JP2001206912A - 活性エネルギー線硬化重合体及びそれを用いたインクジェット記録シート - Google Patents

活性エネルギー線硬化重合体及びそれを用いたインクジェット記録シート

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JP2001206912A
JP2001206912A JP2000015460A JP2000015460A JP2001206912A JP 2001206912 A JP2001206912 A JP 2001206912A JP 2000015460 A JP2000015460 A JP 2000015460A JP 2000015460 A JP2000015460 A JP 2000015460A JP 2001206912 A JP2001206912 A JP 2001206912A
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active energy
energy ray
ink jet
curable polymer
recording sheet
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Masahiro Nakada
将裕 中田
Kozo Tajiri
耕三 田尻
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Oji Paper Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F20/00Homopolymers and copolymers of compounds having one or more unsaturated aliphatic radicals, each having only one carbon-to-carbon double bond, and only one being terminated by only one carboxyl radical or a salt, anhydride, ester, amide, imide or nitrile thereof
    • C08F20/02Monocarboxylic acids having less than ten carbon atoms, Derivatives thereof
    • C08F20/52Amides or imides
    • C08F20/54Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide
    • C08F20/58Amides, e.g. N,N-dimethylacrylamide or N-isopropylacrylamide containing oxygen in addition to the carbonamido oxygen, e.g. N-methylolacrylamide, N-acryloylmorpholine

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水性の活性エネルギー線硬化重合体を提案
するものである。また、前記活性エネルギー線硬化重合
体を用いたインク吸収性、画質及び透明性に優れたイン
クジェットプリンター用記録シートを提案するものであ
る。 【解決手段】 N−ヒドロキシアルキルアクリルアミ
ド、N−アルキル−N−ヒドロキシアルキルアクリルア
ミド、N,N−ジヒドロキシアルキルアクリルアミド、
アクリロイルヒドロキシピペリジンから選ばれる少なく
とも一種類を含む組成物を活性エネルギー線で硬化して
得られる活性エネルギー線硬化重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェットプ
リンター用記録シートのインク受容層の主成分となる活
性エネルギー線硬化重合体に関する。更に詳しくは、イ
ンク吸収性に優れ、かつ画像の良好なインクジェットプ
リンター用記録シートのインク受容層の主成分となる活
性エネルギー線硬化重合体に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、簡易な装置
で安価にカラー印刷ができるためパーソナルユースに適
した記録方式であり、近年フルカラー化及び高解像度化
が達成されたことにより急速に普及している。インクジ
ェット方式で使用されるインクには、一般に水やアルコ
ール系の極性溶媒を含有するため、記録シート上に設け
るインク受容層として親水性の材料を用いることが検討
されている。具体的には、ポリビニルアルコール、ポリ
ビニルピロリドン、水溶性セルロース誘導体、ゼラチン
などの水溶性高分子によるインク受容層を基材シート上
に設けたものが多く提案されており、かつ実際に市販さ
れている。しかし、これらの受容層は水溶性高分子の水
溶液を基材シートに塗工し、乾燥して形成されるので、
エネルギーの消費量が大きいと考えられる。
【0003】一方、電子線や紫外線などの活性エネルギ
ー線を用いてインクジェット記録シートを製造する方法
も提案されている。例えば、特開平1−229685号
公報では、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、水溶性樹脂及び水を必須成分とする組成物を活性
エネルギー線で硬化させた受容層を形成することを提案
している。また、特開昭57−98528号公報及び特
開昭59−5249号公報には、第4級アンモニウム塩
を付加してなる水溶性カチオン性アクリル樹脂を活性エ
ネルギー線により硬化させる方法などが開示されてい
る。さらに、特開平1−139256号公報には、親水
性単官能モノマー及び/又はオリゴマーと多官能モノマ
ー及び/又はオリゴマーとを含有する混合組成物を塗布
し、電離放射線を照射して受容層を設けた記録シートも
開示されている。しかし、ここで用いられる該混合組成
物の粘度が高いため、水や親水性の溶剤に溶解させない
と基材シートに塗工できないため、希釈剤を除去する乾
燥工程を必要とするので、エネルギーの消費が大きいと
考えられる。
【0004】そこで、特開平4−69277号公報記載
では、希釈剤として使用される水や親水性の溶剤を用い
ないものとしてアクリロイルモルホリンを電子線により
硬化する方法が提案されている。しかしながら、本発明
者らの検討結果では、硬化後のシートがカールしたり、
印字後長時間経過しても印字面がべたつくなどの問題点
があることが判明した。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、インク受容
層を形成する時に、前記従来の技術が抱えている諸問題
を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。す
なわち、本発明は、親水性の活性エネルギー線硬化重合
体を提案するものである。また、該活性エネルギー線硬
化重合体を用いたインク吸収性、画質及び透明性に優れ
たインクジェットプリンター用記録シートを提案するも
のである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため各種の親水性モノマーについて鋭意検討
を行った結果、水酸基を有するアクリルアミド誘導体モ
ノマーが、活性エネルギー線で効率良く硬化して親水性
ポリマーを生成することを見出した。さらに、該モノマ
ーを基材シートに塗布した後、活性エネルギー線を照射
して硬化させたインク受容層を有する記録シートは、イ
ンクジェットプリンターで印字を行った場合に優れたイ
ンク吸収性、画質及び透明性を示すことを見出し、本発
明を完成させるに至った。
【0007】すなわち、本発明の第1の発明は、「N−
ヒドロキシアルキルアクリルアミド、N−アルキル−N
−ヒドロキシアルキルアクリルアミド、N,N−ジヒド
ロキシアルキルアクリルアミド、アクリロイルヒドロキ
シピペリジンから選ばれる少なくとも一種類を含む組成
物を活性エネルギー線で硬化して得られる活性エネルギ
ー線硬化重合体」である。
【0008】本発明の第2の発明は、「N−ヒドロキシ
アルキルアクリルアミドが、N−ヒドロキシエチルアク
リルアミド、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、
N−ヒドロキシイソプロピルアクリルアミド、N−1−
エチル−2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒ
ドロキシエトキシエチルアクリルアミドから選ばれる少
なくとも一種類を含む組成物であることを特徴とする上
記第1の発明に記載の活性エネルギー線硬化重合体」で
ある。
【0009】本発明の第3の発明は、「N−アルキル−
N−ヒドロキシアルキルアクリルアミドが、N−メチル
−N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−エチル−
N−ヒドロキシエチルアクリルアミドから選ばれる少な
くとも一種類を含む組成物であることを特徴とする上記
第1の発明に記載の活性エネルギー線硬化重合体」であ
る。
【0010】本発明の第4の発明は、「N,N−ジヒド
ロキシアルキルアクリルアミドがN,N−ジヒドロキシ
エチルアクリルアミドであることを特徴とする上記第1
の発明に記載の活性エネルギー線硬化重合体」である。
【0011】本発明の第5の発明は、「アクリロイルヒ
ドロキシピペリジンが1−アクリロイル−4−ヒドロキ
シピペリジンであることを特徴とする上記第1の発明に
記載の活性エネルギー線硬化重合体」である。
【0012】本発明の第6の発明は、「上記第1の発明
に記載の活性エネルギー線硬化重合体からなる親水性被
膜」である。
【0013】本発明の第7の発明は、「基材シート上
に、上記第1の発明に記載の活性エネルギー線硬化重合
体を含むインク受容層を設けたインクジェット記録シー
ト」である。
【0014】本発明で用いる活性エネルギー線硬化性組
成物は、活性エネルギー線の照射により重合及び架橋反
応を起こし、適度な架橋密度を有する親水性の網目構造
を持つ塗工層が形成され、吸水能を持つようになるもの
と推定される。このようにして形成された親水性の網目
構造内に水性インクが速やかに吸収され保持されるた
め、水性インクによる記録性(定着性、乾燥性)に優れ
るものと考えられる。また、塗膜は架橋構造を有してい
るため、耐水性にも優れるものである。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で用いる活性エネルギー線
硬化性組成物について説明する。該活性エネルギー線硬
化性組成物としては、分子内に水酸基を有する下記の水
溶性アクリルアミド誘導体モノマーである。すなわち、
N−ヒドロキシアルキルアクリルアミド、N−アルキル
−N−ヒドロキシアルキルアクリルアミド、N,N−ジ
ヒドロキシアルキルアクリルアミド、アクリロイルヒド
ロキシピペリジンから選択される一種類以上のモノマー
である。
【0016】これらのモノマーの中でも、前記したよう
な機構で水性インクの成分をすばやく吸収、保持するこ
とができる性質を有するものとしては、以下のものが好
ましい。例えば、N−ヒドロキシエチルアクリルアミ
ド、N−ヒドロキシプロピルアクリルアミド、N−ヒド
ロキシイソプロピルアクリルアミド、N−1−エチル−
2−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロキシ
エトキシエチルアクリルアミド、N−メチル−N−ヒド
ロキシエチルアクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロ
キシエチルアクリルアミド、N,N−ジヒドロキシエチ
ルアクリルアミド、1−アクリロイル−4−ヒドロキシ
ピペリジン等がある。
【0017】更に好ましくは、N−ヒドロキシエチルア
クリルアミド、N−ヒドロキシイソプロピルアクリルア
ミドである。N−ヒドロキシエチルアクリルアミドを主
成分とした活性エネルギー線硬化性組成物を用いてイン
クジェット記録シートを製造した場合には、印字後のべ
たつきが少ないという利点がある。また、N−ヒドロキ
シイソプロピルアクリルアミドを主成分としたものは、
特に画質が良好であるので好適である。
【0018】本発明における活性エネルギー線硬化性組
成物は、活性エネルギー線照射による硬化能に優れたも
のであるため、単独で受容層の成分として用いることが
できるが、必要に応じ他のモノマーやオリゴマーを混合
することができる。他のモノマーの例としては、メチル
(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、
アクリロイルモルホリン、2−ヒドロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、N−ビニルピロリドン、N−メチロールア
クリルアミド、アクリル酸、N−イソプロピルアクリル
アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−ビニル
ホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメ
チルアミノエチル(メタ)アクリレート4級塩、N,N
−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジ
メチルアミノプロピルアクリルアミド4級塩、アリルア
ミン、ジアリルアミン、ジアリルメチルアミン、ジアリ
ルメチルアミン4級塩などが挙げられ、他のオリゴマー
の例としてはポリエチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリ
レート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)ア
クリレートなどが挙げられる。
【0019】これらの中でも、N,N−ジメチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート4級塩、N,N−ジメチル
アミノプロピルアクリルアミド4級塩、ジアリルメチル
アミン4級塩はカチオン性であるためインク中の染料の
定着性を向上させることができ、好適に用いられる。こ
れらを混合する場合の添加量は、組成物中に1〜50重
量%が好ましく、更に好ましくは5〜30重量%であ
る。1重量%より小さいと、染料を十分に定着すること
ができず、50重量%より多いと本発明の組成物の特徴
が失われてしまうので好ましくない。
【0020】本発明におけるインク受容層を形成する方
法について説明する。基材シート上に本組成物を塗工
し、活性エネルギー線を照射することによって組成物が
重合、硬化して親水性のインク受容層が得られる。
【0021】本組成物を硬化させるのに用いる活性エネ
ルギー線としては特に制限はないが、α線、β線、γ
線、X線、紫外線、電子線などが挙げられる。ただし取
り扱いが容易で一般的に普及している紫外線及び電子線
を使用するのが好ましい。更に、紫外線では光重合開始
剤などを添加する必要があるが、電子線では添加の必要
がないので電子線の使用が好ましい。
【0022】電子線を使用する場合、電子線の照射方式
としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方
式、ブロードビーム方式などが採用される。電子線を照
射する際の加速電圧は100〜300kV程度が適当で
ある。電子線の照射量は0.1〜20Mrad程度の範
囲で調節するのが好ましい。0.1Mrad未満では十
分硬化せず、20Mradを越えるような照射は基材を
劣化させる恐れがあるため好ましくない。
【0023】また、紫外線を使用する場合には、組成物
中に光重合開始剤を配合する必要があり、例えばチオキ
サントン、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテルキ
サントン、ジメチルキサントン、ベンゾフェノン、アン
トラセン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、ベンジ
ルジメチルケタール、ベンジルジフェニルジスルフィ
ド、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−
エチルアントラキノン、2−ter−ブチルアントラキ
ノン、N,N’−テトラエチル−4,4−ジアミノベン
ゾフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノンなどの光
重合開始剤の一種類以上が適宜配合される。これらの光
重合開始剤の配合量は、組成物中のモノマーに対して、
0.2〜10重量%程度、更に好ましくは0.5〜5重
量%の範囲で調節するのがよい。
【0024】紫外線照射用の光源としては、低圧水銀ラ
ンプ、高圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプ、キセノンラ
ンプ、メタルハライドランプなどが用いられ、5000
〜8000μW/cm2程度の強度を有する紫外線が好
ましく照射される。紫外線の照射量は100〜2000
mJ/cm2程度の範囲で調節するのが好ましい。
【0025】本発明で用いられる基材シートとしては、
目的に応じて公知のものの中から適宜選択することがで
き、例えば紙及びプラスチックフィルムが挙げられる。
具体的には、上質紙、中質紙、コート紙、アート紙、キ
ャストコート紙、板紙、合成樹脂ラミネート紙、金属蒸
着紙、合成紙などの紙、及びポリエチレンテレフタレー
ト、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリイミド、
セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、
ポリエチレン、ポリプロピレンなどの透明性が優れてい
るプラスチックフィルムを用いると、バックプリントや
OHPシート等の光透過性記録媒体として利用できるイ
ンクジェット記録シートを作成することができる。本発
明で得られるインク受容層は、非常に高透明性であるた
め、これら媒体に好適に用いることができる。
【0026】これらの基材はその表面に形成するインク
受容層との接着力が不十分な場合には下塗り層を施した
り、コロナ放電処理などの各種の易接着処理を施すこと
ができる。基材の厚さは、プリンターの通紙性を考慮す
ると50〜500μmが好ましい。
【0027】塗工方法としては公知の塗布手段、例えば
バーコーティング法、ロールコーティング法、ブレード
コーティング法、エアーナイフコーティング法、グラビ
アコーティング法、ダイコーティング法、カーテンコー
ティング法などを用いることができるが、この限りでは
ない。
【0028】塗布量は硬化後の重量として1〜50g/
2程度が好ましく、さらに好ましくは3〜20g/m2
である。ここで1g/m2より少ないとインクの吸収が
不十分となりやすく、50g/m2より多くなるとカー
ルが発生しやすくなるし、コストもかさむので好ましく
ない。
【0029】また、インクジェット記録シートのカール
抑制や、搬送性の向上のため、基材シートのインク受容
層とは反対側に裏面層を設けることもできる。裏面層の
構成及びそれに伴う基材シート裏面の易接着処理等はそ
の用途に応じて選択することができ、特に限定されるも
のではないが、塗工性及びコストを鑑みると親水性樹脂
を主成分とする裏面層を設けることが好適である。その
他に、インクジェット記録シートに用いられる従来公知
の顔料及び耐光性向上剤等を用いることができる。
【0030】
【実施例】以下実施例を挙げて本発明を具体的に説明す
るが、もとより本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
【0031】<実施例1> (モノマーの合成方法)本実施例で用いるN−ヒドロキ
シエチルアクリルアミドは以下のようにして合成した。
エタノールアミン0.4モル(24.4g)、炭酸カリ
ウム0.22モル(30.4g)、メタノール200m
lを入れたフラスコを−30℃〜−10℃に保ち、攪拌
しながらアクリル酸クロライド0.4モル(34ml)
を2時間かけて滴下した。その後、3時間攪拌を続けた
後、生じた結晶を濾過した。濾液からメタノールを留去
してN−ヒドロキシエチルアクリルアミド41.6gを
得た(収率90.4%)。これをカラムクロマトグラフ
ィーにて精製した。
【0032】(インクジェット記録シートの作成及び評
価法)厚さ100μmの透明ポリエチレンテレフタラー
トフィルム(東レ(株)製ルミラー100−Q80D)
上に、N−ヒドロキシエチルアクリルアミドを塗工量が
固形分重量で20g/m2になるようにバー塗工した。
これを直ちに電子線照射装置(ESI社製エレクトロカ
ーテン)により加速電圧175kV、照射線量5Mra
dの電子線を照射した。N−ヒドロキシエチルアクリル
アミドは、電子線照射により重合、架橋されて親水性の
硬化塗膜が得られた。本実施例で得られた硬化塗膜につ
いて下記の方法で評価し、結果を表1に示した。得られ
たシートに対しては、インクジェット印字品質、硬化
性、カール及び印字後のべたつきの評価を行った。
【0033】(インクジェット印字品質の評価)得られ
た硬化塗膜をインクジェット記録シートとして用いたと
きのインクジェット印字品質は、以下のように評価し
た。インクジェットプリンター(EPSON製、PM7
00C)でシアン、マゼンタ、イエロー及びブラックの
各色でベタ印字(専用OHPシート印刷モード)を行っ
て印字濃度の均一性を目視にて次の3段階で評価した。 ○:印字濃度の均一性が良く、十分にインクを吸収して
いる。 △:印字濃度が不均一であるが、インクのあふれはな
い。 ×:インクを全く吸収しない。
【0034】(硬化性の評価)上記の方法にて電子線を
照射したときの硬化性について、目視にて次の2段階で
評価した。 ○:硬化する。 ×:硬化しない。
【0035】(カールの評価)得られたシートのカール
について、目視にて次の3段階で評価した。 ○:カールしない。 :中程度のカールが見られる。 ×:大きくカールする。
【0036】(印字後のべたつきの評価)得られた印字
後のべたつきについて、官能で評価した。 ○:印字部のべたつきがない。 △:印字部に中程度のべたつきがある。 ×:印字部が非常にべたつき、長時間経過してもべたつ
きがある。
【0037】<実施例2>実施例1において、エタノー
ルアミンをイソプロパノールアミンに代えたほかは、実
施例1と同様にしてN−ヒドロキシイソプロピルアクリ
ルアミドを合成した。これを実施例1と同様に塗工、電
子線照射したところ、親水性の硬化塗膜が得られた。本
実施例で得られた硬化塗膜について実施例1と同様の方
法で評価し、結果を表1に示した。
【0038】<実施例3>実施例1において、エタノー
ルアミンを2−アミノ−1−ブタノールに代えたほか
は、実施例1と同様にしてN−1−エチル−2−ヒドロ
キシエチルアクリルアミドを合成した。これを実施例1
と同様に塗工、電子線照射したところ、親水性の硬化塗
膜が得られた。本実施例で得られた硬化塗膜について実
施例1と同様の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0039】<実施例4>実施例1において、エタノー
ルアミンをモノプロパノールアミンに代えたほかは、実
施例1と同様にしてN−ヒドロキシプロピルアクリルア
ミドを合成した。これを実施例1と同様に塗工、電子線
照射したところ、親水性の硬化塗膜が得られた。本実施
例で得られた硬化塗膜について実施例1と同様の方法で
評価し、結果を表1に示した。
【0040】<実施例5>実施例1において、エタノー
ルアミンをアミノエトキシエタノールに代えたほかは、
実施例1と同様にしてN−ヒドロキシエトキシエチルア
クリルアミドを合成した。これを実施例1と同様に塗
工、電子線照射したところ、親水性の硬化塗膜が得られ
た。本実施例で得られた硬化塗膜について実施例1と同
様の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0041】<実施例6>実施例1において、エタノー
ルアミンをメチルエタノールアミンに代えたほかは、実
施例1と同様にしてN−メチル−N−ヒドロキシエチル
アクリルアミドを合成した。これを実施例1と同様に塗
工、電子線照射したところ、親水性の硬化塗膜が得られ
た。本実施例で得られた硬化塗膜について実施例1と同
様の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0042】<実施例7>実施例1において、エタノー
ルアミンを2−エチルアミノエタノールに代えたほか
は、実施例1と同様にしてN−エチル−N−ヒドロキシ
エチルアクリルアミドを合成した。これを実施例1と同
様に塗工、電子線照射したところ、親水性の硬化塗膜が
得られた。本実施例で得られた硬化塗膜について実施例
1と同様の方法で評価し、結果を表1に示した。
【0043】<実施例8>実施例1において、エタノー
ルアミンをジエタノールアミンに代えたほかは、実施例
1と同様にしてN,N−ジヒドロキシエチルアクリルア
ミドを合成した。これを実施例1と同様に塗工、電子線
照射したところ、親水性の硬化塗膜が得られた。本実施
例で得られた硬化塗膜について実施例1と同様の方法で
評価し、結果を表1に示した。
【0044】<実施例9>実施例1において、エタノー
ルアミンを4−ヒドロキシピペリジンに代えたほかは、
実施例1と同様にして1−アクリロイル4−ヒドロキシ
ピペリジンを合成した。これを実施例1と同様に塗工、
電子線照射したところ、親水性の硬化塗膜が得られた。
本実施例で得られた硬化塗膜について実施例1と同様の
方法で評価し、結果を表1に示した。
【0045】<比較例1>実施例1で用いた透明ポリエ
チレンテレフタラートフィルム上にN,N−ジメチルア
クリルアミド(和光純薬工業(株)製)を塗工量が固形
分重量で20g/m2になるようにバー塗工した。これ
を実施例1と同様に加速電圧175kV、照射線量5M
radの電子線を照射したところ、N,N−ジメチルア
クリルアミドは硬化せず、硬化塗膜は得られなかった。
結果を表1に示した。
【0046】<比較例2>実施例1で用いた透明ポリエ
チレンテレフタラートフィルム上にヒドロキシエチルメ
タクリレートを塗工量が固形分重量で20g/m2にな
るようにバー塗工した。これを実施例1と同様に加速電
圧175kV、照射線量5Mradの電子線を照射した
ところ、ヒドロキシエチルメタクリレートは硬化せず、
硬化塗膜は得られなかった。結果を表1に示した。
【0047】<比較例3>実施例1で用いた透明ポリエ
チレンテレフタラートフィルム上にヒドロキシブチルビ
ニルエーテル((株)ISPジャパン製、RAPI−C
URE HBVE)を塗工量が固形分重量で20g/m2
になるようにバー塗工した。これを実施例1と同様に加
速電圧175kV、照射線量5Mradの電子線を照射
したところ、ヒドロキシブチルビニルエーテルは硬化せ
ず、硬化塗膜は得られなかった。結果を表1に示した。
【0048】<比較例4>実施例1で用いた透明ポリエ
チレンテレフタラートフィルム上にポリエチレングリコ
ールジアクリレート(共栄社化学社製、ライトアクリレ
ート14EG−A、分子中に2個の二重結合を有してい
る親水性モノマー)を塗工量が固形分重量で20g/m
2になるようにバー塗工した。これを実施例1と同様に
加速電圧175kV、照射線量5Mradの電子線を照
射したところ、硬化した。しかし実施例1と同様に印字
品質を評価したところ、インクを吸収せず良好な画像は
得られなかった。結果を表1に示した。
【0049】<比較例5>実施例1で用いた透明ポリエ
チレンテレフタラートフィルム上にアクリロイルモルホ
リン(和光純薬工業(株)製)を塗工量が固形分重量で
20g/m2になるようにバー塗工した。これを実施例
1と同様に加速電圧175kV、照射線量5Mradの
電子線を照射したところ、硬化したが、塗膜は強くカー
ルしていた。また、実施例1と同様に印字品質を評価し
たところ、良好な画像が得られたが、長時間経過しても
印字部のべたつきが消えなかった。結果を表1に示し
た。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明で用いる活性エネルギー線硬化性
組成物は、活性エネルギー線で効率よく硬化して重合体
が得られる。この特徴を利用すると基材上にインク受容
層を設けたインクジェット記録シートを乾燥工程無しで
得ることができる。得られたインクジェット記録シート
はインク吸収性、画像及び透明性に優れたものであっ
た。また、インクジェット記録シートばかりでなく、プ
ラスチックフィルム、繊維及び成形体表面などの親水化
にも適宜使用できる。更に紙の上に塗工することによ
り、親水性で光沢のある樹脂被膜を形成できる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N−ヒドロキシアルキルアクリルアミ
    ド、N−アルキル−N−ヒドロキシアルキルアクリルア
    ミド、N,N−ジヒドロキシアルキルアクリルアミド、
    アクリロイルヒドロキシピペリジンから選ばれる少なく
    とも一種類を含む組成物を活性エネルギー線で硬化して
    得られる活性エネルギー線硬化重合体。
  2. 【請求項2】 N−ヒドロキシアルキルアクリルアミド
    が、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−ヒドロ
    キシプロピルアクリルアミド、N−ヒドロキシイソプロ
    ピルアクリルアミド、N−1−エチル−2−ヒドロキシ
    エチルアクリルアミド、N−ヒドロキシエトキシエチル
    アクリルアミドから選ばれる少なくとも一種類を含む組
    成物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネル
    ギー線硬化重合体。
  3. 【請求項3】 N−アルキル−N−ヒドロキシアルキル
    アクリルアミドが、N−メチル−N−ヒドロキシエチル
    アクリルアミド、N−エチル−N−ヒドロキシエチルア
    クリルアミドから選ばれる少なくとも一種類を含む組成
    物であることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギ
    ー線硬化重合体。
  4. 【請求項4】 N,N−ジヒドロキシアルキルアクリル
    アミドがN,N−ジヒドロキシエチルアクリルアミドで
    あることを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線
    硬化重合体。
  5. 【請求項5】 アクリロイルヒドロキシピペリジンが、
    1−アクリロイル−4−ヒドロキシピペリジンであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の活性エネルギー線硬化重
    合体。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の活性エネルギー線硬化重
    合体からなる親水性被膜。
  7. 【請求項7】 基材シート上に、請求項1記載の活性エ
    ネルギー線硬化重合体を含むインク受容層を設けたイン
    クジェット記録シート。
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