B、46
Bの支持梁40の水平部(2q)と同じ高さ位置に、そ
れぞれ水平な梁3とされた接合梁43、43が配置され
ているので、請求項3の小屋組構造の場合と同様に、棟
44から軒にわたって配置される屋根面構成部材を、少
なくとも棟44からの距離が同じである接合梁43およ
び支持梁40の水平部によって、下方から支持すること
ができる。
【0028】請求項5記載の小屋組構造は、請求項1か
ら3のいずれかに記載の小屋組構造において、例えば図
4、図10および図11に示されるように、前記寄棟屋
根が、主となる主屋根5と該主屋根5の一方の平側B1
の屋根面57Bから延出し、前記主屋根5の棟54と平
面視して直交する方向に沿うとともに、前記主屋根5の
棟54より低い位置に棟64を有し、かつ、主屋根5の
反対の妻側(主屋根5の一方の平側B1)が寄棟状とさ
れた従屋根6とを備え、二本の前記支持梁50、60の
うちの一方の支持梁60が、従屋根6の妻側B1に流れ
る妻側屋根面66Bの傾斜方向に沿った登り部2pと、
従屋根6の棟64に沿って配置される水平部2qとを有
するベント梁2とされ、他方の支持梁50が、主屋根5
の従屋根6と反対側の平側B2の屋根面56Bに沿った
登り部2pを備えるとともに、前記一方の支持梁60の
水平部(2q)と同じ高さ位置の水平部2qを有するベ
ント梁2とされていることを特徴とする。
【0029】請求項5の小屋組構造においては、一方の
支持梁60が接合された外壁(従屋根6の妻側B1の外
壁)から、他方の支持梁50が接合された外壁(主屋根
5の従屋根6と反対側の平側B2の外壁)に至るまで、
二本の支持梁50、60下方の屋根裏空間を確保するこ
とができる。したがって、従屋根6の屋根裏と、主屋根
5の屋根裏とが連続するので、屋根内部の広い空間を有
効に利用することができる。
【0030】
【発明の実施の形態】<第一の実施形態例>以下に、本
発明の第一の実施形態例の小屋組構造について、図1か
ら図5を参照して説明する。
【0031】図1は、第一例の小屋組構造を示す平面図
である。第一例の小屋組構造は、四方に流れる屋根面1
6A、16A、16B、16Bを有する寄棟屋根に用い
られている。この小屋組構造は、二本の支持梁10、1
0と、接合梁12…、13、13とを備えている。な
お、図1中、18Aは、妻側Aの外壁の位置を示す外壁
線、18Bは、平側Bの外壁の位置を示す外壁線であ
る。
【0032】支持梁10は、図3に示される登り梁1と
ほぼ同様の構成となっている。図3は、登り梁1の側面
図である。登り梁1は、H型鋼の両端がそれぞれ切断加
工された形状となっている。登り梁1の上端および下端
は、他の梁、外壁体などの構造体に対して接合される接
合部1a、1bである。
【0033】図1に示されるように、二本の支持梁1
0、10(登り梁1)は、平面視してほぼ直線状に掛け
渡され、かつ、棟方向Xに直交するように配置されてい
る。支持梁10は、平側Bの屋根面16Bの裏面側に、
屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置されている。
【0034】支持梁10の下側の端部となる接合部10
b(1b)は、外壁線18B、18Bの位置に配置され
た外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合
されて支持されている。なお、外壁の互いに対向する部
分としては、例えば、外壁に用いられた壁パネルや、外
壁部分に立設された柱などが挙げられる。
【0035】また、二本の支持梁10、10の上側の端
部となる接合部10a、10a(1a)どうしは、平面
視して寄棟屋根の棟14のほぼ中央部で、互いに接合さ
れている。このようにして、外壁の互いに対向する部分
どうしの間に、図2の(a)に示されるように、二本の
支持梁10、10によって合掌が形成されている。
【0036】なお、梁の接合部の接合は、例えば、梁受
け金物を介して、ボルトナットで締結し固定することで
行われるが、このほか、従来より周知の方法によって接
合されるものとしても良い。
【0037】また、図2に示されるように、登り梁であ
る二本の支持梁10、10を、あらかじめ接合あるいは
一体成形することにより、山型梁10’として配置する
ものとしてもよい。
【0038】接合梁12は、図4に示されるベント梁2
とほぼ同様の構成となっている。図4は、ベント梁2の
側面図である。ベント梁2は、長手方向における中間で
H型鋼を折り曲げた形状となっている。ベント梁2は、
斜めに配置される登り部2pと、登り部2pの上端部と
なる折り曲げ部2rから水平に延出した水平部2qとを
備えたものである。ベント梁2の上側の端部および下側
の端部は、他の梁、外壁体などの構造体に対して接合さ
れる接合部2a、2bである。
【0039】図1に示されるように、接合梁12、12
(ベント梁2)は、支持梁10、10に対して対称とな
るように、各妻側Aに二本ずつ設けられている。各妻側
Aにおいて、棟14に対して対称となるように、各平側
Bに接合梁12が一本ずつ設けられている。
【0040】接合梁12の登り部(2p)は、妻側Aの
屋根面16Aの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜め
に配置されている。また、接合梁12の水平部(2q)
は、平側Bの屋根面16Bの裏面側に、屋根に沿って水
平に配置されている。接合梁12の折り曲げ部(2r)
は、隅棟15の裏側に配置されている。
【0041】接合梁12の下側の端部となる接合部12
b(2b)は、妻側Aの外壁(外壁線18A)の上端部
にそれぞれ接合されて支持されている。また、接合梁1
2の上側の端部となる接合部12a(2a)は、支持梁
10に対して側方から突き合わせるようにして接合され
ている。
【0042】なお、接合梁12は、図3に示される登り
梁1と、図5に示される水平な梁3とを、小屋組配置前
にあらかじめ接合あるいは一体成形して、ベント梁2の
形状としたものであってもよい。
【0043】接合梁13は、図5に示される水平な梁3
とほぼ同様の構成となっている。図5は、水平な梁3の
側面図である。水平な梁3は、H型鋼の長さが設定され
た形状となっている。水平な梁3の両端は、他の梁、外
壁体などの構造体に対して接合される接合部3a、3a
である。
【0044】図1に示されるように、接合梁13(水平
な梁3)は、支持梁10、10に対して対称となるよう
に、各妻側Aに一本ずつ配置されている。接合梁13
は、妻側Aの屋根面16Aの裏面側に、屋根に沿って水
平に配置されている。
【0045】接合梁13は、その両端となる接合部(3
a、3a)が、接合梁12の折り曲げ部(ベント梁2の
折り曲げ部2r)どうしを橋かけるようにして、折り曲
げ部に対して接合されて支持されている。このようにし
て、接合梁13が、接合梁12、12を介して支持梁1
0に接合されている。
【0046】以上のようにして、妻側Aの屋根面16A
を横断するように、接合梁13が隅棟15から隅棟15
まで配置されている。また、平側Bの屋根面16Bを横
断するように、接合梁12、12の水平部(ベント梁2
の水平部2q)が隅棟15から隅棟15まで配置されて
いる。すなわち、接合梁13、13及び接合梁12、1
2の水平部は、四方に流れる各屋根面16A、16A、
16B、16Bの同じ高さ位置に、四角枠状に配置され
ている。
【0047】以上のように、第一例の小屋組構造におい
ては、二本の支持梁10、10が外壁の互いに対向する
部分どうしの間に掛け渡されるように配置されているの
で、二本の支持梁10、10が掛け渡された一方の外壁
(外壁線18B)の上端部から他方の外壁(外壁線18
B)の上端部に至るまで、二本の支持梁10、10下方
の屋根裏空間を確保することができる。これに加えて、
接合梁12…が直接的に、接合梁13、13が接合梁1
2を介して間接的に、二本の支持梁10、10に接合さ
れているので、二本の支持梁10、10下方の屋根裏空
間と、接合梁12…、13、13下方の屋根裏空間とが
連続し、広い屋根裏空間を確保することができる。
【0048】したがって、第一例の小屋組構造において
は、棟方向に連続した広い屋根裏空間を確保することが
でき、屋根内部の空間を有効に利用することができる。
【0049】また、従来と異なり、内壁体上方の屋根支
持体などに対して梁が接合されておらず、二本の支持梁
10、10、接合梁12…、13、13が互いに接合さ
れて小屋組構造を構成している。したがって、間取りに
よって制約される内壁体の位置に関係なく、梁10、1
2、13同士を、全体にバランス良く配置でき、梁1
0、12、13の長さ、サイズなどを共通化できる。
【0050】また、寄棟屋根の四方に流れる各屋根面1
6A、16A、16B、16Bに、水平とされる梁(接
合梁13、13、接合梁12、12の水平部)をそれぞ
れ設けることができる。
【0051】また、各屋根面16A、16A、16B、
16Bの同じ高さ位置に水平とされる梁(接合梁13、
13、接合梁12、12の水平部)がそれぞれ設けられ
ているので、棟14から接合梁12、13にわたって配
置される屋根面構成部材(例えば屋根パネルなど)のサ
イズを共通なものとすることができ、部材共通化を図る
ことができる。
【0052】なお、第一例の小屋組構造は寄棟屋根に用
いられるものとしたが、これに限らず、基本構造が寄棟
屋根である屋根に適用可能である。例えば、第一例の小
屋組構造を、雁行屋根や、入母屋屋根などに適用しても
良い。
【0053】また、各梁はH型鋼であるものとしたが、
これに限らず、例えば、構造用木材などにより構成され
るものとしても良い。
【0054】また、棟方向Xにおける寄棟屋根の長さが
比較的大きくなった場合には、支持梁10、10に並列
するように、別途支持梁を設けるものとしても良い。こ
の場合には、支持梁10と、別途に設けられた支持梁と
の間で、水平な梁である接合梁を掛け渡すようにする。
この構成により、棟方向に連続した広い屋根裏空間を確
保することができる。
【0055】また、図1に示されるように、接合梁12
…に対して、登り梁13a…を架けた構造としても良い
(図1中の点線)。この場合には、小屋組を補強でき、
接合梁12…、13、13の負担を軽減できる。
【0056】<第二の実施形態例>以下に、本発明の第
二の実施形態例の小屋組構造について、図6を参照して
説明する。なお、以下の実施形態例においては、第一例
と同様の構成については、その説明を省略する。
【0057】図6は、第二例の小屋組構造を示す平面図
である。第二例の小屋組構造は、二本の支持梁20、2
0と、接合梁22…、23…とを備えている。
【0058】接合梁22は、図4に示されるベント梁2
とほぼ同様の構成となっている。図6に示されるよう
に、接合梁22(ベント梁2)は、平面視してほぼ直線
状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交するように配置
されている。
【0059】接合梁22の登り部(2p)は、平側Bの
屋根面26Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜め
に配置されている。また、接合梁22の水平部(2q)
は、妻側Aの屋根面16Aの裏面側に、屋根に沿って水
平に配置されている。接合梁22の折り曲げ部(2r)
は、隅棟25の裏側に配置されている。
【0060】接合梁22の下側の端部となる接合部22
b(2b)は、外壁線28B、28Bの位置に配置され
た外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合
されて支持されている。また、二本の接合梁22、22
の上側の端部となる接合部22a、22a(2a)どう
しは、互いに接合されている。
【0061】なお、接合梁22、22の代わりに、登り
梁とベント梁とを組み合わせて、一方の平側Bから他方
の平側Bへ梁を架け渡すようにして配置しても良い。ま
た、登り梁とベント梁とをあらかじめ接合あるいは一体
成形した山型ベント梁(例えば図9(b)に示される山
型ベント梁40’)を、接合梁22、22の代わりに配
置するものとしてもよい。
【0062】接合梁23は、図5に示される水平な梁3
とほぼ同様の構成となっている。図6に示されるよう
に、接合梁23(水平な梁3)は、棟24に対して対称
となるように、各平側Bに二本ずつ設けられている。各
平側Bにおいて、支持梁20に対して対称となるよう
に、平側Bの屋根面26Bの裏面側に、接合梁23、2
3が屋根に沿って水平に配置されている。また、接合梁
23の両端となる接合部(3a、3a)は、支持梁20
と接合梁22の折り曲げ部とに対してそれぞれ接合され
ている。
【0063】以上のようにして、平側Bの屋根面26B
を横断するように、接合梁23、23が隅棟25から隅
棟25まで配置されている。また、妻側Aの屋根面26
Aを横断するように、接合梁22、22の水平部(ベン
ト梁2の水平部2q)が隅棟25から隅棟25まで配置
されている。すなわち、接合梁23、23及び接合梁2
2、22の水平部は、四方に流れる各屋根面26A、2
6A、26B、26Bの同じ高さ位置に、四角枠状に配
置されている。
【0064】以上のように、第二例の小屋組構造におい
ては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁2
0、20下方の屋根裏空間と、接合梁22…、23…下
方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空間を確保する
ことができる。また、二本の支持梁20、20を中心と
して、一方の妻側Aと他方の妻側Aとに配置される接合
梁22、23において、部材の共通化を図ることができ
る。また、各屋根面26A、26A、26B、26B
に、水平とされる梁(接合梁22…の水平部、接合梁2
3…)をそれぞれ設けることができる。また、棟から接
合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば屋根
パネルなど)のサイズを共通なものとすることができ、
部材共通化を図ることができる。
【0065】なお、図6に示されるように、接合梁22
…に対して、登り梁23a…を架けた構造としても良い
(図6中の点線)。この場合には、小屋組を補強でき、
接合梁22…、23…の負担を軽減できる。
【0066】また、接合梁22、22を、支持梁20と
は別の、二本の支持梁とみなすものとしても良い。ま
た、接合梁22、22の代わりに、例えば図9の(b)
に示されるような、二本の登り梁1と水平な梁3とがあ
らかじめ接合あるいは一体成形された、山型ベント梁4
0’を配置しても良い。
【0067】<第三の実施形態例>以下に、本発明の第
三の実施形態例の小屋組構造について、図7を参照して
説明する。図7は、第三例の小屋組構造を示す平面図で
ある。第三例の小屋組構造は、二本の支持梁30、30
と、接合梁31、31、32、32、33、33とを備
えている。
【0068】接合梁31は、図4に示されるベント梁2
とほぼ同様の構成となっている。図7に示されるよう
に、接合梁31(ベント梁2)は、支持梁30、30の
上端接合部30a、30aに対して対称となるように、
各妻側A及び各平側Bに一本ずつ、計二本が設けられて
いる。
【0069】接合梁31の登り部(2p)は、妻側Aの
屋根面36Aの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜め
に配置されている。また、接合梁31の水平部(2q)
は、平側Bの屋根面36Bの裏面側に、屋根に沿って水
平に配置されている。接合梁31の折り曲げ部(2r)
は、隅棟35の裏側に配置されている。
【0070】接合梁31の下側の端部となる接合部31
b(2b)は、妻側Aの外壁(外壁線38A)の上端部
に接合されて支持されている。また、接合梁31の上側
の端部となる接合部31a(2a)は、支持梁30に対
して側方から突き合わせるようにして接合されている。
【0071】接合梁32は、図4に示されるベント梁2
とほぼ同様の構成となっている。図7に示されるよう
に、接合梁32(ベント梁2)は、支持梁30、30の
上端接合部30a、30aに対して対称となるように、
各妻側Aに一本ずつ設けられている。
【0072】接合梁32の登り部(2p)は、平側Bの
屋根面36Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜め
に配置されている。また、接合梁32の水平部(2q)
は、妻側Aの屋根面36Aの裏面側に、屋根に沿って水
平に配置されている。接合梁32の折り曲げ部(2r)
は、隅棟35の裏側に配置されている。
【0073】接合梁32の下側の端部となる接合部32
b(2b)は、平側Bの外壁(外壁線38B)の上端部
に接合されて支持されている。また、接合梁32の上側
の端部となる接合部32a(2a)は、接合梁31の折
り曲げ部(ベント梁2の折り曲げ部2r)に対して側方
から突き合わせるようにして接合されている。このよう
にして、接合梁32が、接合梁31を介して支持梁30
に接合されている。
【0074】接合梁33は、図5に示される水平な梁3
とほぼ同様の構成となっている。図7に示されるよう
に、接合梁33(水平な梁3)は、支持梁30、30の
上端接合部30a、30aに対して対称となるように、
各妻側A及び各平側Bに一本ずつ、計二本が設けられて
いる。
【0075】接合梁33の一端側の接合部(3a)は、
支持梁30に対して接合されている。また、他端側の接
合部(3a)は、接合梁32の折り曲げ部(ベント梁2
の折り曲げ部2r)に対して接合されている。接合梁3
3は、支持梁30と接合梁31の折り曲げ部とに掛け渡
されている。
【0076】以上のようにして、妻側Aの屋根面36A
を横断するように、接合梁32の水平部(ベント梁2の
水平部2q)が隅棟35から隅棟35まで配置されてい
る。また、平側Bの屋根面36Bを横断するように、接
合梁31の水平部(ベント梁2の水平部2q)と接合梁
33とが隅棟35から隅棟35まで配置されている。す
なわち、接合梁31の水平部、接合梁32の水平部、及
び接合梁33は、四方に流れる各屋根面36A、36
A、36B、36Bの同じ高さ位置に、四角枠状に配置
されている。
【0077】以上のように、第三例の小屋組構造におい
ては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁3
0、30下方の屋根裏空間と、接合梁31、31、3
2、32、33、33下方の屋根裏空間とが連続し、広
い屋根裏空間を確保することができる。また、各屋根面
36A、36A、36B、36Bに、水平とされる梁
(接合梁31、31の水平部、接合梁32、32の水平
部、接合梁33、33)をそれぞれ設けることができ
る。また、棟から接合梁にわたって配置される屋根面構
成部材(例えば屋根パネルなど)のサイズを共通なもの
とすることができ、部材共通化を図ることができる。
【0078】また、棟34のほぼ中央となる位置を中心
として、各妻側A及び各平側Bに配置される接合梁3
1、32、33において、部材の共通化を図ることがで
きる。
【0079】なお、図7に示されるように、接合梁3
1、31、32、32に対して、登り梁33a…を架け
た構造としても良い(図7中の点線)。この場合には、
小屋組を補強でき、接合梁31、31、32、32の負
担を軽減できる。
【0080】<第四の実施形態例>以下に、本発明の第
四の実施形態例の小屋組構造について、図8及び図9を
参照して説明する。図8は、第四例の小屋組構造を示す
平面図である。第四例の小屋組構造は、一方の妻側A1
が寄棟状とされ、他方の妻側A2が切妻状とされた片寄
棟屋根に用いられている。この小屋組構造は、二本の支
持梁40、40と、接合梁43、43と、二本の登り梁
41、41とを備えている。
【0081】支持梁40は、図4に示されるベント梁2
とほぼ同様の構成となっている。図8に示されるよう
に、二本の支持梁40、40(ベント梁2)は、平面視
してほぼ直線状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交す
るように配置されている。
【0082】支持梁40の登り部(2p)は、平側Bの
屋根面46Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜め
に配置されている。また、支持梁40の水平部(2q)
は、一方の妻側A1の屋根面46Aの裏面側に、屋根に
沿って水平に配置されている。支持梁40の折り曲げ部
(2r)は、隅棟45の裏側に配置されている。
【0083】支持梁40の下側の端部となる接合部40
b(2b)は、外壁線48B、48Bの位置に配置され
た外壁の、互いに対向する部分の上端部にそれぞれ接合
されて支持されている。また、二本の支持梁40、40
の上側の端部となる接合部40a、40a(2a)どう
しは、互いに接合されている。このようにして、外壁の
互いに対向する部分どうしの間に、図9の(a)に示さ
れるように、二本の支持梁40、40によって略台形状
が形作られている。
【0084】なお、図9に示されるように、ベント梁で
ある二本の支持梁40、40を、あらかじめ接合あるい
は一体成形することにより、山型ベント梁40’として
配置するものとしてもよい。
【0085】また、支持梁40、40の代わりに、登り
梁とベント梁とを組み合わせて二本の支持梁を構成して
も良い。また、登り梁とベント梁とを、あらかじめ接合
あるいは一体成形することにより、図9の(b)に示さ
れる山型ベント梁40’として配置するものとしてもよ
い。この場合、山型ベント梁40’は、二本の支持梁で
ある登り梁とベント梁とによって構成される梁である。
【0086】また、支持梁40、40の代わりに、二本
の登り梁と水平な梁とを、あらかじめ接合あるいは一体
成形して、山型ベント梁40’して配置するものとして
もよい。この場合、一本の登り梁と水平な梁とからなる
ベント梁と、もう一本の登り梁とが、二本の支持梁とな
る。
【0087】接合梁43は、図5に示される水平な梁3
とほぼ同様の構成となっている。図8に示されるよう
に、接合梁43(水平な梁3)は、棟44に対して対称
となるように、各平側Bに一本ずつ配置されている。接
合梁43は、平側Bの屋根面46Bの裏面側に、屋根に
沿って水平に配置されている。
【0088】接合梁43の一端側の接合部(3a)は、
支持梁40の折り曲げ部(ベント梁2の折り曲げ部2
r)に対して接合されている。また、接合梁43の他端
側の接合部(3a)は、妻側A2の外壁(外壁線49
A)の上端部に接合されて支持されている。
【0089】登り梁41は、棟44に対して対称となる
ように、妻側1Aの屋根面46Aの裏面側に、屋根の傾
斜方向に沿って斜めに配置されている。登り梁41の上
端は、支持梁40の折り曲げ部(2r)に対して接合さ
れている。また、登り梁41の下端は、妻側A1の外壁
(外壁線48A)の上端部に接合されて支持されてい
る。
【0090】以上のようにして、妻側A1の屋根面46
Aを横断するように、支持梁40、40の水平部(ベン
ト梁2の水平部2q)が隅棟45から隅棟45まで配置
されている。また、平側Bの屋根面46Bを横断するよ
うに、接合梁43が隅棟45から妻側A2の外壁(外壁
線49A)の上端部まで配置されている。すなわち、支
持梁40、40の水平部及び接合梁43、43は、各屋
根面46A、46B、46Bの同じ高さ位置に、コ字状
に配置されている。
【0091】以上のように、第四例の小屋組構造におい
ては、第一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁4
0、40下方の屋根裏空間と、接合梁43、43下方の
屋根裏間とが連続し、広い屋根裏空間を確保することが
できる。また、各屋根面46A、46B、46Bに、水
平とされる梁(接合梁40、40の水平部、接合梁4
3、43)をそれぞれ設けることができる。また、棟か
ら接合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば
屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることがで
き、部材共通化を図ることができる。
【0092】また、棟44を中心として、一方の平側B
と他方の平側Bとに配置される接合梁43、43におい
て、部材の共通化を図ることができる。
【0093】<第五の実施形態例>以下に、本発明の第
五の実施形態例の小屋組構造について、図10及び図1
1を参照して説明する。図10は、第五例の小屋組構造
を示す平面図である。第五例の小屋組構造は、二本の支
持梁50、60と、接合梁52…、53、53とを備え
ている。
【0094】この小屋組構造は、主となる主屋根5と、
従屋根6とを備えた寄棟屋根に用いられている。従屋根
6は、主屋根5の一方の平側B1の屋根面57Bから延
出して設けられている。従屋根6の棟64は、主屋根5
の棟54と平面視して直交する方向に沿っており、ま
た、棟54よりも低くされている。また、従屋根6にお
いて、主屋根5の反対側となる妻側(主屋根5の一方の
平側B1)は、寄棟状とされている。
【0095】支持梁50、60は、図4に示されるベン
ト梁2とほぼ同様の構成となっている。図10に示され
るように、支持梁50、60(ベント梁2)は、平面視
してほぼ直線状に掛け渡され、かつ、棟方向Xに直交す
るように配置されている。
【0096】支持梁60の下側の端部となる接合部60
b(2b)は、外壁線68Bの位置に配置された外壁の
上端部に接合されて支持されている。
【0097】支持梁60の登り部(2p)は、従屋根6
の妻側(主屋根5の一方の平側B1)に流れる妻側屋根
面66Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿って斜めに配
置されている。また、支持梁60の水平部(2q)は、
従屋根6の棟64の裏側に、棟64に沿って水平に配置
されている。
【0098】また、支持梁50の登り部(2p)は、平
側B2の屋根面56Bの裏面側に、屋根の傾斜方向に沿
って斜めに配置されている。また、支持梁50の水平部
(2q)は、支持梁60の水平部と同じ高さ位置に、水
平に配置されている。
【0099】支持梁50、60の下側の端部となる接合
部50b、60b(2b)は、外壁線58B、68Bの
位置に配置された外壁の、互いに対向する部分の上端部
にそれぞれ接合されて支持されている。また、二本の支
持梁50、60の上側の端部となる接合部50a、60
a(2a)どうしは、互いに接合されている。このよう
にして、外壁の互いに対向する部分どうしの間に、図1
0に示されるように、二本の支持梁50、60によって
略台形状が形作られている。
【0100】接合梁52は、図4に示されるベント梁2
とほぼ同様の構成となっており、また、接合梁53は、
図5に示される水平な梁3とほぼ同様の構成となってい
る。接合梁52、53の構成は、第一例の接合梁12、
13とほぼ同様であるので、説明を省略する。
【0101】以上のように、第五例の小屋組構造におい
ては、二本の支持梁50、60下方の屋根裏空間と、接
合梁52…、53、53下方の屋根裏空間とが連続し、
広い屋根裏空間を確保することができる。したがって、
従屋根6の屋根裏と、主屋根5の屋根裏とが連続するの
で、屋根内部の広い空間を有効に利用することができ
る。
【0102】また、第五例の小屋組構造においては、第
一例の小屋組構造と同様に、二本の支持梁50、60を
中心として、一方の妻側Aと他方の妻側Aとに配置され
る接合梁52、53において、部材の共通化を図ること
ができる。また、各屋根面56A、56A、56B、5
7Bに、水平とされる梁(接合梁52…の水平部、接合
梁53…)をそれぞれ設けることができる。また、棟か
ら接合梁にわたって配置される屋根面構成部材(例えば
屋根パネルなど)のサイズを共通なものとすることがで
き、部材共通化を図ることができる。
【0103】なお、図10に示されるように、接合梁5
2…に対して、登り梁53a…を架けた構造としても良
い(図10中の点線)。この場合には、小屋組を補強で
き、接合梁52…、53、53の負担を軽減できる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
の小屋組構造によれば、二本の支持梁下方の屋根裏空間
と、接合梁下方の屋根裏空間とが連続し、広い屋根裏空
間を確保することができる。したがって、棟木方向が比
較的長い家屋においても、棟方向に連続した屋根裏空間
を確保でき、屋根内部の広い空間を有効に利用すること
ができる。また、小屋組構造を構成する梁同士を、対称
的に配置できるので、梁の長さ、サイズなどを共通化で
きる。
【0105】請求項2の小屋組構造によれば、請求項1
と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、二本
の支持梁を中心として、対称的に接合梁を配置すること
ができる。したがって、互いに対称に配置される接合梁
において、部材の共通化を図ることができる。
【0106】請求項3の小屋組構造によれば、請求項2
と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、寄棟
屋根の各屋根面に、水平とされる梁を少なくとも一本設
けることができる。また、棟から軒にわたって配置され
る屋根面構成部材を、少なくとも棟からの距離が同じで
ある接合梁によって、下方から支持することができる。
【0107】請求項4の小屋組構造によれば、請求項1
と同様の効果を得ることができるのは勿論のこと、片寄
棟屋根の各屋根面に、水平とされる梁を少なくとも一本
設けることができる。また、棟から軒にわたって配置さ
れる屋根面構成部材を、少なくとも棟からの距離が同じ
である接合梁によって、下方から支持することができ
る。
【0108】請求項5の小屋組構造によれば、請求項1
から3のいずれかと同様の効果を得ることができるのは
勿論のこと、従屋根の屋根裏空間と、主屋根の屋根裏空
間とが連続し、屋根内部の広い空間を有効に利用するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る小屋組構造の第一例を示すもの
で、梁および屋根面を示す平面図である。
【図2】同、支持梁の配置関係を説明するための概略側
面図である。
【図3】同、登り梁を示す側面図である。
【図4】同、ベント梁を示す側面図である。
【図5】同、水平な梁を示す側面図である。
【図6】本発明に係る小屋組構造の第二例を示すもの
で、梁および屋根面を示す平面図である。
【図7】本発明に係る小屋組構造の第三例を示すもの
で、梁および屋根面を示す平面図である。
【図8】本発明に係る小屋組構造の第四例を示すもの
で、梁および屋根面を示す平面図である。
【図9】同、支持梁の配置関係を説明するための概略側
面図である。
【図10】本発明に係る小屋組構造の第五例を示すもの
で、梁および屋根面を示す平面図である。
【図11】同、支持梁の配置関係を説明するための概略
側面図である。
【符号の説明】
1 登り梁 2 ベント梁 2p 登り部 2q 水平部 2r 折り曲げ部(上端部) 3 水平な梁 10 支持梁 10a 接合部(上側の端部) 10b 接合部(下側の端部) 12、13 接合梁 14 棟 15 隅棟 16A、16B 屋根面 A 妻側 B 平側 X 棟方向 5 主屋根 6 従屋根

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方の妻側が寄棟屋根状とさ
    れた屋根に用いられ、かつ、屋根の裏面側に屋根の傾斜
    方向に沿って斜めに配置された登り部と、該登り部の上
    端部から水平に延出した水平部とを備えたベント梁が少
    なくとも一本以上用いられた小屋組構造であって、 屋根の傾斜方向に沿って斜めに配置された登り梁もしく
    は前記ベント梁である二本一組の支持梁を一組以上備
    え、 二本の支持梁の下側の端部が外壁の互いに対向する部分
    の上端部にそれぞれ接合されて支持され、かつ、二本の
    支持梁の上側の端部どうしが互いに接合されることによ
    り、二本の支持梁が外壁の互いに対向する部分どうしの
    間に平面視してほぼ直線状に掛け渡されるように配置さ
    れ、 前記ベント梁及び水平な梁のうちの少なくとも一方であ
    る複数の接合梁が、直接もしくは他の接合梁を介して前
    記二本の支持梁に接合されていることを特徴とする小屋
    組構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の小屋組構造において、 前記屋根の基本構造が寄棟屋根とされ、 二本の支持梁が平面視して棟方向に直交するように配置
    され、かつ、 二本の支持梁の上端部が平面視して前記寄棟屋根の棟の
    ほぼ中央部で互いに接合されていることを特徴とする小
    屋組構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の小屋組構造において、 前記寄棟屋根の四方に流れる各屋根面の同じ高さ位置
    に、一本もしくは連結された複数本の接合梁が前記屋根
    面を横断するように隅棟から隅棟まで配置されることに
    より、これら接合梁が四角枠状に配置されていることを
    特徴とする小屋組構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の小屋組構造において、 前記屋根が一方の妻側が寄棟状とされ、他方の妻側が切
    妻状とされた片寄棟屋根とされ、 前記支持梁は、寄棟状の一方の妻側に流れる妻側屋根面
    に水平部が平面視して棟方向に直交するように配置さ
    れ、かつ、該妻側屋根面に隣接する平側屋根面に登り部
    が配置されたベント梁とされ、 前記平側の二つの屋根面の前記支持梁の水平部と同じ高
    さ位置に、それぞれ水平な梁とされた前記接合梁が配置
    されるとともに、これら接合梁の一方の端部が前記支持
    梁に接合されて、これら接合梁及び前記支持梁の水平部
    がコ字状に配置されていることを特徴とする小屋組構
    造。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれかに記載の小屋
    組構造において、 前記寄棟屋根が、主となる主屋根と該主屋根の一方の平
    側の屋根面から延出し、前記主屋根の棟と平面視して直
    交する方向に沿うとともに、前記主屋根の棟より低い位
    置に棟を有し、かつ、主屋根の反対の妻側が寄棟状とさ
    れた従屋根とを備え、 二本の前記支持梁のうちの一方の支持梁が、従屋根の妻
    側に流れる妻側屋根面の傾斜方向に沿った登り部と、従
    屋根の棟に沿って配置される水平部とを有するベント梁
    とされ、 他方の支持梁が、主屋根の従屋根と反対側の平側屋根面
    に沿った登り部を備えるとともに、前記一方の支持梁の
    水平部と同じ高さ位置の水平部を有するベント梁とされ
    ていることを特徴とする小屋組構造。
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