JP2001210330A - リチウム二次電池 - Google Patents
リチウム二次電池Info
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Abstract
・負極間に短絡等の不具合のない長寿命なリチウム二次
電池を提供する。 【解決手段】 非晶質炭素と結着剤とを所定割合で混合
したスラリを、表面粗さ(Ra)0.20、厚さ10μ
mの圧延銅箔の両面に塗布し、ロールプレス機の線圧を
3.9×103N/cm、ベント圧を3.0×106P
aとして負極板をプレスし、プレス後の負極塗布部厚さ
を60μm、負極合剤かさ密度を1.00g/cm3と
した。負極合剤のかさ密度を大きくでき、正極板とセパ
レータを介して捲回しても対向がずれず、短絡が生じな
い。
Description
係り、特に、リチウム複合酸化物を活物質とする正極板
と、充放電によりリチウムのドープ・脱ドープの繰り返
しが可能な炭素材を活物質とする負極合剤を負極集電体
の両面に塗着した負極板と、両極板を絶縁すると共にリ
チウムイオンが通過可能なセパレータと、を備えたリチ
ウム二次電池に関する。
ー密度であるメリットを活かして、主にVTRカメラや
ノートパソコン、携帯電話等のポータブル機器の電源に
使用されている。この電池の内部は、正極及び負極の両
電極が共に活物質が金属箔に塗着された帯状であり、セ
パレータを挟んでこれら両電極が直接接触しないように
断面が渦巻状に捲回され、捲回群が形成された捲回式の
構造とされている。そして、捲回群が円筒形の電池缶内
に収納され、電解液注液後、封口されている。一般的な
円筒形リチウムイオン二次電池の外形寸法は、1865
0型と呼ばれる、直径18mm、高さ65mmであり、
小型民生用リチウムイオン電池として広く普及してい
る。18650型リチウムイオン二次電池の正極活物質
には、高容量、長寿命を特徴とするコバルト酸リチウム
が主として用いられており、電池容量は、概ね1.3A
h〜1.7Ah、出力はおよそ10W程度である。
対応すべく、排出ガスのない、動力源を完全に電池のみ
とした電気自動車(EV)、及び、内燃機関エンジンと
電池との両方を動力源とするハイブリッド(電気)自動
車(HEV)の開発が加速され、一部実用段階に到達し
ている。
力、高エネルギーが得られる特性が要求され、この要求
を満足する二次電池としてリチウムイオン電池が注目さ
れている。このようなリチウム二次電池では、高容量、
高出力な電池を得るために、電極ディメンジョンの工夫
がなされている。
れるような大形のリチウム二次電池は、大電流で充電、
放電が繰り返され、かつ高容量、高出力を確保するため
に、より正極・負極の対向面積を大きくする、電極の合
剤かさ密度を大きくして導電ネットワークを強固にして
抵抗をより小さくする必要がある。このため、電極は非
常に長く、捲回回数も非常に多くなる。極板の厚みが不
均一であると電池容器への収納が困難であったり、電極
反応が不均一となって早期寿命に至ったり、電流の集中
により発熱して電池の安全性を損ねるおそれがある。従
って、より均一でかつ平滑な極板を作製することが重要
である。
スを行うことで、電極のかさ密度が大きくなり一定体積
により多くの活物質を挿入することが可能となるので、
高容量化を図ることができると共に、電極内の導電ネッ
トワークが強固となるので、高出力化、長寿命化を図る
ことができる。しかしながら、同時にプレス工程で電極
は延伸されるので、電極の伸びが大きくなると幅方向に
うねり等の歪みを生じ、特に捲回工程でしわが混入した
り、正極・負極の対向がずれる等の不具合が生じる。ま
た、負極電極の場合には、同じ圧力のプレスを行うと、
集電体の延性と合剤の延性との差が大きいので、集電体
と合剤との界面で剥離が生じる。
力、かつ、時経によっても正極・負極間に短絡等の不具
合のない長寿命なリチウム二次電池を提供することを課
題とする。
に本発明は、リチウム複合酸化物を活物質とする正極板
と、充放電によりリチウムのドープ・脱ドープの繰り返
しが可能な炭素材を活物質とする負極合剤を負極集電体
の両面に塗着した負極板と、前記両極板を絶縁すると共
にリチウムイオンが通過可能なセパレータと、を備えた
リチウム二次電池であって、前記負極集電体は、前記負
極板をプレスして前記負極合剤のかさ密度を所定値とし
たときに、単位面積当たりの面積増加率が0.5%以
上、かつ、2%以下であることを特徴とする。
所定値としたときに、負極集電体の単位面積当たりの面
積増加率が2%を超えると、負極板の歪みは大きくな
る。このような負極板を、セパレータを介して正極板に
対向させて、例えば、渦巻き状、三角形状、四角形状又
は多角形状に捲回すると、負極板の歪みにより正極板と
の対向がずれるので、捲回時又は時経によって両極板に
短絡等の不具合が発生する。また、高容量、高出力の電
池とするために、負極合剤の厚さを大きくすれば、更に
負極板の歪みが大きくなるので、このような短絡現象は
多発する。逆に、負極板をプレスして負極合剤のかさ密
度を所定値としたときに、負極集電体の単位面積当たり
の面積増加率が0.5%未満であると、負極板の歪みは
小さいものの、負極合剤と負極集電体との延性に差が生
じるので、負極合剤と負極集電体との界面で剥離が発生
する結果、捲回時又は時経により負極集電体端部から負
極合剤が剥離・落下して貫通短絡が発生する。本発明で
は、負極板をプレスして負極合剤のかさ密度を所定値と
したときに、単位面積当たりの面積増加率が0.5%以
上、かつ、2%以下である負極集電体を用いることによ
り、負極合剤のかさ密度を大きくすることができるの
で、リチウム二次電池を高容量、高出力とすることがで
きると共に、捲回時の負極板の歪みを小さくすることが
できるので、捲回時のみならず時経によっても両極板が
短絡等の不具合を生ずることないことから、長寿命のリ
チウム二次電池を得ることができる。
のリチウム二次電池を得るには、負極集電体に、厚さ9
μm以上、かつ、表面粗さ(Ra)0.10以上の銅箔
を用いることが好ましい。
V搭載用円筒形リチウムイオン電池(以下、円筒形リチ
ウムイオン電池という。)に適用した実施の形態につい
て説明する。まず、本実施形態の円筒形リチウムイオン
電池の製造手順について、正極板、負極板、活物質仕込
量の決定、電池の作製の順に説明する。
リチウム(LiMn2O4)粉末と、導電材として鱗片
状黒鉛(平均粒径:20μm)と、導電補助材としてア
セチレンブラックと、結着剤としてポリフッ化ビニリデ
ン(PVdF)と、を80:8:2:10重量%の割合
で配合し、これに分散溶媒のN−メチル−2−ピロリド
ン(NMP)を添加、混練したスラリを、厚さ20μm
のアルミニウム箔(正極集電体)の両面に塗布した。こ
のとき、正極板長寸方向の一方の側縁に幅50mmの未
塗布部を残した。
定したロールプレス機を用い、正極活物質合剤層(活物
質塗布部)を厚さ(正極集電体の厚さを含まない。)を
260μm、正極合剤かさ密度2.65g/cm3にプ
レスした後、裁断して幅300mmとした正極板を得
た。正極板のスラリ未塗布部に切り欠きを入れ、切り欠
き残部をリード片とした。また、隣り合うリード片を2
0mm間隔とし、リード片の幅は10mmとした。
株式会社製カーボトロンP粉末92重量部に結着剤とし
て8重量部のポリフッ化ビニリデンを添加し、これに分
散溶媒のN−メチル−2−ピロリドンを添加、混練した
スラリを、後述する所定厚さ及び所定表面粗さRaの圧
延銅箔(負極集電体)の両面に塗布した。このとき、負
極板長寸方向の一方の側縁に幅50mmの未塗布部を残
した。
定したロールプレス機を用いて、後述する所定線圧、所
定ベント圧でプレスして、後述するように、負極集電体
の厚さを含まない負極活物質合剤層(負極活物質塗布
部)所定厚さ(以下、負極塗布部厚さという。)及び所
定負極合剤かさ密度とした後、裁断して幅305mmの
負極板を得た。負極板のスラリ未塗布部に正極板と同様
に切り欠きを入れ、切り欠き残部をリード片とした。ま
た、隣り合うリード片を20mm間隔とし、リード片の
幅を10mmとした。
物質仕込量は、セパレータを介して対向する単位面積当
たりで、正極の充電終止電位4.5V(Li/Li+基
準)までの充電可能容量と負極の終止電圧0V(Li/
Li+基準)までの充電可能容量とが同じになるように
した。ちなみに、正極活物質ではマンガン酸リチウムの
単位活物質重量あたりの充電可能容量は105mAh/
gであり、負極活物質の充電可能容量は450mAh/
gであった。
板とを、これら両極板が直接接触しないように厚さ40
μmのポリエチレン製セパレータを介して捲回した。こ
のとき、捲回最内周では捲回方向に正極板が負極板から
はみ出すことがなく、また、最外周でも捲回方向に正極
板が負極板からはみ出すことがないように、負極板の長
さは正極板の長さよりも18cm長くなるようにした。
捲回方向に垂直の方向においても正極活物質塗布部が負
極活物質塗布部からはみ出すことがないように、負極活
物質塗布部の幅を、正極活物質塗布部の幅よりも5mm
長くした。正極板、負極板の長さは、捲回したときに、
捲回群径(直径)が65±0.1mmとなるように、正
極板、負極板、セパレータの長さを調整した。
ード片9が、それぞれ捲回群6の互いに反対側の両端面
に位置するようにした。正極板から導出されているリー
ド片9を変形させ、その全てを、軸芯11のほぼ延長線
上にある極柱(正極外部端子1)周囲から一体に張り出
している鍔部7周面付近に集合、接触させた後、リード
片9と鍔部7周面とを超音波溶接してリード片9を鍔部
7周面に接続し固定した。また、負極外部端子1’と負
極板から導出されているリード片9との接続操作も、正
極外部端子1と正極板から導出されているリード片9と
の接続操作と同様に行った。
1’の鍔部7周面全周に絶縁被覆8を施した。この絶縁
被覆8は、捲回群6外周面全周にも及ぼした。絶縁被覆
8には、基材がポリイミドで、その片面にヘキサメタア
クリレートからなる粘着剤を塗布した粘着テープを用い
た。この粘着テープを鍔部7周面から捲回群6外周面に
亘って何重にも巻いて絶縁被覆8とした。捲回群6の最
大径部が絶縁被覆8存在部となるように巻き数を調整
し、該最大径をステンレス製の電池容器5の内径よりも
僅かに小さくして、捲回群6を電池容器5内に挿入す
る。電池容器5の外径は67mm、内径は66mmであ
る。
と当接する部分の厚さ2mm、内径16mm、外径25
mmの第2のセラミックワッシャ3’を、図1に示すよ
うに、先端が正極外部端子1を構成する極柱、先端が負
極外部端子1’を構成する極柱にそれぞれ嵌め込んだ。
また、アルミナ製で厚さ2mm、内径16mm、外径2
8mmの平板状の第1のセラミックワッシャ3を電池蓋
4に載置し、正極外部端子1、負極外部端子1’をそれ
ぞれ第1のセラミックワッシャ3に通した。その後、電
池蓋4周端面を電池容器5開口部に嵌合し、双方の接触
部全域をレーザ溶接した。このとき、正極外部端子1、
負極外部端子1’は、電池蓋4の中心に形成された穴を
貫通して電池蓋4外部に突出している。そして、図1に
示すように、第1のセラミックワッシャ3、金属製ナッ
ト2底面よりも平滑な金属ワッシャ14を、この順に正
極外部端子1、負極外部端子1’にそれぞれ嵌め込ん
だ。なお、電池蓋4には電池の内圧上昇に応じて開裂す
る開裂弁10が設けられている。開裂弁10の開裂圧
は、1.3×106〜1.8×106Paとした。
外部端子1’にそれぞれ螺着し、第2のセラミックワッ
シャ3’、第1のセラミックワッシャ3、金属ワッシャ
14を介して電池蓋4を鍔部7とナット2の間で締め付
けにより固定した。このときの締め付けトルク値は7N
・mとした。なお、締め付け作業が終了するまで金属ワ
ッシャ14は回転しなかった。この状態で、電池蓋4裏
面と鍔部7の間に介在させたゴム(EPDM)製Oリン
グ16の圧縮により電池容器5内部の発電要素は外気か
ら遮断される。
電解液を所定量電池容器5内に注入し、その後注液口1
5を封止することにより円筒形リチウムイオン電池20
を完成させた。
チルカーボネートとジエチルカーボネートの体積比1:
1:1の混合溶液中へ6フッ化リン酸リチウム(LiP
F6)を1モル/リットル溶解したものを用いた。な
お、円筒形リチウムイオン電池20には、電池容器5の
内圧の上昇に応じて電流を遮断する電流遮断機構は設け
られていない。
詳述すると共に、負極集電体の厚さ及び表面粗さRa、
並びに、ロールプレス機の所定プレス圧で負極塗布部厚
さ及びかさ密度を変更して作製した種々の実施例の電池
について説明する。なお、説明を簡潔にするために、便
宜上、試料1から試料4に分けて説明する。
Raが0.20、厚さが8〜30μmの負極集電体を用
い、ロールプレス機の線圧を3.9×103N/cm、
ベント圧を3.0×106Paとして負極板をプレス
し、プレス後の負極塗布部厚さを60μm、負極合剤か
さ密度を1.00g/cm3とした電池1〜9をそれぞ
れ複数個作製した。
aが0.20、厚さが8〜30μmの負極集電体を用
い、ロールプレス機の線圧を5.9×103N/cm、
ベント圧を3.0×106Paとして負極板をプレス
し、プレス後の負極塗布部厚さを55μm、負極合剤か
さ密度を1.05g/cm3とした電池10〜18をそ
れぞれ複数個作製した。
m、表面粗さRaが0.10〜0.25の負極集電体を
用い、ロールプレス機の線圧を3.9×103N/c
m、ベント圧を3.0×106Paとして負極板をプレ
スし、プレス後の負極塗布部厚さを60μm、負極合剤
かさ密度を1.00g/cm3とした電池19〜23を
それぞれ複数個作製した。
μm、表面粗さRaが0.10〜0.25の負極集電体
を用い、ロールプレス機の線圧を3.9×103N/c
m、ベント圧を3.0×106Paとして負極板をプレ
スし、プレス後の負極塗布部厚さを60μm、負極合剤
かさ密度を1.00g/cm3とした電池24〜28を
それぞれ複数個作製した。
ついて、捲回組立後の不具合(短絡)を調べ、不具合の
ない電池について、下記の放電容量を測定した後、サイ
クル試験を行い、更にロールプレス機による面積増加率
を算出した。
に、室温で充電した後放電し、放電容量を測定した。充
電条件は、4.2V定電圧、制限電流80A、3.5時
間とした。放電条件は、20A定電流、終止電圧2.5
Vとした。
Cに設定した恒温槽内で、放電容量測定と同様の充放電
を繰り返し、初期容量の70%に至ったサイクル数を寿
命と判断した。
定の合剤かさ密度までプレスされた負極板の負極集電体
の単位面積当たりの面積増加率を確認するために、幅3
00mm、長さ1mの大きさに切断した負極板試験片を
上述した試料作製と同様の条件でプレスを行い、プレス
後の試験片負極集電体寸法をステンレス鋼尺にて測定し
て面積及び面積増加率を算出した。 <試験結果> 下表2に上記試験の試験結果を示す。
19、20では、プレス後、負極集電体の単位面積当た
りの面積増加率が2%を超えているので、正極板・負極
板の短絡が発生している。この短絡発生率は面積増加率
が大きくなるに従って急増している。
ことから、セパレータを介して正極板と共に捲回したと
きに、捲回後の捲回群6の外径にバラツキが生じること
が根本的な原因と考えられる。すなわち、捲回組立後に
捲回群6を交流抵抗計で測定すると、通常50MΩ以上
の値を示し、セパレータにより両極板が絶縁されている
ことを確認することができるが、プレス後、単位面積当
たりの面積増加率が2%を超える負極集電体を用いて捲
回した捲回群6の抵抗値は50MΩより低く、正極板の
うねりも加わって負極板との対向がずれ、セパレータで
の絶縁が十分に行えず、短絡に至る。また、負極板が歪
むことから上述した所定捲回群径(65±0.1mm)
とするには、捲回時のテンションを大きくせざるを得な
く、その結果巻き締りが起こり、捲回群6がたけのこ状
に変形したり、極板表面の凹凸の影響を鋭敏に受けてセ
パレータの貫通短絡が多発する。
たりの面積増加率が0.5%未満の電池9、18及び2
8の場合には、負極板の歪みは小さいが、この場合に
は、合剤の延性と負極集電体の延性とに差が生じ、負極
集電体と合剤の界面で剥離が発生するので、捲回組立時
に負極集電体端部から合剤が脱離、落下して貫通短絡が
発生する。
8、12〜17、21〜27では、不具合(短絡)が発
生していない。従って、捲回組立後の不具合(短絡)の
発生を抑制するには、負極集電体の単位面積当たりの面
積増加率が0.5%以上2%以下とする必要があること
が分かる。
に、単位面積当たりの面積増加率が0.5%未満又は2
%を超える負極集電体を用いた電池は、早期に寿命に至
っている。この原因は、充電・放電によってプレス工程
での応力が緩和し、負極集電体と合剤との界面で剥離を
生じて電極反応が不均一となることから、早期寿命に至
っていると考えられる。
れているように、負極集電体の表面粗さRaを粗くする
ことで、負極集電体と合剤との接触面積が増大し、その
結果、負極集電体と合剤との界面の密着強度が大きくな
ってサイクル特性が向上していることから、サイクル寿
命と表面粗さRaとの因果関係が示唆される。
の厚さが9μm未満の電池1、10は、捲回組立後の不
具合(短絡)が多発し、かつ、サイクル寿命も短いこと
が明らかである。従って、負極集電体の厚さは9μm以
上とすることが好ましいことが分かる。
要な合剤かさ密度を得るために、プレス応力に耐え得
る、単位面積当たりの面積増加率が0.5%〜2.0%
の負極集電体を用いることで、負極集電体の単位面積当
たりの面積増加率を抑制することができ、歪みが小さ
く、かつ、高い合剤のかさ密度の負極板とすることがで
きる。また、このような負極板を用いたリチウム二次電
池は、捲回時及び時経によっても短絡が発生しないの
で、長寿命という特性を有する。更に、負極合剤かさ密
度を大きくすることができるので、高容量・高出力の電
池とすることができる。従って、本実施形態のリチウム
二次電池は、高容量・高出力、長寿命、かつ、歩留まり
よく作製することができるので、特に、EVの電源に用
いられる大形のリチウム二次電池に好適である。
銅箔を用いた例を挙げたが、銅箔として特に制限はな
く、例えば、電解銅箔を使用してもよい。また、銅箔の
厚さは負極合剤かさ密度を所定の値に上げるために必要
なプレス応力で加圧したときの単位面積当たりの面積増
加率が0.5%以上2.0%以下であればよい。
の配合比、対向する正極板と負極板との容量比等を詳細
に例示したが、これらの例示により本発明が限定される
ものでもない。更に、本実施形態では、EV用電源に用
いられる大形の二次電池について例示したが、電池の用
途や大きさ及び電池容量に限定されるものでないことは
いうまでもない。また、有底筒状容器(缶)に電池上蓋
がカシメによって封口されている構造の円筒形リチウム
イオン電池にも本発明の適用が可能である。しかしなが
ら、EV、HEVには比較的高容量、高出力の電池が要
求されるので、本発明を適用した本実施形態の電池の搭
載が特に好ましい。
えない円筒形リチウムイオン電池について例示したが、
本発明は電流遮断機構を備えた電池に適用するようにし
てもよい。このようにすれば、車両衝突事故等の異常時
に電気系の電流遮断機構が作動しなくても機械系の開裂
弁10が作動するので、車載電池のより高い安全性が確
保される。
材がポリイミドで、その片面にヘキサメタアクリレート
からなる粘着剤を塗布した粘着テープを用いたが、これ
に限定されるものではなく、例えば、基材がポリプロピ
レンやポリエチレン等のポリオレフィンで、その片面又
は両面にヘキサメタアクリレートやブチルアクリレート
等のアクリル系粘着剤を塗布した粘着テープや、粘着剤
を塗布しないポリオレフィンやポリイミドからなるテー
プ等を好適に使用することができる。
池用の正極にマンガン酸リチウム、負極に非晶質炭素、
電解液にエチレンカーボネートとジメチルカーボネート
とジエチルカーボネートの体積比1:1:1の混合液中
へ6フッ化リン酸リチウムを1モル/リットル溶解した
ものを用いたが、本発明の電池の製造方法には特に制限
はなく、また結着剤、負極活物質、非水電解液も通常用
いられているいずれのものも使用可能である。EV用途
向けの電池で上記特性の他に、更に、安全性を確実に確
保するためには、正極活物質としてリチウム・コバルト
複合酸化物やリチウム・ニッケル複合酸化物を用いるよ
りも、リチウムマンガン複酸化物であるマンガン酸リチ
ウムを用いることがより望ましい。
ンを結着剤として使用したが、リチウムイオン電池用極
板活物質結着剤としては、テフロン、ポリエチレン、ポ
リスチレン、ポリブタジエン、ブチルゴム、ニトリルゴ
ム、スチレン/ブタジエンゴム、多硫化ゴム、ニトロセ
ルロース、シアノエチルセルロース、各種ラテックス、
アクリロニトリル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、
フッ化プロピレン、フッ化クロロプレン等の重合体及び
これらの混合体等を用いてもよい。
二次電池用正極活物質としては、リチウムを挿入・脱離
可能な材料であり、予め十分な量のリチウムを挿入した
リチウムマンガン複酸化物が好ましく、スピネル構造を
有したマンガン酸リチウムや、結晶中のマンガンやリチ
ウムの一部をそれら以外の元素で置換又はドープした材
料を使用するようにしてもよい。
ウムイオン電池用負極活物質には、例えば、天然黒鉛
や、人造の各種黒鉛材、コークスなどの炭素質材料等が
あるが、これらを使用するようにしてもよく、その粒子
形状においても、鱗片状、球状、繊維状、塊状等、特に
本発明が制限されるものではない。
塩を電解質とし、これを有機溶媒に溶解した電解液を使
用してもよく、リチウム塩や有機溶媒にも特に制限され
るものではない。例えば、電解質としては、LiClO
4、LiAsF6、LiPF 6、LiBF4、LiB
(C6H5)4、CH3SO3Li、CF3SO3Li
等やこれらの混合物を用いることができる。
溶媒としては、プロピレンカーボネート、エチレンカー
ボネート、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエト
キシエタン、γ−ブチロラクトン、テトラヒドロフラ
ン、1,3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオ
キソラン、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスル
ホラン、アセトニトリル、プロピオニトリル等又はこれ
ら2種類以上の混合溶媒を用いることができ、更に、混
合配合比についても限定されるものではない。
負極板をプレスして負極合剤のかさ密度を所定値とした
ときに、単位面積当たりの面積増加率を0.5%以上、
かつ、2%以下である負極集電体を用いたので、負極合
剤のかさ密度を大きくすることができることから、リチ
ウム二次電池を高容量、高出力とすることができると共
に、捲回時の負極板の歪みを小さくすることができるこ
とから、捲回時や時経によっても短絡等の不具合が生じ
ることがない長寿命の電池とすることができる、という
効果を得ることができる。
イオン電池の断面図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 リチウム複合酸化物を活物質とする正極
板と、充放電によりリチウムのドープ・脱ドープの繰り
返しが可能な炭素材を活物質とする負極合剤を負極集電
体の両面に塗着した負極板と、前記両極板を絶縁すると
共にリチウムイオンが通過可能なセパレータと、を備え
たリチウム二次電池であって、前記負極集電体は、前記
負極板をプレスして前記負極合剤のかさ密度を所定値と
したときに、単位面積当たりの面積増加率が0.5%以
上、かつ、2%以下であることを特徴とするリチウム二
次電池。 - 【請求項2】 前記負極集電体は、厚さ9μm以上、か
つ、表面粗さ(Ra)0.10以上の銅箔であることを
特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池。
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-
2000
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