JP2001213047A - 色材析出膜の形成方法 - Google Patents

色材析出膜の形成方法

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JP2001213047A
JP2001213047A JP2000368873A JP2000368873A JP2001213047A JP 2001213047 A JP2001213047 A JP 2001213047A JP 2000368873 A JP2000368873 A JP 2000368873A JP 2000368873 A JP2000368873 A JP 2000368873A JP 2001213047 A JP2001213047 A JP 2001213047A
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Hidekazu Akutsu
英一 圷
Shigemi Otsu
茂実 大津
Ryujun Fu
龍淳 夫
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顔料系の微粒子色材を用いて高画質を実現す
るとともに、光画像信号に対応して発生する如き、色材
析出膜形成部と基準電極の電位差が小さい印加電圧によ
っても色材析出が可能であり、安全性高く、簡易な方法
で、自由度の高い色材析出膜の形成方法を提供するこ
と。 【解決手段】 微粒子色材とpHの変化により化学的に
溶解或いは析出・沈降する高分子化合物を含む電着材料
とを含有する水系分散液に、少なくとも色材析出膜のパ
ターンに従って電流または電界を供与できる電極と色材
析出膜を保持しうる保持面とを有する保持部材の、少な
くとも前記保持面を接触させた状態で、保持部材の所望
部と対向電極とに、色材析出膜のパターンに従って電流
または電界を供与し、保持部材の表面近傍の水系分散液
のpHを変化させることにより微粒子色材を含んだ電着
材料を析出・沈降させて色材析出膜を形成することを特
徴とする、色材析出膜の形成方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【0002】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子色材と高分
子化合物を含む電着材料を、電気化学的に析出・沈降さ
せて色材析出膜を形成する方法に関する。
【0003】
【従来の技術】オフィス用画像記録技術には、液体の画
像形成材料を用いているものも数多くある。例えば、銀
塩技術・インクジェット技術・電子写真技術などであ
る。
【0004】銀塩を用いた印字技術は、種村初実他“銀
塩写真方式による高画質カラーコピーシステム”Jap
an Hardcopy ’89 研究発表予稿集P2
29。液体現像の電子写真技術を用いた印字技術は、
E.B.Caruthers,et al.,”Mod
eling of Liquid Toner Ele
ctrical Characteristics ”
Proceedingsof IS&T 10th I
nt`l.Congress on Advances
in Non−Impact Printing T
echnologies P204(`94)。インク
ジェット技術用いた印字技術は、碓井稔”新方式MAC
Hの開発”Japan Hardcopy ’96 研
究発表予稿集P161など多くの技術発表がある。
【0005】従来からの印字技術においては、銀塩を用
いた印字技術では、画質や画像堅牢性の問題は無いが、
化学的な反応を伴う印字プロセスのため化学的に活性な
金属化合物などの薬剤の使用や廃棄があり、オフィスへ
の適応に問題を生じている。インクジェット印字技術で
は、ノズル径と印字の信頼性の問題により高解像度化が
得にくく、また画像形成材が一般的に水性染料であり、
画像堅牢性、安全性や普通紙印字性に問題がある。電子
写真技術は、画質や普通紙印字性、印刷並みの画像堅牢
性には問題は無いが、定着部での消費エネルギーが大き
く、また印字プロセスが複雑なため機械サイズが大きく
なったり、安全性・信頼性に問題が生じたりしている。
【0006】また、本発明の画像形成方法に近い従来技
術としては、絶縁性液体中に色材を分散させ電気2重層
を発生させた電着液を用いた技術が特開平7−1817
50号、特公平7−54407号に開示され、導電性基
板の上に絶縁性パターンを設け印刷版とした電着印刷技
術を用いた技術が、微細パターンの形成方法として特開
平4−9902号に、電着オフセット印刷方法および印
刷版として特開平6−293125号にそれぞれ開示さ
れている。
【0007】ところで、オフィスで用いる印字技術に要
求される特性として、600DPI以上/多値階調のカ
ラ−高画質を得られること、普通紙印字が可能なこと、
印刷並みの画像堅牢性、印字記録物および印字機械の安
全性の高さ、廃棄物が殆どないこと、ランニングコスト
が低いこと、などが要求されている。それに対して、従
来技術では、先に述べたような種々の欠点があり、ま
た、電着性を利用した前記各特許に記載の技術もまた、
それらを完全に満足出来る技術は完成されていない。
【0008】高画質(1000DPIレベルの解像度/
良好なカラー再現/多値階調)を達成する場合、画像構
造は色彩の再現域と画像のシャープ性の関係から画像厚
みが2ミクロン以下、より好ましくは1ミクロン以下の
厚みであることが好ましくなる。それにより画像構造を
与える要素である画像形成材料の平均形状径がサブミク
ロン以下のサイズで有る必要になる。しかしながら、画
像形成材料の平均形状径が5ミクロン以下では流動性に
問題がでてくるため粉体系画像形成材料は実用上、使用
が困難なものとなる。一方、液体系画像形成材料はこの
点でかなり有効なものになると考えられる。また、数ミ
クロンオーダー画像の画像形成工程においては、画像形
成材料粒子の微小域での精度の高い画素形状の制御が技
術的に難しく、電着材に微小な最小粒子である分子オー
ダーの染料水溶液を利用することは精度の高い色材制御
方法の見地からも非常に有効な方法の1つと考えられ
る。
【0009】前記特開平7−181750号等の特許で
示される絶縁性液体現像剤を用いた電子写真技術は、画
像形成材料形状径がサブミクロンオーダーであるために
高解像度が可能であり、印字の普通紙適正も高い。しか
し現像液として炭化水素系溶剤を用いるために溶剤蒸気
による安全性が大きな問題とされていて、国により使用
が厳しく制限されている例もある。
【0010】また、前記特開平4−9902号等の特許
で示した導電性基板の上に絶縁性パターンを設け印刷版
として用いた電着印刷技術は、事前にホトリソ工程によ
り絶縁性のレジストの非画像部を作成するなど工程が複
雑であるため、毎回画像パターンを変更して印字を行う
ことが難しく、また装置の精度が高く大がかりで工程数
が多く、さらに、廃棄物が多いため設備の整った工場に
設置して印字作業を行う場合に限定されてしか使用が出
来ない。また、画像形成工程の履歴が基板上に残り易
く、微細な画像記録の再現性が低い。そしてまた画像部
が凹みになっているため、画像部も粒子泳動現象による
粒子付着選択性が弱まり、画像部の画像形成材料液体成
分が多く残り易くこのために粘度が低くくなり、転写工
程で画像部の画像形成材料が流動や凝集破壊を発生しや
すく、高画質が得にくくなっている。また、これらはい
ずれも微細パターン対応の印刷版を作成する技術であ
り、直接記録媒体に画像を記録するものではなかった。
【0011】このように、従来の画像形成方法では、安
全性が高く、簡易な装置で実施し得る、前記のオフィス
で用いる印字技術に要求される特性を満足させた印字技
術は未だ実現されていなかった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】高画質(600DPI
/多値階調以上)を実現させるには、色材析出膜形成材
料形状が1ミクロン以下であることが好ましく、それに
より微粒子色材を含有できる液体系画像形成材料を用い
る必要がある。オフィスに設置される事も考慮すると画
像形成材料に使われる液体として安全性が高い必要があ
り、好ましくは安全性に問題のない水を選択するべきで
あろう。また、オフィスでの印字技術は、少量多品種の
プリントを簡易に、安価に作成する必要があるので再生
できない印刷版を用いる印字プロセスは適応性に乏し
い。それ故に、毎回プリント時に画像信号を入力してイ
メージ情報を作り、プリント出力は画像化した画像形成
材料が普通紙などのユーザーの各種ニーズに対応した各
種記録媒体に転写して記録する系のものが市場では好ま
れる。
【0013】しかも、色材析出膜形成材料の色材は画像
の堅牢性、高光学濃度化や人体に取り込まれない安全性
を考慮すると顔料系の色材を用いることが必要となる。
そして、印字工程では、必要以上にエネルギーの消費は
抑制されなければならない。
【0014】本発明は前記各特性を鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は、顔料系の微粒子色材を用いて
高画質を実現するとともに、光画像信号に対応して発生
する如き、色材析出膜形成部と基準電極の電位差が小さ
い印加電圧によっても色材析出が可能であり、安全性高
く、簡易な方法で、自由度の高い色材析出膜の形成法法
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】(1)微粒子色材とpH
の変化により化学的に溶解或いは析出・沈降する高分子
化合物を含む電着材料とを含有する水系分散液に、少な
くとも色材析出膜のパターンに従って電流または電界を
供与できる電極と色材析出膜を保持しうる保持面とを有
する保持部材の、少なくとも前記保持面を接触させた状
態で、保持部材の所望部と対向電極とに、色材析出膜の
パターンに従って電流または電界を供与し、保持部材の
表面近傍の水系分散液のpHを変化させることにより微
粒子色材を含んだ電着材料を析出・沈降させて色材析出
膜を形成することを特徴とする、色材析出膜の形成方
法。
【0016】(2)前記高分子化合物が、分子内に疎水
基と親水基を併せ持つ高分子化合物であることを特徴と
する前記(1)に記載の色材析出膜の形成方法。 (3)前記高分子化合物は、その親水基が、保持部材表
面の電着液のpH変化によりイオン解離が抑制されて疎
水性の機能を発現することにより、保持面に析出・沈降
することを特徴とする前記(1)または(2)に記載の
色材析出膜の形成方法。 (4)前記親水基がカルボキシル基またはアミノ基であ
ることを特徴とする前記(1)ないし(3)のいずれか
1に記載の色材析出膜の形成方法。
【0017】(5)pH変化に対する前記高分子化合物
の溶解・析出特性が、ヒステリシス曲線を示すことを特
徴とする前記(1)ないし(4)のいずれか1に記載の
色材析出膜の形成方法。 (6)前記高分子化合物が、アルケン、スチレン、α−
メチルスチレン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メ
チル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリ
ル酸ラウリルおよびこれらの誘導体から選ばれる疎水基
を含むモノマー単位を有することを特徴とする前記
(1)ないし(5)のいずれか1に記載の色材析出膜の
形成方法。 (7)前記高分子化合物が、60〜300の範囲の酸価
を有することを特徴とする前記(1)ないし(6)のい
ずれか1に記載の色材析出膜の形成方法。 (8)前記水系分散液が、沸点が120℃以上であり、
且つ、大気中での蒸気圧が100mmHg以下の水溶性
溶剤を含有することを特徴とする前記(1)ないし
(7)のいずれか1に記載の色材析出膜の形成方法。
【0018】(9)微粒子色材の平均粒子径が0.02
〜0.3μmの範囲にあることを特徴とする前記(1)
ないし(8)のいずれか1に記載の色材析出膜の形成方
法。 (10)前記水系分散液の導電度が105Ω・cm以下
であることを特徴とする前記(1)ないし(9)のいず
れか1に記載の色材析出膜の形成方法。 (11)前記高分子化合物が溶解した水系分散液のpH
値の変化に対して、高分子化合物の溶解状態から上澄み
を発生して沈殿を生じる液性変化がpH範囲領域1以内
で生ずることを特徴とする前記(1)ないし(10)の
いずれか1に記載の色材析出膜の形成方法。 (12)前記電流または電界を供与する際、保持部材に
おける発泡現象を抑制しつつ行うことを特徴とする前記
(1)ないし(11)のいずれか1に記載の色材析出膜
の形成方法。
【0019】(13)前記像保持部材が導電性の表面を
有する基板と光導電物質膜を有し、前記電流または電界
の供与が、前記光導電物質膜への光照射により行われる
ことを特徴とする前記(1)ないし(12)のいずれか
1に記載の色材析出膜の形成方法。 (14)前記電流または電界の供与は、前記光導電物質
膜への光照射に加え、光導電物質膜へのバイアス電圧の
印加により行われることを特徴とする前記(1)ないし
(13)のいずれか1に記載の色材析出膜の形成方法。 (15)前記基板が透明基板であり、前記光照射が前記
光導電物質膜とは反対側から行われることを特徴とする
前記(1)ないし(14)のいずれか1に記載の色材析
出膜の形成方法。 (16)前記水系分散液がpH調整剤を含むことを特徴
とする前記(1)ないし(15)のいずれか1に記載の
色材析出膜の形成方法。
【0020】
【発明の実施の形態】以下に、本発明をより詳細に説明
する。
【0021】本発明の色材析出膜の形成方法(なお、以
下において、色材析出膜を画像と、また、色材析出膜の
形成方法を画像形成記録方法ということがある。)は、
液体を保持し得る容器内に、少なくとも画像パターンに
従って電流または電界を供与できる電極と画像を保持す
る平面部材とを有する像保持部材と、電極対の他方であ
る対向電極を合わせ持つ装置の該容器内に、微粒子色材
とpHの変化により化学的に溶解或いは析出・沈降する
高分子からなる電着材料とを含有する水系分散液(以
下、適宜、水系色材電着液又は単に電着液と称する)を
満たした装置を用いるが、まず、水系色材電着液につい
て述べる。
【0022】水系色材電着液の構成材料は、水不溶性の
色材粒子、水系電着材料、水および水系溶媒が主成分で
あり、その他に湿潤材、水溶性高分子材、エマルジョン
材、ラテックス材、各種溶剤、界面活性剤、防腐・防カ
ビ剤、pH調整剤などの添加剤を本発明の効果を損なわ
ない限りにおいて使用することができる。
【0023】水系色材電着液の組成としては、固形分が
1重量%から40重量%であり、好ましくは5重量%か
ら19重量%である。1重量%より薄い固形分濃度域で
は、色材成分の分散安定性が得られにくく、また画像の
十分な光学濃度が簡単に得られにくいなど問題がある。
また40重量%より濃い固形分濃度域では、電着時液の
不均一性を生じ易く、さらに、液がチキソトロピー性を
示すため液搬送等の取り扱い方が複雑になるなど問題が
ある。
【0024】電着液の固形成分において、色材成分量は
全固形成分中で20重量%から80重量%であり、好ま
しくは30重量%から50重量%が良好である。上記範
囲より低い値では、画像のグロスが高くなりすぎたり、
画像の光学濃度が低下したりする原因となる。また上記
範囲より高い値では、電着効率が低下したり画像の層形
成に欠陥や不良を生じやすく定着強度も低くなり色調に
も問題を生じたりする。
【0025】電着液の導電度は、105 Ω・cm以下、
好ましくは103 Ω・cm〜1Ω・cmの範囲である。
上記範囲より高い値では、電着電圧が高くなり電極の発
泡現象が活発化したり電着現象が不安定になり、形成さ
れた画像の膜質のバラツキが生じやすくなる。また、低
すぎると、画像信号の電流の拡散が生じ、画像の解像度
が低下する。
【0026】電着液の粘度は1cpsから1000cp
sの範囲が良く、より好ましくは10cpsから200
cpsの範囲である。上記範囲より低い値では、液体の
粘性が不足するために液滴の飛散が生じやすくなり、上
記範囲より高い値では、電着液体の搬送性や撹拌におい
て稼働負荷が大きくなり、複雑な粘性特性を示したりで
効率低下などの問題となる。
【0027】電着液のpHの初期値の設定において、電
着液に含まれる電着材料が陽極析出である電着法を適用
する場合は、析出開始pH点より1±2の値のpH値に
設定する、より好ましくは1±1.5の値に設定する。
また電着材料が陰極析出である電着法の時は析出開始p
H点より−1±2の値のpH値に設定する、より好まし
くは−1±1.5のpH値に電着液のpHを設定する。
このような初期値に設定することにより、電着材料の析
出、沈降がシャープに行われ、高い電着膜生成効率が保
たれる。上記範囲外の析出開始pH点より析出しやすい
pHの設定では、電着液の分散安定性が得られず非画像
部に色材粒子の析出を生じたり電着量バラツキが生じる
など不都合がある。また上記範囲外の析出開始pHの設
定では、電着膜生成効率が低く電着電位の上昇や生成膜
の膜性に問題を生じる。
【0028】前記好ましい電着液の特性に関与して、本
発明の画像形成記録材料において重要な機能を果たす電
着材料は、電着液の主成分である水系液体における色材
粒子の分散安定性向上機能、電着吸着現象、即ち、環境
の電気化学的変化により速やかに析出・沈降して電着膜
(画像)を形成する機能、及び、電着した膜(画像)へ
耐水性付与機能を重要な役割としている。このため、電
着材料は、親水性で水系液体中でイオン解離し易い基
(親水基)と水を嫌う疎水基の両方を有する分子構造が
必要である。
【0029】ここで、本発明の画像形成作用について説
明するに、電着材料を構成する高分子内のイオン解離し
ている親水基は、通電による像保持部材表面の電着液の
pH変化によりイオン解離が抑制されて疎水性の機能を
発現するようになり、それにより電着材料自体の構造全
体が疎水化され、色材を内在する電着材料が水系液体に
対して不溶化し、像保持部材表面に析出・沈降して画像
を形成するものである。この現象は、pHの変化により
電着材料の液体中に広がっていた分子鎖が収縮され色材
粒子と一緒に凝集が生じ、そして色材粒子を含む画像の
析出現象が観察されるものと考えられる。
【0030】この電着材料に用いる高分子化合物を選択
する目安として高分子のpHの変化に伴う溶解特性を図
1のグラフに示す。図1は、各種の電着材料に用いる高
分子の溶解特性と溶液のpHとの関係を示すグラフであ
る。高分子内の親水基と疎水基とのバランスが良好で、
且つ、条件により疎水基に変わり得る親水基を有する材
料においてはグラフA(実線で示す)のように、あるp
H値を境に急激に析出がおこる、一方、親水基の多い材
料の場合、グラフB(破線で示す)のようにpH値に係
わらず溶解性が良好となる。また、疎水基が多い場合、
グラフC(二点破線で示す)の材料のようにpH値に係
わらず不溶なものとなる。さらに、親水基と疎水基との
バランスが良好であっても、疎水基に変わり得る親水基
を有さないか、その割合の少ない材料は、グラフD(一
点破線で示す)のように、溶解性は変化してもその溶解
/析出の変化は画像形成には不充分である。これらの特
性は材料と用いる溶媒との関係でも変化する。本発明に
おいてはグラフAに示すような、あるpH値を境に急激
に析出がおこるものが好ましい。
【0031】電着材料は、熱可塑性樹脂成分を含有した
構成であり、調整を行った水系液体に対して十分な溶解
性を示さなければならない。そして、図1のグラフAに
示すように電着材料が溶解した電着液のpH値の変化に
対して電着材料の溶解状態から上澄みを発生して沈殿を
生じる液性変化がpH範囲領域1以内で生じることが必
要とされる。より好ましい特性を得るには、pH範囲が
0.5以内であることが好ましい。この範囲の特性によ
り、通電による急峻なpH変化に対しても瞬時に画像の
析出を可能とし、また析出する画像の凝集力を高め、電
着液への再溶解速度を低減させる機能の付与を可能にし
ている。それにより、画像の耐水性も得ている。電着液
のpH値の変化に対して溶解状態から沈殿を生じる液性
変化のpH範囲領域が1より大きい場合は、十分な画像
構造を得るための印字速度の低下や画像の耐水性の欠如
など印字特性に問題を残す場合がある。
【0032】例えば、カルボキシル基を親水基として用
いた場合、析出開始点及び溶解開始点のpHは酸性領域
に設定することが必要であるが、一般的には析出開始点
及び溶解開始点のpHは5.0以上、6.9以下、好ま
しくは、5.5以上、6.5以下の設定とするのがよ
い。これら記録材料の少なくとも画像保持体表面に接す
る部分の記録材料のpHが前記値に設定されればよい。
実際には、記録材料の緩衝液を用い、市販のpHメータ
ーと目視によって記録材料の析出開始点及び溶解開始点
を確認することができる。
【0033】本発明に係る電着材料の機能としては、以
上の作用特性が必要とされ、そのため以下に述べる如
き、構造、特性を有することが必要である。
【0034】電着材料は、イオン解離する親水基を有す
るモノマー単位と、水系電着液に対する不溶化を促進さ
せる疎水基を有する最小モノマー単位とを含む共重合体
により構成され、該共重合体高分子のモノマー単位の疎
水基数が親水基と疎水基の総数の割合が40%から80
%の範囲に構成され、より好ましくは55%から70%
の範囲に構成されたものが特に電着析出効率が高く、低
い電着電位で膜形成できる電着特性を示し、電着液の液
性も安定しているため、好ましい。なお、この親水基と
疎水基の数は、例えば、ビニル系重合体等の場合、高分
子重合反応時のモノマーの仕込み比を基準として算出す
ることができる。
【0035】電着材料を構成する共重合体のモノマー単
位の疎水基数が親水基と疎水基の総数の割合が40%未
満のものは、電着時に形成された電着膜の耐水性や膜強
度が不足し、疎水基数が親水基と疎水基の総数の割合が
80%以上の場合は、水系液体への溶解性が不十分とな
り、電着液体が濁ったり、電着材料の沈殿物が生じた
り、電着液の粘度が上昇する等の問題があり、いずれも
好ましくない。
【0036】析出・沈降して画像形成された電着膜の耐
水性と、これら疎水基と、親水基と疎水基の総数の割合
との関連を図2のグラフに示す。このグラフの横軸に平
行なラインaが画像を保持するために必要な耐水性域で
あり、ラインbは耐水性良好域である。縦軸に平行なラ
インcよりも疎水基が増えると高分子材料の溶解性低下
により溶液の性状が不安定な域となり、ラインdを超え
ると材料が難溶性となり測定が不能な域である。
【0037】この電着材料に使われる親水基を含むモノ
マー単位としては、メタクリル酸、アクリル酸、メタク
リル酸ヒドロキシエチル、アクリルアミド、無水マレイ
ン酸、無水トリメリト酸、無水フタル酸、ヘミメリット
酸、コハク酸、アジピン酸、プロピオル酸、プロピオン
酸、フマル酸、イタコン酸、などおよびこれらの誘導体
が用いられる。特に、メタクリル酸、アクリル酸はこの
電着現象に対して作用/効果が大きく、pH変化による
電着効率が高くまた親水化効率も高く有用な親水性モノ
マー構造単位となっている。
【0038】本発明に種々のポリマーを使用することが
できるが、好適にはビニル系モノマーから得られるビニ
ル系重合体、ポリオール及びポリカルボン酸の縮重合に
よって得られるポリエステル樹脂が挙げられる。重合体
中の親水基と疎水基との比は前述した通りであるが、ビ
ニル系重合体の場合、ビニル系重合体を構成するモノマ
ー単位の疎水基数が親水基/親水基と疎水基の総数の割
合の40%から80%の範囲となるようにモノマーを仕
込むことにより、得られる重合体においてもほぼ同等の
比の重合体が得られる。ポリエステル樹脂の場合、ポリ
オールの水酸基とポリカルボン酸のカルボキシル基との
縮重合によって末端に水酸基を有するかカルボキシル基
を有する重合体が得られるが、この場合、ポリカルボン
酸の仕込み量をポリオールよりも多くすることによって
末端にカルボン酸を有する重合体が得られる。この場
合、仕込み時に使用されるモノマー単位の疎水基数、親
水基数と得られた重合体のそれとは異なるものとなる。
本発明では、得られた重合体中の親水基と疎水基との比
が重要である。
【0039】また、この電着材料を構成する共重合体の
モノマー単位の親水基部分の50%以上、より好ましく
は75%以上がpHの変化により親水基から疎水基に可
逆的に変化できるモノマー単位の親水基部分であること
が好ましい。この親水基は、水系溶媒中でイオン解離し
て親水性を示すが、電着液のpH変化によりイオン解離
が抑制されて疎水性の機能を発現するような官能基であ
る。
【0040】このイオン解離する親水基としては、具体
的には、カルボキシル基、アミノ基、スルホン酸基、第
4アンモニウム基、硫酸エステル基等が挙げられるが、
中でもカルボキシル基又はアミノ基を親水基として有す
るものが、電着現象において画像の析出効率が良く、堅
牢性の高い電着膜作成の特性を示している。これらの基
は、pHの変化により親水基から疎水基に可逆的に変化
する効率が高く、本発明に適用するのに好適である。
【0041】詳細には、画像パターン発生部が基準電極
より陽極性である場合、電着材料にカルボキシル基を有
し、水系液体中で親水基部分であるカルボキシル基がイ
オン解離して陰イオン基となり、同時にこの電着材料の
一部が色材粒子表面に結合・付着または会合をしてい
て、その電着材料の酸価が60から300の範囲にある
ことが好ましく、最適には、酸価が90から150の範
囲にあることが好ましい。画像パターン発生部が基準電
極より陰極性である場合、前記電着材料がアミノ基を有
し、水系液体中で電着材料の親水基部分であるアミノ基
がイオン解離して陽イオン基となり、同時にこの電着材
の一部が色材粒子表面に結合・付着又は会合をしている
ことが好ましい。
【0042】このような構造変化しうる親水基を含む電
着材料は、図3に実線で表すように、所謂ヒステリシス
曲線を示す。即ち、pH値の変化に対して、再溶解が急
激に行われず、析出状態で一定期間保持されるが、この
特性が画像形成性と形成された画像の安定性の観点から
は理想的である。先の図1に示すグラフAで表されるよ
うな析出特性に加えて、このような再溶解特性を有す
る、即ち、図3のグラフ中のΔtが大きいものが好まし
い。Δtは析出した電着膜(画像)の耐水性を示す尺度
となる。図3中に破線で表す高分子化合物は、実線で示
す共重合体と同様の構造を有しているが、分子量が4,
000未満であり、耐水性が低いために再溶解しやす
く、このような再溶解特性を示す材料では画像の形成性
は良好であるが、形成された画像の安定性にやや劣るた
め、像の保持及び記録媒体への転写工程部への搬送に工
夫が必要となる。
【0043】このようなヒステリシス曲線の形成には、
高分子化合物の特性のみならず、材料の析出に係わる特
性も関与する。即ち、析出した電着材料が凝集して、溶
液が凝集材料の塊状体より押し出されるため、凝集材料
とその中に取り込まれた微粒子色材により形成された画
像に含まれる水分量が調整され、例えば、形成された画
像を転写するために転写手段まで搬送する際に、電圧の
印可が停止され、溶液のpH値が再度変化しても、すぐ
には電着材料の再溶解が開始されず、画像の安定性が良
好となることも知られている。
【0044】電着材料の構造内の疎水基は、色材として
用いる有機顔料に対し親和性が強く、顔料に対する吸着
能力があり、良好な顔料分散機能を付与させる。また、
電圧の印加によるpHの変化により電着材料の親水基部
分の親水性脱離に対して、瞬時に画像析出させる印字の
機能も付与させている。特に、電着材料のモノマー単位
の疎水基数が親水基と疎水基の総数の割合が40%から
80%の範囲のものは、強固な膜を形成させる電着電位
を低減させる効果が大きく、それにより光入力による光
起電力を用いた低電位な印字プロセスを完成させるのに
は不可欠の条件となっている。
【0045】この電着材料に使われる疎水基を含むモノ
マー単位としては、アルキル基、スチレン、α−メチル
スチレン、α−エチルスチレン、メタクリル酸メチル、
メタクリル酸ブチル、アクリロニトリル、酢酸ビニル、
アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ラ
ウリル、などおよびこれらの誘導体が用いられる。特
に、スチレン、α−メチルスチレンは疎水化効率が高
く、電着析出効率が高く、そして製造の重合時の制御性
も高く、有用な疎水性モノマー構造単位となっている。
【0046】陽電極に画像析出するタイプの電着材料の
酸価は60から300の範囲が、良好な電着特性が得ら
れるという観点から好適である。電着材料の酸価が60
以下では、水系液体への溶解性が不十分となり、電着液
の固形分濃度を適正値まで上げることが出来なくなった
り、液体が濁ったり沈殿物が生じたり、液粘度が上昇し
たりし問題が生じる。また、電着材料の酸価が300以
上では、形成された膜の耐水性が低かったり、通電電気
量に対する電着効率が低かったりする。
【0047】本発明に係る電着材料は、上記の如く、親
水基と疎水基を含む分子を前記の比率で共重合した高分
子化合物を主成分とするものであるが、各親水基及び疎
水基の種類は1種に限定されるものではない。また、共
重合体は、ランダム、ブロック、グラフト共重合体のい
ずれであってもよい。
【0048】そして、この共重合体の分子量は、電着し
た膜性や膜の接着強度の面から平均分子量が4,000
から30,000のものが良好な電着膜(析出画像)を
得られる。より好ましい膜性や膜の接着強度の面から
は、平均分子量が9,000から20,000のものが
好適である。平均分子量が4,000より低いと析出形
成された電着膜が不均一で耐水性が低いため、形成され
た画像の堅牢性が低く、画像様に保持されず粉末化する
虞がある。一方、平均分子量が30,000より高い
と、水系液体への溶解性が不十分となり、電着液の固形
分濃度を適正値まで上げることが出来なくなったり、液
体が濁ったり沈殿物が生じたり、液粘度が上昇したりし
問題を生じる。
【0049】電着材料の好ましい特性は前記の通りであ
るが、本発明の画像形成記録方法に用いられる画像形成
材料を構成する電着材料においては、前記の各特性の全
てをバランスよく備えていることが好ましい。
【0050】また、本発明の画像形成記録方法に用いら
れる色材粒子としては、平均粒子径が0.01μmから
1.2μm、好ましくは0.02μmから0.3μmの
範囲のものがが適している。前記平均粒子径範囲を下回
る場合画像層の遮光性が低下して光学画像濃度が低下し
易っかたり画像に必要以上のグロスの発生が生じたり安
全性に問題を発生したりしやすい。また、前記平均粒子
径範囲を上回る場合色材粒子の電着液の分散状態が不良
になり析出物を生じたり、色材粒子が含有する画像層の
均一性に問題が生じたり粒子による遮光性が生じ透過型
画像に対応出来なくなったり、画像に必要以上のマット
化の発生を生じたりし易い。特に平均粒子径範囲0.2
0μm以下の範囲では水系分散材として分散安定性に優
れ、また、色の透明性が高い。
【0051】色材粒子材料としては、水に溶解性の無い
又は低い染料や顔料が適しており、具体的には、例え
ば、カーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんが
ら、アルミナホワイト、アルミニウム粉、ブロンズ粉、
酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグネシュウム、群青、
黄鉛、コバルトブルー、紺青などの無機顔料類、トルイ
ジンレッド、パーマネントカーミンFB、ファストイエ
ローG、ジスアゾイエローAAA、ジスアゾオレンジP
MP、レーキレッドC、ブリリアントカーミン6B、フ
タロシアニンブルー、インダントロンブルー、キナクリ
ドンレッド、ジオキサジンバイオレット、ビクトリアビ
ュアブルー、アルカリブルートーナー、アニリンブラッ
ク、パーマネントレッド2B、バリウムリソールレッ
ド、キナクリドンマゼンタ、ナフトールレッドHF4
B、フタロシアニングリーン、ベンズイミダゾロンレッ
ドなどの有機顔料類、ビクトリアブルー4Rベース、ニ
グロシン、ニグロシンベース、C.I. Solven
t Yellow 19 、C.I.Solvent
Orenge 45、C.I. Solvent Re
d8などの油溶性染料類や、その他、分散染料、染め付
けレーキ顔料、色素を樹脂に含有させた樹脂粉末などが
適切な特性が得られるものとして挙げられる。
【0052】また、前記電着材料や色材粒子とともに用
いられる水系溶媒としては、水、メタノール、エタノー
ル、ブタノール、イソプロピルアルコール、などのアル
コール類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類、エタノールアミン、ジメチルアミン、トリエタノー
ルアミンなどの各種アミン類、酢酸、硫酸、リン酸、し
ゅう酸、フタル酸などの酸類など1つまたは複数混合し
て使用することができるが、とくに水を主成分とする混
合溶媒が安全性、安定性やコストの面で非常に有用であ
る。
【0053】水系溶媒成分の蒸発による電着溶液の変質
を防止するために水溶性溶剤を湿潤材として配合するこ
とが好ましいが、この水溶性溶剤としては、親水性が高
く水と共沸点を持ち高沸点で低蒸気圧の液体がよい。必
要特性としては、極性が高い溶媒であり沸点120°C
以上で大気での飽和蒸気圧100mmHg以下、好まし
くは、沸点150°C以上で大気での蒸気圧60mmH
g以下が良い。前記範囲を外れると電着溶液の蒸発が大
きく電着溶液の寿命を短くしたり、液の特性の変化を大
きくしたりし、安定した電着特性を得られにくい。組成
比率は、0.5重量%から70重量%の範囲が良く、好
ましくは5重量%から30重量%の範囲が良い。具体例
としては、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジアセトナ
ルコール、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチ
ルセルソルブ、エチレングリコールジアセテートなどが
代表例として示される。
【0054】高分子添加材、エマルジョン材料の添加
は、電着時の安定した着膜生成特性を与え且つ電着膜の
膜性の改善、電着画像の堅牢性や膜の電気抵抗制御に大
きく効果を示す。それらの添加量は、固形分の含有濃度
として、0.2重量%から50重量%の範囲が良く、好
ましくは1重量%から15重量%の範囲が良い。
【0055】高分子添加材としては、ゼラチン、アラビ
アゴム、ペクチン、カゼイン、デンプン類、微結晶セル
ロース、アルギン酸塩、ポリビニルアルコール、酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアクリル酸共重合体、メチルセルロ
ース系誘導体などが代表例として示される。
【0056】エマルジョン材料としては、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、酢酸ビニルコポリマーエマルジョン、
アクリル酸エステルコポリマーエマルジョン、合成ゴム
ラテックスなどが代表例として示される。
【0057】その他にも、防腐・防カビ剤、微量の界面
活性剤、pH調整剤や液体粘度調整剤などの添加が行わ
れる場合も有る。特に、本発明においては分散媒として
水系の液体を用いているため、微生物の繁殖やカビの発
生により液の劣化が生じ易いく、液の安定性の観点から
は、防腐・防カビ剤を添加することが好ましい。
【0058】本発明の画像形成記録方法における好まし
い画像形成条件および好適に用いられる装置について以
下に示す。
【0059】本発明の方法における画像形成(電着)工
程の電極および像保持部材の間に印加される電圧差は、
±5V以内の直流電源を用いることが多い。但し、画像
上の1画素づつをシャープに再現するため、短時間幅の
直流パルスおよびその短パルスの重箪での信号入力を行
う場合も有る。印加される電圧差は、より好ましくは3
V以内の直流電源を用いる、より膜性を重要視するなら
ば、2.5V以内の直流電源を用いる。5V以上の電圧
差を印加すると液中にある電極表面から溶液の電気分解
による気泡の生成が激しくなり、電極表面の電界分布が
不均一になり、膜自体の膜質が不均一になったり、気泡
の脱泡現象により膜表面が凸凹になったりし、狙いとす
る微細なパターンの画像再現が困難になる。本発明の画
像形成工程に類似した技術に電着塗装があるが、一般
に、電着塗装では、印加電圧を100V以上与えて電着
を行っている。これは、印加電圧が低いと生成する電着
膜の抵抗が高いこともあり電着膜形成が進むに従い電着
膜形成速度が大きく低下し必要な膜厚(一般に20μm
以上)を得られないため、それを避けるため高い電圧印
加を行い電気分解による激しい発泡現象を起こさせ、そ
れを利用して電極面近傍の撹拌を行い新しい電着液に電
極面を接触させることで電着塗装として必要な膜厚を得
ている。
【0060】本発明の狙いは、高画質の画像再現、具体
的には、2μm以下の膜厚レベルでの微細な画像(40
0dpi以上)パターン再現であるために、電着溶液の
電気分解による発泡現象は抑制する必要があり、発生し
ても微細な画像パターン再現に影響を与えないレベルに
抑えなければならない。それにより印加される電圧差
は、5V以内、より微細な画像(800dpi以上)印
字では好ましくは3V以内、より画質を重要視するなら
ば、2.5V以内の直流電界となる。また、電圧印加手
段も電圧の安定化を考慮した3極電極方式を用いる場合
もある。また、このような電圧差の小さい電圧の印加で
画像形成を行うことができるため、本発明の画像形成工
程には、光画像信号入力に対して光画像信号を電流に変
換する機構を電圧印加手段として用いることができる。
【0061】即ち、光起電力は通常1V以下、例えば、
シリコン系の材料を用いた汎用のもので0.6〜0.7
V程度であるが、バイアス電圧が1.5V程度であるこ
とを考慮すれば、本発明の画像形成記録方法は、光画像
信号入力に好適に用い得ることがわかる。
【0062】光書き込みの場合は、像保持部材の構成が
少なくとも面状電極層、光導電性材料層よりなり、光照
射部分の像保持部材表面に電流が流れ色材粒子の電解付
着現象が発生する構造となっている。
【0063】次に、本発明の画像記録方法に好適に用い
得る画像記録装置について説明する。図4は後述する実
施例1に用いる本発明の画像記録装置を示す概略図であ
る。画像記録装置は、電着用水系色材液1を満たした電
着液浴1内に、裏面から画像信号を入力できるワーク電
極の付いた平面部材からなる像保持部材3が、裏面がそ
の液浴の外部に出るように配置され、対向電極5、塩橋
を利用した制御電極6も同浴1内に設置されている。こ
の像保持部材3は、4mm厚の板ガラス基板にITOの
透明導電層を与えその上に2層の有機光導電体層の積層
構造により作られ、ITO導電層をワーク電極とし、有
機光導電体層の表面は段差が無く平滑になしてある。各
電極をポテンショスタット電源4に結線し、像保持部材
3の裏面の光画像入力部に画像入力しながらポテンショ
スタット電源4より、ワーク電極と対向電極5の間に電
圧を印加し、電着液中の電着材料を色材粒子と共に像保
持部材3の表面に析出させて画像を形成するものであ
る。ここで記録された画像は、後述するように所望によ
り普通紙やプラスチックフィルムのような被転写体に転
写、定着させることもできる。
【0064】この画像記録方法について詳細に説明す
る。図5は電着材料析出による画像記録現象を示す概念
図である。像保持部材3に画像様に配置された疑似電流
供給電極7に直流電源8から電圧が印加されると、電極
7近傍の電着液1のpHが変化し、電着液1中に溶解、
分散された色材粒子を含む電着材料9が像保持部材3の
表面に析出して、画像様に析出した色材を含む高分子化
合物が付着し画像10記録が行われる。また、図6に、
電着液中の電着粒子の構造を概念図で示す。電着液中に
おいて、電着材を構成する高分子化合物25は、色材粒
子24を被覆するようにその表面近傍に存在し、一部が
電着材の遊離イオン26として存在すると推定される。
【0065】次に、このように記録された画像を別の記
録媒体に転写・定着するプロセスについて説明する。図
7(A)は前述の画像記録プロセスを示す概略図であ
る。像保持部材3表面に析出した記録材料によって形成
された画像10が保持されている。(B)は画像転写プ
ロセスを示す概略図である。水系電着液1より取り出さ
れた像保持部材3に被転写体である普通紙11を積層
し、転写ローラー12で加圧、さらに好ましくは加熱、
加圧し、画像10を普通紙11上に転写、定着させる。
(C)は普通紙11上に転写、定着された画像10を示
し、このようにして普通紙(転写媒体)11への画像の
記録が完了する。
【0066】本発明の画像記録方法に用いる像保持部材
は、画像形成される表面の平滑性が高く段差が無いもの
が良好な印字特性を得られ、また良好な転写特性が得や
すく、繰り返し像保持部材を用いて異なる画像を形成す
る場合の画像の残留がを防止し得る観点から、表面エネ
ルギーが低いことが重要な特性となってくる。
【0067】具体的には、像保持部材の表面の表面粗さ
(Ra)が0.01μm から1.5μmの範囲であ
り、より好ましくは0.06μm から0.5μmの範
囲であることにより良好な転写特性が得られる。また、
像保持部材の表面の臨界表面張力は、35dyne/c
m以下、より好ましくは20dyne/cmから29d
yne/cm の範囲であることにより良好な転写特性
が得られる。
【0068】これらの観点から、像保持部材の表面に低
表面エネルギー層を形成することが必要であり、その材
料としては、例えば、フッ素系樹脂、フッ素ゴム(FE
P)、ジメチルシロキサン系樹脂、シリコーンゴム、ワ
ックス系材料等が挙げられ、さらに層自体の電気抵抗を
制御する目的で、これらの材料に導電粉体を混合して得
られる複合材料も使用される。
【0069】像保持部材表面は、前記の如く表面の平滑
性が高く、表面エネルギーの低いものが良好な印字特性
を得られる。特に、この特性は繰り返し像保持部材を用
いる場合において重要な特性となってくる。これによ
り、像保持部材面上の画像の物理的クリーニング性が高
くなり、毎回異なる画像記録を行っても常に前回の記録
画像情報の履歴が残らない印字サイクルを構築できる。
【0070】画像形成工程において、電着溶液の浴の液
性の均一性を保つために、液浴の中での撹拌は行うこと
が、均一性のある画像(電着膜)形成し得る観点から好
ましい。但し、余り強すぎる撹拌は膜生成を遅らせたり
液飛散を発生することもあるため、液の状態を考慮して
好適な攪拌条件を選択する必要がある。
【0071】また液温の制御を行うことにより、より均
一で良い膜性を得ることができる。この現象自体が液温
の影響を受けるため、高画質画像の再現を狙う場合は、
特に精度の高い液温制御システムの設置が必要である。
【0072】画像形成工程において像保持部材の平面部
材表面に形成された画像は別の記録媒体に転写すること
ができる。画像の転写工程では、形成された画像(電着
膜)は、像保持部材より、静電気力、圧力、粘着力など
を用いて、普通紙などの転写媒体に転写される。
【0073】特に、画像転写工程においては、膜形成時
に電着溶液の液体成分を適量含んだ状態で画像転写を行
なうことで、被転写画像材料が粘性を持った特性を示
し、画像の転写工程が圧力だけで画像の粘性変形を生じ
させ転写が可能となる。それによりシステム全体がより
コンパクトで無駄なエネルギーを消費しない画像形成プ
ロセスも構築できる。
【0074】像保持部材の構成形態が、ベルト形状であ
ると、画像の記録と被転写体への転写、定着が連続的に
行えるため、効率的な画像記録が可能となる。
【0075】このようなベルト状の像保持部材を作成す
るにあたっては、基板材料としてポリイミド樹脂及びそ
の変性化合物、ポリアラミド樹脂及びその変性化合物、
若しくは、シリコーン樹脂及びその変性化合物等のポリ
マー、あるいは、これらのものを主成分とする材料等が
挙げられる。像保持部材をベルト状になすと、ベルトを
鋭角度に屈曲して表面に付着した色材を効率よく脱離す
ることができ、像保持部材面上の画像の物理的クリーニ
ング性を高くし、毎回異なる画像の粒子析出記録を行っ
ても常に前回の記録画像情報の履歴が残らない印字サイ
クルを構築可能にする。
【0076】図8は、本発明に係る画像記録装置のシス
テムの一態様を示す概略図である。像保持部材3がベル
ト形状であるため、水系色材液1中で光信号を付与され
ることにより記録された画像10はベルト状の像保持部
材3表面に付着したまま搬送され、転写部分で紙ロール
19から供給される紙11上に加圧、加熱ロール12の
間隙を通過する際に転写される。像保持部材3上に残留
した色素はクリーニングブラシ20で除去され、クリー
ニング廃棄物皿21に蓄積される。クリーニングブラシ
20によりクリーニングされた像保持部材3は再び画像
記録に供される。
【0077】像保持部材を前記の如くベルト形状にして
連続的に使用する場合、画像形成工程、画像転写工程の
終了後、再度、画像形成工程に供される前に平面部材表
面に残留した色材、電着材料等を除去することが好まし
い。像保持部材の平面部材表面に残留した画像形成材料
の除去方法は、ブレード法、ファーブラシ法、弾性ロー
ラ法、クリーニングウエブ法、液体洗浄法などの公知の
クリーニング法を適用することができる。
【0078】本発明の画像形成記録方法は、水系に色材
粒子が存在した液中に光画像信号に対応して通電電流を
生じる像保持部材を配し、その画像電流に対応して電着
現象を発生させイオン性の色材粒子群を含む画像を像保
持部材面上に形成する記録方法、またその記録画像を転
写媒体に転写する後工程をも含む画像形成記録方法であ
る。特に、転写工程を像保持部材面上に付着した画像が
電着溶液の液体成分を含有している時に行うことを特徴
とする画像形成記録方法であり、わずかな印加電圧で解
像度の高い光画質の画像形成を行うことができるため、
応用範囲が広い。
【0079】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明
するが、本発明はこの実施例に制限されるものではな
い。
【0080】(実施例1)
【0081】スチレン−アクリル酸共重合体(分子量:
13,000、疎水基/親水基+疎水基モル比:65
%、酸価:150)の20重量%アルカリ水溶液 90
重量部、カーボンブラック粉末(平均粒子径:0.08
μm) 11重量部、ジエチレングリコール 15重量
部、イソプロパノール 7重量部、蒸留水 15重量
部、以上の材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を1時
間行いカーボンブカック粉末を十分に液体に湿潤させて
粗分散液を作成した。次にこの分散液体をホモジナイザ
ー分散機を用いて6分間の高強度強制分散処理を行い分
散原液を作成した。蒸留水 60重量部、グリセリン
10重量部、防かび剤(ICI社 プロキセルXL−
2) 0.8重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌
を行いながらこの分散原液中に滴下し、電着用色材粒子
分散液を完成させた。この液は、リン酸水溶液および水
酸化ナトリウム水溶液によりpHを調整して、pH7.
9に設定した。この液の色材粒子析出開始点のpHは
6.2であった。そして完全なる上澄みの沈殿を生じる
pH点は5.7であった。また、この液の導電度は5×
10 2 Ω・cmであった。
【0082】次に、図4に示す如き画像記録装置にこの
水系色材液を適用して画像記録を行った。画像記録装置
は、図4に示す通り、裏面から画像信号を入力できるワ
ーク電極の付いた像保持部材3を上記電着液1を入れた
電着液浴2に裏面がその液浴の外部に出るように置き、
そして対向電極5、塩橋を利用した制御電極6を浴内に
設置した。この像保持部材は、3mm厚の板ガラス基板
にITOの透明導電層を与えその上に2層の有機光導電
体層の積層構造により作られ、ITO導電層をワーク電
極にし、有機光導電体層の表面は段差が無く平滑にでき
ていた。各電極をポテンショスタット電源に結線した。
そして、像保持部材の裏面の光画像入力部に画像入力し
ながらポテンショスタット電源より、ワーク電極とカウ
ンター電極の間に2.7VのD.C.電圧を5秒間印加
した。
【0083】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.43の高画質像が形成されていることを確認した。
【0084】(実施例2)
【0085】α−メチルスチレン−メタクリル酸共重合
体(分子量:17,000、疎水基/(親水基+疎水
基)のモル比:70% 酸価:160)の20重量%ア
ルカリ水溶液 120重量部、カーボンブラック粉末
(平均粒子径:0.07μm)20重量部、ポリエチレ
ングリコール 10重量部、イソプロパノール 10重
量部、蒸留水 20重量部、以上の材料を混合し、中強
度のプロペラ撹拌を3時間行いカーボンブカック粉末を
十分に液体に湿潤させて粗分散液を作成した。次にこの
分散液体をボールミル分散機を用いて35時間の分散処
理を行い分散原液を作成した。蒸留水 100重量部、
グリセリン 20重量部、防かび剤(ICI社 プロキ
セルXL−2) 0.5重量部、の混合した希釈液をプ
ロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴下し、電着
用色材粒子分散液を完成させた。この液は、リン酸水溶
液およびアンモニア水溶液によりpHを調整して、pH
8.1に設定した。この液の色材粒子析出開始点のpH
は6.3であった。そして完全なる上澄みの沈殿を生じ
るpH点は5.9であった。また、この液の導電度は2
×102 Ω・cm であった。
【0086】次に、図9に示す画像記録装置を用いて、
裏面から画像信号を入力のできるワーク電極の付いた像
保持部材3を上記電着液を入れた液浴2に裏面が液浴の
外部に出るように置き、そしてカウンター(対向)電極
5、塩橋を利用した制御電極6を浴内に設置した。この
像保持部材3は、2mm厚の石英基板にITOの透明導
電層を与えその上に2層の有機光導電体層の積層構造に
より作られ、ITO導電層をワーク電極にし、有機光導
電体層の表面は平滑に出来ていた。各電極をポテンショ
スタット電源に結線した。そして、像保持部材の裏面の
光画像入力部にレーザー光源22から照射されるHe−
Neレーザー光23により画像入力しながらポテンショ
スタット電源4より、ワーク電極とカウンター電極の間
に2.9VのD.C.パルス電圧(パルス幅3ms/パ
ルス周期4ms)を印加した。
【0087】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.48の高画質像が形成されていることを確認した。
【0088】(実施例3)
【0089】スチレン−α−メチルスチレン−アクリル
酸共重合体(分子量:11,000、疎水基/(親水基
+疎水基)のモル比:72%、酸価:140)の20重
量%アルカリ水溶液 150重量部、フタロシアニン粉
末(平均粒子径:0.2μm) 10重量部、水溶性ア
クリル樹脂 6重量部、イソプロパノール 10重量
部、以上の材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を0.
5 時間行って顔料粉末を十分に液体に湿潤させて粗分
散液を作成した。次にこの分散液体をホモジナイザー分
散機を用いて10分間の分散処理を行い分散原液を作成
した。蒸留水 100重量部、ジエチレングリコール
20重量部、防かび剤(ICI社 プロキセルXL−
2) 0.5重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌
を行いながらこの分散原液中に滴下し、電着用色材粒子
分散液を完成させた。この液は、リン酸水溶液および水
酸化リチウム水溶液によりpHを調整して、pH7.7
に設定した。この液の色材粒子析出開始点のpHは6.
3であった。そして完全なる上澄みの沈殿を生じるpH
点は5.9であった。また、この液の導電度は9×10
2 Ω・cmであった。
【0090】次に、図10の装置を用いて、裏面から電
流画像信号を入力できる像保持部材3を上記電着液を入
れた電着液浴2に裏面が電着液浴の外部に出るように置
き、そしてカウンター電極5、塩橋を利用した制御電極
6を浴2内に設置した。この像保持部材3は、5mm厚
の電流拡散を抑制した導電層を与えその導電層の液に接
する表面は平滑に出来ていた。各電極を制御電源に結線
した。そして、像保持部材の裏面の画像入力部に600
DPIの針電極画像入力印字ヘッド12を用いて画像入
力し、針電極とカウンター電極の間は3.1VのD.
C.パルス電圧(パルス幅2ms/パルス周期3ms)
を印字ヘッド12の走査速度に同期して印加した。
【0091】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面にシアン色の光学
画像濃度1.53の高画質像が形成されていることを確
認した。また、針電極とカウンター電極の間の電圧を
2.3V のD.C.パルスによる印字により、像保持
部材表面にシアン色の光学画像濃度1.15の高画質像
が形成されていることを確認した。
【0092】(実施例4)
【0093】スチレン−無水マレイン酸共重合体(分子
量:8,000 疎水基/(親水基+疎水基)のモル
比:62%、酸価:190)の20重量%アルカリ水溶
液 220重量部、カーボンブラック粉末(平均粒子径
0.07μm) 20重量部、ポリエチレングリコール
10重量部、水溶性アクリル樹脂 3重量部、イソプ
ロパノール 10重量部、蒸留水 50重量部、以上の
材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を3時間行いカー
ボンブカック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を
作成した。次にこの分散液体をボールミル分散機を用い
て24時間の分散処理を行い分散原液を作成した。蒸留
水 80重量部、グリセリン 10重量部、ピロール
4重量部、防かび剤(ICI社 プロキセルXL−2)
0.5重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行
いながらこの分散原液中に滴下し、電着用色材粒子分散
液を完成させた。この液は、リン酸水溶液およびアンモ
ニア水溶液によりpHを調整して、pH7.8 に設定
した。この液の色材粒子析出開始点のpHは5.9であ
った。そして完全なる上澄みの沈殿を生じるpH点は
5.4であった。また、この液の導電度は1×102 Ω
・cmであった。
【0094】次に、図4に示した実施例1と同様の装置
を用いて、裏面から画像信号を入力のできるワーク電極
の付いた像保持部材を上記電着液を入れた電着液浴に裏
面が電着液浴の外部に出るように置き、そしてカウンタ
ー電極、塩橋を利用した制御電極を浴内に設置した。こ
の像保持部材は、2mm厚の石英基板にITOの透明導
電層を与えその上に2層の有機光導電体層の積層構造に
より作られ、ITO導電層をワーク電極にし、有機光導
電体層の表面は平滑に出来ていた。各電極をポテンショ
スタット電源に結線した。そして、像保持部材の裏面の
光画像入力部にHe−Neレーザー光により画像入力し
ながらポテンショスタット電源より、ワーク電極とカウ
ンター電極の間に2.2VのD.C.電圧を印加した。
【0095】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.26の高画質像が形成されていることを確認した。
【0096】(実施例5)
【0097】実施例1と同様に、電着用分散液を作成し
て、画像形成工程を経て、表面に画像が形成された像保
持部材を電着液浴から出し、像保持部材の平面部材表面
の色材粒子含有した画像を形成した面上に普通紙を載せ
た。この紙の上から、+6KVのコロナ放電を行い、次
に一対のゴムローラを線圧500g/cmで普通紙およ
び像保持部材を挟んで加圧し回転搬送した。そして加圧
直後、普通紙を像保持部材より引き剥がし、光学画像濃
度1.36の転写した画像を普通紙上に得た。
【0098】(実施例6)
【0099】スチレン−アクリル酸エステル−アクリル
酸共重合体(分子量:16,000、疎水基/(親水基
+疎水基)のモル比:2.0、酸価:180)の20重
量%アルカリ水溶液 180重量部、 カーボンブラッ
ク粉末(平均粒子径:0.07μm) 15重量部、グ
リセリン 15重量部、イソプロパノール 7重量部、
蒸留水 55重量部、以上の材料を混合し、中強度のプ
ロペラ撹拌を1時間行いカーボンブラック粉末を十分に
液体に湿潤させて粗分散液を作成した。次にこの分散液
体をホモジナイザー分散機を用いて3分間の高強度強制
分散処理を行い分散原液を作成した。蒸留水 100重
量部、酢酸ビニルエマルション水溶液80重量部、防か
び剤(ICI社 プロキセルXL−2) 0.6重量
部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行いながらこの
分散原液中に滴下し、電着用色材粒子分散液を完成させ
た。この液は、リン酸水溶液および水酸化ナトリウムに
よりpHを調整して、pH7.8に設定した。この液の
色材粒子析出開始点のpHは5.9であった。そして完
全なる上澄みの沈殿を生じるpH点は5.6であった。
また、この液の導電度は5×102 Ω・cmであった。
【0100】次に、図4に示す通り、裏面から画像信号
を入力できるワーク電極の付いた像保持部材を上記電着
液を入れた電着液浴に裏面が電着液浴の外部に出るよう
に置き、そしてカウンター電極、塩橋を利用した制御電
極を浴内に設置した。この像保持部材は、4mm厚の青
板ガラス基板にITOの透明導電層を与えその上に2層
の有機光導電体層の積層構造により作られ、ITO導電
層をワーク電極にし、有機光導電体層の表面は平滑に出
来ていた。各電極をポテンショスタット電源に結線し
た。そして、像保持部材の裏面の光画像入力部に画像入
力しながらポテンショスタット電源より、ワーク電極と
カウンター電極の間に2.6VのD.C.電圧を9秒間
印加した。
【0101】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.48の高画質像が形成されていることを確認した。
次に、消しゴム擦り定着テストを実施した結果、本印字
サンプルの光学濃度変化量は、0.2であった。一方、
同様の定着テストを実施例1の印字サンプルで行ったと
ころ、その光学濃度変化量は、0.5であった。これに
より、エマルション水溶液の添加により定着性が向上し
たことが確認できた。
【0102】(実施例7)
【0103】スチレン−アクリル酸共重合体(分子量:
13,000、疎水基/(親水基+疎水基)のモル比:
68%、酸価:150)の20重量%アルカリ水溶液
90重量部、カーボンブラック粉末(平均粒子径:0.
08μm) 11重量部、イソプロパノール 7重量
部、蒸留水 15重量部、以上の材料を混合し、中強度
のプロペラ撹拌を1時間行いカーボンブカック粉末を十
分に液体に湿潤させて粗分散液を作成した。次にこの分
散液体をホモジナイザー分散機を用いて3分間の高強度
強制分散処理を行い分散原液を作成した。蒸留水 14
0重量部、防かび剤(ICI社 プロキセルXL−2)
0.3重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行
いながらこの分散原液中に滴下し、電着用色材粒子分散
液を完成させた。
【0104】次に、図4に示す実施例1で用いた、裏面
から画像信号を入力できるワーク電極の付いた像保持部
材を上記電着液を入れた電着液浴に裏面が電着液浴の外
部に出るように置き、そしてカウンター電極、塩橋を利
用した制御電極を浴内に設置した。そして、像保持部材
の裏面の光画像入力部に画像入力しながらポテンショス
タット電源より、ワーク電極とカウンター電極の間に
2.5VのD.C.電圧を7秒間印加した。
【0105】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.36 の高画質像が形成されていることを確認し
た。
【0106】そして、本実施例の上記の電着液を入れた
電着記録装置と実施例1の電着液を入れた同様の電着記
録装置を1週間そのままの状態で放置した。その結果、
本実施例の電着記録装置の液面は25mm降下していた
が、実施例1の電着記録装置の液面は9mm降下にとど
まった。この結果、ジエチレングリコール、イソプロパ
ノール等の湿潤剤の添加が液性の保存性に効果があるこ
とがわかった。
【0107】(実施例8)
【0108】実施例1と同様にして、実施例1と同じ電
着液を完成させた。
【0109】次に、図8に示す実施例2と同様の装置を
用いて、像保持部材の裏面の光画像入力部にHe−Ne
レーザー光により画像入力しながらポテンショスタット
電源より、ワーク電極とカウンター電極の間に2.0V
のD.C.パルス電圧(パルス幅2ms/パルス周期3
ms)を印加した。本実施例においては、電着液浴中に
撹拌用プロペラを入れて浴内の電着液に軽度の撹拌を行
いながら実施例2と同様の条件で画像形成を行った。
【0110】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.48の画質像が形成され、またソリッド部の光学濃
度バラツキがσ=0.04であることを確認した。一
方、同様の評価で実施例1で形成された画像の光学画像
濃度が1.42、ソリッド部の光学濃度バラツキがσ=
0.09であったことから、電着液浴内を軽度に攪拌す
ることは、光学画像濃度の向上と画像の均一性の改良に
有用であることがわかった。
【0111】(実施例9)
【0112】実施例2と同様にして、実施例2と同じ電
着液を完成させた。
【0113】次に、図8に示す実施例2と同様の装置を
用いて、像保持部材の裏面の光画像入力部にHe−Ne
レーザー光により画像入力しながらポテンショスタット
電源より、ワーク電極とカウンター電極の間に2.5V
のD.C.パルス電圧(パルス幅2ms/パルス周期3
ms)を印加した。その時電着浴の中に温度制御装置を
入れて浴内の電着液の液温制御を行いながら一定温度
(40℃)で画像形成を行った。
【0114】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面に光学画像濃度
1.49の画質像が形成され、またソリッド部の光学濃
度バラツキがσ=0.05であることを確認した。一
方、同様の評価で実施例2で形成された画像の光学画像
濃度は1.48、ソリッド部の光学濃度バラツキがσ=
0.09であったことから、色材電着液浴内の色材液の
液温を一定に制御することは、光学画像濃度の向上と画
像の均一性の改良に有用であることがわかった。
【0115】(実施例10)
【0116】実施例3と同様に、電着液を作成して、画
像形成工程を経て、表面に画像が形成された像保持部材
を電着液浴から出し、像保持部材の平面部材表面の色材
粒子含有した画像を形成した面上に普通紙を載せた。
【0117】導電ゴムローラと絶縁ゴムローラを用い、
線圧300g/cmで前記の普通紙および像保持部材を
挟んで加圧し、+600Vのバイアス電圧を導電ゴムロ
ーラに印加し、回転搬送した。そしてローラ搬出直後、
普通紙を像保持部材より引き剥がし、光学画像濃度1.
38の転写した画像を普通紙上に得た。
【0118】つぎに、像保持部材面上の転写残りの画像
形成材料をゴムブレードを用いて除去した。これによ
り、像保持部材面上が初期状態に戻り、次の画像形成の
準備が整った。この時の像保持部材面表面の臨界表面張
力は35dyne/cmであった。
【0119】(実施例11)
【0120】実施例3と同様の電着液を作成して、表面
の臨界表面張力が44dyne/cmの像保持部材を用
いた他は実施例3と同様にして面画像形成工程を経て、
表面に画像が形成された像保持部材を電着液浴から出
し、像保持部材の平面部材表面の色材粒子含有した画像
を形成した面上に普通紙を載せた。
【0121】導電ゴムローラと絶縁ゴムローラを線圧3
00g/cmで普通紙および像保持部材を挟んで加圧
し、+500Vのバイアス電圧を導電ゴムローラに印加
し、回転搬送した。そしてローラ搬出直後普通紙を像保
持部材より引き剥がし、光学画像濃度1.18 の転写
した画像を普通紙上に得た。
【0122】つぎに、ゴムブレードを用いて像保持部材
面上の転写残りの画像形成材料を除去した。しかし、画
像形成材料が薄膜状態に部分的に残留し、像保持部材面
上は初期状態に戻らなかった。このことから、像保持持
部材面表面の臨界表面張力が大きすぎると、像保持部材
面上が初期状態に戻り易く、再使用に適することがわか
った。
【0123】(実施例12)
【0124】実施例2と同様の電着液を作成して、表面
の臨界表面張力が18dyne/cmの像保持部材を用
いた他は実施例2と同様にして画像形成工程を経て電着
液浴から出し、像保持部材上に色材画像を得て、像保持
部材面上に普通紙を載せた。この紙の上から、導電ゴム
ローラと絶縁ゴムローラを線圧300g/cmで普通紙
および像保持部材を挟んで加圧し、+600Vのバイア
ス電圧を導電ゴムローラに印加し、回転搬送した。そし
てローラ搬出直後普通紙を像保持部材より引き剥がし、
ソリッド部で光学画像濃度0.88の転写した画像を普
通紙上に得た。しかし、ライン像は流れを生じ再現不良
を示した。このことから、像保持部材の平面部材表面の
臨界表面張力が低すぎると、像保持部材面に形成された
画像の保持性が悪化することがわかった。
【0125】つぎに、ゴムブレードを用いて像保持部材
面上の転写残りの画像形成材料を除去した。これによ
り、像保持部材面上が初期状態に戻り、次の画像形成の
準備が整った。
【0126】(実施例13)
【0127】スチレン−メタクリル酸共重合体(分子
量:16,000 疎水基/(親水基+疎水基)のモル
比:69、酸価:160)の20重量%アルカリ水溶液
160重量部、カーボンブラック粉末(平均粒子径:
0.1μm) 5重量部、ジエチレングリコール 15
重量部、イソプロパノール 7重量部、蒸留水 55重
量部、以上の材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を1
時間行いカーボンブカック粉末を十分に液体に湿潤させ
て粗分散液を作成した。次にこの分散液体をホモジナイ
ザー分散機を用いて3分間の高強度強制分散処理を行い
分散原液を作成した。蒸留水 120重量部、グリセリ
ン 10重量部、防かび剤(ICI社 プロキセルXL
−2) 0.3重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹
拌を行いながらこの分散原液中に滴下し、電着液を完成
させた。この液を、塩酸水溶液および水酸化ナトリウム
水溶液によりpHを調整して、pH4.6、6.0、
7.5、9.5に設定した。この液の色材粒子析出開始
点のpHは5.0である。そして完全なる上澄みの沈殿
を生じるpH点は4.4であった。
【0128】次に、図4に示す通り、裏面から画像信号
を入力できるワーク電極の付いた像保持部材を上記電着
液を入れた電着液浴に裏面が電着液浴の外部に出るよう
に置き、そしてカウンター電極、塩橋を利用した制御電
極を浴内に設置した。この像保持部材は、4mm厚の青
板ガラス基板にITOの透明導電層を与えその上に2層
の有機光導電体層の積層構造により作られ、ITO導電
層をワーク電極にし、有機光導電体層の表面は平滑に出
来ていた。各電極をポテンショスタット電源に結線し
た。そして、像保持部材の裏面の光画像入力部に画像入
力しながらポテンショスタット電源より、ワーク電極と
カウンター電極の間に2.6 V のD.C.電圧を7
秒印加した。
【0129】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、像保持部材表面の光学画像濃度を
測定したところ1.35(pH4.6の電着液)、1.
43(pH6.0の電着液)、1.39(pH7.5の
電着液)、1.05(pH9.5の電着液)の画像が形
成されていることを確認した。ここで、pH4.6の電
着液は色材粒子が浴槽の底に沈降をしており、分散状態
が不安定であった。
【0130】以上述べたように、本発明の画像記録方法
は、前記の電着材料を含有する電着液に画像信号に対応
して電流を流すことができる画像保持部材に色材粒子を
含む電着材料の析出現象により画像形成を行うものであ
り、電圧の印加やレーザー光の照射により所定の位置に
画像形成を行うことができるため、優れた解像度の記録
を行い得るとともに、高光学濃度、高解像、低画像厚み
画像構造、強い画像の接着性、中間調再現が良好、画像
堅牢性が高い、安全性が高いなどの印字特性を有する記
録が得られる。
【0131】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
高光学濃度、高解像、低画像厚み、画像構造、画像堅牢
性高、安全性高の印字特性の画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 水系色材液のpH変化と色材の溶解特性との
関係を示すグラフである。
【図2】 電着材料の疎水基対(疎水基+親水基)のモ
ル比と膜耐水特性との関係を示すグラフである。
【図3】 電着材料の膜耐水特性と析出特性の概念を示
すグラフである。
【図4】 実施例1の画像記録に用いた画像記録装置を
示す概略図である。
【図5】 電着材料析出による画像記録現象を示す概念
図である。
【図6】 電着液中の電着粒子の構造を示す概念図であ
る。
【図7】 (A)〜(C)本発明の画像形成記録プロセ
スを示す概要図である。
【図8】 ベルト状の像保持部材を有する画像記録装置
を用いた本発明の画像記録システムの一態様を示す概略
図である。
【図9】 実施例2の画像記録に用いたレーザー発生装
置を備えた画像記録装置を示す概略図である。
【図10】 実施例3の画像記録に用いたLED印字ヘ
ッドを備えた画像記録装置を示す概略図である。
【符号の説明】
1 電着用水系色材液 2 液浴 3 像保持部材 4 ポテンショスタット電源 5 対向(カウンター)電極 6 制御電極

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 微粒子色材とpHの変化により化学的に
    溶解或いは析出・沈降する高分子化合物を含む電着材料
    とを含有する水系分散液に、少なくとも色材析出膜のパ
    ターンに従って電流または電界を供与できる電極と色材
    析出膜を保持しうる保持面とを有する保持部材の、少な
    くとも前記保持面を接触させた状態で、保持部材の所望
    部と対向電極とに、色材析出膜のパターンに従って電流
    または電界を供与し、保持部材の表面近傍の水系分散液
    のpHを変化させることにより微粒子色材を含んだ電着
    材料を析出・沈降させて色材析出膜を形成することを特
    徴とする、色材析出膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 前記高分子化合物が、分子内に疎水基と
    親水基を併せ持つ高分子化合物であることを特徴とする
    請求項1に記載の色材析出膜の形成方法。
  3. 【請求項3】 前記高分子化合物は、その親水基が、保
    持部材表面の電着液のpH変化によりイオン解離が抑制
    されて疎水性の機能を発現することにより、保持面に析
    出・沈降することを特徴とする請求項1または請求項2
    に記載の色材析出膜の形成方法。
  4. 【請求項4】 前記親水基がカルボキシル基またはアミ
    ノ基であることを特徴とする請求項1ないし請求項3の
    いずれか1項に記載の色材析出膜の形成方法。
  5. 【請求項5】 pH変化に対する前記高分子化合物の溶
    解・析出特性が、ヒステリシス曲線を示すことを特徴と
    する請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の色
    材析出膜の形成方法。
  6. 【請求項6】 前記高分子化合物が、アルケン、スチレ
    ン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、メタク
    リル酸メチル、メタクリル酸ブチル、アクリロニトリ
    ル、酢酸ビニル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
    ル、メタクリル酸ラウリルおよびこれらの誘導体から選
    ばれる疎水基を含むモノマー単位を有することを特徴と
    する請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の色
    材析出膜の形成方法。
  7. 【請求項7】 前記高分子化合物が、60〜300の範
    囲の酸価を有することを特徴とする請求項1ないし請求
    項6のいずれか1項に記載の色材析出膜の形成方法。
  8. 【請求項8】 前記水系分散液が、沸点が120℃以上
    であり、且つ、大気中での蒸気圧が100mmHg以下
    の水溶性溶剤を含有することを特徴とする請求項1ない
    し請求項7のいずれか1項に記載の色材析出膜の形成方
    法。
  9. 【請求項9】 微粒子色材の平均粒子径が0.02〜
    0.3μmの範囲にあることを特徴とする請求項1ない
    し請求項8のいずれか1項に記載の色材析出膜の形成方
    法。
  10. 【請求項10】 前記水系分散液の導電度が105Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1ないし請求項
    9のいずれか1項に記載の色材析出膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記高分子化合物が溶解した水系分散
    液のpH値の変化に対して、高分子化合物の溶解状態か
    ら上澄みを発生して沈殿を生じる液性変化がpH範囲領
    域1以内で生ずることを特徴とする請求項1ないし請求
    項10のいずれか1項に記載の色材析出膜の形成方法。
  12. 【請求項12】 前記電流または電界を供与する際、保
    持部材における発泡現象を抑制しつつ行うことを特徴と
    する請求項1ないし請求項11のいずれか1項に記載の
    色材析出膜の形成方法。
  13. 【請求項13】 前記像保持部材が導電性の表面を有す
    る基板と光導電物質膜を有し、前記電流または電界の供
    与が、前記光導電物質膜への光照射により行われること
    を特徴とする請求項1ないし請求項12のいずれか1項
    に記載の色材析出膜の形成方法。
  14. 【請求項14】 前記電流または電界の供与は、前記光
    導電物質膜への光照射に加え、光導電物質膜へのバイア
    ス電圧の印加により行われることを特徴とする請求項1
    ないし請求項13のいずれか1項に記載の色材析出膜の
    形成方法。
  15. 【請求項15】 前記基板が透明基板であり、前記光照
    射が前記光導電物質膜とは反対側から行われることを特
    徴とする請求項1ないし請求項14のいずれか1項に記
    載の色材析出膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記水系分散液がpH調整剤を含むこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項15のいずれか1
    項に記載の色材析出膜の形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009006311A (ja) * 2007-05-31 2009-01-15 National Univ Corp Shizuoka Univ 微粒子固定装置および微粒子固定方法

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