JP2001212261A - ゴルフボール - Google Patents
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Abstract
により打撃時のスピン量が大きく、止まりやすく、スピ
ン保持率の高いゴルフボールを提供する。 【解決手段】 本発明は、コアと、該コアを被覆するカ
バーからなるゴルフボールにおいて、前記カバーがアイ
オノマー樹脂とゴム成分を有する熱可塑性エラストマー
またはその変性体(B成分)と該ゴム成分を有する熱可
塑性エラストマーまたはその変性体と相溶性を有する樹
脂(C成分)をA成分/B成分が0.25〜4、C成分
/B成分が0.1〜0.9の混合比で構成する。
Description
するとともに飛距離が大きく、さらにラフからのショッ
トや雨天時のショットにもスピンが大きく、止まりやす
いゴルフボールに関する。
し、これにバラタカバーを被覆したゴルフボールは打球
感、コントロール性に優れていることから上級ゴルファ
ーおよびプロゴルファーに広く使用されていた。しかし
係るゴルフボールの構造は製造工程が複雑であること
や、耐カット性に劣ることから、最近ではバラタカバー
に代わる種々の軟質カバー材が提案されている。
カバーの基材樹脂に三元共重合体の軟質アイオノマー樹
脂を混合する技術が開示されている。しかし、かかる技
術では、ウエット時のスピン量はドライ時のスピン量に
対し劣るため、スピン保持率の面で不十分であった。
はカバーの基材樹脂が、アイオノマー樹脂とエポキシ基
を含有するポリブタジエンブロックを有するスチレン−
ブタジエン−スチレンブロック共重合体、またはエポキ
シ基を含有するポリイソプレンブロックを有するスチレ
ン−イソプレン−スチレンブロック共重合体との2成分
の加熱混合物を主成分として構成され、カバーを構成す
る組成物の曲げ剛性率が50〜300MPaで、かつシ
ョアD硬度は40〜60であることを特徴とするゴルフ
ボールが提案されている。かかる技術で打球感およびコ
ントロール性が良好で飛行性能および耐カット性が満足
できるが、しかしスピン保持率の向上を意図するもので
はない。
油状物質を含有する固形ゴムセンターと軟質カバー材を
用いることにより、打球感を改善するとともにショート
アイアンでのスピン量を増大させることが開示されてい
る。
油性ゴムや高い硬度のアイオノマー樹脂を用いているた
め、反撥性および打球感になお改善の余地がある。
な従来のゴルフボールの有する問題点を解決し、軟らか
く、良好な打球感を有し、かつ飛距離が大きく、さらに
ラフからのショットや雨天時のショットにもスピン量が
大きく、止まりやすいゴルフボールを提供することを目
的とする。
被覆するカバーからなるゴルフボールにおいて、前記カ
バーがアイオノマー樹脂(A成分)と、ゴム成分を有す
る熱可塑性エラストマーまたはその変性体(B成分)
と、該ゴム成分を有する熱可塑性エラストマーまたはそ
の変性体に相溶する樹脂(C成分)との混合物よりな
り、前記A成分と前記B成分の混合比(A成分/B成
分)が0.25〜4.0の範囲であり、前記C成分と前
記B成分の混合比(C成分/B成分)が0.1〜0.9
の範囲であることを特徴とするゴルフボールである。
するカバーよりなるゴルフボールである。
用いられるアイオノマー樹脂は、たとえばα−オレフィ
ンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボン酸との共重
合体であってそのカルボキシル基の少なくとも一部を金
属イオンで中和して得られる二元共重合体がある。また
α−オレフィンと炭素数3〜8のα,β−不飽和カルボ
ン酸と炭素数2〜22のα,β−不飽和カルボン酸エス
テルとの三元共重合体で、そのカルボキシル基の少なく
とも一部を金属イオンで中和して得られるものが挙げら
れる。そしてそれらの組成比としては、アイオノマー樹
脂のベースポリマーがα−オレフィンと炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸との二元共重合体の場合、α
−オレフィンが80〜90重量%で、α,β−不飽和カ
ルボン酸が10〜20重量%であることが好ましい。ベ
ースポリマーがα−オレフィンと炭素数3〜8のα,β
−不飽和カルボン酸と炭素数2〜22のα,β−不飽和
カルボン酸エステルとの三元共重合体の場合、α−オレ
フィンが70〜85重量%で、α,β−不飽和カルボン
酸が5〜30重量%、特に好ましくは、12〜20重量
%で、α,β−不飽和カルボン酸エステルが10〜25
重量%であることが好ましい。またこれらのアイオノマ
ー樹脂はメルトインデックス(MI)が0.1〜20、
特に0.5〜15であることが好ましい。カルボン酸含
量またはカルボン酸エステル含量を上記範囲とすること
により反発性を高めることができる。
チレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテンなどが
用いられ、特にエチレンが好ましい。炭素数3〜8の
α,β−不飽和カルボン酸としては、たとえばアクリル
酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、クロトン酸
などか用いられ、特にアクリル酸、メタクリル酸が好ま
しい。また、不飽和カルボン酸エステルとしては、たと
えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン
酸などのメチル、エチル、プロピル、n−ブチル、イソ
ブチルエステルなどが用いられ、特にアクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステルが好ましい。上記α−オレフ
ィンとα,β−不飽和カルボン酸との共重合体またはα
−オレフィンとα,β−不飽和カルボン酸とα,β−不
飽和カルボン酸エステルとの三元共重合体中のカルボキ
シル基の少なくとも一部を中和する金属イオンとして
は、たとえば、ナトリウムイオン、リチウムイオン、亜
鉛イオン、マグネシウムイオン、カリウムイオンなどが
ある。そして、アイオノマー樹脂が、エチレンとアクリ
ル酸またはメタクリル酸との共重合体中のカルボキシル
基の少なくとも一部を金属イオンで中和したものである
場合は、そのメルトインデックスが3〜7で、曲げ剛性
率が200〜400MPaのいわゆる高剛性でかつハイ
フロータイプのものであることが好ましい。
例示すると、三井デュポンケミカル(株)から市販され
ている二元共重合体のアイオノマー樹脂としてハイミラ
ン1555(Na)、ハイミラン1557(Zn)、ハ
イミラン1605(Na)、ハイミラン1706(Z
n)、ハイミラン1707(Na)、ハイミランAM7
318(Na)、ハイミラン1706(Zn)、ハイミ
ランAM7315(Zn)、ハイミランAM7317
(Zn)、ハイミランAM7311(Mg)、ハイミラ
ンMK7320(K)があり、また三元共重合体のアイ
オノマー樹脂として、ハイミラン1856(Na)、ハ
イミラン1855(Zn)、ハイミランAM7316
(Zn)などがある。さらにデュポン社から市販されて
いるアイオノマー樹脂としては、サーリン8945(N
a)、サーリン8940(Na)、サーリン8945
(Na)、サーリン9910(Zn)、サーリン994
5(Zn)、サーリン7930(Li)、サーリン79
40(Li)7、三元共重合体系アイオノマー樹脂とし
て、サーリンAD8265(Na)、サーリンAD82
69(Na)などがある。
ー樹脂としては、アイオテック7010(Zn)、アイ
オテック8000(Na)などがある。なお、上記アイ
オノマー樹脂の商品名の後の括弧内に記載したNa、Z
n、K、Li、Mgなどは、これらの中和金属イオンの
金属種を示している。また、本発明において、カバーの
基材樹脂に用いられるアイオノマー樹脂は、上記例示の
ものを2種以上混合してもよいし、上記例示の1価の金
属イオンで中和したアイオノマー樹脂と2価の金属イオ
ンで中和したアイオノマー樹脂を2種以上混合して用い
てもよい。
熱可塑性エラストマーまたはその変性体(B成分)を1
種以上混合して使用する。ここでゴム成分を有する熱可
塑性エラストマーは、ブタジエンブロックあるいはイソ
プレンブロック等の共役ジエン化合物を有するブロック
共重合体である。ここで共役ジエン化合物としては、た
とえばブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエ
ン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン等の中から
1種または2種以上が選択でき、中でもブタジエン、イ
ソプレンおよびこれらの組合せが好ましい。他のブロッ
ク共重合体を構成する成分としては、スチレン、α−メ
チルスチレン、ビニルトルエン、p−第3ブチルスチレ
ン、1,1−ジフェニルエチレン等の中から1種または
2種以上が選択でき、特にスチレンが好ましい。
えばスチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロ
ック共重合体(SIBS構造)、スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体(SBS構造)、そのブタ
ジエンの二重結合部分を水素添加したスチレン−エチレ
ン−ブチレン−スチレンブロック共重合体(SEBS構
造)、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合
体(SIS構造)、そのイソプレン二重結合部分を水素
添加したスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブ
ロック共重合体(SEPS構造)、スチレン−エチレン
−エチレン−プロピレン−スチレン共重合体(SEEP
S構造)およびそれらを変性したもの等が挙げられる。
BS構造、SIS構造、SEPS構造、SEEPS構造
におけるスチレン(またはこれに代わる単量体)の含量
は共重合体中10〜50重量%、特に15〜45重量%
の範囲である。10重量%より少ない場合、カバーは軟
らかくなりすぎて、耐カット性は低下する傾向にあり、
一方50重量%より多い場合はアイオノマー樹脂の軟質
化が十分に達成できず、打球感、コントロール性が悪く
なる。
造、SEBS構造、SIS構造、SEPS構造、SEE
PS構造の共重合体の一部にエポキシ基、水酸基、酸無
水物、カルボキシル基から選択される官能基で変性され
た変性体を使用できる。
エンブロックを有するスチレン−ブタジエン−スチレン
ブロック共重合体(SBS構造)とは、両末端にポリス
チレンを持つブロック共重合体で、その中間層がエポキ
シ基を含有するポリブタジエンであり、そのポリブタジ
エン部分の二重結合の一部または全部に水素添加したも
のであってもよく、また、エポキシ基を含有するポリイ
ソプレンブロックを有するスチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体(SIS構造)とは、両末端にポ
リスチレンを持つブロック共重合体で、その中間層がエ
ポキシ基を含有するポリイソプレンであり、そのポリイ
ソプレン部分の二重結合の一部または全部に水素添加し
たものであってもよい。
ブロック共重合体のエポキシ基当量は200〜3000
であることが好ましい。上記エポキシ基当量が200よ
り少ない場合は、エポキシ基とアイオノマー樹脂中の遊
離のカルボキシル基との反応量が少なくなり、アイオノ
マー樹脂中へのエポキシ化SBS構造またはSIS構造
のブロック共重合体の分散性が低下して、耐久性が悪く
なるおそれがあり、また、エポキシ基当量が3000よ
り多い場合は、エポキシ基とアイオノマー樹脂中の遊離
のカルボキシル基との反応量が多くなりすぎ、流動性が
悪くなって、ボールの成形が困難になるおそれがある。
ついても前記ブロック共重合体の分子鎖の中間部分また
は末端に導入される。
造のブロック共重合体の市販品としては、たとえば、ダ
イセル化学工業(株)からエポフレンドA1010、E
SBSなどの商品名で市販されているエポキシ基を含有
するポリブタジエンブロックを有するスチレン−ブタジ
エン−スチレンブロック共重合体(SBS構造)や、E
SBS AT018、ESBS AT019などの商品
名で市販されているエポキシ基を含有するポリブタジエ
ンブロックの一部に水素添加したスチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体などがあり、いずれも本発
明において好適に使用される。
SBS構造、SIS構造を持つブロック共重合体の市販
品としては、たとえばシェルケミカル社からクレイトン
の商品名で市販されている。無水マレイン酸は共重合体
中0.1〜5.0重量%含まれることが好ましい。
端に水酸基が付加したSIBS構造またはSEPS構造
を持つブロック共重合体の市販品としては、たとえば
(株)クラレからHG−252の商品名で市販されてい
る。
ー樹脂に混合することにより、アイオノマー樹脂のカル
ボキシル基に上記官能基が反応または相互作用によって
カバー材の反発性能を維持しながら軟質化を図ることが
できる。ここでアイオノマー樹脂(A成分)とB成分の
混合比(A成分/B成分)は0.25〜4.0、好まし
くは0.4〜2.4の範囲である。
とSBS構造またはSIS構造等の熱可塑性エラストマ
ーまたはその変性体とを加熱混合することによって、所
望のカバー特性が得られるようになる。加熱混合は、通
常混練型二軸押出機、バンバリー、ニーダーなどのイン
ターナルミキサーを用い、たとえば、150〜260℃
で加熱混合することによって行なわれる。
を有する熱可塑性エラストマーまたはその変性体に相溶
する樹脂(C成分)はそのSP値が7.0〜10.0で
ある樹脂がよい。B成分のSP値は7.0〜10.0で
あり、それと相溶性を持たせるためにはC成分のSP値
は7.0〜10.0がよいからであり、さらに好ましく
は7.5〜9.5、さらに8.0〜9.0、特に8.2
〜8.6がよい。またB成分のSP値であるSPbとC
成分のSP値であるSPcの差である「SPb−SP
c」の値は−3〜+3、好ましくは−1.5〜+1.
5、特に−1.0〜+1.0がよい。なお、B成分やC
成分に2種以上を併用する場合は、その2種以上の成分
のSP値の平均値(重量での平均)が上記規定を満たせ
ばよく、さらに好ましくはすべての成分のSP値、およ
び「SPb−SPc」の関係が上記規定を満たすように
するのが好ましい。C成分に使用し得る樹脂としては粘
着付与樹脂が使用でき、たとえばクマロン・インデン系
樹脂、テルペン系樹脂、ロジン誘導体、フェノール・ホ
ルムアルデヒト系樹脂、アルキルフェノール系樹脂、石
油系樹脂、キシレン・ホルムアルデヒド系樹脂、ポリブ
テン等のオリゴマー、液状ポリイソプレンなどの液状ゴ
ム等であるが、特にテルペン樹脂およびロジンエステル
系が好適である。
合体およびこれに第2成分をポリマー鎖に含む重合体で
あり、一般式(1)で基本構造が示されるテルペン樹脂
の他一般式(2)で基本構造が示されるスチレン系テル
ペン樹脂、さらに一般式(3)で基本構造が示されるフ
ェノール変性テルペン樹脂、さらにこれらの樹脂を水素
化した水添テルペン樹脂を包含する。
は整数を示す。このような樹脂を商品名で例示すると、
クマロン樹脂として神戸油化学工業(株)のプロセスレ
ジンA81、プロセスレジンAC5、プロセスレジンT
X、大内新興(株)のクマロンCL、日鉄化学(株)の
クマロン樹脂NG4がある。またテルペン・フェノール
樹脂として住友化学工業(株)のタッキロール101、
タッキロール160、タッキロールEP20、タッキロ
ールEP30、住友デュレズ(株)のスミライトレジン
PR19900がある。
(株)の水添テルペン樹脂クリアロンP105、荒川林
産(株)のアルコンP90、エステルガムH、三井石油
化学(株)のペトロジン♯80、ハイレッツG100X
がある。
(株)のニカノールA70、リブナイトのリグノールR
70、さらに荒川化学(株)のロジンエステル樹脂があ
る。
されるB成分と均一に相溶し、カバーに適度の粘着性を
付与し、ゴルフボールを打撃する際にクラブフェース面
へのゴルフボールの粘着効果を高めウェットスピン量を
増大する。C成分を多くしすぎてB成分と同等レベルの
配合量になると、ウェットスピン向上効果は小さくな
る。C成分を配合することにより、B成分のゴム成分が
可塑化されてウェットスピンが向上すると推測される
が、C成分がB成分に比して多すぎる場合には、余剰な
C成分が配合されることになり、ウェットスピン向上の
効果は、適正量の場合に比して小さくなる。
性エラストマーまたはその変性体(B成分)とC成分の
混合割合(C成分/B成分)は0.1〜0.9、好まし
くは0.2〜0.6の範囲である。特にC成分はA成分
とB成分の合計100重量部に対して5〜30重量部配
合することにより、反発性能を維持しながらウェットス
ピン量を増大することができる。
測定したショアD硬度30〜55、好ましくは40〜5
0、より好ましくは45〜50を有する。ショアD硬度
が30未満では軟らかくなりすぎ、ボール初速は低く、
55を超えると逆に、ショートアイアン等による打撃時
のスピン量は小さくなる。ここでショアD硬度は厚さ4
mmのシート状サンプルを用いてASTMD−2240
−68に準じて測定する。
物には、主成分としての上記樹脂の他に必要に応じて、
硫酸バリウム等の充填剤や二酸化チタン等の着色剤や、
その他の添加剤、たとえば分散剤、老化防止剤、紫外線
吸収剤、光安定剤ならびに蛍光材料または蛍光増白剤等
を、ゴルフボールカバーによる所望の特性が損なわれな
い範囲で配合してもよい。
ピースやスリーピースなどのソリッドボール用コアが使
用され糸巻きボール、ソリッドボールのいずれにも採用
し得る。ソリッドボールのコアはゴム組成物の架橋物で
構成されるが、そのゴム組成物のゴム成分としては、シ
ス−1,4−構造を有するブタジエンゴムを基材とする
のが適している。ただし、上記ブタジエンゴムの他にた
とえば天然ゴム、スチレンブタジエンゴム、イソプレン
ゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、エチレンプロピ
レンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、アクリルニ
トリルゴムなどをゴム成分100重量部に対して40重
量部以下でブレンドしたものであってもよい。
てはたとえばアクリル酸、メタクリル酸などのα,β−
エチレン性不飽和カルボン酸と酸化亜鉛などの金属酸化
物とをゴム組成物の調製中に反応させてα,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸の金属塩にしたものや、たとえば
アクリル酸亜鉛、メタアクリル酸亜鉛などのようなα,
β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩、多官能モノ
マー、N,N′−フェニルビスマレイミド、イオウな
ど、通常架橋剤として用いられるものが挙げられるが、
特にα,β−エチレン性不飽和カルボン酸の金属塩、特
に亜鉛塩が好ましい。たとえばα,β−エチレン性不飽
和カルボン酸の金属塩の場合、ゴム成分100重量部に
対して20ないし40重量部が好ましく、一方α,β−
エチレン性不飽和カルボン酸と金属酸化物とをゴム組成
物の調製中に反応させる場合、α,β−エチレン性不飽
和カルボン酸を15〜30重量部と、該α,β−エチレ
ン性不飽和カルボン酸100重量部に対して酸化亜鉛な
どの金属酸化物を15〜35重量部配合することが好ま
しい。
たとえば硫酸バリウム、炭酸カルシウム、クレー、酸化
亜鉛などの無機粉末の1種または2種以上を使用するこ
とができる。これらの充填剤の配合量はゴム成分100
重量部に対して5〜50重量部の範囲が好ましい。
で軟化剤や液状ゴムなどを適宜配合してもよいし、また
老化防止剤を適宜配合してもよい。
ルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキ
シ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンなどの有機
過酸化物が用いられる。これらの架橋開始剤の配合量は
ゴム成分100重量部に対して0.1〜5重量部、特に
0.3〜3重量部が好ましい。
重、硬度等の特性の異なった複合層とすることもでき
る。この場合、コアの配合は上記配合の記述に限定され
るものではない。
配合材料をロール、ニーダー、バンバリなどを用いてミ
キシングし、金型を用いて加圧下で145℃〜200
℃、好ましくは150℃〜175℃で10分〜40分間
加硫してコアを作製する。得られたコアはカバーとの密
着をよくするため、表面に接着剤を塗布したりあるいは
表面を粗面化してもよい。
は36.8〜40.8mm、好ましくは37.6〜4
0.2mmの範囲で設計される。36.8mm未満では
カバー層が厚くなり反発性が低下し、一方40.8mm
を越えると、カバー層が薄くなり成形が困難となる。
て行なうことができる。カバー用組成物を予め半球殻状
のハーフシェルに形成し、それを2枚用いてコアを包
み、130〜170℃で1〜5分間加圧成形するか、ま
たは上記カバー用組成物を直接コア上に射出成形してコ
アを包み込む方法を用いてもよい。カバーの厚さは1.
0〜3.0mm、好ましくは1.3〜2.6mm特に
1.6〜2.4mmである。1.0mmより小さいと繰
返し打撃した場合にカバー割れが起こりやすくなる欠点
を有し、3.0mmより大きいと打球感が悪くなる。さ
らに、カバー成形時、必要に応じてディンプルを多数表
面上に形成する。本発明のゴルフボールは美観を高め、
商品価値を上げるために、通常ペイント仕上げ、マーキ
ングスタンプ等を施して市場に投入される。
もできるが複数層のカバーとして構成することもでき
る。
ル直径42.67〜43.00mmの範囲でボール重量
45.00〜45.93gの範囲に設計される。
で142℃×16分と168℃×8分間加熱プレスする
ことにより直径39mmのコアを作製した。
キシングし、ペレット状のカバー用組成物を得た。押出
条件は、 スクリュー径:45mm スクリュー回転数:200rpm スクリューL/D:35 であり、配合物は押出機のダイの位置で200〜260
℃に加熱された。
のハーフシェルを成形し、これを2枚用いて上記の得ら
れたコアを包み、金型内でプレス熱圧縮成形し、表面に
ペイントを塗装して、直径42.8mm重量45.4g
を有するゴルフボールを作製した。
アD硬度)、飛行性能としてスピン量、ならびに打球感
を評価しその結果を表2に示す。
行なった。 (1) 飛行性能、スピン量 ツルーテンパー社製スイングロボットにサンドウェッジ
クラブを取付け、ゴルフボールをヘッドスピード21m
/秒で打撃し、打撃されたゴルフボールに施したマーク
を連続写真撮影することによってスピン量を求めた。
よびクラブフェーズを水で濡らしたウエット条件とで測
定した。
ライ時のスピン量×100の値として定義される。
ルフクラブ(NEWBREED PRO MODEL
♯1)を用いて、衝撃性、および反発性を下記基準で評
価し、10名中で最も多かった評価結果をそのクラブの
結果とした。
ルの測定結果を示す。実施例のゴルフボールは、比較例
のゴルフボールに比べていずれも飛距離、スピン保持
率、打球感が優れていることがわかる。
が本発明の範囲外でありWETスピン量が少なく、その
結果スピンの保持率が小さくなる。
性,打球感は悪く、WETスピン量も少ない。そしてス
ピン保持率も小さい。
硬度が低下せず、スピンの保持率も低くなった。
め、スピン保持率は低い。
和エチレン−メタクリル酸共重合体系アイオノマー樹
脂、MI=4.8 ※2:デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン−メタク
リル酸共重合体系アイオノマー樹脂、MI=5.2 ※3:エクソン社製の亜鉛イオン中和エチレン−アクリ
ル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※4:エクソン社製のナトリウムイオン中和エチレン−
アクリル酸共重合体系アイオノマー樹脂 ※5:三井・デュポン社製の亜鉛イオン中和エチレン−
メタクリル酸−イソブチルアクリレート三元共重合体系
アイオノマー樹脂 ※6:(株)クラレ社製の末端に水酸基が付加した水添
SIBS(SEEPS−OH)、スチレン含量28wt
%、イソプレン/ブタジエン重量比55/45、SP
値:7.6 ※7:ダイセル化学工業(株)社製エポキシ化SBS、
エポキシ当量950〜1050、ブタジエン/スチレン
重量比60/40、SP値:9.4 ※8:ヤスハラケミカル(株)社製の水添テルペン樹
脂、SP値:8.4 ※9:荒川化学(株)社製の水添ロジンエステル樹脂、
SP値:8.5 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって
制限的なものではないと考えられるべきである。本発明
の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によっ
て示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内で
のすべての変更が含まれることが意図される。
イオノマー樹脂(A成分)とゴム成分を有する熱可塑性
エラストマーおよびその変性体(B成分)と該ゴム成分
を有する熱可塑性エラストマーおよびその変性体と相溶
する樹脂(C成分)を特定割合で配合したため、良好な
打球感を有し、ショートアイアン等による打球時にスピ
ン量が大きく、止まりやすく、しかもウエット時のスピ
ン量とドライ時のスピン量に対する比率、すなわちスピ
ン保持率が改善される。
Claims (6)
- 【請求項1】 コアと、該コアを被覆するカバーからな
るゴルフボールにおいて、前記カバーがアイオノマー樹
脂(A成分という)とゴム成分を有する熱可塑性エラス
トマーまたはその変性体(B成分という)と、該ゴム成
分を有する熱可塑性エラストマーまたはその変性体に相
溶する樹脂(C成分という)との混合物よりなり、前記
A成分と前記B成分の混合比(A成分/B成分)が0.
25〜4.0の範囲であり、前記C成分と前記B成分の
混合比(C成分/B成分)が0.1〜0.9の範囲であ
ることを特徴とするゴルフボール。 - 【請求項2】 ゴム成分を有する熱可塑性エラストマー
またはその変性体(B成分)がブタジエンブロックまた
はイソプレンブロック等の共役ジエン化合物を有するス
チレン−イソプレン−ブタジエン−スチレンブロック共
重合体(SIBS構造)、スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロック共重合体(SBS構造)、スチレン−イソ
プレン−スチレンブロック共重合体(SIS構造)およ
びそれらをカルボキシル基、エポキシ基、水酸基、酸無
水物から選択される官能基で変性された変性体である請
求項1記載のゴルフボール。 - 【請求項3】 B成分に相溶する樹脂(C成分)がテル
ペン樹脂および/またはロジンエステル樹脂である請求
項1記載のゴルフボール。 - 【請求項4】 C成分の配合量はA成分およびB成分の
合計100重量部に対して5〜30重量部である請求項
1記載のゴルフボール。 - 【請求項5】 カバー組成物のショアー硬度が30〜5
5である請求項1記載のゴルフボール。 - 【請求項6】 C成分のSP値が7.0〜10.0であ
る請求項1記載のゴルフボール。
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