JP2001208127A - 液体封入型エンジンマウント - Google Patents

液体封入型エンジンマウント

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JP2001208127A
JP2001208127A JP2000016243A JP2000016243A JP2001208127A JP 2001208127 A JP2001208127 A JP 2001208127A JP 2000016243 A JP2000016243 A JP 2000016243A JP 2000016243 A JP2000016243 A JP 2000016243A JP 2001208127 A JP2001208127 A JP 2001208127A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体封入型エンジンマウントを大形化するこ
となく、主副液体室間を流動する液体流量を増加させる
ことにより、振動吸収特性を向上させる。 【解決手段】 エンジンを支持するエンジンマウント本
体MF,MRは、エンジン回転時の振動に伴って変形す
る弾性体Bにより室壁の一部が形成されていて内部に液
体が封入される主液体室A1と、その主液体室A1にオ
リフィスGaを介して接続されて主液体室A1との間で
液体が流動する副液体室A2とを備えている。その副液
体室A2は、アクチュエータA4によって容積が変えら
れるようになっており、主液体室A1の容積縮小時には
そのアクチュエータA4により容積が拡大され、主液体
室A1の容積拡大時には逆に容積が縮小される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車等において
エンジンを防振支持するために用いられるエンジンマウ
ントに関するもので、特に、エンジンの振動に伴って変
形する弾性体により室壁の一部が形成されていて内部に
液体が封入される主液体室と、その主液体室にオリフィ
スを介して連通する副液体室とを備え、弾性体の弾性変
形と主副両液体室間のオリフィス内の液体の流動とによ
ってエンジンの振動を減衰させるようにした液体封入型
エンジンマウントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車のエンジンは、その運転状態、特
にその回転速度に応じて、周波数や振幅の大きく異なる
種々の振動を発生する。したがって、自動車において
は、広範囲の振動を吸収し得るエンジンマウントによっ
てエンジンを防振支持することが必要となっている。そ
のように広範囲の振動を吸収し得るエンジンマウントと
しては、液体封入型エンジンマウントが知られている。
液体封入型エンジンマウントの従来技術は、例えば特開
平8−320048号公報に示されている。その公報に
は、エンジンを支持する弾性体によって室壁が形成され
る主液体室と、自由に変形するダイヤフラムによって室
壁が形成される副液体室とを、アイドル用オリフィス
(エンジンがアイドル回転域で回転中は開閉弁により連
通状態とされ、アイドル回転域を超えると遮断状態とさ
れる開閉可能なオリフィス)を介して接続するようにし
た液体封入型エンジンマウントが記載されている。その
アイドル用オリフィスを連通状態と遮断状態とに切り換
える開閉弁は、ダイヤフラムによって形成された弁開閉
用空気圧室の空気圧の変化により作動し、その弁開閉用
空気圧室の空気圧は、その弁開閉用空気圧室を大気ある
いは負圧源に選択的に接続する切換弁の切り換えによっ
て変えられるようになっている。
【0003】そのような液体封入型エンジンマウント
は、エンジンのアイドル回転時、アイドル用オリフィス
を連通状態とした場合に、その動的ばね定数が最も小さ
くなり、アイドル回転時のエンジンの振動が効果的に吸
収されるようにチューニングされている。エンジンの高
速回転時(アイドル回転域を超えた回転速度のとき)に
は小振幅の高周波振動が生じるが、その振動は弾性体の
変形により吸収される。したがって、エンジンの回転数
に応じてアイドル用オリフィスを連通状態あるいは遮断
状態とすることにより、液体封入型エンジンマウントが
効果的に減衰(吸収)する振動周波数を調節することが
できる。したがって、低回転域から高回転域にまでわた
ってのエンジン振動を効果的に吸収することが可能とな
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
ようにアイドル用オリフィスを開閉制御するのみの液体
封入型エンジンマウントの場合には、アイドル用オリフ
ィスを流動する液体の流量は、そのオリフィスの寸法に
応じてほぼ一定に保持される。そのために、従来の液体
封入型エンジンマウントにおいて、エンジンの変位がよ
りスムーズに許容されるようにしようとすると、アイド
ル用オリフィスの寸法を大きくして、そのオリフィスを
流れる液体の流量を大きくすることが必要となる。その
結果、液体封入型エンジンマウントが大形化するという
問題がある。
【0005】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、オリフィスを介して接続された主液体
室及び副液体室間の液体の流動により振動を吸収する液
体封入型エンジンマウントにおいて、液体封入型エンジ
ンマウントを大形化することなく、主副液体室間を流動
する液体の流量を増加させることにより、その振動吸収
特性を向上させることを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】(第1発明)この課題を
解決するために、本発明の第1発明では、副液体室の容
積を、アクチュエータによって変化させるようにしてい
る。そのアクチュエータは、主液体室の容積が縮小する
とき副液体室の容積を拡大し、主液体室の容積が拡大す
るときには副液体室の容積を縮小するように作動するも
のとされている。
【0007】(第1発明の作用)このような構成を備え
た第1発明の液体封入型エンジンマウントは、エンジン
が回転して振動するとき、エンジンの下降に伴って主液
体室の容積が縮小し、エンジンの上昇に伴って主液体室
の容積が拡大する。そして、それに応じて主液体室と副
液体室との間で液体がオリフィスを介して流動しようと
する。その場合、例えば主液体室の容積が縮小方向にあ
るときには、アクチュエータによって副液体室の容積が
拡大されるので、副液体室内の圧力が負圧となり、より
多くの液体が主液体室から副液体室へと流れることにな
る。また、逆に主液体室の容積が拡大方向にあるときに
は、アクチュエータによって副液体室の容積が縮小され
るので、副液体室内の圧力が高くなり、副液体室内の液
体が強制的に主液体室へと押し込まれる。このようにし
て、主液体室と副液体室とを接続するオリフィスを流動
する液体の流量が多くなるので、エンジンの変位がスム
ーズに許容されるようになり、エンジンから車体に伝達
される振動が吸収される。
【0008】(第2発明)第2発明の液体封入型エンジ
ンマウントは、前記第1発明において、そのアクチュエ
ータが負圧によって駆動されるもので、そのアクチュエ
ータに負圧を供給する負圧供給回路に共鳴室が設けられ
ていることを特徴としている。
【0009】(第2発明の作用)このような構成を備え
た第2発明の液体封入型エンジンマウントでは、アクチ
ュエータに負圧を供給する負圧供給回路に共鳴室が設け
られているので、エンジンが振動して主液体室の容積が
縮小あるいは拡大するとき、アクチュエータに供給され
る負圧の変動の振幅がその共鳴室により増幅される。し
たがって、副液体室の容積の変化が大きくなり、エンジ
ンから車体に伝達される振動の吸収率が一層高くなる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照しながら、本発
明の実施の形態の具体例(実施例)を説明するが、本発
明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0011】(実施例1)図1は、本発明による液体封
入型エンジンマウントの実施例1の全体説明図であり、
図2は、同実施例1において使用される前後2個の液体
封入型のエンジンマウント本体の要部とその各エンジン
マウント本体の空気圧室の空気圧切換弁とを示す図で、
後側のエンジンマウント本体の空気圧室が縮小し前側の
エンジンマウント本体の空気圧室が拡大した状態を示す
図である。また、図3は、図2と同じ部分を示す図で、
後側の液体封入型のエンジンマウントの空気圧室が拡大
し前側のエンジンマウントの空気圧室が縮小した状態を
示す図である。
【0012】図2及び図3において、本実施例1では、
前側の液体封入型エンジンマウント本体MFと後側の液
体封入型エンジンマウント本体MRとの2個のエンジン
マウント本体MF,MRにより図示しない自動車エンジ
ンを支持している。これらのエンジンマウント本体MF
及びMRは同一の構成を備えている。図1において、後
側のエンジンマウント本体MRは、エンジン(図示せ
ず)が取り付けられるエンジン取付部材F1と、車体
(図示せず)側に連結される車体連結部材F2、及びそ
れらを連結するゴムブロック(弾性体)Bを有してい
る。ゴムブロックBは、エンジン取付部材F1と車体連
結部材F2との間で伝達される振動を弾性変形により吸
収する。エンジン取付部材F1は、ゴムブロックBに連
結されるエンジン側ブロック連結部材1と、その上端に
固定されたエンジン支持プレート2と、エンジン側ブロ
ック連結部材1に下端部が螺合するエンジン固定用のボ
ルト3とを有している。
【0013】車体連結部材F2は、ゴムブロックBに連
結される車体側ブロック連結部材6及びその下端に一体
的に連結された円筒状の車体連結部材(図示しない車体
に連結される部材)7を有している。車体側ブロック連
結部材6は、一体的に連結された上部ブロック連結部材
6a及び下部ブロック連結部材6bを有している。
【0014】図1〜図3において、仕切部材Gは、上端
仕切プレート8、内側仕切部材9、及びそれらの間に配
置された仕切部材本体10を有しており、仕切部材本体
10は本体上壁部11及びその下面外周部から下方に突
出する円筒状の本体側壁部12を有している。仕切部材
GはゴムブロックBの下方の空間を、上側の主液体室A
1と下側の副液体室A2に仕切る部材である。
【0015】上端仕切プレート8は、円筒状の車体連結
部材7の上端に支持された円形プレートであり、アイド
ル用オリフィス上端接続口8a及び常時連通オリフィス
上端接続口8bが形成されている。内側仕切部材9は、
本体上壁部11の下面に接合する上壁部9aと、円筒状
の本体側壁部12の内周面に接合する円筒状の側壁部9
bとを有し、上壁部9aには中央部にアイドル用オリフ
ィス下端接続口9cが形成され、側壁部9bには常時連
通オリフィス下端接続口9dが形成されている。
【0016】図4は仕切部材Gの構成要素の分解図で、
図4に示す仕切部材本体10は、図5のIV−IV線断面図
である。また、図5は仕切部材本体10の上面図で、図
4の矢印Vから見た図である。仕切部材本体10は、樹
脂製の一体成形品であり、上述のように上壁部11及び
円筒状側壁部12を有している。仕切部材本体10の上
壁部11には上下に貫通するアイドル用オリフィス形成
孔11aが形成され、そのアイドル用オリフィス形成孔
11aは、図5に示すように平面図で見て湾曲した形状
を有し、一端部(内端部)は仕切部材本体10の中央部
に配置され、他端部(外端部)は中央部から外側寄りの
位置に配置されている。平面図で湾曲した形状のアイド
ル用オリフィス形成孔11aの一端部(内端部)の下端
はアイドル用オリフィス下端接続口9cに接続し、他端
(外端)の上端はアイドル用オリフィス上端接続口8a
に接続している。こうして、これらアイドル用オリフィ
ス上端接続口8a、アイドル用オリフィス形成孔11a
及びアイドル用オリフィス下端接続口9cにより、アイ
ドル用オリフィスGa(=8a+11a+9c)が構成
されている。アイドル用オリフィスGaは、エンジンが
アイドル回転域で回転するときに主液体室A1と副液体
室A2とを連通させるオリフィスである。
【0017】上壁部11の上面には、半径方向に延びる
直線状凹溝11bと、その直線状凹溝11bに一端部が
接続し且つ外周に沿った円弧状凹溝11cとが形成され
ている。円弧状凹溝11cの他端部は下方に延びる接続
孔11dに接続している。円筒状側壁部12には、その
内周面に沿って円弧状凹溝12aが形成されており、そ
の円弧状凹溝12aは内側仕切部材9の側壁部9bとの
間に液体通路を形成している。円弧状凹溝12aの一端
は接続孔11dに接続され、他端は側壁開口9d(図1
参照)に接続している。前記直線状凹溝11bの上端は
常時連通オリフィス上端接続口8bを介して主液体室A
1に接続し、側壁開口孔9dは副液体室A2に接続され
ている。これら常時連通オリフィス上端接続口8b、直
線状凹溝11b、円弧状凹溝11c、下方に延びる接続
孔11d、円弧状凹溝12a、及び側壁開口9d(図1
参照)は、順次接続しており、それらの要素8b,11
b,11c,11d,12a,9dによって常時連通オ
リフィスGb(=8b+11b+11c+11d+12
a+9d)が構成されている。
【0018】車体連結部材7の内周面に嵌合する円筒状
の外周支持部材16は、円筒状側壁部12の外周面を支
持している。その外周支持部材16の下端にはリング状
底壁16aが形成されている。そのリング状底壁16a
には連通口16b(図2、図3参照)が形成されてい
る。また、リング状底壁16aには底板17が支持され
ている。その底板17には、底板17の上面側と下面側
とを連通させる傾斜管17a、ばね受け座17b、及び
切り欠き17c(図2、図3参照)が設けられている。
【0019】底板17の上面外周部には連通口21a
(図2、図3参照)を有するリング状の弁体支持部材2
1が支持されている。その弁体支持部材21に下端外周
部が連結された弁体22は、ゴム製(弾性材料製)の弁
体側壁部22a及び弁体上壁部22bを有している。リ
ング状の弁体支持部材21上面と内側仕切部材9下端部
との間にはダイヤフラム23の下端外周部23aが挟持
されて固定されている。そのダイヤフラム23の中央上
部23bは弁体上壁部22bの上面に一体的に連結され
ている。そして、これら弁体22及びダイヤフラム23
により開閉弁V1(=22+23)が構成されている。
【0020】副液体室A2は仕切部材Gとダイヤフラム
23との間に形成されている。そのダイヤフラム23と
弁体22との間には大気連通室A3が形成されている。
その大気連通室A3は、弁体支持部材21に形成された
連通口21a(図2、図3参照)、底板17の切り欠き
17c、及び外周支持部材16の連通口16bにより大
気に連通している。そして、弁体22と底板17との間
に空気圧室A4が形成されている。底板17のばね受け
座17bと弁体上壁部22bとの間にはリターンばね2
4が配置されている。そのリターンばね24は、弁体上
壁部22b及びダイヤフラム中央上部23bを常に上方
に押し上げて、内側仕切部材9のアイドル用オリフィス
下端接続口9cを常時閉塞するように作用する。空気圧
室A4は傾斜管17a及び接続管26を介して電磁式の
切換弁V2に接続されており、その切換弁V2は、接続
管26を大気、あるいは負圧源である吸気管27に切り
換えて接続する。なお、傾斜管17a及び接続管26に
より、空気圧室A4と切換弁V2との間を接続する負圧
供給回路(17a+26)が構成されている。
【0021】切換弁V2は、大気圧ポートPa、第1負
圧ポートP1、及び第2負圧ポートP2を有している。
大気圧ポートPaは大気に接続されており、第1負圧ポ
ートP1は吸気管27に直接接続されている。第2負圧
ポートP2は絞り弁Vaを介して吸気管27に接続さ
れ、且つ絞り弁Vbを介して大気に接続されている。し
たがって、第2負圧ポートP2の気圧は大気圧ポートP
aの気圧より小さいが第1負圧ポートP1の気圧よりも
大きい。切換弁V2は3位置切換弁であり、エンジン高
速回転時は図1に示す第1位置に保持されている。図1
に示す第1位置では、前側及び後側のエンジンマウント
本体MF及びMRの空気圧室A4は、大気圧ポートPa
に接続されている。この状態では前側及び後側のエンジ
ンマウント本体MF及びMRの空気圧室A4は共に大気
圧となっており、開閉弁V1は共に図1に示す状態(閉
じた状態)に保持されている。また、エンジン停止時に
は、切換弁V2は図2に示す第2位置に保持される。こ
のエンジン停止状態では吸気管27内は大気圧になって
いるので、前側及び後側のエンジンマウント本体MF,
MRの空気圧室A4は共に大気圧となり、アイドル用オ
リフィスGaは開閉弁V1により閉じた状態に保持され
る。
【0022】エンジンのアイドル回転時には、切換弁V
2は、エンジンの振動に応じて振動するエンジンマウン
ト本体MF,MRの振動の周期に応じて図2に示す第2
位置と図3に示す第3位置との間で交互に移動する。そ
して、本実施例1のように前後2個のエンジンマウント
本体MF、MRによりエンジンを支持する場合には、一
方のエンジンマウント本体MFの副液体室A2への液体
の流入時には、他方のエンジンマウント本体MRの副液
体室A2から液体が流出する。したがって、本実施例1
では、図2に示すように、後側のエンジンマウント本体
MRの副液体室A2に液体が流入するときには後側のエ
ンジンマウント本体MRの空気圧室A4を第1負圧ポー
トP1に接続して副液体室A2の容積を拡大するととも
に、前側のエンジンマウント本体MFの空気圧室A4を
第2負圧ポートP2(P2の気圧>P1の気圧)に接続
する。また、図3に示すように、前側のエンジンマウン
ト本体MFの副液体室A2に液体が流入するときには前
側のエンジンマウント本体MFの空気圧室A4を第1負
圧ポートP1に接続し、後側のエンジンマウント本体M
Rの空気圧室A4を第2負圧ポートP2(P2の気圧>
P1の気圧)に接続する。
【0023】(実施例1の制御部の説明)図6は、本発
明による液体封入型エンジンマウントの実施例1の制御
部のブロック線図である。図6において、コントローラ
Cは、外部との信号の入出力及び入出力信号レベルの調
節等を行うI/O(入出力インターフェース)、必要な
処理を行うためのプログラム及びデータ等が記憶された
ROM(リードオンリーメモリ)、必要なデータを一時
的に記憶するためのRAM(ランダムアクセスメモ
リ)、前記ROMに記憶されたプログラムに応じた処理
を行うCPU(中央演算処理装置)、並びにクロック発
振器等を有するコンピュータにより構成されており、R
OMに記憶されたプログラムを実行することにより種々
の機能を実現している。
【0024】(コントローラCに接続された信号入力要
素)コントローラCには、次の信号入力要素SN1,E
Iから信号が入力されている。 SN1:エンジン回転速度センサ エンジン回転速度センサSN1は、エンジン回転速度を
検出して検出信号をコントローラCに出力する。 EI:エンジン点火回路 エンジン点火回路EIは、その作動をコントローラCに
より制御され、エンジンの複数のシリンダの点火プラグ
を順次点火させる。
【0025】(コントローラCに接続された制御要素)
また、コントローラCには、次の制御要素Dが接続され
ている。 D:切換弁駆動回路 切換弁駆動回路Dは、コントローラCからの制御信号に
応じて電磁式の3位置切換弁V2を駆動して、図1、図
2、図3に示す位置のいずれかに移動させる。なお、そ
の切換弁駆動回路D及び切換弁V2により、空気圧切換
装置(エンジンマウント本体MF,MRの各空気圧室A
2の空気圧を切り換える装置、すなわち、アクチュエー
タ)(D+V2)が構成されている。
【0026】(コントローラCの機能)コントローラC
は、前記信号入力要素SN1,EIからの入力信号に応
じた処理を実行して、切換弁駆動回路(制御要素)Dの
制御信号を出力する機能を有している。すなわち、コン
トローラCは次の機能を有している。 C1:エンジン回転速度検出手段 エンジン回転速度検出手段C1は、エンジン回転速度セ
ンサSN1の検出信号からエンジン回転速度を検出す
る。 C2:エンジン回転速度判別手段 エンジン回転速度判別手段C2は、アイドル回転域記憶
手段C2aを有し、エンジン回転速度センサSN1から
の入力信号(検出速度信号)に応じて、エンジン回転速
度が、アイドル回転域であるか、それより高い高回転域
かを判別する。 C2a:アイドル回転域記憶手段 アイドル回転域記憶手段C2aは、設定されたエンジン
のアイドル回転域を記憶する。 C3:エンジン点火時刻検出手段 エンジン点火時刻検出手段C3は、エンジンの複数のシ
リンダの中から選択した所定のシリンダ(選択シリン
ダ)の点火回路に流れる電流から、選択シリンダの点火
時刻t0(図7参照)を検出する。
【0027】C4:空気圧切換制御手段(アクチュエー
タ制御手段) 空気圧切換制御手段C4は、ソレノイド遅延時間設定用
データ記憶手段C4a、ソレノイド作動遅延時間設定手
段C4b、タイマTM1,TM2、及びソレノイド作動
時刻決定手段C4cを有し、空気圧切換装置(D+V
2)の動作を制御する。 C4a:ソレノイド作動遅延時間設定用データ記憶手段 ソレノイド作動遅延時間設定用データ記憶手段C4a
は、ソレノイド作動遅延時間設定用データを記憶する。
ソレノイド作動遅延時間設定用データは、アイドル回転
域の所定のエンジン回転速度Nにおけるソレノイド作動
遅延時間(前記エンジン点火時刻t0から切換弁V2の
ソレノイドを作動させるまでの遅延時間)t1,t2
(図7参照)を設定可能なデータである。そのようなデ
ータは予め実験により求めて記憶することが可能である
が、本実施例1では、ソレノイド作動遅延時間設定用デ
ータとして次のデータ(a)が記憶されている。 (a)所定のエンジン回転速度N0に対応して定めた遅
延時間t1′,t2′と、これらN0,t1′,t2′
に基づいて、エンジン回転速度がNのときの遅延時間t
1,t2を算出する次の算出式(1)及び(2)。 t1=t1′×(N0/N)…………………………………………………(1) t2=t2′×(N0/N)…………………………………………………(2)
【0028】なお、ソレノイド作動遅延時間設定用デー
タとして、上述のデータ(a)の代わりに例えば次のデ
ータ(b)を記憶することも可能である。 (b)一定間隔で設定したエンジン回転速度Nに対応し
て上述のソレノイド作動遅延時間t1,t2を定めたテ
ーブル。また、アイドル回転時のエンジン回転速度はあ
まり変化しないので、その回転速度が常時一定の値(例
えば、一定回転速度=N0)であるとみなして、前記遅
延時間t1,t2の代わりに、エンジン回転速度N0に
対応して定めた遅延時間t1′,t2′を、遅延時間の
設定値として使用することも可能である。その場合に
は、前記(a)の算出式(1),(2)あるいは(b)
のテーブル等は不要となる。
【0029】C4b:ソレノイド作動遅延時間設定手段 ソレノイド作動遅延時間設定手段C4bは、設定遅延時
間記憶メモリM2a,M2bを有しており、ソレノイド
作動遅延時間設定用データ記憶手段C4aに記憶された
データt1′,t2′と、検出されたエンジン点火時刻
t0とに基づいて、電磁式3位置切換弁V2のソレノイ
ドを作動させる時刻までの遅延時間(ソレノイド作動遅
延時間)t1,t2を式(1),(2)により算出し、
設定遅延時間記憶メモリM2a,M2bに記憶させる
(設定する)。 C4c:ソレノイド作動時刻決定手段 ソレノイド作動時刻決定手段C4cは、エンジン点火時
刻検出手段C3が検出したエンジン点火時刻t0と、ソ
レノイド作動遅延時間設定手段C4bが算出し設定した
遅延時間t1,t2と、タイマTM1,TM2とを用い
て、エンジンのアイドル回転域での電磁式3位置切換弁
V2の切換時刻を決定する。その切換弁V2の切換時刻
は、エンジン点火時刻検出手段C3が検出したエンジン
点火時刻t0から遅延時間t1,t2が経過した時刻で
ある。したがって、検出したエンジン点火時刻t0にタ
イマTM1,TM2に時間t1,t2をセットし、その
タイマTM1,TM2がタイムアップした時刻が切換弁
V2の切換時刻t1,t2である。 TM1,TM2:タイマ タイマTM1,TM2には、エンジン点火時刻t0に時
間t1,t2がセットされる。したがって、それらのタ
イマTM1,TM2がタイムアップした時刻が切換弁V
2の切換時刻t1,t2となる。
【0030】(実施例1の作用)このような構成を備え
た液体封入型エンジンマウントの実施例1は、エンジン
の停止時には、切換弁V2は図2の位置に保持される。
前述したように、このエンジン停止状態では吸気管27
内は大気圧になっているので、前側及び後側のエンジン
マウント本体MF,MRの空気圧室A4は共に大気圧と
なり、開閉弁V1は閉じた状態に保持される。また、エ
ンジンがアイドル回転域を超えた高回転域で回転すると
きは、アイドル用オリフィスGaが遮断状態に保持され
る。このとき、内部の液体はアイドル用オリフィスGa
を流動せず、弾性体Bの弾性変形により高速回転するエ
ンジンの振動が減衰あるいは吸収される。そして、カー
シェイク等の極めて振幅の大きい振動が生じたときに
は、液体が常時連通オリフィスGbを流れることによっ
てその振動が減衰される。
【0031】エンジンがアイドル回転域で回転するとき
は、開閉弁V1が開かれるので、エンジンの回転サイク
ルの周期に応じて主液体室A1と副液体室A2との間で
液体が流動しようとする。そこで、アイドル用オリフィ
スGaを通って主副液体室間を液体が流動し易くなるよ
うに、切換弁V2を第2位置(図2参照)と第3位置
(図3参照)との間で周期的に移動させて空気圧室A4
の空気圧を調節し、副液体室A2の容積を拡大あるいは
縮小させる。このときには、エンジンマウント本体MF
又はMRのアイドル用オリフィスGaを通って主副液体
室(A1及びA2)間を流動する液体、及び弾性体Bの
弾性変形によりアイドル回転域で回転するエンジンの振
動が吸収される。
【0032】図7は、アイドル回転時のエンジンの所定
のシリンダの点火時刻と、前側及び後側の液体封入型エ
ンジンマウントの空気圧室の空気圧の変化のタイムチャ
ートを示す図である。エンジンのアイドル回転時には、
切換弁V2は図2の第2位置と図3の第3位置との間で
移動制御されるので、前側及び後側のエンジンマウント
本体MF,MRの空気圧室A4は第1負圧ポートP1あ
るいは第2負圧ポートのいずれかに接続される。したが
って、図7に示すように、アイドル回転時には前側及び
後側のエンジンマウント本体MF,MRの空気圧室A4
の気圧は、常時大気圧Ptaよりも低い範囲で制御され
ている。図7において、所定のエンジンの点火時刻をt
0とした場合、点火時刻t0からエンジンの回転数に応
じて定まる所定時間t1経過後(遅延後)に、後側のエ
ンジンマウント本体MRの空気圧室A4を負圧にするよ
うに切換弁V2を第2位置(図2に示す位置)に移動さ
せる。このとき、図2に示すように、後側のエンジンマ
ウント本体MRの空気圧室A4が第1負圧ポートP1に
接続され、空気圧室A4の空気圧が低下して、副液体室
A2の容積が拡大する。このため、副液体室A2への液
体の流入が多くなる。この図2に示す状態の前側エンジ
ンマウント本体MFの副液体室A2の容積は、後側エン
ジンマウント本体MRの副液体室A2の容積よりも小さ
くなる。
【0033】前記時刻t0から所定時間t2経過後(遅
延後)に、前側エンジンマウント本体MFの空気圧A4
を負圧にするように切換弁V2を第3位置(図3に示す
位置)に移動させる。このとき、図3に示すように、前
側のエンジンマウント本体MFの空気圧室A4が第1負
圧ポートP1に接続され、その空気圧室A4の空気圧が
低下して、副液体室A2の容積が図2の状態から図3の
状態に拡大する。このため、前側のエンジンマウント本
体MFの副液体室A2への液体の流入が多くなる。これ
と同時に、後側のエンジンマウント本体MRの空気圧室
A4が第2負圧ポートP2に接続され、空気圧室A4の
空気圧が上昇し、副液体室A2の容積が図2の状態から
縮小して図3の状態(開閉弁V1がアイドル用オリフィ
スGaを閉じた状態)になる。このとき、後側のエンジ
ンマウント本体MFの副液体室A2からの液体の流出が
多くなる。このように、主副液体室間の液体の流動を増
加させるように副液体室A2の容積を変化させることに
より、流動する液体量を増加させることができるので、
エンジンから車体へ伝達される振動を大きく減衰するこ
とができる。
【0034】(フローチャートの説明)図8は、上述の
ように構成された液体封入型エンジンマウントのコント
ローラの遅延時間設定処理のフローチャートである。図
8のフローチャートの各ST(ステップ)の処理は、図
6に示すコントローラCのROMに記憶されたプログラ
ムに従って行われる。また、このフローチャートの処理
はエンジン始動スイッチオンと同時に開始される。図8
のST1(ステップ1)において、エンジンが回転して
いるか否か判断する。ST1においてノー(N)の場合
はST1を繰り返し実行する。ST1においてイエス
(Y)の場合(エンジン回転の場合)はST2に移る。
ST2においては、エンジンの回転速度を検出し、回転
速度記憶メモリM1に記憶する。次に、ST3において
回転速度はアイドル回転域か否か判断する。この判断
は、エンジン回転速度センサSN1により検出されるエ
ンジンの回転速度が設定されたアイドル回転域(アイド
ル回転域記憶手段C2aに記憶されている回転域)を超
えているか否かにより行う。ST3においてノー(N)
の場合(エンジン高速回転の場合)はST1に戻る。
【0035】ST3においてイエス(Y)の場合は、S
T4においてエンジン点火時刻t0(図7参照)からの
ソレノイド作動遅延時間t1,t2を算出する。すなわ
ち、ソレノイド作動遅延時間設定手段C4b(図6参
照)は、ソレノイド作動遅延時間設定用データ記憶手段
C4aに記憶されたデータt1′,t2′と、検出され
たエンジン点火時刻t0とに基づいて、電磁式3位置切
換弁V2のソレノイドを作動させる時刻までの遅延時間
(ソレノイド作動遅延時間)t1,t2を式(1),
(2)により算出する。次に、ST5において、算出し
た時間t1,t2を設定遅延時間記憶メモリM2a,M
2bに記憶する。そして、ST1に戻る。
【0036】図9は空気圧制御処理のフローチャートで
ある。図9のフローチャートの各ST(ステップ)の処
理は、図6に示すコントローラCのROMに記憶された
プログラムに従って行われる。また、このフローチャー
トの処理はエンジン始動スイッチオンと同時に開始さ
れ、且つ他のプログラム(図8のプログラム等)と平行
してマルチタスクで実行される。図9のST11におい
て、エンジンが回転中か否か判断する。ノー(N)の場
合はST11を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合
はST12に移る。ST12においては、エンジン回転
速度がアイドル回転域か否かを判断する。ノー(N)の
場合はST13に移る。ST13においては、切換弁V
2を第1位置(図1に示す位置)に移動させて、前後の
エンジンマウント本体MF,MRの空気圧室A4の空気
圧を大気に接続する。このとき、エンジンマウント本体
MF,MRの開閉弁V1は図1のように閉じた状態に保
持される。次いで、ST11に戻る。
【0037】ST12でイエス(Y)の場合はST14
に移る。ST14において、エンジンの複数のシリンダ
の中の所定のシリンダ(選択シリンダ)が点火したか否
か判断する。この判断は所定の点火回路に点火電流が流
れたか否かにより判断する。イエス(Y)の場合はST
15に移る。ST15において、設定遅延時間記憶メモ
リM2a,M2bに記憶されたソレノイド作動遅延時間
t1,t2をタイマTM1,TM2にセットする。その
ソレノイド作動遅延時間t1,t2は、図7に示すよう
に、エンジン点火時刻t0から、切換弁V2の作動時ま
での遅延時間である。次に、ST16において、タイマ
TM1はタイムアップしたか否かを判断する。ノー
(N)の場合はST16を繰り返し実行する。イエス
(Y)の場合(図7に示す点火時刻t0から時間t1が
経過した場合)はST17に移る。ST17において、
切換弁V2を第2位置(図2に示す位置)に移動させ
て、後側のエンジンマウント本体MRの空気圧室A4を
第1負圧ポートP1に、前側のエンジンマウント本体M
Fの空気圧室A4を第2負圧ポートP2に接続する。こ
のときには、図2に示すように、後側のエンジンマウン
ト本体MRは開閉弁V1が大きく開いて副液体室A2の
容積が拡大した状態となる。また、前側のエンジンマウ
ント本体MFは、開閉弁がわずかに開いた状態となり、
副液体室A4の容積は後側エンジンマウント本体MRの
副液体室A4に比較して縮小した状態となる。
【0038】次に、ST18において、タイマTM2は
タイムアップしたか否かを判断する。ノー(N)の場合
はST18を繰り返し実行する。イエス(Y)の場合
(図7に示す時刻t0から時間t2が経過した場合)は
ST19に移る。ST19においては、切換弁V2を第
3位置(図3に示す位置)に移動させて、前側のエンジ
ンマウント本体MFの空気圧室A4を第1負圧ポートP
1に、後側のエンジンマウント本体MRの空気圧室A4
を第2負圧ポートP2に接続する。このときには、図3
に示すように、前側のエンジンマウント本体MFは開閉
弁V1が大きく開いて副液体室A2の容積が拡大する。
また、後側のエンジンマウント本体MRは、開閉弁がわ
ずかに開いた状態となり、その副液体室A4の容積は前
側エンジンマウント本体MFの副液体室A4に比較して
縮小した状態となる。そして、ST11に戻る。したが
って、この実施例1では、エンジンがアイドル回転域で
回転中は、エンジンの回転サイクルに応じて主液体室A
1と副液体室A2との間で液体が流動し、その液体の流
動に応じて、副液体室A4の容積が拡大・収縮を交互に
繰り返す。このため、液体が流動し易くなって流量が増
加するので、エンジンマウント本体MF,MRを大型に
することなく、エンジンから車体へ伝達される振動の吸
収効率を高めることかできる。
【0039】(実施例2)図10は、本発明による液体
封入型エンジンマウントの実施例2の要部説明図で、前
記実施例1の図2に対応する図である。なお、この実施
例2の説明において、上述した実施例1の構成要素に対
応する構成要素には同一の符号を付して、その詳細な説
明を省略する。図10において、エンジンマウント本体
MF,MRの空気圧室A4と切換弁V2との間を接続す
る接続管(負圧供給回路)26の途中にレゾネータ(共
鳴室)28が設けられている。前述したように、エンジ
ンマウント本体MF,MRの各空気圧室A4は、エンジ
ンがアイドル回転域で回転中は、切換弁V2の第1負圧
ポートP1及び第2負圧ポートP2に交互に接続され
る。したがって、各空気圧室A4及び接続管26の空気
圧は負圧で且つ脈動している。そして、レゾネータ28
は、その負圧の、アイドル用オリフィス共振周波数成分
を増幅するように構成されている。実施例2のその他の
構成は前記実施例1と同様である。このような構成を備
えた実施例2の液体封入型エンジンマウントは、エンジ
ンがアイドル回転域で回転中、空気圧室A4の負圧の変
動の振幅がレゾネータ28により増幅されるので、実施
例1に比較して副液体室A2の容積の変化を大きくする
ことができる。
【0040】(変更例)以上、本発明の実施例を詳述し
たが、本発明は、上記実施例に限定されるものではな
く、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内
で、種々の変更を行うことが可能である。本発明の変更
例を下記に例示する。(1)上記実施例ではエンジンマ
ウント本体MF,MRの副液体室A2の容積を拡大・縮
小するアクチュエータとして空気圧室A4を使用してい
るが、その副液体室A2を形成するダイヤフラム23を
直接作動させるソレノイドを使用することも可能であ
る。(2)上記実施例においては、エンジン停止時ある
いはエンジン高回転域では、オリアイドル用オリフィス
Gaを開閉する開閉弁V1が閉じるように構成されてい
るが、その開閉弁V1は常時開放状態とすることも可能
である。その場合、前記実施例のアイドル用オリフィス
Gaは常時液体の流動が可能となるので、アイドル回転
時のみ作動するアイドル用オリフィスではなく、常時作
動するオリフィスとなる。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
による液体封入型エンジンマウントにおいては、エンジ
ンの振動に伴ってエンジンマウント本体の主液体室と副
液体室との間で液体が流動するとき、エンジンマウント
本体の副液体室への液体の流入時には副液体室の容積を
拡大させ、副液体室からの液体の流出時には副液体室の
容積を縮小させるようにしているので、主副液体室間で
オリフィスを通って流動する液体の流量を多くすること
ができる。したがって、エンジンから車体へ伝達される
振動を大きく吸収することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明による液体封入型エンジンマウントの
実施例1の全体説明図である。
【図2】 同実施例で使用する前後2個の液体封入型の
エンジンマウント本体の要部と前記各エンジンマウント
本体の空気圧室の空気圧切換弁とを示す図で、後側のエ
ンジンマウント本体の空気圧室が縮小し前側のエンジン
マウント本体の空気圧室が拡大した状態を示す図であ
る。
【図3】 図2と同じ部分を示す図で、後側の液体封入
型のエンジンマウントの空気圧室が拡大し前側のエンジ
ンマウントの空気圧室が縮小した状態を示す図である。
【図4】 仕切部材の構成要素の分解図で、図4に示す
仕切部材本体は、図5のIV−IV線断面図である。
【図5】 仕切部材本体の上面図で、図4の矢印Vから
見た図である。
【図6】 本発明による液体封入型エンジンマウントの
実施例1の制御部のブロック線図である。
【図7】 アイドル回転時のエンジンの所定のシリンダ
の点火時刻と、前側及び後側の液体封入型エンジンマウ
ントの空気圧室の空気圧の変化のタイムチャートを示す
図である。
【図8】 実施例1の液体封入型エンジンマウントのコ
ントローラの遅延時間設定処理のフローチャートであ
る。
【図9】 空気圧制御処理のフローチャートである。
【図10】 本発明による液体封入型エンジンマウント
の実施例2の要部説明図で、前記実施例1の図2に対応
する図である。
【符号の説明】
A1…主液体室、A2…副液体室、A4…空気圧室(ア
クチュエータ)、B…弾性ブロック(弾性体)、C4…
空気圧切換制御手段(アクチュエータ制御手段)、Ga
…アイドル用オリフィス(オリフィス)、MF,MR…
エンジンマウント本体、V1…開閉弁、V2…切換弁、
26…接続管(負圧供給回路)、27…吸気管(負圧
源)、28…レゾネータ(共鳴室)。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンを支持してそのエンジンの回転
    時の振動に伴って変形する弾性体により室壁の一部が形
    成されていて、内部に液体が封入される主液体室と、そ
    の主液体室にオリフィスを介して接続されていて、その
    主液体室との間で前記液体が流動することにより、前記
    主液体室の容積変化に伴って容積が変化する副液体室
    と、を有し、前記弾性体の弾性変形及び前記オリフィス
    を通過する液体の流動により前記エンジンの振動を吸収
    するエンジンマウント本体と、 前記副液体室の容積を変化させるアクチュエータと、 前記主液体室の容積縮小時に前記アクチュエータを前記
    副液体室の容積が拡大する方向に駆動するとともに、前
    記主液体室の容積拡大時に前記アクチュエータを副液体
    室の容積が縮小する方向に駆動するアクチュエータ制御
    手段と、 を備えてなる、液体封入型エンジンマウント。
  2. 【請求項2】 前記アクチュエータが負圧によって駆動
    されるものであって、そのアクチュエータに負圧を供給
    する負圧供給回路に共鳴室が設けられていることを特徴
    とする、請求項1記載の液体封入型エンジンマウント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9850978B2 (en) 2015-12-14 2017-12-26 Hyundai Motor Company Roll mount

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN100417835C (zh) * 2004-10-18 2008-09-10 东海橡胶工业株式会社 流体填充式减振装置以及使用它的汽车发动机支架
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