JP2001213419A - 被覆プラスチック容器及びその製法 - Google Patents

被覆プラスチック容器及びその製法

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JP2001213419A JP2000027555A JP2000027555A JP2001213419A JP 2001213419 A JP2001213419 A JP 2001213419A JP 2000027555 A JP2000027555 A JP 2000027555A JP 2000027555 A JP2000027555 A JP 2000027555A JP 2001213419 A JP2001213419 A JP 2001213419A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 変形や衝撃に耐え、変形や衝撃を受けた後に
もなお優れたガスバリアー性や、芳香成分乃至有臭成分
等への耐収着性を示す蒸着炭素膜被覆プラスチック容器
及びその製法を提供するにある。 【解決手段】 蒸着炭素膜を備えたプラスチック容器に
おいて、蒸着炭素膜の表面側が水素含有量が高く、且つ
表面側からプラスチック基体へ向けて厚み方向中心側の
水素含有量が低い水素含有量の勾配を有することを特徴
とする被覆プラスチック容器。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は蒸着炭素膜を備えた
プラスチック容器及びその製法に関するもので、より詳
細にはガスや芳香成分などに対するバリアー性に優れて
いると共に柔軟性や耐衝撃性にも優れている蒸着炭素膜
を備えたプラスチック容器及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸着炭素膜を備えた容器は既に知られて
いる。例えば、特開平2−70059号公報には、開口
部に平行な断面の面積が前記開口部の面積と同等の内部
空間および/またはそれ以上の内部空間を有すると共に
ダイヤモンド状炭素および/またはダイヤモンドの膜を
その内表面に形成してなる器具が記載されている。
【0003】特開平8−53116号公報には、プラス
チック材により形成された容器の内壁面に、硬質炭素膜
が形成されていることを特徴とする炭素膜コーティング
プラスチック容器が記載されている。
【0004】このような蒸着炭素膜は、前者の公報によ
ると、反応室内に、陽極と、開口部に平行な断面の面積
が前記開口部の面積と同等の内部空間および/またはそ
れ以上の内部空間を有する陰極とを、前記陰極の開口部
と陽極とを相対向させて配置し、前記陰極内に陰極の内
部空間と同様の形状を有する器具を収容し、この反応室
内に導入した炭素源ガスを励起して得られるプラズマを
前記器具の内表面に接触させることにより形成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】蒸着炭素膜とは、一般
にDLC(diamond like carbon)
膜、iカーボン膜または水素化アモルファスカーボン膜
(a−C:H)と呼ばれるのものであり、SP結合を
主体にしたアモルフアスな炭素膜から成っている。この
炭素膜は、非常に薄く、硬質のものであり、プラスチッ
ク容器の表面(内面)に形成された蒸着炭素膜は、プラ
スチック容器の欠点である酸素や炭酸ガスの透過を抑制
し且つプラスチック容器に充填される内容物に含まれる
芳香成分などのプラスチックへの収着を抑制するという
点では優れたものである。
【0006】この蒸着炭素膜は、容器の内面側に設けら
れているので、容器同士の擦れ合いにより傷が付くとい
うことはないにしても、プラスチック容器はガラス容器
等に比して著しく軽量であり、またその器壁は一般に可
撓性であり、剛性も低いため、充填ラインでの搬送、或
いは充填後の輸送などに際して、容器同士の衝突、容器
と他の部材との衝突、或いは落下による衝撃等で変形を
受ける可能性を否定できない。
【0007】従来、このような変形や衝撃に耐え、変形
や衝撃を受けた後にもなお優れたガスバリアー性や、芳
香成分乃至有臭成分等への耐収着性を示す蒸着炭素膜被
覆プラスチック容器は未だ知られていない。
【0008】従って、本発明の目的は、変形や衝撃に耐
え、変形や衝撃を受けた後にもなお優れたガスバリアー
性や、芳香成分乃至有臭成分等への耐収着性を示す蒸着
炭素膜被覆プラスチック容器及びその製法を提供するに
ある。本発明の他の目的は、用いる装置の構成や製造操
作も簡単であり、しかも生産性も高い蒸着炭素膜被覆プ
ラスチック容器の製法を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、蒸着炭
素膜を備えたプラスチック容器において、蒸着炭素膜が
表面側が水素含有量が高く、且つ表面側からプラスチッ
ク基体へ向けて厚み方向の中心側の水素含有量が低い水
素含有量の勾配を有することを特徴とする被覆プラスチ
ック容器が提供される。本発明では、前記蒸着炭素膜が
厚み方向中心側からプラスチック基体へ向けて水素含有
量が高くなる勾配を有することが好ましい。また、本発
明の被覆プラスチック容器においては、蒸着炭素膜が2
0乃至500nm、特に30乃至200nmの厚みを有
することが好ましい。また、蒸着炭素膜が表面側で0.
7(Hカウント/Cカウント)以上、特に0.8乃至
1.0(Hカウント/Cカウント)の水素濃度、及び
厚み方向中心部乃至その近傍で0.5(Hカウント/C
カウント)以下、特に0.2乃至0.5(Hカウント
/Cカウント)の水素濃度を有することが好ましい。
更に、この蒸着炭素膜は表面側で0.25(CHカウン
ト/Cカウント)以上、特に0.3乃至0.5(CH
カウント/Cカウント)のCH濃度、及び厚み方向中
心部乃至その近傍で0.15(CHカウント/Cカウ
ント)以下、特に0.05乃至0.15(CHカウント
/Cカウント)のCH濃度を有することが好ましい。
また、本発明の被覆プラスチック容器においては、蒸着
炭素膜の表面側の屈折率が低く、且つプラスチック基体
方向へ向けて厚み方向中心側の屈折率が高い屈折率の勾
配を有することが好ましい。また、本発明のこの被覆プ
ラスチック容器においては、蒸着炭素膜の厚み方向中心
側からプラスチック基体へ向けて屈折率が低くなる勾配
を有していることが好ましい。また、本発明のこの被覆
プラスチック容器においては、蒸着炭素膜が表面側で
1.8以下の屈折率を有すると共に厚み方向中心側で
2.0以上の屈折率を有することが好ましい。また、本
発明のこの被覆プラスチック容器においては、蒸着炭素
膜がプラスチック容器の内面及び/又は外面に形成され
ていることが好ましい。本発明によれば更に、プラスチ
ック容器内部及び/又は外部を炭素源ガスを含有する減
圧雰囲気に維持し、容器内及び/又は外でマイクロ波放
電を生じさせることにより容器内面及び/又は外面に蒸
着炭素膜を形成させることを特徴とする被覆プラスチッ
ク容器の製法が提供される。上記本発明の製法では、プ
ラスチック容器を真空チャンバー内に保持すると共に、
プラスチック容器の外部とプラスチック容器の内部とを
気密状態に維持し、プラスチック容器の内部及び/外部
を炭素源ガスが導入された状態においてマイクロ波放電
が生じる減圧状態に維持し、真空チャンバーのプラスチ
ック容器外部にマイクロ波を導入することが好ましい。
尚、上記本発明の製法においては、真空チャンバー内に
マイクロ波の反射板を配置することが、プラスチック容
器の外部からマイクロ波を導入しながら、プラスチック
容器の内部及び/又は外部でマイクロ波放電を有効に発
生させるために好ましい。
【0010】
【発明の実施形態】[作用]本発明の被覆プラスチック
容器の断面構造の一例を示す図1において、この容器1
は、プラスチック容器基体2と、基体2の内面に形成さ
れた蒸着炭素膜3とを備えている。この蒸着炭素膜3は
表面側の水素含有量が高く、且つ表面側からプラスチッ
ク基体2へ向けて厚み方向中心側の水素含有量が低い水
素含有量の勾配を有することが顕著な特徴である。
【0011】即ち、上記被覆プラスチック容器の内面に
おける蒸着炭素膜3の化学的組織を模式的に示す図2に
おいて、この蒸着炭素膜は、プラスチック基体2側から
厚み方向に向けて、プラスチック基体側の高水素含有量
4、中間の低水素含有量層5及び表面側の高水素含有層
6から成っている。
【0012】また、本発明の被覆プラスチック容器1
は、蒸着炭素膜3をプラスチック容器2の外面に形成し
ても良く、その断面構造を示す図3において、この容器
1は、プラスチック容器基体2と、基体2の外面に形成
された蒸着炭素膜3とを備えている。この蒸着炭素膜3
は表面側の水素含有量が高く、且つ表面側からプラスチ
ック基体2へ向けて厚み方向中心側の水素含有量が低い
水素含有量の勾配を有する。
【0013】即ち、上記被覆プラスチック容器の外面に
おける蒸着炭素膜3の化学的組織を模式的に示す図4に
おいて、この蒸着炭素膜3は、プラスチック基体2側か
ら厚み方向に向けて、プラスチック基体側の高水素含有
層4、中間の低水素含有量層5及び表面側の高水素含有
層6から成っている。
【0014】更に、本発明の被覆プラスチック容器1
は、蒸着炭素膜3をプラスチック容器2の内外面に形成
しても良く、その断面構造を示す図5において、この容
器1は、プラスチック容器基体2と、基体2の内外面に
形成された蒸着炭素膜3、3とを備えている。この蒸着
炭素膜3、3はいずれも表面側の水素含有量が高く、且
つ表面側からプラスチック基体2へ向けて厚み方向中心
側の水素含有量が低い水素含有量の勾配を有する。
【0015】即ち、上記被覆プラスチック容器の蒸着炭
素膜3、3の化学的組織を模式的に示す図6において、
この蒸着炭素膜3、3はいずれもプラスチック基体2側
から厚み方向に向けて、プラスチック基体側の高水素含
有層4、4、中間の低水素含有量層5、5及び表面側の
高水素含有層6、6から成っている。
【0016】添付図面の図7は、後述する実施例1のプ
ラスチック容器基体2の内面に蒸着炭素膜3を形成した
被覆ポリエステル容器について、蒸着炭素膜の二次イオ
ン質量分析計(SIMS)による膜中の水素(H)量と
炭素−炭素(C2)量を質量から測定し、その強度を膜
中の水素量を炭素−炭素の量で割って基準化して示した
ものである。横軸はエッチングのサイクル数であって、
表面からの厚みに対応するものである。なお、各強度は
水素の質量が1.011の強度、そしてC2 は質量が2
3.979の強度を用いた。また、エッチングの1サイ
クルはほぼ2nmの厚みに相当するものである。
【0017】この図7から、本発明の被覆プラスチック
容器における蒸着炭素膜は、表面側の水素含有量が高
く、且つ表面側からプラスチック基体へ向けて厚み方向
中心側の水素含有量が低い水素含有量の勾配を有するこ
と、及び更に厚み方向中心側からプラスチック基体へ向
けて水素含有量が高くなる勾配を有することが分かる。
図7における表面側の勾配部分は、図2における高水素
含有層6に相当するものであり、図7のプラスチック基
体側の勾配部分は、図2におけるプラスチック基体側の
高水素含有層4に相当するものであり、図2における中
心側のフラットな部分は、図2における低水素含有層5
に相当するものである。
【0018】蒸着炭素膜の硬さや柔軟性は、水素含有量
と密接な関係があり、この水素含有量を膜の厚み方向に
制御することにより、これらの特性を調節できることが
分かった。本発明のプラスチック容器における蒸着炭素
膜は、厚み方向に水素含有量の異なる分布構造を有する
ことにより、膜の柔軟性、耐衝撃性、耐久性に関して極
めて顕著な利点が奏されるものである。即ち、水素含有
量の少ない蒸着炭素の層は、ガスバリヤー性や低分子化
合物の収着防止に役立つ反面、脆くて、屈曲や衝撃によ
り、クラック、ピンホール、剥離などの被覆欠陥を発生
しやすい。これに対して、水素含有量の多い蒸着炭素の
層は柔軟であり、上記の被覆欠陥の発生を防止するに役
立っている。
【0019】本発明の容器における好適な蒸着炭素膜で
は、水素含有量の少ない蒸着炭素層が、表面の水素含有
量の高い柔軟な蒸着炭素層と、プラスチック基体側の水
素含有量の高い柔軟な炭素層とでサンドイッチされた構
造となっており、容器外面からの応力や変形に対して
も、容器内面側からの応力や変形に対しても強い構造と
なっており、前述した被覆欠陥の発生が有効に防止され
る。尚、容器外面からの応力や変形が発生することは誰
しもが了解できることであるが、容器内面側からの応力
が発生する例としては、内圧のかかる食品(炭酸飲料)
容器や容器落下時のウオーターハンマーの影響などがあ
る。
【0020】本発明のプラスチック容器においては、蒸
着炭素膜が20乃至500nm、特に30乃至200n
mの厚みを有することが好ましい。蒸着炭素膜の厚みが
上記範囲を下回るとガスバリアー性や収着防止性が上記
範囲内にある場合に比して低下するので好ましくなく、
一方この厚みが上記範囲を上回っても上記特性の点では
格別の利点がなく、生産性や経済性の点ではかえって不
利となるので、上記範囲内にあるのが望ましい。
【0021】また、この容器における蒸着炭素膜は、表
面側の水素含有量が高く、中心側の水素含有量が低いと
いう水素含有量の勾配を有するが、本発明の目的、即ち
ガスバリアー性や収着防止性を十分高いレベルに維持し
ながらこの膜に柔軟性及び耐衝撃性を付与するという見
地からは、表面側で0.7(Hカウント/Cカウン
ト)以上、特に0.8乃至1.0(Hカウント/C
ウント)の水素濃度、及び厚み方向中心部乃至その近傍
で0.5(Hカウント/Cカウント)以下、特に0.
2乃至0.5(Hカウント/Cカウント)の水素濃度
を有することが好ましい。
【0022】更に、この蒸着炭素膜は、表面側で0.2
5(CHカウント/Cカウント)以上、特に0.3乃
至0.5(CHカウント/Cカウント)のCH濃度、
及び厚み方向中心部乃至その近傍で0.15(CHカウ
ント/Cカウント)以下、特に0.05乃至0.15
(CHカウント/Cカウント)のCH濃度を有するこ
とが好ましい。添付図面の図8は、後述する実施例1の
プラスチック容器基体2の内面に蒸着炭素膜3を形成し
た被覆ポリエステル容器について、蒸着炭素膜の二次イ
オン質量分析計(SIMS)により膜中のCHの濃度を
膜中の炭素−炭素結合(C)の濃度で割って基準化し
て示したものであり、図3と同様の傾向が認められる。
なお、CHは質量13の強度を用いた。
【0023】本発明の容器における蒸着炭素膜では、水
素濃度が0.7以上の濃度部分が膜表面から1nm以
上、特に2乃至4nmの厚みで存在するのが望ましい。
一方、プラスチック基体側の高い水素含有層の層は5n
m以上、特に10乃至20nmの厚みで存在するのが望
ましい。
【0024】本発明の被覆プラスチック容器において
は、容器表面に形成された蒸着炭素膜が表面側の屈折率
が低く、且つプラスチック基体方向へ向けて厚み方向中
心側が屈折率が高い屈折率の勾配を有するという特徴を
も有している。
【0025】添付図面の図9は、ポリエステル容器の内
面に一定の膜厚(200nm)の蒸着炭素膜を形成させ
たものについて、ドライアイスブラストを行って、蒸着
炭素膜を表面から削り取り、残留膜厚(単位nm)と屈
折率との関係をプロットしたものである。なお、屈折率
および膜厚はエリプソメーター(株式会社 溝尻光学工
業所製、DVA−36L)を用い、プラスチック容器の
測定個所を10×10mmに切断し、エリプソメーター
の試料として室温で測定した。
【0026】この結果によると、次の興味のある事実が
明白となる。即ち、残留膜厚が約120nmと薄いもの
では、表面が約2.7の高い屈折率を示すのに対して、
残留膜厚が約150nm以上と厚くなると、表面が約
2.1以下と低い屈折率を示すのである。即ち、ドライ
アイスブラストによる蒸着炭素膜の表面からの削り取り
の程度が大きいものでは屈折率が高く、蒸着炭素膜の表
面からの削り取りの程度が小さいものでは屈折率が低い
という事実は、蒸着炭素膜の表面では屈折率が低く、蒸
着膜の厚み方向中心側では屈折率が高いという屈折率の
勾配が形成されているという事実を示すものである。
【0027】即ち、本発明の被覆プラスチック容器1に
おける蒸着炭素膜3の光学的組織を模式的に示す図10
において、この蒸着炭素膜は、プラスチック基体2側か
ら厚み方向に向けて、中間の高屈折率層7及び表面側の
低屈折率層8から成っている。この図10において、中
間の高屈折率層7は、図7における中間の低水素含有量
層5に、また表面側の低屈折率層8は、図7における表
面側の高水素含有層6にそれぞれ対応するものと認めら
れる。
【0028】本発明の被覆プラスチック容器における蒸
着炭素膜は、厚み方向にこのような屈折率の異なる分布
構造を有することにより、膜の柔軟性、耐衝撃性、耐久
性に関して極めて顕著な利点が奏されるものである。即
ち、高屈折率の蒸着炭素の層は、緻密であり、ガスバリ
ヤー性や低分子化合物の収着防止に役立つ反面、脆く
て、屈曲や衝撃により、クラック、ピンホール、剥離な
どの被覆欠陥を発生しやすい。これに対して、低屈折率
の蒸着炭素の層は柔軟であり、上記の被覆欠陥の発生を
防止するに役立っている。本発明の被覆プラスチック容
器における好適な蒸着炭素膜では、高屈折率の蒸着炭素
層が、表面の低屈折率の柔軟な蒸着炭素層と、プラスチ
ック基体側の低屈折率の柔軟な炭素層とでサンドイッチ
された構造となっており、容器外面側からの応力や変形
に対しても、容器内面側からの応力や変形に対しても強
い構造となっており、前述した被覆欠陥の発生が有効に
防止される。
【0029】本発明の被覆プラスチック容器では、蒸着
炭素膜が表面側で1.8以下、特に1.7乃至1.78
の屈折率を有すると共に、厚み方向中心側で2.0以
上、特に2.1乃至2.7の屈折率を有することが、本
発明の目的に関して好ましい。
【0030】本発明の被覆プラスチック容器の製法で
は、プラスチック容器内部及び/又は外部を炭素源ガス
を含有する減圧雰囲気に維持し、容器内部及び/又は外
部でマイクロ波放電を生じさせることにより、容器内面
及び/又は外面に蒸着炭素膜を形成させることが特徴で
ある。この方法によれば、前述した水素含有量の濃度勾
配を有する蒸着炭素膜の形成が容易に行われるのみなら
ず、用いる装置の構成の簡単さ、操作の簡単さ及び生産
性の点でも顕著な利点が達成される。
【0031】前述した従来技術による被覆プラスチック
容器の製法では、高周波グロー放電を利用して蒸着炭素
膜を形成させるものであり、そのためには、容器の内部
に容器の形状に相似した内部電極及び容器の外部近傍に
容器の形状に相似した外部電極を配置した、いわゆる容
量結合型CVD装置を用いる必要があり、被覆できる容
器の寸法、形状に制約があり、容器の構成が複雑とな
り、操作も複雑となるという問題がある。
【0032】これに対して、本発明の方法では、プラス
チック容器内部及び/又は外部でのマイクロ波放電を利
用するため、外部電極や内部電極の配置は不必要であ
り、装置の構成を極めて簡略化されたものとすることが
できる。また、本発明の方法では、装置の減圧時も、被
覆する側の真空度を3乃至750Paでよく、特に10
乃至200Paに維持するのが好ましく、装置内全体を
高真空に維持する必要がなく、製膜時間も数秒であるこ
とから、操作の簡便さ、及び生産性の点からも優れてい
る。
【0033】本発明の方法では、プラスチック容器を真
空チャンバー内に保持すると共に、プラスチック容器の
外部とプラスチック容器の内部とを気密状態に維持し、
プラスチック容器の内部及び/又は外部を炭素源ガスが
導入された状態においてマイクロ波放電が生じる減圧状
態に維持し、真空チャンバーにマイクロ波を導入するの
が好ましい。
【0034】本発明の被覆プラスチック容器の製法にお
いては、プラスチックの内面に炭素蒸着膜を形成する場
合は、プラスチック容器の外部をマイクロ波放電が生じ
ない程度の減圧状態に維持する。また、本発明の被覆プ
ラスチック容器の製法においては、プラスチックの外面
に炭素蒸着膜を形成する場合は、プラスチック容器の内
部をマイクロ波放電が生じない程度の減圧状態に維持す
る。更に、本発明の被覆プラスチック容器の製法におい
ては、プラスチックの内外面に炭素蒸着膜を形成する場
合は、プラスチック容器の内外部をマイクロ波放電が生
じる減圧状態に維持する。
【0035】そして、プラスチック容器の内面、或いは
外面に蒸着炭素膜を形成する場合、プラスチック容器の
内外における減圧の程度を変化させることにより、蒸着
炭素膜の形成が必要な容器内部、或いは外部にのみグロ
ー放電を集中させ、これにより蒸着炭素膜の生成効率を
高め、更に減圧操作に必要なエネルギーコスト及び運転
時間を節減することが可能となる。更に、容器の外部或
いは内部をある程度の減圧雰囲気に保つことにより、容
器壁の減圧による変形を小さくすることが可能となり、
蒸着炭素膜の被覆を形成させた後、常圧に戻した際に蒸
着炭素膜に発生する歪みやそれに伴う残留応力を小さい
レベルに抑制することが可能となる。
【0036】上述した本発明の製法では、真空チャンバ
ー内にマイクロ波の反射板、もしくは蒸着部と真空チャ
ンバーとの距離をマイクロ波の約1/4波長の奇数の整
数倍である距離に配置することが特に好ましい。即ち、
本発明の製法では、既に指摘したとおり、プラスチック
容器内部でのマイクロ波放電を選択的且つ集中的に行う
ものであるが、前記反射板を配置すると、プラスチック
容器内部及び/又は外部でのでのマイクロ波放電が一層
選択的且つ集中的にしかも一層有効に行われるので好ま
しい。
【0037】[蒸着炭素膜の形成方法]本発明における
蒸着炭素膜の形成は、マイクロ波放電を利用する化学蒸
着法(CVD)により行われる。プラズマCVDとは、
プラズマを利用して薄膜成長を行うものであり、基本的
には、減圧下において原料ガスを含むガスを高電界によ
る電気的エネルギーで放電させ、分解させ、生成する物
質を気相中或いは基板上での化学反応を経て、基板上に
堆積させるプロセスから成る。プラズマ状態は、グロー
放電によって実現されるものであり、このグロー放電の
方式によって、直流グロー放電を利用する方法、高周波
グロー放電を利用する方法、マイクロ波放電を利用する
方法などが知られているが、本発明はプラスチック容器
内部及び/又は外部での選択的マイクロ波放電を利用す
るものである。
【0038】プラズマCVDは、高速電子によるガス
分子の直接分解を利用しているため、生成エネルギーの
大きな原料ガスを容易に解離できる、電子温度とガス
分子温度が異なる熱的非平衡状態にあり、低温プロセス
が可能となる、基板温度が低くても比較的均一なアモ
ルファス膜を形成できる、という利点を有するものであ
り、プラスチック容器基体にも容易に適用できるもので
ある。
【0039】本発明では、既に述べたとおり、プラスチ
ック容器内部及び又は外部を炭素源ガスを含有する減圧
雰囲気に維持し、容器内部及び/又は外部でマイクロ波
放電を生じさせることにより容器内面及び/又は外面に
蒸着炭素膜を形成させるものである。より具体的には、
プラスチック容器を真空チャンバー内に保持すると共
に、プラスチック容器の外部とプラスチック容器の内部
とを気密状態に維持し、プラスチック容器の内部及び/
又は外部を炭素源ガスが導入された状態においてマイク
ロ波放電が生じる減圧状態に維持し、真空チャンバーに
マイクロ波を導入する。また、真空チャンバー内にマイ
クロ波の反射板を配置するのがよい。
【0040】[装置]本発明の被覆プラスチック容器の
製造に用いる装置は、大まかにいって、真空反応系(真
空チャンバー)、反応系を真空に保つための排気系、原
料ガスを反応系に導入するための原料ガス導入系及びプ
ラズマを発生させるためのマイクロ波導入系(導波管)
から成る。
【0041】本発明の炭素膜被覆形成に用いる装置の一
例を示す図11において、この装置は、プラスチック容
器の内面に炭素蒸着膜を形成する場合に用いられる装置
であって、処理すべきプラスチック容器2を収容する真
空チャンバー10、真空チャンバー内にプラスチック容
器をその口部で保持するための容器ホルダー12、真空
チャンバー10内を真空状態に維持するための排気手段
13、マイクロ波発振器14に接続され且つ発生するマ
イクロ波を真空チャンバー10内に導入するための導波
管15、容器ホルダーに保持されたプラスチック容器2
内部を真空状態に保持するための排気手段16、前記プ
ラスチック容器2内部に原料ガスを供給するための原料
ガス供給機構17及び真空チャンバー10内に容器の底
部と対向して設けられた反射板18から成っている。
【0042】蒸着炭素膜の形成処理に際しては、先ず処
理すべきプラスチック容器2を容器ホルダー12に取り
付け、容器ホルダー12と容器2、容器ホルダー12と
真空チャンバー10とを気密状態に維持し、排気手段1
3及び排気手段16を駆動して真空チャンバー内及び容
器内部を真空状態に維持する。
【0043】排気手段13により達成される真空チャン
バー10内の減圧の程度は、マイクロ波が導入されても
グロー放電が発生しないような減圧の程度が低いもので
あり、一方排気手段16により達成されるプラスチック
容器2内部の減圧の程度は、原料ガスが導入され且つマ
イクロ波が導入されてグロー放電が発生するような減圧
の程度が高いものである。
【0044】この減圧状態に達した後、原料ガス供給機
構17によりプラスチック容器2内部に蒸着炭素膜形成
用の原料ガスを導入し、導波管14を通して真空チャン
バー10内にマイクロ波を導入し、プラズマを発生させ
る。このプラズマ中での電子温度は数万Kであるのに比
して、ガス粒子の温度は数100Kであり、約2桁ほど
低く、熱的に非平衡の状態であり、低温のプラスチック
容器基体に対しても有効に蒸着炭素膜の形成が行われ
る。
【0045】所定の蒸着炭素膜が形成された後、原料ガ
スの導入及びマイクロ波の導入を停止すると共に、排気
手段13及び16を通して空気を徐々に導入して、容器
の内外を常圧に復帰させ、被覆処理されたプラスチック
容器を真空チャンバー外に取り出す。
【0046】図12は、プラスチック容器の外面に炭素
蒸着膜を形成する場合に用いられる装置であって、上述
した図11の装置と相違する点は、容器ホルダーの保持
されたプラスチック容器2の外部を真空状態に保持する
ための排気手段13、前記プラスチック容器2の外部に
原料ガスを供給するための原料ガス供給機構17及び真
空チャンバー10内に容器の底部と対向して設けられた
反射板18から成っている。
【0047】蒸着炭素膜の形成処理に際しては、先ず処
理すべきプラスチック容器2を容器ホルダー12に取り
付け、容器ホルダー12と容器2、容器ホルダー12と
真空チャンバー10とを気密状態に維持し、排気手段1
3及び排気手段16を駆動して容器内部を除く真空チャ
ンバー内、即ち、容器外部を真空状態に維持する。この
時、容器2の内部は、マイクロ波が導入されてもグロー
放電が発生しない減圧の程度が低いもの、もしくは常圧
に維持され、一方排気手段13により達成されるプラス
チック容器2の外部の減圧は、原料ガスが導入され且つ
マイクロ波が導入されてグロー放電が発生するような減
圧の程度が高いものである。
【0048】そして、真空チャンバー10内の容器外部
が減圧状態に達した後、原料ガス供給機構17によりプ
ラスチック容器2の外部に蒸着炭素膜形成用の原料ガス
を導入し、導波管14を通して真空チャンバー10内に
マイクロ波を導入し、プラズマを発生させる。
【0049】所定の蒸着炭素膜が形成された後、原料ガ
スの導入及びマイクロ波の導入を停止すると共に、排気
手段16を通して空気を徐々に導入して、容器2の内外
を常圧に復帰させ、被覆処理されたプラスチック容器を
真空チャンバー外に取り出す。
【0050】図13は、プラスチック容器の内外面に炭
素蒸着膜を形成する場合に用いられる装置であって、容
器ホルダー12に保持されたプラスチック容器2の内外
部を真空状態に保持するための排気手段13、16,前
記プラスチック容器2内外部に原料ガスを供給するため
の原料ガス供給機構17及び真空チャンバー10内に容
器の底部と対向して設けられた反射板18から成ってい
る。
【0051】蒸着炭素膜の形成処理に際しては、先ず処
理すべきプラスチック容器2を容器ホルダー12に取り
付け、容器ホルダー12と容器2、容器ホルダー12と
真空チャンバー10とを気密状態に維持し、排気手段1
3及び排気手段16を駆動して真空チャンバー10内の
容器内外部を減圧状態に維持する。
【0052】排気手段13により達成される真空チャン
バー10内の減圧の程度は、マイクロ波が導入されても
グロー放電が発生しないような減圧の程度が低いもので
あり、一方排気手段16により達成されるプラスチック
容器2内部の減圧の程度は、原料ガスが導入され且つマ
イクロ波が導入されてグロー放電が発生するような減圧
の程度が高いものである。そして、原料ガス供給機構1
7によりプラスチック容器2内部に蒸着炭素膜形成用の
原料ガスを導入し、導波管14を通して真空チャンバー
10内にマイクロ波を導入し、プラズマを発生させる。
それから排気手段13及び排気手段16を駆動して容器
内部をマイクロ波が導入されてもグロー放電が発生しな
いような減圧の程度が低いもの、もしくは常圧とし、容
器外部を原料ガスが導入され且つマイクロ波が導入され
てグロー放電が発生するような減圧の程度に維持する。
そして、導波管14を通して真空チャンバー10内にマ
イクロ波を導入し、プラズマを発生させる。
【0053】所定の蒸着炭素膜が形成された後、原料ガ
スの導入及びマイクロ波の導入を停止すると共に、排気
手段13、16を通して空気を徐々に導入して、容器の
内外を常圧に復帰させ、被覆処理されたプラスチック容
器を真空チャンバー外に取り出す。なお、図11乃至図
13に示した装置では、真空チャンバー10内に1個の
プラスチック容器が収容されているが、多数個のプラス
チック容器を収容させて、多数個のプラスチック容器に
同時に蒸着炭素膜の形成を行うことも可能である。
【0054】[原料]膜形成用の原料ガスとしては、従
来この種の蒸着炭素膜の形成に使用されている炭素含有
ガスは全て用いることができ、例えばメタン、エタン、
プロパン、ペンタン、ヘキサンなどのアルカン類;エチ
レン、プロピレン、ブテン、ペンテン、ブタジエン等の
アルケン類;アセチレンなどのアルキン類;ベンゼン、
トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレ
ン、インデン、ナフタレン、フェナントレンなどの芳香
族炭化水素類;シクロプロパン、シクロブタン、シクロ
ヘキサン等のシクロアルカン類;シクロペンテン、シク
ロペンタジエン、シクロヘキセン、エチリデンノルボル
ネンなどのシクロオレフィン類が挙げられる。また、炭
素源としての原料ガスとしては、上記の炭化水素の代わ
りに、一酸化炭素、二酸化炭素などの無機炭素源や、メ
チルアルコール、エチルアルコールなどの含酸素炭素化
合物、メチルアミン、エチルアミン、アニリンなどの含
窒素炭素化合物も使用できる。
【0055】好適な原料ガスは、H/Cの原子比が1乃
至2の範囲内にある水素含有量の少ない炭化水素であ
り、アセチレン、ベンゼン、エチレン等が好適なもので
ある。H/Cの原子比が上記範囲を下回るものでは揮発
性が低く、一方この原子比が上記範囲を上回るものでは
炭素膜の蒸着効率が低下する傾向が認められる。
【0056】本発明においては、上記原料ガスは単独で
も或いは2種以上の組合せでも用いることができ、更
に、上記原料をキャリアーガスとの組合せで用いること
ができる。特に常温で液体の原料ガスに対しては、この
ようなキャリアーガスの使用が推奨される。キャリアー
ガスとしては、常温で気体の炭化水素類や、アルゴン、
ネオン、ヘリウム、キセノン、窒素、炭酸ガス、水素な
どが適している。
【0057】[処理条件]本発明の製法において、プラ
スチック容器の内面、外面或いは内外面に蒸着炭素膜を
形成する場合は、マイクロ波放電を行うプラスチック容
器内部、外部、或いは内外部の圧力は、一般的にいって
3乃至750Paでよく、特に好適には10〜200P
aの範囲に維持して、マイクロ波放電を行うのが蒸着炭
素膜の形成効率の点でよい。
【0058】一方、プラスチック容器の内面或いは外面
に蒸着炭素膜を形成する場合は、マイクロ波放電を行わ
ないプラスチック容器の外部或いは内部の圧力は、一般
的にいって3Pa以下、もしくは750Pa以上に維持
して、マイクロ波放電を行うのが容器内部或いは外部で
のマイクロ波放電を選択的に行わせる。プラスチック容
器外部或いは内部の圧力が上記範囲以外であると、マイ
クロ波放電が発生するようになり好ましくない。
【0059】原料ガスの導入量は、勿論プラスチック容
器の容積(内表面積・外表面積・内外表面積)や、原料
ガスの種類によっても相違するが、一般的にいって、プ
ラスチック容器1個当たり、0.1〜1000scc
m、特に10〜500sccmの流量で供給するのが望
ましい。
【0060】グロー放電を生じさせるマイクロ波として
は、一般に周波数が300MHz〜1000GHzのマ
イクロ波を用いることができるが、工業的に使用が許可
されている周波数が2.45GHz、5.8GHz、2
2.125GHzのものを用いることが好ましい。マイ
クロ波の出力は、プラスチック容器の容積(内表面積・
外表面積・内外表面積)や、原料ガスの種類によっても
相違するが、一般的にいって、プラスチック容器1個当
たり、0.01〜15kW、特に0.1〜3kWの電力
となるように供給するのが望ましい。
【0061】炭素膜と成形体との密着性をさらに向上さ
せるために、炭素膜を形成するに先だって、アルゴンや
酸素などの無機ガスによってプラズマ処理を行い、成形
体表面を活性化させることもできる。
【0062】[プラスチック容器]プラスチック容器と
しては、熱成形可能な熱可塑性樹脂から、押出成形、射
出成形、ブロー成形、延伸ブロー成形或いは絞り成形等
の手段で製造された、ボトル状、カップ状、トレイ状、
カン形状等の任意の容器が挙げられる。容器を構成する
樹脂の適当な例は、低−、中−或いは高−密度ポリエチ
レン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合
体、エチレン−ブテン−共重合体、アイオノマー、エチ
レン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコー
ル共重合体等のオレフィン系共重合体;ポリエチレンテ
レフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチ
レンテレフタレート/イソフタレート等のポリエステ
ル;ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10等
のポリアミド;ポリスチレン、スチレン−ブタジエンブ
ロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合
体、スチレン−ブタジエン−アクリロニトリル共重合体
(ABS樹脂)等のスチレン系共重合体;ポリ塩化ビニ
ル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の塩化ビニル系
共重合体;ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリ
レート・エチルアクリレート共重合体等のアクリル系共
重合体;ポリカーボネート等である。
【0063】これらの熱可塑性樹脂は単独で使用しても
或いは2種以上のブレンド物の形で存在していてもよ
い、またプラスチック容器は単層の構成でも、或いは例
えば同時溶融押出しによる2層以上の積層構成であって
もよい。
【0064】勿論、前記の溶融成形可能な熱可塑性樹脂
には、所望に応じて顔料、酸化防止剤、帯電防止剤、紫
外線吸収剤、滑剤などの添加剤の1種或いは2種類以上
を樹脂100重量部当りに合計量として0.001 部乃至5.
0 部の範囲内で添加することもできる。また例えば、こ
の容器を補強するために、ガラス繊維、芳香族ポリアミ
ド繊維、カーボン繊維、パルプ、コットン・リンター等
の繊維補強材、或いはカーボンブラック、ホワイトカー
ボン等の粉末補強材、或いはガラスフレーク、アルミフ
レーク等のフレーク状補強材の1種類或いは2種類以上
を、前記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として2
乃至150重量部の量で配合でき、更に増量の目的で、
重質乃至軟質の炭酸カルシウム、雲母、滑石、カオリ
ン、石膏、クレイ、硫酸バリウム、アルミナ粉、シリカ
粉、炭酸マグネシウム等の1種類或いは2種類以上を前
記熱可塑性樹脂100重量部当り合計量として5乃至1
50重量部の量でそれ自体公知の処方に従って配合して
も何ら差支えない。
【0065】
【実施例】本発明を次の実施例に基づいて更に説明する
が、本発明はこれらの実施例により何らかの制限を受け
るものではない。
【0066】[実施例1](プラスチック容器内面に蒸着
炭素膜) 図11に示される真空チャンバー内にマイクロ波反射板
を設置したマイクロ波プラズマCVD装置を用いて、被
覆プラスチック容器の作製をおこなった。まず、真空チ
ャンバー内の容器のホルダーにプラスチック容器を設置
した。プラスチック容器には、容量500mlのポリエ
チレンテレフタレート樹脂製のボトルを用いた。次に、
表1に示した条件で真空チャンバー内の減圧、プラスチ
ック容器内の減圧、ガスの注入をおこない、周波数2.
45GHzのマイクロ波を出力し、プラスチック容器の
内面側に蒸着炭素膜を得た。この蒸着炭素膜中の水素濃
度、CH濃度を二次イオン質量分析計(SIMS)で測
定し、その結果を表2、3に示した。次に、膜の表面側
の屈折率としてエリプソメーターにより蒸着炭素膜の全
厚みの屈折率を測定し、厚み方向中心部の屈折率として
ドライアイスプラストを用い蒸着炭素膜の表面1/4部
分を削除し、測定した屈折率を表4に示した。結果、こ
の蒸着炭素膜の水素濃度、CH濃度、屈折率は、膜の表
面側でそれぞれ0.7以上、0.25以上、1.8以下
であり、厚み方向中心部でそれぞれ0.5以下、0.1
5以下、2.0以上であった。この蒸着炭素膜を被覆し
たプラスチック容器にドライアイスを3.0g入れ、キ
ャップで密封(4ガスVol.)した。このプラスチッ
ク容器の重量を測定し、温度22℃、湿度60%RHの
環境で12週間保存後、再び重量を測定し、その重量差
から炭酸ガス透過量を求め表5に示した。その結果、こ
の被覆プラスチック容器の炭酸ガス透過量は、1.0c
c/day/bottle以下であった。
【0067】[比較例1]マイクロ波反射板を使用しない
こと以外は、実施例1と同じ条件でプラスチック容器の
内面側に蒸着炭素膜を被覆した。この蒸着炭素膜中の水
素濃度,CH濃度、屈折率と蒸着炭素膜被覆プラスチッ
ク容器の炭酸ガス透過量を実施例1と同様に測定し、そ
れぞれの結果を表6、7、8、9に示した。この蒸着炭
素膜の水素濃度、CH濃度、屈折率は、膜の表面側でそ
れぞれ0.7以下、0.25以下、1.8以上であり、
厚み方向中心部でそれぞれ0.5以上、0.15以上、
2.0以下であった。この被覆プラスチック容器の炭酸
ガス透過量は、2.0cc/day/bottle以上
であった。
【0068】[実施例2](プラスチック容器外面に蒸着
炭素膜) 図12に示されるマイクロ波プラズマCVD装置を用い
て、ガスの注入をプラスチック容器の外部へおこなうこ
と以外は、実施例1と同じ手法で表10に示した条件に
て被覆プラスチック容器の作製をおこないプラスチック
容器の外面側に蒸着炭素膜を被覆した。この蒸着炭素膜
の膜厚をエリプソメーターで測定したものと、この蒸着
炭素膜を被覆したプラスチック容器の炭酸ガス透過量を
実施例1と同様に測定し、その結果を表11に示した。
膜厚は、20nmと500nmであり、炭酸ガス透過量
は、ともに1cc/day/bottle以下だった。
この蒸着炭素膜中の水素濃度、CH濃度、屈折率とこの
蒸着炭素膜を被覆したプラスチック容器の炭酸ガス透過
量を実施例1と同様に測定し、その結果を表12に示し
た。蒸着炭素膜の水素濃度、CH濃度、屈折率は、膜の
表面側でそれぞれ0.7以上、0.25以上、1.8以
下であり、厚み方向中心部でそれぞれ0.5以下、0.
15以下、2.0以上であった。この被覆プラスチック
容器の炭酸ガス透過量は、0.81cc/day/bo
ttleであった。
【0069】[比較例2]マイクロ波反射板を使用しない
こと以外は、実施例2と同じ条件で表13に示した条件
にて被覆プラスチック容器の作製を行いプラスチック容
器の外面側に蒸着炭素膜を被覆した。この蒸着炭素膜の
膜厚とこの蒸着炭素膜を被覆したプラスチック容器の炭
酸ガス透過量を実施例2と同様に測定し、それぞれの結
果を表14に示した。膜厚は、16nm、514nmで
あり、炭酸ガス透過量は、ともに、2cc/day/b
ottle以上だった。
【0070】[実施例3](プラスチック容器内外面に蒸
着炭素膜) 図13に示されているようなマイクロ波プラズマCVD
装置を用いて、実施例1と同じ手法で表12に示した条
件にて被覆プラスチック容器の作製をおこないプラスチ
ック容器の内面側に蒸着炭素膜を得た。それから、実施
例2と同じ手法で表12に示した条件にてプラスチック
容器の外面側にも蒸着炭素膜を得た。この内外面の蒸着
炭素膜中の水素濃度、CH濃度、屈折率とこの蒸着炭素
膜を被覆したプラスチック容器の炭酸ガス透過量を実施
例1と同様に測定しその結果を表13に示した。この蒸
着炭素膜の水素濃度、CH濃度、屈折率は、膜の表面側
でそれぞれ0.7以上、0.25以上、1.8以下であ
り、厚み方向中心部でそれぞれ0.5以下、0.15以
下、2.0以上であった。この被覆プラスチック容器の
炭酸ガス透過量は、0.39cc/day/bottl
eであった。
【0071】
【表1】 プラスチック容器内側への蒸着炭素膜の形成
条件を示す表である。
【0072】
【表2】 表1の条件により形成された蒸着炭素膜の水
素濃度を示す表である。
【0073】
【表3】 表1の条件により形成された蒸着炭素膜のC
H濃度を示す表である。
【0074】
【表4】 表1の条件により形成された蒸着炭素膜の屈
折率を示す表である。
【0075】
【表5】 表1の条件により形成された蒸着炭素膜の炭
酸ガス透過量を示す表である。
【0076】
【表6】 反射板を使用しない事以外は、表1と同じ条
件により形成された蒸着炭素膜の水素濃度を示す表であ
る。
【0077】
【表7】 反射板を使用しない事以外は、表1と同じ条
件により形成された蒸着炭素膜のCH濃度を示す表であ
る。
【0078】
【表8】 反射板を使用しない事以外は、表1と同じ条
件により形成された蒸着炭素膜の屈折率を示す表であ
る。
【0079】
【表9】 反射板を使用しない事以外は、表1と同じ条
件により形成された蒸着炭素膜の炭酸ガス透過量を示す
表である。
【0080】
【表10】 プラスチック容器の外側への蒸着炭素膜の
形成条件を示す表である。
【0081】
【表11】 表10の条件により形成された蒸着炭素膜
の評価結果を示す表である。
【0082】
【表12】 表10の条件により形成された蒸着炭素膜
の評価結果を示す表である。
【0083】
【表13】 プラスチック容器の外側への蒸着炭素膜の
形成条件を示す表である。
【0084】
【表14】 表13の条件により形成された蒸着炭素膜
の評価結果を示す表である。
【0085】
【表15】 プラスチック容器の内側、外側両方への蒸
着炭素膜の形成条件を示す表である。
【0086】
【表16】 表15の条件により形成された蒸着炭素膜
の評価結果を示す表である。
【0087】
【発明の効果】本発明によれば、蒸着炭素膜を備えたプ
ラスチック容器において、蒸着炭素膜の表面側の水素含
有量が高く、且つ表面側からプラスチック基体へ向けて
厚み方向の中心側の水素含有量が低い水素含有量の勾配
を有するという新規な被覆構造を有するプラスチック容
器が提供される。この被覆プラスチック容器は、変形や
衝撃に耐え、変形や衝撃を受けた後にもなお優れたガス
バリアー性や、芳香成分乃至有臭成分等への耐収着性を
示すという効果を有する。本発明によればまた、プラス
チック容器内及び/又は外を炭素源ガスを含有する減圧
雰囲気に維持し、容器内及び/又は外でマイクロ波放電
を選択的に生じさせることにより容器内面及び/又は外
面に蒸着炭素膜を形成させることを特徴とする被覆プラ
スチック容器の製法が提供される。この方法によると、
前記被覆構造を容易に形成できると共に、用いる装置の
構成や製造操作も簡単であり、しかも生産性も高いとい
う利点が達成される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の蒸着炭素膜を内面に形成した被覆プラ
スチック容器の断面構造を示す断面図である。
【図2】本発明の蒸着炭素膜を内面に形成した被覆プラ
スチック容器における蒸着炭素膜の化学的組織を模式的
に示す拡大断面図である。
【図3】本発明の蒸着炭素膜を外面に形成した被覆プラ
スチック容器の断面構造を示す断面図である。
【図4】本発明の蒸着炭素膜を外面に形成した被覆プラ
スチック容器における蒸着炭素膜の化学的組織を模式的
に示す拡大断面図である。
【図5】本発明の蒸着炭素膜を内外面に形成した被覆プ
ラスチック容器の断面構造を示す断面図である。
【図6】本発明の蒸着炭素膜を内外面に形成した被覆プ
ラスチック容器における蒸着炭素膜の化学的組織を模式
的に示す拡大断面図である。
【図7】実施例1の蒸着炭素膜被覆ポリエステル容器に
ついて、蒸着炭素膜の二次イオン質量分析計(SIM
S)による水素量と炭素−炭素量を質量から測定し、そ
の水素量を炭素−炭素の量で割って基準化して示したグ
ラフである。
【図8】実施例1の蒸着炭素膜被覆ポリエステル容器に
ついて、蒸着炭素膜の二次イオン質量分析計(SIM
S)によるCH量と炭素−炭素量を質量から測定し、そ
のCH量を炭素−炭素の量で割って基準化して示したグ
ラフである。
【図9】蒸着炭素膜をドライアイスブラストに付したと
きの残留膜厚と表面の屈折率との関係を示すグラフであ
る。
【図10】本発明のプラスチック容器における蒸着炭素
膜の光学的組織を模式的に示す拡大断面図である。
【図11】本発明の内面蒸着炭素膜被覆形成に用いる装
置の一例を示す配置図である。
【図12】本発明の外面蒸着炭素膜被覆形成に用いる装
置の一例を示す配置図である。
【図13】本発明の内外面蒸着炭素膜被覆形成に用いる
装置の一例を示す配置図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3E033 AA03 AA06 AA08 AA10 BA13 BA14 BA15 BA16 BA19 BA21 BA22 BA23 BA26 BB04 BB05 BB08 CA03 CA16 CA20 FA01 FA02 FA03 3E086 AD04 AD05 AD06 BA04 BA15 BA24 BA40 BB15 BB90 4F100 AA37B AA37C AH01B AH01C AH07B AH07C AK01A BA02 BA03 BA06 BA44 DA01 EH66B EH66C EH662 EJ512 EJ592 GB16 JD02 JK10 JL01 JN18B JN18C YY00B YY00C 4K030 AA09 BA28 BB05 CA07 CA11 FA02 JA06 LA01 LA11

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸着炭素膜を備えたプラスチック容器に
    おいて、蒸着炭素膜の表面側が水素含有量が高く、且つ
    表面側からプラスチック基体へ向けて厚み方向中心側の
    水素含有量が低い水素含有量の勾配を有することを特徴
    とする被覆プラスチック容器。
  2. 【請求項2】 前記蒸着炭素膜が厚み方向中心側からプ
    ラスチック基体へ向けて水素含有量が高くなる勾配を有
    することを特徴とする請求項1に記載の被覆プラスチッ
    ク容器。
  3. 【請求項3】 蒸着炭素膜が20乃至500nmの厚み
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載の被
    覆プラスチック容器。
  4. 【請求項4】 蒸着炭素膜が表面側で0.7(Hカウン
    ト/Cカウント)以上の水素濃度、及び厚み方向中心
    部乃至その近傍で0.5(Hカウント/Cカウント)
    以下の水素濃度を有することを特徴とする請求項1乃至
    3の何れかに記載の被覆プラスチック容器。
  5. 【請求項5】 蒸着炭素膜が表面側で0.25(CHカ
    ウント/Cカウント)以上のCH濃度、及び厚み方向
    中心部乃至その近傍で0.15(CHカウント/C
    ウント)以下のCH濃度を有することを特徴とする請求
    項1乃至3の何れかに記載の被覆プラスチック容器。
  6. 【請求項6】 蒸着炭素膜の表面側の屈折率が低く、且
    つプラスチック基体方向へ向けて厚み方向中心側の屈折
    率が高い屈折率の勾配を有することを特徴とする被覆プ
    ラスチック容器。
  7. 【請求項7】 前記蒸着炭素膜が厚み方向中心側からプ
    ラスチック基体へ向けて屈折率が低くなる勾配を有する
    事を特徴とする請求項6記載の被覆プラスチック容器。
  8. 【請求項8】 蒸着炭素膜が表面側で1.8以下の屈折
    率を有すると共に、厚み方向中心側で2.0以上の屈折
    率を有することを特徴とする請求項6記載の被覆プラス
    チック容器。
  9. 【請求項9】 蒸着炭素膜がプラスチック容器の内面及
    び/又は外面に形成されていることを特徴とする請求項
    1乃至8の何れかに記載の被覆プラスチック容器。
  10. 【請求項10】 プラスチック容器内部及び/又は外部
    を炭素源ガスを含有する減圧雰囲気に維持し、容器内及
    び/又は外でマイクロ波放電を生じさせることにより容
    器内面及び又は外面に蒸着炭素膜を形成させることを特
    徴とする被覆プラスチック容器の製法。
  11. 【請求項11】 プラスチック容器を真空チャンバー内
    に保持すると共に、プラスチック容器の外部とプラスチ
    ック容器の内部とを気密状態に維持し、プラスチック容
    器の内部及び/又は外部を炭素源ガスが導入された状態
    においてマイクロ波放電が生じる減圧状態に維持し、真
    空チャンバーのプラスチック容器外部にマイクロ波を導
    入することを特徴とする請求項10に記載の被覆プラス
    チック容器の製法。
  12. 【請求項12】 真空チャンバー内にマイクロ波の反射
    板を配置することを特徴とする請求項10又は11記載
    の被覆プラスチック容器の製法。
  13. 【請求項13】 プラスチック容器の内面及び又は外面
    を3乃至200Paに維持し、マイクロ波放電を生じさ
    せることにより容器内面及び又は外面に蒸着炭素膜を形
    成させることを特徴とする請求項10乃至12の何れか
    に記載の被覆プラスチック容器の製法。
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