JP3292076B2 - 画像記録方法 - Google Patents

画像記録方法

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JP3292076B2
JP3292076B2 JP00483497A JP483497A JP3292076B2 JP 3292076 B2 JP3292076 B2 JP 3292076B2 JP 00483497 A JP00483497 A JP 00483497A JP 483497 A JP483497 A JP 483497A JP 3292076 B2 JP3292076 B2 JP 3292076B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、水系色材液を用いて、電気化学
的に色材を析出させ、その画像を記録媒体に転写するこ
とにより画像を記録する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成を行う場合、高画質(1000
DPIレベルの解像度/カラ−再現/多値階調)を狙う
ためには、画像構造は色彩の再現域と画像のシャ−プ性
の関係から、画像厚みは好ましくは2ミクロン以下、よ
り好ましくは1ミクロン以下の厚みであると考えられ
る。それにより、画像構造を与える要素である画像形成
材料の平均形状径は1ミクロン以下のサイズが必要にな
る。また画像形成材料の平均形状径が5ミクロン以下の
粉体では流動性に問題がある。この点で、粉体系画像形
成材料はかなり使用上困難なものとなり、一方、液体系
画像形成材料は有効なものになると考えられる。後者の
画像記録技術として例えば、銀塩技術、インクジェット
技術、液体現像方式電子写真技術などが代表例である。
【0003】1) 銀塩を用いた印字技術は、種村初実
他“銀塩写真方式による高画質カラーコピーシステム”
Japan Hardcopy ’89 研究発表予稿
集P229等、 2) 液体現像の電子写真技術を用いた印字技術は、
E.B.Caruthers,et al.,”Mod
eling of Liquid TonerElec
trical Characteristics ”P
roceedings of IS&T 10th I
nt`l.Congress on Advances
in Non−Impact Printing T
echnologies P204(`94)等、 3) インクジェット技術を用いた印字技術は、碓井
稔”新方式MACHの開発”Japan Hardco
py’96 研究発表予稿集P161等、多くの技術発
表がある。
【0004】また、液体を利用して画像を形成する本発
明に、より近いと考えられる従来技術としては、次のよ
うな方法が知られている。
【0005】4)絶縁性液体中に色材を分散させ電気二
重層を発生させた電着液を用いた画像記録方法(特開平
7−181750、特公平7−54407)や、導電性
支持体の上に絶縁性パターンを設け印刷版とした電着印
刷技術を用いた、微細パタ−ンの形成方法や、電着オフ
セット印刷方法(特開平4−9902、特開平6−29
3125)。
【0006】5)電解現像法。たとえば電子写真学会研
究討論会予稿集 P32 (1971)や電子写真学会
研究討論会予稿集 P24 (1964.11)に示さ
れている。電解現像法は、10V以上の電圧の印加と同
時露光により酸化亜鉛に還元を起こさせ、それにより生
成した電子が、発色性現像液に溶解している染料前駆体
に移動して還元し、染料が、酸化亜鉛膜表面に析出・発
色し画像を形成する方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来からの印字技術の
うち、銀塩を用いた印字技術1)では、画質や画像堅牢
性の問題はないが、化学的な反応を伴う印字プロセスの
ため化学的に活性な薬剤の使用や廃棄物がありオフィス
への適応に問題を生じている。
【0008】インクジェット印字技術2)では、高解像
度化がノズル径と印字の信頼性の問題により得にくく、
また画像形成材が一般的に水性染料であるため、画像堅
牢性、安全性や普通紙印字性に問題がある。
【0009】絶縁性液体現像剤を用いた電子写真技術
3)は、画質や普通紙印字性、印刷並みの画像堅牢性に
は問題はないが、印字プロセスが複雑なため機械サイズ
が大きくなったり、安全性・信頼性に問題が生じたりし
ている。また、現像液の炭化水素系溶剤の溶剤蒸気によ
る安全性が大きな問題とされていて、国により使用が厳
しく制限されている例もある。
【0010】導電性支持体の上に絶縁性パターンを設け
印刷版として用いる、前記従来の電着印刷技術4)は、
事前にホトリソ工程により絶縁性のレジストの非画像部
を作成するなど工程が複雑であるため、毎回画像パタ−
ンを変更して印字を行うことが難しく、また装置の精度
が高く大がかりで工程数が多く廃棄物も多い。そのため
設備の整った工場に設置して印字作業を行う場合に限定
されてしか使用が出来ない。また、画像形成工程の履歴
が支持体上に残り易く、微細な画像記録の再現性が低
い。また画像部が凹部形状になっているので、画像部で
の粒子付着性が強すぎ、画像部のエッジで画像形成材料
成分が工程終了後も多く残り易く、繰り返しの使用に問
題がある。また、電着液の粘度が低くなると転写工程で
画像部の画像形成材料の流動や凝集破壊を発生しやすく
なり、高画質が得にくい。このように、液物性の制御が
大変難しい。
【0011】染料水溶液を電着液に用いた従来の印字技
術5)は、有機溶剤の蒸気の問題はなくまた最小画素単
位が染料分子オ−ダ−であるため数10オングストロ−
ム単位と十分に小さく高解像度に問題は無いが、画像部
が水溶性染料を主成分としているために画像の堅牢性、
安全性(人体への吸引阻止)、画像の高光学濃度化に問
題が残る。
【0012】このように、上記技術1)のみならず、技
術2)〜5)も、オフィスで用いる画像形成技術に要求
される特性(つまり、1000DPI以上/多値階調の
カラ−高画質、普通紙印字可能性、印刷並みの画像堅牢
性、印字記録物および印字機械の安全性の高さ、廃棄物
が殆どないこと、ランニングコストが低いこと)を完全
には満足してはいない。
【0013】また、オフィスでの印字技術は、少量多品
種のプリントを簡易に、安価に作成する必要があるので
再生できない印刷版を用いる印字プロセスは適応性に乏
しい。それ故に、毎回プリント時に画像信号を入力して
イメージ情報を作り、プリント出力については、画像化
した画像形成材料を、普通紙などのユ−ザ−の各種ニ−
ズに対応した各種記録媒体に転写して記録する系のもの
が必要とされる。つまり、オフィスでは記録を実施した
い媒体は各種存在し、それぞれのニ−ズにあった形のド
キュメントを作成しなくてはならず、それ故、どのよう
な記録媒体に対しても記録可能な転写工程を含む記録方
法が必要になってくる。しかも、その転写による画像が
高い品質を有することが必要である。
【0014】かくして、本発明は、画質、画像堅牢性、
安全性に優れる画像記録方法を提供することにある。
【0015】また、本発明の別の目的は、廃棄物が殆ど
なく、また消費エネルギが少なく、しかも工程も設備も
簡易な画像記録方法を提供することにある。
【0016】本発明の他の目的は、印刷版を用いない、
少量多品種のプリント生産に適応した方法であって、転
写工程を経て高品質画像が得られる画像記録方法を提供
することにある。
【0017】要するに、本発明の主な目的は、特に、オ
フィスで用いる画像形成技術に要求される諸特性を満足
させうる画像記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明の画像記録方法
は、水系液体中に少なくとも色材を溶解または分散させ
た水系色材液であって、該水系色材液のpH値が、色材
が陽極析出であるときは析出開始pH点に比較して+1
〜+3の値の間のpH値に設定され、また色材が陰極析
出であるときは析出開始pH点に比較して−3〜−1の
値の間のpH値に設定された水系色材液と、その溶液中
に、浸漬または接触させた、電極対の一方として機能で
き且つ画像を保持するための面を有する像保持部材と、
像保持部材と協働して、電気化学反応を引き起こすこと
が可能に配置された、電極対の他方である対向電極と、
を有する装置を用意する工程と、像保持部材の所望部
と、電極対の他方である対向電極との間に10V未満の
電圧を印加することにより、像保持部材の所望部と対向
電極とを、水系色材液を介して通電して、前記色材微粒
子分散液のpH値を変化させ、前記色材微粒子の分散安
定性を変化させて、その所望部に、少なくとも色材を析
出・付着して画像を形成する工程と、その画像を像保持
部材から記録媒体に転写して、画像記録を記録媒体に行
う工程と、を有する画像記録方法であって、像保持部材
として、その表面の臨界表面張力が30dyne/cm
以下及び/又はその表面の表面粗さ(Ra)が0.01
μmから1.5μmである部材を使用する画像記録方法
である。そして、前記の接触とは、少なくとも像保持部
材の画像を保持するための面すなわち画像保持面が、水
系液体に接触することを意味する。
【0019】本発明の画像記録方法の代表例を模式的に
示す図1を参照しつつ、その作用を、説明する。
【0020】像保持部材11の一部に接触した補助電極
12(電源Vにつながっている電極)を利用して、像保
持部材11に電圧を印加すると、像保持部材11の、実
質的に補助電極12に対応する部分のみが、対電極の一
方として機能し(像保持部材11の有する導電性又は電
気抵抗に基づく)、水系液体14中に色材13が溶解又
は分散した水系色材液15を介して、像保持部材11
の、補助電極12の対応部分と、対向電極16との間が
通電状態となる。それによって、像保持部材11の、補
助電極対応部分に、その極性の反対極性になるような電
気的性質を帯びた色材13が吸引され、析出・付着し、
画像を形成する。なお、補助電極12は利用せず、像保
持部材11に、直接電圧を印加してもよいので、補助電
極12は、必須ではない。また、対向電極は、上記水系
液体とは別の溶液に浸漬または接触され、その溶液を塩
橋で上記水系液体と連絡させてもよい。これは、実質的
に、対向電極が、上記水系液体に接触されていると同義
である。
【0021】その後、像保持部材上に析出した画像を、
像保持部材から記録媒体に転写して、画像記録を記録媒
体に行う。その場合、像保持部材の表面の臨界表面張力
が30dyne/cm以下なので、画像色材と像保持部
材の表面との接着力が下がることとなり、転写時の転写
不良や転写の不均一性の改善が図れる。
【0022】また、像保持部材の表面粗さ(Ra)が
0.01μmから1.5μmであるので、色材の転写性
がよく、且つ転写画像の画像面のグロスが高くなりすぎ
ず、視覚的に問題が生じない。そして、表面粗さが上記
の範囲では、電着した層の物理的接着強度も低いので、
像保持部材の清掃や再生も容易となる。
【0023】更に、上記本発明の方法は、画像形成に液
体を使用するので、画像形成材料の色材として1ミクロ
ン以下である色材微粒子を使用可能である。そのため、
高画質(1000DPI/多値階調以上)を実現可能で
あり、しかも、色材として、水性染料以外に、水系液体
に分散する顔料系色材を用いることが容易にできるの
で、その場合、画像の堅牢性、高光学濃度化や、人体に
取り込まれない安全性を十分満足できる。
【0024】また、使用する液体として、水系液体を使
用するので、この点からも、安全性が高い。
【0025】更に、印刷版が不要であって、毎回プリン
ト時に画像信号を入力してイメージ情報を作ることが可
能である。したがって、少量多品種のプリントを簡易に
且つ安価に作成することができる。
【0026】消費エネルギも少なく、工程も設備も単純
・簡易であり、したがってランニンクコストが低く、廃
棄物も殆どない。
【0027】上記方法によって、像保持部材上に形成さ
れた色材の画像パタ−ンを、その時のニ−ズに適合した
記録媒体に転写して、所望のドキュメントを完成でき
る。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0029】本発明ではまず、水系色材液を用意する。
水系色材液は、水系の溶液(水、親水性溶液)中に、色
材が溶解又は分散したものである、その色材は、その溶
液への電流や電界の付与により、又はそれに伴う溶液の
pH変化により、溶液に溶解又は分散したり、溶液から
析出したりする任意の色材である。
【0030】色材の材料としては、染料系では、酸性染
料、特にカルボン酸基を遊離基に持つ酸性染料、例え
ば、ロ−ズベンガル色素、エリスロシン、くちなし青色
素などがあり、塩基性染料特にアミノ基またはその誘導
基を有する塩基性染料、例えば,ビクトリアブル−B、
ロ−ダミン6G、メチレンブル−などが挙げられる。ま
た、分散性の色材を用いる分散型色材タイプでは、水に
溶解性の無い又は低い染料や顔料系が挙げられ、具体的
には、例えば無機顔料−カ−ボンブラック、酸化チタ
ン、亜鉛華、べんがら、アルミナホワイト、アルミニウ
ム粉、ブロンズ粉、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸マグ
ネシュウム、群青、黄鉛、コバルトブル−、紺青など;
有機顔料−トルイジンレッド、パ−マネントカ−ミンF
B、ファストイエロ−G、ジスアゾイエロ−AAA、ジ
スアゾオレンジPMP、レ−キレッドC、ブリリアント
カ−ミン6B、フタロシアニンブル−、インダントロン
ブル−、キナクリドンレッド、ジオキサジンバイオレッ
ト、ビクトリアビュアブル−、アルカリブル−ト−ナ
−、アニリンブラック、パ−マネントレッド2B、バリ
ウムリソ−ルレッド、キナクリドンマゼンタ、ナフト−
ルレッドHF4B、フタロシアニングリ−ン、ベンズイ
ミダゾロンレッドなど;油溶性染料−ビクトリアブル−
4Rベ−ス、ニグロシン、ニグロシンベ−ス、C.I.
SolventYellow 19 、C.I. S
olvent Orenge 45、C.I.Solv
ent Red 8 など;その他ー分散染料、染め付
けレ−キ顔料、色素を樹脂に含有させた樹脂粉末など;
を用いることができる。
【0031】水系色材液中の水系溶媒としては、水、メ
タノ−ル、エタノ−ル、ブタノ−ル、イソプロピルアル
コ−ルなどのアルコ−ル類;アセトン、メチルエチルケ
トンなどのケトン類;エタノ−ルアミン、ジメチルアミ
ン、トリエタノ−ルアミンなどの各種アミン類;酢酸、
硫酸、燐酸、しゅう酸、フタル酸などの酸類など;の1
つまたは複数を混合して使用することが適する。特に、
水を主成分とする混合溶媒・溶液が安全性、安定性やコ
ストの面で非常に有用である。なお、溶媒が、全体とし
て親水性であるならば、親油性の溶媒が若干含まれてい
てもよい。
【0032】水系色材液に、色材として、水に溶解性の
無い又は低い染料や顔料系の分散性色材を用いる場合に
は、pHの変化で、色材の分散状態を変化させる電着用
の分散剤を併用する。この分散剤は、分散液の主成分で
ある水系液体への色材粒子の分散安定性を得る目的と、
析出吸着現象を起こすこととを重要な役割としている。
それ故に、分散剤は、親水性と、水系液体中でイオン解
離し易い基を有している分子構造の存在とを一般に有す
る。そして、分散液へ電流又は電界が供与された場合、
像保持部材の画像形成面の電流供給部ごく近傍の分散液
のpH変化を伴い、像保持部材の画像電流供給部近傍の
色材粒子を包む分散剤が形成する電気2重層が圧縮さ
れ、色材粒子の凝集を生じさせ、それらの析出現象を引
き起こす。
【0033】対向電極より像保持部材の画像部(画像パ
ターン部)が電気的に陽極性である場合、分散剤とし
て、陰イオン基を1つ以上有する構造物質が1種以上、
色材粒子表面に結合・付着又は会合をしている事によ
り、適切な析出現象を生じて、色材析出膜を作成し適切
な画像がえられる。
【0034】特に、陰イオン基がカルボキシル基である
ものが、析出現象において色材粒子析出効率が良い。
【0035】対向電極より像保持部材の画像部が電気的
に陰極性である場合、分散剤として、陽イオン基を1つ
以上有する構造物質が1種以上、色材粒子表面に結合・
付着又は会合をしている事により、適切な析出現象を生
じて、色材析出膜を作成し適切な画像が得られる。
【0036】分散剤として、上記イオン性の置換基を有
している界面活性剤、水溶性高分子、および低い重合度
の高分子であることが、分散安定性および析出膜の膜性
において良好な特性を示す。水溶性高分子および低い重
合度の高分子を持つ例としては、アルキルアルキレンオ
キシドカルボン酸塩、アルキルオキシドカルボン酸塩、
アルギン酸変性カルボン酸塩、カルボキシ変性メチルセ
ルロ−ス、ポリアクリル酸変性カルボン酸塩、ポリメタ
クリル酸変性カルボン酸塩、ポリエチレンオキシド変性
カルボン酸塩、エポキシ変性カルボン酸塩、ポリエタノ
−ルアミン変性メチルセルロ−ス、アミン変性アルギン
酸塩、アミン変性ポリアクリルなどの種類の分散剤が挙
げられ、これらが有効な粒子析出用の分散剤である。
【0037】本発明に用いる水系色材液には、必要に応
じて、湿潤剤、水溶性熱可塑性高分子剤、エマルジョン
材料、ラテックス剤、各種溶剤、界面活性剤、防腐・防
カビ剤、pH調整剤などの添加を行う。
【0038】湿潤剤としては、水系溶媒成分の蒸発によ
る色材液の変質を防止する目的で添加を行い、液体の性
質としては、親水性が高く水と共沸点を持ち高沸点で低
蒸気圧の液体がよい。必要特性としては、極性が高い溶
媒であり沸点120°C以上で大気中室温での飽和蒸気
圧100mmHg以下、好ましくは、沸点150°C以
上で大気での蒸気圧60mmHg以下が良い。前記範囲
を外れると分散液の寿命を短くしたり、液の特性の変化
が大きく、安定した析出特性が得られにくい。組成比率
は、0.5wt%から50wt%の範囲が良く、好まし
くは5wt%から30wt%の範囲が良い。具体例は、
エチレングリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ポリエチ
レングリコ−ル、グリセリン、トリエタノ−ルアミン、
メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、ブチルセルソル
ブ、エチレングリコ−ルジアセテ−トなど代表例として
示される。
【0039】高分子添加剤、電解重合材料やエマルジョ
ン材料の添加は、粒子析出時の安定した着膜生成特性を
与え且つ析出膜の膜性の改善、析出画像の堅牢性や膜の
電気抵抗制御に大きく効果を示す。それらの添加量は、
固形分の含有濃度として、0.2wt%から60wt%
の範囲が良く、好ましくは2wt%から35wt%の範
囲が良い。
【0040】高分子添加剤としては、ゼラチン、アラビ
アゴム、ペクチン、カゼイン、デンプン類、微結晶セル
ロ−ス、アルギン酸塩、ポリビニルアルコ−ル、酢酸ビ
ニル共重合体、ポリアクリル酸共重合体、メチルセルロ
−ス系誘導体などが代表例として示される。
【0041】電解重合材料としては、ピロ−ル、フェニ
レン、ジアセチレン、アニリン、チオフェンなどおよび
それらの誘導体などが示される。
【0042】エマルジョン材料としては、ポリ酢酸ビニ
ルエマルジョン、酢酸ビニルコポリマ−エマルジョン、
アクリル酸エステルコポリマ−エマルジョン、合成ゴム
ラテックスなどが代表例として示される。
【0043】その他、防腐・防カビ剤、微量の界面活性
剤、pH調整剤や液体粘度調整剤などを必要に応じて、
添加してもよい。特に、水系液体は、微生物の繁殖やカ
ビの発生により液の劣化が生じ易いため、防腐・防カビ
材を添加することは特に好ましい。
【0044】水系色材液の組成としては、固形分が通常
1重量%から40重量%であり、好ましくは5重量%か
ら18重量%である。1重量%より薄い固形分濃度域で
は、画像の光学濃度が簡単には得られにくいなどの問題
がある。また40重量%より濃い固形分濃度域では、画
像形成時非画像部での地汚れを生じたりまた液体の高粘
度化やチキソトロピ−性を示すため液の取り扱い方が複
雑になるなどの問題がある。
【0045】水系色材液の固形成分において、固形成分
中の色材成分量は通常10重量%から60重量%であ
り、好ましくは20重量%から40重量%である。上記
範囲より低い値では、画像のグロスが高く成りすぎたり
画像の光学濃度が低下したりする原因となる。また上記
範囲より高い値では、画像の層形成に欠陥や不良を生じ
やすく定着強度も低くなり色調にも問題を生じたりす
る。
【0046】水系色材液の体積固有抵抗は、通常は10
5 Ω・cm 以下、好ましくは10 3 Ω・cm以下であ
る。上記範囲より高い値では、印加電圧が高くなり電極
の発泡現象が活発化したり析出現象が不安定になり、膜
質のバラツキが生じやすくなる。
【0047】水系色材液の粘度は、1cpsから100
0cpsの範囲が良く、より好ましくは10cpsから
200cpsの範囲である。上記範囲より低い値では、
液体の粘性が不足するために液滴の飛散が生じやすく問
題となる。また上記範囲より高い値では、液体の搬送性
や撹拌において稼働負荷が大きくなり効率低下などの問
題となる。
【0048】水系色材液は、通常pHの変化によって、
色材の溶解又は分散安定性が変化する。例えば、図2に
示すように、アルカリ性で色材の分散が安定で、酸性側
で沈降する傾向が、明瞭な系(曲線1)は、本発明で好
適に利用でき、pHが変動しても、分散性が高い傾向に
ある系(曲線2)又は沈降性が高い傾向にある系(曲線
3)は、本発明に不向きである。これは、後の画像形成
工程での通電時に、分散液のpH変動を多くの場合伴
い、これによって、色材を析出させるからである。
【0049】水系色材液のpHの設定において、色材が
陽極析出である析出法の時は析出開始pH点に比較して
+0〜+4の値の間のpH値[つまり、pH値〜(pH
+4)値]に設定する、より好ましくはpH点より+1
〜+3の値の間のpH値に設定する。また色材が陰極析
出である析出法の時は析出開始pH点に比較して−4〜
0の値の間のpH値に設定する、より好ましくは−3〜
−1の値の間のpH値に分散液のpHを設定すると、高
い析出膜生成効率が保たれる。上記範囲外の、析出開始
pH点を過ぎた析出範囲pHの設定では、分散液の分散
安定性が得られず非画像部に色材の析出を生じたり析出
量バラツキが生じやすいなど不都合がある。また上記範
囲外の、好ましい設定pH範囲を越えた析出しにくいp
H範囲の設定では、析出膜生成効率が低く析出電位の上
昇や生成膜の膜性に問題を生じたりする。
【0050】本発明の方法では、上記のように水系色材
液を用意した後、その液に、電極対の一方として機能可
能であって且つ画像を保持するための面を有する像保持
部材と、電極対の他方である対向電極とを、浸漬又は接
触(前記塩橋による接触も含む)させる。すなわち、画
像保持部材は、少なくとも画像保持面を水系色材液に接
触させることが必要である。そして、像保持部材の所望
部と、対向電極とを、水系色材を介して通電する。これ
によって、電気化学的に、像保持部材の所望部に、色材
が析出され、画像が形成される。これは、色材がプラス
側にイオン化又は帯電していれば、像保持部材を陰極と
して機能させることによって、その陰極に色材微粒子を
析出でき、一方、色材がマイナス側にイオン化又は帯電
していれば、像保持部材を陽極として機能させることに
よって、その陽極に色材微粒子を析出できることによ
る。なお、通電した場合、多くは、pHの変化を伴い、
それが色材の析出に寄与する。
【0051】上記のように像保持部材に色材が析出した
後、本発明の方法では、像保持部材の析出画像を有する
面に、紙等の記録媒体を接触させ、それらを加圧、加熱
などして、その画像を記録媒体に転写する。
【0052】像保持部材は、画像形成される表面の平滑
性が高く段差がないものが良好な印字特性を得られ、ま
た表面エネルギ−が低いことが、良好な転写特性を得ら
れる重要な要件である。これは、繰り返し像保持部材を
用いる場合において像保持部材のクリ−ニング特性の見
地からも、重要な特性となってくる。
【0053】具体的には、像保持部材の表面の表面粗さ
(Ra)を0.01μmから1.5μmの範囲、より好
ましくは0.06μmから0.6μmの範囲とすること
により良好な転写特性が得られる。像保持部材の表面の
表面粗さが粗いと、像保持部材の表面と、そこに付着し
画像を形成している色材との接着力が、接触表面積の増
加と物理的アンカ−効果とにより大きくなり、画像色材
の転写性を低下させる。そのために、像保持部材の表面
は、Ra1.5μm以下に平滑にする必要が有る。但し
平滑度が過度(Ra0.01μm未満)で鏡面状になる
と、転写画像の画像面のグロスが高く成りすぎてギラつ
き、視覚的に問題が生じる。
【0054】また、像保持部材の表面の臨界表面張力を
30dyne/cm以下、より好ましくは14dyne
/cmから26dyne/cmの範囲とすることにより
良好な転写特性が得られる。このように像保持部材の表
面の臨界表面張力を下げると、画像色材と像保持部材の
表面との接着力を物理的に下げることとなり、転写時の
転写不良や転写の不均一性の改善に対して大きな効果が
上げられる。
【0055】これらの特性により、転写した画像の画質
が高く維持できるばかりか像保持部材面上の画像残留物
への物理的クリ−ニング性が高くなり、毎回異なる画像
の析出記録を行っても常に前回の記録画像情報の履歴が
残らないシステムとして高画質の印字サイクルを構築で
きる。
【0056】低表面エネルギー化を行う有効な手段の一
つとしては、低表面エネルギー層を、像保持部材表面に
形成する方法がある。その低表面エネルギー層の材料と
しては、例えば、フッ素系樹脂、フッ素ゴム(FE
P)、ジメチルシロキサン系樹脂、シリコーンゴム等の
ほか、層自体の電気抵抗を制御する目的で、これらの材
料に導電粉体を混合して得られる複合材料も使用可能で
ある。
【0057】この低表面エネルギー層の層厚は、通常1
0μm以下、好ましくは0.2〜3.0μmであるのが
よい。この層厚が10μmより厚くなると、電気伝導度
の低下による印字電圧の上昇や電流拡散することによる
印字画像劣化、後記の発熱層から被加熱対象までの距離
が長くなり熱伝達ロスが多くなってエネルギー効率の低
下を生じる。
【0058】また、電着色材画像のオフセット防止効果
を向上させる目的で、シリコーンオイル、テフロンパウ
ダ−等の色材付着回避剤や滑剤の微量塗布等の処理を行
ってもよい。
【0059】像保持部材は、上記低表面エネルギー層を
利用する等、任意の方法によって、表面粗さ(Ra)及
び/又は臨界表面張力を上記のように設定できれば、そ
の形態や材質については、特に制限はない。例えば、そ
の材質として、金属、有機半導体、無機半導体などの、
導電性を有する支持体や、これらを絶縁性支持体に蒸着
したものなどが利用可能である。特に白金・金などの貴
金属類やカーボンなどは、電気化学的安定性に優れるた
めに好ましい。また、ガラスや透明フィルムなどの透明
支持体上に、ITOや導電性ポリマなどの透明電極を形
成したものを、像保持部材として用いることもできる。
【0060】また、導電性の表面を有する支持体と、そ
の導電性表面上に形成された光導電物質(代表的には、
PN接合またはPIN接合)とを有する像保持部材であ
ってもよい。これは、光照射によって、その照射部に起
電力が生じるものであり、後に詳しく説明するように、
像保持部材の光照射部分に電流が流れ、その部分に色材
粒子の電着現象が発生し、光書き込みが可能な構造とな
っている。その支持体は、支持体全体が導電性を有して
もよいし、その表面のみ導電性を有するものでもよい。
後者の場合、像保持部材の主要構成は、基材、透明導電
層、光導電性材料層を基本構成とするが、像保持部材の
基材が画像入力光に対して透過性を有する場合、その入
力光の特定波長に対して、好ましくは40%以上、より
好ましくは60%以上の透光性とする。これより画像入
力光に対して透過性が低い場合は、支持体側からの光画
像信号の入力効率が低下し、形成画像に十分な品質が得
られなくなる。
【0061】前記PN接合やPIN接合を形成する材料
としては、p型半導体とn型半導体が接合して、またp
型半導体とn型半導体とが絶縁層を介して接合し、光起
電力を有するもの(光導電物質)であれば任意であり、
それらの各材料は、有機無機をとわず利用できる。典型
的には無機の光導電物質としてSi,Ge,GaAs,
CdSe,CdS,CdTe,InP,AlSb,Ga
Pなどがあげられる。また、有機の光導電物質としては
種々の中心金属をもつフタロシアニン類、ポルフィリン
類、ナフタロシアニン類(p型)、ペリレンやペリレン
テトラカルボン酸ジイミド、ベンズイミダゾールペリレ
ン等のペリレン誘導体(n型)、ポリビニルカルバゾー
ル[PVK](p型)、キナクリドン類(p型)、ポリ
フェニレンビニレン[ppv](n型)など多種多様な
材料が利用できる。
【0062】絶縁層には、一般に未ドープ(ノンドー
プ)の半導体が使用される。アモルファスシリコンのP
IN接合の場合には、n型アモルファスシリコン10〜
50nm程度、i型アモルファスシリコン500〜10
00nm程度、p型アモルファスシリコン10〜500
nm程度の膜厚が好ましい。有機PN接合の場合導電性
が低いことと吸収が大きいためにP層、N層それぞれ2
0〜1000nm程度の膜厚が好適である。
【0063】像保持部材に対向する対向電極は、特にそ
の材料や、形状には限定はなく、例えば、材料は、P
t、Au、SUS、カーボン等、電気化学分野で利用さ
れる汎用のものから選択すればよい。
【0064】なお、像保持部材と対向電極には、その間
に電流を導通させる手段が当然付設される。そのため、
通常は、像保持部材は、使用時に電流の通り道となる導
線が、直接接続され、又は補助電極が接触または設置さ
れ、それを介して導線が接続されている。ただし、像保
持部材に導線が接続されておらず、その補助電極が針状
やペン状等とされ、その補助電極が像保持部材に接触さ
れた場合に、像保持部材が電極として機能しうる構成と
してもよい。
【0065】また、像保持部材と対向電極間の電圧の安
定化を考慮し、これらの電極以外に、制御電極を有する
3極電極方式を用いることが、実用上は好ましい。
【0066】像保持部材と、対向電極との間を通電させ
るには、一般には、外部電源を利用すればよい。この場
合、像保持部材の抵抗値をあまり小さくしなければ(例
えば、1kΩ未満)又は異方導電層などを使用すれば、
針状、ペン状等の前記補助電極を像保持部材に対して走
査することによって、補助電極の下部周囲の像保持部材
部分のみが電極として機能し、その部分に通電されるの
で、所望パターンの画像を描くことができる。なお、こ
の場合、像保持部材は、その裏面から通電入力すると、
その電流が、画像を保持する表面から入力信号が拡散さ
れず出力される導電層を有する構成をしている。
【0067】また、像保持部材が光導電体を利用してい
る場合には、上記の通電は、光を照射することによっ
て、又は光照射とバイアス電圧の印加とを利用すること
によっても可能である。この場合には、像様露光や、レ
ーザのような照射光の走査によっても、所望パターンの
画像を描くことができる。
【0068】電着工程の電極および像保持部材の間に印
加する電圧差は、多くの場合には15V未満のバイアス
電圧を用いる。但し、画像上の1画素づつをシャ−プに
再現するため、短時間幅の直流パルスおよびその短パル
スの重箪での信号入力を行う場合も有る。印加される電
圧差は、より好ましくは10V未満のバイアス電圧を用
いる。より膜性を重要視するならば、5V以内のバイア
ス電圧を用いる。10V以上の電圧差を印加すると液中
にある電極表面から分散液の電気分解による気泡の生成
が激しくあり、電極表面の電界分布が不均一になり、析
出膜自体の膜質が不均一になったり、析出膜表面が凸凹
になったりして狙いとする微細なパタ−ンの画像再現が
困難になる。
【0069】なお、周知の電着塗装では、印加電圧を5
0V以上与えて電着を行っている。これは、印加電圧が
低いと生成する電着膜の抵抗が高いこともあり電着膜形
成が進むに従い電着膜形成速度が大きく低下し必要な膜
厚を得られないため、それを避けるため高い電圧印加を
行い電気分解による激しい発泡現象を起こさせ、それを
利用して電極面近傍の撹拌を行い新しい電着液に電極面
を接触させることで電着塗装として必要な膜厚(一般に
10μm以上)を得ている。しかし、本発明の狙いは、
高画質の画像再現、つまり、1μm以下の膜厚レベルの
微細な画像パタ−ン再現であるために、色材液の電気分
解による発泡現象は抑制していかなければならず、発生
しても微細な画像パタ−ンの再現に影響を与えないレベ
ルに抑えなければ成らない。それにより印加される電圧
差は10V未満、より画質を重要視するならば5V以内
の直流電界とする。また、電圧印加手段も電圧の安定化
を考慮した3極電極方式を用いてもよい。
【0070】水系色材液の浴の液性の均一性を保つため
に、水系色材液浴の中での撹拌は行った方が均一性のあ
る析出膜形成を行い易い。しかし余り強すぎる撹拌は膜
生成を遅らせたり液飛散を発生することもあり避けなけ
ればならない。
【0071】また、水系色材液の液温の制御を行う事に
より、より均一で良い膜性を得ることができる。析出現
象自体が液温の影響を受けるため、高画質画像の再現を
狙う場合は、特に精度の高い液温制御システムの設置が
必要である。
【0072】図3〜6に、色材析出工程を実施している
装置の例を模式的に示す。図3に示す装置では、容器1
0内に分散液15が入れられ、また、ポテンシュタット
電源17に電通している対向電極16、像保持部材1
1、制御電極18(分散液中に浸漬)とが利用されてい
る(他の図に示す装置でも同様)、対向電極16は、分
散液15内に水平に沈められ、像保持部材11は水平に
され、その画像を保持するための面が分散液面に接触さ
れている。像保持部材上11には、像様露光装置19が
設置されている。
【0073】図4に示す装置では、側面に開口を持つ容
器10が利用され、その開口を塞ぐように、密閉治具
(図示せず)で像保持部材11が密着セットされ、それ
に対向するように対向電極16が垂直にセットされ、そ
の下部が分散液15に浸漬されている。また、像保持部
材11に対向して像様露光装置19が設置されている。
【0074】図5に示す装置では、底面に開口を持つ容
器10が利用され、その開口を塞ぐように像保持部材1
1が密着セットされ、それに対向するように対向電極1
6が水平にセットされ、分散液15に浸漬されている。
像保持部材11に対向して、レーザ光源20と、ポリゴ
ンミラー21のようなレーザ走査系22とが配置され、
像保持部材11の所望部に、レーザが走査可能とされて
いる。
【0075】以上示した装置では、光が像様に照射され
るか、ビーム状の光が走査されて、像保持部材11の所
望部のみの導電性が上がり、それによって、その所望部
と、対向電極16との間に、分散液15を介して通電状
態が生じ、その結果、像保持部材16のその所望部に色
材13が析出し、画像が形成される。
【0076】図6に示す装置では、容器10の底部付近
に、対向電極16が水平にセットされ、分散液15に浸
漬されている。像保持部材11は、その画像保持側の面
が分散液15の液面に接触するように像保持部材固定治
具23によって固定されている。画像入力印字ヘッド2
4としての針状協働電極が、印字ヘッド走査系25によ
って像保持部材11の裏面に接触且つ走査可能に設置さ
れている。
【0077】この装置では、画像入力印字ヘッド24が
印字ヘッド走査系25によって走査されて、所望時、像
保持部材11に接触して、像保持部材11のその接触部
と対向電極16との間が通電状態となり、結果として、
像保持部材11の接触部裏面に、色材13が析出されて
画像が形成される。
【0078】上記したように、本発明では、像保持部材
11に、画像パターンに対応して、電流が流され又は電
界が形成され、その部分に色材が析出して、転写用の画
像が形成される。
【0079】上記のような析出現象で像保持部材に形成
された画像を、他の媒体に転写する方法は任意である
が、例えば、その画像を、静電気力、圧力、粘着力、化
学的結合力などを用いて、像保持部材から普通紙などの
記録媒体に転写する。その具体的な方法は、例えば、像
保持体の画像保持面に、記録媒体を接触させ、圧力ロー
ラで圧接して、行うことができる。
【0080】転写工程を経る本発明の方法は、例えば図
7に模式的に示す装置を利用すれば、連続的に実施可能
である。
【0081】この装置は、分散液15が入れられた容器
10の底面内側に対向電極16が設けられており、その
分散液15内に、2本のローラ70、71が間隔をあけ
て配置され、また、そのローラ対に平行且つ上部に2本
のローラ72、73が配置され、その4本のローラに、
ベルト状の像保持部材11が、周回可能に巻回されてい
る。像保持部材11は、透明支持体上に、透明電極を介
して、光導電性物質が積層された構成をしている。上部
ローラの一方72には、転写ローラ74が圧接され、そ
れらの間に、用紙ロール75からの用紙76が搬送可能
とされている。上部ローラの他方73には、クリーニン
グブラシが77接触され、その下には、クリーニング廃
棄物皿78が設置されている。また、像様露光装置19
が、像保持部材11が構成するベルトの中央辺りで、光
を下方に向けて照射可能に設置されている。この装置で
は、像様露光装置78によって露光しつつ、像保持部材
11と、対向電極16との間に、図示しない電源で電圧
を印加すると、像保持部材11に色材13の画像が形成
される。次いで、像保持部材11を周回して、転写ロー
ラ74によって、その画像が、用紙76に転写される。
更に、像保持部材11を周回すると、クリーニングブラ
シ77によって、像保持部材11上の残った不要の色材
粒子が除去され、像保持部材11のその部分が、再度画
像形成に供しうる状態とされる。
【0082】像保持部材11表面の画像残留色材粒子の
除去方法は、ブレ−ド法、ファ−ブラシ法、弾性ロ−ラ
法、クリ−ニングウエブ法、エア−ナイフ法などのクリ
−ニング法が用いられる。
【0083】本発明で利用する像保持部材は、上記した
ように、基本的には、支持体上に(光)導電性層を有す
るが、さらに発熱層(発熱体)を設けた形態のものが好
ましく使用できる。
【0084】この発熱層は、電気に受けることによって
発熱する層であり、像保持部材から画像を転写媒体に転
写する際、その転写部分において発熱されて、画像を形
成する色材を溶融し、画像を転写させやすくする層であ
る。
【0085】このように、発熱層の転写相当部分のみ
に、電気を供給するために、それを可能とするパターン
導電層と、帰路導電層とを設けることが好ましい。つま
り、発熱層での発熱を局所的に発生させるために、この
発熱層に通電される入力電流をアドレッシングするパタ
ーン電気供給層(アドレッシング入力電極層として機能
する層)と、パターン導電層から発熱層に電流が入力さ
れ、この発熱層で発熱させた電流の帰路となる帰路導電
層とを設けることが好ましい。この場合、上記発熱層
は、上記パターン導電層と帰路導電層との間にあって、
これらの間にアドレッシング入力された入力電流によ
り、その入力部分で局所的にジュール熱を発生する。
【0086】パターン導電層と帰路導電層と発熱層と
は、それらが基材の上にパターン導電層、発熱層及び帰
路導電層の順に積層されていても、また、帰路導電層、
発熱層及びパターン導電層の順に積層されていてもよ
い。
【0087】発熱層を介して光導電性層に光を照射する
場合には、発熱体も40%以上の透光性を有する事が好
ましい。これより画像入力光に対して透過性が低い場合
は、光画像信号の入力効率が低下し、形成画像に十分な
品質が得られなくなる。
【0088】図8に、像保持部材の一例の断面図を示
す。この像保持部材80は、支持体81上に、透明パタ
ーン導電層82、透明発熱層83、透明帰路導電層8
4、光導電性層85、低表面エネルギー層86が順に設
けられた構造をしている。
【0089】パターン導電層82は、上記アドレッシン
グのために都合のよい形状、例えば、発熱層形状に近い
帯状や線状あるいはこれらの組合せ形状、さらには各種
の形状に分割分離された電極とする。例えば、パターン
導電層82のパターンは、図9に示すようにされる。つ
まり、パターン導電層82は分割配置され、その各パタ
ーン導電層の、側縁の一方又は双方(図では双方)が、
発熱層の側縁の一方又は双方に露出され、この露出部8
2Aが入力電流を授受するための電気入力部となるよう
にされる。この結果、局所的に発熱層を加熱可能であ
る。
【0090】上記帰路導電層も、パターン導電層と同様
に、少なくともその側縁の一方又は双方が発熱体の側縁
の一方又は双方に露出され、その露出部が、上記パター
ン導電層から入力された電流の帰路のための電気出力部
を構成する。
【0091】上述のように構成された像保持部材の発熱
層の側縁の一方又は双方に形成された電気入・出力部か
ら、パターン導電層と帰路導電層との間の発熱層に、選
択的に通電する電力供給機構を、例えば、図7に示した
ローラ72、転写ローラ74等に組み込む。つまり、像
保持部材のパターン導電層側で、その露出部に対向する
位置に、ローラー状の動的電気コンタクトや舌片状の静
的電気コンタクト等の動的又は静的電気コンタクトを設
け、一方、像保持部材を挟んだ位置に(つまり、発熱体
の側縁に露出する帰路導電層側の適宜位置に、好ましく
はパターン導電層側の動的又は静的電気コンタクトの相
対向する位置に)、上記と同様なローラー状の動的電気
コンタクトや舌片状の静的電気コンタクト等を組み込
む。転写は、このような電力供給機構を組み込んだ加熱
転写ユニット若しくは加熱加圧転写ユニットを利用し
て、なすのが好ましい。
【0092】このような動的又は静的電気コンタクト等
を介してパターン導電層から発熱層を介して帰路導電層
に通電される入力電流としては、交流又はパルス電流若
しくはこれらの変調電流が採用されてよく、温度制御等
の点からは好ましくはパルス電流を利用する。
【0093】このように、発熱層を有する像保持部材で
は、そのパターン導電層の一部分に局所的に通電され、
その部分の発熱層が局所的に発熱し、用紙等の画像記録
媒体に担持された色材像を転写する際に、その必要部分
のみ(例えばこの画像転写部が加熱加圧している場合に
は圧力が作用する部分のみ)が加熱される。この際、像
保持部材の発熱部分、すなわち発熱層と転写を必要とす
る画像保持部材の未転写色材像との間は極めて接近させ
ており、しかも、必要な部分を局所的に発熱させて加熱
するので、熱容量が小さくて瞬時に高い温度に発熱して
未転写色材像を高温に加熱することができる。その上、
その後発熱した発熱層は、その熱容量が小さいために短
時間で温度が低下し、室温近くまでもどる。従って、こ
のような発熱現象では、発熱エネルギー総量を小さくす
ることができ、装置全体の温度上昇を抑制することがで
きる。なお、発熱層を有する像保持部材を搭載した画像
転写ユニット等の装置であっても、必要により、装置全
体の温度上昇を抑制するための冷却機構を付設してもよ
い。
【0094】さらに、発熱層を有する像保持部材の温度
を検出する温度検知装置を設け、この温度検知装置によ
って検知される温度に対応して発熱層への供給電力を制
御する供給電力制御機構を設けることにより、容易にこ
の像保持部材の発熱部分における発熱量を制御すること
ができるので、良好な転写画像が得られて有効である。
【0095】例えば、電気コンタクト部分が複数の分割
電極で構成されている場合、画像信号をこの分割電極に
対応したブロックに分割するブロック分割回路と、この
ブロック分割回路からの画像信号と環境温度を検知して
各分割電極に供給する電気エネルギー量を設定する設定
回路(パルス幅設定回路やパルス数・タイミング設定回
路等)と、この設定回路からの出力信号に基づいて加熱
用電気量の発生を行うドライバー回路とを利用すること
が好ましい。
【0096】次に、パターン導電層、発熱層、帰路電極
層の材料等に関して説明する。上記パターン導電層を形
成するための材料としては、それが導電性に優れたもの
であれば特に制限はなく、例えば、金属や導電性セラミ
ックのスパッタリング膜や真空蒸着膜、導電ペーストの
スクリーン印刷膜等の薄膜を使用し、ホトリソグラフィ
ー法やスクリーン印刷法等の方法で所定の形状にパター
ン化する。
【0097】このパターン導電層の膜厚については、通
常5μm以下であり、好ましくは1μm以下である。こ
の膜厚が5μmを越えて厚くなると、パターン導電層の
リーク発熱量が増加して入力電流に対する発熱層での発
熱温度が低下する。
【0098】また、上記帰路導電層は、パターン導電層
と同様に、通常は導電性に優れた材料で薄膜状に形成さ
れる。
【0099】さらに、この帰路導電層についても、例え
ば、金属や導電性セラミックのスパッタリング膜や真空
蒸着膜、導電ペーストのスクリーン印刷膜等の薄膜が好
適に使用され、その膜厚は、通常5μm以下、好ましく
は0.5μm以下である。この膜厚が5μmを越えて厚
くなると、電極部のリーク発熱量が増加して入力電流に
対する発熱層での発熱温度が低下する。
【0100】さらに、上記発熱層は、耐熱性が一般に2
00℃以上、好ましくは300℃以上であって、体積抵
抗値が一般に10-2〜104 Ω・cm、好ましくは10
-1〜10Ω・cmの範囲の材料から選択する。
【0101】このような発熱層を構成する材料として
は、通常、導電性セラミック材料、導電性カーボン材
料、及び金属材料等の種々の導電性材料と、絶縁性セラ
ミック材料や耐熱性樹脂等の種々の絶縁性材料とを、そ
れぞれ1種類又は数種類づつ混合し若しくは化合して構
成される。ここで使用される導電性材料としては、具体
的には、C、Ni、Au、Ag、Fe、Al、Ti、P
d、Ta、Cu、Co、Cr、Pt、Mo、Ru、R
h、W、In等のカーボンや金属材料、VO2 、Ru 2
O、TaN、SiC、ZrO2 、InO、Ta2 N、Z
rN、NbN、VN、TiB2 、ZrB2 、HfB2
TaB2 、MoB2 、CrB2 、B4 C、MoB、Zr
C、VC、TiC等の化合物が挙げられる。また、耐熱
性樹脂としては、ポリイミド樹脂、ポリアラミド樹脂、
ポリスルホン樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ポリエステ
ル−イミド樹脂、ポリフェニレンオキシド樹脂、ポリ−
p−キシリレン樹脂、ポリベンズイミダゾール樹脂、あ
るいはこれらの誘導体よりなる樹脂や種々の変性樹脂を
挙げることができる。更に、抵抗値制御や結着のために
用いられる絶縁性材料としては、AlN、SiN4 、A
2 3 、MgO、VO2、SiO2 、ZrO2 、MO
2 、Bi2 3 、TiO2 、MoO2 、WO2 、NbO
2 、ReO3 等のセラミック材料や上記耐熱性樹脂が用
いられる。
【0102】発熱層を構成する好ましい材料として、例
えば、カーボン分散ポリイミド樹脂、Ni粉体分散シリ
コーン樹脂、Ta−SiO2 混合セラミック材、RuO
−SiO2 材等が挙げられる。また、この発熱層の膜厚
は、通常10μm以下、好ましくは0.2から5μmの
範囲であるのがよい。この膜厚が10μmを越えて厚く
なると、入力電力に対する発熱効率が低下してエネルギ
ー消費が増大するという問題が生じる。
【0103】像保持部材の構成形態が、図7に示したよ
うなベルト形状や、ドラム状であると像保持部材を記録
媒体に圧力の調整や記録媒体の剥離タイミング制御の余
裕度が広がり画像の転写効率や転写画像の均一性を向上
させることもできる。その時の支持体材料としてポリイ
ミド樹脂及びその変性化合物、ポリアラミド樹脂及びそ
の変性化合物、若しくは、シリコーン樹脂及びその変性
化合物等のポリマー、あるいは、これらのものを主成分
とする材料等の帯状のものが挙げられる。
【0104】
【実施例】以下、本発明を実施例によって、より具体的
に説明する。 実施例1 電着用の水系色材液(色材分散液)形成のために、ま
ず、カ−ボンブラック(色材)粉末(平均粒子径0.1
μm) 15重量部、ジエチレングリコ−ル(湿潤液)
15重量部、ポリオキシエチレンアルキルエ−テルカ
ルボン酸ナトリウム(分散剤) 3重量部、ポリエチレ
ングリコ−ルジカルボン酸ナトリウム(分散剤) 3重
量部、水溶性アクリル樹脂(添加剤) 5重量部、イソ
プロパノ−ル(溶媒) 7重量部、蒸留水 50重量
部、以上の材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を1時
間行いカ−ボンブラック粉末を十分に液体に湿潤させ
て、色材分散液の粗分散液を作成した。
【0105】次にこの分散液体をホモジナイザ−分散機
を用いて3分間の高強度強制分散処理を行い分散原液を
作成した。蒸留水 100重量部、グリセリン 10重
量部、防かび材(ICI社 プロキセルXL−2)
0.8重量部、水溶性アクリル樹脂 25重量部、を混
合した希釈液をプロペラ撹拌を行いながらこの分散原液
中に滴下し、色材粒子分散液を得て、次にフィルタ−に
よる加圧濾過を行い、電着用水系色材液(色材分散液)
を完成させた。この液は、燐酸水溶液および水酸化ナト
リウム水溶液によりpHを調整して、pH6.5に設定
した。この液の色材粒子析出開始点のpHは5.0であ
った。また、この液の体積固有抵抗は3×103 Ω・c
mであった。
【0106】次に、図4に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極(電極として機能する像保持
部材のうち、外部からの電圧が直接印加される部分をさ
すものとする)としてのITO導電層の付いた像保持部
材を、その裏面が分散液浴の外部に出るように分散液浴
中に置き、また、対向電極と、塩橋を利用した制御電極
とを浴内に設置した。
【0107】この像保持部材は、4mm厚の板ガラス支
持体にITOの透明導電層を与えその上に真空蒸着法に
より2層の有機光導電体層の積層構造(フタロシアニン
とペリレン各顔料の50nm圧の2層構造体)を設け、
更に、0,05μmの厚みに室温硬化型の含フッ素シリ
コ−ン樹脂を浸漬塗布法により塗布して、作製した。そ
の表面は段差が無く平滑で、表面粗さ(Ra)が0.2
μmで、臨界表面張力が22dyne/cmであった。
【0108】この像保持部材の各電極をポテンショスタ
ット電源に結線した。そして、像保持部材の裏面の光画
像入力部に光により画像入力しながら、ポテンショスタ
ット電源より、ワ−ク電極と対向電極の間に2.0Vの
D.C.電圧を19秒間印加した。それにより、この像
保持部材の表面に黒色の画像を形成した。
【0109】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、コピ−用紙を像保持部材表面に載
せ、その部材を板状プレス機に設定し、面積圧力500
g/cm2 の加圧プレスを行い、次にコピ−用紙を像保
持部材より剥がし、このコピ−用紙上に光学画像濃度
1.37の高画質像が形成されていることを確認した。 実施例2 電着用の水系色材液(色材粒子分散液)の作成のため
に、まず、カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.07
μm)20重量部、ポリエチレングリコ−ル10重量
部、ポリメチルアクリレ−トジカルボン酸アンモニュウ
ム 5重量部、ポリオキシエチレンアルキルフェニルカ
ルボン酸アンモニュウム 5重量部、水溶性アクリル樹
脂 6重量部、イソプロパノ−ル 10重量部、蒸留水
50重量部、以上の材料を混合し、中強度のプロペラ
撹拌を3時間行いカ−ボンブラック粉末を十分に液体に
湿潤させて粗分散液を作成した。
【0110】次にこの分散液体をボ−ルミル分散機を用
いて24時間の分散処理を行い分散原液を作成した。蒸
留水 150重量部、グリセリン 20重量部、防かび
剤(ICI社 プロキセルXL−2) 0.5重量部、
酢酸ビニルエマルション液50重量部の混合した希釈液
をプロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴下し、
色材粒子分散液を完成させた。この液は、燐酸水溶液お
よびアンモニア水溶液によりpHを調整して、pH6.
0に設定した。この液の色材粒子析出開始点のpHは
5.0であった。また、この液の体積固有得抵抗は5×
102 Ωcmであった。
【0111】次に、図4に示した実施例1と同様の装置
を用いて、裏面から画像信号を入力のできるワ−ク電極
としてのITO導電層の付いた像保持部材を、上記分散
液を入れた分散液浴に裏面が分散液浴の外部に出るよう
に置き、また対向電極、塩橋を利用した制御電極を浴内
に設置した。
【0112】この像保持部材は、5mm厚の石英支持体
にITOの透明導電層を与えその上に2層の前記有機光
導電体層の積層構造を設け、更に、その表面に、0.0
3μm厚みに室温硬化型の含フッ素シリコ−ン樹脂を浸
漬塗布法により塗布して作製した。表面は平滑に出来
き、表面粗さ(Ra)が0.08μmで、臨界表面張力
が19dyne/cmであった。
【0113】この像保持部材の各電極をポテンショスタ
ット電源に結線した。そして、像保持部材の裏面の光画
像入力部にHe−Neレ−ザ−光により画像入力しなが
ら、ポテンショスタット電源より、ワ−ク電極と対向電
極の間に3.0VのD.C.パルス電圧(パルス幅2m
s/パルス周期3ms)を印加した。それにより、この
像保持部材の表面に黒色の画像を形成した。He−Ne
レ−ザ−光に対するこの5mm厚の石英支持体の透光性
は94%であった。
【0114】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、コピ−用紙を像保持部材表面に載
せ、その紙を載せた部材を線圧100g/cmでロ−ラ
−表面温度90℃のゴムロ−ラ−間を通し画像転写を行
い、次にコピ−用紙を像保持部材より剥がし、このコピ
−用紙上に光学画像濃度1.51の高画質像が形成され
ていることを確認した。 実施例3 電着用の水系色材液の作成のために、まず、フタロシア
ニン染料(水への解離基としてカルボキシル基が2つ以
上有する) 10重量部、エチルセルソルブ10重量
部、水溶性アクリル樹脂 6重量部、イソプロパノ−ル
10重量部、蒸留水 50重量部、以上の材料を混合
し、中強度のプロペラ撹拌を0.5時間行い染料原液を
作成した。
【0115】蒸留水 160重量部、ジエチレングリコ
−ル 20重量部、防かび材(ICI社 プロキセルX
L−2) 0.5重量部、水溶性ビニル樹脂水溶液 5
0重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行いなが
らこの染料原液中に滴下し、電着用水系色材液を完成さ
せた。この液は、燐酸水溶液および水酸化リチウム水溶
液によりpHを調整して、pH7.0に設定した。この
液の色材析出開始点のpHは4.0であった。また、こ
の液の体積固有抵抗は7×102 Ωmであった。
【0116】次に、図6に示した装置を用いて、裏面か
ら電流画像信号を入力できる像保持部材を、上記電着用
水系色材液を入れた電着液浴に裏面が電着液浴の外部に
出るように置き、また対向電極、塩橋を利用した制御電
極を浴内に設置した。この像保持部材は、2mm厚で1
5μm径のNi線が厚み方向に垂直に並んで絶縁樹脂で
固定した電流拡散を抑制した導電体層を与え、その導電
層の液に接する表面には,表面粗さ(Ra)が0.22
μmで、臨界表面張力が21dyne/cmにであっ
た。
【0117】そして、各電極を制御電源に結線し、像保
持部材の裏面の画像入力部に400DPIの針電極画像
入力印字ヘッドを用いて、画像入力し、針電極とカウン
タ−電極の間は2.3VのD.C.パルス電圧(パルス
幅1ms/パルス周期2ms)を印字ヘッドの走査速度
に同期して印加した。また、針電極と対向電極の間の電
圧を1.8VのD.C.パルスにより印字した。
【0118】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、液体分を除去し、その上から、コ
ロナ放電により画像部を帯電させた、その上に印刷用紙
をのせ、その紙を載せた部材を線圧100g/cmで加
圧状態のバイアス電圧200Vのゴムロ−ラ−間を通し
画像転写を行い、次に印刷用紙を像保持部材より剥が
し、この印刷用紙上にシアン色の光学画像濃度1.41
と1.05の高画質像が形成されていることを確認し
た。 実施例4 電着用水系色材液の作成のために、まず、カ−ボンブラ
ック粉末(平均粒子径0.07μm) 20重量部、ポ
リエチレングリコ−ル 10重量部、ポリメチルアクリ
レ−トジカルボン酸アンモニュウム 5重量部、ポリオ
キシエチレンアルキルフェニルカルボン酸アンモニュウ
ム 5重量部、水溶性アクリル樹脂 6重量部、イソプ
ロパノ−ル 10重量部、蒸留水 50重量部、以上の
材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を3時間行いカ−
ボンブラック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を
作成した。
【0119】次にこの分散液体をボ−ルミル分散機を用
いて24時間の分散処理を行い分散原液を作成した。蒸
留水 200重量部、グリセリン 20重量部、ピロ−
ル6重量部、防かび材(ICI社 プロキセルXL−
2) 0.5重量部、を混合した希釈液をプロペラ撹拌
を行いながらこの分散原液中に滴下し、色材粒子分散液
を完成させた。この液は、燐酸水溶液およびアンモニア
水溶液によりpHを調整して、pH6.3に設定した。
この液の色材粒子析出開始点のpHは4.8であった。
また、この液の体積固有抵抗は4×102 Ωcmであっ
た。
【0120】次に、図4に示した実施例1と同様の装置
を用いて、裏面から画像信号を入力のできるワ−ク電極
としてのITO導電層の付いた像保持部材を、上記分散
液を入れた分散液浴に裏面が分散液に接触せずに外部に
出るように置き、また対向電極、塩橋を利用した制御電
極を浴内に設置した。
【0121】この像保持部材は、75μm厚のポリイミ
ドフフィルムに図8に示したように、パタ−ン化したI
TOの透明導電層を与え、その上に高周波スパッタ法に
より酸化インジュ−ムと酸化珪素の混合した0.3μm
厚の透明発熱体層を設け、その上にITOの透明導電層
を与え、その上に真空蒸着法による2層構造の前記有機
光導電体層を着膜し、その表面に低表面エネルギ−層を
薄膜に与え、透明発熱体層つき像保持部材を作成した。
この像保持部材の表面は平滑で表面粗さ(Ra)が0.
07μmで、臨界表面張力が23dyne/cmであっ
た。
【0122】次に、ITO導電層をワ−ク電極にし、各
電極をポテンショスタット電源に結線した。そして、像
保持部材の裏面の光画像入力部にHe−Neレ−ザ−光
により画像入力しながらポテンショスタット電源より、
ワ−ク電極と対向電極の間に2.2VのD.C.電圧を
印加した。それにより、この像保持部材の表面に黒色の
画像を形成した。He−Neレ−ザ−光に対するこの5
mm厚の石英支持体ポリイミドフィルムの透光性は79
%であり、またこの発熱体層の透光性は96%であっ
た。
【0123】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より移動し、コピ−用ロ−ル紙を像保持部材表面
に接触させ、像保持部材とロ−ル紙を線圧150g/c
mで加圧状態の場所のパタ−ンITO電極層にDCのパ
ルス電圧を入力し、加圧下のロ−ラ−表面温度を90℃
に加熱し、その加圧用ゴムロ−ラ−間を通し、画像転写
を行い、次にコピ−用紙を像保持部材より剥がし、この
コピ−用紙上に光学画像濃度1.53の高画質像が形成
されていることを確認した。転写後の転写残留色材は殆
ど無かったが、ウエブによる表面クリ−ニングを行い、
像保持部材を初期状態に戻した。この実施例の様にベル
ト状の像保持部材では、印字、転写、部材のクリ−ニン
グの各工程が連続的にかつ同時進行で処理でき、記録効
率が大変に良好であった。 実施例5 実施例1と同様に、色材粒子分散液を作成して、記録印
字工程を経て分散液浴から出し液体分を除去してから、
像保持部材上に分散色材粒子の画像を得た像保持部材面
上に普通紙を載せた。この紙の上から、+6KVのコロ
ナ放電を行い、次に一対のゴムロ−ラを線圧300g/
cmで普通紙および像保持部材を挟んで加圧し回転搬送
した。そして加圧直後普通紙を像保持部材より引き剥が
し、光学画像濃度1.39の転写した画像を普通紙上に
得た。 実施例6 カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm) 15
重量部、グリセリン15重量部、ポリオキシエチレンア
ルキルエ−テルカルボン酸ナトリウム 5重量部、ポリ
エチレングリコ−ルジカルボン酸ナトリウム 3重量
部、水溶性アクリル樹脂 3重量部、イソプロパノ−ル
7重量部、蒸留水 55重量部、以上の材料を混合
し、中強度のプロペラ撹拌を1時間行いカ−ボンブラッ
ク粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を作成した。
【0124】次にこの分散液体をホモジナイザ−分散機
を用いて3分間の高強度強制分散処理を行い分散原液を
作成した。蒸留水 100重量部、酢酸ビニルエマルシ
ョン水溶液 20重量部、防かび材(ICI社 プロキ
セルXL−2) 0.6重量部、の混合した希釈液をプ
ロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴下し、色材
粒子分散液を完成させた。この液は、燐酸水溶液および
水酸化ナトリウムによりpHを調整して、pH6.9に
設定した。この液の色材粒子析出開始点のpHは5.2
であった。また、この液の体積固有抵抗は5×102 Ω
cmであった。
【0125】次に、図4に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極としてのITO導電層の付い
た像保持部材を上記分散液を入れた分散液浴に裏面が分
散液浴の外部に出るように置き、そして対向電極、塩橋
を利用した制御電極を浴内に設置した。
【0126】この像保持部材は、4mm厚の板ガラス支
持体にITOの透明導電層を与えその上に2層の前記有
機光導電体層の積層構造により作製した。有機光導電体
層の表面は平滑に出来ていて、この像保持部材の表面は
平滑で表面粗さ(Ra)が0.15μmで、臨界表面張
力が17dyne/cmであった。各電極をポテンショ
スタット電源に結線した。そして、像保持部材の裏面の
光画像入力部に画像入力しながらポテンショスタット電
源より、ワ−ク電極と対向電極の間に2.2VのD.
C.電圧を9秒間印加した。それにより、この像保持部
材の表面に黒色の画像を形成した。
【0127】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、コピ−用紙を像保持部材表面に載
せ、その部材を板状プレス機に設定し、面積圧力200
g/cm2 で加熱温度80℃の加熱加圧プレスを行いプ
レス機より出し、次にコピ−用紙を像保持部材より剥が
し、このコピ−用紙上に光学画像濃度1.42の高画質
像を形成されていることを確認した。
【0128】次に、消しゴム擦り定着テストを実施した
結果、本実施例の印字サンプルの光学濃度変化量は、
0.15であった。実施例1の印字サンプルの光学濃度
変化量は、0.4であった。これにより、エマルジョン
水溶液の添加により定着性が向上したことが確認でき
た。 実施例7 実施例2と同様にして、実施例2と同じ色材粒子分散液
を完成させた。
【0129】次に、図4に示した実施例2と同様の装置
を用いて、像保持部材の裏面の光画像入力部にHe−N
eレ−ザ−光により画像入力しながらポテンショスタッ
ト電源より、ワ−ク電極と対向電極の間に5.0Vの
D.C.パルス電圧(パルス幅1ms/パルス周期3m
s)を印加した。その時分散液浴の中に温度制御装置を
入れて浴内の分散液の液温制御を行いながら一定温度で
印字記録を行った。
【0130】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、コピ−用紙を像保持部材表面に載
せ、その紙を載せた部材を線圧100g/cmでロ−ラ
−表面温度90℃のゴムロ−ラ−間を通し画像転写を行
い、次にコピ−用紙を像保持部材より剥がし、このコピ
−用紙上に光学画像濃度1.51の高画質像が形成され
ていることを確認され、またソリッド(べた)部の光学
濃度バラツキがσ=0.03であることを確認した。実
施例2の光学画像濃度1.51、ソリッド部の光学濃度
バラツキがσ=0.08であった。 実施例8 電着用の水系色材液(色材粒子分散液)の作成のため
に、カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)
10重量部、ジエチレングリコ−ル 15重量部、ポリ
オキシエチレンアルキルエ−テルカルボン酸ナトリウム
3重量部、ポリエチレングリコ−ルジカルボン酸ナト
リウム 3重量部、イソプロパノ−ル 7重量部、蒸留
水 55重量部、以上の材料を混合し、中強度のプロペ
ラ撹拌を1時間行いカ−ボンブラック粉末を十分に液体
に湿潤させて粗分散液を作成した。次にこの分散液体を
超音波分散機を用いて30分間の高強度強制分散処理を
行い分散原液を作成した。蒸留水 100重量部、グリ
セリン 10重量部、でんぷん水溶液 40重量、水系
酢酸ビニルエマルシション液 10重量部、の混合した
希釈液をプロペラ撹拌を行いながらこの分散原液中に滴
下し、色材粒子分散液を完成させた。
【0131】次に、図4に示した通り、裏面から画像信
号を入力できるワ−ク電極としてのITO導電層の付い
た像保持部材を上記分散液を入れた分散液浴に裏面が分
散液浴の外部に出るように置き、そして対向電極、塩橋
を利用した制御電極を浴内に設置した。
【0132】この像保持部材は、3mm厚の板ガラス支
持体にITOの透明導電層を与えその上に2層の前記有
機光導電体層の積層構造により作製した。有機光導電体
層の表面は平滑に出来ていて、この像保持部材の表面は
平滑で表面粗さ(Ra)が0.21μmで、臨界表面張
力が20dyne/cmであった。各電極をポテンショ
スタット電源に結線した。そして、像保持部材の裏面の
光画像入力部に画像入力しながらポテンショスタット電
源より、ワ−ク電極と対向電極の間に2.3VのD.
C.電圧を4秒間印加した。
【0133】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、コピ−用紙を像保持部材表面に載
せ、その紙を載せた部材を線圧200g/cmでロ−ラ
−表面温度80度Cのゴムロ−ラ−間を通し画像転写を
行い、次にコピ−用紙を像保持部材より剥がし、このコ
ピ−用紙上に光学画像濃度1.43の高画質像が形成さ
れていることを確認された。
【0134】次に、本実施例の分散液と実施例1の分散
液を各液ごと300mlポリエチレンビンに入れて、3
0°C・90Rh%の環境に3ケ月放置した。目視、濾
過と震とう評価を行ったところ、実施例1の分散液は放
置テスト前と同じ液性であったが、本実施例の分散液は
放置テスト前の液性と比べると粘度の上昇と液中微小浮
遊物の存在が認められた。 実施例9 実施例2と同様に、分散液を作成して、像保持部材への
印字工程を経て、それを分散液浴から出した。この像保
持部材の表面は平滑で表面粗さ(Ra)が0.12μm
で、臨界表面張力が22dyne/mであった。そして
像保持部材上に分散色材粒子の画像を得た像保持部材面
上に普通紙を載せた。この紙の上から、導電ゴムロ−ラ
と絶縁ゴムロ−ラを線圧400g/cmで普通紙および
像保持部材を挟んで加圧し、+800Vのバイアス電圧
を導電ゴムロ−ラに印加し、回転搬送した。そしてロ−
ラ搬出直後普通紙を像保持部材より引き剥がし、光学画
像濃度1.43の転写した画像を普通紙上に得た。つぎ
に、像保持部材面上をゴムブレ−ドを用いて転写残りの
画像形成材料を除去した。これにより、像保持部材面上
が初期状態に戻り、次の画像形成の準備が整った。 実施例10 電着用の水系色材液(色材粒子分散液)の作成のため
に、カ−ボンブラック粉末(平均粒子径0.1μm)
10重量部、ジエチレングリコ−ル 15重量部、ポリ
オキシエチレンアルキルエ−テルカルボン酸ナトリウム
3重量部、ポリエチレングリコ−ルジカルボン酸ナト
リウム 3重量部、水溶性アクリル樹脂6重量部、イソ
プロパノ−ル 7重量部、蒸留水 55重量部、以上の
材料を混合し、中強度のプロペラ撹拌を1時間行いカ−
ボンブラック粉末を十分に液体に湿潤させて粗分散液を
作成した。
【0135】次にこの分散液体を超音波分散機を用いて
100分間の高強度強制分散処理を行い分散原液を作成
した。蒸留水 120重量部、グリセリン 10重量
部、防かび材(ICI社 プロキセルXL−2) 0.
3重量部、の混合した希釈液をプロペラ撹拌を行いなが
らこの分散原液中に滴下し、電着用色材粒子分散液を完
成させた。この液を、塩酸水溶液および水酸化ナトリウ
ム水溶液によりpHを調整して、pH4.5、6.0、
7.5、9.5に設定した。この液の色材粒子析出開始
点のpHは5.4である。
【0136】次に、図5に示す通り、裏面から画像信号
を入力できるワ−ク電極としてのITO導電層の付いた
像保持部材を、上記分散液を入れた分散液浴に裏面が分
散液浴の外部に出るように置き、そして対向電極、塩橋
を利用した制御電極を浴内に設置した。
【0137】この像保持部材は、4mm厚の板ガラス支
持体にITOの透明導電層を与えその上に2層の前記有
機光導電体層の積層構造により作製した。有機光導電体
層の表面は平滑に出来ていて、この像保持部材の表面は
平滑で表面粗さ(Ra)が0.22μmで、臨界表面張
力が20dyne/cmであった。その像保持部材の各
電極をポテンショスタット電源に結線した。
【0138】そして、像保持部材の裏面の光画像入力部
に画像入力しながらポテンショスタット電源より、ワ−
ク電極と対向電極の間に2.5VのD.C.電圧を7秒
間印加した。
【0139】次に、この画像形成を終了した像保持部材
を液中より取り出し、コピ−用紙を像保持部材表面に載
せ、その紙を載せた部材を線圧200g/cmでロ−ラ
−表面温度80度Cのゴムロ−ラ−間を通し画像転写を
行い、次にコピ−用紙を像保持部材より剥がし、このコ
ピ−用紙上の光学画像濃度を測定したところ、1.45
(pH4.5の分散液)、1.42(pH6.0の分散
液)、1.27(pH7.5の分散液)、1.05(p
H9.5の分散液)、の画像が形成されていることを確
認した。そして、pH4.5の分散液は分散粒子が浴槽
の底に沈降をしており、分散状態が不安定であった。 比較例1 実施例1と同様の電着液および装置を用い、像保持部材
の表面特性について、表面粗さ(Ra)が0.20μm
で、臨界表面張力が40dyne/cmに作られている
像保持部材を用いて印字記録を行ったところ、転写した
コピ−用紙上に光学画像濃度0.57の画像を形成され
ていることを確認した。 比較例2 実施例1と同様の電着液および装置を用い、像保持部材
の表面特性について、表面粗さ(Ra)が2.3μm
で、臨界表面張力が40dyne/cmに作られている
像保持部材を用いて印字記録を行ったところ、転写した
コピ−用紙上に光学画像濃度0.34の画像を形成され
ていることを確認した。
【0140】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
各種記録媒体の上に、転写性良く、画像が形成され、か
くして、高光学濃度、低画像厚み画像構造、高画像接着
性、高い画像堅牢性が得られる。
【0141】また、本発明は、高解像、良好な中間調再
現性、高い安全性が得られ、また、廃棄物も殆どなく、
更に消費エネルギが少なく、しかも工程も設備も簡易で
ある。
【0142】更に、本発明は、印刷版を用いず、少量多
品種のプリント生産に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法の代表例を模式的に示
す図である。
【図2】 分散液のpHと分散安定性との関係を示す図
である。
【図3】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図4】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図5】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図6】 本発明を実施する装置の一例を模式的に示す
図である。
【図7】 本発明を連続的に実施する装置の一例を模式
的に示す図である。
【図8】 発熱体層を有する像保持部材の一例の模式的
断面図である。
【図9】 像保持部材における、パタ−ン導電層のパタ
−ンを示すための説明図である。
【符号の説明】
10 容器 11 像形成部材 12 協
働電極 13 色材微粒子 4 水系溶媒 15 分
散液 16 対向電極 19 像様露光装置 20 レ
ーザ光源 82 パタ−ン導電層 83 発熱層 84 帰
路導電層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 夫 龍淳 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーン テクなかい 富士ゼロックス株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−237085(JP,A) 特開 平8−211755(JP,A) 特開 平7−104101(JP,A) 特開 平4−104101(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 1/00

Claims (21)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水系液体中に少なくとも色材を溶解また
    は分散させた水系色材液であって、該水系色材液のpH
    値が、色材が陽極析出であるときは析出開始pH点に比
    較して+1〜+3の値の間のpH値に設定され、また色
    材が陰極析出であるときは析出開始pH点に比較して−
    3〜−1の値の間のpH値に設定された水系色材液と、 その溶液中に、浸漬または接触させた、電極対の一方と
    して機能でき且つ画像を保持するための面を有する像保
    持部材と、 像保持部材と協働して、電気化学反応を引き起こすこと
    が可能に配置された、電極対の他方である対向電極と、 を有する装置を用意する工程と; 像保持部材の所望部と、電極対の他方である対向電極と
    の間に10V未満の電圧を印加することにより、像保持
    部材の所望部と対向電極とを、水系色材液を介して通電
    して、前記水系色材液のpH値を変化させ、前記色材
    溶解性または分散安定性を変化させて、その所望部に、
    少なくとも色材を析出・付着して画像を形成する工程
    と; その画像を像保持部材から記録媒体に転写して、画像記
    録を記録媒体に行う工程と; を有する画像記録方法であって、 像保持部材として、その表面の臨界表面張力が30dy
    ne/cm以下である部材を使用する画像記録方法。
  2. 【請求項2】 水系液体中に少なくとも色材を溶解また
    は分散させた水系色材液であって、該水系色材液のpH
    値が、色材が陽極析出であるときは析出開始pH点に比
    較して+1〜+3の値の間のpH値に設定され、また色
    材が陰極析出であるときは析出開始pH点に比較して−
    3〜−1の値の間のpH値に設定された水系色材液と、 その溶液中に、浸漬または接触させた、電極対の一方と
    して機能でき且つ画像を保持するための面を有する像保
    持部材と、 像保持部材と協働して、電気化学反応を引き起こすこと
    が可能に配置された、電極対の他方である対向電極と、 を有する装置を用意する工程と; 像保持部材の所望部と、電極対の他方である対向電極と
    の間に10V未満の電圧を印加することにより、像保持
    部材の所望部と対向電極とを、水系色材液を介して通電
    して、前記水系色材液のpH値を変化させ、前記色材
    溶解性または分散安定性を変化させて、その所望部に、
    少なくとも色材を析出・付着して画像を形成する工程
    と; その画像を像保持部材から記録媒体に転写して、画像記
    録を記録媒体に行う工程と; を有する画像記録方法であって、 像保持部材として、その表面の表面粗さ(Ra)が0.
    01μmから1.5μmである部材を使用する画像記録
    方法。
  3. 【請求項3】 前記像保持部材の表面の表面粗さ(R
    a)が0.01μmから1.5μmである請求項1記載
    の画像記録方法。
  4. 【請求項4】 色材の析出に、水系液体のpH変化が関
    与する請求項1〜3いずれか記載の画像記録方法。
  5. 【請求項5】 前記像保持部材は、画像パターンに従い
    電流または電界を授受できる部材である請求項1〜4い
    ずれか記載の画像記録方法。
  6. 【請求項6】 画像を構成している材料が、熱によって
    溶融する材料を含有している請求項1記載の画像記録方
    法。
  7. 【請求項7】 画像を構成している材料が、圧力によっ
    て変形し接着する材料を含有している請求項1記載の画
    像記録方法。
  8. 【請求項8】 通電により発熱して、前記画像を保持す
    るための面を加熱可能な発熱層を像保持部材が含み、転
    写時に発熱層を発熱させる請求項6記載の画像記録方
    法。
  9. 【請求項9】 発熱層を所望部のみ発熱状態になるよう
    制御可能である請求項8記載の画像記録方法。
  10. 【請求項10】 像保持部材の構成形態が、回転するベ
    ルト状又はドラム状であり、前記色材の析出・付着と、
    前記転写とを連続的に実施する請求項1記載の画像記録
    方法。
  11. 【請求項11】 像保持部材が、支持体と、その上に存
    在する光導電性層とを含んでいる請求項1記載の画像記
    録方法。
  12. 【請求項12】 像保持部材の支持体が特定波長の光に
    対して、40%以上の透光性を有しており、その支持体
    を介して、当該光を照射して、前記色材の析出・付着を
    実施する請求項11記載の画像記録方法。
  13. 【請求項13】 像保持部材が、支持体と光導電性層と
    の間に、又は光導電性層上に、更に発熱層を有し、当該
    発熱体は、特定波長の光に対して、40%以上の透光性
    を有しており、支持体及び/又は発熱層を介して、当該
    光を照射して、前記色材の析出・付着を実施する請求項
    12記載の画像記録方法。
  14. 【請求項14】 水系液体中に少なくとも色材を溶解ま
    たは分散させた水系色材液であって、該水系色材液のp
    H値が、色材が陽極析出であるときは析出開始pH点に
    比較して+1〜+3の値の間のpH値に設定され、また
    色材が陰極析出であるときは析出開始pH点に比較して
    −3〜−1の値の間のpH値に設定された水系色材液
    に、電極対の一方として機能可能であって、色材析出膜
    を保持するための保持面を有し、且つ保持面の臨界表面
    張力が30dyne/cm以下である保持部材の、少な
    くとも保持面を接触させる工程、保持部材の所望部と、
    電極対の他方である対向電極との間に10V未満の電圧
    を印加することにより、保持部材の所望部と対向電極と
    を、前記水系色材液を介して通電して、前記水系色材液
    のpH値を変化させ、色材の溶解性または分散安定性を
    変化させて、保持部材の所望部に、色材を析出・付着さ
    せて色材析出膜を形成する工程、次いでその色材析出膜
    を保持部材から記録媒体に転写する工程、を有すること
    を特徴とする色材析出膜の形成方法。
  15. 【請求項15】 水系液体中に少なくとも色材を溶解ま
    たは分散させた水系色材液であって、該水系色材液のp
    H値が、色材が陽極析出であるときは析出開始pH点に
    比較して+1〜+3の値の間のpH値に設定され、また
    色材が陰極析出であるときは析出開始pH点に比較して
    −3〜−1の値の間のpH値に設定された水系色材液
    に、電極対の一方として機能可能であって、色材析出膜
    を保持するための保持面を有し、且つ保持面の表面粗さ
    (Ra)が0.01μmから1.5μmである保持部材
    の、少なくとも保持面を接触させる工程、保持部材の所
    望部と、電極対の他方である対向電極との間に10V未
    満の電圧を印加することにより、保持部材の所望部と対
    向電極とを、前記水系色材液を介して通電して、水系色
    材液のpH値を変化させ、色材の溶解性または分散安定
    性を変化させて、保持部材の所望部に、色材を析出・付
    着させて色材析出膜を形成する工程、次いでその色材析
    出膜を保持部材から記録媒体に転写する工程、を有する
    ことを特徴とする色材析出膜の形成方法。
  16. 【請求項16】 前記通電を、電極対の一方として機能
    する保持部材における発泡現象を抑制しつつ行うことを
    特徴とする請求項14または請求項15に記載の色材析
    出膜の形成方法。
  17. 【請求項17】 水系液体中に少なくとも色材を溶解ま
    たは分散させた水系色材液であって、該水系色材液のp
    H値が、色材が陽極析出であるときは析出開始pH点に
    比較して+1〜+3の値の間のpH値に設定され、また
    色材が陰極析出であるときは析出開始pH点に比較して
    −3〜−1の値の間のpH値に設定された水系色材液
    に、電極対の一方として機能可能であって、色材析出膜
    を保持するための保持面を有し、且つ保持面の臨界表面
    張力が30dyne/cm以下である保持部材の、少な
    くとも保持面を接触させる工程、保持部材の所望部と電
    極対の他方である対向電極とを、前記水系色材液を介し
    て通電して、水系色材液のpH値を変化させることによ
    り、色材の溶解性または分散安定性を変化させて、保持
    部材の所望部に、色材を析出・付着させて色材析出膜を
    形成する工程、次いでその色材析出膜を保持部材から記
    録媒体に転写する工程を有する色材析出膜の形成方法で
    あって、前記保持部材が導電性の表面を有する基板と光
    導電物質膜を有し、前記通電が、前記光導電物質膜への
    光照射により行われることを特徴とする色材析出膜の形
    成方法。
  18. 【請求項18】 水系液体中に少なくとも色材を溶解ま
    たは分散させた水系色材液であって、該水系色材液のp
    H値が、色材が陽極析出であるときは析出開始pH点に
    比較して+1〜+3の値の間のpH値に設定され、また
    色材が陰極析出であるときは析出開始pH点に比較して
    −3〜−1の値の間のpH値に設定された水系色材液
    に、電極対の一方として機能可能であって、色材析出膜
    を保持するための保持面を有し、且つ保持面の表面粗さ
    (Ra)が0.01μmから1.5μmである保持部材
    の、少なくとも保持面を接触させる工程、保持部材の所
    望部と電極対の他方である対向電極とを、前記水系色材
    液を介して通電して、水系色材液のpH値を変化させる
    ことにより、色材の溶解性または分散安定性を変化させ
    て、保持部材の所望部に、色材を析出・付着させて色材
    析出膜を形成する工程、次いでその色材析出膜を保持部
    材から記録媒体に転写する工程を有する色材析出膜の形
    成方法であって、前記保持部材が導電性の表面を有する
    基板と光導電物質膜を有し、前記通電が、前記光導電物
    質膜への光照射により行われることを特徴とする色材析
    出膜の形成方法。
  19. 【請求項19】 前記通電は、光導電物質膜への光照射
    に加え、光導電物質膜へのバイアス電圧の印加により行
    われることを特徴とする請求項17または請求項18に
    記載の色材析出膜の形成方法。
  20. 【請求項20】 前記基板が透明基板であり、光照射が
    光導電物質膜とは反対側から行われることを特徴とする
    請求項17ないし請求項19のいずれか1項に記載の色
    材析出膜の形成方法。
  21. 【請求項21】 前記水系色材液がpH調整剤を含むこ
    とを特徴とする請求項14ないし請求項21のいずれか
    1項に記載の色材析出膜の形成方法。
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