JP2001213288A - 車両用パーキング装置 - Google Patents

車両用パーキング装置

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JP2001213288A JP2000402488A JP2000402488A JP2001213288A JP 2001213288 A JP2001213288 A JP 2001213288A JP 2000402488 A JP2000402488 A JP 2000402488A JP 2000402488 A JP2000402488 A JP 2000402488A JP 2001213288 A JP2001213288 A JP 2001213288A
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正広 今村
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誠 小嶋
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    • F16H63/00Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism
    • F16H63/40Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism comprising signals other than signals for actuating the final output mechanisms
    • F16H63/48Signals to a parking brake or parking lock; Control of parking locks or brakes being part of the transmission
    • F16H63/483Circuits for controlling engagement of parking locks or brakes
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
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    • F16H63/40Control outputs from the control unit to change-speed- or reversing-gearings for conveying rotary motion or to other devices than the final output mechanism comprising signals other than signals for actuating the final output mechanisms
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータを駆動源とするパーキング装置の作動
不良をドライバーに確実に報知する。 【解決手段】 セレクトスイッチ55を「P」レンジに
操作することにより起動したモータ15の駆動力は動力
伝達手段Dを介してロック手段Rに伝達され、ロック手
段Rの作動完了がリミットスイッチ11により検出され
るとモータ15が停止する。作動完了したロック手段R
の実際の作動状態がストロークセンサ12により監視さ
れており、セレクトスイッチ55が「P」レンジに操作
されたにも関わらずロック手段Rが実際に作動していな
いことがストロークセンサ12により検出されると、ド
ライバーにハンドブレーキの使用を促すべく警報手段5
9が作動する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,車輪の回転をロッ
クするロック手段をモータの駆動力で作動及び作動解除
する車両用パーキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を駆動源とする車両で自動変速
機を装備するものは動力伝達経路にトルクコンバータを
備えているため,停車時にエンジンと駆動輪とをスリッ
プなしに連結することができず,そのためにエンジンの
内部フリクションで駆動輪の回転をロックすることがで
きない問題がある。またモータを駆動源とする電動車両
においても,モータが内燃機関ほどの内部フリクション
を持たないために,やはり停車時における駆動輪の回転
をロックすることができない問題がある。そこで,かか
る車両には,トランスミッションの出力軸に設けたパー
キングギヤにパーキングポールを係合させることにより
駆動輪の回転をロックするパーキング装置が装着されて
いる(例えば,特開平2−212246号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,セレクトレ
バーでパーキングレンジを選択してパーキング装置を作
動させる車両では,セレクトレバーの位置に応じて点灯
するセレクトポジションランプによってパーキング装置
の作動をドライバーに報知している。この場合,従来の
機械式のパーキング装置であれば,セレクトレバーでパ
ーキングレンジを選択していればパーキング装置の作動
を保証することができるが,モータの駆動力で作動する
電動式のパーキング装置では,セレクトレバー(セレク
トスイッチ)でパーキングレンジを選択していても,モ
ータの駆動系統の故障等によりパーキング装置の作動が
保証されない場合がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で,モータを駆動源とするパーキング装置の作動不良を
ドライバーに確実に報知することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1に記載された発明は,パーキング指令を出
力するパーキング指令手段と;車輪の回転をロックする
ロック手段と;パーキング指令手段がパーキング指令を
出力したときにロック手段を作動させるべくモータの駆
動を開始するモータ駆動制御手段と;ロック手段の作動
完了を確認するロック作動完了確認手段と;ロック作動
完了確認手段がロック手段の作動完了を確認したときに
モータの駆動を停止するモータ停止制御手段と;を備え
た車両用パーキング装置において,モータ停止制御手段
によりモータの駆動を停止した後にロック手段の作動状
態を確認するロック作動状態確認手段と,このロック作
動状態確認手段によりロック手段の作動状態が確認され
ないときに運転者に警報を発する警報手段とを備えたこ
とを特徴とする。
【0006】また請求項2に記載された発明は,請求項
1の構成に加えて,警報手段はモータのバッテリとは別
個の専用バッテリを電源とすることを特徴とする。
【0007】
【作用】請求項1の構成によれば,パーキング指令手段
がパーキング指令を出力するとモータ駆動制御手段がモ
ータの駆動を開始してロック手段を作動させる。ロック
作動完了確認手段がロック手段の作動完了を確認する
と,モータ停止制御手段がモータの駆動を停止する。こ
のとき,ロック作動状態確認手段がロック手段の作動状
態を確認できない場合には,警報手段により運転者に警
報が発せられる。
【0008】請求項2の構成によれば,警報手段はモー
タのバッテリとは別個の専用バッテリを電源とするの
で,モータのバッテリがフェイルしても警報手段を作動
させることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説
明する。尚,この実施例は,本発明のパーキング装置を
バッテリで駆動されるモータにより走行する電動車両に
装着した実施例である。
【0010】添付図面において,図1〜図9は本発明の
一実施例を示すもので,図1はパーキング装置の全体構
成図,図2は図1の2−2線拡大断面図,図3は制御系
のブロック図,図4は作用を説明するフローチャート,
図5はパーキング装置が作動解除しなくなったときの説
明図,図6はパーキング装置が作動しなくなったときの
説明図,図7はパーキング装置が自発的に作動解除して
しまうときの説明図,図8はパーキング装置が自発的に
作動してしまうときの説明図,図9はパーキング装置が
作動及び作動解除を繰り返すときの説明図である。
【0011】図1に示すように,外周に多数の歯溝11
…を有するパーキングギヤ1が車両のトランスミッショ
ンの出力軸2に固定されており,このパーキングギヤ1
の歯溝11 …に係合可能な爪31 と,後述するローラ8
に当接可能なカム面32 とを有するパーキングポール3
がピン4を介して揺動自在に枢支される。パーキングポ
ール3はリターンスプリング5により矢印a′方向に,
即ち爪31 がパーキングギヤ1の歯溝11 …から離脱す
る方向に付勢される。パーキングギヤ1及びパーキング
ポール3はロック手段Rを構成する。
【0012】コントロールレバー6を一体に有するコン
トロールシャフト7が回転自在に支持されており,コン
トロールシャフト7上に前記ローラ8を有するパーキン
グレバー9が相対回転自在に支持される。コントロール
シャフト7に巻き付けたロストモーションスプリング1
0の両端がコントロールシャフト7及びパーキングレバ
ー9に係止される。ロストモーションスプリング10の
弾発力でコントロールシャフト7に対してパーキングレ
バー9を矢印b方向に付勢することにより,ローラ8が
パーキングポール3のカム面32 に圧接される。
【0013】コントロールレバー6と一体のコントロー
ルシャフト7の回転位置が,リミットスイッチ11によ
り検出される。またパーキングレバー9の回転位置が,
それと一体のアーム91 に接続されたポテンショメータ
よりなるストロークセンサ12により検出される。この
ように,リミットスイッチ11及びストロークセンサ1
2をロック手段Rに近い位置に配置することにより,各
部のガタに影響されずにロック手段Rの作動状態を確実
に検出することができ,これにより後述するモータ15
の駆動及び停止を正確なタイミングで制御し,また故障
を確実に検出することが可能となる。
【0014】図2を併せて参照すると明らかなように,
モータ15の回転軸151 と平行な中間軸16及び出力
軸17がハウジング18に回転自在に支持される。モー
タ15の回転方向は一方向に設定されており,これによ
り配線の簡略化を図ることができる。
【0015】中間軸16にボールベアリング19,19
及び第1一方向クラッチ20を介して第1ギヤ21が支
持されており,この第1ギヤ21に前記モータ15の回
転軸151 に設けたピニオン22が噛合する。ハウジン
グ18にボールベアリング23,ニードルベアリング3
0及び第2一方向クラッチ24を介して支持した出力軸
17に,中間軸16に設けた第2ギヤ25に噛合する第
3ギヤ26と,マニュアルドリブンギヤ27とが設けら
れる。第3ギヤ26を180°位相の異なる2つの回転
位置に位置決めすべく,ボール及びスプリングよりなる
ディテント機構28が設けられる。第3ギヤ26とコン
トロールレバー6とがリンク29により連結される。
【0016】リンク29を用いたことによりモータ15
とロック手段Rとの距離を充分に離すことができるた
め,モータ15の設置場所の自由度が増加する。従っ
て,モータ15を路面から離れた高い位置,即ち環境的
に有利な位置に設置することが可能になり,信頼性及び
耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0017】ピニオン22,第1ギヤ21,第1一方向
クラッチ20,中間軸16,第2ギヤ25,第3ギヤ2
6,出力軸17,第2一方向クラッチ24,リンク2
9,コントロールレバー6,コントロールシャフト7及
びパーキングレバー9は,モータ15の駆動力をロック
手段Rに伝達する駆動力伝達手段Dを構成する。
【0018】次に,マニュアル操作手段Mの構造を説明
する。ハウジング18にニードルベアリング31を介し
てマニュアルコントロールシャフト32が回転自在に支
持されており,このマニュアルコントロールシャフト3
2に設けたマニュアルコントロールアーム33が車室内
に設けたマニュアルレバー34にボーデンワイヤ35を
介して接続される。マニュアルコントロールシャフト3
2に固定したカラー36とハウジング18との間にリタ
ーンスプリング37が装着されており,その弾発力でマ
ニュアルコントロールシャフト32は矢印c方向,即ち
ボーデンワイヤ35の張力に抗する回転方向に付勢され
る。
【0019】マニュアルコントロールシャフト32の外
周に形成した早ネジ321 にマニュアルドライブギヤ3
8のボス部381 が螺合する。マニュアルドライブギヤ
38は前記カラー36との間に縮設したリターンスプリ
ング39により矢印d方向に付勢されるとともに,ハウ
ジング18に突設したアンカーピン40に係止されてボ
ス部381 の外周に弾発的に摺接するフリクションスプ
リング41により,回転規制力が付与される。通常,リ
ターンスプリング39の弾発力で矢印d方向に付勢され
たマニュアルドライブギヤ38は,マニュアルドリブン
ギヤ27との噛合が解除された状態にある。マニュアル
ドライブギヤ38は,マニュアルドリブンギヤ27に噛
合したとき,これを180°だけ回転せしめるように扇
形に形成される。
【0020】次に,制御装置Cの構成を図1及び図4に
基づいて説明する。
【0021】12ボルトのバッテリ51とモータ15と
の間に,キルスイッチ52,ヒューズ53及びリレー5
4が直列に介装される。リレー54はリミットスイッチ
11に接続されて作動する。
【0022】車室内に設けられたセレクトスイッチ55
は,「D」レンジ(ドライブレンジ),「N」レンジ
(ニュートラルレンジ),「R」レンジ(リバースレン
ジ)及び「P」レンジ(パーキングレンジ)を選択可能
である。電子制御ユニットUには前記セレクトスイッチ
55からのポジション信号に加えて,前記ストロークセ
ンサ12からの信号,車速センサ56からの信号及びマ
ニュアルレバー34に設けたマニュアルレバー操作検出
センサ60からの信号が入力される。電子制御ユニット
Uには,前記リミットスイッチ11及び前記キルスイッ
チ52に加えて,セレクトポジションを表示するセレク
トポジションランプ57及び前記バッテリ51とは別個
の専用バッテリ58を有する警報手段59が接続され
る。
【0023】次に,前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用を,図4のフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0024】先ず,ステップS1でバッテリ51の電圧
を検出し,ステップS2でバッテリ51の電圧VB が所
定の基準値A(例えば,0〜3V)以下であれば,ステ
ップS18で警報手段59を作動させてドライバーに警
報を発する。ステップS2でバッテリ51の電圧VB
基準値Aを越えていれば,ステップS3で車速センサ5
6により車速Vを検出し,ステップS4で車速Vが基準
値B(例えば,4〜5km/h)以上であれば,ステッ
プS15でモータ15の駆動を停止する。これにより,
車両の走行中におけるロック手段Rの作動を防止し,パ
ーキングギヤ1とパーキングポール3とのスリップによ
る異音の発生を未然に回避することができる。
【0025】ステップS4で車速Vが基準値Bよりも小
さければ,ステップS5でセレクトスイッチ55のポジ
ションを検出する。セレクトスイッチ55のポジション
信号は,「D」レンジ,「N」レンジ,「R」レンジに
対応する信号と,「P」レンジに対応する信号との二種
類であり,ステップS6で今回の信号が前回の信号と同
一であれば,ステップS15でモータ15の駆動を停止
する。
【0026】ステップS6で今回の信号が前回の信号と
異なっていれば,ステップS7でセレクトスイッチ55
のポジション信号数SPNを検出する。前記ポジション
信号数SPNは,SPN=0が断線,SPN=1が正
常,SPN=2が中間断線又は噛み込み,SPN=3が
中間止まりにそれぞれ対応しており,ステップS8でS
PN=3(中間止まり)の場合には,ステップS21で
モータ15の駆動を停止し,ステップS9でSPN=0
(断線)又はSPN=2(中間断線又は噛み込み)の場
合には,ステップS15でモータ15の駆動を停止す
る。
【0027】そして,ステップS9でSPN=1(正
常)の場合に,モータ15を駆動する。即ち,ポジショ
ン信号が「D」レンジ,「N」レンジ,「R」レンジか
ら「P」レンジに変化した場合はロック手段Rが作動解
除状態から作動状態に駆動され,逆にポジション信号が
「P」レンジから「D」レンジ,「N」レンジ,「R」
レンジに変化した場合はロック手段Rが作動状態から作
動解除状態に駆動される。
【0028】ステップS11でモータ15が起動してか
らの時間tを計時し,ステップS12で時間tが基準値
1 (例えば,2〜3秒)以上であれば,即ち何らかの
故障によりモータ15が停止せずに連続運転状態となっ
た場合には,ステップS15でモータ15の駆動を停止
する。
【0029】ステップS12で時間tが基準値t1 より
も小さければ,ステップS13でコントロールシャフト
7に接続されたリミットスイッチ11の信号を検出し,
ステップS14でリミットスイッチ11がコントロール
シャフト7の回転端のオートストップ位置を検出してい
なければ,ステップS20でモータ15の駆動を継続
し,ステップS14でリミットスイッチ11がコントロ
ールシャフト7の回転端のオートストップ位置を検出し
たときに,ステップS15でモータ15の駆動を停止す
る。
【0030】そして,ステップS16でパーキングレバ
ー9のアーム91 に接続されたストロークセンサ12の
信号を検出し,ステップS17でストロークセンサ12
の信号から検出したロック手段Rの状態とセレクトスイ
ッチ55のポジション信号とを比較する。そして,パー
キングレバー9の位置がロック手段Rが作動状態にある
ことを示しているのに,ポジション信号が「D」レン
ジ,「N」レンジ又は「R」レンジにある場合,或いは
パーキングレバー6の位置がロック手段Rが作動解除状
態にあることを示しているのに,ポジション信号が
「P」レンジにある場合には,ステップS18で警報手
段59を作動させる。一方,ロック手段Rの状態とポジ
ション信号とが一致していれば,ステップS19でセレ
クトポジションランプ57の所定のランプを点灯させ
る。
【0031】上記作用を更に詳しく説明すると,セレク
トスイッチ55が「D」レンジ,「N」レンジ又は
「R」レンジにあるとき,ロック手段Rは作動解除状態
にあり,リターンスプリング5の弾発力で矢印a′方向
に付勢されたパーキングポール3の爪31 はパーキング
ギヤ1の歯溝11 …から離脱している。このとき,リレ
ー54は閉成しており,ロック手段Rを作動させるべく
セレクトスイッチ55を「P」レンジに操作するとモー
タ15が起動する。モータ15の回転はピニオン22,
第1ギヤ21,第1一方向クラッチ20及び第2ギヤ2
5を介して第3ギヤ26に伝達される。このとき,第1
一方向クラッチ20はロックして第1ギヤ21の回転を
第2ギヤ25に伝達し,また第2一方向クラッチ24は
スリップして第3ギヤ26の回転を許容する。
【0032】第3ギヤ26が矢印e方向に回転すること
によりリンク29が矢印f方向に移動し,コントロール
レバー6をコントロールシャフト7と共に矢印b方向に
回転させる。コントロールシャフト7が回転するとロス
トモーションスプリング10を介してパーキングレバー
9が矢印b方向に回転し,パーキングレバー9のローラ
8にカム面32 を押圧されたパーキングポール3が矢印
a方向に回転して爪3 1 が歯溝11 …に係合することに
より,図1に示す如くパーキングギヤ1の回転が規制さ
れてロック手段Rが作動状態になる。
【0033】パーキングギヤ1の位相によりパーキング
ポール3の爪31 が歯溝11 …に係合しない場合は,パ
ーキングレバー9の回転が途中で停止し,ロストモーシ
ョンスプリング10が弾性変形することによりコントロ
ールシャフト7のみが回転する。そして車両が僅かに移
動してパーキングギヤ1が回転すると,ロストモーショ
ンスプリング10の弾発力で付勢されたパーキングレバ
ー9に押圧されたパーキングポール3の爪31 がパーキ
ングギヤ1の歯溝11 …に係合し,ロック手段Rが作動
状態になる。
【0034】一方,セレクトスイッチ55が「P」レン
ジにあるとき,ロック手段Rは図1に示した作動状態に
あり,ロストモーションスプリング10の弾発力で矢印
a方向に付勢されたパーキングポール3の爪31 はパー
キングギヤ1の歯溝11 …に係合している。この状態か
らロック手段Rを作動解除すべくセレクトスイッチ55
を「D」レンジ,「N」レンジ又は「R」レンジに操作
するとモータ15が起動し,第3ギヤ26が矢印e方向
に回転することによりリンク29が矢印f′方向に移動
する。その結果,コントロールシャフト7及びパーキン
グレバー9が矢印b′方向に回転し,パーキングポール
3がリターンスプリング5の弾発力で矢印a′方向に回
転して爪31 が歯溝11 …から離脱することにより,ロ
ック手段Rが作動解除される。
【0035】ロック手段Rが作動状態にあるとき,特に
パーキングポール3の爪31 がパーキングギヤ1の歯溝
1 …に完全に係合しておらず,ロストモーションスプ
リング10が弾発力を発生しているとき,そのロストモ
ーションスプリング10の弾発力が抜け力となってリン
ク29を矢印f′方向に押圧し,このリンク29が接続
された第3ギヤ26を矢印e′方向に回転させようとす
る。しかしながら,第3ギヤ26と一体の出力軸17及
びハウジング18間に介装された第2一方向クラッチ2
4がロックすることにより,前記抜け力がハウジング1
8に伝達されて受止される。これにより,ロストモーシ
ョンスプリング10の弾発力(即ち,前記抜け力)がモ
ータ15に逆伝達されることが防止され,モータ15に
抜け力に対抗するトルクを発揮させる必要がなくなって
エネルギーの節減及びモータ15の耐久性向上が可能と
なる。
【0036】第2一方向クラッチ24は次のような機能
も備えている。即ち,ロック手段Rを作動状態にして坂
道等でパーキングするような場合,重力で車両が移動し
ようとする力でロック手段Rが外れてしまうのを防止す
るために,従来はセレクトレバーにディテント機構を設
けることにより,ロック手段Rの操作系のフリクション
を増大させて前記ロック手段Rの外れを防止していた。
しかしながら,モータ15でロック手段Rを作動及び作
動解除するものでは,前記フリクションによりモータ1
5の負荷が増加してしまう問題がある。そこで,本実施
例の如く第2一方向クラッチ24により前記ロック手段
Rの外れを防止すれば,モータ15の負荷を増加させる
ことなくロック手段Rを確実に作動位置に保持し,信頼
性の向上を図ることができる。
【0037】また,ロック手段Rが作動状態にあると
き,リンク29の左端を上死点の僅か手前位置に停止さ
せることにより,前記抜け力により第3ギヤ26に作用
する回転モーメントを小さくすることができる。これに
より,第2一方向クラッチ24に作用する負荷を軽減
し,該第2一方向クラッチ24に小型のものを使用する
ことができる。
【0038】例えば,モータ15が故障してロック手段
Rが作動位置に固定されてしまった場合,マニュアルレ
バー34を矢印g方向に引くことによりロック手段Rを
作動解除することができる。
【0039】即ち,マニュアルレバー34を矢印g方向
に引くことにより,ボーデンワイヤ35及びマニュアル
コントロールアーム33を介してマニュアルコントロー
ルシャフト32を矢印c′方向に回転させると,フリク
ションスプリング41により摩擦力を与えられたマニュ
アルドライブギヤ38はハウジング18に対して回転し
難い状態にあるため,マニュアルコントロールシャフト
32の回転によりマニュアルドライブギヤ38との間に
相対回転が発生し,その結果マニュアルコントロールシ
ャフト32の早ネジ321 によりマニュアルドライブギ
ヤ38はリターンスプリング39を圧縮しながら,図2
の矢印d′方向に移動してマニュアルドリブンギヤ27
に噛合する。
【0040】マニュアルドライブギヤ38が矢印d′方
向に移動してカラー36の端面に当接すると,マニュア
ルドライブギヤ38はマニュアルコントロールシャフト
32と一体化されて図1の矢印c′方向に回転し,その
結果マニュアルドリブンギヤ27と一体の第3ギヤ26
が180°回転し,ロック手段Rが作動解除される。こ
のとき,第2一方向クラッチ24はスリップして第3ギ
ヤ26の回転を許容するとともに,第1一方向クラッチ
20はスリップして第3ギヤ26の回転がモータ15に
逆伝達されることを防止する。
【0041】ロック手段Rが作動解除された後にマニュ
アルレバー34を放すと,リターンスプリング37の弾
発力でマニュアルコントロールシャフト32が矢印c方
向に回転し,フリクションスプリング41により摩擦力
を与えられたマニュアルドライブギヤ38はリターンス
プリング39及び早ネジ322 の作用で矢印d方向に移
動し,マニュアルドリブンギヤ27との噛合が解除され
る。
【0042】通常の状態ではマニュアルドライブギヤ3
8とマニュアルドリブンギヤ27とは噛合していないた
め,モータ15を駆動してロック手段Rを作動又は作動
解除する際に,そのモータ15の駆動力がマニュアルレ
バー34に伝達されることはない。またマニュアルレバ
ー34を操作すると,マニュアルレバー操作検出センサ
60の出力に基づいてキルスイッチ52が開成し,これ
によりモータ15の駆動が禁止されて手動操作とモータ
15による操作との干渉が防止される。
【0043】尚,マニュアルレバー34によりロック手
段Rを作動解除状態から作動状態に操作することも可能
である。
【0044】次に,パーキング装置に発生し得る各種の
トラブルとそれに対する対処の方法とを,各々の場合に
ついて説明する。 パーキング装置が作動解除しなくなったとき 図5に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「P」レンジから「D」レンジ,「N」レンジ又は
「R」レンジに操作したときに本来作動すべきモータ1
5が何らかの理由で作動しない場合,ロック手段Rは作
動状態にホールドされてしまう。このとき,セレクトポ
ジションランプ57は[P]ランプが点灯したままにな
り,警報手段59が作動して「マニュアルレバーを操作
せよ」のランプが点灯する。
【0045】警報手段59により故障を報知されたドラ
イバーがマニュアルレバー34を操作すると,マニュア
ル操作手段Mによりロック手段Rが作動解除され,新た
に選択されたセレクトポジションに対応する[D]ラン
プ,[N]ランプ又は[R]ランプが点灯するとともに
警報手段59が作動停止し,車両は走行可能な状態とな
る。 パーキング装置が作動しなくなったとき 図6に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「D」レンジ,「N」レンジ又は「R」レンジから
「P」レンジに操作したときに本来作動すべきモータ1
5が何らかの理由で作動しない場合,ロック手段Rは作
動解除状態にホールドされてしまう。このとき,セレク
トポジションランプ57は[P]ランプが点灯せず,警
報手段59が作動して「ハンドブレーキを操作せよ」の
ランプが点灯する。その結果,警報手段59により故障
を報知されたドライバーがハンドブレーキを操作するこ
とにより,車両はパーキング可能な状態となる。 パーキング装置が自発的に作動解除するとき 図7に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「P」レンジから「D」レンジ,「N」レンジ又は
「R」レンジに操作しないにも関わらずモータ15が何
らかの理由で勝手に作動してロック手段Rが作動解除し
てしまうと,セレクトポジションランプ57は[P]ラ
ンプが消灯してしまい,警報手段59が作動して「ハン
ドブレーキを操作せよ」のランプが点灯する。その結
果,警報手段59により故障を報知されたドライバーが
ハンドブレーキを操作することにより,車両はパーキン
グ可能な状態となる。 パーキング装置が自発的に作動するとき 図8に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「D」レンジ,「N」レンジ又は「R」レンジから
「P」レンジに操作しないにも関わらずモータ15が何
らかの理由で勝手に作動してロック手段Rが作動してし
まうと,セレクトポジションランプ57は[P]ランプ
が点灯し,警報手段59が作動して「マニュアルレバー
を操作せよ」のランプが点灯する。更に車両が走行中
(車速センサ56で検出した車速がキルスイッチ52の
開成速度以下の場合)であれば,ロック手段Rがスリッ
プして異音が発生する。
【0046】警報手段59により故障を報知されたドラ
イバーがマニュアルレバー34を操作すると,マニュア
ル操作手段Mによりロック手段Rが作動解除され,本来
のセレクトポジションに対応する[D]ランプ,[N]
ランプ又は[R]ランプが点灯するとともに警報手段5
9が作動停止し,車両は走行可能な状態となる。 パーキング装置が連続作動及び作動解除するとき 図9に示すように,セレクトスイッチ55の位置に関わ
らず何らかの理由でモータ15が連続回転するとロック
手段Rが作動及び作動解除を繰り返してしまい,[P]
ランプが点滅するとともに警報手段59のランプが点滅
し,更に車両が走行中であればロック手段Rがスリップ
して異音が発生する。
【0047】警報手段59により故障を報知されたドラ
イバーがマニュアルレバー34を操作すると,マニュア
ルレバー操作検出センサ60によりキルスイッチスイッ
チ52が開成してモータ15が停止し,同時にマニュア
ル操作手段Mによりロック手段Rが作動解除され,警報
手段59が作動停止して車両は走行可能な状態となる。
また,警報手段59により故障を報知されたドライバー
がハンドブレーキを操作することにより,車両はパーキ
ング可能な状態となる。
【0048】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0049】例えば,本発明のパーキング装置は電動車
両用に限定されず,内燃機関を駆動源とする車両に対し
ても適用することができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように,請求項1記載された発明
によれば,ロック作動完了確認手段がロック手段の作動
完了を確認してモータ停止制御手段がモータの駆動を停
止したとき,ロック作動状態確認手段がロック手段の作
動状態を確認できない場合には警報手段により運転者に
警報が発せられるので,運転者にハンドブレーキの使用
を促すことができる。
【0051】また請求項2に記載された発明によれば,
警報手段はモータのバッテリとは別個の専用バッテリを
電源とするので,モータのバッテリがフェイルしても警
報手段を作動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パーキング装置の全体構成図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】制御系のブロック図
【図4】作用を説明するフローチャート
【図5】パーキング装置が作動解除しなくなったときの
説明図
【図6】パーキング装置が作動しなくなったときの説明
【図7】パーキング装置が自発的に作動解除してしまう
ときの説明図
【図8】パーキング装置が自発的に作動してしまうとき
の説明図
【図9】パーキング装置が作動及び作動解除を繰り返す
ときの説明図
【符号の説明】
11 リミットスイッチ(ロック作動完了確認手
段) 12 ストロークセンサ(ロック作動状態確認手
段) 15 モータ 51 バッテリ 55 セレクトスイッチ(パーキング指令手段) 58 専用バッテリ 59 警報手段 D 駆動力伝達手段 R ロック手段 U 電子制御ユニット(モータ駆動制御手段,
モータ停止制御手段)
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成13年2月5日(2001.2.5)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 車両用パーキング装置
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は,車輪の回転をロッ
クするロック手段をモータの駆動力で作動及び作動解除
する車両用パーキング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関を駆動源とする車両で自動変速
機を装備するものは動力伝達経路にトルクコンバータを
備えているため,停車時にエンジンと駆動輪とをスリッ
プなしに連結することができず,そのためにエンジンの
内部フリクションで駆動輪の回転をロックすることがで
きない問題がある。またモータを駆動源とする電動車両
においても,モータが内燃機関ほどの内部フリクション
を持たないために,やはり停車時における駆動輪の回転
をロックすることができない問題がある。そこで,かか
る車両には,トランスミッションの出力軸に設けたパー
キングギヤにパーキングポールを係合させることにより
駆動輪の回転をロックするパーキング装置が装着されて
いる(例えば,特開平2−212246号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで,セレクトレ
バーでパーキングレンジを選択してパーキング装置を作
動させる車両では,セレクトレバーの位置に応じて点灯
するセレクトポジションランプによってパーキング装置
の作動をドライバーに報知している。この場合,従来の
機械式のパーキング装置であれば,セレクトレバーでパ
ーキングレンジを選択していればパーキング装置の作動
を保証することができるが,モータの駆動力で作動する
電動式のパーキング装置では,セレクトレバー(セレク
トスイッチ)でパーキングレンジを選択していても,モ
ータの駆動系統の故障等によりパーキング装置の作動が
保証されない場合がある。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で,上記モータの駆動系統の故障等によるも,マニュア
ル操作手段によりロック手段を作動解除できるように
ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に,請求項1に記載された発明は,ーキング指令手段
車輪の回転をロックするロック手段とパーキング
指令手段の出力に応じてモータを駆動して,そのモータ
の駆動力でロック手段を作動又は作動解除するようにし
車両用パーキング装置において,マニュアルレバーの
操作によりロック手段を作動解除するマニュアル操作手
段を備え,このマニュアルレバーを操作すると,モータ
の駆動が禁止されるようにしたことを特徴とする車両用
パーキング装置。
【0006】また請求項2に記載された発明は,請求項
1の構成に加えて,モータの前記駆動禁止は,マニュア
ルレバー操作検出センサの出力に基づくキルスイッチの
開成によることを特徴とする。
【0007】また請求項3に記載された発明は,請求項
1又は2の構成に加えて,モータを駆動してロック手段
を作動又は作動解除する際に,そのモータの駆動力がマ
ニュアルレバーに伝達されないようにしたことを特徴と
する
【0008】
【作用】請求項1の構成によれば,マニュアルレバーの
操作によりロック手段を作動解除するマニュアル操作手
段を備え,このマニュアルレバーを操作すると,モータ
の駆動が禁止されるようにしたので,モータの駆動系統
の故障等によるも,マニュアル操作手段によりロック手
段を作動解除することができ,また手動操作とモータに
よる操作との干渉が防止される。
【0009】請求項2の構成によれば,モータの前記駆
動禁止は,マニュアルレバー操作検出センサの出力に基
づくキルスイッチの開成によりなされる。
【0010】請求項3の構成によれば,モータを駆動し
てロック手段を作動又は作動解除する際に,そのモータ
の駆動力がマニュアルレバーに伝達されないようにす
る。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を,添付図面
に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説
明する。尚,この実施例は,本発明のパーキング装置を
バッテリで駆動されるモータにより走行する電動車両に
装着した実施例である。
【0012】添付図面において,図1〜図9は本発明の
一実施例を示すもので,図1はパーキング装置の全体構
成図,図2は図1の2−2線拡大断面図,図3は制御系
のブロック図,図4は作用を説明するフローチャート,
図5はパーキング装置が作動解除しなくなったときの説
明図,図6はパーキング装置が作動しなくなったときの
説明図,図7はパーキング装置が自発的に作動解除して
しまうときの説明図,図8はパーキング装置が自発的に
作動してしまうときの説明図,図9はパーキング装置が
作動及び作動解除を繰り返すときの説明図である。
【0013】図1に示すように,外周に多数の歯溝11
…を有するパーキングギヤ1が車両のトランスミッショ
ンの出力軸2に固定されており,このパーキングギヤ1
の歯溝11 …に係合可能な爪31 と,後述するローラ8
に当接可能なカム面32 とを有するパーキングポール3
がピン4を介して揺動自在に枢支される。パーキングポ
ール3はリターンスプリング5により矢印a′方向に,
即ち爪31 がパーキングギヤ1の歯溝11 …から離脱す
る方向に付勢される。パーキングギヤ1及びパーキング
ポール3はロック手段Rを構成する。
【0014】コントロールレバー6を一体に有するコン
トロールシャフト7が回転自在に支持されており,コン
トロールシャフト7上に前記ローラ8を有するパーキン
グレバー9が相対回転自在に支持される。コントロール
シャフト7に巻き付けたロストモーションスプリング1
0の両端がコントロールシャフト7及びパーキングレバ
ー9に係止される。ロストモーションスプリング10の
弾発力でコントロールシャフト7に対してパーキングレ
バー9を矢印b方向に付勢することにより,ローラ8が
パーキングポール3のカム面32 に圧接される。
【0015】コントロールレバー6と一体のコントロー
ルシャフト7の回転位置が,リミットスイッチ11によ
り検出される。またパーキングレバー9の回転位置が,
それと一体のアーム91 に接続されたポテンショメータ
よりなるストロークセンサ12により検出される。この
ように,リミットスイッチ11及びストロークセンサ1
2をロック手段Rに近い位置に配置することにより,各
部のガタに影響されずにロック手段Rの作動状態を確実
に検出することができ,これにより後述するモータ15
の駆動及び停止を正確なタイミングで制御し,また故障
を確実に検出することが可能となる。
【0016】図2を併せて参照すると明らかなように,
モータ15の回転軸151 と平行な中間軸16及び出力
軸17がハウジング18に回転自在に支持される。モー
タ15の回転方向は一方向に設定されており,これによ
り配線の簡略化を図ることができる。
【0017】中間軸16にボールベアリング19,19
及び第1一方向クラッチ20を介して第1ギヤ21が支
持されており,この第1ギヤ21に前記モータ15の回
転軸151 に設けたピニオン22が噛合する。ハウジン
グ18にボールベアリング23,ニードルベアリング3
0及び第2一方向クラッチ24を介して支持した出力軸
17に,中間軸16に設けた第2ギヤ25に噛合する第
3ギヤ26と,マニュアルドリブンギヤ27とが設けら
れる。第3ギヤ26を180°位相の異なる2つの回転
位置に位置決めすべく,ボール及びスプリングよりなる
ディテント機構28が設けられる。第3ギヤ26とコン
トロールレバー6とがリンク29により連結される。
【0018】リンク29を用いたことによりモータ15
とロック手段Rとの距離を充分に離すことができるた
め,モータ15の設置場所の自由度が増加する。従っ
て,モータ15を路面から離れた高い位置,即ち環境的
に有利な位置に設置することが可能になり,信頼性及び
耐久性の向上を図ることが可能となる。
【0019】ピニオン22,第1ギヤ21,第1一方向
クラッチ20,中間軸16,第2ギヤ25,第3ギヤ2
6,出力軸17,第2一方向クラッチ24,リンク2
9,コントロールレバー6,コントロールシャフト7及
びパーキングレバー9は,モータ15の駆動力をロック
手段Rに伝達する駆動力伝達手段Dを構成する。
【0020】次に,マニュアル操作手段Mの構造を説明
する。ハウジング18にニードルベアリング31を介し
てマニュアルコントロールシャフト32が回転自在に支
持されており,このマニュアルコントロールシャフト3
2に設けたマニュアルコントロールアーム33が車室内
に設けたマニュアルレバー34にボーデンワイヤ35を
介して接続される。マニュアルコントロールシャフト3
2に固定したカラー36とハウジング18との間にリタ
ーンスプリング37が装着されており,その弾発力でマ
ニュアルコントロールシャフト32は矢印c方向,即ち
ボーデンワイヤ35の張力に抗する回転方向に付勢され
る。
【0021】マニュアルコントロールシャフト32の外
周に形成した早ネジ321 にマニュアルドライブギヤ3
8のボス部381 が螺合する。マニュアルドライブギヤ
38は前記カラー36との間に縮設したリターンスプリ
ング39により矢印d方向に付勢されるとともに,ハウ
ジング18に突設したアンカーピン40に係止されてボ
ス部381 の外周に弾発的に摺接するフリクションスプ
リング41により,回転規制力が付与される。通常,リ
ターンスプリング39の弾発力で矢印d方向に付勢され
たマニュアルドライブギヤ38は,マニュアルドリブン
ギヤ27との噛合が解除された状態にある。マニュアル
ドライブギヤ38は,マニュアルドリブンギヤ27に噛
合したとき,これを180°だけ回転せしめるように扇
形に形成される。
【0022】次に,制御装置Cの構成を図1及び図4に
基づいて説明する。
【0023】12ボルトのバッテリ51とモータ15と
の間に,キルスイッチ52,ヒューズ53及びリレー5
4が直列に介装される。リレー54はリミットスイッチ
11に接続されて作動する。
【0024】車室内に設けられたセレクトスイッチ55
は,「D」レンジ(ドライブレンジ),「N」レンジ
(ニュートラルレンジ),「R」レンジ(リバースレン
ジ)及び「P」レンジ(パーキングレンジ)を選択可能
である。電子制御ユニットUには前記セレクトスイッチ
55からのポジション信号に加えて,前記ストロークセ
ンサ12からの信号,車速センサ56からの信号及びマ
ニュアルレバー34に設けたマニュアルレバー操作検出
センサ60からの信号が入力される。電子制御ユニット
Uには,前記リミットスイッチ11及び前記キルスイッ
チ52に加えて,セレクトポジションを表示するセレク
トポジションランプ57及び前記バッテリ51とは別個
の専用バッテリ58を有する警報手段59が接続され
る。
【0025】次に,前述の構成を備えた本発明の実施例
の作用を,図4のフローチャートを参照しながら説明す
る。
【0026】先ず,ステップS1でバッテリ51の電圧
を検出し,ステップS2でバッテリ51の電圧VB が所
定の基準値A(例えば,0〜3V)以下であれば,ステ
ップS18で警報手段59を作動させてドライバーに警
報を発する。ステップS2でバッテリ51の電圧VB
基準値Aを越えていれば,ステップS3で車速センサ5
6により車速Vを検出し,ステップS4で車速Vが基準
値B(例えば,4〜5km/h)以上であれば,ステッ
プS15でモータ15の駆動を停止する。これにより,
車両の走行中におけるロック手段Rの作動を防止し,パ
ーキングギヤ1とパーキングポール3とのスリップによ
る異音の発生を未然に回避することができる。
【0027】ステップS4で車速Vが基準値Bよりも小
さければ,ステップS5でセレクトスイッチ55のポジ
ションを検出する。セレクトスイッチ55のポジション
信号は,「D」レンジ,「N」レンジ,「R」レンジに
対応する信号と,「P」レンジに対応する信号との二種
類であり,ステップS6で今回の信号が前回の信号と同
一であれば,ステップS15でモータ15の駆動を停止
する。
【0028】ステップS6で今回の信号が前回の信号と
異なっていれば,ステップS7でセレクトスイッチ55
のポジション信号数SPNを検出する。前記ポジション
信号数SPNは,SPN=0が断線,SPN=1が正
常,SPN=2が中間断線又は噛み込み,SPN=3が
中間止まりにそれぞれ対応しており,ステップS8でS
PN=3(中間止まり)の場合には,ステップS21で
モータ15の駆動を停止し,ステップS9でSPN=0
(断線)又はSPN=2(中間断線又は噛み込み)の場
合には,ステップS15でモータ15の駆動を停止す
る。
【0029】そして,ステップS9でSPN=1(正
常)の場合に,モータ15を駆動する。即ち,ポジショ
ン信号が「D」レンジ,「N」レンジ,「R」レンジか
ら「P」レンジに変化した場合はロック手段Rが作動解
除状態から作動状態に駆動され,逆にポジション信号が
「P」レンジから「D」レンジ,「N」レンジ,「R」
レンジに変化した場合はロック手段Rが作動状態から作
動解除状態に駆動される。
【0030】ステップS11でモータ15が起動してか
らの時間tを計時し,ステップS12で時間tが基準値
1 (例えば,2〜3秒)以上であれば,即ち何らかの
故障によりモータ15が停止せずに連続運転状態となっ
た場合には,ステップS15でモータ15の駆動を停止
する。
【0031】ステップS12で時間tが基準値t1 より
も小さければ,ステップS13でコントロールシャフト
7に接続されたリミットスイッチ11の信号を検出し,
ステップS14でリミットスイッチ11がコントロール
シャフト7の回転端のオートストップ位置を検出してい
なければ,ステップS20でモータ15の駆動を継続
し,ステップS14でリミットスイッチ11がコントロ
ールシャフト7の回転端のオートストップ位置を検出し
たときに,ステップS15でモータ15の駆動を停止す
る。
【0032】そして,ステップS16でパーキングレバ
ー9のアーム91 に接続されたストロークセンサ12の
信号を検出し,ステップS17でストロークセンサ12
の信号から検出したロック手段Rの状態とセレクトスイ
ッチ55のポジション信号とを比較する。そして,パー
キングレバー9の位置がロック手段Rが作動状態にある
ことを示しているのに,ポジション信号が「D」レン
ジ,「N」レンジ又は「R」レンジにある場合,或いは
パーキングレバー6の位置がロック手段Rが作動解除状
態にあることを示しているのに,ポジション信号が
「P」レンジにある場合には,ステップS18で警報手
段59を作動させる。一方,ロック手段Rの状態とポジ
ション信号とが一致していれば,ステップS19でセレ
クトポジションランプ57の所定のランプを点灯させ
る。
【0033】上記作用を更に詳しく説明すると,セレク
トスイッチ55が「D」レンジ,「N」レンジ又は
「R」レンジにあるとき,ロック手段Rは作動解除状態
にあり,リターンスプリング5の弾発力で矢印a′方向
に付勢されたパーキングポール3の爪31 はパーキング
ギヤ1の歯溝11 …から離脱している。このとき,リレ
ー54は閉成しており,ロック手段Rを作動させるべく
セレクトスイッチ55を「P」レンジに操作するとモー
タ15が起動する。モータ15の回転はピニオン22,
第1ギヤ21,第1一方向クラッチ20及び第2ギヤ2
5を介して第3ギヤ26に伝達される。このとき,第1
一方向クラッチ20はロックして第1ギヤ21の回転を
第2ギヤ25に伝達し,また第2一方向クラッチ24は
スリップして第3ギヤ26の回転を許容する。
【0034】第3ギヤ26が矢印e方向に回転すること
によりリンク29が矢印f方向に移動し,コントロール
レバー6をコントロールシャフト7と共に矢印b方向に
回転させる。コントロールシャフト7が回転するとロス
トモーションスプリング10を介してパーキングレバー
9が矢印b方向に回転し,パーキングレバー9のローラ
8にカム面32 を押圧されたパーキングポール3が矢印
a方向に回転して爪3 1 が歯溝11 …に係合することに
より,図1に示す如くパーキングギヤ1の回転が規制さ
れてロック手段Rが作動状態になる。
【0035】パーキングギヤ1の位相によりパーキング
ポール3の爪31 が歯溝11 …に係合しない場合は,パ
ーキングレバー9の回転が途中で停止し,ロストモーシ
ョンスプリング10が弾性変形することによりコントロ
ールシャフト7のみが回転する。そして車両が僅かに移
動してパーキングギヤ1が回転すると,ロストモーショ
ンスプリング10の弾発力で付勢されたパーキングレバ
ー9に押圧されたパーキングポール3の爪31 がパーキ
ングギヤ1の歯溝11 …に係合し,ロック手段Rが作動
状態になる。
【0036】一方,セレクトスイッチ55が「P」レン
ジにあるとき,ロック手段Rは図1に示した作動状態に
あり,ロストモーションスプリング10の弾発力で矢印
a方向に付勢されたパーキングポール3の爪31 はパー
キングギヤ1の歯溝11 …に係合している。この状態か
らロック手段Rを作動解除すべくセレクトスイッチ55
を「D」レンジ,「N」レンジ又は「R」レンジに操作
するとモータ15が起動し,第3ギヤ26が矢印e方向
に回転することによりリンク29が矢印f′方向に移動
する。その結果,コントロールシャフト7及びパーキン
グレバー9が矢印b′方向に回転し,パーキングポール
3がリターンスプリング5の弾発力で矢印a′方向に回
転して爪31 が歯溝11 …から離脱することにより,ロ
ック手段Rが作動解除される。
【0037】ロック手段Rが作動状態にあるとき,特に
パーキングポール3の爪31 がパーキングギヤ1の歯溝
1 …に完全に係合しておらず,ロストモーションスプ
リング10が弾発力を発生しているとき,そのロストモ
ーションスプリング10の弾発力が抜け力となってリン
ク29を矢印f′方向に押圧し,このリンク29が接続
された第3ギヤ26を矢印e′方向に回転させようとす
る。しかしながら,第3ギヤ26と一体の出力軸17及
びハウジング18間に介装された第2一方向クラッチ2
4がロックすることにより,前記抜け力がハウジング1
8に伝達されて受止される。これにより,ロストモーシ
ョンスプリング10の弾発力(即ち,前記抜け力)がモ
ータ15に逆伝達されることが防止され,モータ15に
抜け力に対抗するトルクを発揮させる必要がなくなって
エネルギーの節減及びモータ15の耐久性向上が可能と
なる。
【0038】第2一方向クラッチ24は次のような機能
も備えている。即ち,ロック手段Rを作動状態にして坂
道等でパーキングするような場合,重力で車両が移動し
ようとする力でロック手段Rが外れてしまうのを防止す
るために,従来はセレクトレバーにディテント機構を設
けることにより,ロック手段Rの操作系のフリクション
を増大させて前記ロック手段Rの外れを防止していた。
しかしながら,モータ15でロック手段Rを作動及び作
動解除するものでは,前記フリクションによりモータ1
5の負荷が増加してしまう問題がある。そこで,本実施
例の如く第2一方向クラッチ24により前記ロック手段
Rの外れを防止すれば,モータ15の負荷を増加させる
ことなくロック手段Rを確実に作動位置に保持し,信頼
性の向上を図ることができる。
【0039】また,ロック手段Rが作動状態にあると
き,リンク29の左端を上死点の僅か手前位置に停止さ
せることにより,前記抜け力により第3ギヤ26に作用
する回転モーメントを小さくすることができる。これに
より,第2一方向クラッチ24に作用する負荷を軽減
し,該第2一方向クラッチ24に小型のものを使用する
ことができる。
【0040】例えば,モータ15が故障してロック手段
Rが作動位置に固定されてしまった場合,マニュアルレ
バー34を矢印g方向に引くことによりロック手段Rを
作動解除することができる。
【0041】即ち,マニュアルレバー34を矢印g方向
に引くことにより,ボーデンワイヤ35及びマニュアル
コントロールアーム33を介してマニュアルコントロー
ルシャフト32を矢印c′方向に回転させると,フリク
ションスプリング41により摩擦力を与えられたマニュ
アルドライブギヤ38はハウジング18に対して回転し
難い状態にあるため,マニュアルコントロールシャフト
32の回転によりマニュアルドライブギヤ38との間に
相対回転が発生し,その結果マニュアルコントロールシ
ャフト32の早ネジ321 によりマニュアルドライブギ
ヤ38はリターンスプリング39を圧縮しながら,図2
の矢印d′方向に移動してマニュアルドリブンギヤ27
に噛合する。
【0042】マニュアルドライブギヤ38が矢印d′方
向に移動してカラー36の端面に当接すると,マニュア
ルドライブギヤ38はマニュアルコントロールシャフト
32と一体化されて図1の矢印c′方向に回転し,その
結果マニュアルドリブンギヤ27と一体の第3ギヤ26
が180°回転し,ロック手段Rが作動解除される。こ
のとき,第2一方向クラッチ24はスリップして第3ギ
ヤ26の回転を許容するとともに,第1一方向クラッチ
20はスリップして第3ギヤ26の回転がモータ15に
逆伝達されることを防止する。
【0043】ロック手段Rが作動解除された後にマニュ
アルレバー34を放すと,リターンスプリング37の弾
発力でマニュアルコントロールシャフト32が矢印c方
向に回転し,フリクションスプリング41により摩擦力
を与えられたマニュアルドライブギヤ38はリターンス
プリング39及び早ネジ322 の作用で矢印d方向に移
動し,マニュアルドリブンギヤ27との噛合が解除され
る。
【0044】通常の状態ではマニュアルドライブギヤ3
8とマニュアルドリブンギヤ27とは噛合していないた
め,モータ15を駆動してロック手段Rを作動又は作動
解除する際に,そのモータ15の駆動力がマニュアルレ
バー34に伝達されることはない。またマニュアルレバ
ー34を操作すると,マニュアルレバー操作検出センサ
60の出力に基づいてキルスイッチ52が開成し,これ
によりモータ15の駆動が禁止されて手動操作とモータ
15による操作との干渉が防止される。
【0045】尚,マニュアルレバー34によりロック手
段Rを作動解除状態から作動状態に操作することも可能
である。
【0046】次に,パーキング装置に発生し得る各種の
トラブルとそれに対する対処の方法とを,各々の場合に
ついて説明する。 パーキング装置が作動解除しなくなったとき 図5に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「P」レンジから「D」レンジ,「N」レンジ又は
「R」レンジに操作したときに本来作動すべきモータ1
5が何らかの理由で作動しない場合,ロック手段Rは作
動状態にホールドされてしまう。このとき,セレクトポ
ジションランプ57は[P]ランプが点灯したままにな
り,警報手段59が作動して「マニュアルレバーを操作
せよ」のランプが点灯する。
【0047】警報手段59により故障を報知されたドラ
イバーがマニュアルレバー34を操作すると,マニュア
ル操作手段Mによりロック手段Rが作動解除され,新た
に選択されたセレクトポジションに対応する[D]ラン
プ,[N]ランプ又は[R]ランプが点灯するとともに
警報手段59が作動停止し,車両は走行可能な状態とな
る。 パーキング装置が作動しなくなったとき 図6に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「D」レンジ,「N」レンジ又は「R」レンジから
「P」レンジに操作したときに本来作動すべきモータ1
5が何らかの理由で作動しない場合,ロック手段Rは作
動解除状態にホールドされてしまう。このとき,セレク
トポジションランプ57は[P]ランプが点灯せず,警
報手段59が作動して「ハンドブレーキを操作せよ」の
ランプが点灯する。その結果,警報手段59により故障
を報知されたドライバーがハンドブレーキを操作するこ
とにより,車両はパーキング可能な状態となる。 パーキング装置が自発的に作動解除するとき 図7に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「P」レンジから「D」レンジ,「N」レンジ又は
「R」レンジに操作しないにも関わらずモータ15が何
らかの理由で勝手に作動してロック手段Rが作動解除し
てしまうと,セレクトポジションランプ57は[P]ラ
ンプが消灯してしまい,警報手段59が作動して「ハン
ドブレーキを操作せよ」のランプが点灯する。その結
果,警報手段59により故障を報知されたドライバーが
ハンドブレーキを操作することにより,車両はパーキン
グ可能な状態となる。 パーキング装置が自発的に作動するとき 図8に示すように,ドライバーがセレクトスイッチ55
を「D」レンジ,「N」レンジ又は「R」レンジから
「P」レンジに操作しないにも関わらずモータ15が何
らかの理由で勝手に作動してロック手段Rが作動してし
まうと,セレクトポジションランプ57は[P]ランプ
が点灯し,警報手段59が作動して「マニュアルレバー
を操作せよ」のランプが点灯する。更に車両が走行中
(車速センサ56で検出した車速がキルスイッチ52の
開成速度以下の場合)であれば,ロック手段Rがスリッ
プして異音が発生する。
【0048】警報手段59により故障を報知されたドラ
イバーがマニュアルレバー34を操作すると,マニュア
ル操作手段Mによりロック手段Rが作動解除され,本来
のセレクトポジションに対応する[D]ランプ,[N]
ランプ又は[R]ランプが点灯するとともに警報手段5
9が作動停止し,車両は走行可能な状態となる。 パーキング装置が連続作動及び作動解除するとき 図9に示すように,セレクトスイッチ55の位置に関わ
らず何らかの理由でモータ15が連続回転するとロック
手段Rが作動及び作動解除を繰り返してしまい,[P]
ランプが点滅するとともに警報手段59のランプが点滅
し,更に車両が走行中であればロック手段Rがスリップ
して異音が発生する。
【0049】警報手段59により故障を報知されたドラ
イバーがマニュアルレバー34を操作すると,マニュア
ルレバー操作検出センサ60によりキルスイッチスイッ
チ52が開成してモータ15が停止し,同時にマニュア
ル操作手段Mによりロック手段Rが作動解除され,警報
手段59が作動停止して車両は走行可能な状態となる。
また,警報手段59により故障を報知されたドライバー
がハンドブレーキを操作することにより,車両はパーキ
ング可能な状態となる。
【0050】以上,本発明の実施例を詳述したが,本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0051】例えば,本発明のパーキング装置は電動車
両用に限定されず,内燃機関を駆動源とする車両に対し
ても適用することができる。
【0052】
【発明の効果】以上のように請求項1の発明によれば,
マニュアルレバーの操作によりロック手段を作動解除す
るマニュアル操作手段を備え,このマニュアルレバーを
操作すると,モータの駆動が禁止されるようにしたの
で,モータの駆動系統の故障等によるも,マニュアル操
作手段によりロック手段を作動解除することができ,ま
た手動操作とモータによる操作との干渉が防止される。
【0053】また請求項2の構成によれば,モータの前
記駆動禁止は,マニュアルレバー操作検出センサの出力
に基づくキルスイッチの開成によりなされる。
【0054】また請求項3の構成によれば,モータを駆
動してロック手段を作動又は作動解除する際に,そのモ
ータの駆動力がマニュアルレバーに伝達されないように
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】パーキング装置の全体構成図
【図2】図1の2−2線拡大断面図
【図3】制御系のブロック図
【図4】作用を説明するフローチャート
【図5】パーキング装置が作動解除しなくなったときの
説明図
【図6】パーキング装置が作動しなくなったときの説明
【図7】パーキング装置が自発的に作動解除してしまう
ときの説明図
【図8】パーキング装置が自発的に作動してしまうとき
の説明図
【図9】パーキング装置が作動及び作動解除を繰り返す
ときの説明図
【符号の説明】 11 リミットスイッチ(ロック作動完了確認手
段) 12 ストロークセンサ(ロック作動状態確認手
段) 15 モータ 51 バッテリ 55 セレクトスイッチ(パーキング指令手段) 58 専用バッテリ 59 警報手段 D 駆動力伝達手段 R ロック手段 U 電子制御ユニット(モータ駆動制御手段,
モータ停止制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳島 昭治 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 今村 正広 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 小嶋 誠 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 鈴木 勉 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーキング指令を出力するパーキング指
    令手段(55)と;車輪の回転をロックするロック手段
    (R)と;パーキング指令手段(55)がパーキング指
    令を出力したときにロック手段(R)を作動させるべく
    モータ(15)の駆動を開始するモータ駆動制御手段
    (U)と;ロック手段(R)の作動完了を確認するロッ
    ク作動完了確認手段(11)と;ロック作動完了確認手
    段(11)がロック手段(R)の作動完了を確認したと
    きにモータ(15)の駆動を停止するモータ停止制御手
    段(U)と;を備えた車両用パーキング装置において,
    モータ停止制御手段(U)によりモータ(15)の駆動
    を停止した後にロック手段(R)の作動状態を確認する
    ロック作動状態確認手段(12)と,このロック作動状
    態確認手段(12)によりロック手段(R)の作動状態
    が確認されないときに運転者に警報を発する警報手段
    (59)とを備えたことを特徴とする車両用パーキング
    装置。
  2. 【請求項2】 警報手段(59)はモータ(15)のバ
    ッテリ(51)とは別個の専用バッテリ(58)を電源
    とすることを特徴とする,請求項1記載の車両用パーキ
    ング装置。
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