JP2001208075A - 複列転がり軸受 - Google Patents

複列転がり軸受

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JP2001208075A
JP2001208075A JP2000012078A JP2000012078A JP2001208075A JP 2001208075 A JP2001208075 A JP 2001208075A JP 2000012078 A JP2000012078 A JP 2000012078A JP 2000012078 A JP2000012078 A JP 2000012078A JP 2001208075 A JP2001208075 A JP 2001208075A
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bearing
retainer
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Toru Takehara
徹 竹原
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NSK Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】少ない潤滑油で十分な潤滑性能が得られる自動
調心ころ軸受を得る。 【解決手段】保持器4の環状部材41の外周面に突起4
3を設けた。この突起43の円弧状の壁面51,52に
より、軸受内に供給された潤滑油を、空間Aから保持器
4の両側の柱42R,42Lに向かわせる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動調心ころ軸受
等の複列転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に、自動調心ころ軸受や複列円錐
ころ軸受は、大きなラジアル荷重とスラスト荷重を同時
に支持することができるため、比較的大荷重が作用する
各種産業機械装置全般に用いられている。特に、自動調
心ころ軸受は、取付け誤差や衝撃荷重により外輪や内輪
が傾斜しても、転動体の接触状態は変化しないため、異
常荷重の発生を防止できるとともに、ラジアル負荷能力
を大きく取ることができる利点がある。そのため、自動
調心ころ軸受は、製紙機械を構成する各種ロールネック
軸受や、車両用軸受や各種産業機械用軸受として広く使
用されている。
【0003】これらの軸受の潤滑方法としては、図17
に示すような中央給油法と図18に示すような端面給油
法がある。中央給油法では、外輪2の軸方向中心部に、
周方向で複数個の給油孔21を設け、これらの給油孔2
1から、2列のころ31,32の間に潤滑油を供給して
いる。端面給油法では、軸受内に直接潤滑油を導入せ
ず、一旦、軸受箱8内の下部に潤滑油を入れる。この潤
滑油溜まり9にある潤滑油が、軸受の一方の端面から内
輪1と外輪2との間に入り、他方の端面の内外輪間から
排出される。
【0004】軸受の保持器としては、軸受サイズや用途
によって異なるが、黄銅もみ抜き保持器(以下、「もみ
抜き保持器」と称する)、鋼製プレス保持器(以下、
「プレス保持器」と称する)、樹脂保持器等が使用され
る。これらの保持器には、図24に示すような、両ころ
列用の保持器が一体になっているタイプ(以下、「一体
保持器」と称する)と、図25に示すような、各ころ列
で別体になっているタイプ(以下、「別体保持器」と称
する)がある。図24および25において、(a)図は
軸受の断面図であり、(b)図は保持器単体を示す図で
あり、(c)図は保持器の立体イメージ図である。図2
5の(b)と(c)では、軸受内に2個或る保持器のう
ちの片方のみを示した。一体保持器が両ころ列のころを
保持するのに対して、別体保持器では各ころ列が別々の
保持器で保持されて、各ころ列が独立して回転する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、自動調
心ころ軸受の潤滑には、多量に潤滑油を供給しないと十
分な潤滑性能が得られないという問題点がある。以下
に、この問題点に関する本発明者等の知見を述べる。油
で潤滑される軸受においては、軸受内部で様々な潤滑油
の流れがあり、軸受の形式によっては潤滑油を強制的に
流動させる作用(「ポンプ効果」と称される)があるこ
とが知られている。例えば、特開平10−89352号
公報、特開平10−89353号公報、および特開平9
−32858号公報には、円すいころ軸受でポンプ効果
が生じることが記載されている。
【0006】円すいころ軸受で生じるポンプ効果は、図
19に矢印で示すように、軸受の回転時に、内輪1の小
つば側から大つば側に潤滑油が一方向に流動することで
ある。このような潤滑油の流動は、円すいころ軸受の内
輪1の外径が幅方向の一端側と他端側とで異なることに
起因して生じる。すなわち、図20に示すように、幅方
向の一端側と他端側とで内輪1の外周面の径が異なる
と、回転時に内輪の外周面に発生する遠心力に幅方向の
両端で差が生じる。この遠心力の差が図19に矢印で示
す潤滑油の一方向の流動を引き起こす。
【0007】これに対して、接触角を持たない軸受や接
触角を有する軸受を左右対称に組み合わせた軸受、及び
軸受内部で両転動体列の接触角が対称である軸受(例え
ば、自動調心ころ軸受、円筒ころ軸受、玉軸受、複列円
錐ころ軸受、複列アンギュラ玉軸受等)では、このよう
な顕著なポンプ効果が確認された報告はない。その理由
は、左右対称の軸受では回転時に上述のような遠心力の
差は発生しないか、各列のポンプ作用が相殺され、その
結果としてのポンプ効果も生じないと考えられていたか
らである。
【0008】しかしながら、外輪を透明なアクリル樹脂
製とした自動調心ころ軸受を透明なアクリル樹脂製のハ
ウジング内に取り付けて、軸を回転させ、ハウジングを
介して軸受の内部を高速度カメラで撮影したところ、自
動調心ころ軸受の場合でも軸受内部でポンプ効果が生じ
ていることが分かった。このポンプ効果は軸受内部で完
結するため、図19に示すような、軸受内部を貫通する
ような一方向の油流は発生しない。したがって、軸受内
部を観察しなければ、ポンプ効果を確認することはでき
ない。
【0009】図21に示すように、自動調心ころ軸受の
内輪1の外周面11は、幅方向両側部より中心側で外径
が大きく形成されているため、回転に伴って生じる遠心
力は中心部aが両端部bよりも大きくなる。そのため、
図22に示すように、両端部bから中心部aに向かって
潤滑油が流れ易くなり、油を軸受の軸方向中心部へ集中
させようとするポンプ効果が発生する。
【0010】そして、自動調心ころ軸受を油潤滑する場
合には、このポンプ効果に起因して油が軸受の軸方向中
心部に集中するため、軸受内部に供給された潤滑油が左
右のころに十分には行き渡らないことが分かった。この
点について図23を用いて、中央給油法を例にとって以
下に説明する。図23の自動調心ころ軸受において、保
持器4は、軸方向中心部に配置される環状部材41と、
この環状部材41から軸方向両側に向かう柱42R,4
2Lとを有し、周方向で隣り合う柱の間にころ31,3
2が設置されている。また、この例では、各列のころ3
1,32を周方向でずれた位置に配置するために、左右
の柱42R,42Lは、周方向で互い違いとなるように
配置されている。外輪2の軸方向中心部に、周方向で複
数個の給油孔21が等間隔に設けてある。潤滑油は、回
転中に、この給油孔21から、保持器4の環状部材31
と2列のころ31,32と外輪2とで囲まれた空間Aに
供給される。ここでは、保持器4の回転方向が矢印Bの
場合を例にとって説明する。
【0011】先ず、空間Aに供給された潤滑油は重力の
作用により落下する。このとき、自動調心ころ軸受の外
輪2の内周面が球状の凹面であるため、回転に伴う遠心
力の作用により、潤滑油はこの空間A内に集中した状態
で落下し(矢印C)、左右のころ31,32へはほとん
ど流れない。すなわち、潤滑油の矢印Dの流れはほとん
ど生じない。
【0012】次に、下まで落下した潤滑油の一部は、自
転しながら保持器と共に回転しているころ31,32に
よってあたかも水車のように汲み上げられて、上方に移
動し、残りは軸受両側面の内外輪間から軸受の外部に排
出される。このように、給油孔21から空間Aに供給さ
れた潤滑油が直接ころ31,32に向かって潤滑に寄与
するのではなく、一度軸受下方へ落下して汲み上げられ
た潤滑油でころ31,32が潤滑される。ころ31,3
2によって汲み上げられた潤滑油も、回転に伴う遠心力
の作用により汲み上げられる過程で空間A内に集まる。
【0013】このように、自動調心ころ軸受では、中央
給油法により、外輪2の軸方向中心部に設けた複数個の
給油孔21から空間A内に潤滑油を供給していても、軸
受内部での潤滑油の流れ方は、軸受下方に潤滑油を一定
量溜めて軸受を潤滑する給油方法(油浴潤滑)と変わら
ない。以上のことは、自動調心ころ軸受に限らず、複列
円錐ころ軸受、複列アンギュラ玉軸受、自動調心玉軸受
等のような、接触角が両列で対称である複列軸受につい
ても当てはまる。また、複列円筒ころ軸受等のような、
接触角を持たない複列軸受においても、軸受内部に供給
された潤滑油は左右のころに十分に行き渡り難いため、
上述のことが当てはまる。
【0014】これらの軸受では、潤滑油が軸受内を貫通
し難く、軸受内部に潤滑油が滞留し易いため、軸受の発
熱、冷却、異物排出等の面で、軸受性能上、不利であ
る。これらの問題点を改善するために、従来は必要以上
に多量の潤滑油を供給していた。しかしながら、必要以
上に多量の潤滑油を供給することによって、軸受内部の
攪拌抵抗の増加、すなわち軸受の回転トルク増大が生じ
る。
【0015】軸受内部に潤滑油を滞留し難くするための
他の方法として、転がり軸受の構成部品(内輪、外輪、
保持器、転動体)に潤滑油の流れを発生させる構造(流
れ発生手段)を設けることが提案されている。この流れ
発生手段を設けた従来例を以下に示す。実開平6−40
460号公報には、中心部に回転軸線に沿って貫通孔が
形成されているころを備えたころ軸受において、ころの
貫通孔の内周に螺旋状の溝が設けられている転がり軸受
が開示されている。
【0016】特開平8−177869号公報には、潤滑
油を流れ易くして軸受内部に溜まり易い汚油(異物を含
む潤滑油)を外部に排出するために、保持器の柱に凹部
や羽根を設けることが開示されている。特開平8−20
0377号公報には、保持器のスラスト荷重面に、保持
器外部の潤滑油を保持器内部に導入する孔を設けること
が開示されている。
【0017】特開平9−32858号公報には、保持器
の柱に内・外輪間での油の滞留を防止し、対流を促す切
欠を設けることが記載されている。特開平9−1519
46号公報には、保持器の外周面の側縁に環状の凹み部
を設けるとともに、保持器の内周面に多条ねじ状の潤滑
油案内溝を形成することが記載されている。
【0018】しかしながら、これらの公報に記載の方法
には以下のような問題点がある。 軸受の回転方向によって流れ発生手段の向きや形状を
変える必要がある。すなわち、一方向回転にしか効果が
ない。流れ発生手段の構造が複雑であって、コストが
高くなる。流れ発生手段が単列軸受用であり、これを
そのまま複列軸受に適用しても、左右の転動体に潤滑油
を分配することはできない。流れ発生手段の形成に伴
って、保持器の強度が低下する恐れがある。
【0019】一方、端面給油法や油浴潤滑法等のよう
に、軸受内の下部から潤滑油を転動体が汲み上げること
で潤滑が開始される方法では、軸受の回転を長時間停止
した後に再び回転させると、軸受内の上部に潤滑油が溜
まっていない状態で回転が再開される。したがって、回
転再開直後は、軸受内の上部に存在する転動体には潤滑
油が供給されないため、潤滑油が不足して損傷が生じる
恐れがある。
【0020】また、低温時には、潤滑油の粘度が高いた
め流動性が悪い。したがって、端面給油法や油浴潤滑法
による軸受の潤滑においては、特に低温始動時には、潤
滑状態が極めて悪い状態で回転が開始されるため、焼付
等が生じる恐れがある。本発明は、このような従来技術
の問題点に着目してなされたものであり、自動調心ころ
軸受等の複列軸受において、少ない潤滑油で十分な潤滑
性能が得られるようにすること、および軸受始動時の潤
滑性向上を図ることを課題とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は、内輪と、外輪と、2列の転動体と、保持器
と、を備え、保持器は、軸方向中心部に配置される環状
部材と、この環状部材から軸方向両側に向かう柱と、を
有する複列転がり軸受において、環状部材の外周面に、
軸受内に供給された潤滑油を保持器の環状部材と2列の
転動体と外輪とで囲まれた空間から両列の転動体に向か
わせる流路を、環状部材の外周面に設けたことを特徴と
する複列転がり軸受を提供する。
【0022】前記流路は、例えば、軸受内に供給された
潤滑油を保持器の環状部材と2列の転動体と外輪とで囲
まれた空間から両側の柱に向かわせることにより、両側
の柱を介して両列の転動体に向かわせる流路であっても
よい。本発明はまた、内輪と、外輪と、2列の転動体
と、保持器と、を備え、保持器は、軸方向中心部に配置
される環状部材と、この環状部材から軸方向両側に向か
う柱と、を有する複列転がり軸受において、環状部材の
外周面に複数個の凹部を周方向に沿って設けたことを特
徴とする複列転がり軸受を提供する。
【0023】本発明はまた、内輪と、外輪と、転動体
と、保持器と、を備え、保持器は、軸方向中心部に配置
される環状部材と、この環状部材から軸方向に向かう柱
と、を有する転がり軸受において、環状部材の外周面に
複数個の凹部を周方向に沿って設けたことを特徴とする
転がり軸受を提供する。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。図1は、本発明の第1実施形態に相当する自
動調心ころ軸受を示す図である。この図は、基本的には
正面図であるが、紙面の上部は断面図となっている。ま
た、この図の上下方向中央部分は、外側の外輪が破断さ
れていて、内部の構造を示している。図2は、保持器を
示す斜視図である。この図において、保持器の周面は平
面状に展開されている。
【0025】この自動調心ころ軸受は、内輪1と、外輪
2と、2列のころ31,32と、保持器4とで構成され
ている。外輪2には、潤滑油供給用の給油孔21が形成
されている。この給油孔21は、外輪2の軸方向中心部
に、周方向で複数個、等間隔に設けてある。この給油孔
21から、潤滑油が、保持器4の環状部材41と2列の
ころ31,32と外輪2とで囲まれた空間Aに供給され
る。
【0026】保持器4は、軸方向中心部に配置される環
状部材41と、この環状部材41から軸方向左右両側に
向かう柱42R,42Lとを有し、周方向で隣り合う柱
42R,42Lの間(保持器ポケット)にころ31,3
2が設置されている。また、各列のころ31,32を周
方向でずれた位置に配置するために、左右の柱42R,
42Lは周方向で互い違いとなるように配置されてい
る。環状部材41の外周面には、所定形状の突起43が
一体に設けてある。この突起の厚さは、ここでは環状部
材41の厚さの5/8程度となっているが、外輪2の内
周面に接触しない範囲で自由に設定できる。
【0027】この突起43は環状の部材であり、この突
起43の周面を展開した時の平面形状は次の通りであ
る。左の柱42L側に開口した円弧51aと、右の柱4
2R側に開口した円弧52aが、環状部材41の周方向
で交互に配置されている。左側の円弧51a同士は、環
状部材41の左側線41aに沿った線43aで接続さ
れ、右側の円弧52a同士は、環状部材41の右側線4
1bに沿った線43bで接続されている。ここで、各円
弧51a,52aは、柱42R,42Lの幅方向中心点
5a,5bを中心とした円の一部となっている。
【0028】すなわち、この突起43により、環状部材
41の外周に、各柱42R,42L側に開口する円弧状
の壁面51,52が形成されている。そして、環状部材
41の外周面の壁面51,52で囲まれた柱42R,4
2L側の部分が、空間Aから各柱42R,42L側に潤
滑油を向かわせる流路となっている。ここで、保持器4
の回転方向が矢印Bである場合を例にとって、中央給油
法で潤滑を行った場合のこの軸受の作用を説明する。
【0029】先ず、空間Aに供給された潤滑油は重力の
作用により落下する。このとき、落下した潤滑油は、保
持器4の円弧状の壁面51,52に導かれて、左右の各
柱42L,42Rに向かう。すなわち、矢印D,Eの流
れが生じて、左右のころ31,32へ潤滑油が供給され
る。このように、給油孔21から空間Aに供給された潤
滑油が、空間Aから壁面51,52に導かれて直接左右
のころ31,32に向かうため、従来の自動調心ころ軸
受よりも少量の潤滑油で十分な潤滑性能が得られるよう
になる。また、この実施形態では、潤滑油の流路となる
円弧状の壁面51,52をなす各円弧51a,52a
が、柱42R,42Lの幅方向中心点5a,5bを中心
とした円の一部となっているため、周方向で隣り合うこ
ろ31,32に均一に潤滑油が分配される。また、潤滑
油の流路となる円弧状の壁面51,52は、フライス加
工等で容易に作製できる。
【0030】さらに、環状部材41の外周面に突起43
を設けることにより、両方の柱42R,42Lへ潤滑油
を向かわせる流路を形成しているため、環状部材41の
外周面に凹部を設ける場合よりも、保持器4の強度を高
くすることができる。保持器4の回転方向が矢印Bと反
対の方向の場合にも、落下した潤滑油は、前記と同様に
して、保持器4の突起43の円弧状の壁面51,52に
導かれるため、少量の供給であっても左右のころ31,
32へ潤滑油が十分に供給される。
【0031】なお、各列のころ31,32を周方向で同
じ位置に配置する場合は、例えば図3に示すように、柱
42R,42Lが同じ位置になるように形成された一体
型保持器の環状部材41の外周面に、左右対称に円弧状
の壁面51,52を設けた突起43を設ければよい。ま
た、この実施形態では一体型の保持器4を使用している
が、保持器が各ころ列で別体になっている場合には、例
えば、図4に示すように、各保持器4R,4L毎に突起
43R,43Lを設ければよい。
【0032】図5は、本発明の第2実施形態に相当する
自動調心ころ軸受を示す図である。この図は、基本的に
は正面図であるが、紙面の上部は断面図となっている。
また、この図の上下方向中央部分は、外側の外輪が破断
されていて、内部の構造を示している。図6は、保持器
を示す斜視図である。この図において、保持器の周面は
平面状に展開されている。
【0033】この自動調心ころ軸受は、内輪1と、外輪
2と、2列のころ31,32と、保持器4とで構成され
ている。外輪2には、潤滑油供給用の給油孔21が形成
されている。この給油孔21は、外輪2の軸方向中心部
に、周方向で複数個、等間隔に設けてある。この給油孔
21から、潤滑油が、保持器4の環状部材41と2列の
ころ31,32と外輪2とで囲まれた空間Aに供給され
る。
【0034】保持器4は、軸方向中心部に配置される環
状部材41と、この環状部材41から軸方向左右両側に
向かう柱42R,42Lとを有し、周方向で隣り合う柱
42R,42Lの間(保持器ポケット)にころ31,3
2が設置されている。また、各列のころ31,32を周
方向でずれた位置に配置するために、左右の柱42R,
42Lは周方向で互い違いとなるように配置されてい
る。環状部材41の外周面には、複数個の突起45が一
体に設けてある。この突起の厚さは、ここでは環状部材
41の厚さの5/8程度となっているが、外輪2の内周
面に接触しない範囲で自由に設定できる。
【0035】この突起45は、各柱毎42R,42Lに
一つずつ設けてある。環状部材41の周面を展開した時
の突起45の平面形状は二等辺三角形である。この二等
辺三角形の頂角に対向する底辺を周方向で隣り合う柱同
士の間の距離と同じにし、この底辺と頂角との距離(頂
角の二等分線の長さ)は、環状部材41の幅の2/3程
度とした。各突起45は、二等辺三角形の前記底辺を環
状部材41の左右の側線に合わせ、頂角を柱42R,4
2L側に向けて配置されている。
【0036】すなわち、環状部材41の外周面には、周
方向で隣り合う突起45の壁面によって、左右の柱を接
続する2種類の流路46R,46Lが形成される。これ
らの流路46R,46Lが、空間Aから各柱42R,4
2L側に潤滑油を向かわせる流路となっている。ここ
で、保持器4の回転方向が矢印Bである場合を例にとっ
て、中央給油法で潤滑を行った場合のこの軸受の作用を
説明する。
【0037】先ず、空間Aに供給された潤滑油は重力の
作用により落下する。このとき、落下した潤滑油は、保
持器4の2種類の流路46R,46Lに導かれて、左右
の各柱42L,42Rに向かう。すなわち、矢印D,E
の流れが生じて、左右のころ31,32へ潤滑油が供給
される。このように、給油孔21から空間Aに供給され
た潤滑油が、空間Aから流路46R,46Lに導かれて
直接左右のころ31,32に向かうため、従来の自動調
心ころ軸受よりも少量の潤滑油で十分な潤滑性能が得ら
れるようになる。また、この実施形態では、潤滑油の流
路を形成する突起45の形状(環状部材41の周面を展
開した時の平面形状)が二等辺三角形となっているた
め、周方向で隣り合うころ31,32に均一に潤滑油が
分配される。また、突起45の構造が簡単であるため、
フライス加工等で容易に作製できる。
【0038】さらに、環状部材41の外周面に突起45
を設けることにより、両方の柱42R,42Lへ潤滑油
を向かわせる流路を形成しているため、環状部材41の
外周面に凹部を設ける場合よりも、保持器4の強度を高
くすることができる。保持器4の回転方向が矢印Bと反
対の方向の場合にも、落下した潤滑油は、前記と同様に
して、保持器4の流路46R,46Lに導かれるため、
少量の供給であっても左右のころ31,32へ潤滑油が
十分に供給される。
【0039】なお、環状部材41の周面を展開した時の
突起の平面形状は、図7に示すような半円状や、楕円状
等であってもよい。また、各列のころ31,32を周方
向で同じ位置に配置する場合は、例えば図8に示すよう
に、柱42R,42Lが同じ位置になるように形成され
た一体型保持器の環状部材41の外周面の柱42R,4
2Lの位置に、環状部材41の周面を展開した時の平面
形状が菱形である突起45aを設ければよい。
【0040】また、この実施形態では一体型の保持器4
を使用しているが、保持器が各ころ列で別体になってい
る場合には、例えば図9に示すように、両保持器4R,
4Lに突起45を設ければよい。図9の突起45は、環
状部材41の周面を展開した時の平面形状が二等辺三角
形であって、この二等辺三角形の頂角に対向する底辺の
長さを柱42L,42Rの幅と等しくしてある。また、
この突起45は、環状部材41の周方向における柱42
L,42Rの位置に配置されている。そして、各突起4
5は、右側の環状部材41Rでは、二等辺三角形の前記
底辺を環状部材41Rの左の側線に合わせ、頂角を柱4
2R側に向けて配置されている。左側の環状部材41L
では、二等辺三角形の前記底辺を環状部材41Lの右の
側線に合わせ、頂角を柱42L側に向けて配置されてい
る。
【0041】図10は、本発明の第3実施形態に相当す
る自動調心ころ軸受を示す図である。この図は、基本的
には正面図であるが、紙面の上部は断面図となってい
る。また、この図の上下方向中央部分は、外側の外輪が
破断されていて、内部の構造を示している。図11は、
保持器を示す斜視図である。この図において、保持器の
周面は平面状に展開されている。
【0042】この自動調心ころ軸受は、内輪1と、外輪
2と、2列のころ31,32と、保持器4とで構成され
ている。外輪2には、潤滑油供給用の給油孔21が形成
されている。この給油孔21は、外輪2の軸方向中心部
に、周方向で複数個、等間隔に設けてある。この給油孔
21から、潤滑油が、保持器4の環状部材41と2列の
ころ31,32と外輪2とで囲まれた空間Aに供給され
る。
【0043】保持器4は、軸方向中心部に配置される環
状部材41と、この環状部材41から軸方向左右両側に
向かう柱42R,42Lとを有し、周方向で隣り合う柱
42R,42Lの間(保持器ポケット)にころ31,3
2が設置されている。また、各列のころ31,32を周
方向でずれた位置に配置するために、左右の柱42R,
42Lは周方向で互い違いとなるように配置されてい
る。環状部材41の外周面には、複数個の突起47が一
体に設けてある。この突起の厚さは、ここでは環状部材
41の厚さの5/8程度となっているが、外輪2の内周
面に接触しない範囲で自由に設定できる。
【0044】この突起47は、環状部材41の周面を展
開した時の平面形状が平行四辺形である。この平行四辺
形の一対の平行な辺を、周方向で隣り合う柱同士の間の
距離より少し短くして、それぞれ環状部材41の左右の
側線に合わせている。この突起45は、また、環状部材
41の周方向で交互に、平行四辺形のもう一対の平行な
辺(斜め線)の向きを変えて配置されている。
【0045】すなわち、環状部材41の外周には、突起
47の斜め線による壁面47a,47bが形成されてい
る。この壁面47a,47bにより、環状部材41の外
周面に、空間Aから各柱42R,42L側に潤滑油を向
かわせる流路が形成されている。ここで、保持器4の回
転方向が矢印Bである場合を例にとって、中央給油法で
潤滑を行った場合のこの軸受の作用を説明する。
【0046】先ず、空間Aに供給された潤滑油は重力の
作用により落下する。このとき、落下した潤滑油は、保
持器4の2種類の壁面47a,47bに導かれて、左右
の各柱42L,42Rに向かう。すなわち、矢印D,E
の流れが生じて、左右のころ31,32へ潤滑油が供給
される。このように、給油孔21から空間Aに供給され
た潤滑油が、空間Aから壁面47a,47bに導かれて
直接左右のころ31,32に向かうため、従来の自動調
心ころ軸受よりも少量の潤滑油で十分な潤滑性能が得ら
れるようになる。また、この突起47を有する保持器4
は、突起47の構造が特に簡単であるため、フライス加
工等で容易に作製できる。
【0047】さらに、環状部材41の外周面に突起47
を設けることにより、両方の柱42R,42Lへ潤滑油
を向かわせる流路を形成しているため、環状部材41の
外周面に凹部を設ける場合よりも、保持器4の強度を高
くすることができる。保持器4の回転方向が矢印Bと反
対の方向の場合にも、落下した潤滑油は、前記と同様に
して、保持器4の壁面47a,47bに導かれるため、
少量の供給であっても左右のころ31,32へ潤滑油が
十分に供給される。
【0048】なお、この実施形態での突起47による潤
滑油流れの発生量は、前述の第1実施形態および第2実
施形態よりは少なくなるが、このような突起を設けない
場合との比較においては大きな効果がある。また、この
実施形態では、突起47の平面形状を平行四辺形にして
いるが、環状部材41の周方向と交差する斜め線を有す
る平面形状であれば平行四辺形でなくもよい。
【0049】図12は、本発明の第4実施形態に相当す
る自動調心ころ軸受を示す図である。この図は、基本的
には正面図であるが、紙面の上部は断面図となってい
る。また、この図の上下方向中央部分は、外側の外輪が
破断されていて、内部の構造を示している。図13は、
保持器を示す斜視図である。この図において、保持器の
周面は平面状に展開されている。
【0050】この自動調心ころ軸受は、内輪1と、外輪
2と、2列のころ31,32と、保持器4とで構成され
ている。外輪2には、潤滑油供給用の給油孔21が形成
されている。この給油孔21は、外輪2の軸方向中心部
に、周方向で複数個、等間隔に設けてある。この給油孔
21から、潤滑油が、保持器4の環状部材41と2列の
ころ31,32と外輪2とで囲まれた空間Aに供給され
る。
【0051】保持器4は、軸方向中心部に配置される環
状部材41と、この環状部材41から軸方向左右両側に
向かう柱42R,42Lとを有し、周方向で隣り合う柱
42R,42Lの間(保持器ポケット)にころ31,3
2が設置されている。また、各列のころ31,32を周
方向でずれた位置に配置するために、左右の柱42R,
42Lは周方向で互い違いとなるように配置されてい
る。
【0052】環状部材41の外周面には、断面形状が二
等辺三角形である環状の突起48が、頂角を外側に向け
て一体に設けてある。すなわち、環状部材41の断面形
状を五角形とすることにより、突起48を環状部材41
の外周面に一体に設けてある。この突起48の厚さは、
最も厚い部分で環状部材41の厚さの5/8程度となっ
ているが、外輪2の内周面に接触しない範囲で自由に設
定できる。この突起48の斜面が、空間Aから両側の柱
42R,42L側および直接両列のころに31,32潤
滑油を向かわせる流路となっている。
【0053】ここで、保持器4の回転方向が矢印Bであ
る場合を例にとって、中央給油法で潤滑を行った場合の
この軸受の作用を説明する。先ず、空間Aに供給された
潤滑油は重力の作用により落下する。このとき、落下し
た潤滑油は、保持器4の突起48に導かれて、左右の各
柱42L,42Rに向かう。すなわち、矢印D,Eの流
れが生じて、左右のころ31,32へ潤滑油が供給され
る。
【0054】このように、給油孔21から空間Aに供給
された潤滑油が、空間Aから突起48に導かれて直接左
右のころ31,32に向かうため、従来の自動調心ころ
軸受よりも少量の潤滑油で十分な潤滑性能が得られるよ
うになる。また、突起48の断面形状が二等辺三角形で
あってその頂角が外側に向いているため、左右のころ3
1,32に均一に潤滑油が分配される。また、この保持
器4は、突起48の構造が特に簡単であるため容易に作
製できる。
【0055】さらに、環状部材41の外周面に突起48
を設けることにより、両方の柱42R,42Lへ潤滑油
を向かわせる流路を形成しているため、環状部材41の
外周面に凹部を設ける場合よりも、保持器4の強度を高
くすることができる。また、この実施形態では、突起4
8の形状により、空間Aから両側の柱42R,42Lを
介さずに、直接、両列のころに31,32向かう潤滑油
の量が上述の第1〜3実施形態と比較して多いため、潤
滑効果がより高くなる。
【0056】保持器4の回転方向が矢印Bと反対の方向
の場合にも、落下した潤滑油は、前記と同様にして、保
持器4の突起48に導かれるため、少量の供給であって
も左右のころ31,32へ潤滑油が十分に供給される。
なお、突起48の断面形状は二等辺三角形に限定され
ず、二等辺三角形以外の三角形、半円や台形等、環状部
材41の幅方向両端部から中心に向かって突出している
形状であれば、いずれのものでもよい。
【0057】また、各列のころ31,32を周方向で同
じ位置に配置する場合は、例えば図14に示すように、
環状部材41に対して左右対称となるように柱42R,
42Lを形成し、この環状部材41の外周面に突起48
を一体化すればよい。また、この実施形態では一体型の
保持器4を使用しているが、保持器は各ころ列で別体に
なっていもよい。この場合には、例えば、図13の保持
器4を、突起48をなす二等辺三角形の頂角の2等分線
で、突起48および環状部材41を分割した形状とす
る。
【0058】また、特に、この第4実施形態の突起48
に、第1実施形態の円弧状の壁面51,52が形成され
ている保持器を用いることにより、少ない潤滑油で十分
な潤滑性能が得られる効果がより一層高くなる。図15
は、本発明の第5実施形態に相当する自動調心ころ軸受
を示す図である。この図は、基本的には正面図である
が、紙面の上部は断面図となっている。また、この図の
上下方向中央部分は、外側の外輪が破断されていて、内
部の構造を示している。図16は、保持器を示す斜視図
である。この図において、保持器の周面は平面状に展開
されている。
【0059】この自動調心ころ軸受は、内輪1と、外輪
2と、2列のころ31,32と、保持器4とで構成され
ている。保持器4は、軸方向中心部に配置される環状部
材41と、この環状部材41から軸方向左右両側に向か
う柱42R,42Lとを有し、周方向で隣り合う柱42
R,42Lの間(保持器ポケット)にころ31,32が
設置されている。また、各列のころ31,32を周方向
でずれた位置に配置するために、左右の柱42R,42
Lは周方向で互い違いとなるように配置されている。
【0060】環状部材41の外周面の幅方向中心部に
は、複数個の凹部6が周方向に沿って等間隔で設けてあ
る。環状部材41の周面を展開した時の凹部6の平面形
状は円である。また、柱42R,42Lの外面(環状部
材41の外周面に対応する面)にも、それぞれ一つの凹
部7が設けてある。環状部材41の周面を展開した時の
凹部7の平面形状は長円形である。これらの凹部6,7
の深さは、環状部材41の厚さの1/2程度となってい
る。ただし、この深さは、環状部材41および柱42
R,42Lを貫通せず、且つ保持器強度を低下させない
範囲で任意に設定可能である。
【0061】ここで、保持器4の回転方向が矢印Bであ
る場合を例にとって、油浴潤滑法で潤滑を行った場合の
軸受の作用を説明する。先ず、保持器4の回転に伴っ
て、軸受内の下部に溜まっている潤滑油が、軸受下部に
存在するころ31,32によって上側に汲み上げられ
る。この汲み上げの際に、環状部材41の凹部6および
柱42R,42Lの凹部7内に潤滑油が入る。そのた
め、回転を停止した状態では、軸受内の上部にある凹部
6,7の中に潤滑油が入っている。したがって、回転を
再開すると、軸受内の上部にある凹部6,7内の潤滑油
が重力の作用で落下するため、この潤滑油によって軸受
内の上部に存在するころ31,32が潤滑される。
【0062】保持器4の回転方向が矢印Bと反対の方向
の場合にも、前記と同様の作用が得られるため、左右の
ころ31,32へ潤滑油が十分に供給される。なお、凹
部6,7の平面形状は円形や長円形に限定されず、半円
や台形、四角形等であってもよい。また、環状部材41
の内周面や柱42R,42Lの内面に凹部を設ければ、
これらの凹部内に潤滑油が入ることによって、軸受内の
下部にあるころ31,32の潤滑をより効果的に行うこ
とができる。
【0063】また、このような凹部6,7を有する保持
器は、自動調心ころ軸受以外の複列軸受や単列軸受の場
合でも、少ない潤滑油で十分な潤滑性能が得られるよう
にすることができる。また、油浴潤滑法以外の方法で潤
滑が行われる軸受の場合でも、このような凹部6,7を
環状部材に設けることにより、少ない潤滑油で十分な潤
滑性能が得られるようにすることができる。
【0064】また、上述の第1〜4実施形態の保持器に
さらに凹部6,7を設けることによって、より一層少な
い潤滑油で十分な潤滑性能が得られるようになる。な
お、上述の第1〜4実施形態では、環状部材41の外周
面に突起43,45,47,48を設けることにより、
両方の柱42R,42Lへ潤滑油を向かわせる流路を形
成しているが、この流路を環状部材41の外周面に凹部
を設けることにより形成してもよい。ただし、この場合
には、凹部の深さおよび平面形状を、保持器の強度が十
分に確保できる寸法とする必要がある。
【0065】また、上記各実施形態では、自動調心ころ
軸受について述べているが、本発明の複列軸受はこれに
限定されず、複列円錐ころ軸受、複列円筒ころ軸受、自
動調心玉軸受にも適用可能である。また、上述の第1〜
4実施形態では、中央給油法による潤滑の場合について
説明しているが、潤滑方法はこれに限定されず、例えば
端面給油法や油浴潤滑法の場合にも有用である。
【0066】また、本発明の転がり軸受において、保持
器の種類は限定されず、もみ抜き保持器、プレス保持
器、樹脂保持器等いずれものに対しても適用可能であ
る。特に、樹脂保持器については、射出成形により任意
形状が容器に形成できるという点で有用である。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自動調心ころ軸受等の複列軸受において、少ない潤滑油
で十分な潤滑性能が得られるようにすることができる。
その結果、潤滑油の攪拌抵抗が低減されるため、軸受の
低トルク化、温度上昇や発熱量の低減化がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に相当する自動調心ころ
軸受を示す図である。
【図2】第1実施形態の保持器を示す斜視図であって、
保持器の周面を平面状に展開した図である。
【図3】柱の配置が図1と異なる場合の保持器を示す斜
視図であって、保持器の周面を平面状に展開した図であ
る。
【図4】第1実施形態の保持器として使用可能な別体型
保持器を示す斜視図であって、保持器の周面を平面状に
展開した図である。
【図5】本発明の第2実施形態に相当する自動調心ころ
軸受を示す断面図である。
【図6】第2実施形態の保持器を示す斜視図であって、
保持器の周面を平面状に展開した図である。
【図7】突起の形状が図6と異なる保持器を示す斜視図
であって、保持器の周面を平面状に展開した図である。
【図8】柱の配置が図5と異なる場合の保持器を示す斜
視図であって、保持器の周面を平面状に展開した図であ
る。
【図9】第2実施形態の保持器として使用可能な別体型
保持器を示す斜視図であって、保持器の周面を平面状に
展開した図である。
【図10】本発明の第3実施形態に相当する自動調心こ
ろ軸受を示す断面図である。
【図11】第3実施形態の保持器を示す斜視図であっ
て、保持器の周面を平面状に展開した図である。
【図12】本発明の第4実施形態に相当する自動調心こ
ろ軸受を示す断面図である。
【図13】第4実施形態の保持器を示す斜視図であっ
て、保持器の周面を平面状に展開した図である。
【図14】柱の配置が図12と異なる場合の保持器を示
す斜視図であって、保持器の周面を平面状に展開した図
である。
【図15】本発明の第5施形態に相当する自動調心ころ
軸受を示す断面図である。
【図16】第5実施形態の保持器を示す斜視図であっ
て、保持器の周面を平面状に展開した図である。
【図17】中央給油法を説明するための説明図である。
【図18】端面給油法を説明するための説明図である。
【図19】円錐ころ軸受で生じるポンプ効果を示す図で
ある。
【図20】円錐ころ軸受の場合に、回転時に内輪の外周
面に生じる遠心力の差を示す図である。
【図21】自動調心ころ軸受の場合に、回転時に内輪の
外周面に生じる遠心力の差を示す図である。
【図22】自動調心ころ軸受で生じるポンプ効果を示す
図である。
【図23】従来の自動調心ころ軸受を中央給油法で潤滑
した場合の作用を説明するための図である。
【図24】従来の一体保持器を示す図であって、(a)
は軸受の断面図であり、(b)は保持器単体を示す図で
あり、(c)は保持器の立体イメージ図である。
【図25】従来の別体保持器を示す図であって、(a)
は軸受の断面図であり、(b)は保持器単体を示す図で
あり、(c)は保持器の立体イメージ図である。
【符号の説明】
1 内輪 2 外輪 4 保持器 6 凹部 7 凹部 8 軸受箱 9 潤滑油溜まり 4R 別体型保持器の右側の保持器 4L 別体型保持器の左側の保持器 11 内輪の外周面 21 給油孔 30 ころ 31,32 ころ 41 環状部材 42R,42L 保持器の柱 43 突起 45 突起 46R,46L 流路 47 突起 48 突起 51,52 円弧状の壁面 47a,47b 突起の斜め線による壁面

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内輪と、外輪と、2列の転動体と、保持
    器と、を備え、 保持器は、軸方向中心部に配置される環状部材と、この
    環状部材から軸方向両側に向かう柱と、を有する複列転
    がり軸受において、 環状部材の外周面に、軸受内に供給された潤滑油を保持
    器の環状部材と2列の転動体と外輪とで囲まれた空間か
    ら両列の転動体に向かわせる流路を設けたことを特徴と
    する複列転がり軸受。
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