JP2001208411A - 空調用設備 - Google Patents

空調用設備

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JP2001208411A
JP2001208411A JP2000350179A JP2000350179A JP2001208411A JP 2001208411 A JP2001208411 A JP 2001208411A JP 2000350179 A JP2000350179 A JP 2000350179A JP 2000350179 A JP2000350179 A JP 2000350179A JP 2001208411 A JP2001208411 A JP 2001208411A
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bag
air inlet
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chamber
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JP2000350179A
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English (en)
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Kensuke Tokunaga
研介 徳永
Yukio Kuno
幸男 久野
Keiichi Kondo
圭一 近藤
Shinichi Abe
慎一 安部
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Takenaka Komuten Co Ltd
Kyoritsu Air Tech Inc
Original Assignee
Takenaka Komuten Co Ltd
Kyoritsu Air Tech Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各空気流出口からの空気流出量が均一で、風
量バランスに優れた空調用設備を提供する。 【解決手段】 空調用設備ユニット10は、箱体状のチ
ャンバ本体11の周面に空気流入口12と複数の空気流
出口13a,13b,13cとを備え、このチャンバ本
体11の内部に、開口部17aが空気流入口12に接続
された通気性を有する筒体17を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種建築物の天井
裏などに配置される空調用設備、詳しくは、箱体の周面
に空気流入口と複数の空気流出口とを備えた空調用設備
に関する。
【0002】
【従来の技術】オフィスビルや工場などの各種建築物内
部の空調用設備として、空調機器によって温度や湿度な
どを適切なレベルに調整した空気を、ダクトなどを経由
して複数箇所へ送給し、建築物の天井などに配置された
複数の吹出口から室内へ吹き出す方式が従来より広く採
用されている。
【0003】このような空調設備において、空調機器か
ら送り込まれた調和空気を分散させて複数方向へ送り出
す装置として、図16、図17に示すような空調用設備
ユニットが天井裏などに配置されている。ここで、図1
6は従来の空調用設備ユニットを示す斜視図、図17は
図16のX−X線断面図である。
【0004】空調用設備ユニット90においては、箱体
状のチャンバ本体91の周面に空気流入口92と、複数
の空気流出口93a,93b,93cとが設けられ、空
気流入口92は、空調機器94に接続され、複数の空気
流出口93a,93b,93cにはそれぞれフレキシブ
ルダクト95の基端部が接続されるとともに、各フレキ
シブルダクト95の先端部には吹出装置96が取り付け
られている。
【0005】空調機器94から送り出された空気は、空
気流入口92からチャンバ本体91内へ流れ込み、その
内部で複数方向に分散して、それぞれの空気流出口93
a,93b,93cから流出し、各空気流出口93a,
93b,93cに接続されたフレキシブルダクト95内
を経由して移動した後、各吹出装置96から室内などに
向かって吹き出される。
【0006】このような空調用設備ユニット90を使用
することにより、空調機器94から送り込まれた空気を
効率よく分散させて、複数方向へ送り出すことが可能と
なるため、空調効率も向上する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】図16、図17に示す
従来の空調用設備ユニット90においては、チャンバ本
体91の周面に設けられた空気流入口92と複数の空気
流出口93a,93b,93cとの位置関係、および空
気流入口92と複数の空気流出口93a,93b,93
cとの距離などが、それぞれ異なっているため、空気流
入口92からチャンバ本体91内へ流入した空気が、空
気流出口93a,93b,93cから均一に流出せず、
風量バランスが悪化することがある。
【0008】すなわち、空気流入口92に最も近い位置
にある空気流出口93aから流出する空気量は少なく、
空気流入口92から最も遠い位置にある空気流出口93
cから流出する空気量は多くなる、という傾向がある。
これは、空気流入口92から流入した空気によってチャ
ンバ本体91内に空気流が発生し、空気流入口92から
最も下流側にある空気流出口93cにこの空気流による
動圧が最も大きく作用するからである。
【0009】また、このような空調用設備ユニット90
におけるチャンバ本体91は、全圧(速度エネルギを示
す動圧と圧力エネルギを示す静圧との和を表す)が約3
00Pa以下の低圧状態で使用されるのが通常である。
このため、空気流入口92からの流入速度が数m/秒〜
10数m/秒といういわゆる低速状態であっても、チャ
ンバ本体91内の全圧に占める動圧の比は10〜50%
と大きなものとなるので、チャンバ内部の空気の流れに
対してチャンバ流入口からの速度エネルギ(動圧)の影
響が大きくなる。
【0010】また、空気流入口92に最も近い位置にあ
る空気流出口93aからの空気流出量が少なくなるの
は、空気流入口92からチャンバ本体91内へ流れ込ん
だ空気流によって、空気流出口93a付近に偏流が発生
しやすく、このような偏流によって動圧の作用が妨げら
れるからである。特に、空気流入口92における空気流
入速度が速くなると、チャンバ本体91内に、強く回転
する空気流が生じ、この空気流によって風量バランスが
悪化する。
【0011】したがって、空調用設備ユニット90が建
築物の天井裏などに配置された場合、各々の吹出装置9
6からの風量にバラつきが生じて、室内全体の空調状態
が不均一となり、空調効率が低下するおそれがある。ま
た、特定の空気流出口93cに集中することによって大
きな騒音が発生することがある。
【0012】これらを解消する手段の一つとして、空気
流入口92の断面積を大きくすることによって空気流の
流入速度を低下させ、空気流出口93a,93b,93
cからの空気流出量を均一化するという方法があるが、
この方法の場合、空気流入口92の大口径化に伴ってチ
ャンバ本体91の小型化が困難となったり、チャンバ本
体に形成される空気流出口の個数が制限されるなどの新
たな問題が生じる。
【0013】本発明が解決しようとする課題は、チャン
バ本体の周面に空気流入口と複数の空気流出口とを備え
た空調用設備において、各空気流出口からの空気流出量
が均一で、風量バランスに優れた空調用設備を提供する
ことにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は、チャンバ本
体の周面に空気流入口と複数の空気流出口とを備えた空
調用設備において、空気流入口に流入する空気流の動圧
と、チャンバ本体内の空気流の全圧力損失との相対的関
係が、各空気流出口からの空気流出量の均一性を左右
し、風量バランスに影響を与えているのではないかとの
推測に基づいて鋭意研究を行った結果、空気流入口に流
入する空気流の動圧と、チャンバ本体内の空気流の全圧
力損失との比率を一定範囲内とすることによって、各空
気流出口からの空気流出量の格差を一定範囲内に抑制
し、風量バランスを向上させることが可能であることを
知見して、本発明を完成するに至ったものである。
【0015】すなわち、空気流入口の動圧が、チャンバ
本体内の空気流の全圧力損失に対し、一定比率を超える
と、各空気流出口からの空気流出量に格差が生じ、風量
バランスが悪化することが判明した。したがって、空気
流入口からチャンバ本体内へ流入する空気流の動圧をな
るべく小さくすれば、各空気流出口からの空気流出量を
均一化して、風量バランスを向上させることができる。
【0016】本発明は、チャンバ本体の周面に空気流入
口と複数の空気流出口とを備えた空調用設備において、
前記チャンバ本体の内部に前記空気流入口から前記複数
の流出口までの流路断面に展開させた多孔体を配置した
ことを特徴とする。
【0017】また、本発明は、チャンバ本体の周面に空
気流入口と複数の空気流出口とを備えた空調用設備にお
いて、このチャンバ本体の内部に、通気性を有する袋体
または筒体を開口部が前記空気流入口に臨む姿勢で配置
した構成とすることができる。
【0018】本発明によれば、空気流入口からチャンバ
本体内へ流入する空気流は、多孔体もしくは通気性を有
する袋体または筒体を通過することで、その動圧が減衰
した後、チャンバ本体内へ拡散するので、チャンバ本体
内の全圧力損失に対する空気流の動圧の比率が小さくな
り、チャンバ本体内の動圧が局所的に異なっていても、
箱体内の全圧力損失に及ぼす影響が減少し、各空気流出
口からの空気流出量の格差が抑制され、風量バランスが
均一化する。
【0019】ここで、前記袋体または筒体を網材、布
材、有孔板材のいずれかで形成することにより、袋体ま
たは筒体を通過する空気流に対する抵抗体となり、動圧
を適度に減衰させることができる。また、網材、布材の
メッシュ数あるいは有孔板材の開口率を変えることによ
り、空気流に対する抵抗の度合いを変化させることがで
きるので、施工条件に適した動圧減衰率を設定すること
ができる。
【0020】前記袋体または筒体に、その横断面積が連
続的または局部的に変化した部分を設けることにより、
袋体または筒体に流入した後の空気流の分布状態を連続
的または局部的に変化させることが可能となるため、箱
体に形成された空気流出口の位置や個数に対応した空気
流の分配特性を設定することができる。
【0021】また、前記袋体または筒体に、その通気度
が連続的または局部的に変化した部分を設けることによ
り、袋体または筒体を通過する空気流に対する抵抗の度
合いを連続的または局部的に変化させることが可能とな
るため、箱体に形成された空気流出口の位置や個数に対
応した空気流の分配特性を設定することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は第1実施形態の空調用設備
ユニットを示す斜視図、図2は図1のA−A線断面図、
図3は図2のB−B線断面図である。
【0023】空調用設備ユニット10においては、箱体
状のチャンバ本体11の正面に空気流入口12が設けら
れ、チャンバ本体11の左右両側面に各3個ずつ合計6
個の空気流出口13a,13b,13cが設けられ、空
気流入口12は空調機器14に接続されている。
【0024】6個の空気流出口13a,13b,13c
にはそれぞれフレキシブルダクト15の基端部が接続さ
れるとともに、各フレキシブルダクト15の先端部には
吹出装置16が取り付けられている。チャンバ本体11
の内部には、開口部17aが空気流入口12に接続され
た筒体17が配置され、筒体17の先端はチャンバ本体
11の壁体11aの内周面に密着されている。筒体17
は通気性を有する網材で形成されている。なお、図2で
は筒体17の開口部17aを空気流入口12に密着させ
た状態としているが、開口部17aと空気流入口12と
の間に多少の隙間があっても差し支えない。
【0025】空調機器14から送り出された調和空気
は、空気流入口12から筒体17内へ流入し、筒体17
を通過した後、チャンバ本体11内へ流れ込み、その内
部で複数方向に分散して、それぞれの空気流出口13
a,13b,13cから流出し、各空気流出口13a,
13b,13cに接続されたフレキシブルダクト15内
を経由して移動した後、各吹出装置16から室内などに
向かって吹き出される。
【0026】空気流入口12からチャンバ本体11内へ
流入する空気流は、通気性を有する筒体17を通過する
ことによって、その動圧が減衰した後、チャンバ本体1
1内へ拡散するので、チャンバ本体11内の全圧力損失
に対する空気流の動圧の比率が小さくなり、チャンバ本
体11内の空気流の動圧が局所的に異なっていても、チ
ャンバ本体11内の全圧力損失に及ぼす影響が減少し、
各空気流出口13a,13b,13cからの空気流出量
の格差が抑制され、風量バランスを均一化することがで
きる。
【0027】筒体17は網材で形成されているため、筒
体17を通過する空気流に対する抵抗となり、空気流の
動圧を減衰させることができる。また、網材のメッシュ
数を変えることにより、空気流に対する抵抗の度合いを
変化させることができるので、施工条件に適した動圧減
衰率を設定することができる。なお、筒体17は、網材
の他に、通気性を有する布材あるいはパンチングプレー
トなどの有孔板材で形成することができる。
【0028】ここで、筒体17の開口率は筒体17を通
過する動圧による拡散に大きな影響を及ぼす。本発明者
等の知見によれば、たとえば筒体17の長さが1150
mm程度で外径が350mm程度の場合では、開口率を
6〜10%程度に設定しておけば、チャンネル本体11
に内に流入する空気を均等に拡散させることができ、各
空気流出口13a,13b,13cからの空気流出量の
格差を効果的に抑えることができる。
【0029】図4は本発明の第2実施形態を示す要部の
概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニッ
ト20においては、箱体状のチャンバ本体21の正面に
空気流入口22が設けられ、チャンバ本体21の周面に
合計7個の空気流出口23が設けられている。チャンバ
本体21の内部には、開口部24aが空気流入口22に
臨む姿勢で袋体24が配置されている。袋体24は通気
性を有する網材で形成されている。
【0030】空気流入口22から袋体24内へ流入した
空気流は、袋体24を通過した後、チャンバ本体21内
へ流れ込み、その内部で複数方向に分散して、それぞれ
の空気流出口23からフレキシブルダクト内へ流出する
が、前述と同様の理由により、各空気流出口23からの
空気流出量の格差が抑制されるので、風量バランスを均
一化することができる。
【0031】ここで、風量バランスを最適化するために
は、袋体24の長さを825mm程度とし外径を350
mm程度とするとき、開口率は7〜13%程度とするこ
とが好ましい。
【0032】本実施形態の場合、袋体24の底部がチャ
ンバ本体21の壁体21aから離れた状態に配置されて
いるため、壁体21aにも空気流出口23を設けること
が可能であり、第1実施形態の空調用設備ユニット10
より、空気流出口23の個数を増加させることができ
る。なお袋体24は、筒状の網体の一方の開口部を紐な
どで縛って開口を塞ぐことで袋体とすることもできる。
【0033】図5は本発明の第3実施形態を示す要部の
概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニッ
ト30においては、箱体状のチャンバ本体31の正面に
空気流入口32が設けられ、チャンバ本体31の左右両
側面に合計6個の空気流出口33が設けられている。チ
ャンバ本体31の内部には、開口部34aが空気流入口
32に臨む姿勢で先細り形状の袋体34が配置されてい
る。
【0034】袋体34は通気性を有する網材で形成さ
れ、その横断面積が連続的に変化した先細り形状である
ため、袋体34に流入した後の空気流の分配状態を連続
的に変化させることが可能であり、チャンバ本体31に
形成された空気流出口33の位置に対応して、均一な空
気流の分配状態を設定することができる。
【0035】ここで、袋体34の網目の開口率は先の例
と同様に空気流れの拡散に大きな影響を及ぼす。図5の
例の場合では、袋体34の長さが1150mm程度で開
口部34a外径が350mm程度の場合であれば、開口
率は12〜19%程度とすることが好ましい。
【0036】図6は本発明の第4実施形態を示す要部の
概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニッ
ト40においては、箱体状のチャンバ本体41の正面に
空気流入口42が設けられ、チャンバ本体41の左右両
側面に合計6個の空気流出口43が設けられている。チ
ャンバ本体41の内部には、開口部44aが空気流入口
42に臨む姿勢で袋体44が配置されている。
【0037】袋体44は通気性を有する網材で形成さ
れ、その先端に向かって網材を2重、3重に重ねた構造
であるため、開口部44aから離れた位置ほど空気流が
通過する際の抵抗が大である。したがって、袋体44に
流入した後の空気流の動圧を、その先端に向かって連続
的に減衰させることが可能であり、チャンバ本体41に
形成された空気流出口43の位置に対応して、均一な空
気流の分配状態を設定することができる。
【0038】図7は本発明の第5実施形態を示す要部の
概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニッ
ト50においては、箱体状のチャンバ本体51の正面に
空気流入口52が設けられ、チャンバ本体51の左右両
側面に合計6個の空気流出口53が設けられている。チ
ャンバ本体51の内部には、開口部54aが空気流入口
52に臨む姿勢で袋体54が配置されている。
【0039】袋体54は通気性を有する網材で形成さ
れ、その先端に向かって網材の目を連続的に細かくした
構造であるため、開口部54aから離れた位置ほど空気
流が通過する際の抵抗が大である。したがって、袋体5
4に流入した後の空気流の動圧を、その先端に向かって
連続的に減衰させることが可能であり、チャンバ本体5
1に形成された空気流出口53の位置に対応して、均一
な空気流の分配状態を設定することができる。なお袋体
54は、網材の他に、その先端に向かって織り目を連続
的に細かくした布材、あるいは先端に向かって開口率を
徐々に低下させた有孔板材などで形成することができ
る。
【0040】図8は本発明の第6実施形態にを示す要部
の概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニ
ット60においては、箱体状のチャンバ本体61の正面
に空気流入口62が設けられ、チャンバ本体61の左右
両側面に合計6個の空気流出口63が設けられている。
チャンバ本体61の内部には、開口部64aが空気流入
口62に臨む姿勢で袋体64が配置されている。
【0041】袋体64は通気性を有する網材で形成さ
れ、空気流出口63同士の間に位置する部分に、その横
断面積が局所的に減少した括れ部64bが設けられてい
る。したがって、袋体64に流入した空気流の動圧は括
れ部64bで局所的に減衰され、空気流は括れ部64b
以外の部分を選択的に通過してチャンバ本体61内へ拡
散していくので、チャンバ本体61に形成された空気流
出口63の位置に対応した、均一な空気流の分配状態を
設定することができる。
【0042】図9は本発明の第7実施形態を示す要部の
概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニッ
ト70においては、箱体状のチャンバ本体71の正面に
空気流入口72が設けられ、チャンバ本体71の左右両
側面に合計6個の空気流出口73が設けられている。チ
ャンバ本体71の内部には、開口部74aが空気流入口
72に臨む姿勢で袋体74が配置されている。
【0043】袋体74は通気性を有するパンチングプレ
ートで形成され、チャンバ本体71内へ突出した多面体
形状である。したがって、袋体74に流入した空気流の
動圧は袋体74を通過することによって減衰されるとと
もに、空気流が袋体74を通過する際にその流出方向が
定められ、袋体74の外面に直角な方向へ均等に流出し
ていくので、チャンバ本体71内で空気の偏流や回転流
などが発生せず、各空気流出口73において均一な空気
流の分配状態を得ることができる。
【0044】図10は本発明の第8実施形態を示す要部
の概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニ
ット100においては、箱体状のチャンバ本体101の
正面に空気流入口102が設けられ、チャンバ本体10
1の左右両側面に合計6個の空気流出口103が設けら
れている。チャンバ本体101の内部には、開口部10
4aが空気流入口102に臨む姿勢で袋体104が配置
されている。
【0045】袋体104は通気性を有するパンチングプ
レートで形成され、チャンバ本体101内へ突出した円
筒体等を含む多面体形状であり、袋体104の下流端に
は孔を開けていないプラグ板104bまたはドーナツ板
を設けている。
【0046】このような構成では、空気流入口102か
ら流入する空気は袋体104の開口から流出すると同時
に主流がプラグ板104bに当たって上流側に跳ね返さ
れる。したがって、上流側に空気流を戻して開口から排
出することができ、上流側から下流側に配置した3連の
空気流出口103へほぼ一様な流量として空気流を供給
することができる。
【0047】図11は本発明の第9実施形態を示す要部
の概略水平断面図である。本実施形態の空調用設備ユニ
ット200においては、箱体状のチャンバ本体201の
正面に空気流入口202が設けられ、チャンバ本体20
1の左右両側面に合計6個の空気流出口203が設けら
れている。チャンバ本体201の内部には、開口部20
4aが空気流入口202に臨む姿勢で袋体204が配置
されている。
【0048】袋体204は通気性を有するパンチングプ
レートで形成され、チャンバ本体201内へ突出した円
筒体等を含む多面体形状であり、その開口率は7〜11
%である。袋体204の内部には開口面積が異なるオリ
フィス205,206をそれぞれ上流側と下流側に設け
る。上流配置のオリフィス205の開口205aは下流
配置のオリフィス206の開口206aより大きい。
【0049】このような構成では、空気流入口202か
ら流入する空気はオリフィス205,206によって流
路が絞られて動圧を減衰させることができる。したがっ
て、上流側から下流側に配置した3連の空気流出口10
3へほぼ一様な流量として空気流を供給することができ
る。また、上流側配置のオリフィス205の開口205
aのほうが下流側配置のオリフィス206の開口206
aよりも大きいので、下流側に向かうにつれて流量が絞
られる。したがって、上流側から下流側に配置した3連
の空気流出口203へほぼ一様な流量として空気流を供
給することができる。
【0050】図12及び図13は本発明の第10実施形
態を示すもので、図12の(a)は要部の概略水平断面
図、(b)は同図(a)の左側面図、図13は多孔体の
配置を示す透視斜視図である。
【0051】本実施形態の空調用設備ユニット300に
おいては、箱体状のチャンバ本体301の正面に空気流
入口302が設けられ、チャンバ本体301の左右両側
面に合計6個の空気流出口303が設けられている。チ
ャンバ本体301の内部には、空気流入口302を挟ん
で一対の多孔体304,305がチャンバ本体301の
全長に亘って配置されている。これらの多孔体304,
305は平板状のパンチングメタルを用いたもので、そ
の開口率は10〜14%である。
【0052】このような一対の多孔体304,305を
設ける場合でも、図2及び図3の例と同様に、空気流入
口302からの空気は多孔体304,305の開口を抜
けるときに動圧が減衰させらる。したがって、各空気流
出口303からの空気流出量の格差が抑制され、風量バ
ランスを均一化することができる。
【0053】図14は本発明の第11実施形態を示す要
部の縦断面図である。この例は図12及び図13に示し
た例に設ける多孔体304,305に開ける孔304
a,305aの分布を下流側が少なくなるようなパター
ンとしたものであり、その他の構成は第10実施形態の
ものと同じである。
【0054】この構成では、流入口302に近い方の孔
304a,305aの分布数が下流側よりも多いので、
上流側配置の空気流出口303側に対しては流量が大き
く下流側配置の空気流出口303に対しては流量を絞る
ことができる。したがって、動圧を減衰させた後に各空
気流出口303に対してほぼ均等に空気流量を設定する
ことができる。
【0055】図15は本発明の第12実施形態であっ
て、(a)は要部の概略水平断面図、(b)は内部透視
図である。本実施形態の空調用設備ユニット400にお
いては、箱体状のチャンバ本体401の正面に空気流入
口402が設けられ、チャンバ本体401の左右両側面
に合計6個の空気流出口403が設けられている。チャ
ンバ本体401の内部であって空気流入口402に被さ
る部分にほぼ円錐状の三段のネット404,405,4
06が多孔体として配置されている。これらのネット4
04,405,406は市販されている金網をそのまま
用いたもので、3段に重ねることによって空気流入口4
02からの空気の動圧を減圧すると同時にチャンバ本体
401内に広く一様に拡散させることができる。したが
って、チャンバ本体401内で空気の偏流や回転流など
が発生せず、各空気流出口403において均一な空気流
の分配状態を得ることができる。
【0056】
【発明の効果】本発明により、以下に示す効果を奏す
る。
【0057】(1)チャンバ本体の周面に空気流入口と
複数の空気流出口とを備えた空調用設備において、この
チャンバ本体の内部に、多孔体あるいは通気性を有する
袋体または筒体を開口部が前記空気流入口に臨む姿勢で
配置したことにより、空気流入口から箱体内へ流入する
空気流は、多孔体あるいは通気性を有する袋体または筒
体を通過することで動圧が減衰した後、チャンバ本体内
へ拡散するので、チャンバ本体内の全圧力損失に対する
動圧の比率が小さくなり、チャンバ本体内の動圧が局所
的に異なっても、チャンバ本体内の全圧力損失に及ぼす
影響が減少し、各空気流出口からの空気流出量の格差が
抑制され、風量バランスが均一化する。
【0058】(2)前記袋体または筒体を網材、布材、
有孔板材で形成することにより、袋体または筒体を通過
する空気流に対する抵抗体となり、動圧を適度に減衰さ
せることができる。また、網材、布材のメッシュ数ある
いは有孔板材の開口率を変えることにより、空気流に対
する抵抗の度合いを変化させることができるので、施工
条件に適した動圧減衰率を設定することができる。
【0059】(3)前記袋体または筒体に、その横断面
積が連続的または局部的に変化した部分を設けることに
より、袋体または筒体に流入した後の空気流の分布状態
を連続的または局部的に変化させることが可能となるた
め、箱体に形成された空気流出口の位置や個数に対応し
た空気流の分配特性を設定することができる。
【0060】(4)前記袋体または筒体に、その通気度
が連続的または局部的に変化した部分を設けることによ
り、袋体または筒体を通過する空気流に対する抵抗の度
合いを連続的または局部的に変化させることが可能とな
るため、箱体に形成された空気流出口の位置や個数に対
応した空気流の分配特性を設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の空調用設備ユニット
を示す斜視図である。
【図2】 図1のA−A線断面図である。
【図3】 図2のB−B線断面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態の空調用設備ユニット
を示す概略水平断面図である。
【図5】 本発明の第3実施形態の空調用設備ユニット
を示す概略水平断面図である。
【図6】 本発明の第4実施形態の空調用設備ユニット
を示す概略水平断面図である。
【図7】 本発明の第5実施形態の空調用設備ユニット
を示す概略水平断面図である。
【図8】 本発明の第6実施形態の空調用設備ユニット
を示す概略水平断面図である。
【図9】 本発明の第7実施形態の空調用設備ユニット
を示す概略水平断面図である。
【図10】 本発明の第8実施形態の空調用設備ユニッ
トを示す概略水平断面図である。
【図11】 本発明の第9実施形態の空調用設備ユニッ
トを示す概略水平断面図である。
【図12】 本発明の第10実施形態の空調用設備ユニ
ットであって(a)は概略水平断面図、(b)は同図
(a)の左側面図である。
【図13】 図12に示した空調用設備ユニットの内部
構造を示す斜視図である。
【図14】 本発明の第11実施形態を示す要部の縦断
面図である。
【図15】 本発明の第12実施形態であって、(a)
は空調用設備ユニットの水平断面図、(b)は内部透視
図である。
【図16】 従来の空調用設備ユニットを示す斜視図で
ある。
【図17】 図16のX−X線断面図である。
【符号の説明】
10,20,30,40,50,60,70 空調用設
備ユニット 11,21,31,41,51,61,71 チャンバ
本体 11a,21a 壁体 12,22,32,42,52,62,72 空気流入
口 13a,13b,13c,23,33,43,53,6
3,73 空気流出口 14 空調機器 15 フレキシブルダクト 16 吹出装置 17 筒体 17a,24a,34a,44a,54a,64a,7
4a 開口部 24,34,44,54,64,74 袋体 64b 括れ部 100,200,300,400 空調設備用ユニット 101,201,301,401 チャンバ本体 102,202,302,402 空気流入口 103,203,303,403 空気流出口 104,204 袋体 104a,204a 開口部 104b プラグ板 205,206 オリフィス 205a,206a 開口 304,305 多孔体 304a,305a 孔 404,405,406 ネット(多孔体)
フロントページの続き (72)発明者 久野 幸男 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034−4 協 立エアテック株式会社内 (72)発明者 近藤 圭一 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034−4 協 立エアテック株式会社内 (72)発明者 安部 慎一 福岡県粕屋郡篠栗町大字和田1034−4 協 立エアテック株式会社内 Fターム(参考) 3L080 AA03 AA09 AC01 BE02

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 チャンバ本体の周面に空気流入口と複数
    の空気流出口とを備えた空調用設備において、前記チャ
    ンバ本体の内部に前記空気流入口から前記複数の流出口
    までの流路断面に展開させた多孔体を配置したことを特
    徴とする空調用設備。
  2. 【請求項2】 チャンバ本体の周面に空気流入口と複数
    の空気流出口とを備えた空調用設備において、前記チャ
    ンバ本体の内部に、通気性を有する袋体または筒体を開
    口部が前記空気流入口に臨む姿勢で配置したことを特徴
    とする空調用設備。
  3. 【請求項3】 前記袋体または筒体を網材、布材、有孔
    板材のいずれかで形成した請求項2記載の空調用設備。
  4. 【請求項4】 前記袋体または筒体に、その横断面積が
    連続的または局部的に変化した部分を設けた請求項2ま
    たは3記載の空調用設備。
  5. 【請求項5】 前記袋体または筒体に、その通気度が連
    続的または局部的に変化した部分を設けた請求項2から
    4のいずれかに記載の空調用設備。
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